JP2005192481A - 微細発泡米の加工方法及び装置 - Google Patents

微細発泡米の加工方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加工工程、炊飯の際に水で研ぐことなく単に水を加えるだけで簡単に通常の半分程度の短い時間で美味しいご飯となり、かつ長期保存もできるというα化加工米の一般的長所だけでなく、さらに旨みの増した米味感を有する微細発泡米、又はこの微細発泡米に対し動植物の栄養成分、栄養液及び油を含んだ高栄養価のα化加工された微細発泡米を加工する方法及び加工装置を得る。
【解決手段】玄米又は搗精白米を水洗い、浸漬、研磨することなく高温多湿撹拌機3へ投入して撹拌、混合し、残留セルロース、残留糊粉層を沸騰する熱湯又は高温多湿蒸気により軟化、分離し、溶解した成分を水分と共に米粒内に吸収し、マイクロ波照射により加熱し、米粒からの水分の蒸気で蒸らしてα化処理すると共に、蒸気でさらに溶解されたセルロース又は糊粉層の溶解成分をさらに米粒内に吸収させて、これを真空冷却室8で減圧し、急速冷却により半固形化させてα化加工米を得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、玄米又は搗精白米の原料米を水洗い、浸漬することなくα化加工して微細発泡米を得る加工方法及び装置に関する。
玄米や搗精白米のような一般市場で販売される通常の米以外にも、最近では無洗米、早炊き米、加工即席米、α化加工米など種々の米が販売されている。このうち、α化加工米は米粒の澱粉をβ型からα型に変えて固定し、水や湯を加えて復元するものであり、乾燥飯とも呼ばれる。このα化加工米は、予め加熱して90%以上の高いα化度とし、真空減圧により冷却乾燥処理したものであり、一定量の水を加えるだけで通常の半分程度の短時間で研がずに簡単に炊飯でき、又食味の均一化された美味しいご飯となり、長期保存も可能である等種々の長所を有する。
このようなα化加工米を得る方法及び装置の一例として、特許文献1に開示されたものが公知である。この特許文献1による方法及び装置では、洗米した原料米を十分浸漬し、米粒周面の水分を定量に調整した後、気密性容器内でマイクロ波照射による加熱をし、これを真空減圧容器内へ移して減圧、冷却乾燥をして含水率が20〜40%の範囲に調整するというものである。
他の例として、特許文献2による「早炊き用加工米の製造方法」も公知である。この特許文献2の早炊き用加工米は、米炊飯された早炊き米ではなく、いわゆるα化加工米の一種であり、α化は90%以上である。この方法では、マイクロ波加熱、真空冷却で水分を20〜25%とする一次加工の後、澱粉分解物質を含む溶液に浸漬、脱水し、その後再度マイクロ波加熱で水分を30〜50%とする二次加工が行なわれ、二次加工により含まれる水分を不活性水分として長期保存を可能とするというものである。
ところで、α化加工米は他の加工米と比較すると、水洗い(水研)、浸漬が不要、水を加えるだけで風味のよい炊飯が通常の半分程の短い時間で出来、長期保存も可能である等種々の利点を有する。しかし、特許文献1のように、従来のα化加工米は、加工の初期の段階で必らず水洗いした後水の中に浸漬している。その理由は、次の通りである。搗精された精白米は、搗精によって殻皮と糊粉層(いわゆる糠分)の98%以上が研削され、精白度38〜41度の精白米とされるが、糊粉層の一部が極少量残る。
上記少量残留した糊粉層の脂肪と蛋白質が古くなると腐敗する酸化現象が生じ、炊飯によって脂肪を分解できないため美味しく炊き上がらない。このため、通常の米を炊飯する場合は、できるだけ糊粉層を水洗いにより除去する必要があると考えられている。α化加工処理の場合は、このような通常の米から糊粉層を水洗いで除去する必要があるとする考えが加工処理の最初の段階に適用されており、従って必ず水洗い、浸漬を必要としているのである。
なお、通常の米では一般に精白米は搗精後10日位いまでは食味もよいが、その後は20日、30日と期間が経過するにつれて食味が大きく劣化することとなる。しかし、搗精後糊粉層が硬化しても加熱により分解できれば食味への影響は小さくなり、従って糊粉層は必らずしも除去する必要はないが、一般には糊粉層を簡単には分解できないため、従来はこれを必らず水洗によって除去するようにしている。
又、α化加工の処理をする場合、処理工程の初期段階では水洗いした後水に浸漬するのが一般的であるが、α化加工される米の量が多くなれば、処理工場における水の使用量は1日当り数百トンという大量の水が使用されることとなり、水を大量消費し、かつこれによる処理経費が増大するという大きな問題があり、さらにこの処理後の水を外部へそのまま排出すると環境汚染が生じ、従ってこれをどのように浄化処理して排出するかも問題となる。
