JP2005193733A - 車両用オーバヘッドモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 オーバーヘッドモジュールに温度上昇の抑制機構を設けることで、通信機器等の耐熱性の低い機器をも搭載可能とする。
【解決手段】 車両の屋根C1の内側にオーバヘッドモジュールケース101、102、103を装着し、搭載機器105に密着させてオーバヘッドモジュール内液タンク106を設ける。エンジンルームE内に設けたウオッシャー液タンク2から、ポンプ3を用いてウオッシャー液を送出することで、オーバヘッドモジュールの温度上昇を抑制する。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両の屋根C1の内側にオーバヘッドモジュールケース101、102、103を装着し、搭載機器105に密着させてオーバヘッドモジュール内液タンク106を設ける。エンジンルームE内に設けたウオッシャー液タンク2から、ポンプ3を用いてウオッシャー液を送出することで、オーバヘッドモジュールの温度上昇を抑制する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両用オーバーヘッドモジュールに関し、詳しくは、炎天下放置時等における温度上昇を抑制する機構を備える車両用オーバーヘッドモジュールに関する。
近年、車両用オーバーヘッドモジュールに、通信機器等の耐熱温度の低い機器(例えば、60〜70℃程度)を搭載するニーズがある。ところが、従来のオーバーヘッドモジュールは、搭載されているマップランプやサングラスケース等の耐熱温度が高く(通常、100℃以上)、これまで温度上昇を抑制できるような構成にはなっていなかった。このため、炎天下放置時のオーバーヘッドモジュールの温度上昇を抑制する必要が生じている。
ここで、従来のオーバーヘッドモジュールに関する技術としては、例えば、特許文献1等が挙げられ、コネクタ構造や配線に関する記載はあるが、熱対策はなされていない。また、他の車両用デバイスとして、特許文献2には、インナーミラーに関して背面に日射を防ぐ遮熱板を設けることが、特許文献3には通気口を設けることが記載されているが、これら技術では効果が十分ではない。さらに、車両全体として日射による車室内温度上昇を抑える技術も多数提案されている。例えば、特許文献4には、天井とフロントガラスとリアガラスとからなる屋根を中空の二重構造として、選択的に真空状態等とすることが開示されているが、オーバーヘッドモジュールの温度上昇抑制を目的とするには大掛かりでコスト高となるという問題がある。
特開2000−272409号公報
特開平9−188196号公報
特開平9−188195号公報
特開平7−25359号公報
以上のように、従来、オーバーヘッドモジュールに通信機器等を搭載することは耐熱性の問題から難しかった。そこで、本発明は、オーバーヘッドモジュールに温度上昇の抑制機構を設けることで、通信機器等の耐熱性の低い機器をも搭載可能とすることを目的とする。
本発明請求項1記載の車両用オーバヘッドモジュールは、車室の天井付近に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクと前記モジュール側液タンクを接続する配管と、該配管に設けたポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを備え、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送り、搭載機器の温度上昇を抑制する制御手段を備えるものである。
上記構成によれば、オーバヘッドモジュールケース内に収容したモジュール側液タンクを設けることによって、オーバヘッドモジュールの熱容量を増加させ、搭載機器の温度上昇を抑制することができる。さらに、炎天下に放置されてモジュール側液タンクの液温が上昇した場合には、モジュール側液タンクに車室外液タンクから低温の液が送られることによって、温度上昇を抑制する効果を維持できる。
請求項2記載の発明では、車室の天井付近に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクから前記モジュール側液タンクへ液を送る配管と、前記車室外液タンクへ前記モジュール側液タンクから液を戻す配管と、前記モジュール側液タンクへ液を送るためのポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを設け、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記モジュール側液タンクと前記車室外液タンクの液を入れ替える制御手段を設ける。
