JP4811826B2 - 廃棄有機物の低温磁気分解処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、有害化学物質を含む有機物を、磁化空気により低温分解処理することを目的とした廃棄物の低温磁気分解処理装置に関する。
従来、廃棄有機物の低温磁気分解処理については、特許公報等に数件の提案が有り実用化の域に達している装置もあるが、未だ実験中の装置が多く、全体としては普及の域に達していない。また芳香族塩素化合物、特に毒性の高いPCB、ダイオキシン等有害化学物質の処理については、超高温(例えば1000℃以上)の焼却処理が知られており近来、電気、磁気等により、活性化処理した温熱水蒸気を使用し、又は有害物の排水を600℃以上に加熱したチャンバー内に噴霧して処理する提案もある。
或いは、ダイオキシンを含んだ被処理物と硫黄とを熱水中で反応させる分解方法が提案され、更には、有害物に電磁波を照射し、化学物質を選択的に加熱する処理方法(温度800℃〜1150℃の加熱)が夫々提案されている。
特開2004−317087号公報 特開2004−73938号公報 特開2006−333986号公報 特開2001−254929号公報 特開2005−168573号公報
従来、有害廃棄物の処理については、次のように幾多の提案がある。例えば過熱水蒸気を使用する方法(特許文献1)、加熱したチャンバー内へ噴霧処理する方法(特許文献2)、又は被処理物に硫黄を加え熱水中で反応させる方法(特許文献3)、更には電磁波を照射する方法(特許文献4、5)などである。
前記先行技術は、何れの処理についても継続的に処理物(又は操作)を付加する必要があり、かつ使用温度も600℃以上であって、耐火炉又は、耐火取扱いを必須要件としているのみならず、多大のランニングコストを必要とするなど幾多の問題点があった。
この発明は、廃棄有機物の処理装置に工夫を加えた装置によってランニングコストの極めて少ない廃棄有機物と有害化学物質の同時低温磁気分解処理を可能にし、前記従来の問題点を解決したものである。
例えば、PCB又はダイオキシンなどを含む廃棄有機物の処理の場合には、被処理物を粗砕乃至粉砕して、そのまま処理槽に収容し、磁化空気の供給により自動的に分解処理する。また分離された状態で与えられるPCB等の液は、粉砕処理した廃棄有機物又はおが屑のように小粒となっている有機廃棄物に混合してから処理槽に収容して分解処理する。前記においてPCB等は、毒性のある関係で処理装置は閉鎖状態で取り扱うことを要件としているが、要は、有害有機物等へ磁化空気を有効に接触させると共に、化学分解熱により発生した温度(例えば250℃〜400℃)に曝して分解を促進させる。実験の結果によれば、処理槽内(灰の中心部)における最高温度は、423℃であったが、この温度は分解熱の蓄積によるものであり、さらに上昇するおそれはない。従って発火点(木などの発火点は500℃)に達する恐れはなく、極めて安全である。前記磁化空気については、0.4テスラ(4000ガウス)以上の磁場を通過した空気が処理槽内に入り被処理物に接触して磁気分解処理される。この場合に、処理槽内の被処理物は、下部分が分解熱によって300℃〜400℃に加熱され、かつ槽内の被処理物の下側面が灰からの輻射熱を受けるものと考えられる。従って一般の廃棄有機物と、PCB、ベンゼンその他ベンゼン核を有する化合物の分解に、磁化空気と所定の温度(300℃〜400℃)及び輻射熱(又は光)が、相乗的に作用して分解を促進するものと考えられる。
前記において、連続処理の際は、前記磁化空気と300℃〜400℃の温度と輻射熱が安定した状態で作用するものと推定される。然しながら温度及び光の無い「スタート」時には、単に磁化空気の吸入促進の為の手段を構ずるのみで分解が始動されるので、前記温度と輻射熱及び光は、分解効率の向上に寄与していると推定することができる。
