JP5606513B2 - 窒素・リン除去処理方法及び窒素・リン除去処理装置 - Google Patents

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ここに記載する実施の形態は、下水や工場排水から窒素(アンモニア等)及びリンを除去する窒素・リン除去処理方法及び窒素・リン除去処理装置に関する。
下水処理や排水処理においては、生活廃水や工場排水等の下水中に含まれる有機物や窒素(アンモニア等)、リンなどを除去するために、微生物の代謝を利用した生物学的処理が行われている。とくに生活廃水のように環境負荷が比較的低い下水では、好気性微生物を利用する種々の好気性処理法が行われている。例えば有機物の除去を目的とする場合は、好気性処理法として標準活性汚泥法が用いられる。近時は有機物に加えて下水に含まれる窒素やリンの含有量に関する法的規制も導入されることが多いため、高度処理プロセスが下水処理場に普及してきている。高度処理プロセスには、嫌気−無酸素−好気法(A2O法)、嫌気−好気法(AO法)または循環式消化脱窒法がある。
高度処理プロセスでは、流入下水から最初沈殿池で沈殿汚泥が除去された一次処理水が生物反応槽に送られ、生物反応槽内の嫌気槽、無酸素槽および好気槽において微生物の反応により一次処理水から有機物や窒素・リンが除去されると同時に微生物の凝集体であるフロックが形成され、フロックを含む二次処理水が最終沈殿池に送られる。最終沈殿池では二次処理水からフロックが沈殿・除去される。沈殿物の大部分は活性汚泥を含む返送汚泥として最終沈殿池から生物反応槽に戻され、沈殿物の一部は余剰汚泥として排出され、濃縮・脱水後に焼却処理される。
生物反応槽内の好気槽では好気性微生物に酸素を供給するためブロワによる曝気が通常行われている。好気処理の主な目的は、有機物の除去、アンモニアを硝酸に変える硝化反応の促進、および微生物によるリンの吸収である。生物反応槽内の嫌気槽および無酸素槽無酸素槽の状態をそれぞれ制御するために、循環ポンプの制御により好気槽から無酸素槽への硝化液の循環量が調整され、返送ポンプの制御により最終沈殿池から嫌気槽への汚泥の返送量が調整される。さらに、場合によってはメタノールや酢酸などの炭素源や凝集剤などの薬品を嫌気槽及び/又は無酸素槽に投入する場合もある。嫌気/無酸素処理の主な目的は、嫌気槽におけるリン吐出、および無酸素槽における硝酸の窒素ガスへの還元である。この嫌気/無酸素処理を行うことにより、次の好気槽でリンが大量に吸収される。これらの曝気、返送・循環ポンプ、薬品投入は、有機物や窒素やリンの除去を確実に実施できるように制御する必要がある。
これらの制御方法として、例えば曝気風量に関する溶存酸素(DO)濃度一定制御や循環ポンプや返送ポンプの流入量比率一定制御などの簡略な制御方法が実際の処理場では採用されている場合が多い。しかし、これらの制御方法は、窒素やリンなどの除去処理に向けられたものではなく、主に有機物の除去のみを目的とする標準活性汚泥プロセスに対して適用されていたものをそのまま高度処理プロセスに適用したものであるため、高度処理プロセスに対して必ずしも適した方法であるとはいえない。
特開平10−43787号公報 特開2010−99560号公報
汚水から窒素およびリンの両者を除去するA2Oプロセスでは、嫌気槽と好気槽の容積比を適切に維持することが水質の安定と省エネルギ運転の観点から重要である。一方、流入下水負荷は流量変動や水質変動により常に変動しているため、それらの変動に対してプロセスの運用を随時適切に対応させる必要がある。
しかしながら、汚水に含まれている窒素化合物(アンモニア等)とリン化合物(リン酸等)は、複雑な多元系のなかでそれぞれの挙動が相反することもあり、両者を低エネルギ消費で効率よく分離して除去することは難しい。
このような背景から、水質の安定化と省エネルギ運転を両立できる窒素・リン除去型のA2Oプロセスを確立することが望まれている。
ここに記載する実施の形態は、下水や工場排水から窒素とリンを低エネルギコストで効率よく除去することができる窒素・リン除去処理方法及び窒素・リン除去処理装置を提供することを目的とする。
実施の形態に係る窒素・リン除去処理方法は、(a)生物反応槽において嫌気槽と好気槽との間に嫌気好気兼用槽を配置し、前記嫌気好気兼用槽内の水を撹拌し曝気するためのドラフトチューブエアレーターを準備し、(b)汚水を前記嫌気槽に導入し、嫌気槽内の嫌気性微生物で処理して汚濁物質を分解し、これにより嫌気処理水を得る、(c)前記嫌気処理水を前記嫌気槽から前記嫌気好気兼用槽に導入し、前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させて前記嫌気処理水を撹拌して嫌気性処理雰囲気とするか、または前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードで駆動させて前記嫌気処理水を曝気・撹拌して好気性処理雰囲気とし、これにより処理水を得る、(d)前記嫌気好気兼用槽で処理した前記処理水を前記好気槽に導入し、好気槽内の好気性微生物で処理して該処理水中の汚濁物質を分解し、これにより好気処理水を得る、(e)前記好気槽内の気相及び/又は液相中から窒素化合物およびリン化合物をそれぞれ検出するか、または最終沈殿池より下流側の放流用流路を流れる液相中から窒素化合物およびリン化合物をそれぞれ検出し、(f)i)前