JP2008050382A - 蛍光検出分析基板用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および蛍光検出分析基板 - Google Patents

蛍光検出分析基板用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および蛍光検出分析基板 Download PDF

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Abstract

【課題】
可視領域において数種類の蛍光を持つという致命的欠陥のため、従来、蛍光検出分析基板用樹脂として使用することが避けられていた芳香族ポリカーボネート樹脂の自家蛍光を著しく低減し、且つ耐熱性、透明性に優れた、光検出分析基盤用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、及びこれを溶融成形してなる蛍光検出分析基板を提供する。
【解決手段】
構造粘度指数Nが1.2以下の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤および/またはフェノール系安定剤を0.001〜1重量部含有することを特徴とする蛍光検出分析基板用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびこれを溶融成形してなる蛍光検出分析基板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、蛍光検出分析基板用ポリカーボネート樹脂組成物、および蛍光検出分析基板に関する。さらに詳しくは、自家蛍光が著しく低減された、蛍光検出分析基板用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、およびこれを成形してなる蛍光検出分析基板に関する。
近年、生化学、医療診断、創薬、微生物検査、食品、環境、ヘルスケア等の分野においては、分析対象となる生体物質や化学化合物を高精度に操作・分析する技術の1つとして、分析対象物質を扱う基板材料(以下、バイオチップ、または、反応チップということがある。)や、これを用いた検出方法の開発が盛んに行われている。
バイオチップは、基板(支持体)に、分析対象の生体物質、化合物などを固定化し、この固定化物(プローブ)同士またはそれ以外の化合物(ターゲット)とを接触させて生じる特異的な相互作用を検出し、主に生体分子の機能解析、操作の集積化、センシングなどに利用されるデバイスの総称である。具体的には例えば、基板(支持体)上にDNA断片や合成オリゴヌクレオチドを高度に集積化したDNAチップ(DNAマイクロアレイ)、タンパク質を固定化したタンパク質チップ(プロテインチップ、プロテインアレイ)、糖鎖や糖タンパク質、糖脂質などの複合糖質を固定化した糖鎖チップ、細胞や微生物を固定化した細胞チップなどが知られている。
上述の相互作用の検出方法としては、多種検討されているが、ターゲットの蛍光や蛍光標識したターゲットの蛍光の変化を分光光学的に検出する方法(蛍光検出方式)が主流である。バイオチップに使用されている基板(支持体)の形状としては、平板状、繊維状、球状などが挙げられるが、一般的には固定化面が長方形の平板状のものである。またその材質としては、ガラスやシリコンが一般的に用いられている。
しかしながら、ガラスは微細な加工が煩雑であり、また平板以外の形状を作成することが困難であることに加えて、落下などの衝撃に弱く、製造、輸送、検査過程において非常に損傷しやすいという欠点も持っている。
またDNAなどの生体物質は、人体や環境に悪影響を及ぼす危険性があるためバイオチップの廃棄に関しては、できれば焼却処理をすることが望まれるが、ガラスやシリコンを基板としたバイオチップにおいては、廃棄物を焼却処理すると焼却炉内への融着等が生じ、処理が困難であるという問題があった。そこで、落下などの衝撃に強く、射出成形、押出成形、ホットエンボスなどの成形が可能であり、容易に焼却処理が可能なプラスチックを基板(支持体)に用いる試みがなされている。
基板(支持体)に使用するプラスチックとしては、検出感度の点からも一般的には透明であることが好まれ、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、飽和環状オレフィン系樹脂、アクリル樹脂などが検討されている。また上述した様な蛍光検出方式においては、基板に由来する蛍光(自家蛍光)が大きいと、検出時に基板のバックグラウンドが高くなり、S/N比の低下により検出精度が低下すので、蛍光検出分析基板の材料としては、自家蛍光の小さい材料を使用することが重要となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、その優れた透明性、耐熱性、転写性などの特性を有することから、コンパクトディスクや液晶の導光板や光拡散板など様々な分野において使用されている。このため、芳香族ポリカーボネートを蛍光検出分析基板として使用する試みがなされている。(例えば特許文献1参照。)
一方で、芳香族ポリカーボネートは芳香環を有している為に、他の透明樹脂に比べて潜在的に自家蛍光が大きいという特徴がる。つまり、一般的に蛍光検出分析基板の材料としては、可視光領域波長(400nm〜750nm)における自家蛍光の小さい(バックグラウンドの低い)ものが求められているのに対し、芳香族ポリカーボネート樹脂は、この可視光領域波長に数種の自家蛍光を有している為にバックグラウンドが高くなり、使用に適していないという問題があった。
そこで蛍光検出分析基板として利用することが困難な芳香族ポリカーボネート樹脂以外の、他の樹脂を用いた検討がなされている。具体的には例えば、透明で比較的自家蛍光の小さい蛍光検出分析基板として、飽和環状オレフィン系樹脂からなる基板が提案されている(例えば特許文献2参照)。
また、脂環式ジカルボン酸と脂環式ジオールを主成分として含むポリエステルからなる蛍光検出分析基板も提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2002−14100号公報 特開2001−231556号公報 特開2005−179410公報
