JP2005179410A - バイオチップ基板用樹脂およびバイオチップ基板 - Google Patents

バイオチップ基板用樹脂およびバイオチップ基板 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光検出方式のバイオチップとして使用する場合、バックグランドが小さく、バイオ分子などを固定して相互反応させた場合のS/N比が大き、しかも、表面へ微細な形状が転写され易い、バイオチップ基板用樹脂およびバイオチップ基板を提供する。
【解決手段】ポリエステルの構成成分のうち、ジカルボン酸成分の主成分が脂環式ジカルボン酸成分であり、ジオール成分の主成分が脂環式ジオール成分であるポリエステルから成るバイオチップ基板用樹脂、上記のポリエステルと他の熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの一種以上とを含む熱可塑性樹脂組成物から成るバイオチップ基板用樹脂、および、これらの何れかのバイオチップ基板用樹脂から成るバイオチップ基板。
【選択図】 なし

Description

本発明はバイオチップ基板用樹脂およびバイオチップ基板に関する。
バイオチップは、基板(支持体)上に、バイオ分子、細胞などを固定化し、固定化されたバイオ分子など(プローブ)とバイオ分子またはそれ以外の化合物(ターゲット)とを接触させ、生じた特異的な相互作用を検出する生化学的な手法に使用され、例えば、基板上に核酸を高密度に固定化しハイブリダイゼーションにより相補的な配列の存在を検出するDNAチップ(DNAマイクロアレイ)、蛋白質を固定化し相互作用する蛋白質を検出する蛋白質チップ(プロティンチップ)、糖鎖チップ、細胞チップ等が知られている。
上記の相互作用の検出方法としては、多種検討されているが、ターゲットを蛍光標識し、相互作用によるスポットの発光の有無を分光光学的に検出する方法(蛍光検出方式)が主流である。
従来、バイオチップに使用されている支持体(基板)の形状は、長方形、繊維状、球状などがあるが、一般的には長方形である。その材質は一般にガラスであるが、ガラスは、製造工程、輸送や検査で取り扱う過程で落下などの衝撃が加わった場合、非常に損傷し易い難点がある。また、ガラスは平板以外の形状を作製することが困難でもある。
そこで、落下などの衝撃に強く、射出成形、押出成形などの成形が可能であり、形状の自由度が高いプラスチックを支持体(基板)に利用しようとした試みがなされている。
しかしながら、分子の一次構造に芳香族系化合物を含む様なポリスチレン系樹脂やポリカーボネート樹脂を支持体(基板)に使用した場合、蛍光検出方式のバイオチップではバックグラウンドの蛍光性が大きく、相互反応により蛍光発光したプローブのシグナル/ノイズ(S/N)比が小さくなるため検出できなくなるといった不都合が発生する。
近時、バックグラウンドが低いDNAチップ用基材として、荷重たわみ温度が95℃以上の飽和環状ポリオレフィン系ポリマーから成る基材が提案されている(特許文献1)。
ところが、バイオチップは、表面に数千種以上のバイオ分子などを固定するため、基板の表面に0.1μから数mm単位の空孔や溝の様な微細な形状が刻まれており、(S/N)比を大きくする観点から、孔の直径と深さの比や溝の幅と溝の深さの比は、大きいものが望まれている。
上記の点に関し、飽和環状オレフィン系ポリマーでは、次の様な欠点がある。すなわち、飽和環状オレフィン系ポリマーは、成形温度での溶融樹脂粘度が高く、流動性が悪いため、微細な形状を有した、特に孔の直径と深さの比や溝の幅と溝の深さの比が大きい表面形状の微細加工をする場合、その微細表面形状金型の基板への転写性が充分でなく、満足できるレベルの基板の作成が困難である。
特開2001−231556号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、蛍光検出方式のバイオチップとして使用する場合、バックグランドが小さく、バイオ分子などを固定して相互反応させた場合のS/N比が大きく、しかも、表面へ微細な形状が転写され易い、バイオチップ基板用樹脂およびバイオチップ基板を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の要旨は、ポリエステルの構成成分のうち、ジカルボン酸成分の主成分が脂環式ジカルボン酸成分であり、ジオール成分の主成分が脂環式ジオール成分であるポリエステルから成ることを特徴とするバイオチップ基板用樹脂に存し、本発明の第2の要旨は、ポリエステルと他の熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの一種以上とを含む熱可塑性樹脂組成物から成ることを特徴とするバイオチップ基板用樹脂に存し、本発明の第3の要旨は、上記の何れかの樹脂から成ることを特徴とするバイオチップ基板に存する。
本発明によれば、反応強度の弱い様なプローブであっても支持体(基板)表面への固定量を充分に確保できる微細な形状を容易に製造することが出来、かつ、少量のプローブの固定であっても相互反応を容易に検出できる、バイオチップ基板用樹脂およびバイオチップ基板が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、特定のポリエステルから成る本発明のバイオチップ基板用樹脂について説明する。
本発明で使用するポリエステルは、ジカルボン酸成分の主成分が脂環式ジカルボン酸成分であり、ジオール成分の主成分が脂環式ジオール成分であるポリエステルである。斯かるポリエステルは、原料として、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、脂環式ジオールを主成分とするジオール成分とを使用し、エステル化またはエステル交換反応させた後に重縮合反応させて得ることが出来る。
本発明において、ポリエステル原料として使用されるジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とする。ここで、主成分とするとは、後述する様に、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の合計量が、全ジカルボン酸成分に対して80モル%以上であることをいう。
脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、脂環式構造にカルボキシル基が2つ結合したものであれば特に限定されないが、例えば、1,2−、1,3−、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、1,4−、1,5−、2,6−、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、そのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
1,4−CHDAまたはそのエステル形成性誘導体は、得られるポリエステルの成形温度が従来のポリエステルの成形温度に近く、また、工業的に入手し易い点で好ましく、特に、1,4−CHDAは、そのエステル形成性誘導体に比べてコストが掛からない点で最も好ましい。この場合に、1,4−CHDAのtrans体とcis体との比は、得られるポリエステルの耐熱性の観点から、85/15〜100/0の範囲が好ましい。
本発明において、ジカルボン酸成分は、上記の様な脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を全カルボン酸成分に対して80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有する限り、その他の脂肪族、芳香族ジカルボン酸などを含有していてもよい。全ジカルボン酸に対する脂環式ジカルボン酸の割合が80モル%より少ない場合は、得られるポリエステルの蛍光検出強度が高くなり、バックグラウンドが大きくなるため、プローブとターゲットの相互作用を検出しづらくなると共に、成形体の耐熱性も劣る傾向となる。
上記のその他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、これらの炭素数1〜4程度のアルキルエステル、ハロゲン化物などが挙げられる。
本発明において、ポリエステル原料として使用されるジオール成分は、脂環式ジオールを主成分とする。ここで、主成分とするとは、後述する様に、脂環式ジオールの合計量が、全ジオール成分に対して80モル%以上であることをいう。
脂環式ジオールとしては、脂環式構造に水酸基が2以上結合したものであれば特に限定されないが、5員環または6員環に水酸基が2以上結合したジオールであることが好ましい。脂環式ジオールが5員環または6員環の脂環式ジオールである場合、得られる成形体のオリゴマーの析出量をより少なくすることが出来る。
上記の様な脂環式ジオールとしては、例えば、1,2−、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−シクロペンタンジメタノールビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオール、1,2−、1,3−、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−、1,3−、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール等が挙げられる。
上記の中では、1,2−、1,3−、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特に1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)が好ましい。1,4−CHDMは、メチロール基がパラ位にあるので反応性が高くて高重合度ポリエステルが得やすいこと、高いガラス転移点のポリエステルが得られること、工業生産品であり入手が容易であること等の利点がある。1,4−CHDMのtrans体とcis体との比は100/0〜60/40の範囲内であることが好ましい。60/40未満の場合は、得られるポリエステルの耐熱性が劣る傾向となる。
本発明において、ジオール成分は、上記の様な脂環式ジオールを全ジオール成分に対して80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有する限り、その他のグリコールを含有していてもよい。全ジオールに対する脂環式ジオールの割合が80モル%より少ない場合は、得られるポリエステルの耐熱性が低下する傾向がある。
上記のその他のジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸などの芳香族ジオールなどが挙げられる。
一般に、エステル化またはエステル交換反応は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを、攪拌機および留出管を備えたエステル化反応槽に仕込んだ後、触媒を加え、不活性ガス雰囲気下攪拌し、反応により生じた水分などの副成物を留出しながら反応を進行させることにより行う。原料の使用比率、すなわち、ジカルボン酸成分の合計に対するジオール成分の合計のモル比は1.0〜2.0モル倍とされ、特に、ジオール成分として1,4−CHDMなどの高沸点のものを主成分として使用する場合には1〜1.2モル倍が好ましい。
本発明においては十分な反応速度を得るために触媒を使用するのが好ましい。触媒としては、通常、エステル化またはエステル交換反応に使用される触媒であれば特に限定されないが、例えば、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、スズ化合物などが挙げられる。
チタン化合物は、エステル化またはエステル交換反応、続いて行われる重縮合反応の両反応において活性が高いことから好ましい。チタン化合物の具体例としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、これらの有機チタネートの加水分解物などが挙げられる。