前記磁化空気の吸入促進手段としては、例えば被処理物の下部(例えば灰室)で紙などを燃やし、上昇気流を生成して、磁化空気を吸入させる。この場合において、可燃物の量は上昇気流を生成する時間(例えば2〜5分)燃焼を継続することが必要である。前記は密閉中の処理槽の下部で行われるので、酸欠により燃焼の継続ができない場合もあるが、このような場合にも、一旦分解が始まれば、不燃残渣は磁気分解されるので、処理の継続に支障はない。また分解が1日以上に継続した後、廃棄有機物を追加しないと、分解は中断するが、加熱された灰は暫く(5日〜6日)保温残留しているので、廃棄有機物の投入によって再び自動的に分解を開始することが認められた。
前記処理時間は、被処理物の材質及び大きさによって異なるが、分解熱の発生と、消費
(予熱時の蒸発、排気と共に排出、分解の為の消費など)のバランスにより、始動後1〜2時間を経過後は安定した定常運転となる。従って始動後1〜2時間経過すれば、爾後被処理物を継続的に残存させる限り、安定した分解処理が出来る。前記被処理物の投入は、処理量宛の連続投入も考えられるが、実質的には、半量宛(例えば容量が2mの処理槽内へは、1m処理される毎に1m宛追加投入する)の投入が好ましい。例えば下半分が分解される間に、上半分は、自動的に乾燥と、磁化空気との接触などにより前処理される。
即ち水分の多い被処理物は、排気の上昇に伴って乾燥させられると共に磁化空気にも接触するので、被処理物が分解作用を受け易くなり、後の分解効率を向上させる。
前記のように、被処理物は、その下側部から確実に処理される(図4(b))。即ち被処理物の下面は、球弧状(架橋)に処理され、時々上部被処理物の圧力で下降して水平状に戻る作用を繰り返し、全体として平均的に処理される。即ち被処理物の下面は当初O位置にあったが、処理の進行に伴いP位置になり投入被処理物の圧力又は撹拌により、再びO位置に戻るような変化を繰り返すものと推定される。即ち前記O位置に戻す為に上部で攪拌したり被処理物を投入する際の被処理物の自重による下圧作用によるものと考えられる。前記において、被処理物が小さい(例えば5cm以下)場合には攪拌などの外力を加えることなく被処理物の自重作用のみによる自然降下も考えられる。
この発明の方法によれば、一般廃棄有機物(例えば、木、紙、合成樹脂など)及び1,2,3,4−四塩化ベンゼン又はPCBを火力を使用することなく容易に分解できる効果がある。この発明の装置によれば、一般廃棄有機物及び1,2,3,4−四塩化ベンゼン又はPCBを投入するのみで、密閉状態でランニングコストがほとんどなく自動的に化学分解できる効果がある。又この発明の装置によれば、前記以外の被処理物であっても、投入すれば一切の人手を要することなく、かつランニングコストをほとんど掛けなくても自動的に分解処理できる効果がある。更に燃焼に依らない化学分解であるから、発熱量は一定上限(例えば400℃位)で安定し、処理を継続しても変化なく、排気はHO、CO、CO、H、N、Oなどであって、燃焼処理に比しCOの発生量も著しく少なくできる効果がある。
この発明の方法の実施例を示すブロック図。 この発明の装置の実施例の一部を省略し側壁を除去した正面図。 同じく一部を省略した平面図。 (a)同じく破砕装置の一部を省略した正面図、(b)同じく分解処理における架橋及びその回復の説明図。 同じく破砕装置の一部を省略した平面拡大図。 同じく被処理物を供給する他の実施例の一部を省略した正面図。 同じく排気処理装置の一部を省略した説明図。 (a)ダイオキシンの構造式、(b)PCBの構造式、(c)1,2,3,4−四塩化ベンゼンの構造式。
この発明は主として有害芳香族化合物を含む廃棄有機物を、密封処理槽に収容し、前記廃棄有機物の下部側部に接触する磁化空気を供給して、これを分解処理して無害化すると共に無機残渣(灰)とするものである。即ち残渣となった灰以外は、水分と気体(例えばCO、HO、H、O、N)となり無害化される。前記に於いて窒素酸化物が臭気となるが、これは排気浄化工程で除去され、排気は水蒸気(CO、HO、Nなど)となり有害物質は皆無となる。
