JP2005186512A - 両頭式筆記具及び両頭式筆記具の軸筒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】両端が開口する軸筒2を合成樹脂の射出成形により形成する。軸筒2の内部に隔壁3を一体に形成する。隔壁3により、軸筒2の内部に、軸筒2の一端より開口する第1のインキタンク6Aと、軸筒2の他端より開口する第2のインキタンク6Bとを設ける。第1のインキタンク6Aと第2のインキタンク6Bとを互いに連通しない構成とする。隔壁3を軸方向に延設する。隔壁3を介して第1のインキタンク6Aと第2のインキタンク6Bとを径方向に重なり合う重層状態に構成する。隔壁3の肉厚Cと、隔壁3と接続する軸筒2側壁の肉厚Dとが、「0.2≦C/D≦2.5」の関係を満足する。
【選択図】 図2
Description
0.2≦C/D≦2.5
の関係を満足すること(請求項1)を要件とする。
0.2≦C/D≦2.5
の関係を満足すること(請求項3)を要件とする。
図1に、本願の第1の発明の両頭式筆記具1の実施の形態、及び、本願の第2の発明の両頭式筆記具の軸筒2を適用した両頭式筆記具1の実施の形態を示す。図2及び図3に、本願の第1の発明の両頭式筆記具1に適用する軸筒2の実施の形態、及び、本願の第2の発明の両頭式筆記具の軸筒2の実施の形態を示す。
前記軸筒2は、両端が開口された円筒体である。前記軸筒2は、透明性の合成樹脂(即ち透明また半透明の合成樹脂)の射出成形により得られる。前記軸筒2の内面には、隔壁3が一体に形成される。前記隔壁3により、前記軸筒2の内部に、軸筒2の一端より開口する第1のインキタンク6Aと、軸筒2の他端より開口する第2のインキタンク6Bとが形成される。前記隔壁3により、前記第1のインキタンク6Aと第2のインキタンク6Bとの間は、連通せず、互いにインキが流通しないように遮断される。前記透明または半透明の合成樹脂は、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。本実施の形態では、前記透明または半透明の合成樹脂は、軸筒2内のインキ色が視認しやすいように、無色透明性または非着色透明性の合成樹脂が採用されている。
前記隔壁3は、軸方向に延設された構成(即ち、少なくとも、軸線と平行に延びる構成または軸線に対して傾斜した構成)よりなる。前記隔壁3は、本実施の形態では、軸線と略平行に延びる中央壁部31と、該中央壁部31の両端より延設される軸線に対して傾斜した傾斜壁部32及び傾斜壁部33とからなる。前記傾斜壁部32は、第1のインキ保溜部材7A近傍の軸筒2側壁内面に一体に連結され、前記傾斜壁部33は、第2のインキ保溜部材7B近傍の軸筒2側壁内面に一体に連結される。前記隔壁3により、第1のインキ貯溜部8Aと第2のインキ貯溜部8Bとが、隔壁3を介して径方向に重なり合う2層の重層状態に形成される。
前記第1のインキタンク6Aは、前方に開口する横断面円形状の第1の大径部61Aと、該第1の大径部61Aより後方に連設される横断面半円形状の第1の小径部62Aとからなる。前記第1の大径部61Aには、第1のインキ保溜部材7Aが嵌入される。前記第1のインキ保溜部材7Aの後方の第1のインキタンク6A内(即ち第1のインキ保溜部材7Aの後方の第1の大径部61Aと第1の小径部62Aとからなる空間)には、第1のインキ貯溜部8Aが形成される。
