JP2005179096A - アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子とその製造方法、ならびに該粒子を用いた導電性塗料、導電性塗膜および導電性シート - Google Patents

アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子とその製造方法、ならびに該粒子を用いた導電性塗料、導電性塗膜および導電性シート Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の製造、および該粒子から透明性および導電性に優れた塗膜を有する導電性シートを提供する。
【解決手段】スズ塩のアルカリ水溶液に、インジウム塩の水溶液を添加し、得られたスズおよびインジウム含有水酸化物あるいは水和物にアルミニウム化合物を加えた後、pHを4〜10に調整する。次に水の存在下で110〜300℃で加熱処理し、ろ過、乾燥後、酸素を含む雰囲気下300〜800℃で加熱処理し、さらに還元雰囲気下150〜400℃で加熱処理する。平均粒子径が10nmから100nm、成分中のスズあるいはインジウムのうち、いずれか一元素あるいは両方の元素の一部が0.5〜15mol %のアルミニウムで置換されたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を得る。この粒子に結合剤及び溶剤を混合・分散して塗料とし、シート状基材に塗布して導電性シートとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、透明導電膜などに使用するスズ含有酸化インジウム粒子とその製造方法に関し、さらに詳しくは、成分の一部をアルミニウムで置換したアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子とその製造方法、および該粒子を用いた導電性シート等に関する。
従来、透明導電膜や透明導電性塗料の材料として、酸化スズ粒子、アンチモン含有酸化スズ粒子、スズ含有酸化インジウム粒子などが知られている。中でも、酸化インジウムにスズを含有させたスズ含有酸化インジウム粒子は、その可視光に対する高い透光性と、その高い導電性から、静電防止や電磁波遮蔽が要求されるCRT画面、LCD画面などに塗布して使用されている。また、スズ含有酸化インジウム粒子を含む塗料を塗布して作製されたシートは、その透光性と導電性により、ディスプレイ用のみならずタッチパネル用など、広範囲での応用が期待されている。
このようなスズ含有酸化インジウムは、可視光に対して透明であると同時に、酸素欠損により導電性を示す半導体であり、酸化インジウム中のスズがSn4+となって電子供給源となり、高い導電性を示すと考えられている。
スズ含有酸化インジウム粒子を結合剤中に分散させて塗布して使用する場合、高い透明性を得るためには、通常、粒子径を光の波長の1/2以下にする必要がある。したがって、例えば可視光に対して透明であるためには、粒子径を200nm以下の微粒子にする必要がある。
スズ含有酸化インジウム粒子の製造方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、硝酸インジウムと塩化スズの混合水溶液に、アンモニア水などのアルカリ水溶液を加えて、共沈水酸化物を作り、この水酸化物を還元雰囲気下で加熱処理してスズ含有酸化インジウム微粒子とする方法が知られている。この特許文献1に記載された例では、平均粒子径が0.1μm以下のスズ含有酸化インジウム粒子が得られており、その用途として導電性塗料や電磁波シールドが挙げられている。特許文献1では、得られた0.1μm以下の導電性粒子を用いることにより、厚み8μmの塗膜の全光線透過率が90%以上となるとしている。
これと同様の方法により、インジウムとスズの共沈水酸化物を作製した後、焼成、粉砕してスズ含有酸化インジウム粒子とする場合において、ナトリウムとカリウムの含有量を特定量以下にすることが、高い導電性を得る上で重要であるとしたものもある(特許文献2)。この特許文献2に記載された例では、粉砕後に、粒子径が0.01〜0.03μmのスズ含有酸化インジウム粒子が得られている。
上述した例と同様の方法によりインジウムとスズの共沈水酸化物を焼成してスズ含有酸化インジウム粒子とする際に、カリウムを存在させると、加熱処理温度を上げても焼結による凝集体が生成しにくいことを指摘したものもある(特許文献3)。この特許文献3に記載された例では、焼成、解砕後で、0.12〜0.3μmのスズ含有酸化インジウム粒子が得られている。
特許文献4には、アルミニウムをドーパントとして使用した例が記載されている。そこでは、透明導電膜用スパッタリングターゲットとして、酸化インジウムと酸化スズに加えて、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン等のドーパントを添加した複合酸化物が用いられている。そして、前記ドーパントを少量添加することにより、非晶質なスズ含有酸化インジウム膜を効率的に作製することができ、導電膜のエッチング性を向上させうるとされている。
なお、熱硬化性塗料中に、アンチモン、チタン、セリウム、スズ、インジウム、ジルコニウムおよびアルミニウムから選ばれる元素の化合物からなる無機粒子を添加した例として特許文献5があるが、そこにはスズ含有酸化インジウムにドーパントとしてアルミニウムを添加する旨の記載はない。その目的も長期保存安定性の向上であり、塗膜における透明性と導電性の両立や向上を目的としたものではない。
特開2002−68744号公報 特開平5−201731号公報 特開2001−220137号公報 特開2001−216843号公報 特開平10−120973号公報
上述したようなスズ含有酸化インジウム粒子を用いて塗膜を形成する場合、一般的には無機あるいは有機バインダーを溶解した溶媒中に前記粒子を分散させた塗料を調整し、この塗料を各種の基材上に塗布するという方法が採られる。このとき塗膜の透明性を得るために、粒子は微粒子であると同時に塗膜中で均一に分散している必要がある。
一方、微粒子にすると塗料中で粒子が2次凝集体を生成しやすく、均一な分散体を得ることが困難になる。このような凝集体が存在すると、塗膜の導電性が低下するのみならず、透明性も低下する。
また、スズ含有酸化インジウム粒子の本質的な問題として、微粒子にするほど塗膜の電気伝導度が低下するという問題がある。これは次のような理由によるものと考えられる。すなわち、塗布型導電膜の電気伝導は、粒子間接触を通して電気が流れることにより達成されるが、粒子どうしが点接触する部分では電気抵抗が相対的に高くなる。このような接触箇所は、粒子径が小さくなるほど、多くなる。その結果、全体として電気抵抗が増大する、つまり導電性が低下する。要するに、スズ含有酸化インジウム粒子そのものは導電性を有しているが、塗膜としての導電性は粒子間の接触抵抗によりほとんど決まるのである。