一方、無洗米などの加工米では食味は勿論であるが、同時に栄養価の高い加工米とする試みも行なわれている。このような加工米の一例として特許文献3による加工米を得る方法及び装置が公知である。この特許文献3の方法は、予め搗精後の精白米の表面に残留する糊粉層(残留アリューロン層)を除去した無洗米の表面にカルシウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンのうち少なくとも1種類の栄養素を含む白糠を被覆して栄養価の高い加工米を得ることができるというものである。
しかし、上記加工米はあくまでα化加工されていない無洗米の表面に白糠を付着コーティングしたというものであり、α化加工米ではなく、従ってα化加工米としての利便性はなく、炊飯時間が長い、長期保存ができない、少し日数が経過するとコーティングされている白糠が微細粒状となって次々と剥がれ落ちる、又処理過程では水洗いを必らず必要とするなど種々の問題が含まれ、単に栄養成分が表面に付着された無洗米であるにすぎない。
特開平5−56760号公報 特開平11−56267号公報 特開2000−245364号公報
この発明は、上述した種々の問題に留意して、加工工程では水で研ぐことなく、研磨や浸漬もせず、かつ炊飯の際も水で研ぐことなく単に水を加えるだけで簡単に通常の半分程度の短い時間で美味しいご飯となり、かつ長期保存もできるというα化加工米の一般的長所だけでなく、さらに旨みの増した米味感を有する微細発泡米、又はこの微細発泡米に対し動植物の栄養成分、栄養液及び油を含んだ高栄養価のα化加工された微細発泡米を加工する加工方法及びそれぞれの加工方法を実施する加工装置を得ることを課題とする。
この発明は、上記の課題を解決する手段として、玄米又は搗精白米を含む所定量の原料米を撹拌室内に入れ、沸騰した熱湯又は水分の多い高温多湿蒸気を後のマイクロ波照射加熱、真空冷却乾燥で失なわれる量に相当する所定量加え、撹拌室を回転させて米粒それぞれの温度を均一化し、かつ熱湯又は蒸気で米粒表面の玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層を溶解して熱湯又は蒸気の水分と共に米粒表面に均一に付着、吸着し、この原料米を気密性の加熱室内に入れてマイクロ波の照射により加熱し、この加熱により米粒内の水分を蒸発させて微細発泡させ、その蒸気で蒸らし作用をすると共に、溶解された糊粉層の米味成分をさらに米粒内に吸収、含浸させ、さらにこの加熱米を真空容器へ移し、所定の真空圧に減圧して真空冷却乾燥させ、この真空冷却乾燥で米味成分を米粒内に閉じ込め、所定範囲の含水率に調整することから成る微細発泡米の加工方法としたのである。
上記課題を解決するもう1つの手段として、玄米又は搗精白米を含む所定量の原料米と、動植物の栄養粉末、植物性栄養液、及び動植物油の栄養成分のいずれか又はそのいくつかとを撹拌室内に入れ、沸騰した熱湯又は水分の多い高温多湿蒸気を後のマイクロ波照射加熱、真空冷却乾燥で失なわれる量に相当する所定量加え、撹拌室を回転させて米粒それぞれの温度を均一化し、かつ熱湯又は蒸気で栄養素及び米粒表面の玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層を溶解して熱湯又は蒸気の水分と共に米粒表面に均一に付着、保持し、この原料米を気密性の加熱室内に入れてマイクロ波の照射により加熱し、この加熱により米粒内の水分を蒸発させて微細発泡させ、その蒸気で蒸らし作用をすると共に、溶解された栄養素と、玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層の米味成分とを米粒内に吸収、含浸させ、さらにこの加熱米を真空容器へ移し、所定の真空圧に減圧して冷却乾燥させ、この真空冷却乾燥で米味成分を米粒内に閉じ込め、所定範囲の含水率に調整することから成る微細発泡米の加工方法とすることもできる。
上記第1の発明の微細発泡米の加工方法では、原料米をα化加工するための前処理工程で、予め水洗いや浸漬することなく、あるいは米の表面を研磨することなく、高温多湿の水分中で撹拌、混合することにより米粒に残留する玄米セルロース又は白米糊粉層を軟化、分離し、水分中に溶解した状態で米粒内に吸収させる。従って、この加工方法はドライ加工方法である。この場合、高温多湿の水分は、沸騰する高温の熱湯又は高温多湿の水蒸気として所定量が供給され、この所定量の水分は後工程でマイクロ波加熱、減圧による急速冷却で失われる水分に相当する量であり、撹拌、混合の際に全量が米粒内に吸収される。
