JP2005193158A - 担体法窒素除去システム - Google Patents

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Shoichi Kudamatsu
正一 下松
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敏英 有薗
Mamoru Maeda
守 前田
Masataka Yamagishi
真孝 山岸
Chikasuke Yoshikawa
慎祐 吉川
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Abstract

【課題】 低コストでかつ安定した操業ができる担体法窒素除去システムを提供する。
【解決手段】 この担体法窒素除去システム1は、脱窒菌による脱窒反応を用いて原水を脱窒する脱窒槽2と、原水に含有される硝酸態窒素の濃度を検出する硝酸態窒素計S2と、この検出された硝酸態窒素濃度に基づいて、脱窒反応に必要なアルコール量の理論値を演算するとともに、この演算された理論値の1〜2倍のアルコール量を、アルコール貯槽10からポンプ11で脱窒槽2へ供給するように制御する制御盤14などを具備している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、微生物による脱窒反応を用いて被処理水を脱窒する担体法窒素除去システムに関するものであって、河川等の水処理に好適である。
水処理に際して、水中のアンモニア態窒素を好気条件下で硝化し、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素を嫌気条件下で脱窒し、これらにより汚水から窒素を除去するための技術が知られている。例えば特許文献1に記載されたような、脱窒処理装置内で微生物(脱窒菌)を用いる技術が一般に知られており、この一般的な担体法窒素除去システムについて以下説明する。
図1は一般的な担体法窒素除去システムの全体構成における一例を示す図である。
このシステム1は、河川等からポンプ7でくみ上げた被処理水(原水)を脱窒菌で脱窒する脱窒槽2と、脱窒した水に含まれる余剰メタノール(メチルアルコール)を分解する接触酸化槽3と、その後発生した汚泥を沈殿する沈殿槽4と、沈殿した汚泥を可溶化する汚泥可溶化設備5と、可溶化した汚泥を減量化する汚泥減量化槽6とを備えてなっている。なお、図中のR1,R2,R3,R4,R5は、各槽間等を接続する管路を示している。
そして、ポンプ7でくみ上げられた原水は、管路R1を介して脱窒槽2に入り、その脱窒槽2内に浮遊する担体8に含まれる脱窒菌の働きにより脱窒される。ついで、脱窒された水は管路R2を経由して接触酸化槽3に流れ込み、ここでブロア9による空気吹き込み(エアレーション)によって接触酸化されて汚泥が分離される。分離された汚泥は沈殿槽4で汚泥が沈殿され、その上澄みが処理水として管路R3から取り出されて工業用水や農業用水等として再利用される。一方、沈殿槽4で沈殿された汚泥は管路R4を経由して汚泥可溶化設備5に導かれ、この汚泥可溶化設備5で可溶化(低分子化)される。可溶化された汚泥は管路R5を経由して減量化槽6に導かれ、この減量化槽6内で減量化された後、産業廃棄物等等として処分される。
特開2001−327844号公報
ところで、脱窒槽2における脱窒菌の脱窒反応には、必ず炭素源が必要であり、この炭素源としては、取扱いが容易でかつ安価なメチルアルコールがもっぱら使用されていた。
しかしながら、このメチルアルコールの供給量によって処理性能が大きく影響され、もしメチルアルコールの供給量が必要量よりも少なくなると脱窒ができなくなるので、システム1の安定した操業が困難となる。したがって、従来は、水中の硝酸態窒素濃度に対して3倍程度もの過剰なメチルアルコールを供給する傾向があった。この場合、余ったメチルアルコールは、接触酸化槽3での接触酸化により分解されて外部に流出するおそれはない。しかし、その余分メチルアルコールの値段に加えて、メチルアルコールの補充等維持管理に手間がかかり、ランニングコストが高くつくといった問題があった。