具体的には、モジュール側液タンクと車室外液タンクとを2本の配管で接続し、ポンプで液を入れ替えることによって、上記効果が得られる。
請求項3記載の発明では、車室の天井付近に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクから前記モジュール側液タンクへ液を送る配管と、前記モジュール側液タンクから車室外へ液を排出する配管と、前記モジュール側液タンクへ液を送るためのポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを設け、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送り、前記モジュール側液タンク内の液を車室外へ排出する制御手段を設ける。
あるいは、モジュール側液タンクと車室外液タンクとの間で液を循環させず、排出することもできる。例えば、リアウオッシャー用タンクや配管を利用することができるので、低コストで搭載性に優れる。
請求項4記載の発明では、車室の天井付近に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクから前記モジュール側液タンクへ液を送る配管と、前記車室外液タンクへ前記モジュール側液タンクから液を戻す配管と、前記モジュール側液タンクから車室外へ液を排出する配管と、前記モジュール側液タンクから前記車室外液タンクへの配管または車室外への配管との接続を切り替えるバルブ機構と、前記モジュール側液タンクへ液を送るためのポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを設け、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送るとともに、必要に応じ前記バルブ機構を切り替えて、前記モジュール側液タンク内の液を前記車室外液タンクへ戻し、あるいは前記モジュール側液タンク内の液を車室外へ排出する制御を行なう制御手段を設ける。
あるいは、モジュール側液タンクと車室外液タンクとの間で液を循環させる配管と、排出させる配管の両方を設けることもできる。例えば、リアウオッシャー用タンクや配管を利用しながら、必要に応じて液を循環させることで、ウオッシャー液を効率よく利用できる。
請求項5記載の発明では、車室の天井付近に設けたオーバヘッドモジュールケースと、該オーバヘッドモジュールケース内において搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクと前記モジュール側液タンクを接続する配管と、該配管に設けられて液を両タンク間で行き来させるポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを設け、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して、まず前記モジュール側液タンクの液を前記車室外液タンクへ戻し、次いで前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送る制御手段を設ける。
正逆回転可能なポンプを用いれば、モジュール側液タンクと車室外液タンクとの間を1本の配管で接続することもでき、より簡易な構成とすることができる。
請求項6記載の発明では、前記車室外液タンクがウオッシャー液タンクを兼ね、前記タンク内の液がウオッシャー液を兼ねる。
車室外液タンクとして既存のウオッシャー液タンクを用いれば、構成が簡易になり搭載性に優れるので好ましい。
請求項7記載の発明では、前記車室外へ液を排出する配管がリヤウオッシャー用の配管を兼ねる。
配管として、既存のリヤウオッシャー用の配管を用いれば、構成が簡易になり搭載性に優れる。
請求項8記載の発明では、前記オーバヘッドモジュールケース内壁面を覆う断熱材を備える。
上記構成に加えて断熱材を併用すれば、温度上昇を抑制する効果が向上する。
請求項9記載の発明では、前記モジュール内液タンクを前記オーバヘッドモジュールケ−ス頂面と前記搭載機器の間に設置する。
温度が上昇しやすい車両屋根側にモジュール内液タンクを設置することで、温度上昇を抑制する効果が向上する。
請求項10記載の発明では、前記モジュール内液タンクを前記搭載機器を覆うように設置する。
モジュール内液タンクで搭載機器を覆うことで、温度上昇を抑制する効果が向上する。
請求項11記載の発明では、前記ポンプ出口部に逆止弁を設け、該逆止弁の位置を前記車室外液タンクの液取り出し口より高い位置とする。