一般に、米には13.5〜15%の水分が含まれ、玄米の乾燥度、古米、古古米、モチ米、破砕米などの米の処理、経過状態や種類等によって含水率はそれぞれ異なるが、搗精処理された精白米は一般に14.5〜15%の含水率で出荷される。従って、後工程のα化加工処理をする際に加熱により水分が蒸発し、消失する分を別途α化加工処理の前に最小限必要とされる量の水分を加えればよく、それ以上の水分を前処理工程の段階で加えなければならない、即ち水洗いや浸漬することは必らずしも必要ではない。
マイクロ波の照射は、加熱室内の原料米をマイクロ波の有効加熱距離内に置き、その距離内の所定厚さの円盤状にして加熱が行なわれる。マイクロ波加熱では米粒内部の水分に反応して内部から急速に加熱されるため、米粒内部に対し、かつそれぞれの米粒に対し均一な加熱が行なわれる。このマイクロ波加熱の際、米粒は熱で少しずつ膨み、その表面に微細孔、微細クラックが生じて大きくなり、水蒸気で分解された糊粉層の脂肪、蛋白質などは外部へ出た水分に代って米粒内に吸収される。
次に、このように糊粉層の脂肪、蛋白質などが分解された成分を内部に吸収した高温状態の米は真空容器へ移され、そこで急激に減圧が行なわれ、これにより急速冷却される。所定の低圧状態では脂質酸化成分のアルデヒド類などが気化されて排出され、米粒の温度が急速に下がり冷却される。この冷却により上記栄養成分は米粒内にさらに吸収されて微細孔、微細クラックが閉じ、米粒は半固形化され、α化された高栄養価の微細発泡米が得られる。
なお、上記微細発泡米に対し所定範囲の含水量に調整する場合、所定範囲とは、次の通りである。即ち、搗精白米は14.5〜15%の含水率で出荷されるから、上記加工工程では最初の段階で6〜8%の加水を行なう。これは、マイクロ波照射(むらし含む)の段階で4〜5%の水分が失われ、さらに冷却乾燥で2〜3%の水分が失なわれ、失なわれる水分総量は6〜8%となるからである。従ってこの失なわれる水分に相当する水分を予め加水することにより原料米と同程度に調整するが、実際の処理では上記数値のように正確に水分率を調整することは難しい。このため、所定範囲の含水率は、元の原料米と同程度とするのが望ましいが、許容し得る範囲として13〜16%、又最も望ましい範囲は原料米と同じ13.5〜15%であり、このような範囲を元の原料米と同程度としてそれぞれの発明において取扱うものとする。
第2の発明の微細発泡米の加工方法は、基本的な加工処理は第1の発明と共通(同じ)であるが、原料米を撹拌、混合する際に、各種の栄養成分を投入して撹拌、混合する点が異なる。各種の栄養成分としては、動植物の栄養粉末、植物性栄養液及び植物油などである。動植物性の栄養粉末は、予め動物の肉や魚介類の身、あるいは野菜や果物を乾燥させて細かく破砕し、粒径が80〜200メッシュ程度の粒子状に破砕されたものが準備され、原料米に付着される。栄養液は青汁、緑茶などである。これらの栄養粉末、栄養液、植物油には、澱粉、蛋白質、脂質、炭水化物(糖類)、ビタミン、及びカルシウム、マグネシウム、鉄などの種々のミネラル成分などが含まれており、特に食生活で不足気味となる特定のビタミンのエキスを多く含ませてもよい。
上記のように、栄養粉末、栄養液及び植物油を米粒の周囲にまんべんなく付着させた状態で直ちに原料米は加熱室に入れられ、マイクロ波照射によりα化が行なわれ、急速冷却により米粒の半固形化が行なわれる点は第1の発明の方法の場合と同じである。
上記第1と第2の発明の加工方法は、次の加工装置において実施できる。即ち、玄米又は搗精白米を含む所定量の原料米を沸騰した熱湯又は水分の多い高温多湿蒸気内で撹拌、混合する高温多湿撹拌機と、この高温多湿撹拌機へ沸騰する熱湯又は高温多湿の蒸気水分を供給する高温多湿水分供給源とを備え、撹拌混合された原料米を気密性の加熱室に入れてマイクロ波を照射し、かつ加熱された米粒からの蒸気で蒸らして微細発泡米とし、これを真空容器に移して所定の減圧をし、この減圧により冷却乾燥させるα化加工手段を後工程に備え、玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層を溶解、吸収してこれら栄養成分を米粒内に閉じ込め、所定範囲の含水量に調整するように構成した微細発泡米の加工装置において実施される。
そして、上記第1の発明によれば、玄米の原料米を高温多湿水分の中で撹拌、混合することにより玄米表層セルロースと糊粉層を軟化、分離し、水分に溶解した玄米表層セルロースと糊粉層と共に水分を米粒内に吸収させ、その原料米に気密性の加熱室内でマイクロ波照射による加熱で水分を蒸発させて微細発泡化し、かつその蒸気の蒸らしと加熱により米粒をα化させ、減圧処理による冷却乾燥で玄米表層セルロースと糊粉層を米粒内に閉じ込めて所定範囲の含水率の水分を含むように加工した微細発泡米が得られる。