通常、バイオチップはその取り扱われる過程において、高温で処理されることがあり、基板に使用する樹脂の耐熱性が求められる。例えば、DNAチップにおいて、PCR(Polymerase chain reaction)処理を行う場合には、95℃で処理される。またオートクレーブ滅菌を行う場合には、約120℃もの高温で処理される場合がある。
このため、上述した様な飽和環状オレフィン系樹脂や、脂環式ジカルボン酸と脂環式ジオールを主成分として含むポリエステル樹脂では、未だ満足できる耐熱性を有していないという問題があった。
一方、芳香族ポリカーボネートは先述の通り、優れた透明性、耐熱性、転写性などの特性を有する反面、潜在的な自家蛍光が大きいという問題があり、この自家蛍光の低減方法は未だ具体的な方法が見出されておらず、透明性、耐熱性、転写性などの特性に優れ、且つ自家蛍光の小さな、蛍光検出分析基板に適した材料の開発が切望されていた。
本発明の目的は、上述したような実情に鑑みたものであり、自家蛍光が著しく低減され、且つ耐熱性、透明性に優れた、蛍光検出分析基板用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、およびこれを溶融成形してなる蛍光検出分析基板を提供することにある。
そこで本発明者らは、芳香族ポリカーボネート樹脂の有する自家蛍光について、その由来構造の特定、発生・増加のメカニズムの点から鋭意検討した。その結果、芳香族ポリカーボネート樹脂の発する自家蛍光の原因が、成型加工などの過程において与える熱によって生じた種々の分岐構造であることを見出し、その分岐構造の量(自家蛍光の量)は、使用する添加剤や、芳香族ポリカーボネート樹脂の種類に大きく影響することを見出した。通常、構造粘度指数Nが一定以上大きいポリカーボネート樹脂は、特に、励起光320nmに対する蛍光強度が大きくなることを見出した。
そして、特定の構造粘度指数を有する芳香族ポリカーボネート樹脂に特定の添加剤を含有させた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物において、自家蛍光が低減されることを見出した。また従来、可視領域には影響を及ぼさず、紫外領域の波長のみを選択的にカットするために使用されてきた紫外線吸収剤を、特定の構造粘度指数を有する芳香族ポリカーボネート樹脂に含有させた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、意外にも、可視領域における自家蛍光が著しく低減されることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明の要旨は、構造粘度指数Nが1.2以下の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤および/またはフェノール系安定剤を0.001〜1重量部含有することを特徴とする蛍光検出分析基板用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、及びこれを溶融成形してなる蛍光検出分析基板に存する。
本発明によって、可視領域において数種類の蛍光を持つという致命的欠陥のため、従来、蛍光検出分析基板用樹脂として使用することが避けられていた芳香族ポリカーボネート樹脂の自家蛍光を著しく低減することができ、自家蛍光が少なく、バックグラウンドの低い、しかも耐熱性、透明性に優れた蛍光検出分析基盤用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および蛍光検出分析基板を提供することができる。
本発明の蛍光検出分析基盤用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、および蛍光検出分析基板は、生化学、医療診断、創薬、微生物検査、食品、環境、ヘルスケアなどの分野における、DNAチップ(DNAマイクロアレイ)、タンパク質チップ(プロテインチップ、プロテインアレイ)、酵素チップ、抗原チップ、抗体チップ、細胞チップ、微生物チップなどのバイオチップ、およびナノテクノロジーを応用した微細加工技術により流路、反応場、検出部などを小型集積化した、Lab−on−a−chipやMEMS(Micro Electoro Mechanical Systems)などを利用した反応チップなどの用途に広く利用することができる。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書では、各種化合物が有する「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよい。
本発明に用いる芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂は、例えば芳香族ジヒドロキシ化合物とカ−ボネ−ト前駆体とを、又はこれらと少量のポリヒドロキシ化合物等を反応させてなる、直鎖または分岐の熱可塑性の芳香族ポリカ−ボネ−ト重合体、又は共重合体である。
本発明における芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂は、特に限定されるものではなく、公知の方法によって製造することができ、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カ−ボネ−ト化合物の開環重合法、プレポリマ−の固相エステル交換法等を挙げることができる。
上述の製造方法としては、界面重合法、溶融エステル交換法が、産業上利用しやすいため好ましく、界面重合法が自家蛍光の低減化の観点からより好ましい。
