JP4196102B2 - 信号伝送装置 - Google Patents
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Description
このシステムは主に家庭用であり、一対の伝送線3を介して互いに並列接続されているモニタ付親機100a、モニタ付副親機100bは、電源コンセント2a、2bへ電源コード先端のプラグを差し込まれ、商用100Vの単相交流電源を受けて動作している。
モニタ付親機100aは、例えば居間などに設置されており、住戸の門扉などに設置されているカメラ付子機400の呼出ボタン401の押下を検知すれば、スピーカ128aを鳴動させて来客を家人に報知し、LCDモニタ126aを起動して、カメラ付子機400のカメラ402で撮影した来客の映像表示を開始する。このような来客の呼出しに対して、家人がモニタ付親機100aの操作ボタン124aによって応答操作すれば、スピーカ128a、マイク128bとを用いて来客とのハンズフリー通話を開始させる。
モニタ付副親機100bは、台所などに配置されており、モニタ付親機100aと同等の通話機能を有する。
このようなインターホンシステムでは、伝送線3には、音声信号、映像信号、制御信号が、図11のように周波数分割多重方式で送受信されており、その信号のうち、音声信号は、周波数変調されないベースバンド信号となっている。
特許文献1には、このようなインターホンシステムにおいて、モニタテレビ回路部と電話回路部との間の信号伝送を、交流電源に対して高インピーダンスを有した絶縁トランスやフォトカプラを介して行なうことによって、電話回線側の接地と交流電源側の接地とを完全に分離させたモニタテレビ付電話機が提案されている。
そのため、家屋の各コンセントには、その2通りの組み合わせ、すなわち中性線(0)−電圧線(+)、中性線(0)−電圧線(−)いずれかが配線施工され、このとき、前者の組み合わせを配線されたコンセントと、後者の組み合わせを配線されたコンセントとは、互いに逆位相の交流電源となる。
従って、このような場合には、モニタ付親機100aとモニタ付副親機100bとの配置により、それらが互いに逆位相の交流電源で駆動される場合が起き、そのような電源供給を受けたモニタ付親機100aと、モニタ付副親機100bとにはグランドレベル間で電圧差が交流電源周期で発生し、伝送線3にリーク電流を生じさせる。そして、この場合のリーク電流は、電圧線(+)→モニタ付親機100aのグランドレベル→伝送線3→モニタ付副親機100bのグランドレベル→電圧線(−)の経路を交流電源の周波数で往復し、このリーク電流の高調波が信号伝送にノイズ障害を起こし、特に通話音声に電源周波数の高調波成分を含むノイズが発生してしまうなどの問題があった。
しかしながら、前述の特許文献1では、伝送装置内部において、電話回線側の接地と交流電源側の接地とが交流電源に対して分離されるので、電話回線側の接地電位と交流電源側の接地電位との電位差に起因する雑音電流を遮断する利点はあるが、互いに逆位相の外部電源に接続された信号伝送装置間の伝送線を流れるリーク電流については何ら考慮されていない。
ここに、本発明でいう装置のグランドレベルは、伝送装置の回路電源の基準電圧を意味するもので、筺体接地や地面接地されているものに限定されない。また、絶縁型スイッチングレギュレータも接触型巻線、非接触型巻線に限定されない。
そのため、互いに逆位相の交流電源で駆動されている伝送装置同士が信号を送受信しても、伝送線のリーク電流が防止され、信号伝送のノイズ障害が抑制できる。
更に請求項2によれば、絶縁型スイッチングレギュレータは、非接触型巻線を用いた絶縁トランスによって第1次の直流電源と第2次の直流電源とを絶縁しているから、その絶縁がより良好となって上記効果が更に増大する。
本発明は、このような原理によって、伝送線を通じる信号にノイズが乗ることが効果的に防止できるので、通話のない場合にも音声信号を増幅して出力させる必要のある同時通話型のハンズフリー型のインターホンシステムなどに適用すれば特に有効である。