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値を超え、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回る場合は、前記工程(c)において前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードで駆動させて前記嫌気好気兼用槽内の嫌気処理水を曝気・撹拌して好気性処理雰囲気とし、前記生物反応槽内において嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する好気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させ、ii)前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回り、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値を超える場合は、前記工程(c)において前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させて前記嫌気好気兼用槽内の嫌気処理水を撹拌して前記嫌気好気兼用槽を嫌気性処理雰囲気とし、前記生物反応槽内において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させ、iii) 前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値を超え、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値を超える場合は、前記工程(b)において汚水の流入量を低減するか、または前記工程(c)において前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードから低速運転モードへ切り替えるか又は駆動を停止させるかして前記生物反応槽内において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を減少させ、
iv) 前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回り、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回る場合は、窒素化合物の濃度が閾値と等しくなるまで、またはリン化合物の濃度が閾値と等しくなるまで前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させ、前記生物反応槽内において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させる、ことを特徴とする。
実施の形態に係る窒素・リン除去処理装置を示す構成ブロック図。 ドラフトチューブエアレーターの一部を切り欠いて示す構成ブロック断面図。 実施の形態に係る窒素・リン除去処理方法を示すフローチャート。
以下、添付の図面を参照して種々の好ましい実施の形態を説明する。以下の実施形態では下水処理場の高度処理プロセスの例を説明する。
図1に示すように本実施形態の窒素・リン除去処理装置1は、上流側から順に最初沈殿池2、流量計31,32、生物反応槽10および最終沈殿池7を備えている。生物反応槽10は、微生物による分解作用を利用して汚水を浄化処理するための反応容器であり、嫌気槽4、嫌気好気兼用槽5および好気槽6を含む。生物反応槽10において、嫌気槽4が前段に配置され、嫌気好気兼用槽5が中段に配置され、好気槽6が後段に配置されている。
最終沈殿池7の下流側には図示しない消毒設備が設けられ、消毒された最終処理水が放流用流路を通って河川や海洋に放流されるようになっている。
さらに窒素・リン除去処理装置1は、周辺付帯設備としてアンモニアセンサ8、リン酸センサ9、全窒素センサ11、全リンセンサ12、コントローラ20および図示しない凝集剤投入設備、薬液注入設備、貯水タンクなどを備えている。これらの装置や機器類は配管ラインや配線ラインにより相互に接続されている。配管ラインの適所には各種のポンプP1〜P4、バルブV1、ブロワB1〜B3、流量計31,32および図示しない圧力計、温度計などの各種計器類がそれぞれ取り付けられている。アンモニアセンサ8、リン酸センサ9、全窒素センサ11、全リンセンサ12を含む各種センサからコントローラ20にそれぞれ信号が送られるようになっている。それらの入力信号に基づいてコントローラ20がポンプ等の駆動源にそれぞれ制御信号を送ることにより装置1の全体が統括的にコントロールされるようになっている。
最初沈殿池2は、下水処理場ポンプ棟のポンプP1により送られてきた汚水を受け入れ、所定時間静置しておき、浮遊物質(SS)を沈殿させる一次処理設備である。最初沈殿池2には堰が設けられ、上澄み水が堰を乗り越えてオーバーフローラインに流れ込み、さらにオーバーフローラインから2つの送水ラインL21,L22を通って生物反応槽10内の嫌気槽4および嫌気好気兼用槽5に1:0〜1:1の範囲の分配比率で供給されるようになっている。一方の送水ラインL21にはコントローラ20により制御されるポンプP21と流量計31が取り付けられ、最初沈殿池2から嫌気槽4への一次処理水の流量が制御されるようになっている。また、他方の送水ライン(バイパスライン)L22にもコントローラ20により制御されるポンプP22と流量計32が取り付けられ、最初沈殿池2から嫌気好気兼用槽5へ直送される一次処理水の流量が制御されるようになっている。なお、最初沈殿池2の底部には図示しない汚泥排出ラインが連通し、汚泥が定期的に又は随時に排出されるようになっている。