又、第2の発明によれば、玄米の原料米に、動植物の栄養粉末、植物性栄養液、及び動植物油の栄養成分のいずれか又はそのいくつかを加えて高温多湿水分の中で撹拌、混合することにより玄米表層セルロースと糊粉層を軟化、分離し、溶解した栄養成分と上記セルロースと糊粉層を水分と共に米粒内に吸収させ、その原料米に気密性の加熱室内でマイクロ波照射による加熱で水分を蒸発させて微細発泡化し、かつその蒸気の蒸らしと加熱により米粒をα化させ、減圧処理による冷却乾燥で栄養成分及びセルロースと糊粉層を米粒内に閉じ込めて所定範囲の含水率の水分を含むように加工した微細発泡米が得られる。
上記第1の発明により得られる微細発泡米は、玄米表層セルロースと糊粉層の米味成分、第2の発明の微細発泡米は上記米味成分と各種栄養成分とが米粒内に吸収されるが、この場合搗精白米であればその表面のすじに微量に残留する糊粉層が米粒内に離散状(ばらばらの点状)に吸収、含浸されるのに対し、上記玄米の米粒内に米味成分、又は米味成分と各種栄養成分が含まれる場合は、米粒の表面全体に亘って大略一定の深さに層状となって多量に吸収、含浸される点が大きく異なる。但し、部分的に層厚さが若干異なる部分は当然含まれる。又、各種栄養成分が含まれる場合、その栄養成分の種類によっても若干層厚さは異なる。
第1の発明の加工方法では、原料米の残留セルロースと糊粉層又は糊粉層を高温熱湯又は高温多湿蒸気中で軟化、分離し、溶解したセルロースと糊粉層又は糊粉層を水と共に吸収したものをマイクロ波照射によりα化処理し、急速冷却により半固形状のα化加工米として得るようにしたから、加工の際に水洗い、浸漬、及び表面の研磨をすることなく、原料米の残留セルロース又は糊粉層の米味成分を吸収したα化加工米が得られ、炊飯する際も水研ぎ、浸漬をすることなく単に水を加えるだけで、短時間で美味しいご飯となり、かつ長期保存もできるというα化加工米の長所を有し、かつ旨み、栄養価の高いα化加工米が得られるという利点が得られる。
第2の発明の加工方法では、第1の発明の加工方法の前処理工程で原料米に動植物の栄養粉末などの栄養成分を加えて撹拌、混合することにより米粒内にセルロースと糊粉層又は糊粉層だけでなく各種栄養成分も吸収されるようにしたから、第1の発明により得られるよりさらに高栄養価のα化加工米が得られる。第1、第2の発明の加工方法を実施する装置は、上記加工処理するのに適合する高温多湿撹拌手段とα化加工手段により効率よく、α化加工米を加工することができる。水洗い、浸漬、研磨を全く必要としないから、ドライ加工方式の装置として、従来の装置と比較すると水の使用量が桁違いに少なくなり、排水処理も必要のない装置である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1はこの発明による微細発泡米の加工方法を実施する装置の全体概略構成図、図2はその平面図を示す。図示のように、玄米又は搗精された精白米等の原料米は、適宜混米した所定量の原料米を切り出す切出機構を備えた貯米サイロ1に一時貯留される。C1 、C2 は貯米サイロ1から原料米を搬出するコンベアである。搬出された原料米は、定量タンク2に一定量が貯留され、必要なタイミングで供給できるように設定されている。3は高温多湿撹拌機であり、その内部に原料米と熱湯又は多湿蒸気とがそれぞれ所定量ずつ収納される。
なお、原料米は定量タンク2から供給されるが、熱湯又は多湿蒸気は別途設けられた図示しない系から高温多湿撹拌機3へ収納又は供給される。上記撹拌機3の詳細については後で説明する。原料米に熱湯又は高温多湿の水分と糊粉層の溶解した栄養素とが混合、撹拌され、その後コンベアC3 により上記原料米は定量タンク4へ送られ、一定量ずつ切り出してトレー5上に供給された後、コンベアC4 からC5 へ受渡されてマイクロ波照射機により加熱する電磁加熱室7へ送られ、ここでマイクロ波の照射により加熱蒸煮と蒸らしにより原料米のα化をしながら米粒表面、内部を微細発泡化させる。
使用されるマイクロ波照射機は、複数のマイクロ波発振機から成り、例えば発振周波数2450MHz、出力1.2Kwのものが使用される。その後原料米は真空冷却室8へ送られ、そこで減圧して真空冷却され、半固形状の加工米とされる。C5 ’は次の工程へ加工米を送るコンベアであり、加工米はほぐし機9へ送られる。このほぐし機9では、加工米が真空冷却されたときに流出する澱粉が加工米の表面をつつみ、糊化し硬化して米粒と米粒が部分的に粘着されるため、これをばらばらにほぐす作業が行なわれる。C6 は次工程へ加工米を送るコンベアであり、送られた加工米が計量機10で計量され、その後自動包装機11で袋詰めされ、自動包装された加工米をコンベアC7 で箱詰め機12へ送り、箱詰めされる。