原料として使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノ−ルA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノ−ルA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリ−ル)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリ−ル)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノ−ル類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル等で例示されるジヒドロキシジアリ−ルエ−テル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリ−ルスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリ−ルスルホキシド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリ−ルスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類であり、特に耐衝撃性の点から好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノ−ルA]である。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカ−ボネ−ト前駆体としては、カルボニルハライド、カ−ボネ−トエステル、ハロホルメ−ト等が使用され、具体的にはホスゲン;ジフェニルカ−ボネ−ト、ジトリルカ−ボネ−ト等のジアリ−ルカ−ボネ−ト類;ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト等のジアルキルカ−ボネ−ト類;二価フェノ−ルのジハロホルメ−ト等が挙げられる。これらのカ−ボネ−ト前駆体もまた1種類単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐した芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキシ化合物類;
3,3−ビス(4−ヒドロキシアリ−ル)オキシインド−ル(=イサチンビスフェノ−ル)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられ、中でも1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。また多官能性芳香族化合物は、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して用いてもよく、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%であることが好ましく、中でも0.1〜2モル%であることが好ましい。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は任意であり、従来公知の任意の製造方法を使用できる。まず、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法のうち、界面重合法について説明する。
この製造方法における重合反応は、先ず、反応に不活性な有機溶媒とアルカリ水溶液の存在下、通常、pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物、及び必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)や芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止のための酸化防止剤を、ホスゲンと反応させる。反応後、第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加し、界面重合を行うことによってポリカ−ボネ−トを得る。分子量調節剤の添加はホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば特に限定されない。なお、反応温度は、例えば、0〜40℃で、反応時間は、例えば、数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
ここで、反応に不活性な有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。また、アルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノ−ル性水酸基を有する化合物が挙げられる。一価のフェノ−ル性水酸基を有する化合物としては、m−メチルフェノ−ル、p−メチルフェノ−ル、m−プロピルフェノ−ル、p−プロピルフェノ−ル、p−tert−ブチルフェノ−ルおよびp−長鎖アルキル置換フェノ−ルなどが挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、50〜0.5モルであることが好ましく、中でも30〜1モルであることが好ましい。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類:トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
次に、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法として、溶融エステル交換法について説明する。この製造方法における重合反応は、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応である。
炭酸ジエステルとしては、ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、ジ−tert−ブチルカ−ボネ−ト等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカ−ボネ−トおよびジトリルカ−ボネ−ト等の置換ジフェニルカ−ボネ−ト等が例示される。炭酸ジエステルとしてはジフェニルカ−ボネ−ト又は置換ジフェニルカ−ボネ−トであることが好ましく、中でもジフェニルカ−ボネ−トが好ましい。