図1は、モニタ付親機1aとモニタ付副親機1bとの接続関係を説明する図面である。
モニタ付親機1aの一対の電源端子T1a、T2aは、単相3線式電力線の地面接地された中性線(0)と電圧線(+)による交流電源と接続され、モニタ付副親機1bの一対の電源端子T1b、T2bは、単相3線式電力線の中性線(0)と電圧線(−)による交流電源と接続されている。
より具体的には、モニタ付親機1aから導出される電源コードのプラグが差し込まれた電源コンセント2aには、100V交流電源として、家屋分電盤から単相3線式電力線の中性線(0)と電圧線(+)が配線施工されており、モニタ付副親機1bから導出される電源コードのプラグが差し込まれた電源コンセント2bには、単相3線式電力線の中性線(0)と電圧線(−)が配線施工されている(図10参照)。
従って、中性線(0)は地面接地され、一方の電圧線(+)と他方の電圧線(−)は、互いに反転位相の100V交流電圧が印加されているから、モニタ付親機1aとモニタ付副親機1bとは、互いに逆位相の交流電圧が供給されている。
したがって、このような接続状態で、モニタ付親機1aとモニタ付副親機1bとが伝送線3を通じて内線通話を行うなどして信号を送受すれば、前述した理由によってグランドレベル間で電圧差を生じ、伝送線3を流れる電源周波数の交流リーク電流を生じさせる原因となり、その結果、低周波数側のベースバンドで伝送される音声信号が、高周波に変調されている映像信号や制御信号よりも大きく影響を受けることになる。
そのため、第2次の直流電源(V1)あるいは、そのグランドレベル(G1)の変動は極めて小さくなる。また、モニタ付副親機1b側においても、同様に第2次の直流電源(V2)あるいはそのグランドレベル(G2)の変動は極めて小さい。
従って、モニタ付親機1aにおいてスイッチングレギュレータ37Aから第2次の直流電源(V1)を受けて駆動される伝送回路部12と、モニタ付副親機1bにおいてスイッチングレギュレータ37Aから第2次の直流電源(V2)を受けて駆動される伝送回路部12とを互いに接続した伝送線3には、交流のリーク電流がほとんど流れず、したがって、このリーク電流による電圧を音声信号として再生して、通話音声が劣化させることは無く、具体的現象としてのノイズが効果的に抑制される。
変形例であるモニタ付親機は、上述したモニタ付親機1aと異なる構成の絶縁型スイッチングレギュレータを備えているが、他の構成要素は、従前のモニタ付親機1aと共通である。また、この点はモニタ付副親機についても同様である。
モニタ親機1aは、交流電源に接続される一対の電源端子T1a、T2aと、伝送線3を導出する一対の送受信端子T3a、T4aと、交流電源を整流して第1次の直流電源(V0)を生成する電源部11と、この第1次の直流電源V0を第2次の直流電源V1に変換生成する絶縁型スイッチングレギュレータ37Aと、第2次の直流電源(V1)を受けて作動し、制御部13と受像部14と通話部15とを作動して信号を送受信するための伝送回路部12とを備え、更に、一対の送受信端子T3a、T4aに伝送線を介して接続されたカメラ付子機4や通話副親機1cのための電源を供給する給電部16を備えている。
モニタ付副親機1bは、給電部16を有さない点を除けば、モニタ付親機1aと共通である。したがって、モニタ付親機1aと共通の構成要素には同一の参照符号を付け、詳細な説明は省略する。
また、このモニタ付副親機1bでは、第1次の直流電源、第2の直流電源をそれぞれ、V0’、V2とし、それぞれのグランドレベルをG0’、G2として示している。
なお、モニタ付副親機1bにおいては、T1b、T2bが一対の電源端子、T3b、T4bが一対の送受信端子になっている。
電源部11では、一対の電源端子T1a、T2aと、スイッチング電源回路21がコモンモードチョークコイルLを介して接続されている。スイッチング電源回路21は、交流電源をスイッチングして、直流電源(V0)を生成出力し、グランドレベルをG0としている。