図3に高温多湿撹拌機の概略構成を示す。この高温多湿撹拌機3は、所定量の原料及び熱湯又は蒸気を収容し得る容量、大きさの中空円筒の回転ドラム3aから成り、内面には撹拌作用を促進させるため、断面が略三角形状の撹拌羽根3dが円筒長さ方向に沿って螺旋状に、かつそれぞれ互に一定の間隔を置いて複数条設けられている。撹拌羽根3dは三角形断面だけでなく種々の形状としてもよく、撹拌作用を促進させる形状であればよい。回転ドラム3aの両端は閉じられ、一方の端壁には手動で着脱自在の蓋板3eが取付けられている。蓋板の内面にはドラム開口3fを密閉するシール材が設けられている。
回転ドラム3aは、支持台31によりドラム長さ中央位置付近を回転自在に支持しており、原料米の撹拌時には回転ドラム3aを水平状に、又原料米の投入、排出時に開口3fを上向き、又は下向きに傾斜させることができるように回転支持部材32の軸32xがドラム両側に設けられ、軸32xに取付けた角度調整ハンドル3cにより傾斜自在に調整できるようになっている。又、回転ドラム3aは撹拌時に円筒の中心軸を中心に回転自在とするため、軸受33が取付けられこの軸受33の外輪の両側方2箇所に上記軸32xが貼付けられ、これにより回転ドラムは軸32xの回りに傾斜自在、かつドラム中心軸の回りに自転することができる。
軸受33の外輪には回転ドラム3aの両側でドラム他端へ延びる支持フレーム34が連結され、他端にはモータ3M を載せる台板3B が連結されている。又、台板3B 上に設けた支持板35を介して回転自在に支持したノズルパイプ3bを回転ドラム3aの他端から内部適宜長さまで延設して内装し、ノズルパイプ3bの反対側には歯車36、パイプ継手37を設けている。歯車36にはモータ3M の出力軸上のピニオンが係合し、これによりモータの回転をノズルパイプ3bに伝達して回転ドラム3aを回転させるようにしている。従って、ノズルパイプ3bは回転ドラム3aの回転軸の役目もしている。パイプ継手37は、ノズルパイプ3bに接続される可撓ホース38に対し回転自在、かつ水密状に接続するようにシール材が内蔵されている。
可撓ホース38は、図示しない沸騰した高温の熱湯源又は水分の多い高温蒸気を発生する蒸気源からの熱湯又は蒸気を送るホースであり、回転ドラム3aが回転しても可撓ホース38は回転せず、回転ドラム3aが上、下に傾斜してもその動きを吸収できる可撓性を有する材質のものが使用される(例えばホース内側をシリコン又はテフロン樹脂加工した可撓ホース)。なお、回転ドラム3aの自転、傾斜角度の調整は、上記形式に限定されない。例えば、回転ドラム長さに相当する台板上に半円状の摺動受け部材又は一対の受けローラをドラム両端寄り位置の2箇所に設け、台板を必要角度にシリンダ等の動力で傾斜させるようにしてもよい。
上記のように構成した実施形態の加工装置では、微細発泡米の加工が次のように行なわれる。なお、微細発泡米の加工は第1の発明の加工方法と第2の発明の加工方法の2通りが可能であるが、まず第1の発明の加工方法による微細発泡米の加工について説明する。又、加工処理の工程を理解し易くするため図5のフローチャートに工程の流れを示している。原料米としては、玄米と搗精白米のいずれも含まれるが、以下では主として玄米を処理する場合について説明する。搗精白米の場合も玄米の場合に準じて処理される。
貯米サイロ1から移送される原料米は、洗米することなく、又水に浸漬することもなく、直ちに所定量が切り出されて定量タンク2へ送られ、適宜タイミングで高温多湿撹拌機3の回転ドラム3a内に投入される。従って、この例では、研米処理も省略され、玄米表面の表層セルロースは残留したままである。この場合、原料米を回転ドラム3aに投入するためドラム3aは蓋板3eが外され、開口3fを上向きに傾けて定量タンク2から原料米が投入される。定量タンク2による所定量は、この例では5〜10kg程度(一般に一釜分として扱われる量)である。原料米が投入されると蓋板3eを閉じ、ハンドル3cを操作して回転ドラム3aを水平状態に戻し、ノズルパイプ3bから熱湯又は蒸気が注入される。
注入される沸騰する(100℃近い)程の熱湯又は高温蒸気の量は、後のマイクロ波照射、真空冷却乾燥で失われる水分量に相当する量であり、かつ上記相当量の全量が原料米の米粒に吸収される。上記相当する量は、例えば5kgの玄米に対しては300cc程度であり、前記解決手段の欄で定義された所定範囲の含水率である。熱湯又は蒸気が注入されると、モータ3M を駆動して回転ドラム3aを回転させ、原料米を水と撹拌する。この撹拌により原料米の米粒のそれぞれの温度が熱湯又は高温蒸気の水分で全体的に均一の高温度状態となり、かつ原料米の周囲の玄米表層セルロース及び糊粉層が軟化され、撹拌・混合による米粒同士の衝突、摩擦により分離され、熱湯又は蒸気の水分に溶け込む。そして、上記撹拌を所定時間続けると、ドラム内の水分の相当量が米粒内に吸収され、かつ溶解、分離された上記各成分の一部も米粒内に吸収され、残る上記成分は米粒表面に付着、吸着された状態となる。
