JP2005179826A - サイジング被覆炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着性と耐環境性を共に十分に兼ね備えて発揮することができるようにされた新規なサイジング被覆炭素繊維およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】サイジング剤により被覆された炭素繊維であって、サイジングの最外層部の表面自由エネルギーの極性成分の値Eo (mJ/m2 )が下記(a)式を満足し、かつサイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比R値が、下記(b)式を満足することを特徴とするサイジング被覆炭素繊維。
0≦Eo <9 ………(a)
1.2<R ≦10 ………(b)
i :サイジング内層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
o :サイジング最外層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
:サイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比
(R =Ei /Eo
【選択図】なし

Description

本発明は、サイジング被覆炭素繊維とその製造方法に関するものであり、特に、マトリックスとの接着性に優れ、かつ耐環境性に優れたサイジング被覆炭素繊維およびその製造方法に関する。
炭素繊維は、各種のマトリックス材料とからなる複合材料として利用されているが、炭素繊維の特性を複合材料に生かすには、マトリックスとの接着性の良否が重要である。
炭素繊維とマトリックスとの接着性を高める手法としては、従来から炭素繊維に表面処理を施す方法と、サイジング剤付与による方法が知られている。
炭素繊維の表面処理方法としては、一般に、電解酸化、薬液酸化、気相酸化というような方法があり、基本的には、炭素繊維表面に酸素含有官能基を導入し、マトリックスとの濡れ性を向上させているものである。
また、サイジング剤付与による方法においては、炭素繊維表面に付与するサイジング剤として、脂肪族タイプの複数のエポキシ基を有する化合物が提案されている(特許文献1、2、3)。
しかし、複数のエポキシ基を有する場合、サイジング被覆がされた状態で大気中に長時間にわたり放置された場合、大気中の水分によってエポキシ基の開環が進行し、本来の接着性の機能が失われる場合があった。
このような観点から、エポキシ基の少ない、サイジング剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合した炭素繊維用サイジング剤なども提案されている(特許文献4、5)。
しかしながら、このサイジング剤により処理された炭素繊維は、良好な耐環境性は得られるものの、接着性が十分とは言えないものであった。
また、接着性向上成分である脂肪族タイプの複数のエポキシ基を有する化合物と、耐環境性向上成分であるビスフェノールA型エポキシ樹脂を混合したサイジング剤も提案されている(特許文献6、7)。
しかし、これら特許文献6、7に記載された混合タイプのサイジング剤においても、接着性および耐環境性の両特性のそれぞれが共に十分に期待どおりのものとは言えないのが実状であった。
その理由は、接着性向上成分と耐環境性向上成分の両成分のそれぞれが本来有している個々の特質を十分に発揮することができていないためと考えられ、また、そのレベルが技術的な限界とも当業界で考えられて、それ以上の検討がなされてこなかったためと考えられるものであった。
特公昭63−14114号公報(特許請求の範囲) 特開平7−279040号公報(特許請求の範囲) 特開平8−113876号公報(特許請求の範囲) 特開平6−173170号公報(特許請求の範囲) 特開平9−250087号公報(特許請求の範囲) 特開昭50−59589号公報(特許請求の範囲) 特開平2−307979号公報(特許請求の範囲)
本発明は、かかる従来技術における問題点に鑑み、接着性と耐環境性の両特性を、共に十分に兼ね備えて発揮することができるように構成された新規なサイジング被覆炭素繊維とその製造方法を提供することを目的とするものである。
具体的にさらに詳しくは、本発明は、サイジング剤自体は従来から知られているものも使用することが可能でありながらも、複数のサイジング剤どおしの組合せ、さらに該複数のサイジング剤の組合せに加えて、サイジング処理を受ける側の炭素繊維の持つ特性との組合せに着眼し、これらをうまく組合せた特別なサイジング手法を用いることによって、上述した接着性と耐環境性を共に十分に兼ね備え発揮できるようにされてなる新規なサイジング被覆炭素繊維と、新規なサイジング被覆炭素繊維の製造方法(新規なサイジング手法)を提供することを目的とする。
本発明者らは、サイジング剤の複数をうまく組合せて使用し、かつ、サイジング処理を受ける側の炭素繊維の持つ特性との特別な組合せ条件の下でのサイジング処理を行うという新規なサイジング手法を採用することにより、上述した目的を達成することができることを見い出した。すなわち、本発明において、個々のサイジング剤自体は、従来から知られているサイジング剤を使用してもかまわない。要は、上述の全体の組合せがサイジング手法として重要なものであって、かつ新規なものである。
上述した目的を達成する本発明のサイジング被覆炭素繊維は、以下の(1) の構成からなるものである。
(1)サイジング剤により被覆された炭素繊維であって、サイジングの最外層部の表面自由エネルギーの極性成分の値Eo (mJ/m2 )が下記(a)式を満足し、かつサイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比R値が、下記(b)式を満足することを特徴とするサイジング被覆炭素繊維。
0≦Eo <9 ………(a)
1.2≦R≦10 ………(b)
i :サイジング内層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
o :サイジング最外層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
:サイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比(R
i /Eo
また、かかる本発明のサイジング被覆炭素繊維において、好ましくは、以下の(2)項から(8) 項までの具体的態様を有するものである。
(2)サイジング剤が、脂肪族系ポリエポキシ化合物と、芳香族系ポリエポキシ化合物を含んでなることを特徴とする上記(1) 記載のサイジング被覆炭素繊維。
(3)サイジング剤中、脂肪族系ポリエポキシ化合物が内層側により多く存在し、芳香族系ポリエポキシ化合物が外層側により多く存在しているものであることを特徴とする上記(1) 項または(2) 記載のサイジング被覆炭素繊維。
(4)炭素繊維表面の表面自由エネルギーの極性成分の値が、8mJ/m2 以上50mJ/m2 以下であることを特徴とする上記(1) 〜(3) のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
(5)前記サイジング内層の表面自由エネルギーの極性成分の値Ei が、9(mJ/m2 )以上50(mJ/m2 )以下であることを特徴とす上記(1) 〜(4) のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
(6)前記サイジング剤が、少なくとも、次のA成分化合物とB成分化合物を含有するものであることを特徴とする上記(1) 〜(5) のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
A成分:表面自由エネルギーの極性成分値が、9mJ/m2 以上50mJ/
2 以下である化合物。
B成分:表面自由エネルギーの極性成分値が、0mJ/m2 以上9mJ/m2 未満である化合物。
(7)前記サイジング剤において、A成分の割合が10重量%以上40重量%以下であることを特徴とする上記(6) 記載のサイジング被覆炭素繊維。
(8)前記サイジング剤が、A成分化合物とB成分化合物の比(重量比)が、A成分化合物/B成分化合物=10/90〜40/60であることを特徴とする上記(6) または(7) 記載のサイジング被覆炭素繊維。
(9)前記サイジング剤のA成分が脂肪族ポリエポキシ化合物であることを特徴とする上記(6) 〜(8) のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
(10)前記サイジング剤のA成分が脂肪族系ポリエポキシ化合物であり、B成分が芳香族系ポリエポキシ化合物であることを特徴とする上記(6) 、(7) 、(8) または(9) 記載のサイジング被覆炭素繊維。
また、上述した目的を達成する本発明のサイジング被覆炭素繊維の製造方法は、以下の(11) の構成からなるものである。
(11)ウィルヘルミ法により測定される表面自由エネルギーの極性成分値が8mJ/m2 以上50mJ/m2 以下である炭素繊維に、脂肪族系ポリエポキシ化合物と、芳香族系ポリエポキシ化合物をサイジング剤として付与することを特徴とするサイジング被覆炭素繊維の製造方法。
また、かかる本発明のサイジング被覆炭素繊維の製造方法において、好ましくは、以下の(12)の構成を有するものである。
(12)脂肪族系ポリエポキシ化合物の表面自由エネルギーの極性成分値が9mJ/m2
以上50mJ/m2 以下のものであり、芳香族系ポリエポキシ化合物の表面自由エネルギーの極性成分値が0mJ/m2 以上9mJ/m2 未満のものであることを特徴とする上記(11)記載のサイジング被覆炭素繊維の製造方法。
あるいはまた、上述した目的を達成する本発明のサイジング被覆炭素繊維の製造方法は、以下の(13) の構成からなるものである。
(13)ウィルヘルミ法により測定される表面自由エネルギーの極性成分値が8mJ/m2 以上50mJ/m2 以下である炭素繊維に、表面自由エネルギーの極性成分値が9mJ/m2 以上50m以下であるA成分化合物と、0mJ/m2 以上9mJ/m2 未満であるB成分化合物とをサイジング剤として付与することを特徴とするサイジング被覆炭素繊維の製造方法。
請求項1記載の本発明のサイジング被覆炭素繊維によれば、例えば、個々のサイジング剤自体は従来から知られているものも使用することが可能でありながらも、接着性と耐環境性を共に十分に兼ね備え発揮できる新規なサイジング被覆炭素繊維が提供されるものである。
かかる請求項1記載のサイジング被覆炭素繊維においては、サイジング層の最外層部の表面自由エネルギーの極性成分の値と、内層の表面自由エネルギーの極性成分の値の相対関係、さらに前者値の絶対値の関係に基づいて、最外層から内層にかけて、サイジング剤の成分分布が生じているものである。すなわち、内層付近では、表面自由エネルギーの極性成分値Ei を呈することのできるサイジング剤成分がより多く偏って存在し、一方、最外層付近では、表面自由エネルギーの極性成分値Eo (0mJ/m2 ≦Eo <9mJ/m2 )を呈することのできるサイジング剤成分がより多く偏って存在しているのである。
この結果、例えば、内層により多く偏在しているサイジング剤成分のエポキシ基の開環を、最外層により多く偏在している他のサイジング剤成分が抑止することができる(劣化防止ができる)という効果をもたらすことができるものである。すなわち、最外層に多くあるサイジング剤が、内層に多くあるサイジング剤に対し、大気との遮断効果をもたらし、その(内層サイジング剤の)エポキシ基の大気中の水分による開環を抑止するという作用をもたらすことができるものであり、この結果として、例えば、外層により多く偏在するサイジング剤には耐環境性、内層により多く偏在するサイジング剤には接着性という、本来の個々のサイジング剤が有する特質を十二分に発現させることができるのである。
請求項2〜10のいずれかに記載の本発明のサイジング被覆炭素繊維によれば、請求項1記載の本発明による上述の効果を有するとともに、更に該効果をよりいっそう明確に発揮できる新規なサイジング被覆炭素繊維を実現することができるものである。
請求項11または13記載の本発明のサイジング被覆炭素繊維の製造方法によれば、例えば個々のサイジング剤自体は従来から知られているものも使用することが可能でありながらも、接着性と耐環境性を共に十分に兼ね備え発揮できる新規なサイジング被覆炭素繊維を製造することのできるサイジング被覆炭素繊維の製造方法が提供されるものである。
