JP2005190759A - 燃料電池 - Google Patents

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隆 梶原
Masafumi Kobayashi
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Abstract

【課題】 アノード排ガスを内部に止めて運転する燃料電池において、燃料ガス流路の形状によることなく、燃料ガス流路内のガス拡散性を向上する。
【解決手段】 単セルSLでは、燃料ガス供給孔150、燃料ガス流路110、燃料ガス排出孔155の順に燃料ガスが流れる。燃料ガス排出孔155が排出する燃料ガスが流入する燃料ガス排出管158には、アノード排ガス排出弁159が設けられている。アノード排ガス排出弁159は、単セルSLの発電時には原則として、常時閉弁されている。ピストン機構300は、ピストン340を往復駆動することで、燃料ガス流路110に圧力変動を生じさせる。この圧力変動により、燃料ガス流路110における生成水を拡散させ、燃料ガスの拡散性の低下を防ぐ。
【選択図】 図2

Description

本発明は燃料電池に関する。
燃料電池の膜電極接合体は、カソードセパレータとアノードセパレータとによって挟持されている。カソードセパレータには膜電極接合体の一面と当接した際に酸化ガス流路を形成する酸化ガス流路形成部が形成され、アノードセパレータには膜電極接合体の他面と接合した際に燃料ガス流路を形成する燃料ガス流路形成部が形成されている。カソード側では、起電反応に伴い水(生成水)が生成される。カソード側で生じた生成水は、膜電極接合体を透過してアノード側に浸入し、さらに燃料ガス流路に浸入することになる。このため、燃料ガス流路内に存在する水分により燃料ガスの拡散性が低下させられるので、起電反応が阻害されてしまい、燃料電池の性能が低下してしまう。そこで、燃料ガス流路の形状によって燃料ガス流路に圧力変動を生じさせて燃料ガスの拡散を図る技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−233125 特開平2002−151115
しかし、燃料電池には、アノード排ガスを内部に止めて運転する燃料電池(例えば、特許文献2を参照)があり、このような燃料電池では、特に下流端に燃料ガスの流動が殆ど存在していない。従って、特許文献1に開示されたように燃料ガス流路の形状を変更しても、圧力変動が生じず、燃料ガスの拡散性は向上できない。
本発明は、上記の課題に鑑み、アノード排ガスを燃料電池内に止めて運転する燃料電池において、圧力変動を生じさせることによって、燃料ガス流路内における燃料ガスの拡散性を向上させることを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では、次の構成を適用した。
本発明の燃料電池は、アノード排ガスを内部に止めて運転する燃料電池であって、前記燃料電池に燃料ガスを供給するための燃料ガス導入部と、前記燃料ガス導入部と連通され、前記供給された燃料ガスが上流から下流に向けて流れる燃料ガス流路と、前記燃料ガス流路の圧力状態を変化させる圧力変動機構とを備えることを要旨とする。
本発明の燃料電池によれば、アノード排ガスを内部に止めて燃料電池を運転する場合でも、燃料ガス流路の圧力状態を変化させることができるので、燃料ガス流路内における水分が拡散され、燃料ガス流路内における燃料ガスの拡散性を向上することができる。
本発明の燃料電池において、前記燃料ガス流路の下流端は塞がれていても良い。このようにすれば、燃料ガス流路の下流端を塞ぐことによる、燃料ガスの拡散性の低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池において、所定条件時に、前記燃料ガス流路と前記燃料電池外部とを連通させる連通機構を備えても良い。このようにすれば、燃料ガス流路内に滞留する水分および不純物を、燃料電池外部に排出することができるので、燃料ガス流路内に滞留する水分および不純物の蓄積に起因する燃料電池の性能低下を抑制できる。