この発明における処理方法は、廃棄有機物(有害物を含む)に磁化空気を接触させると共に輻射熱その他光線を放射し、かつ分解熱により加温(例えば250℃〜400℃)する。前記加温の温度は、場所により異なるが、通常処理槽内の廃棄有機物の中央下面が最も高く加温され(又は灰の中心部)、かつ磁化空気に曝され、輻射熱も受けるので廃棄有機物は下面中央から効率よく化学分解されて周囲に及ぶものである。この場合に処理槽は閉塞されている為に、廃棄有機物の下面及び下側面には、磁化空気がほぼ均等に接触し、ラジカル分解を開始する。またラジカル分解によって分解熱を発生するので、処理槽内の廃棄有機物の下側部は、300℃〜400℃の温度雰囲気の中で、流動する磁化空気に接触するものと推定される。従って効率よく分解(例えば平面積1m、高さ1.5mの槽内で廃棄有機物は、3時間乃至4時間で、1m位)できることを確認している。前記は廃棄有機物の大きさが5cm以上であったが、大きさを平均して5cm以下とすれば、分解効率はさらに向上するものと推定される。例えば2cm以下となれば、2時間〜3時間で1m分解できる。
何故ならば、小さくなることによって廃棄有機物と磁化空気との接触頻度が多くなるからである。またPCB又はダイオキシンなどの有害物を含む化学物質については、磁化空気の作用によってクロルベンゼン化し、ついでベンゼンになると考えられている。四塩化ベンゼンを用いた実験の結果によれば、濃度56,000mg/Lのものが、処理後排ガス中に0.00042mg/L、排水中に0.048mg/L含まれるのみとなっており、残渣中の濃度については、0.3mg/L未満であった。
次にこの発明の装置は、角筒状3重壁の処理槽の内側及び中央部へ強磁場を通過した磁化空気の吹出嘴を上下多段に設け中央下部を灰室とし、灰室の上部を処理室として連通させる。前記吹出嘴の基部は、夫々磁気空気室に連通させてある。前記処理室の中央部には上部から回転軸が垂下し、その下端部に攪拌羽根を取付け、その上部は回転装置に連結してある。前記処理槽の上部は蓋板により密封し、前記処理槽の一側上部に被処理物(廃棄有機物)投入用の案内筒を設け、該案内筒の上部はスクリューコンベアの上端部下側に連設してある。前記スクリューコンベアの下端部上側は、破砕機からの排出筒と連設し、前記破砕機には、有害化学物質の供給装置が連設してある。前記は、被処理物を投入する装置の一例であって、他の手段を用いる場合もある。
前記処理槽の排気浄化装置の下部に排水パイプ(排気パイプ兼用)を連設し、該排水パイプは排気水槽に連設開口してある。前記排気水槽で排水を処理すると共に(例えば微生物処理)排気は浄化槽に吸い上げ浄化して煙突から外界へ放出する。前記浄化した浄水は下水へ放流する。実験の結果排水中に有害物(例えばPCB)等は皆無に近いが、その他の有機汚物は微生物処理によって無害化してある。有害ではないが水が着色している場合には、脱色剤を使用することが好ましい。
前記排水及び排気は無害であるから環境汚染上問題はないが、着色された排水は汚染水と間違われやすいので、放水の際は無色に処理することが好ましい。前記破砕機は、大小様々の大きさの廃棄有機物を一定以下の大きさ(例えば5cm以下)に粉砕するので、処理効率を向上させることが出来る。この発明の処理は磁化空気による化学分解であるから、基本的に被分解物の外側に磁化空気が均等に接触することが分解効率の向上に連なっているので、前記結論となるのである。
次にPCB又はダイオキシンなどの汚染物の処理には、全行程を密封することが要件であるから、破砕機から処理槽までは、密封路を通過することが好ましい。そこで破砕時に有害化学物質(例えばPCB)を投入すれば攪拌により混合するので、混合措置を特別に結合しなくともよいことになる。
前記においては、主として有害化学物質及びその汚染物の処理について説明したが、この発明の方法及び装置は、一般廃棄有機物も容易に分解できることはいうまでもない。
また被処理物を粉砕すれば、処理効率が向上すると説明したが、被処理物の外周へ磁化空気が効率よく均等接触することを述べたもので、その大きさには制約がある。例えば、粉状(例えば0.1mm〜1mm)になると却って磁化空気の通過が困難になるからである。そこで一般材質(木、紙、プラスチック、その他)の場合には、0.1cm〜5cm位に破砕するが、0.5cm〜3.0cmにすることが好ましい。