嫌気槽4と嫌気好気兼用槽5との間に第1の堰10aが設けられている。また、嫌気好気兼用槽5と好気槽6との間に第2の堰10bが設けられている。汚水は第1の堰10aを乗り越えて(オーバーフローして)嫌気槽4から嫌気好気兼用槽5に流れ込み、次いで第2の堰10bを乗り越えて(オーバーフローして)嫌気好気兼用槽5から好気槽6に流れ込むようになっている。
嫌気槽4は、汚水を撹拌するスクリュウ42をもつ撹拌機41を備えている。図示しない凝集剤投入設備から嫌気槽4内に凝集剤が投入されるようになっている。嫌気槽4は、定常運転時において嫌気性微生物が活性になるように嫌気処理雰囲気(ORP値がマイナス側)に調整されている。ここでORPとは酸化還元電位のことをいう。汚水のORP値がマイナスの場合はその汚水は還元状態にあり、汚水のORP値がプラスの場合はその汚水は酸化状態にあるといえる。すなわち、曝気が十分で好気的な状態におかれた汚水は電位が高く(プラスのORP値)、これとは逆に曝気しないで嫌気的な状態におかれた汚水は電位が低くなる(マイナスのORP値)。ここで嫌気性処理雰囲気とは、処理されている汚水のORP値がマイナス側にある状態のことをいう。また、好気性処理雰囲気とは、処理されている汚水のORP値がプラス側にある状態のことをいう。また、嫌気槽4の底部には図示しない汚泥排出ラインが連通し、凝集して沈殿した汚泥が定期的に又は随時に排出されるようになっている。
嫌気好気兼用槽5は、第1及び第2のドラフトチューブエアレーター(以下、DTAという) 50A,50Bを有している。DTA 50A,50B は、その動作が低速運転モードと高速運転モードとの間で段階的に切り替えられるようになっている。DTA 50A,50Bを低速運転モードで運転する場合は、インペラーを低速で回転させる。DTA 50A,50Bを高速運転モードで運転する場合は、インペラーを高速で回転させるとともに散気管から水中にエアを吹き込む。
第1のDTA 50AにはブロワB1が接続され、第2のDTA 50BにはブロワB2が接続されている。両ブロワB1,B2はコントローラ20により動作が制御されるようになっている。
本実施形態では、2つのDTA 50A,50Bを用いて嫌気好気兼用槽5を嫌気性処理および好気性処理のいずれにも運用することにより、生物反応槽10内での嫌気性処理雰囲気と好気性処理雰囲気との容積比を動的に制御できるようにしている。なお、図中には2つのDTA 50A,50Bを便宜的に示しているが、ドラフトチューブエアレーターの数はこれのみに限定されるものではなく、装置の規模に応じて1つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の数のドラフトチューブエアレーターを嫌気好気兼用槽5内に並べて設置することもできる。また、嫌気好気兼用槽5内での処理は、嫌気槽4内での処理の後に行われるのが一般的であるが、嫌気槽4内での処理と同時に行なう並行処理をすることもできる。すなわち、バイパスラインL22を最初沈殿池2から嫌気好気兼用槽5までの間に設け、一次処理水を最初沈殿池2から嫌気槽4を経由することなくバイパスラインL22を通って最初沈殿池2から嫌気好気兼用槽5へ直送して、嫌気槽4と嫌気好気兼用槽5とで一次処理水を並行処理することができる。
次に図2を参照してドラフトチューブエアレーターを説明する。
第1のDTA 50Aの散気管56にはブロワB1が連通し、第1のDTA 50Aの駆動装置のモータ53mには電源21が接続されている。また、第2のDTA 50Bの散気管56には第2のブロワB2が接続され、第2のDTA 50Bの駆動装置のモータ53mには第2の電源22が接続されている。なお、第1のDTA 50Aと第2のDTA 50Bとは構成が実質的に同じであるため、ここでは代表して第1のDTA 50Aを説明する。
第1のDTA 50Aは、本体部分が嫌気好気兼用槽5の内部に配置され、付属部分が嫌気好気兼用槽5の外部に配置されている。DTA 50Aの本体部分は、ドラフトチューブ51、インペラー52、長いシャフト52a、軸受54、ガイド翼54a、整流板55aおよび散気管56により構成されている。この本体部分は、複数のポスト55によって嫌気好気兼用槽5の上部ステージ58に吊り下げ支持され、吊り下げ支持状態で嫌気好気兼用槽5内の水中に浸漬されている。
DTA 50Aの付属部分は、駆動装置53、ブロワB1および曝気ラインL13により構成されている。駆動装置53は、ステージ58の上に設置されている。駆動装置53は、モータ53m、駆動力伝達機構および回転駆動軸53aを備えている。回転駆動軸53aは、ステージ58の開口を通って嫌気好気兼用槽5の内部に至り、その下端部がフランジ継手によりインペラー52の長いシャフト52aに同軸に連結されている。モータ53mは、図1に示す第1の電源21に接続されている。第1の電源21は制御器20により制御されるものである。制御器20が第1の電源21に給電信号を送ると、モータ53mが起動し、モータ53mの回転駆動力が長いシャフト52aに伝達され、インペラー52が回転し、それにより嫌気好気兼用槽5内の汚水が撹拌されるようになっている。この撹拌の強さは、制御器20が第1のDTA 50のモータ53mを駆動制御することによりコントロールされるようになっている。