このようにすると、万一、車室外液タンクが空になった場合でも、モジュール内液タンクに液が残り、温度上昇抑制効果が維持される。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1に本発明の車両用オーバヘッドモジュールの第1の実施形態を、図2にその車載例を示す。図2のように、本実施形態のオーバヘッドモジュールは、オーバヘッドモジュール本体(以下、OHM本体と称する)1、車室外液タンクとしてのウオッシャー液タンク2、ポンプ3、逆止弁4、行き配管5、戻り配管6、制御手段としての制御回路7よりなる。OHM本体1は、車両Cの車両屋根C1の内側、車室天井部の近傍に装着され、ウオッシャー液タンク2、ポンプ3、逆止弁4は、車両前部のエンジンルームE内に設けられている。行き配管5、戻り配管6は、フロントピラーPに沿って配置される。
図1において、OHM本体1は、外側ケース101と断熱ケース102と断熱プレート103からなるオーバヘッドモジュールケースと、ステー104、オーバヘッドモジュールケース内に搭載される各種機器(以下、OHM搭載機器と称する)105、モジュール側液タンクとしてのオーバヘッドモジュール内液タンク(以下、OHM内液タンクと称する)106よりなる。オーバヘッドモジュールケースは、上端開口の容器状の外側ケース101内に、ほぼ同形状の断熱ケース102を嵌合固定し、これらケース101、102の開口部を閉鎖するように断熱プレート103を覆着してなり、車両屋根C1の内張りC2に空けられた穴に嵌め込まれて、ステー104によって車両屋根C1の内壁面に固定されている。
断熱ケース102は、外側ケース101の内壁面に密着するように設置され、その内部にOHM搭載機器105を収容している。断熱ケース102内に収容されるOHM搭載機器105は、従来は車室天井付近に設置していない耐熱温度が低いデバイスであり、ここでは、白線認識用カメラ105aとレンズ105b、カメラ用制御回路105c、通信モジュール105dとアンテナ105eを、車両前後方向に配置している。このような機器をOHM本体1内に搭載することで、例えば、通信モジュール105dの基板とアンテナ105eを一体化し、かつアンテナを車両屋根C1近傍の通信に有利な位置に配置できる利点がある。断熱ケース102は、外側ケース101よりも前後方向の長さがやや短く形成してあり、耐熱温度が高いデバイス(ここでは、マップランプ1011やスイッチ1012)は、断熱ケース102の後方の外側ケース101内に置かれている。これは、本発明の構成による温度上昇抑制効果が得られる部位を限定することで、必要な部位に、より長時間効果を与えるための工夫である。
OHM内液タンク106は、断熱プレート103の下面に接して設けられる偏平形状のタンクで、その上部壁には前端側に行き配管5からの液導入口501が、後端側には戻り配管6への液導出口601が開口している。行き配管5、戻り配管6の他端側はウオッシャー液タンク2に接続し、ウオッシャー液タンク2とOHM内液タンク106との間をウオッシャー液Wが循環するようになっている。行き配管5の途中にはポンプ3が設けられ、ポンプ3の下流には逆止弁4が、ウオッシャー液タンク2の液取り出し口より高い位置となるように設置されている(図2参照)。ポンプ3には公知の遠心式のポンプが用いられる。OHM搭載機器105は、OHM内液タンク106の下面に密着するように固定されている。
OHM内液タンク106内には、温度センサ701が配置されて、OHM内液タンク106内の液Wの温度を計測している。温度センサ701の検出結果は、制御回路7へ送られ、制御回路7は、温度センサ701の測定温度が所定の温度に達したときに、ポンプ3を駆動してウオッシャー液タンク2内の液WをOHM内液タンク106へ送出し、OHM搭載機器105の温度上昇を抑制する。
次に、上記構成の車両用オーバヘッドモジュールの作動について説明する。一般に、車両Cを炎天下に放置すると、太陽からの輻射熱(例えば、最大1000W/m2 程度と想定される)によって屋根C1が加熱されるため、熱対策がなされない場合には、屋根C1の内側に装着されたオーバヘッドモジュールの温度も上昇し、内部の温度が100℃を超えるおそれがある。そこで、本実施の形態では、OHM本体1内に収容したOHM搭載機器105と車室天井との間にOHM内液タンク106を配置し、OHM内液タンク106内の液Wの温度が所定温度を超えないように制御する。これにより、OHM内液タンク106に密接するOHM搭載機器105の温度上昇が抑制され、高温による異常等の発生を防止できる。