また、原水の温度が低くなる冬季には、脱窒菌の脱窒反応が低下して脱窒ができなくなるので、この場合もシステムの安定した操業が困難となる。したがって、メチルアルコールに加えて燐を供給する必要があるが、この場合は、過剰な燐はそのまま処理水に混じって外部に流出するため、その供給量の調整が困難であるといった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、低コストでかつ安定した操業ができる担体法窒素除去システムを提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、微生物による脱窒反応を用いて被処理水を脱窒する脱窒槽と、上記被処理水に含有される窒素濃度を検出する濃度検出手段と、この検出された窒素濃度に基づいて、上記脱窒反応に必要な炭素源の量を演算する炭素源演算手段と、この演算された量の炭素源を上記脱窒槽へ供給する炭素源供給手段とを具備し、上記炭素源演算手段は、上記検出された窒素濃度に基づいて炭素源の理論値を演算し、この演算された理論値の1乃至2倍の量を上記脱窒反応に必要な炭素源の量とするものであることを特徴とする担体法窒素除去システムを提供するものである。なお、上記被処理水に含有される窒素には、例えば硝酸態窒素が含まれる。また、上記理論値には、例えば炭素源としてのメチルアルコールに対する、いわゆるMcCartyらの式を用いた演算値が含まれる。
また、請求項2記載の発明は、微生物による脱窒反応を用いて被処理水を脱窒する脱窒槽と、この脱窒槽へ供給される被処理水の水量を検出する水量検出手段と、この検出された水量に基づいて上記脱窒反応に必要な燐の量を演算する燐演算手段と、この演算された量の燐を上記脱窒槽へ供給する燐供給手段とを具備し、上記燐演算手段は、上記検出された水量に対して0.06mg/L〜0.5mg/Lとなるように上記脱窒反応に必要な燐の量を演算するものであることを特徴とする担体法窒素除去システムを提供するものである。
請求項3記載の発明のように、上記請求項1記載の担体法窒素除去システムにおいて、上記脱窒槽へ供給される被処理水の水量を検出する水量検出手段と、この検出された水量に基づいて、上記脱窒反応に必要な燐の量を演算する燐演算手段と、この演算された量の燐を上記脱窒槽へ供給する燐供給手段とをさらに具備し、上記燐演算手段は、上記検出された水量に対して0.06mg/L〜0.5mg/Lとなるように上記脱窒反応に必要な燐の量を演算することが好ましい。
請求項4記載の発明のように、上記請求項2又は3記載の担体法窒素除去システムにおいて、上記被処理水の温度を検出する水温検出手段をさらに具備し、少なくとも上記燐供給手段は、上記検出された水温が所定のしきい値以下となったときにのみ動作することが好ましい。
請求項1記載の本発明によれば、微生物による脱窒反応を用いて被処理水を脱窒する脱窒槽と、上記被処理水に含有される窒素濃度を検出する濃度検出手段と、この検出された窒素濃度に基づいて、上記脱窒反応に必要な炭素源の量を演算する炭素源演算手段と、この演算された量の炭素源を上記脱窒槽へ供給する炭素源供給手段とが具備されており、上記炭素源演算手段により、上記検出された窒素濃度に基づいて炭素源の理論値が演算され、この演算された理論値の1乃至2倍の量が上記脱窒反応に必要な炭素源の量とされるので、上記脱窒反応に必要とされる炭素源が過不足なく上記脱窒槽へ供給されるようになり、システムの安定した操業が可能となる。したがって、余分な炭素源の貯蔵が不要となり、その値段分を節約できることに加えて、補充等維持管理の手間も少なくなり、ランニングコストが低減できる。
