JP2005187704A - 高速接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 短時間内に高い接着力を発現し初期接着性に優れ、高速で接着することができる高速接着剤組成物を提供する。
【解決手段】 中和度αが0.2〜0.8のイソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合してなる酢酸ビニル樹脂系エマルジョンと、グリセリン脂肪酸エステルを含有する高速接着剤組成物である。前記イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を酢酸ビニルモノマー100質量部に対し3〜40質量部含有することが好ましい。上記の接着剤組成物には、さらにポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高速接着剤組成物に関し、特に短時間内に高い接着力を発現しうる、初期接着性に優れ、高速で接着することができる接着剤組成物に関する。
従来、紙あるいは木材の接着にはポリビニルアルコールを保護コロイドとし、酢酸ビニル系重合体を重合体粒子として含む水性エマルジョンが主として用いられてきた。しかし、近年、転写ロールを用いた連続塗工方法において、生産性向上のため接着ラインの高速化が進んでいるために、従来よりも高速接着性、すなわち初期接着性に優れる水性接着剤が求められている。
水性エマルジョンからなる接着剤の初期接着性を向上させるための従来技術としては、例えばホウ酸を配合することが知られているが(非特許文献1)、ホウ酸は安全性の点で問題がある。また、特許文献1には、カルボキシル基および炭素原子数が5〜15のアルキル基を有するポリビニルアルコールを保護コロイドとした酢酸ビニル樹脂系エマルジョンと可塑剤からなる接着剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、ポリビニルアルコールを保護コロイドとした酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに芳香族スルホン酸アルカリ金属ホルムアルデヒド縮合物と可塑剤を配合した接着剤組成物が開示されている。しかし、これらの方法では十分な初期接着性が得られておらず、特許文献2においては接着剤からホルムアルデヒドの放散が懸念されるため好ましくない。
さらに、特許文献3には、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールもしくはα−オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体又はその誘導体を保護コロイドとした酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに尿素を含有し、可塑剤を含有する接着剤組成物が開示されている。この方法では初期接着性の改善はみられるものの、さらに高速な製造ラインには適応し得ないものである。また、可塑剤についての安全性には触れておらず、各種法規制の関係から使用される用途は限定されてしまう。
特開2000−192003号公報(第2頁) 特開2000−192004号公報(第2頁) 特開平8−85777号公報(第2、4頁) 長野浩一、山根三郎、豊島賢太郎共著「ポバール」p.105、昭和52年2月20日、高分子刊行会発行
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、酢酸ビニル樹脂系水性接着剤であって、ホウ酸やホルムアルデヒド等の有害成分を含有しないために安全性が高く、紙工用として用いた場合、短時間内に高い接着力を発現し初期接着性に優れ、高速で接着することができる高速接着剤組成物を提供するものである。
本発明者は、鋭意検討した結果、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとした酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは初期接着に必要なウエットタックを発現し、また可塑剤としてグリセリン脂肪酸エステルを配合することにより特異的に初期接着性がさらに向上することを見いだした。
すなわち、本発明は、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合してなる酢酸ビニル樹脂系エマルジョンと、グリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする高速接着剤組成物である。
前記イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物の中和度αが0.2〜0.8であることが好ましい。
前記イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を酢酸ビニルモノマー100質量部に対し3〜40質量部含有することが好ましい。
上記の接着剤組成物には、さらにポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
本発明は、酢酸ビニル樹脂系水性接着剤であって、紙工用として用いた場合、短時間内に高い接着力を発現し初期接着性に優れ、高速で接着することができる高速接着剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高速接着剤組成物は、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合してなる酢酸ビニル樹脂系エマルジョンと、グリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。