本発明の燃料電池において、前記圧力状態の変化は、前記燃料ガス流路と、前記燃料ガス流路に連通された空間との少なくとも一方の空間に、前記燃料ガス流路の下流端の圧力よりも低い圧力が生じる変化であることが望ましい。このようにすれば、圧力差(圧力勾配)によって、水分が滞留し易い下流端近傍領域から、その他の領域へと水分を移動させることができるため、水分の拡散性を向上させることができる。
本発明の燃料電池において、前記燃料ガス流路内の水分量を検出する検出部を備え、前記圧力変動機構は、前記検出部により検出された水分量が所定水分量を超えた際に前記圧力状態の変化を生じさせるものとしてもよい。かかる構成を備えることにより、圧力変動機構を効率よく作動させることが可能となり、燃料電池の運転効率の低下を防止することができる。
本発明の燃料電池において、前記圧力変動機構は、前記燃料ガス流路外に設けられていてもよい。かかる場合には、圧力変動機構が燃料ガス流路外に設けられているので、燃料ガス流路における圧損の発生を抑制し、燃料電池内の流路における燃料ガスの拡散性を向上させることができる。
本発明の燃料電池において、前記圧力変動機構は、
ピストンと、
前記燃料ガス流路の下流端近傍に連通されている第1の連通部と、
前記燃料ガス流路の前記燃料ガス導入部近傍に連通されている第2の連通部と、
前記第1の連通部および前記第2の連通部を連通すると共に、内部を前記ピストンが摺動する摺動室とを備えても良い。
かかる場合には、水分が滞留し易いガス下流端近傍から第2の連通部を介して水分を吸引し、第1の連通部を介して水分が滞留しにくい燃料ガス導入部近傍へと水分を移動させることができる。したがって、水分の拡散性をさらに高めることができる。また、水分の不足に起因する電解質膜の損傷を防止することができる。
なお、本発明の燃料電池において、前記圧力変動機構は、前記燃料ガス流路内に設けられているものとしてもよい。かかる場合には、燃料電池を小型化できる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池の運転方法などの形態で実現することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について実施例に基づき次の順序で説明する。
A.第1の実施例:
A1.構成:
A2.燃料ガスの流れ:
A3.ピストン機構300の動作:
A4.効果:
A5.変形例:
A5a.水分を循環させる場合:
A5b.燃料ガス流路内に圧力変動手段を設ける場合:
B.第2の実施例:
B1.変形例
A.第1の実施例:
A1.構成:
図1および図2を参照して、第1の実施例に係る燃料電池の構成について説明する。図1は、単セルタイプの燃料電池の構成を示す側面図である。図2は、膜電極接合体と当接するアノード側のセパレータの当接面を模式的に示す説明図である。単セルSLは固体高分子型の燃料電池であり、燃料ガス及び酸化ガスを用いて発電を行うことで1V強の起電圧を生じる。単セルSLは、図1に示すように、アノードセパレータ101と、カソードセパレータ102と、各セパレータ101,102に挟持された膜電極接合体120とを有する。単セルSLは、複数個が積層されることで、スタック状の燃料電池を構成する。
アノードセパレータ101には、図2に示すように、燃料ガス供給孔150、酸化ガス供給孔160,燃料ガス排出孔155,酸化ガス排出孔165が各々設けられている。図示しないが、カソードセパレータ102にも同様に燃料ガス供給孔、酸化ガス供給孔,燃料ガス排出孔,酸化ガス排出孔が各々設けられている。燃料電池スタックを構成するために、複数個のセルSLが積層されると、燃料ガス供給孔150は燃料ガス供給マニホールドを形成し、酸化ガス供給孔160は酸化ガス供給マニホールドを形成し、燃料ガス排出孔155は燃料ガス排出マニホールド155を形成し、酸化ガス排出孔165は酸化ガス排出マニホールドを形成する。
