JP2005179309A - 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン−1−オキシド化合物の製造方法 - Google Patents

1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン−1−オキシド化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の新規な製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(イ)で表される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を製造する方法において、2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物に1〜2当量の酸化剤を反応させ、アミン類またはアルコキシド類を反応させる。
Figure 2005179309

【選択図】 なし

Description

本発明は、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の新規な製造方法に関するものである。
1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物は、種々の機能を有することが報告されている。たとえば、回避条件反射を遮断する作用や5-ヒドロキシトリプタミン結合阻害といった生理活性作用が報告されている(非特許文献1)。また、酸化することにより種々の生理活性を有することが報告されている(非特許文献2、非特許文献3)。また、1,1-ジオキシド化合物(サッカリン化合物)を製造するための化合物である。このように、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物は特異な機能を有するとともに、重要な物質を製造するために有用な化合物である。
従来、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物は、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を酸化剤によって酸化することによって製造されている。この反応では、反応を完全に終了させるためには小過剰量の酸化剤を用いる。過剰量の酸化剤を用いる場合には、酸化が進みすぎる結果となり、ジオキシド化合物(スルホン化合物)が生成し、この化合物が目的生成物中の不純物となる。反応が進み過ぎないようにするために、専ら温度制御を注意深く行い、反応が進み過ぎないようにする必要があり、この点が問題点とされていた(非特許文献2)。
また、スルフィド化合物からスルホキシド化合物を選択的に得る方法として塩素ガスやN−クロロこはく酸イミド(NCS)等のハロゲン化剤を用いる方法(非特許文献4、非特許文献5)も知られている。しかしながら、これらの試薬は有害であり取り扱いに細心の注意をする必要があった。このようなことから、収率よく目的生成物を得ることができる、簡便な1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシドの製造方法の開発が望まれている。
このことを背景にして、本発明者らは1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を製造する際に、2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物と、アミン化合物を反応させることにより、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を製造することができることを見出さした(特許文献1)。この方法では出発物質としての2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を単離して十分精製して用いなければならず、この点が問題であると考えている。
特願2003−033467 M. Abou-Gharbinら, J. Med. Chem., 22, 1024-1033 (1987). E. A. Serebryakovら, Synthesis, 2001, 1657-1664. M. Katohgiら, Tetrahedron, 55, 14885-14900 (1999). J. Drabowiczら, Synthesis, 1979, 39-40. M. Haakeら, Synthesis, 1979, 97.
本発明の課題は、2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物とアミン化合物を反応させる方法において、2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を単離することなく、目的生成物の収率が高い新規な製法を提供することである。
本発明者らは、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造方法について、鋭意研究を重ねた結果、初めに、2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物に1〜2当量程度の酸化剤を作用させて制御された状態で酸化反応を進行させ、アミン類またはアルコキシド類を反応させることにより、安全かつ容易に1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物が得られることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば下記一般式(イ)で表される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表される2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物に1〜2当量の酸化剤を反応させ、次にアミン類またはアルコキシド類を反応させることを特徴とする1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造方法が提供される。
Figure 2005179309

(式中、Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
Figure 2005179309


(式中、Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、及びニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、mは0または1〜5の整数である。)
本発明の2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物から1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を製造する方法によれば、酸化反応が進みすぎて、目的生成物中にスルホン化合物が混在するという問題点を解決でき、また、反応原料に取り扱いが困難なハロゲン化剤の使用しない方法であるから、副反応生成物の生成が少なく、危険な反応原料を使用しない工業的な1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の合成方法が得られるものである。
本発明は、下記一般式(イ)で表される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を目的生成物とする製造方法である。
Figure 2005179309

本発明の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の置換基は、以下の通りである。
(1)Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示す。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
具体的なアルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等を挙げることができる。
具体的なアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選ばれる原子を挙げることができる。
が複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nは0または1〜4の整数である。
本発明の出発物質は、2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物である。この化合物は、下記一般式(ロ)で示される公知物質である。
Figure 2005179309