図3に、制御回路7による制御の一例をフローチャートで示す。図3において、制御回路7は、まず、ステップS101で温度センサ701を用いてOHM内液タンク106内の液Wの温度を検出し、ステップS102でその温度が所定温度以上かどうかを判定する。ここで、所定温度は、OHM搭載機器105の耐熱限界温度を超えないように、これより十分低い温度に設定される。ステップS102で検出された温度が所定温度以上であれば、ステップS103へ進んで、ポンプ3の作動を開始し、ステップS104でタイマーを作動させる。ステップS102で検出された温度が所定温度未満であれば、ステップS105では、タイマー作動から所定時間経過したかどうかを判定し、所定時間経過するまで、これを繰り返す。所定時間経過したら、ステップS106へ進んでポンプ3を停止する。ここで、所定時間は、ポンプ3の作動が、OHM内液タンク106内の液Wが入れ替わるのに必要な時間(例えば20秒程度)、継続するように、適宜設定される。
図4に、上記制御を行った場合の本発明の効果を示す。本発明を適応しない従来の構成では、炎天下放置時間とOHM本体1内温度の関係は、点線ABで示すようになり、炎天下放置開始とともに温度が急激に上昇し、上限温度を超える。これに対し、本発明の構成とした場合は、OHM内液タンク106内の液Wの熱容量により温度上昇が抑制され、実線ACで示されるように、所定温度(上限温度)以下を長時間維持できる。さらに、上限温度に達した場合には、ポンプ3が作動して、ウオッシャー液タンク2内の液Wが、行き配管5を通ってOHM内液タンク106内に送られる。ウオッシャー液タンク2は、エンジンルームE内にあり直射日光に当たらないことと外気にさらされているため、炎天下放置時においても温度がほとんど上昇しない(図3の実線AGに示す)。そのため、ポンプ3を駆動することにより、OHM内液タンク106の液温は急激に低下する(実線CD)。その結果、上限温度以下の維持時間を延ばすことができる(実線DE)。Eの時点で、再びポンプ3を駆動すると再び温度が低下する(実線EF)。これを繰り返し行うことで、OHM本体1内のOHM搭載機器105の温度上昇を抑制でき、長時間の炎天下放置が可能となる。
上記効果は、OHM内液タンク106のみによっても得られるが、上記第1の実施形態のように、断熱材(断熱ケース102、断熱プレート103)を併用するのが望ましい。また、逆止弁4は、ポンプ3からOHM内液タンク106方向にのみ液Wを通す構造となっている。そのため、ウオッシャー液タンク2内の液Wが少なくなり、水位がポンプ3の位置より下がると、ポンプ3内の液Wがなくなって液Wを送れなくなる。その結果、逆止弁4は閉弁状態となり、OHM内液タンク106は既送出の液Wが充填された状態となる。このように、逆止弁4の働きによって、万一、ウインドウオッシャーとしての使用により、ウオッシャー液タンク2が空になった場合でも、OHM内液タンク106内に残る液Wにより温度上昇抑制効果は維持される。
図5(a)に本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態の基本構成は、上記第1の実施形態と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。本実施形態は、OHM内液タンク106からウオッシャー液タンク2への戻し配管6を省略し、ウオッシャー液タンク2内の液Wを排出する配管として、リヤウインドウ用ウオッシャー液の送液管8を利用したものである。すなわち、OHM内液タンク106の導出口801は、送液管8を通じてリヤウオッシャーノズル802へ接続されている。ポンプ3は、リヤウオッシャー用ポンプを兼ねており、制御回路71には、リヤウオッシャースイッチ711が接続されている。
通常のリヤウオッシャーとして使う場合、ポンプ3によって、液Wが逆止弁4、行き配管5、導入口501、OHM内液タンク106、導出口801、送液管8を経て、リヤウオッシャーノズル802へと送られる。また、炎天下放置時は、液Wの温度上昇に伴い上記第1の実施形態と同様の制御によってポンプ3が駆動される。よって、液Wがリヤウオッシャー使用時と同様の経路で送出され、OHM内液タンク106内に低温の液Wを送り込むとともに、OHM内液タンク106内の温度上昇した液Wがリヤウオッシャーノズル802を通じて排出される。このときの温度変化は上記図3と同様である。また、逆止弁4の働きについても第1の実施形態と同様である。この実施形態によれば、既設のリヤウオッシャー用のポンプと配管をそのまま利用できるため、低コストで搭載性に優れたものとすることができる。