図2に示すように、燃料ガス供給孔150は燃料ガス供給管153と連通され、燃料ガス排出孔155は燃料ガス排出管158と連通されている。燃料ガス供給管153には燃料ガス供給弁154が、燃料ガス排出管158にはアノード排ガス排出弁159が設けられている。燃料ガス供給弁154は、単セルSL内の内圧を一定の圧力に保持する圧力制御弁である。アノード排ガス排出弁159は、燃料電池の運転時には原則として、常時閉弁されている。なお、説明の便宜上から図1及び図2における図示は省略したが、酸化ガス供給孔160および酸化ガス排出孔165は各々、所定の酸化ガス供給管及び酸化ガス排出管に連通されている。
アノードセパレータ101には、膜電極接合体120との当接時に、燃料ガス流路110を形成する燃料ガス流路形成部111が形成されている。燃料ガス流路形成部111は、燃料ガス供給孔150及び燃料ガス排出孔155と接続されており、燃料ガス供給孔150及び燃料ガス排出孔155に対して垂直の方向に設けられている。燃料ガス流路形成部111の面101aには、リブ112によって複数の燃料ガス流路形成溝が形成されている。以下、燃料ガス流路形成部111において、燃料ガス供給孔150側を上流と呼び、燃料ガス排出孔155側を下流と呼ぶものとする。なお、カソードセパレータ102と膜電極接合体120との間には、酸化ガス供給孔160及び酸化ガス排出孔165に連通されている酸化ガス流路130が形成されている。
図2に示すように、単セルSLにはピストン機構300が接続されている。ピストン機構300は、ピストン340と、ピストン340が往復動する作用室としての摺動室310と、矢印350に示す往復摺動を摺動室310内部でピストン340に行わせる駆動部330と、連通路311とを有する。摺動室310は、連通路311を介して燃料ガス流路形成部111(燃料ガス流路110)に連通されている。したがって、ピストン340が駆動されると、摺動室310内の気体が連通路311を介して燃料ガス流路110に供給され、燃料ガス流路110内に圧力変動が発生する。なお、連通路311が燃料ガス流路形成部111に接続される接続位置は、燃料ガス流路形成部111の最下流部付近である。生成水を含む不純物は燃料ガス流路110の最下流部付近に滞留しやすいので、燃料ガス流路110の最下流部付近における圧力変動の変化幅を大きくする必要があるからである。
ピストン機構300の駆動部330は、コンピュータ(図示せず)を内蔵している。駆動部330のコンピュータは、単セルSLの発電電圧を測定する電圧計測部12の計測電圧に応じ、ピストン340を駆動する。なお、駆動部330は、セルSLの発電電圧に関わらず、ピストン340の駆動を行うものとしてもよい。
A2.燃料ガスの流れ:
単セルSLにおける燃料ガスの流れは、以下の通りである。燃料ガスは、燃料ガス供給管153、燃料ガス供給孔150を介して燃料ガス流路110に供給される。燃料ガス流路110内に供給された燃料ガスは、燃料ガス供給孔から燃料ガス排出孔155に向かって流動する。燃料ガス流路110内の燃料ガスは、アノード排ガス排出弁159を開弁した場合には、燃料ガス排出孔155及び燃料ガス排出管158経て、単セルSLの外部に排出される。ただし、前述のように、アノード排ガス排出弁159は、通常、燃料電池の運転時には、アノード排ガスを単セルSLの内部に止めておくために閉弁されている。そして、運転時間の経過と共に燃料ガス流路110における水その他の不純物の量が多くなり単セルSLの出力が所定値以下となると、水その他の不純物を燃料電池外部に排出するために所定の制御コンピュータ(図1,2で図示せず)により開弁される。なお、燃料ガスとともに発電に用いられる酸化ガスは、酸化ガス供給孔160、酸化ガス流路130、酸化ガス排出孔165の順に流動する。
単セルSLに供給された、燃料ガス及び酸化ガスは、起電反応において消費される。より具体的には、燃料ガス流路110の最上流部に供給された燃料ガスは、燃料ガス流路110の下流側に流動しつつ、燃料ガス流路110の各部で消費される。燃料ガスは、燃料ガス流路110の各部で消費されるため、燃料ガス流路110を流れる燃料ガスの流量は、下流側ほど少なくなる。燃料ガス流路110の最下流部では、燃料ガスの流れは殆どなくなる。燃料ガスが消費され、燃料ガス流路110の圧力が所定値を下回ると、燃料ガス供給弁154が自動的に開弁し、消費された分に相当する新たな燃料ガスが、燃料ガス供給孔150から燃料ガス流路110の最上流部に供給される。