触媒は2種類以上組み合わせて使用してもよく、また、必要に応じ、マグネシウム化合物やリン化合物などと組み合わせて使用してもよい。触媒の使用量は、生成するポリエステルに対し、通常50ppm〜2000ppm、好ましくは100ppm〜1000ppmである。エステル化またはエステル交換反応の触媒は、そのまま重縮合反応触媒としても使用される。反応温度は、通常150〜230℃、好ましくは180℃〜220℃であり、反応時間は、通常10分から10時間、好ましくは30分から5時間である。反応の終点の反応率は90〜100%とされる。ここで、反応率は、仕込んだ全カルボン酸に対する反応により消費されたカルボン酸の比を百分率で表す。
一般に、縮合反応は、エステル化またはエステル交換反応終了後の反応液を、攪拌機、留出管および減圧付加装置を備えた重縮合槽に移送し、これに必要に応じ、触媒、溶媒を加え、重縮合槽内を徐々に減圧にしながら反応を進行させることにより行う。十分な反応速度を得るために触媒を使用するのが好ましい。触媒としては、通常、重縮合反応使用れる触媒であれば特に限定されず、上記のエステル化またはエステル交換反応において例示した触媒と同じものをそのまま重縮合反応触媒として使用することが出来る。また、好ましい触媒についても上述した通りである。重縮合反応で新たに触媒を使用する場合の使用量は、生成するポリエステルに対し、通常50〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppmである。
重縮合反応は、反応槽内を徐々に減圧にしながら行う。槽内の圧力は、大気圧雰囲気下から最終的には1KPa以下とされ、特に0.5KPa以下とするのが好ましい。反応温度は、上記のエステル化またはエステル交換反応の反応終了後の温度ないし300℃、好ましくは反応終了後の温度ないし265℃である。反応時間は、通常10分から10時間の範囲内、好ましくは30分から5時間である。反応の終点は、所望の重合度になるような攪拌機の攪拌動力により決定する。
なお、エステル化反応槽に減圧付加装置を備え、一槽でエステル化またはエステル交換反応と重縮合反応を行うことも可能である。また、エステル化、エステル交換、重縮合反応は、回分方式でも連続方式でもよい。
反応終了後は、槽底部から反応性生物を抜き出すことにより回収する。通常はストランド状に抜き出し、水冷しながらカッティングしてペレット状のポリエステルを得ることが出来る。得られたポリエステルの固有粘度は、通常0.6〜1.5dl/g、好ましくは0.7〜1.4dl/gである。固有粘度が0.6dl/g未満の場合は機械的強度が十分でなく、1.5dl/gより大きい場合は流動性が低下して成形性に劣る。なお、この様にして得られたペレット状のポリエステルは、更に、必要に応じ、固相重合を行ってもよい。固相重合は、公知の方法により行うことが出来る。
次に、ポリエステルと他の熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの一種以上とを含む熱可塑性樹脂組成物から成る本発明のバイオチップ基板用樹脂について説明する。
上記の他の熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートや1,4−ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アイソタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンやアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテルや変性ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、これらの混合物などが挙げられる。一方、上記の熱可塑性エラストマーとしては、水添スチレン−イソプレン系、水添スチレン−ブタジエン系エラストマー、ポリエーテルエステルエラストマー、エチレン−プロピレン系エラストマー等のポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。これら中では、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル系樹脂およびこれらの混合物が好ましく、特にポリカーボネートが好ましい。
ポリエステルと他の熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの合計に対するポリエステルの割合は、通常30〜99重量%、好ましくは50〜99重量%である。
本発明のバイオチップ基板用樹脂は、前記のポリエステルから成るか、または、前記のポリエステルと他の熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの一種以上とを含む熱可塑性樹脂組成物から成る。しかし、斯かる規定は、樹脂成分についてであり、前記のポリエステル又は熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で樹脂成分以外の各種の添加成分を配合することが出来る。斯かる添加成分としては、例えば、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の無機充填材、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、相溶化剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、パラフィンオイル等の可塑剤、フッ素樹脂パウダー、スリップ剤、分散剤、着色剤、防菌剤などが挙げられる。添加成分の配合は、常法に従い、樹脂と添加成分とを予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等で溶融混練する方法によって行われる。
次に、本発明のバイオチップ基板について説明する。基板の成形方法としては、特に制限されず、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形など一般的な成形方法を採用することが出来が、特に、生産性と形状の自由度の観点から射出成形または射出圧縮成形が好ましい。また、射出成形時にシリンダー内に超臨界状態の二酸化炭素や窒素を樹脂と共に導入することにより、樹脂の流動性を上げ、微細な形状(溝や穴を)の転写性を上げることも出来る。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