このスイッチング電源回路21は、2つのコンデンサC1、C2を介して、交流電源間を接続しており、それらの共通接続点をグランドレベル(G0)に接続することで、一対の電源端子T1a、T2aをグランドレベルに接続している。
ここに、2つのコンデンサC1,C2は高周波スイッチングノイズを吸収するものであり、2つのコンデンサC1,C2はそれぞれが独立してグランドレベルに接続されていてもよい。
なお、内部電源回路21は、図例ではスイッチング電源回路21で構成しているが、そのようなものには限定されず、外部からの交流電源の供給を受けて、整流して、直流電源を出力するものであればよい。
制御部13は、シリアル通信を行う非同期シリアル送受信器22と、必要な表示を行うための表示LED23と、使用者が操作を入力する操作ボタン24とが、装置制御を行うCPU25に接続されている。CPU25は、ソフトウェアによって装置の他の部分を制御する。
受像部14は、訪問者の映像を表示するLCDモニタ26がビデオ信号を処理して映像を表示させるビデオ回路27に接続されている。
通話部15は、音声を入力して音声信号と成す集音マイク28が第1の音声スイッチ29と接続され、音声信号によって鳴動し、音声を出力するスピーカ30が第2の音声スイッチ31と接続されている。第1の音声スイッチ29と第2の音声スイッチ31は、スイッチ制御回路32によって利得を調整制御されて、ハンズフリーの交互通話を可能にしている。他の構成として、音声スイッチ29、31の代わりにエコーキャンセラを設ければ、相互に同時通話する構成にもできる。
従来、音声スイッチを用いた交互通話回路やエコーキャンセラを用いたハンズフリーインターホンでは、通話中のノイズはその通話信号に隠れているが、無音になって通話信号がなくなると現れていた。そのため通話の語尾や、通話信号のないときにノイズが聞こえたりするなど、特に無音時に気になるようなリーク電流によるノイズ障害の問題があったが、本発明を適用すれば、そのようなノイズ障害は無く、クリアな通話が可能となる
この図に示す伝送回路部12は、伝送線3に接続された一対の送受信端子T3a、T4aに、直流遮断用のコンデンサCa,Cbを介して、周波数多重化された映像信号、音声信号、制御信号を混合分離する混合分離器33を接続して構成している。このコンデンサCa、Cbは、伝送線3に直流電源が接続され、伝送線3を通じた電源の供給が行われる場合には、直流遮断のために必要であるが、そのような直流遮断を行わない場合は、省略されてもよい。
ここに、混合分離器33は、バンドパスフィルタ回路などで形成されており、制御信号を複変調する制御信号復変調回路34、映像信号を復調する映像信号復調回路35、音声信号を増幅通過させる音声増幅回路36と接続されている。
また、制御信号復変調回路34は、制御部13の非同期シリアル送受信器22と制御信号を送受信する。映像信号復調回路35は、受像部14のビデオ回路27へ映像信号を送信する。音声増幅回路36は、通話部15に対して通話のための音声信号を送受信する。
絶縁型スイッチングレギュレータ37Aは、コントローラ38aを含んだ共振・駆動回路部38と、受電回路部39とが絶縁トランスTzで絶縁されている。
共振・駆動回路部38は、電源部11からの第1次直流電源V0を受けて駆動され、そのフィードバックに応じて、絶縁トランスTzを交流駆動している。
受電回路部39では、ダイオードDとコンデンサC3は絶縁トランスTzからの交流電流を整流し、第2次の直流電源V1を生成している。更に、抵抗R1と抵抗R2は第2次の直流電源V1からフォトカプラPCの駆動電圧を生成し、フォトカプラPCを介して共振・駆動回路部38へ第2次の直流電源V1の電圧レベルをフィードバックしている。
このような構成によって、第2次の直流電源V1は、電源部11より出力された第1次の直流電源V0とは絶縁され、絶縁トランスTzとして、接触型巻線を用いたものを使用することができる。
スイッチングレギュレータ37Bは、この例では、非接触型巻線を用いた絶縁トランスTz’を有している点に特徴がある。