請求項12記載の本発明のサイジング被覆炭素繊維の製造方法によれば、請求項11記載の本発明のサイジング被覆炭素繊維の製造方法による上述の効果を有するとともに、更に該効果をよりいっそう明確に発揮できる該製造方法を実現することができるものである。
以下、更に詳しく本発明のサイジング被覆炭素繊維とその製造方法の実施をするための最良の形態について説明をする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、炭素繊維表面に被覆されたサイジング剤の最外層の表面自由エネルギーの極性成分Eo の値、および最外層と内層の表面自由エネルギーの極性成分比R値が、下記の二つの式(a)、(b)を同時に満足するように構成した制御されたサイジング処理を行うことにより、前述した本発明の課題を、一挙に解決することができるという知見を得た。
0≦Eo <9 ………(a)
1.2≦R≦10 ………(b)
ここで、
i :サイジング内層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
o :サイジング最外層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
:サイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比(R
i /Eo
である。
本発明のサイジング剤を被覆した炭素繊維は、サイジングの内層の表面自由エネルギーの極性成分をEi (mJ/m2 )、サイジングの最外層の表面自由エネルギーの極性成分をEo (mJ/m2 )とした場合、0≦Eo <9の範囲内(式(a))にあることが重要であり、また、同時に、Ei /Eo で定義される極性比R値が1.2≦R≦10の範囲内(式(b))にあることが重要である。
本発明者らの知見によれば、かかる範囲のものは、炭素繊維/マトリックスの界面接着性に優れるとともに、サイジング被覆炭素繊維の耐環境性にも優れており、複合材料用炭素繊維に好適なのである。
このようになる理由は、必ずしも明確ではない点もあるが、本発明者らの検討では、サイジングの内層に表面自由エネルギーの極性成分が高い、すなわち水酸基やカルボキシル基といった反応性に富む成分がある場合、これらは炭素繊維表面と強固な結合を形成し、炭素繊維/マトリックス界面の接着性に優れた複合材料が得られると考えられること、また、これらの内層の成分は空気中の水分による劣化が起こりやすいが、サイジングの最外層に内層よりも極性成分を低くした0≦Eo <9の範囲にある成分を配置することで、サイジング剤の劣化を防止して、耐環境性に優れ、かつ高い接着性を維持できるものと考えられるものである。
o が9mJ/m2 以上の場合、反応性が高くなり、耐環境性が低下することになり好ましくない。
また、極性比R値が1.2未満の場合、すなわち、サイジング内層よりも最外層の表面自由エネルギーの極性成分が高い場合もしくは両者が同等の場合、空気中の水分による劣化が進行し、結果的に複合材料の炭素繊維/マトリクス界面において接着性が不足する場合があるので好ましくない。また、R値が10を越える場合は、複合材料成形時の炭素繊維/マトリックス界面が脆性的となり、低強度となる場合があるので好ましくない。
Rの値のより好ましい範囲は、1.5≦R≦7であり、さらに好ましくは2.0≦R≦6である。
本発明に用いられる炭素繊維としては、表面自由エネルギーの極性成分が8mJ/m2 以上50mJ以下のものであることが好ましく、このように表面自由エネルギーの極性成分が特定の条件を満足する炭素繊維を用いることも重要なことである。
該炭素繊維表面の表面自由エネルギーの極性成分は、より好ましくは15mJ/m2 以上45mJ/m2 以下であり、最も好ましくは25mJ/m2 以上40mJ/m2 以下であり、好ましくは、これらの値を満足するものをサイジング剤との組合せ下で用いることである。8mJ/m2 未満の場合、サイジングの極性の低い成分が炭素繊維表面に配置されやすくなり接着が不足する場合があり、また、50mJ/m2 より大きい場合、炭素繊維間の集束性が大きくなるためにマトリックス樹脂の含浸性が悪くなる場合があり、いずれも複合材料としての用途展開面で制限が生じてきて不利となる方向だからである。
炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分を8mJ/m2 以上50mJ以下の範囲内とするのは、特に、その手段として限定されるものではないが、例えば、電解酸化処理、薬液酸化処理、気相酸化処理などの手法をとることができる。
本発明に用いられる炭素繊維は、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ピッチなどの繊維を炭素化した繊維、あるいはそれらをさらに高温で熱処理した黒鉛化繊維が主として用いられる。中でも、高強度な炭素繊維が得られやすいアクリロニトリル繊維を用いるのが好ましい。
炭素繊維は、そのストランド強度が4GPa以上7GPa以下、好ましくは4.5GPa以上6.5GPa以下、ストランド弾性率が200GPa以上500GPa以下であることが、特に構造材に好適である。
なお、該ストランド強度は、束状の炭素繊維あるいは黒鉛化繊維に下記組成の樹脂を含浸させ、130℃で35分間硬化させた後、JIS R7601に基づいて行う引張試験により求めることができる。
(樹脂組成)
・脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキシル−カルボキシレート) 100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン 3重量部
・アセトン 4重量部
また、ストランド弾性率は、上記ストランド強度測定方法と同様の方法で引張試験を行い、荷重−伸び曲線の傾きから求めることができる。
本発明のサイジング剤内層の極性成分Ei は、好ましくは9mJ/m2 以上50mJ/m2 以下である。9mJ/m2 未満だとマトリックスとの接着性が不十分な場合があり、50mJ/m2 よりも大きいと、炭素繊維とマトリックスが強固に結合し過ぎて界面相が脆性的となり、かえって接着性が低下する場合があり、用途によっては使用できない場合があるからである。
