JP2005185233A - 太陽電池を用いた薬剤揮散装置 - Google Patents
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Abstract
【課題の解決手段】装着された薬剤含浸体からファンの風力により薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、ファンを駆動するモーターの作動用電源としての太陽電池と、この太陽電池から供給される電力を蓄電するための蓄電池を装置器体に備え、かつ太陽電池と蓄電池を一体化するとともに、この一体化部材を前記装置器体から着脱自在に構成した太陽電池を用いた薬剤揮散装置。
【選択図】図1
Description
かかる現状に鑑み、本発明者らは、乾電池が有する問題点を解消するために、エネルギー源としての太陽電池と供給電力を蓄電するための蓄電池を備えた薬剤揮散装置の開発を進め、先に特許を出願した(特願2003−271905)。
更に、前述の薬剤揮散装置では、太陽電池から蓄電池に蓄電するに際し、装置ごと日差しのあたる屋外に設置せざるを得ず、その場合薬剤が直射日光に曝されて薬剤の劣化を招く恐れも有する。
そこで、本発明は、エネルギー源としての太陽電池と蓄電池を用いる方式を踏襲しつつ、しかも前述の課題を解決し、屋外のみならず室内でも適用できる、一層有用かつ実用的な薬剤揮散装置を提供することを目的とする。
(1)装着された薬剤含浸体からファンの風力により薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、ファンを駆動するモーターの作動用電源としての太陽電池と、この太陽電池から供給される電力を蓄電するための蓄電池を装置器体に備え、かつ太陽電池と蓄電池を一体化するとともに、この一体化部材を前記装置器体から着脱自在に構成した太陽電池を用いた薬剤揮散装置。
(2)太陽電池と蓄電池の一体化部材が取り外された装置器体の空隙部に、乾電池を装着可能に構成した(1)に記載の太陽電池を用いた薬剤揮散装置。
(3)太陽電池が0.05〜1.5Wの供給電力を有し、かつ蓄電池の電圧が1.0〜6.0Vで蓄電量が50mAh〜12000mAhである(1)又は(2)に記載の太陽電池を用いた薬剤揮散装置。
また、通常、太陽電池は薬剤揮散装置の表面に装填されるが、太陽電池への日射量をより多くするために可動式にして角度や向きを調節したり、太陽の動きに合わせて有効に太陽電池に充電が出来るように太陽電池を曲面に配置してもよい。更に太陽電池の面積を増やすために、例えば開閉式にするなど、種々の方法を採用することもできる。なお、太陽電池の面積は薬剤揮散装置の大きさにもよるが、10cm2〜200cm2程度が適当である。
一体化の方式については特に限定されないが、例えば、装置器体から着脱自在なブロック状部材を形成するとともに、その表面に太陽電池を装着し、内部に蓄電池、ならびに後記する逆流防止ダイオード(蓄電池からの電流が太陽電池に逆流しないように制御する機構)、過充電防止装置(一定容量以上の充電を抑制するための機構)や過放電防止装置(一定容量以上の放電を制御するための機構)などを内蔵する形態を例示できる。
かかる構成によれば、このブロック状部材を装置器体から取り外し、この部材のみを日差しに当てて蓄電可能なので、蓄電のために装置全体を太陽光に曝す必要がなく、薬剤の劣化を極力抑えることができる。
なお、複雑な電源回路を許容できる状況であれば、交流電源の併用も可能な構成を採用し、例えば、屋外では太陽電池から電力供給を受け、一方室内では、交流電源からACアダプターを介して作成された直流電源を使用するように設計しても構わない。
前記ピレスロイド殺虫剤の配合量は、薬剤含浸体1個あたり30mg以上で、1時間あたりの殺虫剤揮散量を0.05〜1.0mgとし、延べ100時間以上殺虫効力を持続するように設計するのが適当である。
なお、太陽電池の電力供給が不足を生じない限り種々の付加機能を装填することができ、例えば、CPU(中央処理装置)を内蔵し、薬剤残量表示機能や、太陽電池ならびに蓄電池や乾電池の電圧残量表示機能を備えたり、あるいは光センサーが使用環境の照度を認識してモーターを動作させる機能や、これらが動作中であることを表示するLEDランプなどを装填してもよい。