また芳香族ポリカーボネート樹脂においては、その末端水酸基量がポリカーボネート樹脂の熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼすので、従来公知の任意の方法により適宜調整してもよい。溶融エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率、エステル交換反応時の減圧度等を調整し、所望の分子量、及び末端水酸基量とした芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
通常、溶融エステル交換反応においては、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用い、中でも1.01〜1.30モル用いることが好ましい。また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を添加する方法が挙げられ、この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。
溶融エステル交換法によりポリカーボネートを製造する際には、通常エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は、特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。上記原料を用いたエステル交換反応としては、100〜320℃の温度で反応を行い、最終的には2mmHg以下の減圧下、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら溶融重縮合反応を行えばよい。
中でも、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法にて製造する際には、反応により生成する芳香族ポリカーボネート樹脂における分岐構造を低減することが重要となる。この為には、例えばエステル交換触媒量を少なくし、反応温度を高くし過ぎず、また反応時間を長くし過ぎない等の方法が挙げられる。
具体的には例えば、溶融法による芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する際、例えばアルカリ触媒として炭酸セシウムを用いる際には、芳香族ポリカーボネート樹脂の原料である芳香族ジヒドロキシ化合(例えばビスフェノ−ルA)1モルに対して、1マイクロモル以下、中でも0.5マイクロモル以下とすることが好ましい。
溶融重縮合は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。中でも、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂や、本発明の樹脂組成物の安定性等を考慮すると、連続式で行うことが好ましい。溶融エステル交換法に用いる触媒失活剤としては、該エステル交換反応触媒を中和する化合物、例えばイオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。
この様な触媒を中和する化合物は、該触媒が含有するアルカリ金属に対して0.5〜10当量用いることが好ましく、中でも1〜5当量用いることが好ましい。さらに加えて、このような触媒を中和する化合物は、ポリカーボネートに対して1〜100ppm、中でも1〜20ppmとすることが好ましい。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]で、8000〜40000であることが好ましい。芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量を8000以上とすることにより、機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い基板に用いる場合に、より好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を、40000より以下とすることにより、流動性が低下するのをより改善できる傾向にあり、成形加工性容易の観点からより好ましい。
粘度平均分子量は、金型転写性などの成型加工性の観点から、中でも8000〜30000、更には8000〜18000であることが好ましい。粘度平均分子量を18000より以下とすることにより、成形性、金型転写性がより向上し、さらに押出、成形加工工程において必要な熱履歴をより小さくすることができるため、熱履歴によって生じる蛍光をより抑制することができ、より好ましいものとなる。また粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。もちろん、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ここで粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、即ちη=1.23×10−40.83、から算出される値を示す。ここで極限粘度[ηとは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2008050382