本発明において、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合すると、得られる酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは初期接着に必要なウエットタックを発現する。さらに、この酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに、可塑剤としてグリセリン脂肪酸エステルを配合することにより特異的に初期接着性がさらに向上する。なお、グリセリン脂肪酸エステルは、食品添加物として登録されており安全性が非常に高い可塑剤であることから、安全性の面を考慮しても特に好ましい。
本発明における酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得るのに酢酸ビニルモノマーを用いる。さらに、必要に応じて酢酸ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマーを併用することができる。他のモノマーは特に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、炭素原子数3〜16の脂肪酸エステルモノマー、スチレン系モノマー、ジエン系モノマー等が挙げられる。
本発明における保護コロイドとして用いられるイソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物は、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体の無水マレイン酸の一部をイミド化した化合物である。例えば、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体にアンモニアガスを反応せしめ、分子内の無水マレイン酸の一部をマレインイミド化することにより得られる。イミド化率は20〜60モル%であり、好ましくは25〜55モル%、より好ましくは30〜50モル%である。
イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体において、イソブチレンと無水マレイン酸の割合は特に制限されないが例えばモル比でイソブチレン:無水マレイン酸=1:1が好ましい。
イソブチレンと無水マレイン酸の共重合体のイミド化物としては、例えばクラレ(株)製の商品名イソバン304、イソバン306等が挙げられる。また、特開平8−85777等に記載されているものが挙げられる。
なお、下記の構造式(1)にイソブチレンと無水マレイン酸の共重合体のイミド化物の一例を示す。
Figure 2005187704
(式中、x、yは1以上の整数を示す。)
イソブチレンと無水マレイン酸の共重合体のイミド化物の重量平均分子量は、50000〜170000、好ましくは55000〜90000が望ましい。
イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物は酸性の粉末で水に溶解しないために、使用する際には中和剤を使用して水溶化させる。中和剤は特に限定されないが、一般に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アンモニア、有機アミン、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、尿素、チオ尿素、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、アルキルアミドなどが用いられる。
中和度αは、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物のカルボキシル基の中和の割合を示し、全てのカルボキシル基が中和された場合を1とする。本発明においては、中和度αは0.2〜0.8、好ましくは0.25〜0.6、さらに好ましくは0.3〜0.5である。中和度αが0.2より低いと水溶化するのが困難であり、0.8より高いと重合時間が極端に長くなるか、あるいは得られたエマルジョンの保水性が高くなりすぎて初期接着性も著しく低下する。
本発明の接着剤組成物に含有されるイソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物の含有量は、酢酸ビニルモノマー100質量部に対し3〜40質量部、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは10〜25質量部である。3質量部より少ない場合、安定なエマルジョンが得られないか、あるいはウエットタックが低下し満足する初期接着性が得られず、また、40質量部より多い場合、保水性が高くなり過ぎて、後述の初期接着性試験における被着材が材破する時間が長くなり好ましくない。
本発明において、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合する方法は、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を中和剤により水溶化したものを保護コロイドとして、通常のラジカル重合に使用される重合開始剤を用いて、酢酸ビニルモノマーを添加しながら乳化重合を行うことにより、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得ることができる。
酢酸ビニルモノマーの使用量は、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの不揮発分100質量部に対し50質量部以上、好ましくは70質量部以上である。
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合触媒、レドックス重合触媒の中から適宜選択して使用できる。重合開始剤の具体例を示すと、水溶性開始剤の例としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が挙げられ、レドックス系開始剤としては過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、過硫酸塩等の開始剤とグルコース、デキストロース、亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤との組み合わせが挙げられる。油溶性開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド等の過硫酸物等が挙げられる。