この発明の実施例を図1に基づいて説明すると、廃棄有機物(例えば家庭用廃棄物、水分80%〜90%)50kgを破砕機に掛けて0.5cm〜3.0cmの大きさに破砕し、これにおが屑50kgを加えると共に、1,2,3,4−四塩化ベンゼン300gを加入して均一に攪拌混合する。前記混合物100kgを処理装置に収容し0.4テスラ(4000ガウス)以上(例えば1テスラ(10,000ガウス)まで)の永久磁石の磁場を通過した空気を自然吸入又は強制送気により給送した。前記状態で5時間経過した所ほぼ全量の分解を終了したことがみとめられた。前記に於いて排気浄化は、散水(例えば1分間10リットル)処理であり、排水は臭気が無かったのでそのまま放流した。前記における排煙及び排水並びに残灰中に、1,2,3,4−四塩化ベンゼンは皆無であったので、悉く分解処理されたものと認めた。
前記における磁化空気は、外気が強磁場を通過し、磁化空気となって処理槽内の分解部を経て、前処理部に供給される。通常外気は外気圧と、処理槽内の内気圧との差圧によって流入する。然しながら差圧のみによっては、必要量の流入が困難な場合には、例えば煙室基部に介装したファンを始動することにより、必要の差圧を作り、磁化空気を強制流入させることもある。なぜならば、燃焼時よりも少ない酸素量により、ラジカル分解(化学分解)を生じさせる必要があるからである。
前記において、外気と強磁場と、磁化空気室と、給気パイプとは、バルブを介して連通しており、前記バルブは常時一定の開度を保って開放されている(前記バルブにより、磁化空気の吸入量を調節する)。
磁化空気の供給は、化学分解に必要な磁化空気量(特にラジカル酸素)が必要であり、排気に伴って吸入することが好ましいが、磁化空気の吹出嘴が詰まるおそれもあるので、必要に応じ又は清掃の為に適宜強制送気(ファンによる)することが好ましい。この場合に酸素の供給が必要以上に多くなると、燃焼を生じるおそれがあるので、注意を要する。今後、前記送気量は数値化し、自動制御することになる。
[実験例1]
次に1,2,3,4−四塩化ベンゼン汚染衣服などの処理を次の要領で実験したところ次の結果を得た。
1.実証実験用材料
プラスチック製防護服(30着):1.6kg
プラスチック製長靴(25足)プラスチック製マスク(20個):16.7kg
プラスチック製手袋(20組):9.7kg
合計:28.0kg
スギ材おがくず(分解補助材):9.7kg
2.PCB代替標準物質(1,2,3,4−四塩化ベンゼン)
濃度:56,000(mg/L)塗布量:140mL
1,2,3,4−四塩化ベンゼン量:7,800mg
3.実証実験試料の分析
(1)分解残渣試料
分解装置内の全ての分解残渣を取りだし重量を計測(2,600g)後その中の5.2221gを分析した。
(2)排ガス試料
全実証実験期間中に排出された排ガスの全てを採取した。廃ガス採取は、「排ガス中のダイオキシン類の測定方法(JIS K0311)」に準拠した。
全排ガス排出量:360L(0.36m
(3)排水(循環水)試料
実証実験終了後循環水装置を2時間稼働し均一化した循環水を取り出し、全容量を計測(145L)した。その中の9.915Lを分析した。
4.実証実験結果(表1の通り)
分析装置内温度:423℃(MAX)
Figure 0004811826
この発明の装置の実施例を説明する。この実施例は主として有害化学物質および有害化学物質汚染物を磁気分解処理することを目的とした処理装置であって、有害化学物質の供給装置、廃棄有機物の前処理装置、移送装置、磁気分解処理装置、排気、排水の処理装置の組み合わせにより構成されている。
従来知られている廃棄有機物の処理装置は、何れも有害化学物質を含まない事を前提としているので、前記有害化学物質防除に対する対応の点が根本的に異なる。即ち有害化学物質を含む廃棄有機物の処理の場合には、原則的に密閉処理であるから、材料の投入及び分配並びに処理について一貫作業が総て閉塞中に行われなければならない。そこで材料の投入から始まり排気排水にいたるまで全密閉型である。
またPCB汚染物又はダイオキシン汚染物の処理の場合には、当該汚染物を細断しそのまま処理槽に収容して処理すれば、目的を達成し得る。例えばPCB単独のように液体で与えられる場合には、前記PCBを例えばおが屑と混合し、このおが屑を処理するようにしなければならない。燃焼処理と異なり液体の分解は出来にくいので、PCBを固形物に吸着させて処理することが好ましい。そこで廃棄有機物を粉砕する際にPCB(液体)を混入し廃棄有機物に有害化学物質が付着した状態で取り扱うことが好ましい。