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、構造粘性指数Nが1.2以下の芳香族ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする。この構造粘度指数は、中でも1.15以下、特に1.1以下であることが好ましい。構造粘度指数を1.2以下とすることにより、励起光320nmに対する蛍光が抑えられる傾向となり、可視領域全体の自家蛍光を抑制したい場合、好ましいものとなる。また本発明においては、構造粘度指数Nの異なる、2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよく、構造粘性指数Nが上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合しても、全体の平均値が1.2以下となればよい。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の構造粘度指数Nは、ポリカーボネート樹脂類の溶融特性を示す数式:γ=a・σ(式中、γ:剪断速度、a:定数、σ:剪断応力、N:構造粘度指数を示す。)より求めることが出来る。この数式において、N=1のときはニュートン流動性を示し、Nの値が大きくなるほど非ニュートン流動性が大きくなる。
つまりNの大小により、溶融体の流動特性を評価することが出来、一般に構造粘度指数Nが大きいポリカーボネート樹脂は、その分子中に分岐構造が多いことを示す。構造粘性指数Nを求める具体的な方法としては、例えば公知文献(小野木重治著「化学者のためのレオロジー」、第15、16頁)に記載の式から求めることが出来る。つまり、上述の公知文献に記載の二つの式、[D=γ=a×σ]、及び[η=σ/D=σ/γ]から求めることが出来る。
この二つの式から応力σを消去して[γ=a×(η )×(γ)]とし、この式を[η=(1/a)(1/N)×γ〔(1−N)/N〕]とし、次いで[Logη=〔(1−N)/N〕×Logγ+C]を導く(尚、これらの式において、N:構造粘性指数、a:定数、η:見かけの粘度、D:速度勾配、γ:剪断速度、σ:剪断応力、C:定数を示す)。そしてこの数式より、所定のγの2点間を直線近似して、傾き(1−N)/N及びN値を求め、構造粘度指数Nを求めればよい。
一般的に、この式を用いて構造粘度指数Nを求める際に用いるγ、ηは、他要因による誤差が少ない点から、低剪断速度領域(具体的には例えば、γ=12.16sec−1や、γ=24.32sec−1。)でのγとηを用いて、N値を求める。
尚、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂に含まれる分岐構造は特に制限はなく、具体的には例えば、以下の一般式(1)〜(4)で示される構造が挙げられる。
Figure 2008050382
Figure 2008050382
Figure 2008050382
Figure 2008050382
(式(1)〜(4)中、Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基または、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−で示される2価の基からなる群より選ばれるものを示す。)
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は、通常1000ppm以下であり、中でも800ppm以下、さらには600ppm以下であることが好ましい。またその下限は、特にエステル交換法で製造する芳香族ポリカーボネート樹脂では、10ppm以上、中でも30ppm以上、特に40ppm以上であることが好ましい。
末端水酸基濃度を10ppm以上とすることで、分子量の低下が抑制でき、樹脂組成物の機械的特性がより向上する傾向にある。また末端基水酸基濃度を1000ppm以下にすることで、樹脂組成物の滞留熱安定性や色調がより向上する傾向にあるので好ましい。
なお、末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
また、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(芳香族ポリカーボネート樹脂)は、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、好ましくは1500〜9500であり、より好ましくは2000〜9000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、芳香族ポリカーボネート樹脂の30重量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
更に本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、バージン原料だけでなく使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。
使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板等の建築部材等が好ましく挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂の80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以下である。
本発明に用いる紫外線吸収剤としては、熱可塑性樹脂用として従来公知の任意のものから適宜選択して決定すればよい。具体的には例えば、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物、オギザリニド化合物、マロン酸エステル化合物、及びベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物及びトリアジン系化合物等の一般的な紫外線吸収剤と、メタクリル酸メチル等のアクリル系単量体とを共重合させて得られるアクリル系共重合体からなる紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物が特に好ましい。