A3.ピストン機構300の動作:
起電反応に際して、カソード極にて生成された生成水が膜電極接合体120を介してアノード極に透過することがある。かかる場合には、燃料ガス流路110に水分が滞留することがある。燃料ガス流路110に滞留する水分は、燃料ガス流路110の上流部や中流部では、流動する燃料ガスにより、燃料ガス流路110の下流方向へと移動させられる。このため、燃料ガス流路110に滞留する水分は、燃料ガス流路110の下流側ほど多くなる。図2では、水分が滞留し易い部位221をハッチングにより一例として示している。
そこで、本実施例では、ピストン機構300によって、燃料ガス流路110の下流側に滞留する水分を、燃料ガス流路100全体へと拡散させる。そのため、ピストン機構300の連通路311は、水分が滞留し易い部位221に接続されている。
ピストン機構300は、燃料ガス流路110における水分の滞留量が所定の基準量以上となった場合に、ピストン340の駆動を開始する。水分の滞留量は、例えば、電圧計測部12の計測電圧に基づいて特定される。すなわち、燃料ガス流路100における水分の滞留量の増大に伴い、単セルSL(燃料電池)の出力電圧が低下するので、電圧をパラメータとして用いることによって水分の滞留量を間接的に計測することができる。駆動部330は、電圧計測部12の計測電圧が基準電圧以下となった場合、水分の滞留量が基準量以上になったものと判断し、ピストン340の駆動を開始する。ここで、基準量は、ピストン340の駆動エネルギと、ピストン340の駆動によって増大(回復)するセルSLの発電エネルギとが均衡する水分量以下に設定することが望ましい。
なお、燃料ガス流路110における水分の滞留量、すなわち、ピストン340の駆動の
有無を判断するために用いられるパラメータとしては種々のパラメータが用いられる。例えば、単セルSLの電流量、電力量の他、電圧量の変化率、電流量の変化率、電力量の変化率をパラメータとしても良い。あるいは、燃料ガス流路110に設けられた水分量センサ等を用いて水分の滞留量を直接計測してもよい。
ピストン340が駆動されると、ピストン340によって摺動室310の容量に相当する気体が、連通路311を介して燃料ガス流路110に押し出される。この結果、燃料ガス流路110の下流側における圧力は高くなり、燃料ガス流路110の中流、上流における圧力は相対的に低くなるので、燃料ガス流路110に圧力変動が生じ、あるいは、圧力勾配が逆転する。この圧力変動によって、水分が滞留し易い部位221の圧力より、その他の部位の圧力が低下し、部位221に滞留する水分が、その他の部位に向けて、矢印222(図2参照)に示すように移動する。具体的には、燃料ガス流路110の下流に滞留する水分は、中流、上流へと移動され、滞留水分の拡散が実現される。
A4.効果:
図3は、燃料ガス流路110の圧力変動の態様を示す説明図である。以下、図3を参照しつつ、実施例の単セルSLが奏する作用効果を説明する。
図3のグラフで縦軸は、燃料ガス流路110の所定の計測点における圧力を示し、横軸は時間経過を示している。図3では、ピストン機構300をセルSLに設けた場合(実施例の場合)の計測圧力を実線で示すと共に、ピストン機構300をセルSLに設けなかった場合の計測圧力を一点鎖線により示している。
ピストン機構300を備えない単セルSLの計測圧力(一点鎖線)は、時間経過に関わらず一定のままである。したがって、燃料ガス流路110の水分は、膜電極接合体120の表面上に水分の膜を容易に形成し起電反応を阻害する。また、燃料ガス流路110に水分が滞留することによって、燃料ガスの拡散性が低下され、単セルSLの運転効率が低下する。