そして、揮散性薬剤として殺虫剤を用いた場合、室内はもとより、キャンプのテント内や車内、犬小屋、携帯用として、ハエ、ゴキブリ、屋内塵性ダニ類などの衛生害虫や、蚋、ユスリカなどに対して優れた防除効果を奏し、その他誘虫灯やライトトラップなどにも適用可能である。更に、芳香剤を用いる消臭用、芳香用分野においても、同様に極めて実用的でかつ有用性が高い。
平均外径が約3mmのセルロース系担体3[製品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)]1.2gに、化合物H(25℃における蒸気圧:1.9mPa)200mgを含む灯油溶液を含浸させ、シロッコファン4と一体化させた通気性カートリッジ5に収納した。0.3Wの電力供給能力を有する太陽電池(40cm2)6と、2.4V(1.2Vを2本)のNi−Cd蓄電バッテリー(7)及び逆流防止ダイオード(図示せず)を含む一体化部材2をブロック状に形成し、これを太陽電池6が装置器体の表面に露呈するように装置内に嵌着させた。また、モーター(8)の無負荷時の回転数は1500回転/分で、その時の定常作動電流は5mAであった。
前記通気性カートリッジ5を装置器体に装填し、シロッコファン4による風力とカートリッジ5自体の回転による遠心力の作用で薬剤を揮散させるタイプの本発明の薬剤揮散装置1を得た。なお、図中、9は電源スイッチ、10はLEDランプ、11は揮散口を示す。
このように、本薬剤揮散装置1は、クリーンなエネルギー源である太陽光を利用するとともに、屋内、屋外を問わずどのような場面でも対処でき、加えて蚊などの害虫に対して高い防除効果を示すので、実用的かつ経済的でしかも利便性の高い薬剤揮散装置であることが確認された。
直径約7cm、厚さ約1cmのハニカム状セルロース系担体23に、抗菌剤・イソシアン酸アリル1.0gとリラックスグリーン系香料(青葉アルコール、青葉アルデヒド配合)1.0gを含むエタノール溶液を含浸させた。0.4Wの電力供給能力を有する太陽電池(50cm2)24と、3.6V(1.2Vを3本)のNi−Cd蓄電バッテリー(25)及び逆流防止ダイオード(図示せず)を含む一体化部材22をブロック状に形成し、これを太陽電池24が装置器体の裏面に露呈するように装置内に嵌着させた。また、装置内にはシロッコファン26を内蔵した。モーター(27)の無負荷時の回転数は1800回転/分で、その時の定常作動電流は6mAであった。得られた本発明の薬剤揮散装置21は、シロッコファン26による風力で薬剤を揮散させるタイプで、図中、28は電源スイッチ、29はLEDランプ、30は揮散口を示す。
2:一体化部材
3:セルロース系担体
4:シロッコファン
5:通気性カートリッジ
6:太陽電池
7:Ni−Cd蓄電バッテリー
8:モーター
9:電源スイッチ
10:LEDランプ
11:揮散口
21:薬剤揮散装置
22:一体化部材
23:セルロース系担体
24:太陽電池
25:Ni−Cd蓄電バッテリー
26:シロッコファン
27:モーター
28:電源スイッチ
29:LEDランプ
30:揮散口
Claims (3)
- 装着された薬剤含浸体からファンの風力により薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、ファンを駆動するモーターの作動用電源としての太陽電池と、この太陽電池から供給される電力を蓄電するための蓄電池を装置器体に備え、かつ太陽電池と蓄電池を一体化するとともに、この一体化部材を前記装置器体から着脱自在に構成したことを特徴とする太陽電池を用いた薬剤揮散装置。
- 太陽電池と蓄電池の一体化部材が取り外された装置器体の空隙部に、乾電池を装着可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池を用いた薬剤揮散装置。
- 太陽電池が0.05〜1.5Wの供給電力を有し、かつ蓄電池の電圧が1.0〜6.0Vで蓄電量が50mAh〜12000mAhであることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池を用いた薬剤揮散装置。
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