前記における有害化学物質と廃棄有機物の割合(量的)は、夫々の特性により異なるので一概に定めることは出来ないが、有機廃棄物の外周に付着して、磁化空気に接触できることが好ましい。実施に際しては、有害化学物質の種類と状態及び有機物の形態によって異なるのでそれぞれ実験により定めることが好ましい。
この発明の装置の実施例を図2、3、4、5に基づいて説明する。角筒状の処理槽1の左右両下側に磁化空気室2、2を設けて、該空気室2、2の内側に漏斗状の処理室を設ける。前記処理室は前記処理槽1の底板3側から上方へ灰溜部4、分解部5及び前処理部6と順次連設されているが、各部は区画が無い。前記名称は、内部における分解処理作用に基づくものである。前記分解処理作用を受ける部分には、前記磁化空気の給気パイプ8、8と9、9が、上下多段で左右及び中央に設けて横設してある。前記給気パイプ8、8は、前記磁化空気室2、2の磁化空気を分解処理部分へ供給し、給気パイプ9、9は、基管10、10から立ち上がり、かつ分岐して分解処理部の給気パイプ9、9へ供給する。前記のように内外に給気パイプ8、9を夫々設けることによって給気の均等化を図り分解効率を向上させることが出来る。
前記における給気は、原則的に圧力差自動吸入としているので、磁化空気は処理物各部の減圧度に応じて供給される。前記処理槽1は所定の間隔を保って隔板11が設けられて二重壁とされており、処理部においては隔板11、11の内側に案内板12、12を設けて処理槽1の内側上部の空気の一部を下降させる為の循環路用間隙13が設けてある。また案内板12の内側に案内板12aを設けて、下方より吸入できるようにしてある。
前記のように、処理槽1の内側の隔板11は、二重壁とするために設け、隔板11の内側の案内板12は、間隙13を設けて、気体の下降路を確保し、案内板12aは、下方よりの吸入(撹拌羽根付近)を容易にするために設けられてある。前記案内板12,12aによって、撹拌羽根付近の気体を流入(矢示45)させ、ついで下降(矢示46)させて底板3上へ放出し、一部は上昇(矢示44)し、他の一部は排水パイプ29から排気される。前記排水パイプ29は別に説明する排気処理の排気と排水も排出する。前記において、案内板12の内外壁に水滴が付着する場合があっても、流下して排水パイプから排水される。
前記において、強磁場は永久磁石を磁石ボックス80内に設置し、前記磁石ボックス80の吸気パイプ又は、排気パイプにバルブを介装して吸入空気量を制御する。前記において、処理室と、外気との気圧差によって、吸入量は変動するけれども、化学分解が定常化されると、気圧の変動も少なくなるので、吸入量はバルブの開度により制御されることになる。
この発明による分解処理は、有機物の磁気分解であるから、分解熱は蓄積しても300℃〜400℃(実測の結果最高温度423℃であった)であるが、前記二重壁(場所によっては三重壁)の為に処理槽1の外壁1の温度は40℃〜60℃位であって、人体が触れても火傷などを生じる恐れがなく、紙その他の可燃物が接触しても発火する恐れが無い。前記処理槽1の上部には、蓋板7が固定してあり、蓋板7の中央部に回転軸14が回転自在に支持され、回転軸14の上端部は、モーター15の軸と連結してあり、下端部には攪拌羽根17が固定してある。また前記処理槽1の側壁上部には、処理物の投入ホッパー18が設置され、投入ホッパー18の上端部には、円筒コンベア19の上端部下側の排出筒20が気密に連結してある。
前記円筒状コンベア19の下端側には受けホッパー21が設置され(図4)、該受けホッパー21の上部には、連結筒22の下端が連結され連結筒22の上端部は破砕機23の送出筒24と連結してある。前記処理槽1の上部には排気孔25a、25aと連通する排気ダクト25が横設され、該排気ダクト25の一端は前記処理槽1の上部に連結し前記排気ダクト25の他端は、シャワーボックス26に連結開口してある。前記シャワーボックス26の内側上部には、撒水パイプ27を架設し、撒水パイプ27は、給水パイプ28に連結してある(図7)。また前記シャワーボックス26の下部には、排水パイプ29の基端が連結され、排水パイプ29の先端は水槽30の一側部へ開口している(図2、3)。
