JPH0140458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、周囲の明るさを感知して夜になつた
時には自動的に作動して蠅や蚊等の害虫を駆除で
き、したがつて夜になつてからその動きが活発に
なる蚊、あるいはゴキブリ等には有効であるとと
もに、一般の家庭には勿論のこと特に蠅や蚊、ゴ
キブリ等が出やすい環境で営業時間終了後は暗く
なりかつ人が居なくなる飲食店、ホテル、旅館等
において使用して有用な電動式の殺虫器に関する
ものである。

［従来の技術］ 従来一般会社等の夜間には殆ど人が居なくなる
ような居住空間に於いて用いられてきた蠅や蚊あ
るいはゴキブリ等のような害虫を駆除する手段は
主に次のようなものであつた。

即ち、人の居住している時間帯にあつては液状
の薬剤を適宜の噴霧装置を用いて噴霧するエアゾ
ール式のものや、粉末状の薬剤を撒布する方式の
ものを必要に応じて人が噴霧あるいは撒布し、一
方人が居なくなる時間帯例えば夜間にあつては、
熱蒸散性の薬剤を商用電源から電気を得る電気ヒ
ータ等により加熱して薬効成分を空気中に方散さ
せる主に家庭用として用いられている熱蒸散方式
のものや、高電圧を利用した電気シヨツク方式に
よるものを利用するのがせいぜいであつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 上述の殺虫器、例えば熱蒸散方式のものにあつ
ては、過熱による火災発生等を考慮した安全性の
面からあまり強力なヒータを用いることができな
いと共に、蒸散する薬効成分の蒸散速度をコント
ロールできないため動作開始後の短い時間内はあ
る程度強力に蒸散作用するが、一定の時間経過後
は殆どの薬効成分が失われて有効な殺虫効果を示
さないといつた問題があり、また気密性に優れた
建築構造に於いて用いない限り強力に蒸散した薬
効成分であつても空気中での分布濃度が不均一な
ものとなり、部屋の隅に居る害虫まで薬効成分が
作用しない等の問題点も有していた。そして又、
電気シヨツク方式のものにあつても、殺虫器に直
に害虫が接触しなければ全く効果が得られないた
め、あまり効率のよい方法とは言い難かつた。

本考案は、以上の問題を解決すべく案出された
もので、殺虫薬効成分を空間内に極在させること
なくバランスよく方散し、特に人の居ない夜間に
あつても長時間に渡つて有効に作用する殺虫機を
提供することを目的とするものである。

［問題を解決するための手段］ 以上の問題は、吸気及び送気のための通気孔を
有して成る容器体の中に、内蔵電源により駆動さ
れる送風用の電動フアンと、この電動フアンを駆
動する駆動回路と、外部の明るさを検出して外部
が暗くなり光の量があらかじめ定められた値を下
回ると前記駆動回路に電動フアンを駆動する信号
を与え、外部が明るくなり光の量があらかじめ定
められた値を上回ると前記駆動回路に電動フアン
を停止する信号を与える光検出回路及び光検出器
と、そして前記の電動フアンの送風を受けて蒸散
する殺虫薬剤とを配備したことを特徴とする殺虫
器によつて解決することができる。

尚、前記の殺虫薬剤は液状やゲル状の形態をと
ることができ、特に液体状の場合には殺虫器が転
倒しても薬剤がこぼれないように含浸材に含浸さ
せたものも利用できる。また、制御駆動回路には
電動フアンの間欠運転を可能とするタイマー制御
回路の組み込まれたものも利用可能であるし、電
源としてはNi−Cd電池等の充電可能な電池を用
いたり、更には自動充電を為すべく太陽電池と充
電回路とを組み合わせたものも利用できる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明
する。

第１図に於いて１は本考案による電動式の殺虫
器であり、吸気及び送気のための通気孔２を有し
て成る容器体３の中に、送風用の電動フアン４
と、この電動フアン４を駆動する駆動回路５と、
外部の明るさを検出して前記駆動回路５に電動フ
アン４の動作を制御させるための制御信号を与え
る光検出回路６（前記制御駆動回路５と同一回路
基板上に構成）及び光検出器７と、内蔵電源８
（本実施例では単独の使い捨てあるいは充電再使
用可能な電池であるが適宜Ni−Cd電池等の充電
可能な電池と太陽電池と充電回路とを組み合わせ
て自動充電式とすることもできる）と、そして前
記の電動フアン４からの送風によつて蒸散する液
状あるいはゲル状等の殺虫薬剤９とを内蔵して成
るものである。