第1のブロワB1は、嫌気好気兼用槽5のステージ58上に設置されていてもよいし、または図示しない他のステージの上に設置されていてもよい。ブロワB1は、図1に示す制御器20の内蔵電源に接続され、動作が制御器20により制御されるようになっている。ブロワB1の吐出口は、曝気ラインL13を介して環状ヘッダー57に連通している。さらに環状ヘッダー57は、インペラー52の直下において複数の連通管56aを介して環状の散気管56に連通している。この環状ヘッダー57は、360°全周にわたりドラフトチューブ51の内周面に取り付けられている。また、環状の散気管56は、環状ヘッダー57と同心円に配置されている。環状の散気管56の全長にわたり多数の細孔が開口している。ブロワB1から環状ヘッダー57に加圧空気を送ると、散気管56の細孔から汚水中に細かな気泡が噴射され、これにより汚水が曝気されるようになっている。この曝気量は、制御器20が第1のブロワB1を駆動制御することによりコントロールされるようになっている。
上述のように制御器20は、駆動装置のモータ53mとブロワB1をそれぞれ独立に制御することにより、汚水に対する曝気量(酸素供給量)および撹拌の強さ(水流速度)をともに制御することができるようになっている。
また、制御器20は、第1及び第2のDTA50A,50Bの運転を低速運転モードと高速運転モードとの間で切り替える運転モード切替機能を備えている。ここで、低速運転モードとは、DTA下部から吐出される水流速度を少なくとも10 cm/secとする弱撹拌運転のことをいう。低速運転モードでは各ブロワB1,B2を駆動せず、嫌気好気兼用槽5内の汚水の曝気を行なわない。これに対して高速運転モードとは、インペラー回転速度を200 rpm以上にすると同時に散気管から水中にエアを吹き込む(強撹拌+エアレーション)運転のことをいう。高速運転モードでは、各ブロワB1,B2を駆動させ、嫌気好気兼用槽5内の汚水の曝気を行なう。
ドラフトチューブ51は、上段チューブ51a、中段チューブ51bおよび下段チューブ51cを備えている。上段チューブ51aは、下部開口より上部開口のほうが大きい漏斗形状をなし、複数のポスト55により支持されている。中段チューブ51bは、上段チューブ51aの下部開口とほぼ同じ内径を有する円筒であり、上段チューブ51aの下部に接続されている。この中段チューブ51b内に散気管56と環状ヘッダー57が取り付けられている。また、中段チューブ51b内において散気管56の直上にインペラー52が配置されている。下段チューブ51cは、中段チューブ51bの内径より小さい内径を有する円筒であり、中段チューブ51bの下部に接続されている。この下段チューブ51c内に軸受54とガイド翼54aが取り付けられている。
インペラー52は、散気管56の直上に位置するように長いシャフト52aの下端部に取り付けられている。インペラー52の外径はドラフトチューブ51の中段チューブ51bの内径より十分に小さい。インペラー52の羽根の数は3枚または4枚とすることができる。シャフト52aの最下端部は軸受54によって回転可能に支持されている。この軸受54の外周からドラフトチューブ51までの間には複数のガイド翼54aが取り付けられ、これらのガイド翼54aによりドラフトチューブ51内を流れる水流が下向きに案内されるようになっている。
整流板55aがポスト55の長手に沿ってポスト55の外周にそれぞれ取り付けられている。これらの整流板55aは、ポスト55から外方に張り出す翼形状に形成され、上述した複数のガイド翼54aとともに汚水の流れを整える機能を有している。
好気槽6は、定常運転および非定常運転のいずれにおいても運転中は常に汚水を曝気し、汚水に好気性微生物を作用させて汚濁物質を分解し、汚水を浄化するものである。好気槽6の下部には平板状の散気装置61が設置されている。散気装置61にはブロワB3が接続されている。
好気槽6にはアンモニアセンサ8およびリン酸センサ9が取り付けられ、好気槽6内の気相中のアンモニア濃度とリン酸濃度がそれぞれ検出され、それらの検出信号がコントローラ20に送られるようになっている。本実施形態ではアンモニアセンサ8およびリン酸センサ9に加えて全窒素センサ11および全リンセンサ12をさらに用いることができる。
全窒素センサ11および全リンセンサ12は、最終沈殿池7よりもさらに下流側の放流用流路ラインL4にそれぞれ取り付けられている。放流用流路は、消毒設備(図示せず)で消毒された後の最終処理水を河川等に放流するためのラインである。
全窒素センサ11は、水中のアンモニアイオンを検出するばかりでなくさらに硝酸イオンと亜硝酸イオンを検出する機能を兼ね備えており、放流用流路の処理水中に含まれるアンモニアイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオンを合計した全窒素濃度値TNを検出するものである。
全リンセンサ12は、水中のリン酸イオンを検出するばかりでなくさらにリン酸塩を検出する機能を兼ね備えており、放流用流路の処理水中に含まれるリン酸イオンおよびリン酸塩を合計した全リン濃度値TPを検出するものである。