具体例としては、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物が挙げられる。また、その他のベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−ビス(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール〕[メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール]縮合物、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、プロパネヂオイックアシッド[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−ジメチルエステル、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
上記の中では、好ましくは、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2’−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール〕である。2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールは、シプロ化成社よりシーソーブ709の名称で市販されている。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における紫外線吸収剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量部に対し、0.001〜1重量部であり、中でも0.005〜0.5重量部、特に0.01〜0.3重量部であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有量が0.001重量部未満では自家蛍光低減効果が不十分であり、逆に1重量部を超えるとモールドデボジット等の問題が生じる場合がある。
本発明に用いるフェノール系安定剤としては、熱可塑性樹脂用として従来公知の任意のものから適宜選択して決定すればよい。中でもフェノール系化合物のOH基の性質を隠蔽した分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物が好ましく、特にn−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス(2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましい。これら3つのフェノール系安定剤は,チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社より、イルガノックス1076及びイルガノックス1010として、また旭電化工業社よりアデカスタブAO−80の名称で市販されている。
この他の具体例としては、1,1−ビス(5−tert−ブチル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3’−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネート−ジエチルエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等が挙げられ、分子量が500以上のものが好ましい。尚、これらは単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物におけるフェノール系安定剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量部に対して0.001〜1重量部であり、中でも0.05〜1重量部、特に0.1〜0.5重量部であることが好ましい。含有量が0.001重量部未満では自家蛍光を低減する効果が不十分であり、逆に1重量部を超えても含有量の増加に見合う効果の向上が見られない。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物においては、更に、離型剤を含有することが好ましい。本発明に用いる離型剤としては、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、飽和または不飽和の脂肪族1価、2価または3価カルボン酸を挙げることが出来る。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中では、好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36の1価または2価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が更に好ましい。
脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、飽和または不飽和の1価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。
これらの中では、炭素数30以下の1価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが更に好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。斯かるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが更に好ましい。数平均分子量は、好ましくは200〜5000である。これらの脂肪族炭化水素は単一物質であっても、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であればよい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における離型剤の含有量は、適宜選択して決定すればよいが、離型剤の含有量が少なすぎると離型性の効果が不十分となり、逆に多すぎても耐加水分解性の低下や、射出成形時の金型汚染等が生ずる場合がある。よって通常、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量部に対し、0.005〜1重量部、中でも0.01〜5重量部であることが好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、更に必要に応じて、機械強度向上等を目的として無機フィラーを含有させてもよい。無機フィラーとしては、従来公知の任意のものから適宜選択して決定すればよいが、中でも、蛍光特性を低下させない、微粒子状のものが好ましい。具体的には例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、無定形シリカ、水性シリカ、タルク、硫酸バリウム等が挙げられる。