したがって、透明性を得るためには粒子径をできる限り小さくする必要があるが、粒子径を小さくすると導電性が低下するため、透明性と導電性はトレードオフの関係にある。
このため、従来のスズ含有酸化インジウム粒子を用いた塗膜では、透明性と導電性とのバランスが取れる適当な粒子径を有するものが用いられているが、蒸着法やスパッタ法で作製したスズ含有酸化インジウム膜に比べて、その特性において見劣りし、塗布という比較的簡便で低コストの手段を用いて作製できる利点を十分に活かしきれておらず、限られた用途にしか適用できないのが現状である。
本発明は、上記の事情に照らし、塗布型の透明導電膜等の材料として好適なアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子とその製造方法を提供すること、その特性を利用して透明性および導電性に優れた塗膜や導電性シート等を実現することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、従来のスズ含有酸化インジウム粒子に、特定の手段でアルミニウム置換を施す(スズ、あるいはインジウムの一部をアルミニウムで置換する)ことにより、導電性が向上することを見出した。そして、このようなアルミニウム置換スズ含有酸化インジウムを得るために、従来の製造方法とは全く異なる新規な製造方法を完成した。これにより、これまでの製造方法では不可能であった、透明導電膜等の材料として用いるのに適した特性を有するアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の開発に成功したものである。
すなわち、本発明のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、スズとインジウムと酸素とを含んでおり、粒子の形状が粒状で平均粒子径が10nmから100nmの範囲にあり、前記スズあるいはインジウムのうち、いずれか一元素あるいは両方の元素の一部が、0.5〜15mol %の割合で含有されたアルミニウムで置換されていることを特徴とするものである。
X線構造解析によれば、本発明のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子には、以下のような特徴が認められる。
(1) 粉末X線回折スペクトルに現れる回折ピークが、スズ含有酸化インジウムと同様の結晶構造を示すピークのみである。
(2) 粉末X線回折スペクトルに現れる回折ピークから求められる各面間隔が、平均粒子径およびスズの含率が同等であるスズ含有酸化インジウム粒子に対して、0.2〜1.5%減少している。後述するように、この値が0.2%より小さすぎると面間隔の減少により導電性の向上が図れず、1.5%より大きすぎると結晶構造の歪みが生じて導電性が悪くなる。
(3) 粉末X線回折スペクトルに現れる回折ピークのうち、(222)面に相当するピークの半値幅から求められる結晶子サイズが、前記平均粒子径と同等(10nmから100nmの範囲)であり、粒子のそれぞれが単一の結晶からなる。粒子のそれぞれが多結晶体である場合、一つの粒子内部における電気伝導の際に結晶間のポテンシャル障壁が生じ、導電性を低下させる結果となるため、粒子のそれぞれが単一の結晶からなることが好ましい。
本発明のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子において、BET比表面積は後述するように10〜70m2 /gであることが好ましい。
アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子におけるスズ、インジウム、アルミニウムおよび酸素の含率は、後述するように、合計で99.9〜100mol %であることが好ましい。
なお、本発明で規定した「アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子」の特性(構成)は、通常、当該粒子の集合体、つまり粉体についてのものであるが、個々の粒子についての特性を指す場合もある。本発明で規定した「平均粒子径」や「BET比表面積」等は集合体としての粒子の特性であり、「単結晶構造」は個々の粒子ついての特性である。本発明で特定した「含率」や「X線回折スペクトルにおけるピーク」等は原理的には個々の粒子についての特性であるといえるが、実際には粒子の集合体である粉体を用いて試料を作製し、それについて測定したものである。粉体pH(粉末/純水=2/40の割合で混合し、5分間煮沸後の上澄液のpH)も同様である。この粉体pHは、後述するように3.0〜7.0の範囲内が好ましい。
本発明の製造方法は、上記のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を製造するためのものである。すなわち、あらかじめスズ塩を溶解したアルカリ水溶液に、インジウム塩の水溶液を添加し、得られたスズとインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物にアルミニウム化合物を加えた後、水の存在下で110〜300℃の温度範囲で加熱処理し、ろ過、乾燥後、さらに空気中300〜1000℃(好ましくは300〜800℃)の温度範囲で加熱処理し、更に還元雰囲気中150〜400℃の温度範囲で還元処理を行うことにより、上記の粒子径等を有するアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を製造するものである。なお、本発明において粒子の形状が粒状とは、粒子の3方向(互いに直行する3方向)における直径をa、b、cとしたときに、それぞれの直径間の比(a/b、b/c、c/a)が60〜150%の範囲内であることを意味し、具体的には例えば球、楕円体、7面体以上の多面体等の形状であることを意味する。
この場合、アルミニウム化合物は、水酸化アルミニウムまたは水酸化酸化アルミニウムであることが好ましく、アルカリ水溶液はオキシアルカリアミンを含有しているのが好ましい(理由については後述する。