ここで、本発明において、サイジングの最外層の表面自由エネルギーの極性成分の値、サイジングの内層の表面自由エネルギーの極性成分の値、および、炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分の値は、それぞれ、次の手法にてウィルヘルミ法により得ることができるものである。
(イ)サイジングの最外層の表面自由エネルギーの極性成分:
サイジングの最外層の表面自由エネルギーの極性成分は、サイジング被覆炭素繊維の単糸を、水、エチレングリコール、燐酸トリクレゾールの各液体にウィルヘルミ法によって測定される各接触角をもとに、オーエンスの近似式を用いて算出した表面自由エネルギーの極性成分である。
(ロ)サイジングの内層の表面自由エネルギーの極性成分:
サイジングの内層の表面自由エネルギーの極性成分は、サイジング被覆炭素繊維をアセトン溶媒で1〜10分間超音波洗浄した後、蒸留水で洗い流し、炭素繊維に付着している残存サイジング剤を0.1±0.05重量%の範囲に制御した後、水、エチレングリコール、燐酸トリクレゾールの各液体において、ウィルヘルミ法によって測定される各接触角をもとに、オーエンスの近似式を用いて算出した表面自由エネルギーの極性成分である。
(ハ)炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分:
炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分は、サイジング被覆炭素繊維をアセトン溶媒で30〜60分間超音波洗浄した後、蒸留水で洗い流し、炭素繊維に付着している残存サイジング剤を0.02±0.02重量%の範囲に制御した後、水、エチレングリコール、燐酸トリクレゾールの各液体において、ウィルヘルミ法によって測定される各接触角をもとに、オーエンスの近似式を用いて算出した表面自由エネルギーの極性成分である。
ここで、上記(ロ)、(ハ)の残存サイジング剤の付着量の測定方法は、サイジング被覆炭素繊維を約2±0.5g採取し、窒素雰囲気中450℃にて加熱処理を15分間行ったときの該加熱処理前後の重量変化量を加熱処理前の重量で除した値の重量%である。
本発明において用いられるサイジング剤は、少なくとも次のA成分とB成分を含有するものを用いるのがよいものである。
すなわち、A成分は、表面自由エネルギーの極性成分が9mJ/m2 以上50mJ/m2 以下のものであればよく、特に制限はされないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
これらの中でも、炭素繊維とマトリックス樹脂との橋渡しを有効に行い、高い接着性を得るためには、エポキシ樹脂が好ましく、さらには、中でも、脂肪族系ポリエポキシ化合物が好ましく用いられる。
脂肪族系ポリエポキシ化合物とは、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」(登録商標)EX−512、EX−521)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−321)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−211)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−313、EX−314)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−941、EX−920、EX−931)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−810、EX−811)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−861)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−411)などを挙げることができる。
本発明に用いられるサイジング剤におけるB成分としては、表面自由エネルギーの極性成分が、0mJ/m2 以上9mJ/m2 未満のものであればよく、特に制限はされないが、例えば、アルキルエステル系の平滑剤、芳香族系ポリエポキシ化合物が好ましく用いられる。
これらの中でも、マトリックス樹脂との相溶性の観点から芳香族系ポリエポキシ化合物が好ましく、中でもさらには、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン(株)製の「エピコート」(登録商標)1001、「エピコート」1002、「エピコート」1004、「エピコート」1007や、チバガイギー(株)製の「アラルダイト」(登録商標)などを用いることができる。これらのビスフェノールA型エポキシ樹脂を単独で用いてもよく、複数種を混合してもよい。
本発明に用いられるサイジング剤において、上述したA成分の割合は、10重量%以上40重量%以下であることが好ましい。40重量%よりも大きくなると、サイジング外層にもA成分が存在し、耐環境性が低下する場合があり、10重量%未満だと接着性が不十分となる場合がある。
本発明に用いられるサイジング剤において、上述したA成分とB成分の重量比A/Bは10/90〜40/60であることが好ましい。A成分が40/60よりも大きくなるとサイジング外層にもA成分が存在し耐環境性が低下する場合があり、10/90よりも小さくなると接着性が不十分となる場合がある。
両成分は、混合されて一つのサイジング剤として扱われるのが処理のしやすさから好ましい。ただし、必ずしも混合されて使用される必要はなく、別々に処理をするものであってもよい。
ここで、本発明において、サイジング剤の成分A、および成分Bの表面自由エネルギーの極性成分の値は、それぞれ、次の手法にてウィルヘルミ法により得ることができるものである。
(イ)サイジング成分Aの表面自由エネルギーの極性成分:
サイジング成分Aの表面自由エネルギーの極性成分は、成分Aのみからなるサイジング液中に炭素繊維束を浸漬して引き上げた後、120〜150℃で1〜10分間の乾燥後、水、エチレングリコール、燐酸トリクレゾールの各液体において、ウィルヘルミ法によって測定される各接触角をもとに、オーエンスの近似式を用いて算出した表面自由エネルギーの極性成分である。