尚、前記光検出器７等は周囲の光を確実効果的
に検出すべく容器体３の外方に突出させて取りつ
けても差支えないことは勿論である。また、同図
中１０は前記駆動回路５の回路基板と同一基板上
に構成したタイマー回路で、１１は前記タイマー
回路１０の時間を調節するための調節器、そして
１２は電源スイツチである。

［考案の作用及び効果］ 以上詳述の如く、本考案によつて光検出器によ
つて周囲の明るさに応じて自動的に動作する電動
フアンを採り入れたことにより、以下の如き作用
を為すものである。即ち、第２図のブロツク図に
従つて説明すれば、まず人が居なくなつて部屋の
照明が消燈され光検出器７に入る光の量があらか
じめ定められた所定の値を下回ると光検出回路６
が制御信号を駆動回路５へ送出し、次にこの制御
信号を受けた駆動回路５はその出力をONとして
電動フアン４を回転せしめ、その結果電動フアン
４の回転による送風により殺虫薬剤９の薬効成分
を空気中に強制放散（蒸散）させるもので、次の
朝になつて太陽光が入射したり照明が点燈し光の
量があらかじめ定められた所定の値を上回ると前
述と逆の動作で電動フアン４は回転を停止する。
そして又、前記駆動回路５にタイマー回路１０を
併設した場合には電動フアン４を適宜の時間間隔
で間欠運転することができ、電源の寿命を見掛け
上延長することができると共に、殺虫薬剤の蒸散
量も空間の広さに応じて調節することが可能とな
る。

このように、本考案は人の居ない暗い空間にあ
つて自動的に電動フアンにより強制的に殺虫薬剤
の薬効成分を放散させることができるため、人の
手を煩わすことなく、且つむらなく効率よく薬効
成分を拡散することができる安全且つ無駄の少な
い殺虫器の提供を可能とならしめたのである。

したがつて本考案にあつては蚊、ゴキブリの如
く、夜間暗やみ時にむしろ行動することの多い害
虫にとつては極めて有効であり、また一般家庭に
おいては勿論のこと、営業時間終了後は人が居ら
ず真つ暗闇となり、しかも蠅、蚊、ゴキブリ等が
出やすい飲食店、ホテル、旅館の調理場等にあつ
ては本考案は特に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る殺虫器を示す
概略断面図、そして第２図は第１図の殺虫器の電
気系統の構成を示すブロツク図である。 ２…通気孔、３…容器体、４…電動フアン、５
…駆動回路、６…光検出回路、７…光検出器、９
…殺虫薬剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 吸気及び送気のための通気孔を有して成る容
   器体の中に、内蔵電源により駆動される送風用
   の電動フアンと、この電動フアンを駆動する駆
   動回路と、外部の明るさを検出して外部が暗く
   なり光の量があらかじめ定められた値を下回る
   と前記駆動回路に電動フアンを駆動する信号を
   与え、外部が明るくなり光の量があらかじめ定
   められた値を上回ると前記駆動回路に電動フア
   ンを停止する信号を与える光検出回路及び光検
   出器と、そして前記の電動フアンの送風を受け
   て蒸散する殺虫薬剤とを配備したことを特徴と
   する殺虫器。 ２ 殺虫薬剤がゲル状であることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の殺虫器。 ３ 殺虫薬剤が液体状であることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の殺虫器。 ４ 殺虫薬剤が液体状で且つ含浸材に含浸されて
   成ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の殺虫器。 ５ 駆動回路がタイマー制御回路を含んで成るこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   乃至第４項の何れかに記載の殺虫器。 ６ 内蔵電源がNi−Cd電池等の充電可能な電池
   より成ることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項乃至第５項の何れかに記載の殺虫
   器。 ７ 内蔵電源がNi−Cd電池等の充電可能な電池
   と太陽電池及び充電回路とを組み合わせて成る
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項乃至第６項の何れかに記載の殺虫器。