本発明の導電性塗料、導電性塗膜および導電性シートは、上記のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて作製したものである。すなわち、本発明の導電性塗料は、上記アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子と、結合剤と、溶剤とを含んでなり、導電性塗膜は、得られた導電性塗料を塗布・乾燥してなる。また、導電性シートは、シート状の基材と、その上に塗布形成された透明な導電性塗膜とを有し、このうちの導電性塗膜に、上記のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を含有させたものである。この導電性シートを作製するにあたっては、後述するように、シート状の基材に導電性塗膜を形成した後、面圧力9.8×104 〜9.8×106 Paでプレス処理またはカレンダ処理を施すのが好ましい。この際、面圧力がこれより低くても問題はないが、十分に導電性を向上させるためには9.8×104 Pa以上であることが好ましい。また、面圧力が高すぎても導電性の面では問題ないが、導電性の向上は一定の圧力で飽和するため、高圧力にする意味がなく、さらに装置が高価なものとなるため、メリットがない。
本発明で得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、従来のスズ含有酸化インジウム粒子のスズあるいはインジウムの一部がアルミニウムで置換されていることにより、粒子本来の導電性が著しく向上し、そのため基材に塗布した際の導電性が向上する。また、その分散性の良さにより、塗膜としたときに高い透明性を示し、しかも粒子本来の導電性が向上しているために、優れた導電性を示す。このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、従来のスズ含有酸化インジウム粒子と比較して導電性に優れるため、塗膜厚さを低減することが可能となり、この点でも透明性向上に寄与する。その結果、この粒子を用いた塗膜や塗布型の導電性シートは、従来のスズ含有酸化インジウム粒子を用いた塗膜等に比べて、透明性および導電性が大幅に向上する。
このように、本発明のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、従来のスズ含有酸化インジウム粒子に比べて、アルミニウム置換により導電性を向上させたものであり、また、これを用いて作製した透明な導電性塗膜や導電性シートは、従来のスズ含有酸化インジウム粒子ではトレードオフ関係にあった塗膜の透明性と導電性との両立が可能となったものである。
本発明の製造方法は、従来の製造法とは異なる新規な製造方法であり、その結果得られるアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、粒子の平均粒子径が10nmから100nmの範囲にある。このようなスズ含有酸化インジウム粒子は、従来の方法では得ることが不可能であったものであり、本発明により初めて開発に成功したものである。
本発明で得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、塗布型透明導電膜用の導電性粒子として最適であり、その産業上の利用価値は極めて大きい。
本発明方法では、まず第一工程として、あらかじめスズ塩を溶解したアルカリ水溶液に、インジウム塩の水溶液を添加し、得られたスズとインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物にアルミニウム化合物を加えた後、水の存在下で110〜300℃の温度範囲で加熱処理することにより、目的とする形状、粒子径に整える。
次いで第二工程として、このスズとインジウムとアルミニウムとを含有してなる水酸化物あるいは水和物を空気中300〜1000℃(好ましくは300〜800℃)の温度範囲で加熱処理することにより、粒子径分布が均一で、焼結、凝集が少ないアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を得る。
さらに、第三工程として、加熱処理により得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を、還元雰囲気下で150〜400℃の温度範囲で加熱処理を行うことにより、結晶中に酸素欠損を生成し、導電性の良いアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を得る。
このようにアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の製造において、形状、粒子径を整えることを目的とする工程と、その材料が本来有する物性を最大限に引き出すことを目的とする工程とを分離するという製法により、これまでの製造方法では不可能であった、粒子の平均粒子径が10nmから100nmの範囲にあるアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の開発に成功したものである。
次に、以上の工程により製造したアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子および結合剤(バインダ)に溶剤を加えて一定の割合で混合分散して塗料を調整し、この塗料をシート状(フィルム状を含む)の基材上に塗布することにより、塗膜(基材が透明な場合はシート全体)が透明な導電性シートを得る。このような工程により製造した本発明のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いた塗膜や、このような塗膜が表面に形成された導電性シートは、従来の導電性粒子を用いた塗膜や導電性シートでは得られなかった、高い透明性と導電性とを両立させた、優れた性能を発揮する。
以上のように、本発明では、平均粒子径が10nmから100nmの範囲にあるアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の開発に初めて成功したものであり、得られた粒子は、透明導電性塗膜に用いるのに最適な導電性粒子となる。
以下、本発明に係るアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の製造方法について更に詳細に説明する。
(沈殿物の作製)
まず、塩化インジウム、硝酸インジウム、硫酸インジウムなどのインジウム塩を水に溶解させ、インジウムイオンを含有する水溶解液を作製する。これらインジウム塩のうち、結晶性の良いスズ含有酸化インジウム粒子を得る上で、塩化物を使用することが好ましい。これとは別に、スズイオンを含有するアルカリ溶液を作製する。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水溶液などのアルカリを水に溶解した後、塩化スズ、硝酸スズ、硫酸スズなどのスズ塩を溶解させて、アルカリ溶液とする。このアルカリ溶液にはオキシアルカリアミンを添加しても良い。オキシアルカリアミンは、アルカリ領域でのpH緩衝剤であると同時に結晶成長制御剤としても作用し、最終生成粒子の粒子径分布をシャープにし、微粒子化する上で効果がある。添加するオキシアルカリアミンとしては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソブタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられるが、中でも粒子径分布の良い微粒子を得る上で、モノエタノールアミンが最適である。