図5(b)に本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態の基本構成は、上記第1の実施形態と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。本実施形態では、上記第1の実施形態の戻し配管6を省略することなく、上記第2の実施形態のリヤウインドウ用ウオッシャー液の送液管8をも利用する。すなわち、OHM内液タンク106の出口部に三方弁9を設け、三方弁9の一方の導出口901をウオッシャー液タンク2への戻し配管6に、もう一方の導出口902をリヤウオッシャーノズル802に至る送液管8にそれぞれ接続する。ポンプ3は、リヤウオッシャー用ポンプを兼ねており、制御回路72には、リヤウオッシャースイッチ721が接続されている。
通常のリヤウオッシャーとして使う場合、制御回路72は、三方弁9をOHM内液タンク106と導出口902とが連通するように切り替えて、液Wが逆止弁4、行き配管5、導入口501、OHM内液タンク106、導出口902、送液管8を経て、リヤウオッシャーノズル802へと送る。一方、炎天下放置時は、三方弁9をOHM内液タンク106と導出口901とが連通するように切り替えて、液Wを上記第1の実施形態と同様の経路で送出し、OHM内液タンク106内に低温の液Wを送り込むとともに、OHM内液タンク106内の温度上昇した液Wを戻し配管6を通じてウオッシャー液タンク2へ戻す。この場合、上記第1および第2の実施形態の両方の特徴を備えたものとなり、既設のリヤウオッシャー用のポンプと配管をそのまま利用できる上、温度上昇抑制時には、液Wを循環させるので効率的である。
図6に、上記図5(a)の第2の実施形態における制御の一例をフローチャートで示す。図6において、制御回路71は、まず、ステップS201でイグニッションスイッチがオンかどうかを判定し、オンでなければステップS202で温度センサ701によりOHM内液タンク106内の液Wの温度を検出する。次いで、ステップS203でその温度が所定温度以上かどうかを判定し、所定温度以上であれば、ステップS204へ進んで、ポンプ3の作動を開始し、ステップS205でタイマーを作動させる。ステップS203で検出された温度が所定温度未満であれば、ステップS202へ戻る。ステップS206では、タイマー作動から所定時間経過したかどうかを判定し、所定時間経過するまで、これを繰り返す。所定時間経過したら、ステップS207へ進んでポンプ3を停止する。
また、ステップS201でイグニッションスイッチがオンであれば、ステップS208でリヤウオッシャースイッチ711がオンがどうかを判定し、オンでなければ終了する。リヤウオッシャースイッチ711がオンであれば、ステップS209へ進んで、ポンプ3の作動を開始し、ステップS210でリヤウオッシャースイッチ711がオンかどうかを判定し、オフとなるまで、これを繰り返す。リヤウオッシャースイッチ711がオフとなったら、ステップS211へ進んでポンプ3を停止する。
図7(a)に本発明の第4の実施形態を示す。本実施形態の基本構成は、上記第1の実施形態と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。本実施形態では、上記第1の実施形態の戻し配管6を省略し、OHM内液タンク106をウオッシャー液タンク2とを配管51でのみ接続する。OHM内液タンク106の上壁には配管51へ至る導出入口502が接続される。配管51の途中には、正逆転可能なポンプ(体積式など)31が設置され、逆止弁は配設されない。また、OHM内液タンク106には、内部の圧力を調整するための通気バルブ602が設けられる。
本実施形態において、制御回路73は、炎天下放置によりOHM内液タンク106内部の液Wの温度が上がると、まずポンプ31を逆転してOHM内液タンク106内の高温の液Wを、配管51を通じてウオッシャー液タンク2へ戻す。その際、通気バルブ602の働きで空気がOHM内液タンク106内に入る。その後、ポンプ31を正転し、今度はウオッシャー液タンク2内の液WをOHM内液タンク106内へ送り込む。OHM内液タンク106の容量に比べウオッシャー液タンク2の容量は大きいため、OHM内液タンク106内の高温の液Wが混入しても、ウオッシャー液タンク2内の液Wの温度は上がらず、低温の液WがOHM内液タンク106へ送られることとなる。なお、ウオッシャー液タンク2内には水位センサ201が設けられ、ポンプ31の位置より水位が高い場合だけポンプ31を駆動する。従って、駆動していないときは、ポンプ31自体が弁の働きをし、OHM内液タンク106内の液Wが、ウオッシャー液タンク2へ逆流することはない。こうすることで、万一、ウオッシャー液タンク2が空になった場合でも、OHM内液タンク106が空になるのを防止する。この実施形態によれば、配管が一本で済むため搭載性に優れる。