(ポリエステルの製造例1)
攪拌機、留出管および減圧装置を装備した反応器に、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体/シス体比率=約7/3)87.5重量部およびテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.005重量部を窒素フロー下で150℃まで加熱した後、200℃まで1時間を掛けて昇温した。次いで、200℃で1時間保持しエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間で昇温しつつ反応器内を徐々に減圧にしながら重縮合反応を行った。反応器内圧力0.1KPa反応温度250℃で2.2時間重合した。得られたポリマーをストランド状に水中に抜き出した後、カッティングしペレット状にした。得られたペレットは80℃で5時間真空乾燥機で乾燥した。乾燥後のポリマーの固有粘度は0.97dl/gであった。以下、これをポリエステルAと称す。
(ポリエステルの製造例2)
製造例1で得たポリエステルAとポリカーボネート(三菱エンプラ社製:商品名「ノバレックス7020AD2」)を重量比8:2でドライブレンドした後、酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製:商品名「P−EPQ」)を樹脂成分100重量部に対して0.5重量部添加しながら、脱気装置付きの二軸混練機(日本製鋼所社製:商品名「TEX−30」、L/D=42)を使用し、240℃で脱気を行いながら溶融混練し、ストランドカッターでペレット化した。以下、これをポリエステルBと称す。
以下に本発明における評価法を示す。
(1)バックグラウンド評価:
マイクロアレイスキャナー装置(Axon Instruments社製:商品名「GenePix4000A」)を使用し、後述の射出成形により得られたシートの蛍光検出強度を、励起波長635nm、検出フォトマル増幅率400Vで測定した。基板としては、蛍光検出強度が低いほど良いことを示す。
(2)蛋白質固定化評価(S/N比測定):
射出成形により得られたシート上に、濃度1μg/ml及び10μg/mlに調製した蛍光色素「Cy5」溶液を1μlを滴下し、乾燥させてスポットを形成した。これの蛍光検出強度を(1)の装置を使用し、(1)と同条件で測定した。この値をバックグラウンド評価で得た値で除することによりS/N比を求めた。基板としては、S/N比は大きいほど相互作用を検出し易くなることを示す。
(3)流動長評価(転写性):
射出成形機(東洋機械金属社製:商品名「TU−15」)に、厚さ0.2mm、幅5mmのバーフロー金型(最大長さ60mm)を装備し、射出速度99%、射出圧800Kgf/cmの条件で成形を行い、得られたバーの長さ(流動長)を測定した。なお、成形温度、金型温度は、後述の実施例1及び2並びに比較例1及び2に記載のシートの成形条件と同一とした。流動長が長いほど樹脂の流動性がよく、金型の微細形状の成形体表面への転写性がよいことを示す。
(4)ポリマーの固有粘度:
ウベローデ型粘度計を使用し、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒とし、30℃で測定した。
実施例1:
熱風乾燥機を使用し、製造例1で得たポリエステルAを100℃で5時間乾燥させた後、小型射出成形機(東芝機械社製:商品名「EC−20」)を使用し、幅25mm、長さ75mm、厚み2mmのシートを成形した。成形温度は250℃で金型温度は60℃とした。このシートについて前記の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例2:
実施例1において、製造例2で得たポリエステルBを使用した以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示した。
比較例1:
熱風乾燥機を使用し、ポリカーボネート(三菱エンプラ社製:商品名「ノバレックス7020AD2」)を120℃で5時間乾燥させた後、小型射出成形機(東芝機械社製:商品名「EC−20」)を使用し、幅25mm、長さ75mm、厚み2mmのシートを成形した。成形温度は290℃で金型温度は60℃とした。このシートについて前記の評価を行った。結果を表1に示した。
比較例2:
比較例1において、飽和環状ポリオレフィン(日本ゼオン社製ゼオネックス製:商品名「480R」)を使用した以外は、比較例1と同様に行った。評価結果を表1に示した。

Claims (6)

  1. ポリエステルの構成成分のうち、ジカルボン酸成分の主成分が脂環式ジカルボン酸成分であり、ジオール成分の主成分が脂環式ジオール成分であるポリエステルから成ることを特徴とするバイオチップ基板用樹脂。
  2. 脂環式ジカルボン酸成分が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり、脂環式ジオール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノールである請求項1に記載のバイオチップ基板用樹脂。
  3. 請求項1又は2記載のポリエステルと他の熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの一種以上とを含む熱可塑性樹脂組成物から成ることを特徴とするバイオチップ基板用樹脂。
  4. 他の熱可塑性樹脂がポリカーボネートである請求項3に記載のバイオチップ基板用樹脂。
  5. ポリエステルと他の熱可塑性樹脂および/または熱可塑性エラストマーの合計に対するポリエステルの割合が30〜99重量%である請求項3又は4に記載のバイオチップ基板用樹脂。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の樹脂から成ることを特徴とするバイオチップ基板。
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