また本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、一般に熱可塑性樹脂に使用される公知の熱安定剤、可塑剤、流動改質剤、帯電防止剤、界面活性剤、顔料、染料、放射線遮断剤、核剤、導電性付与剤、接着性改良剤、ラジカル禁止剤、難燃剤、増粘剤、カップリング剤、物性調整剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。
熱安定剤は変色防止、色相改良に効果があり、可塑剤、流動改質剤の添加は成形性、転写性の向上に効果がある。また帯電防止剤、界面活性剤の添加によって、タンパク質などの生体物質に対する基板表面への接着特性を変える効果が期待でき、顔料、染料を添加することによって、特定の波長をカットすることができ検出感度の向上が期待できる。
また放射線遮断剤の添加によって、ガンマ線滅菌などの処理による材料の劣化を防ぐことが期待される。添加剤の添加は、常法に従い、樹脂と添加剤成分を予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、ニ軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練する方法によって行われる。
また一旦ペレット化した後、必要に応じて芳香族ポリカーボネート樹脂を再溶融して、添加することもできる。混練時に、窒素雰囲気下で行うこともできる。窒素雰囲気下で混練する手法は、樹脂の熱劣化、分岐化を防ぐ効果があるため、蛍光増加を抑制する効果があるため非常に有効である。
次に、本発明における蛍光検出分析基板について説明する。蛍光検出分析基板とは、蛍光をシグナルとして検出するデバイス(分析機器、顕微鏡)に使用され、材料の自家蛍光が小さいことが要求されることを特徴とする部材の総称である。特に生化学、医療診断(臨床検査)、創薬、微生物検査、食品、環境、ヘルスケアなどの分野において、分析対象となる生体物質や化学化合物を高精度かつ効率的に操作、分析する為のデバイス基板を指す。具体的には例えば、バイオチップ、反応チップ等が挙げられる。
蛍光検出分析基板の形状は特に限定されるものではなく、基板状(スライドガラス状、カード状、ディスク状等)、繊維状、球状、チューブ状、フィルム状、(マイクロ)ウェル状などが挙げられる。また検出光が直接当たる部材でも、その周辺の部材でもよい。
基板の溶融成形方法としては特に制限は無く、従来公知の任意の、樹脂成形方法を用いればよい。具体的には例えば、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形、ホットエンボス(ナノインプリント)成形など一般的な成形方法を採用することができる。特に、生産性、形状の自由度の観点から射出成形、射出圧縮成形が好ましい。また、射出成形時にシリンダー内に超臨界流体を樹脂と共に導入することにより、樹脂の流動性を上げ、微細な形状(溝や穴)の転写性を上げることもできる。
バイオチップとは、基板(支持体)に、分析対象の生体物質、化合物などを固定化し、この固定化物(プローブ)同士またはそれ以外の化合物(ターゲット)とを接触させ、生じた特異的な相互作用を検出し、主に生体分子の機能解析、操作の集積化、センシングなどに利用されるデバイスの総称である。またここで「相互作用」とは、化学反応によりイオン結合や共有結合による化学構造が変化する場合のみではなく、水素結合、配位結合、ファンデルワールス力、化学吸着、物理吸着などのその他の様式により他の物質と結合した状況を作り得る性質を意味する。
上述の生体物質としては、具体的には例えばDNA断片、合成ヌクレオチド、タンパク質、酵素、抗原、抗体、エピトープ、糖鎖、糖タンパク質、糖脂質、細胞等が挙げられる。本発明の蛍光検出分析基板は、DNAの抽出・精製・増幅・回収・解析などに利用されるDNAチップ(DNAマイクロアレイ)や、タンパク質の精製・結晶化・発現・解析・条件探索などに利用されるタンパク質チップ(プロテインアレイ)、抗体チップ、糖鎖補足・糖鎖−タンパク質の相互作用を分析するために利用される糖鎖チップ、細胞分離・解析に利用される細胞チップ等のバイオチップ類を含む。
本発明における蛍光検出分析基板には、本発明の効果を損なわない範囲で、その基板表面に、表面修飾や表面処理などを施してもよい。表面修飾の方法としては、種々の方法が用いられるが、具体的には例えばアルデヒド基を導入することで、生理活性物質が基板上で共有結合し、より強固に固定されるので該基を導入することが好ましい。
アルデヒド基導入手段としては、アミノ基導入の後に多官能性アルデヒドを反応させる方法が好ましい。アミノ基の導入手段としては、アミノ基含有シランカップリング剤による処理、窒素雰囲気下でのプラズマ処理、アミノ基含有高分子物質のコーティングなどが挙げられるが、処理の簡便性、均一性の観点から、アミノ基含有シランカップリング剤による処理が好ましい。
多官能性アルデヒドとして好ましいものとしては、例えばグルタルアルデヒドが挙げられる。表面処理の方法としては、種々の方法が用いられるが、例えばカチオン性ポリマーや、ポリ−L−リジン、ポリエチレングリコール(誘導体)、ホスファチジルコリン基含有ポリマー等により処理する方法が挙げられる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ粘度計を用い、メチレンクロライドを溶液とする溶液の、温度20℃における極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、即ちη=1.23×10−40.83、から算出した。結果を表1に示す。