次に前記スズ塩およびインジウム塩水溶液を、アルカリ水溶液中に滴下して、スズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物の沈殿物を生成し、この沈殿物を含む懸濁液に、アルミニウムに換算して0.5〜15mol %のアルミニウム化合物を加える。アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウムや水酸化酸化アルミニウムなどが挙げられ、その添加量は、アルミニウムに換算して0.5〜10mol %が好ましく、3〜8mol %がより好ましい。このようにして前記沈殿物を構成している元素の一部を3価のアルミニウムで置換することにより導電性が上がるという現象については、詳細な理由は不明であるが、例えば、インジウム及びスズと比較してイオン半径の小さなアルミニウム元素を置換したことにより、X線回折スペクトルから求められる面間隔がわずかに減少し、電気伝導に寄与する元素間距離が近くなったためであると考えられる。あるいは、スズ含有酸化インジウム粒子の表面付近でアルミニウムによる置換が起こることにより、粒子表面の特性が変化し、接触抵抗が低減される、といった理由も考えられる。このように、3価のインジウム、4価のスズからなる酸化物微粒子の構成元素の一部がアルミニウムで置換されることで導電性が上がるという現象は、本発明者らが初めて見出したものである。
アルミニウム置換は、常識的には3価のインジウムベースの酸化物に3価の不純物を注入することであり、アルミニウムは伝導電子にとって散乱体として働くため、この観点から言えば導電性は低下する。したがって、イオン半径の異なる元素を置換したことにより面間隔が減少し、導電性が上昇すると仮定すれば、アルミニウムが散乱体として働くための導電性の減少とが同時に起こり、その兼ね合いの結果として、アルミニウム濃度が低すぎると有効な面間隔の減少が起こらないため導電性の上昇が起こらず、逆にアルミニウム濃度が高すぎると散乱体としての効果が顕著となり導電性が減少すると考えられる。このように、アルミニウムをある限られた濃度で添加することにより、導電性が著しく上昇するという現象は、本発明者らが初めて見出した画期的な結果である。
以上の理由により、アルミニウム化合物の添加量は、アルミニウムに換算して0.5〜15mol %、さらには0.5〜10mol %が好ましく、3〜8mol %がより好ましい。また、アルミニウムで置換することにより起こる面間隔の減少度合いは、小さすぎると面間隔の減少による導電性の向上が起こらず、大きすぎると、結晶構造の歪みが生じて導電性が悪くなったり、アルミニウム濃度が過多であり導電性が逆に低下することを指し示すこととなり、0.2〜1.5%の減少が好ましい。
このアルミニウム化合物の添加後において、pHを4〜10の範囲に調整し、この懸濁液を10〜50℃の温度範囲において10〜100時間熟成することが好ましい。このpH調整および熟成は、この後の工程の水熱処理工程において、比較的低い処理温度で、アルミニウム置換をおこなって結晶性の良いアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を得る上で効果的である。熟成時間は、10時間より短いと、熟成の効果は小さく、100時間より長い場合は、特に悪い影響は与えないが、熟成の効果が飽和するため、あまり意味がない。水酸化スズが両性化合物であり、高アルカリあるいは高酸のpH領域で溶解してしまうため、前記pHは4〜9がより好ましく、5〜8がさらに好ましい。また、後の水熱処理による結晶成長の際に必要となる「核晶」が熟成工程で生成すると考えられるという点で、前記熟成時間は10〜60時間がより好ましく、10〜24時間がさらに好ましい。
(水熱処理)
スズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物およびアルミニウム化合物の沈殿物を含む懸濁液に対し、オートクレーブ等を用いて水熱処理を行う。この水熱処理において、前記沈殿物を含む懸濁液を水洗することにより、前記沈殿物以外の生成物や残存物を除去し、その後、NaOHなどにより再度pH調整しても良い。この時のpHの値は、4〜10とすること好ましい。pHがこの範囲より高くても低くても、水熱処理時に水酸化スズあるいはアルミニウム化合物が再溶解する危険性がある。さらに、最終生成物であるアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を、結合剤中に分散させて透明導電膜用の塗料を作製する際には、粒子の表面特性が分散性に大きな影響を与える。この表面特性としては、粉体pHが酸性域であると分散性が向上し、より短時間で、透明性の高い塗膜を得ることが可能となる。この点で、粉体pHは3〜7であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。このような粉体pHを実現するという点において、水熱処理工程における懸濁液のpHの値は、4〜10とすることが好ましく、4〜8であることがより好ましく、4〜6がさらに好ましい。
水熱処理温度は、110℃から300℃の範囲である。この温度より低いと、結晶性の良い微粒子が得られにくく、またこの温度より高いと発生圧力が高くなるため、装置が高価なものとなり、メリットはない。この点で、より好ましい温度範囲は110〜200℃であり、さらに好ましくは150〜200℃である。
水熱処理時間は、1時間から6時間の範囲が好ましい。水熱時間が長すぎても特に問題となることはないが、製造コストが高くなるだけで、意味がない。水熱処理時間が短すぎると、結晶成長が不十分になり、後の乾燥加熱処理時に焼結が起こりやすくなり、最終生成物である粒子が多結晶体となりやすい。多結晶粒子では、粒子内で電気伝導の障壁が生じることとなり、単結晶粒子と比較して導電性が低下する。この点で、より結晶成長を促すために、水熱処理時間は4〜5時間の範囲がより好ましい。
(加熱処理)
水熱処理後の、スズとインジウムとアルミニウムとを含んでなる水酸化物あるいは水和物粒子は、ろ過、乾燥した後、加熱処理を行うが、ろ過する前に、水洗によりpHを6〜9の付近の中性領域に調整しておくことが好ましい。これは、水洗により水溶性のNaイオンが、あるいはオキシアルカリアミンを加えた場合であればアミン含有物質が除去されるためである。最終生成物において、このようなNaイオンやアミン含有物質が残存した状態であると、結合剤中に分散させる工程において分散性が悪くなったり、最終的に作製された導電性塗料中にNaイオンなどが残存した状態になり、実際に透明導電膜を電子機器等に応用する際に、大きな問題となる。このため、スズ、インジウムおよびアルミニウム以外の不純物元素はできる限り除去し、このような不純物元素の残存量が0.1mol %以下となるようにすることが好ましい。