本発明の出発物質である、2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の置換基は、以下の通りである。
(1)Rは、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数3〜8のシクロアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、及びニトロ基から選ばれる基又は原子を示す。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
具体的なアルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等が挙げられる。
具体的なアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選ばれる原子を挙げることができる。
が複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nは0または1〜4の整数である。
(2)Rは、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数3〜8のシクロアルキル基から選ばれる基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる原子又は基を示す。
具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基などを挙げることができる。
具体的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
具体的なアルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシロキシ基等を挙げることができる。
具体的なアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基等を挙げることができる。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選ばれる原子を挙げることができる。
が複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、mは0または1〜5の整数である。
前記2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物は、公知の方法により1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物とN−無置換スルフェンアミド化合物を反応させることにより得ることができる。
本発明で用いられる酸化剤は,過酸,過酸化物,及び環状過酸化物から選ばれる一化合物である。これらの過酸,過酸化物,環状過酸化物の具体例としては、過酢酸,過安息香酸,置換芳香族ペルカルボン酸,t−ブチルヒドロペルオキシド,クミルヒドロペルオキシド,ジメチルジオキシラン,メチルトリフルオロメチルジオキシラン,ビストリフルオロメチルジオキシラン,メチルエチルジオキシラン等を挙げることができる。
酸化剤を作用させた後に得られる酸化生成物を中間物質として単離することは必要ない。
次に、本発明では、反応原料である2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンを酸化剤により酸化して得られる生成物に対してアミン類またはアルコキシド類を作用する。その結果、目的生成物にNH結合を生成することができる。
前記アミン類である一般式(ハ)で表されるアミン化合物は、以下の通りである。
Figure 2005179309

前記、アミン化合物の置換基は、以下の通りである。
、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、及び炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を示す。
具体的な脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、芳香族基、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのシクロアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な芳香族炭化水素基としては、フェニル基、クメニル基(o,m,pがある。)、メシチル基、トリル基(o,m,pがある。)、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
また、R、Rは連結して環を形成していてもよい。
前記アミン化合物は、対応するアルコール化合物、ハロゲン化合物、ニトリル化合物、アルデヒド化合物、ニトロ化合物から製造されるが、市販の化合物が用いられる。
また、本発明のアルコキシド類としては、下記一般式(ニ)で表されるアルコキシド化合物を用いることができる。
Figure 2005179309

前記、アルコキシド化合物の置換基は、以下の通りである。
は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基を示す。
具体的な脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などを挙げることができる。これらのアルキル基は、芳香族基、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。これらのシクロアルキル基は、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基等の置換基により置換されていてもよい。
具体的な芳香族炭化水素基としては、フェニル基、クメニル基(o,m,pがある。)、メシチル基、トリル基(o,m,pがある。)、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらの芳香族基はハロゲン原子、アルコキシル基、ジアルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
は、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の金属イオンを示す。
前記一般式(ニ)で表されるアルコキシド化合物は、対応するアルコール化合物を金属と反応させて得ることができる。
本発明の新規な合成反応は次のような反応式(ホ)によって表すことができる。ここではアミン化合物を用いた場合について示してある。
Figure 2005179309

本発明において、下記一般式(ロ)で表される2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を酸化した場合、初めに1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン環上の硫黄原子が先に酸化され、次にスルフェニル基の硫黄原子が酸化されることに注目したものである。
したがって、酸化剤を2当量以内とすると、酸化反応が進みすぎることはなく、スルホン化合物の生成を防止することができる。
Figure 2005179309