これに対して、ピストン機構300を備える単セルSLの計測圧力(実線)は、時間経過に応じて動的に変化、すなわち、圧力勾配の変動が周期的に発生する。したがって、燃料ガス流路110の下流近傍に滞留する水分が、燃料ガス流路110の中流、上流といった他の領域に移動させられるので、燃料ガス流路110に滞留する水分を拡散させることができる。この結果、滞留水分による膜電極接合体120表面の被覆を防止または低減することが可能となり、さらに、燃料ガス流路110を流れる燃料ガスの拡散性を向上させることができる。
本実施例に係る単セルSLでは、ピストン機構300によって燃料ガス流路110の圧力状態が変動されるので、燃料ガス流路におけるガス拡散性の低下を抑制することができる。したがって、ガス拡散性の低下に起因して単セルSLの出力が、アノード排ガス排出弁159の開弁時期を判断する所定値以下となるまでの期間を長くすることができる。このため、燃料ガス流路内に残留していた燃料ガスがアノード排ガス排出弁159の開弁により燃料電池外部に排出されることに起因する燃費悪化を抑制できる。なお、本実施例では、燃料ガス流路110からアノード排ガスを排出可能な構成を備える単セルSLを例にとって説明したが、燃料ガス流路110の末端が塞がれており、アノード排ガスを排出しない構成を備える単セルSLを用いても同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施例に係る単セルSLによれば、ピストン機構300によって燃料ガス流路110の圧力状態を変動させるので、燃料ガス流路110を流れる燃料ガスの流量に依存することなく水分を拡散させることができる。したがって発電を停止した場合など、燃料ガス流路110全体の燃料ガスの流量が少ない場合でも、水分を拡散させることができる。
なお、上記実施例では、燃料ガス流路110の水分を例にとって説明を行ったが、上述の技術は、燃料ガス流路110中における窒素を始めとする種々の不純物の拡散性を向上させるために用いることができる。
A5.変形例:
A5a.水分を循環させる場合:
図4を用いて、単セルSLに備えられるピストン機構300の変形例について説明する。図4は、連通路311,411を介して水分を循環させる場合のピストン機構300の変形例を示す説明図である。なお、ピストン機構300'を除く単セルSL1の構成は、第1の実施例に係る単セルSLと同様であるから同一の符号を付してその説明を省略する。また、ピストン機構300'の構成のうちピストン機構300と同一の構成についても同一の符号を付してその説明を省略する。
本変形例におけるピストン機構300'は、連通路311に加えて、連通路411を備えている。連通路411は、その一端が燃料ガス流路110の最上流部、すなわち、水分が滞留し難い領域224、と連通され、他端がピストン機構300'の摺動室310と連通されている。
各連通路411,311には、それぞれ逆止弁412,312が配置されている。これら逆止弁412,312は、連通路411,311を流れる気体の流れを一方向に規制する。具体的には、逆止弁412は、連通路411における流れを、摺動室310から燃料ガス流路110への流れのみに規制する。また、逆止弁312は、連通路311における流れを、燃料ガス流路110から摺動室310への流れのみに規制する。
本変形例のピストン機構300'によれば、ピストン340が駆動されると、最下流の部位221に滞留する水分が連通路311、逆止弁312を介して摺動室310へと吸引され、摺動室310に吸引された水分は連通路411、逆止弁412を介して最上流の領域224へと運ばれる。したがって、最下流の部位221から水分が除去され、燃料ガス流路110における燃料ガスの拡散性が向上されると共に滞留水分による膜電極接合体120の被覆を防止または低減することができる。さらに、除去された水分は、滞留水分の少ない最上流の領域224へと運ばれるので、滞留水分の拡散を図ることができると共に、燃料ガスを加湿することができる。
A5b.燃料ガス流路内に圧力変動手段を設ける場合:
図5を参照しつつ、第1の実施例の変形例として、ピストンを燃料ガス流路110内部に設ける場合の変形例を説明する。図5は、燃料ガス流路110内部にピストン500を設けた単セルSL2内部を模式的に示す説明図である。