本実施の形態において、隔壁3の肉厚C(即ち、中央壁部31の肉厚、傾斜壁部32の肉厚、傾斜壁部33の肉厚)は、0.7mm〜2.0mmの範囲に設定され、隔壁3と接続する軸筒2側壁の肉厚Dは、1.5mm〜2.0mmの範囲に設定されている。即ち、軸筒2側壁の肉厚Dに対する隔壁3の肉厚Cの比(C/D)は、0.35〜1.33の範囲に設定されている。それにより、軸筒2の成形時、隔壁3を成形する金型のコアピンが径方向内方に撓んで隔壁3に孔があくことを回避するとともに、隔壁3と接続する軸筒2側壁の外面にヒケが発生することを抑えることができる。
前記隔壁3と接続する軸筒2側壁の外面には、文字、図柄、バーコード等を表示する印刷層4が設けられる。前記印刷層4は、例えば、スクリーン印刷、パッド印刷、オフセット印刷、または転写印刷等により得られる。前記隔壁3と接続する軸筒2側壁の外面は、成形時のヒケの発生が抑えられるため、印刷不良のおそれのない適正な印刷層4を得ることができる。前記印刷層4は、重層状態の第1のインキタンク6A(即ち第1のインキ貯溜部8A)と第2のインキタンク6B(即ち第2のインキ貯溜部8B)とを外部より視認可能なように形成される。本実施の形態では、隔壁3と接続する軸筒2側壁の外面に部分的に形成される。特に、本発明では、隔壁3と接続される軸筒2側壁の外面に殆どヒケが存在しないため、ヒケが発生しやすい隔壁3の連結部分の軸筒2側壁外面に、印刷層4が形成されても、印刷不良が生じるおそれがない。
前記第1のインキ保溜部材7Aは、第1のインキ貯溜部8A内の圧力上昇に応じた溢出インキを一時的に保持する部材であり、本実施の形態では、複数の円板状櫛歯を備えた合成樹脂(例えばABS樹脂)の射出成形体である。前記第1のインキ保溜部材7Aの前端には、第1のペン先5Aが取り付けられる。前記第1のインキ保溜部材7Aの軸心には軸心孔が貫設され、前記軸心孔にインキ誘導芯71Aが挿着される。前記インキ誘導芯71Aの前端は第1のペン先5Aに接続され、前記インキ誘導芯71Aの後端は第1のインキ貯溜部8Aに接続される。前記インキ誘導芯71Aは、軸方向の毛細管通路を有する、繊維加工体、多孔質体、合成樹脂押出成形体のいずれであってもよいが、本実施の形態では、繊維の樹脂加工体(例えばポリエステル繊維の樹脂加工体)が採用されている。
前記第1のインキ貯溜部8A内には、第1のインキ9Aが貯溜され、第2のインキ貯溜部8Bには、第2のインキ9Bが貯溜される。前記第1のインキ9Aと第2のインキ9Bとは、互いに色が異なる組合せが採用される。それにより、一層、外観的な面白みが増す。前記第1のインキ貯溜部8A内の第1のインキ9A及び第2のインキ貯溜部8B内の第2のインキ9Bは、軸筒2が透明または半透明の材料よりなることから、外部より視認可能である。本実施の形態では、第1のインキ9A及び第2のインキ9Bは、蛍光顔料または蛍光染料を含むインキが採用される。それにより、発色の優れた、見栄えのよい外観性を有する両頭式筆記具1が得られる。前記第1のインキ9Aと第2のインキ9Bの色の組合せは、例えば、蛍光イエローと蛍光ピンクの組合せ、蛍光イエローと蛍光オレンジの組合せ、蛍光イエローと蛍光グリーンの組合せ、蛍光ピンクと蛍光オレンジの組合せ、蛍光ピンクと蛍光グリーンの組合せ、蛍光イエローと蛍光ブルーの組合せ、または蛍光イエローと蛍光バイオレットの組合せ等が、配色の見栄えが良い点から好ましい。