(ロ)サイジング成分Bの表面自由エネルギーの極性成分:
上記(イ)と同様にして測定されるものである。
また、サイジング剤が成分Aと成分Bの混合物である場合には、混合サイジング剤を適当な溶媒に溶かし、液体クロマトグラフ法にて両成分を分取した後、それぞれの成分を上記(イ)、(ロ)に従い、炭素繊維束に付与し、表面自由エネルギーの極性成分を測定することもできる。
本発明のA成分およびB成分を含めたサイジング付着量としては、0.15重量%以上5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以上3重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以上2.5重量%以下である。0.15重量%未満だと、耐擦過が低下し、サイジング被覆炭素繊維の取扱い性が低下し、5重量%より大きいと、サイジング被覆炭素繊維の形態が硬くなり、マトリックスの含浸性が低下する場合がある。
次に、本発明のサイジング被覆炭素繊維の製造方法について説明する。
本発明の炭素繊維は、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ピッチなどの繊維を炭素化した繊維、あるいは、それらをさらに高温で熱処理した黒鉛化繊維が主として用いられる。好ましくは高強度な炭素繊維が得られやすいアクリロニトリル繊維を用いるのがよい。
ウィルヘルミィ法により測定される表面自由エネルギーの極性成分値が8mJ/m2 以上50mJ/m2 を有する炭素繊維は、酸化処理を施すことにより得られる。酸化処理方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、電解酸化、薬液酸化、気相酸化が挙げられ、操業性の観点から好ましくは電解酸化が用いられる。
該電解処理に用いられる電解液としては、硫酸、硝酸、塩酸などの酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の水酸化物、アンモニア、または、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の有機塩類の水溶液、さらにこれらのカリウム塩、バリウム塩あるいは他の金属塩、およびアンモニウム塩、またヒドラジン等の有機化合物が挙げられる。
次に、上述の方法で酸化処理された炭素繊維は、脂肪族系ポリエポキシ化合物と芳香族系ポリエポキシ化合物をサイジング剤として付与される。
脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」(登録商標)EX−512、EX−521)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−321)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−211)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−313、EX−314)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−941、EX−920、EX−931)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−810、EX−811)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−861)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス(株)製の「デナコール」EX−411)などを挙げることができる。
また、水溶化のため相溶化剤として液状のアルキレンオキシド付加物、例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、末端アルキル化ポリエチレングリコール、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物などを添加することができる。
芳香族ポリエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂には、室温で固状のものも液状のものも用いることができるが、室温で固状のビスフェノールA型エポキシ樹脂が前述の水溶性ポリエポキシ樹脂との相溶性が低くなるという点で好ましく用いられる。室温で固状のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば分子量700〜4000のものを用いることができる。具体例を挙げると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート」1001、「エピコート」1002、「エピコート」1004、「エピコート」1007、チバガイギー(株)製「アラルダイト」6071、「アラルダイト」6084、「アラルダイト」6097などを挙げることができる。
一方、液状とは、エポキシ樹脂自体が液状のものであってもよく、エポキシ樹脂を希釈剤で低粘度化したものであってもよい。中でも分子量が300〜500のビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
室温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート」815、「エピコート」828、「エピコート」834、チバガイギー(株)製「アラルダイト」250、「アラルダイト」GY260、「アラルダイト」GY280などをあげることができる。これらのビスフェノールA型エポキシ樹脂は、該樹脂が単独で用いられてもよく、複数種を混合して用いられていてもよい。