また、請求項2記載の発明によれば、微生物による脱窒反応を用いて被処理水を脱窒する脱窒槽と、この脱窒槽へ供給される被処理水の水量を検出する水量検出手段と、この検出された水量に基づいて上記脱窒反応に必要な燐の量を演算する燐演算手段と、この演算された量の燐を上記脱窒槽へ供給する燐供給手段とが具備されており、上記燐演算手段により、上記検出された水量に対して0.06mg/L〜0.5mg/Lとなるように上記脱窒反応に必要な燐の量が演算されるので、上記脱窒反応に必要とされる燐が過不足なく上記脱窒槽へ供給されるようになり、システムの安定した操業が可能となる。したがって、余分な燐の貯蔵が不要となり、その値段分を節約できることに加えて、補充等維持管理の手間も少なくなり、ランニングコストが低減できる。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の担体法窒素除去システムにおいて、上記脱窒槽へ供給される被処理水の水量を検出する水量検出手段と、この検出された水量に基づいて、上記脱窒反応に必要な燐の量を演算する燐演算手段と、この演算された量の燐を上記脱窒槽へ供給する燐供給手段とがさらに具備されており、上記燐演算手段により、上記検出された水量に対して0.06mg/L〜0.5mg/Lとなるように上記脱窒反応に必要な燐の量が演算されるので、上記脱窒反応に必要とされる炭素源と燐の両方が過不足なく上記脱窒槽へ供給されるようになり、システムのより安定した操業が可能となる。したがって、余分な炭素源と燐の貯蔵が不要となり、それらの値段分を節約できることに加えて、補充等維持管理の手間が少なくなり、ランニングコストが一層低減できる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2又は3記載の担体法窒素除去システムにおいて、上記被処理水の温度を検出する水温検出手段がさらに具備されており、少なくとも上記燐供給手段は、上記検出された水温が所定のしきい値以下となったときにのみ動作するようになっているので、例えば冬季には上記脱窒反応に必要とされる燐が供給され、それ以外の季節には供給されないようになる。このようにして、年間を通じてシステムの安定した操業が可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る担体法窒素除去システムについて説明する。
図2は本発明の一実施形態に係る担体法窒素除去システムの主要部の構成を示す図である。この担体法窒素除去システムの全体構成は、図1で示したような一般的な担体法窒素除去システム1と同様であり、微生物(脱窒菌)による脱窒反応を用いて被処理水(原水)を脱窒する脱窒槽2等を備えている。
本実施形態に係る担体法窒素除去システムは、上記脱窒反応に必要な炭素源としてのメチルアルコールを貯蔵するアルコール貯槽10と、このアルコール貯槽10から管路R6,R1を介して上記脱窒槽2にメチルアルコールを供給するポンプ11と、上記脱窒反応に必要な燐を貯蔵する燐貯槽12と、この燐貯槽12から管路R7,R1を介して上記脱窒槽2に燐を供給するポンプ13と、制御盤14とを備えている。
また、計器として、流量計(水量検出手段に相当する。)S1、硝酸態窒素計(濃度検出手段に相当する。)S2、DO計S3を管路R1上に取り付けるとともに、pH計S4、EC計S5、ORP計S6、DO計S7を脱窒槽2内に備えており、上記制御盤14は、計器うちの硝酸態窒素計S2の測定値に基づいて、上記脱窒反応に必要なメチルアルコールの量を演算する炭素源演算手段、及び、この演算値に従いポンプ11でアルコール貯槽11から脱窒槽2へとメチルアルコールを供給する炭素源供給手段として機能し、水量計S1の測定値に基づいて、上記脱窒反応に必要な燐の量を演算する燐演算手段、及び、この演算値に従いポンプ13で燐貯槽12から脱窒槽2へと燐を供給する燐供給手段として機能するようになっている。
ここで、流量計S1は脱窒槽2へ供給される原水の水量計測に使用される。また、硝酸態窒素計S2は硝酸態窒(NOx−N)の濃度を計測し、DO計S3は溶存酸素(DO)濃度を測定するもので、ともに原水の水質の計測にされる。その他の計器については、この実施形態では使用しないので、説明を省略する。