また、乳化重合には、イソプロパノール、メルカプタン類等の重合調節剤、カップリング剤、乳化剤等を適宜用いてもよい。
本発明の接着剤組成物は、上記の様に乳化重合して得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに、可塑剤としてグリセリン脂肪酸エステルを配合することにより得られる。
本発明において用いられるグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸とグリセリンのエステルであり、例えばグリセリンと脂肪酸のエステル化反応またはグリセリンと油脂のエステル交換反応によって生成した反応物を精製して得られる。
グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、
グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノカプリレート,グリセリンモノカプレート等のモノグリセライド:
グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンジ・トリオレート、グリセリンモノ・ジリシノレート、グリセリンモノ・ジパルミテート、グリセリンジ・トリステアレート、グリセリンモノ・ジベヘネート、グリセリンモノ・ジオレート等のモノ・ジグリセライド:
グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンモノアセトモノステアレート等のアセチル化モノグリセライド:
コハク酸飽和脂肪酸モノグリセライド、クエン酸飽和脂肪酸モノグリセライド、クエン酸不飽和脂肪酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸飽和モノグリセライド等の有機酸モノグリセライド:
中鎖脂肪酸トリグリセライド:
等が挙げられる。
なかでもアセチル化モノグリセライドが好ましい。アセチル化モノグリセライドとしては、例えば理研ビタミン(株)製の商品名 リケマール、ポエム等が挙げられる。アセチル化モノグリセライドは、食品添加物として登録されており安全性が非常に高い可塑剤であることから、安全性の面を考慮しても特に好ましい。
本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンに、可塑剤としてグリセリン脂肪酸エステルを配合することに初期接着性がさらに向上する。グリセリン脂肪酸エステルの含有量は、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの不揮発分100質量部に対し0.1〜30質量部、好ましくは1〜25質量部、より好ましくは3〜20質量部である。0.1質量部より少ない場合、期待する初期接着性が得られない。また、30質量部より多い場合、配合量に見合う初期接着性は得られず、コストが上がるため好ましくない。
さらに、本発明の接着剤組成物には、ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。ポリビニルアルコールは、粘度および粘性を調整するために配合するものであり、使用するポリビニルアルコールは特に限定されない。重合度は300以上、好ましくは500〜4500、より好ましくは500〜2500である。ケン化度は70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85〜90モル%である。
本発明の接着剤組成物に含有するポリビニルアルコールの含有量は、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物100質量部に対し0.1〜100質量部、好ましくは3〜80質量部、より好ましくは10〜50質量部である。0.1質量部より少ない場合、期待する粘度および粘性に調整することが困難であり、また、100質量部より多い場合、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物由来のウエットタックが弱まり、十分な初期接着性が得られなくなるため好ましくない。
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとした酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは高速ラインに適応する粘度や粘性をコントロールすることができるが、ポリビニルアルコールを含有させることで粘度や粘性がさらに自由にコントロールできる。
ポリビニルアルコールの使用方法は特に限定されるものではなく、例えば保護コロイドの一部として乳化重合時に含有させてもよく、あるいは重合後のエマルジョンに後添加などで含有させる方法でもよい。
本発明の接着剤組成物には、その他の成分として、中和剤、安定剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、防カビ剤などの添加剤、クレー、タルク、炭酸カルシウム、コロイダルシリカのような無機充填剤が目的に応じて適宜配合されていてもよい。
本発明の接着剤組成物は、初期接着性が極めて高いため紙や木質材料のロール塗布方法による高速接着に好適である。また、初期接着性の改善として機能する可塑剤のグリセリン脂肪酸エステルは非常に安全性の高い化合物であり、接着剤組成物の幅広い用途に使用可能である。
本発明の接着剤組成物を使用する方法は、合紙、ラミネート、たばこチップペーパーなどに用いられる高速回転塗布方法、ロール塗布方法が挙げられる。
特に、高速回転塗布方法に使用する場合、高速とは被着体の種類や塗工方法などの塗工条件により異なり一概に決められないが、従来の塗工方法において行われている塗工速度よりも速い速度を表し、例えば、被着体の搬送速度が60m/以上、好ましくは100m/分以上、さらに好ましくは150m/分以上で塗工が行われる場合が挙げられる。
上記被着材は特に限定されるものではないが、クラフト紙、ライナー紙、板紙等の包装用紙やライスペーパー、チップペーパー、グラシン紙の工業用雑種紙が挙げられる。