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(複数種混合する場合には、その混合物も含む、以下同じ)を水エマルジョン化するには、界面活性剤を使用することができる。このような界面活性剤としては、ノニオン系、カチオン系、アニオン系界面活性剤が挙げられるが、水エマルジョン溶液とした際の溶液安定性の面から、ノニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エステル、アルキロールアミド、ポリオキシアルキレンブロックコポリマーなどを挙げることができる。この界面活性剤の配合比は、重量比でビスフェノールA型エポキシ樹脂/界面活性剤=90/10〜70/30が好ましい。
本発明のサイジング剤の脂肪族系ポリエポキシ化合物の割合は、10重量%以上40重量%以下であることが好ましい。40重量%よりも大きくなると、サイジング最外層の反応性が高く、耐環境性の低下が見られるようになり、また、10重量%未満の場合は接着性が不十分となる場合がある。
かかる脂肪族系ポリエポキシ化合物は、前述のように、A成分としての表面自由エネルギーの大きな方に使用するのが本旨であり、全体としては10〜40重量%という少量使用の中で、サイジング内層により多く存在していることとなるものである。
すなわち、サイジングの最外層部の表面自由エネルギーの極性成分の値Eo (mJ/m2 )が前記(a)式を満足し、かつ、サイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比R値が、前記(b)式を満足する、本発明にかかるサイジング被覆炭素繊維は、前述した表面自由エネルギー極性成分特性を満たすA成分化合物とB成分化合物の2種をサイジング剤に用いるとともに、炭素繊維として前述した表面自由エネルギーの極性成分値を満足するものを用いて、サイジング処理をすることにより得ることができるものである。
本発明のサイジング剤付与方法としては、複数の化合物を同時に1段で付与しても良いし、それぞれの化合物を別々に複数段に分けて付与してもよい。本発明の効果をより高く得るということであれば、複数の化合物を混合しておいて、1段同時付与の方が良いと考えられる。
以下、一実施態様例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、特にこれに制限されるというものではない。
本発明の説明で用いられた各物性値の測定手法は、以下のとおりである。
<サイジング最外層の表面自由エネルギー極性成分>
サイジングの最外層の表面自由エネルギーの極性成分は、前述した定義のとおり、サイジング被覆炭素繊維の単繊維を、水、エチレングリコール、燐酸トリクレゾールの各液体においてウィルヘルミ法によって測定される各接触角をもとに、オーエンスの近似式を用いて算出したものである。
本発明における接触角は、次のようにして測定した。
DataPhysics社製DCAT11を用いて、まず炭素繊維束から1本の単繊維を取り出し、長さ12±2mmに8本にカットした後、専用ホルダーFH12(表面が粘着物質でコーティングされた平板)に単繊維間が2〜3mmで平行に貼り付ける。その後、単繊維の先端を切り揃えてホルダーのDCAT11にセットする。測定は、各液体の入ったセルを8本の単繊維の下端に0.2mm/sの速度で近づけ、単繊維の先端から5mmまで浸漬させる。その後、0.2mm/sの速度で単繊維を引き上げる。この操作を4回以上繰り返す。液中に浸漬している時の単繊維の受ける力Fを電子天秤で測定する。この値を用いて次式で接触角θを算出する。
COSθ=(8本の単繊維が受ける力F(mN))/((8(単繊維の数)×単繊維の円周(m)×液体の表面張力(mJ/m2 ))
なお、測定は、3箇所の炭素繊維束の異なる場所から抜き出した単繊維について実施した。すなわち、一つの炭素繊維束に対して合計24本の単繊維についての接触角の平均値を求めた。
また、サイジング最外層の表面自由エネルギーの極性成分は、次式で示されるオーエンスの近似式(各液体固有の表面張力の極性成分と非極性成分、さらに接触角θにより構成させる式)に各液体の表面張力の成分、接触角を代入しX、Yにプロットした後、最小自乗法により直線近似したときの傾きaの自乗により求められる。 Y=a・X+b
X=√(液体の表面張力の極性成分(mJ/m2 ))/√(液体の表面張力の非極性成分(mJ/m2
Y=(1+COSθ)・(液体の表面張力の極性成分(mJ/m2 ))/2√(液体の表面張力の非極性成分(mJ/m2
サイジング最外層の表面自由エネルギーの極性成分=a2
サイジング最外層の表面自由エネルギーの非極性成分=b2
トータルの表面自由エネルギーの非極性成分=a2 +b2
各液体の表面張力の極性成分および非極性成分は、次のとおりである。
・精製水
表面張力72.8mJ/m2 、極性成分51.0mJ/m2 、非極性成分21.8(mJ/m2
・エチレングリコール
表面張力48.0mJ/m2 、極性成分19.0mJ/m2 、非極性成分29.0(mJ/m2
・燐酸トリクレゾール
表面張力40.9mJ/m2 、極性成分1.7mJ/m2 、非極性成分39.2(mJ/m2
<サイジング内層の表面自由エネルギー極性成分>
サイジングの内層の表面自由エネルギーの極性成分は、上述した定義のとおり、サイジング被覆炭素繊維をアセトン溶媒で1〜10分間超音波洗浄した後、蒸留水で洗い流し、炭素繊維に付着している残存サイジング剤を0.1±0.05重量%の範囲に制御した後、水、エチレングリコール、燐酸トリクレゾールの各液体において、ウィルヘルミ法によって測定される各接触角をもとに、オーエンスの近似式を用いて算出したものである。
ここで、残存サイジング剤の付着量の測定方法は、サイジング被覆炭素繊維を約2±0.5g採取し、窒素雰囲気中450℃にて加熱処理を15分間行ったときの該加熱処理前後の重量変化量を加熱処理前の重量で除した値の重量%である。
本発明における接触角は、次のようにして測定した。
DataPhysics社製DCAT11を用いて、まず炭素繊維束から1本の単繊維を取り出し、長さ12±2mmに8本にカットした後、専用ホルダーFH12(表面が粘着物質でコーティングされた平板)に単繊維間が2〜3mmで平行に貼り付ける。その後、単繊維の先端を切り揃えてホルダーのDCAT11にセットする。測定は、各液体の入ったセルを8本の単繊維の下端に0.2mm/sの速度で近づけ、単繊維の先端から5mmまで浸漬させる。その後、0.2mm/sの速度で単繊維を引き上げる。この操作を4回以上繰り返す。液中に浸漬している時の単繊維の受ける力Fを電子天秤で測定する。この値を用いて次式で接触角θを算出する。