コントローラ20は、アンモニアセンサ8および全窒素センサ11から検出信号がそれぞれ入力されると、アンモニアイオンの検出信号に基づいて検出したアンモニア濃度値NH4-Nを算出し、硝酸イオンの検出信号に基づいて検出した硝酸濃度値NO3-Nを算出し、さらに亜硝酸イオンの検出信号に基づいて検出した亜硝酸濃度値NO2-Nを算出し、これら算出したアンモニア濃度値NH4-N、硝酸濃度値NO3-N、亜硝酸濃度値NO2-Nから全窒素濃度値TNを算出するようになっている。さらに、コントローラ20は、データ保存部に予め設定・保存しておいた窒素濃度の閾値Nlimをデータ保存部から呼び出し、呼び出した閾値Nlimと前記算出したアンモニア濃度値NH4-Nとを比較し、アンモニア濃度値NH4-Nが閾値Nlimを超えている場合は両者の差分ΔN1を求めるとともに、データ保存部から活性汚泥法プロセスの実績蓄積データを呼び出し、呼び出した実績蓄積データに基づいて差分ΔN1をゼロとするように嫌気処理雰囲気に置かれる水の量と好気処理雰囲気に置かれる水の量との比率を求めるようになっている。あるいは、コントローラ20は、アンモニア濃度値NH4-Nの代わりに全窒素濃度値TNを用いて上記の比率を求めるようにしてもよい。この場合、コントローラ20は、算出した全窒素濃度値TNを閾値Nlimと比較し、全窒素濃度値TNが閾値Nlimを超えている場合は両者の差分ΔN2を求めるとともに、データ保存部から活性汚泥法プロセスの実績蓄積データを呼び出し、呼び出した実績蓄積データに基づいて差分ΔN2をゼロとするように上記の比率を求めるようになっている。ここで窒素濃度の閾値Nlimは、法律により河川や海洋に放流することが許容される水中の窒素濃度の最大値(規制値)である。
また、コントローラ20は、リン酸センサ9および全リンセンサ12から検出信号がそれぞれ入力されると、リン酸イオンの検出信号に基づいて検出したリン酸濃度値PO4-Pを算出し、さらにリン酸塩の検出信号に基づいて検出したリン酸塩濃度値PPT-Pを算出し、これらリン酸濃度値PO4-Pおよびリン酸塩濃度値PPT-P から全リン濃度値TPを算出するようになっている。さらに、コントローラ20は、データ保存部に予め設定・保存しておいたリン濃度の閾値Plimを呼び出し、呼び出した閾値Plimと前記算出したリン酸濃度値PO4-Pとを比較し、リン酸濃度値PO4-Pが閾値Plimを超えている場合は両者の差分ΔP1を求め、求めた差分ΔP1をゼロとするように嫌気処理雰囲気に置かれる水の量と好気処理雰囲気に置かれる水の量との比率を求めるようになっている。あるいは、コントローラ20は、リン酸濃度値PO4-Pの代わりに全リン濃度値TPを用いて上記の比率を求めるようにしてもよい。この場合、コントローラ20は、算出した全リン濃度値TPを閾値Plimと比較し、全リン濃度値TPが閾値Plimを超えている場合は両者の差分ΔP2を求めるとともに、データ保存部から活性汚泥法プロセスの実績蓄積データを呼び出し、呼び出した実績蓄積データに基づいて差分ΔP2をゼロとするように上記の比率を求めるようになっている。ここでリン濃度の閾値Plimは、法律により河川や海洋に放流することが許容される水中のリン濃度の最大値(規制値)である。
さらに、コントローラ20は、求めた水量比率に対応する制御信号をブロワB1,B2および電源21,22にそれぞれ送り、DTA 50A,50Bの曝気・撹拌動作をそれぞれ制御するようになっている。
上記装置の作用を説明する。
先ず定常運転時の作用について説明する。
コントローラ20は、ポンプP1を起動して下水処理場のポンプ棟から所定量の下水を最初沈殿池2に導入し、所定の時間だけ静置し、固形分を沈殿させる。必要に応じて最初沈殿池2に凝集剤を投入してもよい。沈殿した汚泥は最初沈殿池2の底部排出口から排出される。次いで2つのポンプP21,P22を起動し、最初沈殿池2から上澄み水(一次処理水)をラインL21,L22を介して生物反応槽10内の嫌気槽4と嫌気好気兼用槽5とにそれぞれ供給する。このときコントローラ20は、2つの流量計31,32から入る流量検出信号に基づいて2つのポンプP21,P22の動作をそれぞれフィードバック制御し、2:1の分配比率となるように嫌気槽4および嫌気好気兼用槽5に一次処理水をそれぞれ供給する。
コントローラ20は、撹拌機41を起動し、スクリュウ42を回転駆動させ、嫌気槽4内の汚水を撹拌する。また、コントローラ20は、電源21,22に制御信号を送り、第1及び第2のDTA 50A,50Bのインペラー52をそれぞれ低速運転モードで回転駆動させ、嫌気好気兼用槽5内の汚水を撹拌する。定常運転時においてブロワB1,B2は停止状態にあり、嫌気好気兼用槽5内の汚水は曝気されない。
汚水から窒素を除去する作用について説明する。
嫌気槽4および嫌気好気兼用槽5内では下式(1)と(2)に従う硝化反応が進行し、汚水中のアンモニアが分解されて亜硝酸イオン(NO2 -)が生成され、さらに亜硝酸イオンが酸化されて硝酸イオン(NO3 -)が生成される。
NH4 + +(3/2)O2 → NO2 -+H2O+2H+ …(1)
NO2 - +(1/2)O2 → NO3 - …(2)
さらに嫌気槽4および嫌気好気兼用槽5内では下式(3)に従う脱窒反応が進行し、硝化反応生成物である硝酸イオン(NO3 -)が分解され、最終的に窒素に還元される。
NO3+5H2 → N2+4H2O+2OH- …(3)
次に、汚水からリンを除去する作用について説明する。