また、上記のスズとインジウムとアルミニウムとを含んでなる水酸化物あるいは水和物粒子に、さらに珪酸ナトリウムなどの珪素化合物を添加して、シリカ処理を施こしても良い。このシリカ処理は、最終目的物であるアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を微粒子に保持する上で、効果的である。
この処理により最終的にアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の表面にシリカの被膜が形成される。先に述べたように粒子形状を保持するためにはシリカは効果的であるが、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の表面にシリカの被膜が形成されると、当該粒子の導電性を低下させるおそれがある。このため、シリカ処理に用いる珪素化合物は、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子に対して、珪素量で換算して0.1〜5重量%となるように添加することが好ましい。この際にも、スズ、インジウム、アルミニウムおよび珪素以外の不純物元素は、0.1mol %以下であることが好ましい。
次に、ろ過、乾燥した、スズとインジウムとアルミニウムとを含んでなる水酸化物あるいは水和物は、加熱処理によりアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子とすることができる。加熱処理の雰囲気は、酸素を10%以上含んだものであれば特に限定されないが、空気中加熱が、最も製造コストがかからないため好ましい。加熱処理温度としては、300〜800℃、中でも300〜700℃の範囲が好ましい。加熱処理温度が低いと、インジウムがスズで置換された結晶構造にはなりにくく、酸化スズと酸化インジウムの混合物にアルミニウムが置換されたような構造になり、十分な電気伝導性が得られにくい。一方、加熱処理温度が高すぎると、粒子同士が焼結しやすくなり、塗料にする時に、十分な分散性を得にくくなり、その結果、塗膜の透明性が低下しやすくなる。このような意味から、加熱処理温度は、300〜700℃がさらに好ましく、300〜600℃が一層好ましい。
上記加熱処理後のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を、還元雰囲気中、150〜400℃の温度範囲で、還元処理を行うことにより、導電性をさらに高めることができる。これは、還元により生じた酸素欠損によりドナーバンドが形成されるとともに、In3+がSn4+で置換されることによりキャリアが高密度にドープされる結果、高い導電性を持つに到るためであると考えられる。この際、還元処理温度が高すぎると、粒子表面の凹凸が激しくなるため、最終生成物のBET比表面積の値が大きくなり、塗料を作製する際に分散が困難となり、さらには、金属インジウムが析出することもある。また、還元処理温度が低すぎると酸素欠損が起こりにくく、十分な導電性が得られにくい。この点で、還元処理温度は、200〜300℃の温度範囲がより好ましい。
このようにして得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、粒子径が10〜100nmの単結晶粒子であり、かつBET比表面積が10〜70m2 /gであり、粒状形状を有する。粒子径がこれより小さい、あるいはBET比表面積がこれより大きいと、粒子同士の凝集力が極端に強くなり、十分に分散することが困難となる。また粒子径が大きすぎる、あるいはBET比表面積が小さいと、分散・塗布した際に塗膜の可視光透明性が低下してしまう。これらの理由から、得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の中でも特に、粒子径が20〜60nmかつBET比表面積が30〜60m2 /gのものは、塗料中に分散した際に分散性および透明性がより向上し、透明導電膜用として特に好ましい。
(塗料・シート作製)
本発明に係る導電性シートは、上記のようにして作製されたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子に、結合剤と溶剤とを加えて混合・分散して導電性塗料を作製し、これをシート状の基材上に塗布することによって作製される。次に、この導電性シートの作製について述べる。
導電性シートを構成する基材としては、例えば、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等の樹脂を押し出し成形、カレンダ成形、圧縮成形、または射出成形等により溶融成形する方法や、溶剤に溶解させてキャスティングする方法等の公知の方法により、フィルム状またはシート状に成形したものが使用できる。その厚みは10μm〜5mm程度であることが好ましい。なお、これらの基材に、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤等の添加剤が添加されていてもよい。さらに、膜の密着性を向上させるために、基材表面に易接着層(プライマー)を設けたり、またはコロナ処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を行っても良い。
アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子と結合剤との分散体を作製する際の分散機は、特に限定されるものではなく、三本ロールミル、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散等、公知の分散機が使用できる。
アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子と結合剤の比率は、塗料中の固形分の重量含率が50〜99%となるようにするのが好まく、70〜92%となるようにするのが、より好ましい。重量含率が50%より低いと、導電性微粒子同士の接触確率が低下し、導電パスの形成がなされにくいため、導電性が低下する。一方、重量含率が99%以上になると、結合剤と粒子の結着性が低下し、粉落ちや、膜のひび割れが生じたり、塗膜と基材との密着性の低下が生じたりし、結果として塗膜としての導電性が低下する。また、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子と共に、他の導電性物質(例えば、Au、Agなどの金属、金属コロイド、カーボンナノチューブ等)を、結合剤中に光学特性が低下しない程度に添加した場合でも、導電性物質の重量含率は、上記の範囲であることが好ましい。