単セルSL2には、第1の実施例における連通路311及びピストン機構300(図2参照)に変えて、ピストン500と駆動部520とが設けられている。ピストン500及び駆動部520は各々、単セルSL2に5組設けられている。5つのピストン500は各々、対応して設けられた駆動部520によって駆動されることで、矢印530に示す往復摺動を行う。駆動部520は、例えば、電磁コイル、モータ等によって実現され、例えば、単セルSL2の運転と同時にピストン500を往復摺動させる。
5つのピストン500は、燃料ガス流路110内部を摺動することで、燃料ガス流路110に圧力変動を生み出す。この結果、水分が滞留し易い部位221の水分は、矢印510方向に向かって移動し、滞留水分が拡散される。すなわち、ピストン500が下方へ移動すると、下流の部位221が加圧され、水分が上流へと移動する。一方、ピストンが上方へ移動すると下流の部位221の圧力が低下し、上流、中流における燃料ガスが下流へと移動しやすくなる。
以上説明したセルSL2によれば、ピストン500の往復摺動により、燃料ガス流路110の下流の部位221が加圧され、燃料ガス流路110の下流の部位221に滞留している水分が燃料ガス流路110の中流、上流へと移動される。この結果、燃料ガス流路110の下流における燃料ガスの拡散性が向上される。また、燃料ガス流路110に圧力変動を生じさせる圧力変動手段としてのピストン500および駆動部520が燃料ガス流路110内部に設けられているため、燃料電池を小型化できる。なお、ピストン500の断面形状は、往復摺動時の、燃料ガス流路110における圧損の低減と、燃料ガス流路110の閉塞の抑制とのために、小さくすることが望ましい。ピストン500の断面形状は、例えば、半月状、三日月状であるものとしてもよい。
図6を参照して、圧力変動手段を燃料ガス流路110内部に設ける場合の第2の変形例を説明する。図6は、燃料ガス流路110内部にスクリュー600を設けたセルSL3の内部を模式的に示す説明図である。
セルSL3には、図5のピストン500、ピストン駆動部520に代えて、スクリュー600、スクリュー駆動部620が設けられている。5つのスクリュー駆動部620は各々、対応するスクリュー600を、矢印630方向に回転させる。スクリュー駆動部620は、例えば、電磁コイル、モータ等によって実現され、例えば、単セルSL3の運転と同時にスクリュー600を回転させる。スクリュー600は、矢印630方向に回転することで、水分が滞留し易い部位221に圧力変動を発生させる。また、スクリュー600の回転によって、部位221の水分は、矢印610方向に移動させられる。
以上説明したセルSL3によれば、スクリュー600の回転運動により、燃料ガス流路110の下流の部位221が加圧され、燃料ガス流路110の下流の部位221に滞留している水分が燃料ガス流路110の中流、上流へと移動される。この結果、燃料ガス流路110の下流における燃料ガスの拡散性が向上される。また、単セルSL3を小型化することができる。
B.第2の実施例:
図7を参照して、第2の実施例に係る燃料電池スタックについて説明する。図7は、ピストン機構700が設けられた燃料電池スタック1000の内部構成を模式的に示す説明図である。
燃料電池スタック1000は、例えば、第1の実施例に係る単セルSL1が積層されることによって形成される。燃料電池スタック1000は、セルSLa〜SLfにわたってスタック積層方向に伸びる燃料ガス供給マニホールド150,燃料ガス排出マニホールド155を有する。マニホールド150,155は各々、セルSLa〜SLfに設けられた孔(図1、図2の燃料ガス供給孔150,燃料ガス排出孔155に相当する)により構成されている。燃料ガス供給マニホールド150は燃料ガス供給管153に接続されており、燃料ガス排出マニホールド155は燃料ガス排出管158に接続されている。燃料電池スタック1000に設けられたピストン機構700の摺動室710は、燃料ガス排出マニホールド155に接続されている。