以下に、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例において「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準を意味する。
また、得られた接着剤組成物の不揮発分、粘度、pH、初期接着性およびイソブチレンと無水マレイン酸の共重合体のイミド化物の中和度αを下記の要領で評価した。
(1)不揮発分は、JIS K6833により測定した値を示す。
(2)粘度は、JIS K6833により測定した値を示すBM型粘度計、23℃、回転数12rpmで測定。
(3)pHはJIS K6833により測定した値を示す。
(4)中和度α
中和度αは、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合体のイミド化物(例えば、クラレ(株)製の商品名イソバン304)を中和剤で全てのカルボキシル基が中和された場合を1として、中和剤の使用量から計算で求めた値を示す。
(5)初期接着性
被着材として2枚のクラフト紙(巾25mm、長さ100mm)を用いて、一方のクラフト紙に塗布量30g/m2 (ウエット)で接着剤組成物を塗布した後に貼り合わせ、ハンドロールで3回パスして圧締して接着した。接着後、接着したクラフト紙の端から指で5秒(s)毎に位置を代えてはく離し、ケバ立ちおよび紙破100%に至る時間を測定した。温度は23℃で行った。
判定基準:ケバ立ちが10秒以内、かつ紙破100%が25秒以内であると高速ラインに適応する初期接着性を有している。
実施例1
攪拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計を備えた常圧重合装置に、水490部を仕込み、攪拌しながら水酸化ナトリウムを8部、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物(商品名イソバン304、(株)クラレ製、重量平均分子量55000〜65000、イミド化率40%)を80部添加し、90〜95℃で60分間攪拌させて溶解させた。
攪拌下、この溶液を85℃まで冷却し、次いで酢酸ビニル400部および過硫酸アンモニウム2.5部と炭酸水素ナトリウム1.5部を20部の水に溶解した触媒を3時間かけて滴下し乳化重合を行った。
乳化重合終了後、グリセリン脂肪酸エステル(商品名PL−019、理研ビタミン(株)製)を50部と水165部を添加して、30℃以下まで冷却し、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
比較例1〜4
実施例1においてグリセリン脂肪酸エステルを表1に示す可塑剤に変えた以外は同様の方法で酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
実施例2
攪拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計を備えた常圧重合装置に、水433部を仕込み、攪拌しながら水酸化ナトリウムを8部、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物(商品名イソバン304、(株)クラレ製、重量平均分子量55000〜65000、イミド化率40%)を80部添加し、90〜95℃で60分間攪拌させて溶解させた。
攪拌下、この溶液を85℃まで冷却し、ポリビニルアルコール(K217、クラレ(株)製、重合度1700、ケン化度88モル%)の15%水溶液を67部添加した。
次いで酢酸ビニル400部および過硫酸アンモニウム2.5部と炭酸水素ナトリウム1.5部を20部の水に溶解した触媒を3時間かけて滴下し乳化重合を行った。
乳化重合終了後、グリセリン脂肪酸エステル(商品名PL−019、理研ビタミン(株)製)と水165部を添加して、30℃以下まで冷却し、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
実施例3
実施例2においてポリビニルアルコールをK205(クラレ(株)製、重合度500、ケン化度88モル%)に変えた以外は同様の方法で酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
実施例4
攪拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計を備えた常圧重合装置に、水490部を仕込み、攪拌しながら水酸化ナトリウムを8部、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物(商品名イソバン304、(株)クラレ製、重量平均分子量55000〜65000、イミド化率40%)を80部添加し、90〜95℃で60分間攪拌させて溶解させた。
攪拌下、この溶液を85℃まで冷却し、次いで酢酸ビニル400部および過硫酸アンモニウム2.5部と炭酸水素ナトリウム1.5部を20部の水に溶解した触媒を3時間かけて滴下し乳化重合を行った。
乳化重合終了後、グリセリン脂肪酸エステル(商品名PL−019、理研ビタミン(株)製)を50部、濃度10%のポリビニルアルコール(K224E、クラレ(株)製、重合度2400、ケン化度88モル%)を100部、水を75部添加し酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
実施例5
攪拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計を備えた常圧重合装置に、水490部を仕込み、攪拌しながら水酸化ナトリウムを18部、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物(商品名イソバン304、(株)クラレ製、重量平均分子量55000〜65000、イミド化率40%)を80部添加し、90〜95℃で60分間攪拌させて溶解させた。
攪拌下、この溶液を85℃まで冷却し、次いで酢酸ビニル400部および過硫酸アンモニウム2.5部と炭酸水素ナトリウム1.5部を20部の水に溶解した触媒を6時間かけて滴下し乳化重合を行った。