図3は脱窒槽の模式的断面図である。この脱窒槽2では、円筒形の槽本体21に河川等から図1のポンプ7でくみ上げられた原水が管路R1を経由し流入口22から流入される。そして、この脱窒槽2に(連続的または回分的)脱窒処理のため流入される原水が一時的に蓄えられ、脱窒処理後の水が流出口23から管路R2を経由して接触酸化槽3内に流出される。
本実施形態では、さらに図2のアルコール貯槽10からメチルアルコールがポンプ11で管路R6,R1を介して脱窒槽2に連続的に供給されるとともに、必要に応じて燐貯槽12から燐がポンプ13で管路R7,R1を介して脱窒槽2に供給されるようになっている。なお、管路R1を経由させることなく、管路R6,R7を脱窒槽2に直接接続するようにしてもよい。
脱窒槽2内に一時的に蓄えられた原水中には、脱窒菌を高密度に含ませた担体8が多数含まれ(図1参照)、流出口23の近傍には、担体8が流出口23から流出しないようにスクリーン24が設けられている。(ここでは窒素(N)ガスは開放された槽本体21から大気中にそのまま放出される)。
担体8中では連続的にメチルアルコールが供給されるとともに、必要に応じて燐が供給された脱窒菌により、原水中の硝酸態窒素等からNガスが生成されるという、いわゆる脱窒反応が生じ、この反応によって生成された窒素ガスによって担体8は水面に向けて浮上する。このために、電動機26により回転されるスパイラル(らせん状の羽根)25等によって、この浮上する担体8を再び水中に沈めて原水を循環されるようになっている。
このときの、メチルアルコールの必要量C’の理論値は、以下に示すような、いわゆるMcCartyらの式(1)〜(4)を用いて求めることができる。すなわち、
NO + 0.67CHOH + 0.53HCO
→0.04CN + 0.48N + 1.23HO + HCO
・・(1)
NO + 1.08CHOH + 0.24HCO
→0.065CN + 0.47N + 1.68HO + HCO
・・(2)
+ 0.93CHOH + 0.056NO
→0.056CN + 1.04HO + 0.59HCO + 0.056HCO
・・(3)
C’=2.47NO − N + 1.53NO − N + 0.87DO
・・(4)
である。
上記各式より、例えば1gの硝酸態窒素(NO − N)の脱窒には、2.4gのメチルアルコールが必要であり、その結果、0.52gの脱窒菌の増殖と、3.5gのアルカリ度の生成があることがわかる(詳しくは、「微生物による環境制御・管理技術マニュアル−環境微生物と下・廃水・廃棄物処理有効利用技術の基礎と応用−」 環境技術研究会発行 昭和58年12月1日 参照)。
そして、本実施形態では、上記脱窒反応に必要なメチルアルコールの量Cを、この理論値C’に、本発明者らが実験により求めた係数α(α=1〜2)を乗じた、下記の(5)式を用いて求めることができる。すなわち、
=α・C’ ・・(5)
である。そして、このメチルアルコールの必要量Cを脱窒槽2へ供給することとした。
また、燐の必要量Pは、原水の水量Q(L)に対して、本発明者らが実験により求めた係数β(β=0.06〜0.5mg/L)を乗じた、下記の式(6)を用いて求めることができる。すなわち、
=β・Q ・・(6)
である。そして、この燐の必要量Pを脱窒槽2へ供給することとした。
上記各係数α,βを求めるための実験結果をまとめて、図4に示した。同図において、横軸は実験月を順次並べたものであり、縦軸は脱窒反応に影響するパラメータであるメタノール・リン注入量(mg/L)及び水温(℃)と、NOx−Nの濃度(mg/L)とである。メタノール注入量はメチルアルコールの脱窒槽2への供給量であって、図中では白抜きバーで示され、リン注入量は燐の脱窒槽2への供給量であって、図中ではハッチング入りバーで示されている。原水の水温は図中では一点鎖線の折れ線で示されている。原水に含まれるNOx−N濃度は図中では一点鎖線の折れ線で示され、処理水に含まれるNOx−N濃度は図中では実線の折れ線で示されている。