また構造粘度指数Nは、キャピラリレオメータ(東洋精機社製)を使用し、ダイスL/D=10/1、温度250℃にて測定し、構造粘度指数Nを求める計算式;Logη=〔(1−N)/N〕×Logγ+C(式中、N:構造粘度指数、γ:剪断速度、C:定数、η:見かけの粘度を示す。)を用い、γ=12.16sec−1及びγ=24.32sec−1でのηから、Nを決定した。結果を表2に示す。
(実施例1〜2、4)
表1の各成分を、表2に記した割合(重量比)で配合し、タンブラーにて20分混合後、1ベントを備えた、いすず単軸押出機製の40mm単軸押出機(SV−40EXT)に供給し、250℃で混練、ペレット化した。得られたペレットを120℃、5時間乾燥後、日本製鋼所社製のJ50−EP型射出成形機を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃、成形サイクル60秒の条件で3mm厚の平板を成形した。得られた平板の蛍光強度を、蛍光分光光度計にて測定し評価した。評価結果を同表2に示す。
(実施例3、比較例1)
単軸押出機による混練条件を280℃、射出成形機のシリンダー温度を280℃とした以外は実施例1と同様に行い、樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
単軸押出機による混練条件を300℃、射出成形機のシリンダー温度を300℃とした以外は実施例1と同様に行い、樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表2に示す。
蛍光強度の評価は実施例1〜4、及び比較例1〜2において得られた3mm厚の平板試験片を、日本分光株式会社製の分光蛍光光度計FP−6500を用い、蛍光スペクトル測定モードにて、励起側バンド幅3nm、蛍光側バンド幅3nm、レスポンス0.2sec、PMT電圧300V、データ取込み間隔0.5nm、走査速度100nm/分にて測定した。
測定に用いた励起光(以下、Exと略記することがある。)は(1)Ex633nm、(2)Ex585nm、及び(3)Ex320nmの3通りとした。そしてこれら各々の励起光により生じた蛍光(以下、Emと略記することがある。)の測定波長は、(1)Ex633nmではEm640nm〜750nm(評価蛍光波長700nm)、(2)Ex585nmではEm590nm〜700nm(評価蛍光波長618nm)、そして
(3)Ex320nmではEm320nm〜600nm(評価蛍光波長455nm)とした。
上述の3つの励起光に対する蛍光は、芳香族ポリカーボネート樹脂が持つ蛍光のうち、可視領域に存在するものである。励起光633nmの波長は、蛍光検出方式の分析機器にて非常に多く利用されている波長であり、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂においても、この蛍光強度が小さいことが好ましい。更には、可視領域(400〜750nm)において自家蛍光が小さい芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得るという観点からは、(1)〜(3)全ての蛍光強度を全て小さいことがより好ましい。
尚、ここで「蛍光強度」とは、相対蛍光強度を意味する。蛍光強度は、通常、絶対値で定まるものではなく、相対値で評価するものであり、本明細書中では、比較例1を基準に評価した。また強度が0.5を下回る際には判読困難となる場合があり、その際には「〜0.5」と記した。
また、上述した評価蛍光波長とは、各励起光に対する比較例1の測定結果(蛍光スペクトル)の中で最も蛍光強度が高いところ(蛍光スペクトルのピークトップ)に対応する蛍光波長を表す。励起光に対する評価蛍光波長における蛍光強度が小さくなることは、即ち、その励起光に対する蛍光が全体的に抑制されたことを示す。
Figure 2008050382
Figure 2008050382
表2より、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、Ex633nm、Ex585nm、Ex320nmに対する蛍光強度が低減され、蛍光検出分析基板として利用する場合、適した材料であることが明白である。
また芳香族ポリカーボネート樹脂の構造粘度指数Nが1.2を超える場合(比較例2)は、Ex633nm、Ex585nmに対する蛍光強度は低減されるが、Ex320nmに対する蛍光強度が大きくなるため、可視領域全体の自家蛍光を抑えることができないことが判る。

Claims (7)

  1. 構造粘度指数Nが1.2以下の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤および/またはフェノール系安定剤を0.001〜1重量部含有することを特徴とする蛍光検出分析基板用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール化合物および/又はトリアジン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤およびフェノール系安定剤を、各々、0.1〜1重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 更に離型剤を、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.005〜1重量部含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が8000〜18000であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形してなる蛍光検出分析基板。
  7. 表面に、DNA断片、酵素、抗原、抗体、エピトープ、タンパク質、糖鎖、細胞からなる群より選ばれる少なくとも一つの生体物質が結合してなるバイオチップであることを特徴とする請求項6に記載の蛍光検出分析基板。
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