結合剤(高分子バインダ)は、分散を阻害しないのであれば水系、非水系問わず使用することが可能である。例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリブチラール等およびこれらの樹脂を共重合させた樹脂を使用することができる。必要に応じて官能基を有した結合剤や、ポリチオフェン誘導体(PEDOT)、N、N−ジ(ナフタレン−1−ニル)−N、N−ジフェニル−ベンジデン誘導体(NPB)、ポリ[ 2−メトキシ−5−(2' −エチルヘキシルオキシ)−1、4−フェニレンビニレン] (MEH−PPV)などの導電性高分子材料を使用することも可能である。また、塗料安定性を高めるために、光学特性、導電性に影響がない程度に公知の分散剤、界面活性剤、レべリング剤等を添加しても良い。
導電性塗料に使用する溶剤としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を挙げることができる。これらは単独で、もしくは任意の比率で混合して使用できる。
次に、基材の上から、公知の塗工法(ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、マイクログラビアコート)や印刷法(グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷)等により、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を含む導電性塗膜を形成する。
導電性塗膜の乾燥膜厚は、50nm〜15μmが好ましく、500nm〜5μmがより好ましい。乾燥膜厚が50nmより薄いと十分な導電性が得られず、15μm以上になると、塗膜の可視光透過率が悪くなり透明性が低下したり、塗膜にひび割れが生じる恐れがあるため、好ましくない。
また、作製した塗膜に対してカレンダ処理をすることにより、膜の導電性、光学特性の向上が得られる。この場合、カレンダ処理条件は、処理速度1〜30m/分、熱処理温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、Tg±50℃の範囲内、加圧条件は面圧力9.8×104 〜9.8×106 Pa(1〜100kg/cm2 )の範囲内で有効である。
以下、本発明の実施例について説明する。
(粉末作製)
0.75モルの水酸化ナトリウムを400mlの水に溶解した後、このアルカリ溶液に0.007モルの塩化スズ(IV)五水和物を溶解し、アルカリ水溶液を調整した。これとは別に、0.067モルの塩化インジウム(III)四水和物を400mlの水に溶解して、塩化インジウムの水溶液を作製した。前者の塩化スズを含むアルカリ水溶液に、後者の塩化インジウム溶液を滴下して、スズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物の沈殿物を作製した。さらに、この懸濁液に塩酸を加えることにより、pHを5に調整した。次に、このスズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物に対して、最終生成物においてアルミニウム換算で5mol %となるようにアルミニウム化合物として水酸化酸化アルミニウムを加え、この沈殿物を室温で懸濁液の状態で約20時間熟成させた。
次に、この沈殿物を含む懸濁液に塩酸を添加して、pHを5.0に再調整し、オートクレーブに仕込み、180℃で4時間、水熱処理を施した。
得られた水熱処理生成物をpH6.7になるまでろ過洗浄し、90℃で空気中乾燥したのち乳鉢で軽く解砕し、空気中600℃で1時間の加熱処理後、250℃、水素雰囲気中で還元処理を行ってアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子とした。
得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子について、透過電子顕微鏡で形状観察を行ったところ粒子径が約30nmの粒状粒子が観測され、BET比表面積は34m2 /gであった。
このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子のX線回折スペクトルを図1に、また、20万倍で撮影した透過電子顕微鏡写真を図2に示す。X線回折スペクトルに現れる回折ピークは、スズ含有酸化インジウムと同様の結晶構造であることを示しており、アルミニウムの化合物に起因する回折ピークが現れていないことから、アルミニウム置換されたスズ含有酸化インジウムとなっていることがわかる。また、この回折ピークから求められた(222)面の面間隔は0.291nm(2.91Å)であり、アルミニウムを置換しない同等の平均粒子径およびスズ含有量であるスズ含有酸化インジウム粒子の場合と比較して、0.8%減少している。さらに、この(222)面を示すピークの半値幅から求められた結晶子サイズは32nmであった。これは、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子が単結晶粒子であることを示している。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.074%であった。
(塗膜作製)
次に、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子粉を用い、以下の塗布液成分を攪拌、混合した後、ペイントシェイカーを用いて25分間分散させて塗布液を調整した。
・アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子 85部
・ポリメタクリル酸メチルアクリレート 15部
(三菱レイヨン社製BR113)
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 50部
この塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)製の透明なシート状の基材上に、バーコーターを使用して乾燥後の厚さが3μmになるように塗布し、乾燥させることにより、表面に透明な導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、アルカリ水溶液を調整する際に100mlのオキシアルカリアミンを加え、実施例1と同様にスズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物の沈殿物を作製し、この懸濁液に塩酸を加えることによりpHを8.0に調整した以外は、実施例1と同様にして、スズ含有酸化インジウムの水酸化物あるいは水和物を含有する沈殿を生成させ、水洗、ろ過、乾燥、加熱処理後、還元処理して、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子について、透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が約20nmの粒状粒子が観測され、BET比表面積は42m2 /gであった。さらに、X線回折スペクトルを測定したところ、実施例1と同じくアルミニウム置換されたスズ含有酸化インジウムとなっており、(222)面の面間隔は0.290nm(2.90Å)であり、アルミニウムを置換しない場合と比較して1.0%減少している。さらに、この(222)面を示すピークの半値幅から求められた結晶子サイズは17nmであった。これは、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子が単結晶粒子であることを示している。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.094%であった。
次に、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて、実施例1と同様にして乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、塩化スズを含むアルカリ水溶液に塩化インジウム溶液を滴下して、スズおよびインジウムを含む水酸化物あるいは水和物の沈殿物を作製した後、pHを7.0に調整した以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム化合物を加え熟成した後、スズとインジウムとアルミニウムとを含んでなる水酸化物あるいは水和物を作製し、水熱処理を行い、ろ過洗浄、乾燥、加熱処理して、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子について、透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が約40nmの粒状粒子が観測され、BET比表面積は28m2 /gであった。さらに、X線回折スペクトルを測定したところ、実施例1と同じくアルミニウム置換されたスズ含有酸化インジウムとなっており、(222)面の面間隔は0.292nm(2.92Å)であり、アルミニウムを置換しない場合と比較して0.6%減少している。さらに、この(222)面を示すピークの半値幅から求められた結晶子サイズは38nmであった。これは、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子が単結晶粒子であることを示している。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.068%であった。
次に、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて、実施例1と同様にして乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、加える水酸化酸化アルミニウムの量を、アルミニウム換算で8mol %にした以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子について、透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が約60nmの粒状粒子が観測され、BET比表面積は22m2 /gであった。さらに、X線回折スペクトルを測定したところ、実施例1と同じくアルミニウム置換されたスズ含有酸化インジウムとなっており、(222)面の面間隔は0.290nm(2.90Å)であり、アルミニウムを置換しない場合と比較して1.1%減少している。さらに、この(222)面を示すピークの半値幅から求められた結晶子サイズは57nmであった。これは、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子が単結晶粒子であることを示している。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.089%であった。
次に、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて、実施例1と同様にして乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、加えるアルミニウム化合物を、水酸化酸化アルミニウムから水酸化アルミニウムにした以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子について、透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が約20nmの粒状粒子が観測され、BET比表面積は49m2 /gであった。さらに、X線回折スペクトルを測定したところ、実施例1と同じくアルミニウム置換されたスズ含有酸化インジウムとなっており、(222)面の面間隔は0.292nm(2.92Å)であり、アルミニウムを置換しない場合と比較して0.3%減少している。さらに、この(222)面を示すピークの半値幅から求められた結晶子サイズは21nmであった。これは、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子が単結晶粒子であることを示している。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.073%であった。
次に、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて、実施例1と同様にして乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
実施例1で作製したアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて、実施例1と同様に塗料を作製し、これを所定の厚みで基材上に塗布することにより、表面に乾燥膜厚1μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
実施例1で作製したアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用い、実施例1と同様にしてシート状の基材上に乾燥膜厚3μmの塗膜を作製した後、カレンダ処理を行うことにより、表面に導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。カレンダ処理の条件は、処理速度5m/分、温度70℃、面圧力50×9.8×104 Pa(50kg/cm2 )とした。カレンダ処理後の塗膜の厚さは、2.7μmであった。