乳化重合終了後、グリセリン脂肪酸エステル(商品名PL−019、理研ビタミン(株)製)を50部と水165部を添加して、30℃以下まで冷却し、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
比較例5
攪拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計を備えた常圧重合装置に、水490部を仕込み、攪拌しながらポリビニルアルコール(商品名K210、クラレ(株)製)を30部とポリビニルアルコール(商品名K110、クラレ(株)製)を15部添加し、90〜95℃で90分間攪拌させて溶解させた。
攪拌下、この溶液を85℃まで冷却し、次いで酢酸ビニル400部および過硫酸アンモニウム2.5部と炭酸水素ナトリウム1.5部を20部の水に溶解した触媒を6時間かけて滴下し乳化重合を行った。
乳化重合終了後、グリセリン脂肪酸エステル(商品名PL−019、理研ビタミン(株)製)を50部と水100部を添加して、30℃以下まで冷却し、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
比較例6
攪拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計を備えた常圧重合装置に、水490部を仕込み、攪拌しながらポリビニルアルコール(商品名K210、クラレ(株)製)を30部とポリビニルアルコール(商品名K110、クラレ(株)製)を15部添加し、90〜95℃で90分間攪拌させて溶解させた。
攪拌下、この溶液を85℃まで冷却し、次いで酢酸ビニル400部および過硫酸アンモニウム2.5部と炭酸水素ナトリウム1.5部を20部の水に溶解した触媒を6時間かけて滴下し乳化重合を行った。
乳化重合終了後、グリセリン脂肪酸エステル(商品名PL−019、理研ビタミン(株)製)を50部、濃度10%のポリビニルアルコール(K224E、クラレ(株)製、重合度2400、ケン化度88モル%)を100部、水を20部添加し酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得た。
上記の実施例および比較例で得られた酢酸ビニル樹脂系エマルジョンの接着剤組成物を用いて、初期接着性を評価した。その評価結果を表1〜3に示す。
Figure 2005187704
Figure 2005187704
Figure 2005187704
(注)表中の略号を下記に示す。
イソバン304:イソブチレンと無水マレイン酸との共重合体のイミド化物、(株)クラレ製、重量平均分子量55000〜65000、イミド化率40%
VAC:酢酸ビニルモノマー
APS:過硫酸アンモニウム
PL−019:グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンジアセテートモノラウレート)、理研ビタミン(株)製
K217:ポリビニルアルコール、重合度1700、ケン化度88モル%,クラレ(株)製
K205:ポリビニルアルコール、重合度500、ケン化度88モル%、クラレ(株)製
K224E:ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、重合度2400、ケン化度88モル%、クラレ(株)製
K210:ポリビニルアルコール、重合度1000、ケン化度88モル%クラレ(株)製
K110:ポリビニルアルコール、重合度1000、ケン化度98.5モル%クラレ(株)製
B−988:可塑剤、ジプロピレングリコールジベンゾエート、VELSICOL CHEMICAL CORPORATION製
CS−12:可塑剤、2,2,4−トリメチル−1,3ペンタンジオールモノイソブチレート、チッソ(株)製
DBE:可塑剤、二塩基酸エステル、デュポン(株)製
DBP:可塑剤、ジブチルフタレート、大八化学工業(株)製
表1の結果から、実施例の接着剤組成物は、比較例と比較して明らかに初期接着性が優れていることがわかる。高速回転塗布に最適であり、生産性の向上が認められる。
本発明の高速接着剤組成物は、短時間内に高い接着力を発現し初期接着性に優れ、高速で接着することができ、紙工用の高速接着剤として利用することができる。

Claims (4)

  1. イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合してなる酢酸ビニル樹脂系エマルジョンと、グリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする高速接着剤組成物。
  2. 前記イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物の中和度αが0.2〜0.8であることを特徴とする請求項1記載の高速接着剤組成物。
  3. 前記イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のイミド化物を酢酸ビニルモノマー100質量部に対し3〜40質量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の高速接着剤組成物。
  4. さらにポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の高速接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103360962A (zh) * 2013-07-05 2013-10-23 全椒海丰印刷包装有限公司 一种包装胶粘剂及其制备方法
CN103627352A (zh) * 2013-12-16 2014-03-12 江南大学 一种乳液型木材用淀粉胶粘剂及其制备方法
CN113136155A (zh) * 2021-06-09 2021-07-20 沈阳爱克浩博化工有限公司 一种高固含量聚醋酸乙烯酯乳液胶粘剂及其制备方法
CN113856605A (zh) * 2021-10-29 2021-12-31 威海新元化工有限公司 工业化连续大规模生产无醛水性粘合剂的绿色安全环保装置及方法

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