JP2005184131A - 信号伝送装置 - Google Patents
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Abstract
互いに逆位相の交流電源で駆動されている信号伝送装置同士が信号を送受信しても、伝送線のリーク電流による信号伝送のノイズ障害を抑制する信号伝送装置を提供する
【解決手段】一対の電源端子のそれぞれに、一端を装置のグランドレベルに接続したコンデンサを接続し、該一対の電源端子より交流電源の供給を受けて直流電源を生成するための電源部と、平衡信号を送受させる平衡型送受信器を有し、伝送線に接続される一対の送受信端子を該平衡型送受信器に接続させ、上記電源部から電源を受けて作動される伝送回路部とを備えている。
【選択図】 図1
Description
このシステムは主に家庭用であり、一対の伝送線3を介して互いに並列接続されているモニタ付親機100a、モニタ付副親機100bは、電源コンセント2a、2bへ電源コード先端のプラグを差し込まれ、商用100Vの単相交流電源を受けて動作している。
モニタ付親機100aは、例えば居間などに設置されており、住戸の門扉などに設置されているカメラ付子機400の呼出ボタン401の押下を検知すれば、スピーカ128aを鳴動させて来客を家人に報知し、LCDモニタ126aを起動して、カメラ付子機400のカメラ402で撮影した来客の映像表示を開始する。
このような来客の呼出しに対して、家人がモニタ付親機100aの操作ボタン124aによって応答操作すれば、スピーカ128a、マイク128bとを用いて来客とのハンズフリー通話を開始させる。
このようなインターホンシステムでは、伝送線3には、音声信号、映像信号、制御信号が、図10のように周波数分割多重方式で送受信されており、その信号のうち、音声信号は、周波数変調されないベースバンド信号となっている。
そのため、家屋の各コンセントには、その2通りの組み合わせ、すなわち中性線(0)−電圧線(+)、中性線(0)−電圧線(−)いずれかが配線施工され、このとき、前者の組み合わせを配線されたコンセントと、後者の組み合わせを配線されたコンセントとは、互いに逆位相の交流電源となる。
従って、このような場合には、モニタ付親機100aとモニタ付副親機100bとの配置により、それらが互いに逆位相の交流電源で駆動される場合が起き、そのような電源供給を受けたモニタ付親機100aと、モニタ付副親機100bとにはそれらの装置のグランドレベル間の電圧差が交流電源周期で発生し、伝送線3にリーク電流を生じさせる。そして、この場合のリーク電流は、電圧線(+)→モニタ付親機100aのグランドレベル(不図示)→伝送線3→モニタ付副親機100bのグランドレベル(不図示)→電圧線(−)の経路を交流電源の周波数で往復し、このリーク電流の高調波が信号伝送にノイズ障害を起こし、特に通話音声に電源周波数の高調波成分を含むノイズが発生してしまうなどの問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、単相3線式電力線を電源設備として利用した場合に、互いに逆位相の交流電源で駆動されている伝送装置同士が伝送線を通じて信号を送受信をしても、伝送線のリーク電流による信号伝送のノイズ障害を抑制し得る新規な構成の信号伝送装置を提供することを目的としている。
ここに、本発明でいう装置のグランドレベルは、伝送装置の回路電源の基準電圧を意味するもので、筺体接地や地面接地されているものに限定されない。
また、請求項2では、上記平衡型送受信器は、無極性の平衡信号を上記一対の伝送線を通じて送受信する構成にしている。
特に請求項2によれば、送受信される信号が無極性の平衡型信号であるから、信号伝送装置の送受信端子を極性の区別のために形状を異ならせて形成する必要がない。また、配線施工も容易にできる。
本発明は、このような原理によって、伝送線を通じる信号にノイズが乗ることが効果的に防止できるので、通話のない場合にも音声信号を増幅して出力させる必要のある同時通話型のハンズフリー型のインターホンシステムなどに適用すれば特に有効である。
モニタ付親機1aの一対の電源端子T1a、T2aは、単相3線式電力線の地面接地された中性線(0)と電圧線(+)による交流電源と接続され、モニタ付副親機1bの一対の電源端子T1b、T2bは、単相3線式電力線の中性線(0)と電圧線(−)による交流電源と接続されている。