定常運転時および非定常運転時のいずれにおいても運転中は常に、ブロワB3を常時駆動し、散気装置61により好気処理槽6内の汚水は常に曝気されている。好気性微生物が好気処理槽6内の汚水中で生存し続けるためには、汚水中の溶存酸素が必要不可欠であるからである。好気性微生物は、生存に必要なエネルギを得るために、汚水中から酸素とリン酸イオンと水を取り込み、これらからアデノシン三リン酸(ATP)を合成する。このATP合成は、好気性微生物が生きていくために必要不可欠な代謝の1つである。つまり、好気性微生物は、リン酸イオンを体内に取り込む(吸収する)ことにより、好気処理槽6内の汚水からリンを除去する。
次に図3を参照して窒素濃度が上昇したとき及び/又はリン濃度が上昇したときの非定常運転時の作用を説明する。
アンモニアセンサ8または全窒素センサ11のいずれか一方または両方からアンモニア濃度値NH4-N及び/又は全窒素濃度値TNに対応する検出信号がコントローラ20に入ると、コントローラ20はこれらの濃度値NH4-N,TNと閾値Nlimとを比較し、両者の大小を判定する(工程S1)。本実施形態では窒素濃度の閾値Nlimを0.1〜0.2mgN/lの範囲からプロセスに応じて最適値を選択して設定した。
工程S1において濃度値NH4-N,TN のいずれか一方または両方が閾値Nlimを超えるYES判定の場合は、さらにコントローラ20はリン酸センサ9および全リンセンサ12から送られてくる検出信号を参照し、これらの検出信号に対応するリン酸濃度値PO4-Pおよび全リン濃度値TPをそれぞれ求め、これらの濃度値PO4-P,TP と閾値Plimとを比較し、両者の大小を判定する(工程S2)。本実施形態ではリン濃度の閾値Plimを0.5mgP/lに設定した。なお、図3中には便宜上簡略化して全窒素濃度値TNおよび全リン濃度値TPの表示を省略している。
工程S1において濃度値NH4-N,TNのいずれもが閾値Nlimと等しいか又はそれを下回るNO判定の場合であっても、さらにコントローラ20は上記と同様にリン酸センサ9および全リンセンサ12の検出信号に対応するリン酸濃度値PO4-Pおよび全リン濃度値TPをそれぞれ求め、これらの濃度値PO4-P,TP と閾値Plimとを比較し、両者の大小を判定する(工程S3)。
工程S2において濃度値PO4-P,TP のいずれもが閾値Plimと等しいか又はそれを下回るNO判定の場合は、コントローラ20は、濃度値NH4-N,TP のいずれもが閾値Nlimを下回るようになるまで、DTA 50A,50Bを高速運転モードで駆動させる(工程S4)。DTA 50A,50Bの高速運転モード駆動により、嫌気好気兼用槽5内の水を嫌気性処理雰囲気(ORPマイナス値)から好気性処理雰囲気(ORPプラス値)に移行させ、生物反応槽10内において嫌気性処理雰囲気に置かれた水の量と好気性処理雰囲気に置かれた水の量との比率(水量比)を例えば1:2.5から1:4に変える。
A2O法プロセスでの典型的な水量比は、嫌気槽滞留時間が2時間(1〜2時間)、好気槽滞留時間が8時間(8〜10時間)程度であることから、約1:4である。水の滞留時間HRTは、処理槽の容積Vを処理量Qで除したもの(V=Q×HRTまたはHRT=V/Q)で与えられる。
通常の運転では好気槽6と嫌気槽4はほぼ同じ処理量であるため、各処理槽4,5,6における滞留時間と処理水量とはほぼ比例し、処理水量比は滞留時間比とほぼ一致する。
生物反応槽10内において嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量を増加させる場合は、嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する好気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を1:2.5程度とすることが好ましい。一方、生物反応槽10内において好気性処理雰囲気に置かれる水の量を増加させる場合は、嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する好気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を1:4程度とすることが好ましい。
DTA 50A,50Bの運転を低速運転モードから高速運転モードへ切り替えることにより、兼用槽5内の処理雰囲気を嫌気性処理から好気性処理に移行させる。兼用槽5内の処理雰囲気が嫌気性処理から好気性処理に移行する目安は、ORP値がマイナスからプラスになるところである。
工程S2においてリン濃度値PO4-P,TP のいずれか一方または両方が閾値Plimを超えるYES判定の場合は、コントローラ20はポンプP2を低速回転駆動させ、生物反応槽10への汚水(一次処理水)の流入量を低減させるか、または兼用槽5内のDTA 50A,50Bを高速運転モードから低速運転モードへ切り替えるか又はDTA 50A,50Bの駆動を停止させることにより嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する好気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を1:4〜1:3と小さくする(工程S5)。あるいは、本実施形態の装置が膜分離活性汚泥法用のシステムである場合は、複数の膜分離ユニットのうちから適宜選択したものに対する曝気量を低減するか又は停止する(工程S5)。