(式中、Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、及びニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、mは0または1〜5の整数である。)
本発明における1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造は、好ましくは反応溶媒の存在下に行われる。この反応溶媒には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール等を挙げることができる。また、これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用される。
前記製造方法において、酸化反応における温度は−50℃〜50℃付近の温度で行うことができる。この範囲以下の温度では反応時間が遅くなり、この範囲を超えて高い温度で反応を行うと、分解反応や副反応が多くなる。さらに、前記反応温度の範囲は、−20℃〜30℃の範囲とすることが一層効果的である。
また、アミン類またはアルコキシド類を前記酸化反応生成物に作用させる温度範囲は、10℃〜150℃付近の温度で行うことができる。この温度範囲に満たない温度では、温度が低すぎて反応時間が長くなりすぎる結果となる。また、この温度範囲を超えると、温度が高すて、分解反応や副反応が多くなる。さらに前記温度範囲は、30℃〜100℃の範囲とすることが一層効果的である。
反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は1〜24時間で十分である。
実施例
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
なお、本発明の実施例は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれだけに限定されるものではない。なお、下記実施例によって製造される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物は、融点および各種スペクトルデータを既知の化合物と比較することより同定した。
内容積50mlのガラス製容器中に2-(2-エトキシカルボニルフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(50mg,0.151mmol)をアセトン(25ml)に溶解させ、ジメチルジオキシランのアセトン溶液(0.227mmol)を加え氷浴中で3時間撹拌を行った。過酸化物が残っていないことを確認の上、溶媒を減圧下留去させた。生成物を単離精製することなく塩化メチレン(25ml)に溶解させp-トルイジン(20mg,0.187mmol)を加えて室温で3時間撹拌を行った。塩化メチレンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:20:4)で精製することにより1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシドを収量19mg、収率75%で得た。
内容積50mlのガラス製容器中に2-(4-エトキシカルボニルフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(50mg,0.151mmol)をアセトン(25ml)に溶解させ、ジメチルジオキシランのアセトン溶液(0.227mmol)を加え氷浴中で24時間撹拌を行った。過酸化物が残っていないことを確認の上、溶媒を減圧下留去させた。生成物を単離精製することなく塩化メチレン(25ml)に溶解させp-トルイジン(20mg,0.187mmol)を加えて室温で3時間撹拌を行った。塩化メチレンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:20:4)で精製することにより1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシドを収量20.5mg、収率81%で得た。
内容積50mlのガラス製容器中に2-(2-ニトロフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(50mg,0.164mmol)をアセトン(25ml)に溶解させ、ジメチルジオキシランのアセトン溶液(0.246mmol)を加え氷浴中で24時間撹拌を行った。過酸化物が残っていないことを確認の上、溶媒を減圧下留去させた。生成物を単離精製することなく塩化メチレン(25ml)に溶解させp-トルイジン(21mg,0.196mmol)を加えて室温で3時間撹拌を行った。塩化メチレンを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:20:4)で精製することにより1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシドを収量24mg、収率89%で得た。
内容積50mlのガラス製容器中に2-(2-エトキシカルボニルフェニルスルフェニル)-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(50mg,0.151mmol)をアセトン(25ml)に溶解させ、ジメチルジオキシランのアセトン溶液(0.227mmol)を加え氷浴中で3時間撹拌を行った。過酸化物が残っていないことを確認の上、溶媒を減圧下留去させた。生成物を単離精製することなくメタノール(25ml)に溶解させナトリウムメトキシド(0.246mmol)を加えて室温で3時間撹拌を行った。メタノールを減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒 塩化メチレン:アセトン:メタノール=100:20:4)で精製することにより1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシドを収量23mg、収率91%で得た。

Claims (5)

  1. 下記一般式(イ)で表される1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物を製造する方法において、下記一般式(ロ)で表される2-スルフェニル-1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン化合物を1〜2当量の酸化剤と反応を行った後、アミン類またはアルコキシド類と反応させることを特徴とする1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造方法。

    Figure 2005179309

    (式中、Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。)
    Figure 2005179309

    (式中、Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは0または1〜4の整数である。Rは置換基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基から選ばれる基あるいは原子を示し、Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、mは0または1〜5の整数である。)
  2. 酸化剤として、過酸、過酸化物、及び環状過酸化物から選ばれる一化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造方法。
  3. アミン類として、下記一般式(ハ)で表されるアミン類を用いることを特徴とする請求項1に記載の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造方法。
    Figure 2005179309

    (式中、R、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、及び炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる原子又は基を示す。)
  4. アルコキシド類として、下記一般式(ニ)で表されるアルコキシド類を用いることを特徴とする請求項1に記載の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造方法。
    Figure 2005179309

    (式中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、及び炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を示す。Mは金属イオンを示す。)
  5. 請求項1の反応において、中間物質を単離することなく反応を行うことを特徴とする請求項1に記載の1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン-1-オキシド化合物の製造方法。
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WO2022051955A1 (zh) * 2020-09-10 2022-03-17 上海医药工业研究院 一种邻磺酰苯甲酰亚胺类化合物的制备方法

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