なお、図5(a)の上記第4の実施形態の構成において、通気バルブ602を設けず、OHM内液タンク106を樹脂等でできた柔らかいタンクとしてもよい。この場合は、ポンプ31を逆転しOHM内液タンク106内の液Wをウオッシャー液タンク2へ戻すと、OHM内液タンク大気圧によって106がつぶれ、正転して液Wを送り込むと再び膨らんで元に戻る。この構成では、上記第4の実施形態よりさらに簡素な構成とすることができる。
図7(b)の本発明の第5の実施形態を示す。本実施形態の基本構成は、上記第1の実施形態と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。上記第1〜4実施形態は、いずれもOHM搭載機器105の上面に接してOHM内液タンク106を設けた構成となっているが、OHM内液タンク106の配置はこれに限られるものではない。例えば、図7(b)のようにOHM搭載機器105全体をOHM内液タンク1061で覆うような構成としてもよい。このようにすると、温度上昇効果がより向上する。
図8に、上記図6(a)の第4の実施形態における制御の一例をフローチャートで示す。図8において、制御回路73は、まず、ステップS301で温度センサ701によりOHM内液タンク106内の液Wの温度を検出する。次いで、ステップS302でその温度が所定温度以上かどうかを判定し、所定温度以上であれば、ステップS303へ進んで、ポンプ3の逆方向に作動させ、ステップS304でタイマーを作動させる。ステップS302で検出された温度が所定温度未満であれば、ステップS301へ戻る。ステップS305では、タイマー作動から所定時間経過したかどうかを判定し、所定時間経過するまで、これを繰り返す。所定時間経過したら、ステップS306へ正方向に作動させ、ステップS307でタイマーを作動させる。ステップS308では、タイマー作動から所定時間経過したかどうかを判定し、所定時間経過するまで、これを繰り返す。所定時間経過したら、ステップS309へ進んでポンプ3を停止する。
なお、上記実施の形態では、OHM搭載機器105として、白線認識用カメラ105aとレンズ105b、カメラ用制御回路105c、通信モジュール105dとアンテナ105eを示したが、これに限定されるものではなく、その他の通信モジュール(ETC、VICS、G−BOOKのような携帯電話のインフラを利用したデータ通信、カーナビゲーションシステム用機器等)、ナイトビュー用赤外線カメラ、侵入センサ(カメラで撮影して画像認識するものや、超音波式、電波式等)、レインセンサなどの種々の機器が搭載可能である。
1 オーバヘッドモジュール本体
101 外側ケース
102 断熱ケース(断熱材)
103 断熱プレート(断熱材)
104 ピラー
105 搭載機器
106 オーバヘッドモジュール内液タンク(オーバヘッドモジュール側タンク)
2 ウオッシャー液タンク(車室外液タンク)
3 ポンプ
4 逆止弁
5 行き配管
6 戻り配管
7 制御回路(制御手段)
101 外側ケース
102 断熱ケース(断熱材)
103 断熱プレート(断熱材)
104 ピラー
105 搭載機器
106 オーバヘッドモジュール内液タンク(オーバヘッドモジュール側タンク)
2 ウオッシャー液タンク(車室外液タンク)
3 ポンプ
4 逆止弁
5 行き配管
6 戻り配管
7 制御回路(制御手段)
Claims (11)
- 車室の天井部近傍に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクと前記モジュール側液タンクを接続する配管と、該配管に設けたポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを備え、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送り、前記搭載機器の温度上昇を抑制する制御手段を備えることを特徴とする車両用オーバヘッドモジュール。
- 車室の天井部近傍に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクから前記モジュール側液タンクへ液を送る配管と、前記車室外液タンクへ前記モジュール側液タンクから液を戻す配管と、前記モジュール側液タンクへ液を送るためのポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを備え、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記モジュール側液タンクと前記車室外液タンクの液を入れ替える制御手段を備えることを特徴とする車両用オーバヘッドモジュール。