以上説明した燃料電池スタック1000によれば、ピストン740が往復摺動することによって、摺動室710内の気体が燃料ガス排出マニホールド155を介して各燃料ガス流路110に送られるので、燃料ガス流路110および燃料ガスマニホールド155に圧力変動を発生させることができる。この結果、燃料ガス流路110および燃料ガスマニホールド155に滞留する水分を拡散させて、燃料ガスの拡散性を向上させることができる。さらに、燃料電池スタック1000では、1つのピストン機構700によって各燃料ガス流路110に圧力変動を発生させるので、複数のピストン機構を設けた場合よりも、燃料電池スタックの構成を簡略化することができる。
B1.変形例:
図8を参照して、第2の実施例の変形例としての燃料電池スタック1000Aを説明する。図8は、直列に接続された燃料ガス流路110a〜110fを有する燃料電池スタック1000Aの内部構成を模式的に示す説明図である。
図8の燃料電池スタック1000Aは、図7の燃料ガス供給マニホールド150及び燃料ガス排出マニホールド155に代えて、燃料ガス連通路851〜857を有する。図示するように、燃料ガス連通路852〜856は、燃料ガス流路110a〜110fを直列に連通する。燃料ガス連通路851は、燃料ガス供給管153および燃料ガス流路110aと接続されており、燃料ガス連通路857は、燃料ガス流路110fおよび燃料ガス排出管158と接続されている。以下、このようにして直列に接続された燃料ガスの流路・通路をスタック貫通流路850と呼ぶ。燃料電池スタック1000Aに設けられたピストン機構800の摺動室810は、スタック貫通流路850の最下流部に位置する燃料ガス連通路857に接続している。
図8において、燃料ガス供給管153からスタック貫通流路850に供給された燃料ガスは、燃料ガス連通路851、燃料ガス流路110a、燃料ガス連通路852、燃料ガス流路110b、...、燃料ガス流路110f、燃料ガス連通路857の順に流れる。
したがって、燃料電池スタック1000Aのスタック貫通流路850において、生成水(水分)が最も滞留し易いのは、スタック貫通流路850の下流側(燃料ガス排出管158側)である。
そこで、本変形例における燃料電池スタック1000Aでは、ピストン機構800の摺動室810とスタック貫通流路850の下流側(燃料ガス連通路857)とを連通し、ピストン840を駆動することで、スタック貫通流路850に圧力変動を発生させる。より具体的には、ピストン840の駆動によって、摺動室810内の気体がスタック貫通流路850に押し出され、スタック貫通流路850の下流側の圧力が増大し、スタック貫通流路850の上流側の圧力が相対的に低下する。この結果、スタック貫通流路850の圧力勾配が変動し、スタック貫通流路850の下流側、例えば、燃料ガス流路110fに滞留する水分が、矢印822方向に移動させられる。したがって、スタック貫通流路850の下流に滞留する水分をスタック貫通流路850の中流、上流へと拡散させることが可能となり、スタック貫通流路850を流れる燃料ガスの拡散性を向上させることができる。
以上、実施例に基づき本発明にかかる燃料電池を説明してきたが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得る。
単セルタイプの燃料電池の構成を示す側面図である。 膜電極接合体と当接するアノード側のセパレータの当接面を模式的に示す説明図である。 燃料ガス流路110の圧力変動の態様を示す説明図である。 水分を循環させるピストン機構300'を設けた単セルSL1の内部を模式的に示す説明図である。 燃料ガス流路110内部にピストン500を設けた単セルSL2の内部を模式的に示す説明図である。 燃料ガス流路110内部にスクリュー600を設けたセルSL3の内部を模式的に示す説明図である。 ピストン機構700が設けられた燃料電池スタック1000の内部構成を模式的に示す説明図である。 直列に接続された燃料ガス流路110a〜110fを有する燃料電池スタック1000Aの内部構成を模式的に示す説明図である。
符号の説明
SL...単セル