より具体的には、モニタ付親機1aから導出される電源コードのプラグが差し込まれた電源コンセント2aには、100V交流電源として、家屋分電盤から単相3線式電力線の中性線(0)と電圧線(+)が配線施工されており、モニタ付副親機1bから導出される電源コードのプラグが差し込まれた電源コンセント2bには、単相3線式電力線の中性線(0)と電圧線(−)が配線施工されている(図9参照)。
従って、中性線(0)は地面接地され、一方の電圧線(+)と他方の電圧線(−)は、互いに反転位相の100V交流電圧が印加されているから、モニタ付親機1aとモニタ付副親機1bとは、互いに逆位相の交流電圧が供給され、モニタ付親機1aの一対の送受信端子T3a、T4aの各々は、モニタ付副親機1bの一対の送受信端子T3b、T4bの各々と伝送線3を介して接続されている。
このような接続状態においては、モニタ付親機1aとモニタ付副親機1bとが伝送線3を通じて内線通話を行うなどして信号を送受すれば、前述した理由で双方の装置のグランドレベル間で電圧差を生じ、そのため、電圧線(+)→モニタ付親機1aのグランドレベルG1→伝送線3→モニタ付副親機1bのグランドレベルG2→電圧線(−)の経路をリーク電流が流れ、その結果、低周波数側のベースバンドで伝送される音声信号が、高周波に変調されている映像信号や制御信号よりも大きく影響を受けることになる。
したがって、受話側のモニタ副親機1bでは、コモンモードのリーク電流による電圧を音声信号のノイズとして再生し音声信号を劣化させることがないから、具体的現象としてのノイズが効果的に抑制される。
図2は、モニタ付親機の構成を説明するブロック図である。
モニタ親機1aは、交流電源に接続される一対の電源端子T1a、T2aと、伝送線3を導出する一対の送受信端子T3a、T4aと、交流電源を整流して装置の直流電源と成す電源部11と、電源部11から直流電源を受けて作動し、制御部13、受像部14、通話部15と外部の通信装置とが信号を送受信するための伝送回路部12Aを備えており、更に、一対の送受信端子T3a、T4aには、カメラ付子機4や通話副親機1cのための電源を供給する給電部16を備えている。
モニタ付副親機1bは、給電部16を有さない点を除けば、モニタ付親機1aと共通である。したがって、モニタ付親機1aと共通の構成要素には同一の参照符号を付け、詳細な説明は省略する。
なお、モニタ付副親機1bにおいては、T1b、T2bが一対の電源端子、T3b、T4bが一対の送受信端子になっている。また、伝送回路12Aは、図1では、電源V2とグランドレベルG2との電圧差が駆動電圧として印加されるように示している。
図4は電源部11の構成を説明するブロック図である。
電源部11では、一対の電源端子T1a、T2aと、内部電源回路としてのスイッチング電源回路21がコモンモードチョークコイルLを介して接続されている。スイッチング電源回路21は、交流電源をスイッチングし、整流して、装置の直流電源として正電圧V1と負電圧−V1を出力している。
そして、このようなスイッチング電源回路21は、2つのコンデンサC1、C2を介して、交流電源間を接続しており、それらの共通の接続点をグランドレベル(G1)に接続することで、一対の一対の電源端子T1a、T2aをグランドレベル(G1)に接続している。
ここに、2つのコンデンサC1,C2は高周波スイッチングノイズを吸収するものであり、2つのコンデンサC1,C2はそれぞれが独立してグランドレベル(G1)に接続されていてもよい。
なお、内部電源回路は、図例ではスイッチング電源回路21で構成しているが、そのようなものには限定されず、外部からの交流電源の供給を受けて、整流して、直流電源を出力するものであればよい。
制御部13は、シリアル通信を行う非同期シリアル送受信器22と、必要な表示をなす表示LED23と、使用者が必要な操作をなす操作ボタン24とが、装置制御を行うCPU25に接続されている。CPU25は、ソフトウェアによって装置の他の部分を制御する。
受像部14は、訪問者の映像を表示するLCDモニタ26がビデオ信号を処理して映像を表示させるビデオ回路27に接続されている。
通話部15は、音声を入力して音声信号と成す集音マイク28が第1の音声スイッチ29と接続され、音声信号によって鳴動し、音声を出力するスピーカ30が第2の音声スイッチ31と接続されている。第1の音声スイッチ29と第2の音声スイッチ31は、スイッチ制御回路32によって利得を調整制御されて、ハンズフリーの交互通話を可能にしている。他の構成として、音声スイッチ29、31の代わりにエコーキャンセラを設ければ、相互に同時通話する構成にもできる。