前記水槽30の他側上部には、排気パイプ31が開口しており、前記排気パイプ31は、濾過槽32を介して排出パイプ33に連結し排出パイプ33は、ファン34を介して、煙突35の基部に連結してある(図2)。
前記実施例において図4中シュート81により、矢示36のように廃棄有機物を投入し、破砕機23を始動して粗砕(5cm以下)すると共に、矢示37のように送入筒24内を落下し受けホッパー21を経て円筒コンベア19に入るので、円筒コンベア19の始動により、矢示35、38のように運ばれて(図2、図4)、排出筒20を経て投入ホッパー18に入り(図2)、処理槽1内へ供給される。この場合に廃棄有機物は粉砕されているので外力を加えることなく、矢示39、40のように供給される。この場合に攪拌羽根17は、緩徐(例えば1分間30回以下)に回転しているので、廃棄有機物は処理槽1内で、ほぼ均等の高さに収容される。
前記において、灰溜部4に灰があって、赤熱しているので(分解熱により)矢示41、41のような上昇気流が生じる(図2、4(b))ので、各給気パイプ8,9から磁化空気が、矢示42,43のように流出し、ついで上昇気体と共に上昇する。一方灰溜部に上昇気流矢示41が生じているので、間隙13の下部から矢示44、44のように気体が吸引され、これに伴って上部の間隙から処理槽内の空気が、矢示45、45のように吸い込まれる。従って磁化空気の一部は、矢示45、46、44のように循環することになる。このように循環することによって、磁化空気と廃棄有機物とが効率よく接触するので、全処理物が効率よく分解できる。例えば平面積1mで、深さ1.5mの処理槽で、前記要領で磁化空気を吸入して循環処理させた所、3時間乃至4時間で1mの廃棄有機物を分解した。この場合の廃棄有機物は、家庭用廃棄物(水分80%以上)と家屋廃材(水分20%以下)の等量混合物であった。前記における廃棄物は、一方の水分が80%以上あり、他方の水分は20%以下であったから、等量の混合物で50%程度の水分であった。この発明の実施例における取扱いでは廃棄有機物の水分含有量は、40%〜50%が好ましい。前記分解効率は、1,2,3,4−四塩化ベンゼンを添加した場合も変化がなかった。前記のように、排気の一部は循環するが、他部は上昇して排気ダクトに入り、又は流下する水と共に、排水管29により排出される。
前記により生じた気体は、図7中矢示47のようにダクトを通過し、矢示48のように、シャワーボックス26に入り、水シャワーで洗浄され、ついで矢示49、49aのように、水槽30に入る。そこで気体分は、矢示50のように吸い上げられ(ファン34による)、活性炭を充填した濾過槽32を、矢示51のように通過し、清浄化されて矢示52、53のように煙突35から排出される(図2)。
前記処理槽1によれば、廃棄有機物は化学分解され、ほとんど分子と水分になるので、有害物は皆無である(例えばH、HO、O、CO、Nなど)。
前記処理物中に、PCBその他のベンゼン核を有するような有害化学物質があっても、化学分解されるので(1,2,3,4−四塩化ベンゼンで立証済)、有害化学物質は残留していない(表1)。
前記有害化学物質の有無については、1,2,3,4−四塩化ベンゼンを塗布した汚染物を前記実施装置で処理した所、排煙、排水及び灰中に、1,2,3,4−四塩化ベンゼンはもとより、その他の有害化学物質も残留していなかった。
この発明の装置において、廃棄有機物を粉砕すると共に、有害化学物質(例えばPCB)を混入する実施例を図6に基づいて説明する。処理槽1の上部側壁へホッパー70の下部を連設し、ホッパー70の上部へ破砕機71の連結筒72の下端側を連結し、破砕機71の上部へ廃棄有機物を装入するホッパー73を設ける。また前記破砕機71と近接して化学液(例えばPCB)を入れるタンク54を設置し、前記タンク54の下部側壁と、前記ホッパー73の下部側壁との間を送液パイプ55で連結する。前記破砕機71の下部内側には、切断刃付の破砕ローラ56、56が並列架設されている。