撹拌が終了するとコンベアC3 により定量タンク4へ送り、適当量の原料米をトレー5に載せて電磁加熱室7へ送りマイクロ波照射を行なう。この場合、マイクロ波の有効加熱距離は、図示の例ではマイクロ波発振機から約200mm以内であり、均一に加熱するため予め原料米は厚さ70〜90mm程度の円盤状に盛り上げた状態で有効加熱距離内となるように電磁加熱室7内に置かれる。マイクロ波が照射されて加熱されると米粒内の水分が蒸気となって蒸発し、この蒸気で米粒表面に付着、吸着されていた上記成分の脂肪と蛋白質等が分解され、流動状となったこれら栄養成分がさらに米粒の中へ浸透する。
これは、米粒内の水分が蒸発する際に米粒内及び米粒表面に急激な加熱で無数の気泡による微細発泡化が生じ、栄養成分が米粒内へ浸透し易くなっており、マイクロ波加熱では米粒の周囲表面はもとより内部の温度も十分高くなるから、米粒内部からの発泡が生じ、このため米粒内部へ栄養成分が浸透し易くなるからである。又、米粒から出る水蒸気は蒸らし作用もする。従って、マイクロ波照射による加熱と蒸らし作用により110℃以上の品温とし、90%以上のα化度の加工が行なわれる。この加熱、蒸らしにより糊粉層の脂肪と蛋白質が分解されるため、最初の段階で原料米を水洗い、研磨、浸漬しなくてもα化加工には影響がなく、脂肪の酸化による食味の劣化は生じない。
なお、水蒸気の蒸発で4〜5%の水蒸気が放出される。マイクロ波加熱は8〜12分間の範囲で行い、3〜5分間原料米の品温を110℃前後の温度に保持し、均一に蒸煮されると、その後マイクロ波加熱を停止して2〜3分間蒸らしをする。蒸らしは、米粒内からの水蒸気による。この蒸らしの工程で温度が100℃に下がった原料米を真空冷却室8へ移す。真空冷却室8では室内の空気、水蒸気等を吸引ポンプにより排出して急速減圧すると、超低圧下での沸点まで冷却され、米粒の内部まで急激に沸騰状態となり、米粒内の水分が気化して放出される。
例えば大気圧(1気圧)下で脂肪酸化成分のアルデヒド類の多くは沸点は179℃であるが、気圧を下げ1.3×103 Pa(10Tovv)の低気圧とすると62℃で沸騰する。この時、同時に米粒の表面に付着している栄養成分がさらに内部へ浸透した状態でクラックが閉じて冷却加工され、この加工米は半固形状となる。上記発泡状の多数の微細孔を有する微細発泡米は、通常の白色表面が半透明白色であるのに対して、雪のような白色(発泡スチロール白色と類似)となる。このことから、米粒内部の組織は、疑似スポンジ化されていると推定される。又、米粒の大きさは、通常のα化加工米より若干小さくなる。
上記加工米は、半固形状となる際に米粒同士が粘着(くっつく)しているため、真空冷却室8から取り出された後ほぐし機9で米粒を一粒一粒に分離した状態に十分ほぐし、その後計量機10へ送り、計量後に自動包装機11により加工米を気密包装する。このとき、6〜12箇月の長期保存のため脱酸素材を気密包装袋内に同封して包装をする。さらに、箱詰め機12によりダンボ−ル等の箱に詰めて出荷される。
次に上記実施形態の加工装置では、第2の発明の加工方法として若干の異なる処理を行うことにより高栄養価の微細発泡米の加工も行なうことができる。このような高栄養価米を得る場合は、第一実施形態で高温多湿撹拌機3に原料米を投入する際に動植物性の栄養粉末、栄養液、植物油、味などの栄養成分を一緒に投入し、これに熱湯又は高温多湿蒸気を注入して撹拌する。動植物性の栄養粉末は、動物の肉、魚介類の身、野菜、果物、茸等の食物を予め粒状に粒径80〜200メッシュ程度に微細に粉砕処理し、かつ乾燥させて粉末状としたものである。従って、この栄養粉末には蛋白質、脂肪、澱粉、ビタミン、ミネラル等あらゆる栄養素が含まれている。
例えば、緑黄色野菜等はカロチン、ビタミンA、ビタミンC、ポリフェノール、ミネラル等を多く含み、動物の肉や魚介類の身は蛋白質、脂質、ビタミンB、カルシウムを含み、植物油は脂質、ビタミンB1などを多く含む。なお、植物油としては、アボカド油、パーム油、オリーブ油、サフラワ油など植物から得られる全ての油が対象である。又、植物性栄養液は緑黄野菜汁、根草汁としての明日葉、桑葉、ウコン、大麦若葉が含まれる。従って、これらの栄養粉末、植物性栄養液及び植物油、味は、どのような割合で混合するか、又どれだけの量を混合するかはそれぞれの栄養成分の種類によって異なる。