各実験月において、原水に含まれるNOx−N濃度が略10〜15mg/Lの範囲内にあるのに対し、処理水に含まれるNOx−N濃度が略5mg/L以下となるように各パラメータが調整されている。したがって、この場合には、脱窒槽2内で安定した脱窒反応が生じていることがわかる。
その際、原水の水温にかかわらず、メチルアルコールは略6〜9mg/Lの範囲内の値でもって常時脱窒槽2に供給されている。一方、原水の水温が20℃を超える実験月には燐は脱窒槽2に供給されておらず、同水温が20℃以下となった実験月においてのみ、燐は略0.06〜0.5mg/Lの範囲内の値でもって供給されている。
これは水温の高い状態では炭素源としてのメチルアルコールさえあれば、脱窒菌による脱窒反応が活発になるのに対し、水温が低下するとメチルアルコールだけでは、脱窒菌が脱窒反応を生じにくくなり、その低下した脱窒反応を燐の供給により回復させていることに対応している。
そして、本発明者らは、これらの実験結果と、上記(1)〜(4)式を用いて演算したメチルアルコールの必要量の理論値とから、上記(5)式におけるメチルアルコールに対する係数を逆算して、α=1〜2とし、また上記(6)式における燐に対する係数をβ=0.06〜0.5mg/Lとした。
以下、本システム1の動作を説明する。
図2において、河川等からポンプ7(図1)でくみ上げられた原水は、脱窒槽2内で循環する担体8に含まれる脱窒菌により脱窒される。脱窒菌は炭素源存在下で脱窒反応を生じるので、この炭素源として上記したようなメチルアルコールをアルコール貯槽10から連続的に供給する。また、原水の水温が20℃以下に低下して脱窒反応が低下した時には、燐貯槽12から燐を別途供給する。
上記原水の脱窒槽2への供給に際しては、流量計S1により上記ポンプ7の吐出流量データが測定され、硝酸態窒素計S2、DO計S3により原水の水質に関する各データが測定される。これらのデータが制御盤14に取り込まれる。
この制御盤14は、各測定データのうちの硝酸態濃度等を上記(4)に代入して理論値を求め、その理論値を上記(5)にさらに代入して上記脱窒槽2へのメチルアルコールの供給量を演算する。原水水温が20℃以下のときには、原水が20℃以下のときには、各測定データのうちの水量を上記(6)式に代入して、上記脱窒槽2への燐の供給量を演算する。これらの演算値に従いポンプ11,13の吐出流量を制御する。この制御によって、上記脱窒槽2へのメチルアルコールと燐との供給量が常に適正なものとなる。
そして、脱窒槽2で脱窒された処理水は、再び図1に戻って、その接触酸化槽3に流れ込み、ここでブロア9によるエアレーションによって好気性微生物の働きで酸化される。その後、発生した汚泥は沈殿槽4で沈殿され、その上澄みが処理水として取り出されて工業用水や農業用水等として再利用される。
一方、沈殿槽4で沈殿された汚泥は、汚泥可溶化設備5で可溶化される。可溶化された汚泥は、減量化槽6で減量化された後、産業廃棄物等として別途処理される。
以上説明したように、本実施形態の担体法窒素除去システム1によれば、原水に含有される硝酸態窒素の濃度が検出されるとともに、その原水の水量が検出され、これらの検出された硝酸態窒素濃度と水量とに基づいて、上記脱窒反応に必要な炭素源の量と燐の量とが演算される。この演算の際、上記検出された硝酸態窒素濃度に基づいて炭素源の理論値が演算され、かつ、この演算された理論値の1乃至2倍の量が上記脱窒反応に必要な炭素源の量とされる。この量の炭素源が上記脱窒槽2へ供給される。また、上記演算の際、上記検出された原水の水量に対して0.06mg/L〜0.5mg/Lとなるように上記脱窒反応に必要な燐の量とされる。この演算された量の燐を上記脱窒槽2へ供給される。
したがって、上記脱窒反応に必要とされる炭素源と燐の両方が過不足なく上記脱窒槽へ供給されるようになり、システムのより安定した操業が可能となる。したがって、余分な炭素源と燐の貯蔵が不要となり、それらの値段分を節約できることに加えて、補充等維持管理の手間が少なくなり、ランニングコストが一層低減できる。