前記破砕ローラ56、56を矢示57、57の方向へ回転すると、前記ホッパー73内の廃棄有機物が順次破砕されて矢示58のように連結筒72のホッパー70を経て処理槽1内へ装入される。前記実施例において、送液パイプ55のバルブを開くと、タンク54内の有害化学物質は、矢示79のようにホッパー73内へ入り廃棄有機物に混入するが、廃棄有機物が破砕されると共に混合して付着する。従ってタンク54内の有害化学物質は滴量宛前記廃棄有機物の外側へ付着する。この場合に有害化学物質の送液量は、送液パイプ55のバルブにより調節される。このようにして有害化学物質は廃棄有機物の外側へ過不足なく付着させられるので、有害化学物質は廃棄有機物と共に効率よく分解される。
前記破砕ローラ56、56の植刃の形状及び密度により有機物の破砕片の大きさが定まる。例えば大きさ0.5cm〜2.0cmの場合には、2.0cm以上の大きさの有機物が無作為に置かれてある物に比し、2倍以上の効率で分解することが認められた。また廃棄有機物(被処理物)が比較的小さいと、分解が容易であり効率よく目的とする分解を完了することが出来る。
また廃棄有機物を処理槽1へ装入しない場合には、ホッパー70の基部へ介装した仕切り板60を矢示59のように下降させて遮断するので、実質的に処理槽1内の排気が外部へ漏れる恐れは、極めて少ない。
また廃棄有機物を収容しない場合には、ホッパー73には蓋板61を被冠し、密封してある。
前記実施例は、有害化学物質を廃棄有機物に混合する場合について、一例を説明したが、要は密封状態で、廃棄有機物と有害化学物質とを混合させることを目的としており、この構造を特定するものではない。また、有機化学物質汚染された有機物も同様に分解処理することができる。前記実施装置においては、垂直の回転軸の下端部に撹拌羽根を固定したが、要は、被処理物を均等にならしたり、架橋を防止するためであって、撹拌羽根の具体的構造に限定されるものではない。例えば大きさ5cm以下の被処理物は、収容時に自動的に均等化するので、撹拌羽根を必要としない場合が多い。
1 処理槽
2 磁化空気室
3 底板
4 灰溜部
5 分解部
6 前処理部
7 蓋板
8 給気パイプ
9 給気パイプ
10 基管
11 隔板
12 案内板
13 間隙
14 回転軸
15 モーター
17 攪拌羽根
18 投入ホッパー
19 円筒コンベア
20 排出筒
21 受けホッパー
22 連結筒
23 破砕機
24 送入筒
25 排気ダクト
26 シャワーボックス
27 散水パイプ
28 給水パイプ
29 排水パイプ
30 水槽
31 排気パイプ
32 濾過槽
33 排出パイプ
34 ファン
35 煙突
51 破砕機
52 連結筒
53 ホッパー
54 タンク
55 送液パイプ
56 破砕ローラ
70 ホッパー
73 ホッパー

Claims (4)

  1. 筒状二重壁の処理槽と、前記処理槽内へ、上下多段であって、上部間隔を大きくし、下部間隔を小さくして漏斗状に配置した磁化空気の吹出嘴とを設け、前記処理槽を密閉した処理装置と、
    0.4テスラ以上の磁場を通過させ磁化空気を生成する磁化空気室を設け、前記磁化空気室と前記吹出嘴とを連結した磁気処理装置と、
    前記処理槽の上部内側へ架設した撹拌羽根装置と、
    前記処理槽に近接して設けた被処理物の破砕装置と、
    該破砕装置に付設したPCB又はダイオキシンの汚染物の供給装置と、
    前記破砕装置の排出口と前記処理槽の上部との間に設置する被処理物の移送装
    置と、
    前記処理槽からの排気を処理する排気処理装置と
    を組み合わせたことを特徴とする廃棄有機物を500℃未満の温度で分解処理
    する低温磁気分解処理装置。
  2. 磁化空気の上昇空間を処理槽の中央部に設け、処理槽の上部側壁に近接して気体の下降路の入口を設け、前記処理槽の下部側壁に気体の下降路の出口を設けたことを特徴とする請求項1記載の廃棄有機物の低温磁気分解処理装置。
  3. 処理槽の上部及び破砕装置の排出口と前記処理槽の上部との間に設置する被処理物の移送装置密閉したことを特徴とする請求項1記載の廃棄有機物の低温磁気分解処理装置。
  4. 排気処理装置は、水シャワーにより洗浄後、水槽に入れて水洗し、ついで気体を濾過槽で濾過することを特徴とした請求項1記載の廃棄有機物の低温磁気分解処理装置。
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