COSθ=(8本の単繊維が受ける力F(mN))/((8(単繊維の数)×単繊維の円周(m)×液体の表面張力(mJ/m2 ))
なお、測定は、3箇所の炭素繊維束の異なる場所から抜き出した単繊維について実施した。すなわち、一つの炭素繊維束に対して合計24本の単繊維についての接触角の平均値を求めた。
また、サイジング内層の表面自由エネルギーの極性成分は、次式で示されるオーエンスの近似式(各液体固有の表面張力の極性成分と非極性成分、さらに接触角θにより構成させる式)に各液体の表面張力の成分、接触角を代入しX、Yにプロットした後、最小自乗法により直線近似したときの傾きaの自乗により求められる。 Y=a・X+b
X=√(液体の表面張力の極性成分(mJ/m2 ))/√(液体の表面張力の非極性成分(mJ/m2
Y=(1+COSθ)・(液体の表面張力の極性成分(mJ/m2 ))/2√(液体の表面張力の非極性成分(mJ/m2
サイジング内層の表面自由エネルギーの極性成分=a2
サイジング内層の表面自由エネルギーの非極性成分=b2
トータルの表面自由エネルギーの非極性成分=a2 +b2
各液体の表面張力の極性成分および非極性成分は、次のとおりである。
・精製水
表面張力72.8mJ/m2 、極性成分51.0mJ/m2 、非極性成分21.8(mJ/m2
・エチレングリコール
表面張力48.0mJ/m2 、極性成分19.0mJ/m2 、非極性成分29.0(mJ/m2
・燐酸トリクレゾール
表面張力40.9mJ/m2 、極性成分1.7mJ/m2 、非極性成分39.2(mJ/m2
<炭素繊維の表面自由エネルギー極性成分>
炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分は、上述した定義のとおり、サイジング被覆炭素繊維をアセトン溶媒で30〜60分間超音波洗浄した後、蒸留水で洗い流し、炭素繊維に付着している残存サイジング剤を0.04重量%以下となるよう除去した後、水、エチレングリコール、燐酸トリクレゾールの各液体において、ウィルヘルミ法によって測定される各接触角をもとに、オーエンスの近似式を用いて算出したものである。
ここで、残存サイジング剤の付着量の測定方法は、サイジング被覆炭素繊維を約2±0.5g採取し、窒素雰囲気中450℃にて加熱処理を15分間行ったときの該加熱処理前後の重量変化量を加熱処理前の重量で除した値の重量%である。
本発明における接触角は、次のようにして測定した。
DataPhysics社製DCAT11を用いて、まず炭素繊維束から1本の単繊維を取り出し、長さ12±2mmに8本にカットした後、専用ホルダーFH12(表面が粘着物質でコーティングされた平板)に単繊維間が2〜3mmで平行に貼り付ける。その後、単繊維の先端を切り揃えてホルダーのDCAT11にセットする。測定は、各液体の入ったセルを8本の単繊維の下端に0.2mm/sの速度で近づけ、単繊維の先端から5mmまで浸漬させる。その後、0.2mm/sの速度で単繊維を引き上げる。この操作を4回以上繰り返す。液中に浸漬している時の単繊維の受ける力Fを電子天秤で測定する。この値を用いて次式で接触角θを算出する。
COSθ=(8本の単繊維が受ける力F(mN))/((8(単繊維の数)×単繊維の円周(m)×液体の表面張力(mJ/m2 ))
なお、測定は、3箇所の炭素繊維束の異なる場所から抜き出した単繊維について実施した。すなわち、一つの炭素繊維束に対して合計24本の単繊維についての接触角の平均値を求めた。
また、炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分は、次式で示されるオーエンスの近似式(各液体固有の表面張力の極性成分と非極性成分、さらに接触角θにより構成させる式)に各液体の表面張力の成分、接触角を代入しX、Yにプロットした後、最小自乗法により直線近似したときの傾きaの自乗により求められる。 Y=a・X+b
X=√(液体の表面張力の極性成分(mJ/m2 ))/√(液体の表面張力の非極性成分(mJ/m2
Y=(1+COSθ)・(液体の表面張力の極性成分(mJ/m2 ))/2√(液体の表面張力の非極性成分(mJ/m2
炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分=a2
炭素繊維の表面自由エネルギーの非極性成分=b2
トータルの表面自由エネルギーの非極性成分=a2 +b2
各液体の表面張力の極性成分および非極性成分は、次のとおりである。
・精製水
表面張力72.8mJ/m2 、極性成分51.0mJ/m2 、非極性成分21.8(mJ/m2
・エチレングリコール
表面張力48.0mJ/m2 、極性成分19.0mJ/m2 、非極性成分29.0(mJ/m2
・燐酸トリクレゾール
表面張力40.9mJ/m2 、極性成分1.7mJ/m2 、非極性成分39.2(mJ/m2
<層間剪断強度(ILSS)>
炭素繊維のマトリックス樹脂に対する接着性の尺度として、以下の方法により層間剪断強度(ILSS)を測定した。
金枠に巻き取った炭素繊維束を、炭素繊維の体積含有率(Vf)が60%になるように、凸凹噛み合わせの溝幅6mmの凹側金型に入れ、樹脂を流し込んだ後、加熱しながら真空脱泡した。脱泡後、厚さ2.5mmのスぺーサーを挟んで凸凹金型を噛み合わせて、プレス機にセットし、加圧しながら加熱して樹脂を硬化させ、幅6mm、厚さ2.5mmの平板を作製し、かかる平板を長さ18mmに切断し試験片とした。
樹脂組成は、以下のとおりである。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Ep828、ジャパンエポキシレジン(株)製) 100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ(株)製) 3重量部
成型条件は、以下のとおりである。
・脱泡:真空(10mmHg以下)下、70℃×4時間
・成型:プレス圧(4.9MPa)、170℃×1時間
・アフターキュアー:170℃×2時間
上記した試験片を用い、加圧くさび(上部圧子)の曲率半径を5.00mmとし、支点(下部圧子)の曲率半径を2.00mmとし、支持スパンを試験片の厚みの5.6倍とした以外は、JIS K−7078に準拠してショートビーム法による層間剪断強度を測定した。剪断強度は次式により求めた。試験数はn=6とし、その平均値を層間剪断強度とした。試験機には、インストロン(登録商標)試験機4208を用いた。