前記第1のペン先5Aは、繊維加工体、毛筆体、または多孔質体よりなり、第1のインキ貯溜部8A内の第1のインキ9Aが含浸されることにより、外部より第1のインキ9Aの色が視認され、第1のペン先5Aが第1のインキ9Aの色に着色された状態となる。同様に、前記第2のペン先5Bも、繊維加工体、毛筆体、または多孔質体であり、第2のインキ9B貯溜部8B内の第2のインキ9Bが含浸されることにより、外部より第2のインキ9Bの色が視認され、第2のペン先5Bが第2のインキ9Bの色に着色された状態となる。本実施の形態では、第1のペン先5A及び第2のペン先5Bは、同一形状の、繊維の樹脂加工体(例えばポリエステル繊維の樹脂加工体)よりなる。
2 軸筒
3 隔壁
31 中央壁部
32 傾斜壁部
33 傾斜壁部
4 印刷層
5A 第1のペン先
6A 第1のインキタンク
61A 第1の大径部
62A 第1の小径部
7A 第1のインキ保溜部材
71A インキ誘導芯
8A 第1のインキ貯溜部
9A 第1のインキ
5B 第2のペン先
6B 第2のインキタンク
61B 第2の大径部
62B 第2の小径部
7B 第2のインキ保溜部材
71B インキ誘導芯
8B 第2のインキ貯溜部
9B 第2のインキ
C 隔壁と接続する軸筒の側壁の肉厚
D 隔壁の肉厚
Claims (4)
- 両端が開口する軸筒を透明性合成樹脂の射出成形により形成し、前記軸筒の内部に隔壁を一体に形成し、前記隔壁により、前記軸筒の内部に、前記軸筒の一端より開口する第1のインキタンクと、前記軸筒の他端より開口する第2のインキタンクとを設け、前記第1のインキタンクと前記第2のインキタンクとを互いに連通しない構成とし、前記第1のインキタンクの開口部に、第1のペン先と接続される第1のインキ保溜部材を設け、前記第1のインキ保溜部材の後方の第1のインキタンク内に第1のインキ貯溜部を設け、前記第1のインキ貯溜部内に第1のインキを貯溜し、前記第1のインキ保溜部材が、前記第1のインキ貯溜部内の圧力上昇に応じた溢出インキを一時的に保持してなり、前記第2のインキタンクの開口部に、第2のペン先と接続される第2のインキ保溜部材を設け、前記第2のインキ保溜部材の後方の第2のインキタンク内に第2のインキ貯溜部を設け、前記第2のインキ貯溜部内に第2のインキを貯溜し、前記第2のインキ保溜部材が、前記第2のインキ貯溜部内の圧力上昇に応じた溢出インキを一時的に保持してなり、前記隔壁を軸方向に延設し、前記隔壁を介して第1のインキ貯溜部と第2のインキ貯溜部とを径方向に重なり合う重層状態に構成し、前記隔壁の肉厚をCとし、前記隔壁と接続する軸筒側壁の肉厚をDとするとき、
0.2≦C/D≦2.5
の関係を満足することを特徴とする両頭式筆記具。 - 前記隔壁と接続する軸筒側壁の外面に印刷層を設けた請求項1記載の両頭式筆記具。
- 両端が開口する軸筒を合成樹脂の射出成形により形成し、前記軸筒の内部に隔壁を一体に形成し、前記隔壁により、前記軸筒の内部に、前記軸筒の一端より開口する第1のインキタンクと、前記軸筒の他端より開口する第2のインキタンクとを設け、前記第1のインキタンクと前記第2のインキタンクとを互いに連通しない構成とし、前記隔壁を軸方向に延設し、前記隔壁を介して第1のインキタンクと第2のインキタンクとを径方向に重なり合う重層状態に構成し、前記隔壁の肉厚をCとし、前記隔壁と接続する軸筒側壁の肉厚をDとするとき、
0.2≦C/D≦2.5
の関係を満足することを特徴とする両頭式筆記具の軸筒。 - 前記隔壁と接続する軸筒側壁の外面に印刷層を設けた請求項3記載の両頭式筆記具の軸筒。
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