工程S3においてリン濃度値PO4-P,TP のいずれか一方または両方が閾値Plimを超えるYES判定の場合は、コントローラ20は、リン濃度値PO4-P,TP のいずれもが閾値Plimを下回るようになるまで、DTA 50A,50Bを低速運転モードで駆動させる(工程S6)。DTA 50A,50Bの低速運転モード駆動により、兼用槽5を好気性から嫌気性の処理雰囲気(ORPマイナス値)に移行させ、生物反応槽10において嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する好気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を1:1.5〜1:1から1:4〜1:3に変える。
工程S3においてリン濃度値PO4-P,TP のいずれもが閾値Plimと等しいか又はそれを下回るNO判定の場合は、コントローラ20は、窒素濃度値NH4-N,TN のいずれかが閾値Nlimと等しくなるまで、またはリン濃度値PO4-P,TP のいずれかが閾値Plimと等しくなるまでDTA 50A,50Bを低速運転モードで駆動させ、嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量を増加させる(工程S7)。
上記実施形態によれば、下水や工場排水から窒素とリンを低エネルギコストで効率よく除去することができ、水質の安定化と省エネルギ運転を両立できる窒素・リン除去型のA2O法プロセスを確立することができる。
1…窒素・リン除去処理装置、2…最初沈殿池、31,32…流量計、
4…嫌気槽、41…撹拌機、42…スクリュウ、
5…嫌気好気兼用槽、50A,50B…ドラフトチューブエアレーター(DTA)、
6…好気槽、61…散気装置、7…最終沈殿池、
8…アンモニアセンサ、9…リン酸センサ、
10…生物反応槽(バイオリアクタ)、
11…全窒素センサ、12…全リンセンサ、
20…制御器(コントローラ)、
P1〜P4…ポンプ、B1〜B3…ブロワ、V1…バルブ、
L1〜L6…ライン。

Claims (4)

  1. (a)生物反応槽において嫌気槽と好気槽との間に嫌気好気兼用槽を配置し、前記嫌気好気兼用槽内の水を撹拌し曝気するためのドラフトチューブエアレーターを準備し、
    (b)汚水を前記嫌気槽に導入し、嫌気槽内の嫌気性微生物で処理して汚濁物質を分解し、これにより嫌気処理水を提供し、
    (c)前記嫌気処理水を前記嫌気槽から前記嫌気好気兼用槽に導入し、前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させて前記嫌気処理水を撹拌して嫌気性処理雰囲気とするか、または前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードで駆動させて前記嫌気処理水を曝気・撹拌して好気性処理雰囲気とし、これにより処理水を提供し、
    (d)前記嫌気好気兼用槽で処理した前記処理水を前記好気槽に導入し、好気槽内の好気性微生物で処理して該処理水中の汚濁物質を分解し、これにより好気処理水を提供し、
    (e)前記好気槽内の気相及び/又は液相中から窒素化合物およびリン化合物をそれぞれ検出するか、または最終沈殿池より下流側の放流用流路を流れる液相中から窒素化合物およびリン化合物をそれぞれ検出し、
    (f)
    i)前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値を超え、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回る場合は、前記工程(c)において前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードで駆動させて前記嫌気好気兼用槽内の嫌気処理水を曝気・撹拌して好気性処理雰囲気とし、前記生物反応槽内において嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する好気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させ、
    ii)前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回り、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値を超える場合は、前記工程(c)において前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させて前記嫌気好気兼用槽内の嫌気処理水を撹拌して前記嫌気好気兼用槽を嫌気性処理雰囲気とし、前記生物反応槽内において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させ、
    iii) 前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値を超え、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値を超える場合は、前記工程(b)において汚水の流入量を低減するか、または前記工程(c)において前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードから低速運転モードへ切り替えるか又は駆動を停止させるかして前記生物反応槽内において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を減少させ、