剪断強度(MPa)=3×荷重(kN)/(4×厚み(mm)×幅(mm))×1000
実施例1〜5、比較例1〜3
サイジング剤として、成分Aとしてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(EX−521)、成分Bとして「エピコート」1001を用いて、重量比で表に示す比率(成分A/成分B)で0〜100/100〜0の範囲内で混合して、混合一液タイプのサイジング剤を準備した。
一方、炭素繊維は、ストランド強度が4.9GPa、ストランド弾性率が240GPaの束状のポリアクリロニトリル系炭素繊維(単繊維直径6.9μm、単繊維数12000本/束)を使用して、その電解処理条件を種々変更して電解処理に供した。
実施例6
サイジング剤として、成分Aとしてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(EX−521)、成分Bとしてポリエチレンエマルジョン(パーマリンFW−53N、三洋化成工業(株))を用いた以外は実施例1と同様にしてサイジング被覆炭素繊維を製造した。
該炭素繊維の表面自由エネルギーの極性成分は、表1に示したように、4mJ/m2 以上、32mJ/m2 以下の範囲内のものとした。
かかる実施例と比較例の各サンプルについて、耐環境性と接着性についての評価として、強制劣化試験(温度50℃、湿度80%の恒温恒湿槽内にて21日間、放置)の前後のそれぞれの場合の、層間剪断強度(ILSS)を測定した。
その結果を表1に示した。
かかる表1からわかるように、本発明にかかるサイジング被覆炭素繊維は、強制劣化試験(温度50℃、湿度80%の恒温恒湿槽内にて21日間、放置)の前後に拘わらず、高い層間剪断強度(ILSS)を示しており、接着性と耐環境性のいずれもが、比較例品よりも優れていることがわかる。
Figure 2005179826

Claims (13)

  1. サイジング剤により被覆された炭素繊維であって、サイジングの最外層部の表面自由エネルギーの極性成分の値Eo (mJ/m2 )が下記(a)式を満足し、かつサイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比R値が、下記(b)式を満足することを特徴とするサイジング被覆炭素繊維。
    0≦Eo <9 ………(a)
    1.2≦R≦10 ………(b)
    i :サイジング内層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
    o :サイジング最外層部の表面自由エネルギーの極性成分値(mJ/m2
    R:サイジングの最外層部と内層の表面自由エネルギーの極性成分比(R=
    i /Eo
  2. サイジング剤が、脂肪族系ポリエポキシ化合物と、芳香族系ポリエポキシ化合物を含んでなることを特徴とする請求項1記載のサイジング被覆炭素繊維。
  3. サイジング剤中、脂肪族系ポリエポキシ化合物が内層側により多く存在し、芳香族系ポリエポキシ化合物が外層側により多く存在しているものであることを特徴とする請求項1または2記載のサイジング被覆炭素繊維。
  4. 炭素繊維表面の表面自由エネルギーの極性成分の値が、8mJ/m2 以上50mJ/m2 以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
  5. 前記サイジング内層の表面自由エネルギーの極性成分の値Ei が、9mJ/m2 以上50mJ/m2 以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
  6. 前記サイジング剤が、少なくとも、次のA成分化合物とB成分化合物を含有するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
    A成分:表面自由エネルギーの極性成分値が、9mJ/m2 以上50mJ/m2 以下である化合物。
    B成分:表面自由エネルギーの極性成分値が、0mJ/m2 以上9mJ/m2 未満である化合物。
  7. 前記サイジング剤において、A成分の割合が10重量%以上40重量%以下であることを特徴とする請求項6記載のサイジング被覆炭素繊維。
  8. 前記サイジング剤が、A成分化合物とB成分化合物の比(重量比)が、A成分化合物/B成分化合物=10/90〜40/60であることを特徴とする請求項6または7記載のサイジング被覆炭素繊維。
  9. 前記サイジング剤のA成分が脂肪族ポリエポキシ化合物であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のサイジング被覆炭素繊維。
  10. 前記サイジング剤のA成分が脂肪族系ポリエポキシ化合物であり、B成分が芳香族系ポリエポキシ化合物であることを特徴とする請求項6、7、8または9記載のサイジング被覆炭素繊維。
  11. ウィルヘルミ法により測定される表面自由エネルギーの極性成分値が8mJ/m2 以上50mJ/m2 以下である炭素繊維に、脂肪族系ポリエポキシ化合物と、芳香族系ポリエポキシ化合物をサイジング剤として付与することを特徴とするサイジング被覆炭素繊維の製造方法。
  12. 脂肪族系ポリエポキシ化合物の表面自由エネルギーの極性成分値が9mJ/m2 以上50mJ/m2 以下のものであり、芳香族系ポリエポキシ化合物の表面自由エネルギーの極性成分値が0mJ/m2 以上9mJ/m2 未満のものであることを特徴とする請求項11記載のサイジング被覆炭素繊維の製造方法。
  13. ウィルヘルミ法により測定される表面自由エネルギーの極性成分値が8mJ/m2 以上50mJ/m2 以下である炭素繊維に、表面自由エネルギーの極性成分値が9mJ/m2 以上50m以下であるA成分化合物と、0mJ/m2 以上9mJ/m2 未満であるB成分化合物とをサイジング剤として付与することを特徴とするサイジング被覆炭素繊維の製造方法。
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