なお、上記実施形態では、実験月により人間が判断して、原水の温度が20℃以下となったときに燐を供給しているが、図示しない温度計(水温検出手段に相当する。)を管路R1又は脱窒槽2に取り付けておき、この温度計が所定のしきい値(例えば20℃)以下となったときにのみポンプ13を動作させるようにしておけば、例えば冬季には上記脱窒反応に必要とされる燐が供給され、それ以外の季節には供給されないようになる。このようにして、年間を通じてシステムの安定した操業が可能となる。
また、上記実施形態では、炭素源としてメチルアルコールを用いたが、エチルアルコール等の炭素源となりうるものを用いて脱窒反応を維持することとしてもよいのは、もちろんである。
また、上記実施形態では、ポンプ11,13による適正な炭素源や燐の供給により、安定した脱窒反応が維持されるように自動制御系を構成しているが、この自動制御に代えて、あるいは自動制御とともに手動制御可能であることとしてもよい。環境変化の少ない場合には、手動制御だけで十分に対応できることがある。
さらに、上記実施形態は、特に図1に示す河川等からの原水の担体法窒素除去システム1にて用いられることを想定したが、地下水の脱窒、閉鎖性水域での脱窒、下水二次処理水の脱窒、工場、事務所等から排出される排水の脱窒、その他脱窒を必要とするあらゆる担体法窒素除去システムに用いることもできる。
一般的な担体法窒素除去システムの全体構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る担体法窒素除去システムの主要部の構成を示す図である。 脱窒槽の模式的断面図である。 経験値の基礎となる実験結果を示す図である。
符号の説明
1 担体法窒素除去システム
2 脱窒槽
10 アルコール貯槽
11 ポンプ
12 燐貯槽
13 ポンプ
14 制御盤(炭素源演算手段、炭素源供給手段、燐演算手段、燐供給手段に相当する。)
S1 流量計(水量検出手段に相当する。)
S2 硝酸態窒素計(濃度検出手段に相当する。)

Claims (4)

  1. 微生物による脱窒反応を用いて被処理水を脱窒する脱窒槽と、上記被処理水に含有される窒素濃度を検出する濃度検出手段と、この検出された窒素濃度に基づいて、上記脱窒反応に必要な炭素源の量を演算する炭素源演算手段と、この演算された量の炭素源を上記脱窒槽へ供給する炭素源供給手段とを具備し、
    上記炭素源演算手段は、上記検出された窒素濃度に基づいて炭素源の理論値を演算し、この演算された理論値の1乃至2倍の量を上記脱窒反応に必要な炭素源の量とするものであることを特徴とする担体法窒素除去システム。
  2. 微生物による脱窒反応を用いて被処理水を脱窒する脱窒槽と、この脱窒槽へ供給される被処理水の水量を検出する水量検出手段と、この検出された水量に基づいて上記脱窒反応に必要な燐の量を演算する燐演算手段と、この演算された量の燐を上記脱窒槽へ供給する燐供給手段とを具備し、
    上記燐演算手段は、上記検出された水量に対して0.06mg/L〜0.5mg/Lとなるように上記脱窒反応に必要な燐の量を演算するものであることを特徴とする担体法窒素除去システム。
  3. 上記請求項1記載の担体法窒素除去システムにおいて、上記脱窒槽へ供給される被処理水の水量を検出する水量検出手段と、この検出された水量に基づいて、上記脱窒反応に必要な燐の量を演算する燐演算手段と、この演算された量の燐を上記脱窒槽へ供給する燐供給手段とをさらに具備し、上記燐演算手段は、上記検出された水量に対して0.06mg/L〜0.5mg/Lとなるように上記脱窒反応に必要な燐の量を演算するものであることを特徴とする担体法窒素除去システム。
  4. 上記請求項2又は3記載の担体法窒素除去システムにおいて、上記被処理水の温度を検出する水温検出手段をさらに具備し、少なくとも上記燐供給手段は、上記検出された水温が所定のしきい値以下となったときにのみ動作するように構成されていることを特徴とする担体法窒素除去システム。
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