    iv) 前記工程(e)で検出した窒素化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回り、かつ検出したリン化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回る場合は、窒素化合物の濃度が閾値と等しくなるまで、またはリン化合物の濃度が閾値と等しくなるまで前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させ、前記生物反応槽内において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させる、ことを特徴とする窒素・リン除去処理方法。
  2. 最初沈殿池から最終沈殿池までの間に設けられた生物反応槽と、
    前記最初沈殿池から前記生物反応槽に汚水を供給するポンプと、
    前記生物反応槽に設けられ、汚水を嫌気性微生物と反応させて汚水中の汚濁物質を分解する嫌気槽と、
    前記生物反応槽に設けられ、前記嫌気槽から嫌気処理水を受け、前記嫌気処理水を処理する嫌気好気兼用槽と、
    前記嫌気好気兼用槽内に設けられ、低速運転モードと高速運転モードとの間で切り替えられ、前記低速運転モードで駆動されて前記嫌気処理水を撹拌して嫌気性処理雰囲気とし、および前記高速運転モードで駆動されて前記嫌気処理水を曝気し撹拌して好気性処理雰囲気とするドラフトチューブエアレーターと、
    前記生物反応槽に設けられ、前記嫌気好気兼用槽から処理水を受け、前記処理水中に空気を吹き込み、曝気雰囲気下で前記処理水を好気性微生物と反応させて該処理水中の汚濁物質を分解する好気槽と、
    前記好気槽内の気相及び/又は液相中から窒素化合物を検出するか、または前記放流用流路を流れる液相中から窒素化合物を検出する窒素検出器と、
    前記好気槽内の気相及び/又は液相中からリン化合物を検出するか、または前記放流用流路を流れる液相中からリン化合物を検出するリン検出器と、
    前記窒素検出器からの検出信号および前記リン検出器からの検出信号に基づいて前記ドラフトチューブエアレーターの動作を低速運転モードと高速運転モードとの間で切り替え制御するコントローラとを具備し、
    前記コントローラは、
    i)前記窒素検出器で検出した窒素化合物の濃度が閾値を超え、かつ前記リン検出器で検出したリン化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回る場合は、前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードで駆動させて前記嫌気処理水を曝気・撹拌して前記嫌気好気兼用槽を好気性処理雰囲気とし、前記生物反応槽において嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する好気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させ、
    ii)前記窒素検出器で検出した窒素化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回り、かつ前記リン検出器で検出したリン化合物の濃度が閾値を超える場合は、前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させて前記嫌気処理水を撹拌して前記嫌気好気兼用槽を嫌気性処理雰囲気とし、前記生物反応槽において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させ、
    iii) 前記窒素検出器で検出した窒素化合物の濃度が閾値を超え、かつ前記リン検出器で検出したリン化合物の濃度が閾値を超える場合は、前記ポンプの駆動を制御して汚水の流入量を低減するか、または前記ドラフトチューブエアレーターを高速運転モードから低速運転モードへ切り替えるか又は駆動を停止させるかして前記生物反応槽において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を減少させ、
    iv) 前記窒素検出器で検出した窒素化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回り、かつ前記リン検出器で検出したリン化合物の濃度が閾値と等しいか又はそれを下回る場合は、窒素化合物の濃度が閾値と等しくなるまで、またはリン化合物の濃度が閾値と等しくなるまで前記ドラフトチューブエアレーターを低速運転モードで駆動させ、前記生物反応槽において好気性処理雰囲気に置かれる水の量に対する嫌気性処理雰囲気に置かれる水の量の比率を増加させることを特徴とする窒素・リン除去処理装置。
  3. 前記窒素検出器が、前記好気槽内の液相中のアンモニア濃度を検出するアンモニアセンサであり、
    前記リン検出器が、前記好気槽内の液相中のリン酸濃度を検出するリン酸センサである、ことを特徴とする請求項記載の窒素・リン除去処理装置。
  4. 前記窒素検出器が、前記放流用流路を流れる液相中の窒素化合物濃度を検出する全窒素センサであり、
    前記リン検出器が、前記放流用流路を流れる液相中のリン化合物濃度を検出する全リンセンサであることを特徴とする請求項2記載の窒素・リン除去処理装置。
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