- 車室の天井部近傍に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクから前記モジュール側液タンクへ液を送る配管と、前記モジュール側液タンクから車室外へ液を排出する配管と、前記モジュール側液タンクへ液を送るためのポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを備え、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送り、前記モジュール側液タンク内の液を車室外へ排出する制御手段を備えることを特徴とする車両用オーバヘッドモジュール。
- 車室の天井部近傍に設けたオーバヘッドモジュールケース内において、搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクから前記モジュール側液タンクへ液を送る配管と、前記車室外液タンクへ前記モジュール側液タンクから液を戻す配管と、前記モジュール側液タンクから車室外へ液を排出する配管と、前記モジュール側液タンクから前記車室外液タンクへの配管または車室外への配管との接続を切り替えるバルブ機構と、前記モジュール側液タンクへ液を送るためのポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを備え、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送るとともに、必要に応じ前記バルブ機構を切り替えて、前記モジュール側液タンク内の液を前記車室外液タンクへ戻し、あるいは前記モジュール側液タンク内の液を車室外へ排出する制御を行なう制御手段を備えることを特徴とする車両用オーバヘッドモジュール。
- 車室の天井部近傍に設けたオーバヘッドモジュールケースと、該オーバヘッドモジュールケース内において搭載機器に密着させて設けたモジュール側液タンクと、車室外に設けた車室外液タンクと、前記車室外液タンクと前記モジュール側液タンクを接続する配管と、該配管に設けられて液を両タンク間で行き来させるポンプと、前記オーバヘッドモジュールケース内もしくは前記モジュール側液タンク内の温度を測定する温度センサを備え、前記温度センサの測定温度が所定の温度に達したときに前記ポンプを作動して、まず前記モジュール側液タンクの液を前記車室外液タンクへ戻し、次いで前記車室外液タンクの液を前記モジュール側液タンクへ送る制御手段を備えることを特徴とする車両用オーバヘッドモジュール。
- 前記車室外液タンクがウオッシャー液タンクを兼ね、前記タンク内の液がウオッシャー液を兼ねることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の車両用オーバヘッドモジュール。
- 前記車室外へ液を排出する配管がリヤウオッシャー用の配管を兼ねることを特徴する請求項3ないし6のいずれか記載の車両用オーバヘッドモジュール。
- 前記オーバヘッドモジュールケース内壁面を覆う断熱材を備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載の車両用オーバヘッドモジュール。
- 前記モジュール内液タンクが前記オーバヘッドモジュールケ−ス頂面と前記搭載機器の間に設置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の車両用オーバヘッドモジュール。
- 前記モジュール内液タンクが前記搭載機器を覆うように設置されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の車両用オーバヘッドモジュール。
- 前記ポンプ出口部に逆止弁を設け、該逆止弁の位置を前記車室外液タンクの液取り出し口より高い位置とすることを特徴とする請求項1ないし4、6ないし10のいずれか記載の車両用オーバヘッドモジュール。
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2004
- 2004-01-05 JP JP2004000130A patent/JP2005193733A/ja not_active Withdrawn
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