従来、音声スイッチを用いた交互通話回路やエコーキャンセラを用いたハンズフリーインターホンでは、通話中のノイズはその通話信号に隠れているが、無音になって通話信号がなくなると現れていた。そのため通話の語尾や、通話信号のないときにノイズが聞こえたりするなど、特に無音時に気になるようなリーク電流によるノイズ障害の問題があったが、本発明を適用すれば、そのようなノイズ障害は無く、クリアな通話が可能となる
図8Aに示す伝送回路部12Aは、一対の送受信端子T3a、T4aに、直流遮断のためのコンデンサCa,Cbを介して接続される平衡型送受信器37Aを有している。このコンデンサCa、Cbは、伝送線3に直流電源が接続され、伝送線3を通じた電源の供給が行われる場合には、直流遮断のために必要であるが、そのような直流遮断を行わない場合は、省略されてもよい。
ここに、平衡型送受信器37Aは、直流電源V1とグランドレベルG1とで駆動される片電源駆動型となっており、一対の送受信端子T3a、T4aに接続された伝送線3で平衡信号を伝送させる。
このために、平衡型送受信器37Aは、混合分離器33と非平衡信号線で接続されているが、一対の送受信端子T3a、T4aとは平衡信号線で接続されており、混合分離器33からの非平衡型信号による送受信と、伝送線3側からの平衡型信号による送受信とを中継する。混合分離器33は、バンドパスフィルタ回路などで形成されており、制御信号を複変調する制御信号復変調回路34、映像信号を復調する映像信号復調回路35、音声信号を増幅通過させる音声増幅回路36と接続されている。制御信号復変調回路34は、制御部13の非同期シリアル送受信器22と制御信号を送受信する。映像信号復調回路35は、受像部14のビデオ回路27へ映像信号を送信する。音声増幅回路36は、通話部15の音声信号を増幅する。
このような構成の伝送回路部12Bを備えるモニタ付親機、モニタ付副親機では、上述の実施例と同様の効果を奏するのみならず、伝送線3を無極性にできるから、モニタ付親機1a、モニタ付副親機1bの一対の送受信端子T3a、T4aやT3b、T4bを形状などで区別して形成する必要がない。また、システムの配線施工も容易になる。
この例に替えて、平衡型送信アンプTA及び平衡型受信アンプRAを直流電源の正電圧(V1)と負電圧(−V1)とで駆動されるようにすれば、図8Bに示された平衡型送受信器37Bの構成にできる。
図9は、このシステムの全体構成を示している。
このシステムは主に家庭用であり、一対の伝送線3を介して互いに並列接続されているモニタ付親機1a、モニタ付副親機1bは、電源コンセント2a、2bへ電源コード先端のプラグT1a,T1bを差し込まれ、商用100Vの交流電源を受けている。
モニタ付親機1aは、例えば居間などに設置されており、住戸の門扉に設置されているカメラ付子機4の呼出ボタン41による押圧操作をすれば、スピーカ28aを鳴動させて来客を家人に報知し、LCDモニタ26aを起動して、カメラ付子機4のカメラ42で撮影した来客の映像表示を開始する。そして、家人がモニタ付親機1aの操作ボタン24aによって応答操作すれば、スピーカ28a、マイク28bを通じて来客とのハンズフリー通話を開始させる。
一方のモニタ付副親機1bは、台所などに配置されており、モニタ付親機1aと同等の通話機能を有する。通話副親機1cは、居室などに配置されており、訪問者の映像表示を表示する機能はないが、それ以外の通話機能は、モニタ付親機1aと同等である。
更に、モニタ付親機1a、モニタ付副親機1b、通話副親機1cは、互いに内線通話をすることもできる。
伝送線3には、音声信号、映像信号、制御信号が、周波数分割多重方式で送受信されている。その信号のうち、音声信号は、周波数変調されないベースバンド信号になっている。なお、この図は概念的なものであり、音声信号、映像信号、制御信号の帯域、及び信号レベルは任意レベルとして表現されている。
2a、2b 交流電源
3 伝送線
11 電源部
12A、12B 伝送回路部
37A、37B 平衡型送受信器
C1、C2 コンデンサ
T1a、T2b、T1b、T2b 一対の電源端子
T3a、T4b、T3b、T4b 一対の送受信端子
TA 平衡型送信アンプ
RA 平衡型受信アンプ
Claims (2)
- 一対の電源端子のそれぞれに、一端を装置のグランドレベルに接続したコンデンサを接続し、該一対の電源端子より交流電源の供給を受けて直流電源を生成するための電源部と、
平衡信号を送受させる平衡型送受信器を有し、伝送線に接続される一対の送受信端子を該平衡型送受信器に接続させ、上記電源部から電源を受けて作動される伝送回路部とを備える信号伝送装置。 - 請求項1において、
上記平衡型送受信器は、無極性の平衡信号を送受信する構成にしている信号伝送装置。
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