上記栄養成分は、第一実施形態で原料米のみを撹拌する場合に表面に含まれている玄米表層セルロースや糊粉層が熱湯や多湿蒸気で軟化した状態で撹拌、混合されることにより米粒同士が衝突、摩擦して分離されるのと同様に、栄養粉末等の栄養成分が混合されると栄養成分も軟化され、栄養成分の粒径がさらに細かくなって米粒表面にむらなく付着される。又、撹拌、混合によって米粒それぞれが均一の高温度状態となり、熱湯又は高温蒸気の水分の相当量が米粒内に吸収され、かつ各栄養成分、玄米表層セルロース、糊粉層の一部も同時に吸収、吸着されることも同様である。
その後栄養成分が付着、吸着した原料米は、トレー5に乗せて電磁加熱室7へ送り、マイクロ波照射を行なう。加熱方法は第一実施形態の場合と全く同様であるが、作用は若干異なる。マイクロ波の照射による加熱で米粒内に吸収されていた水分が蒸気となってでるため、この蒸気で栄養成分米がさらに溶け、かつ玄米表層セルロースと糊粉層も溶け、流動状となってそれぞれが米粒の中へ浸透する。マイクロ波加熱で米粒の周囲表面だけでなく、内部の温度も十分高くなり、このため米粒内へ栄養成分も玄米表層セルロースと糊粉層も浸透し易くなるのである。
米粒からの蒸気が蒸らし作用をすることも同様である。従って、マイクロ波照射による加熱と蒸らし作用により110℃以上の品温とし、90%以上のα化度の加工が行なわれることも同じであり、その後の加工工程も第一実施形態の場合と同様である。以上のようなドライ方式のα化加工装置では、原料米の水洗い、浸漬をすることなく、高温多湿撹拌機3による高温多湿状態での混合、撹拌、電磁加熱室7内でのマイクロ波照射による加熱、真空冷却室での急速冷却が繰り返される度に水分が米粒内、外へ出入りし、マイクロ波照射による加熱では水分が急速に蒸発する。このため、急速冷却後の米粒の表面には多数の微細クラックが生じ微細発泡米となり、かつ内部に吸収されなかった栄養成分が表面にしっかりと吸着する。
米粒表面に吸着した栄養成分層の厚さは、いわゆるコーティング米と称される米粒の場合、数ミクロン程度の極く薄い層までしか付着できず、それ以上厚い層状にするとコーティング素材が脆く剥れ易く、商品価値が失われるのに対し、この場合は米粒径の数%程度まで厚く栄養成分を層状に吸着させることができる。これは栄養成分の一部が米粒内に吸収されているからである。なお、栄養成分の含浸はその種類によって表面からある程度の深さから奥深くまで種々異なる。例えば次の通りである。
ウコンのエキス 米粒径全般の1/2以上の深さ
大麦若葉 米粒径全般表面から0.1〜0.2m/m
明日葉 米粒径全般 0.1m/m
植物油 米粒径全般の3/4以上の深さ
以上の結果から分るように、含浸される栄養成分の分子状態の大きさによって含浸される深さは種々異なる。
なお、以上は原料米を玄米として説明したが、前述したように、上記第1、第2実施形態の微細発泡米の加工方法及び装置は原料米が精白米の場合にも適用される。原料米が玄米の場合は、米味成分又は米味成分と各種栄養成分の含浸が増大することにより搗精白米の場合よりさらに米味の旨みが大きくなる。その理由は、玄米又は糊粉層(糠)に含まれる各種栄養成分が米粒内に大量に含浸されるからである。その根拠として、表1に搗精白米、玄米、白米95%+糠(糊粉層)5%の米(含浸米)における栄養成分の含有率の分析試験結果を示す。
Figure 2005192481
但し、白米100%は通常の搗精白米であり、白米95%+糠5%は、重量比で95%の搗精白米に別途糖5%を加えたものである。この表から分るように、玄米の表層セルロース、糠成分には多くの蛋白質や脂質、カルシウム、ビタミンなどが含まれていることが明らかであり、これらを一旦溶解させた後、米粒内に含浸させた微細発泡米が高栄養価を有し、かつ旨味が増加することが理解される。
玄米又は搗精白米の表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層の米味成分又はこの米味成分と各種栄養成分を米粒内に吸収するα化加工米の加工方法及び装置は、加工米を高品質加工米又は高栄養価米として加工する技術であり、これら加工米は一般の米流通業、あるいは各種業務用として広く全国の消費者全般に利用される。
実施形態の微細発泡米加工装置の全体概略構成図 同上の平面図 高温多湿撹拌機の概略構成図 図3の(a)矢視A−A断面図、(b)矢視B−B断面図 α化加工工程の順序を示すフローチャート
符号の説明
1 貯米サイロ
2 定量タンク
3 高温多湿撹拌機
4 定量タンク
5 トレー
7 電磁加熱室
8 真空冷却室
9 ほぐし機