101...アノード側セパレータ
102...カソード側セパレータ
102a...膜電極接合体との当接面
110...燃料ガス流路
111...燃料ガス流路形成溝
150...燃料ガス供給孔
155...燃料ガス排出孔
153...燃料ガス供給管
154...燃料ガス供給弁
158...燃料ガス排出管
159...アノード排ガス排出弁
130...酸化ガス流路
130...酸化ガス流路形成溝
160...酸化ガス供給孔
165...酸化ガス排出孔
120...膜電極接合体
300...ピストン機構
310...摺動室
311...連通路
330...駆動部
320...ブロック部
340...ピストン
350...ピストンの往復動の態様を示す矢印
12...電圧計測部
SL1...単セル
300'...ピストン機構
411...連通路
312,412...逆止弁
224...水分が滞留しにくい部位
SL2...単セル
500...ピストン
510...水分の移動態様を示す矢印
520...駆動部
530...ピストンの往復動の態様を示す矢印
SL3...単セル
600...スクリュー
620...スクリュー駆動部
610...水分の移動態様を示す矢印
630...スクリューの回転方向を示す矢印
1000...燃料電池スタック
SLa〜SLf...単セル
Sp1〜Sp7...セパレータ
700...ピストン機構
710...摺動室
740...ピストン
1000A...燃料電池スタック
800...ピストン機構
810...摺動室
840...ピストン
110a〜110f...燃料ガス流路
851〜857...燃料ガス連通路
850...スタック貫通流路

Claims (7)

  1. アノード排ガスを内部に止めて運転する燃料電池であって、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス導入部と、
    前記燃料ガス導入部と連通され、前記供給された燃料ガスが上流から下流に向けて流れる燃料ガス流路と、
    前記燃料ガス流路の圧力状態を変化させる圧力変動機構とを備える燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、さらに、
    所定条件時に、前記燃料ガス流路と前記燃料電池外部とを連通させる連通機構を備える燃料電池。
  3. 請求項1ないし請求項2のいずれか一の請求項に記載の燃料電池において、
    前記圧力状態の変化は、前記燃料ガス流路と、前記燃料ガス流路に連通された空間との少なくとも一方の空間に、前記燃料ガス流路の下流端の圧力よりも低い圧力が生じる変化である燃料電池。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一の請求項に記載の燃料電池において、さらに、
    前記燃料ガス流路内の水分量を検出する検出部を備え、
    前記圧力変動機構は、前記検出部により検出された水分量が所定水分量を超えた際に前記圧力状態の変化を生じさせる燃料電池。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一の請求項に記載の燃料電池において、
    前記圧力変動機構は、前記燃料ガス流路外に設けられている燃料電池。
  6. 請求項5に記載の燃料電池において、
    前記圧力変動機構は、
    ピストンと、
    前記燃料ガス流路の下流端近傍に連通されている第1の連通部と、
    前記燃料ガス流路の前記燃料ガス導入部近傍に連通されている第2の連通部と、
    前記第1の連通部および前記第2の連通部とを連通すると共に内部を、前記ピストンが摺動する摺動室とを備える燃料電池。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか一の請求項に記載の燃料電池において、
    前記圧力変動機構は、前記燃料ガス流路内に設けられている燃料電池。
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