図9Aと同様に、コントローラ38aを含んだ共振・駆動回路部38と、受電回路部39で構成され、その他の構成要素は、従前のスイッチングレギュレータ37Aと共通であるから、同一の参照符号を付け、説明を略する。この絶縁トランスTz’においては、非接触型巻線同士の容量結合が減少しているから、第1次の直流電源V0と第2次の直流電源V1との絶縁がより良好になる。またこの構成では、フォトカプラPCの発光部と受光部とを別体とし、共振・駆動回路部38と受電回路部39との電気的な結合を完全に分離しているので、本発明の効果が一層発揮されることになる。
図10は、このシステムの全体構成を示している。
このシステムは主に家庭用であり、一対の伝送線3を介して互いに並列接続されているモニタ付親機1a、モニタ付副親機1bは、電源コンセント2a、2bへ電源コード先端のプラグT1a,T1bを差し込まれ、商用100Vの交流電源を受けている。
モニタ付親機1aは、例えば居間などに設置されており、住戸の門扉に設置されているカメラ付子機4の呼出ボタン41の押下を検知すれば、スピーカ28aを鳴動させて来客を家人に報知し、LCDモニタ26aを起動して、カメラ付子機4のカメラ42で撮影した来客の映像表示を開始する。そして、家人がモニタ付親機1aの操作ボタン24aによって応答操作すれば、スピーカ28a、マイク28bを通じて来客とのハンズフリー通話を開始させる。
一方のモニタ付副親機1bは、台所などに配置されており、モニタ付親機1aと同等の通話機能を有する。通話副親機1cは、居室などに配置されており、訪問者の映像表示を表示する機能はないが、それ以外の通話機能は、モニタ付親機1aと同等である。
更に、モニタ付親機1a、モニタ付副親機1b、通話副親機1cは、互いに内線通話をすることもできる。
伝送線3には、音声信号、映像信号、制御信号が、周波数分割多重方式で送受信されている。その信号のうち、音声信号は、周波数変調されないベースバンド信号になっている。なお、この図は概念的なものであるから、音声信号、映像信号、制御信号の帯域、及び信号レベルは同一レベルとして表現されている。
2a、2b 交流電源
3 伝送線
11 電源部
12 伝送回路部
37A、37B 絶縁型スイッチングレギュレータ
C1、C2 コンデンサ
T1a、T2b、T1b、T2b 一対の電源端子
T3a、T4b、T3b、T4b 一対の送受信端子
Tz、Tz’ 絶縁トランス
Claims (2)
- 単相3線の電力線から供給される交流電力を受電して動作電源とし、
前記単相3線の電力線から供給される交流電力の周波数を含む周波数帯の伝送信号を、単相3線の電力線とは異なる伝送線を介して伝送する、
第一および第二の信号伝送装置であって、
第一の信号伝送装置は、
単相3線の電力線のうち、中性線と、中性線以外の互いに極性が相反する2本の電力供給線のうちの一方の電力線とに接続されて、この中性線と一方の電力線とを介して交流電力を供給されており、
第二の信号伝送装置は、
単相3線の電力線のうち、中性線と、前記一方の電力線とは異なる他方の電力線とに接続されて、この中性線と一方の電力線とを介して交流電力を供給されており、
第一および第二の信号伝送装置のそれぞれは、
単相3線の電力線と接続する電源受電端子である一対の電源端子のそれぞれに、一端を装置のグランドレベルに接続したコンデンサを接続し、該一対の電源端子より交流電源の供給を受けて第1次の直流電源を生成する電源部と、
この電源部に絶縁された第2次の直流電源を生成する絶縁型スイッチングレギュレータと、
上記伝送線に接続される一対の送受信端子を有し、上記絶縁型スイッチングレギュレータから第2次の直流電源を受けて作動して、上記伝送線上に信号を送受信させる伝送回路部とを備えることを特徴とする、第一および第二の信号伝送装置。 - 請求項1において、上記絶縁型スイッチングレギュレータは非接触型巻線を用いた絶縁トランスを有することを特徴とする、第一および第二の信号伝送装置。
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