10 計量機
11 自動包装機
12 箱詰め機

Claims (7)

  1. 玄米又は搗精白米を含む所定量の原料米を撹拌室内に入れ、沸騰した熱湯又は水分の多い高温多湿蒸気を後のマイクロ波照射加熱、真空冷却乾燥で失なわれる量に相当する所定量加え、撹拌室を回転させて米粒それぞれの温度を均一化し、かつ熱湯又は蒸気で米粒表面に残留する糊粉層を溶解して熱湯又は蒸気の水分と共に米粒表面に均一に付着、吸着し、この原料米を気密性の加熱室内に入れてマイクロ波の照射により加熱し、この加熱により米粒内の水分を蒸発させて微細発泡させ、その蒸気で蒸らし作用をすると共に、溶解された玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層の米味成分をさらに米粒内に吸収、含浸させ、この加熱米を真空容器へ移し、所定の真空圧に減圧して真空冷却乾燥させ、この真空冷却乾燥で米味成分を米粒内に閉じ込め、所定範囲の含水率に調整することから成る微細発泡米の加工方法。
  2. 玄米又は搗精白米を含む所定量の原料米と、動植物の栄養粉末、植物性栄養液、及び動植物油の栄養成分のいずれか又はそのいくつかとを撹拌室内に入れ、沸騰した熱湯又は水分の多い高温多湿蒸気を後のマイクロ波照射加熱、真空冷却乾燥で失なわれる量に相当する所定量加え、撹拌室を回転させて米粒それぞれの温度を均一化し、かつ熱湯又は蒸気で栄養素及び米粒表面の玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層を溶解して熱湯又は蒸気の水分と共に米粒表面に均一に付着、保持し、この原料米を気密性の加熱室内に入れてマイクロ波の照射により加熱し、この加熱により米粒内の水分を蒸発させて微細発泡させ、その蒸気で蒸らし作用をすると共に、溶解された栄養素と、玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層の米味成分とを米粒内に吸収、含浸させ、さらにこの加熱米を真空容器へ移し、所定の真空圧に減圧して真空冷却乾燥させ、この真空冷却乾燥で米味成分を米粒内に閉じ込め、所定範囲の含水率に調整することから成る微細発泡米の加工方法。
  3. 前記動植物の栄養粉末を動物の肉、魚介類の身、野菜、果物、茸類のいずれか又はそのいくつかを微細な粉末状としたことを特徴とする請求項2に記載の微細発泡米の加工方法。
  4. 玄米又は搗精白米を含む所定量の原料米を沸騰した熱湯又は水分の多い高温多湿蒸気内で撹拌、混合する高温多湿撹拌機と、この高温多湿撹拌機へ沸騰する熱湯又は高温多湿の蒸気水分を供給する高温多湿水分供給源とを備え、撹拌混合された原料米を気密性の加熱室に入れてマイクロ波を照射し、かつ加熱された米粒からの蒸気で蒸らして微細発泡米とし、これを真空容器に移して所定の減圧をし、この減圧により真空冷却乾燥させるα化加工手段を後工程に備え、玄米表層セルロースと糊粉層、又は糊粉層を溶解、吸収してこれら栄養成分を米粒内に閉じ込め、所定範囲の含水率に調整するように構成した微細発泡米の加工装置。
  5. 前記高温多湿撹拌機が、一端を閉じ、他端に着脱自在の蓋板を設けた中空円筒状の回転ドラムと、このドラムを傾斜自在かつ回転自在に支持する回転支持部とから成り、このドラムの閉じた端に熱湯又は蒸気を供給する高温多湿水分供給源からの供給ラインを接続したことを特徴とする請求項4に記載の微細発泡米の加工装置。
  6. 玄米の原料米を沸騰湯又は高温多湿水分の中で撹拌、混合することにより玄米表層セルロースと糊粉層を軟化、分離し、水分に溶解した玄米表層セルロースと糊粉層と共に水分を米粒内に吸収させ、その原料米に気密性の加熱室内でマイクロ波照射による加熱で水分を蒸発させて微細発泡化し、かつその蒸気の蒸らしと加熱により米粒をα化させ、減圧処理による冷却乾燥で玄米表層セルロースと糊粉層を米粒内に閉じ込めて所定範囲の含水率の水分を含むように加工した微細発泡米。
  7. 玄米の原料米に、動植物の栄養粉末、植物性栄養液、及び動植物油の栄養成分のいずれか又はそのいくつかを加えて沸騰湯又は高温多湿水分の中で撹拌、混合することにより玄米表層セルロースと糊粉層を軟化、分離し、溶解した栄養成分と上記セルロースと糊粉層を水分と共に米粒内に吸収させ、その原料米に気密性の加熱室内でマイクロ波照射による加熱で水分を蒸発させて微細発泡化し、かつその蒸気の蒸らしと加熱により米粒をα化させ、減圧処理による真空冷却乾燥で栄養成分及び上記セルロースと糊粉層を米粒内に閉じ込めて所定範囲の含水率の水分を含むように加工した微細発泡米。
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