[比較例1]
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、スズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物の沈殿物を生成した後、アルミニウム化合物を加えずに、熟成後、水熱処理を行い実施例1と同様にして、ろ過洗浄、乾燥した後、加熱処理して、スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
このスズ含有酸化インジウム粒子について、透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が約60nmの粒状粒子が観測され、BET比表面積は25m2 /gであった。また、X線回折スペクトルを測定したところスズ含有酸化インジウムとなっており、(222)面の面間隔は0.293nm(2.93Å)であった。さらに、この(222)面を示すピークの半値幅から求められた結晶子サイズは55nmであった。これは、このスズ含有酸化インジウム粒子が単結晶粒子であることを示している。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.085%であった。
次に、このスズ含有酸化インジウム粒子を用いて、実施例1と同様にして、乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
[比較例2]
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、スズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物の沈殿を生成した後、水酸化酸化アルミニウムを加え、熟成後、水熱処理を行わずに、そのままろ過洗浄した以外は、実施例1と同様にして乾燥した後、加熱処理して、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
この比較例2で得られたスズ含有酸化インジウム粒子は、X線回折の結果から、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウムとなっていることが認められたが、透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が0.1〜0.2μmの不定形の粒子であり、加熱による焼結が見られ、BET比表面積は6.5m2 /gであった。さらに、この(222)面を示すピークの半値幅から求められた結晶子サイズは87nmであった。これは、この粒子が多結晶体であることを示している。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.081%であった。
次に、このアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて、実施例1と同様にして乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
[比較例3]
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、スズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物の沈殿物を生成した後、酸化アルミニウムを加えた以外は、実施例1と同様にして乾燥した後、加熱処理して、スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
このスズ含有酸化インジウム粒子は、X線回折の結果から、スズ含有酸化インジウムと酸化アルミニウムの二相となっていることが認められ、透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が約50nmの酸化アルミニウムと思われる四角板状の粒子と、約40nmのスズ含有酸化インジウムと思われる粒状粒子との混合物であることが観測された。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.078%であった。
次に、この粒子を用いて、実施例1と同様にして乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
[比較例4]
実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の合成方法において、スズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物の沈殿物を生成した後、アルミニウム置換量が20mol %となるように水酸化酸化アルミニウムを加えた以外は、実施例1と同様にして乾燥した後、加熱処理して、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を作製した。
このスズ含有酸化インジウム粒子について透過電子顕微鏡観察を行ったところ、粒子径が約50nmの酸化アルミニウムと思われる四角板状の粒子と、約60nmの粒状粒子との混合物であることが観測された。さらに、X線回折スペクトルの結果から、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウムと酸化アルミニウムの二相となっていることが認められた。このうち、アルミニウム置換スズ含有酸化インジウムの回折ピークより求めた(222)面の面間隔は、アルミニウムを置換しないスズ含有酸化インジウムの場合と比較して約1.2%減少していた。なお、蛍光X線分析により求めた不純物濃度は、0.067%であった。
次に、得られた粒子を用いて、実施例1と同様にして乾燥膜厚3μmの導電性塗膜を有する導電性シートを作製した。
《評価》
〈粉体pH〉
実施例1〜5および比較例1〜4でそれぞれ得られた粒子について、粉体pHを調べた。粉体pHは、以下の手順で測定した。粉体5gを量り取り、100mlの純水に懸濁させたのち5分間煮沸し、室温まで冷却させる。その後、煮沸により蒸発した分の純水を加えて攪拌し、5分間静置して上澄みのpHを測定した(JIS K5101−1991準拠)。
〈粉末体積抵抗率〉
実施例1〜5および比較例1〜4でそれぞれ得られた粒子について、体積抵抗率を調べた。体積抵抗率は、三菱化学株式会社製のロレスタAPシステム(MCP−PD41)を用いて、四端子法により測定した。測定条件は、圧力150×9.8×104 Pa(150kgf /cm2 )、容器内径2cm、端子間距離3mmである。
〈塗膜表面抵抗率〉
実施例1〜7、比較例1〜4でそれぞれ得られた導電性シートにおける導電性塗膜について、表面抵抗率(JIS K7194−1994準拠)を調べた。表面抵抗率は、三菱化学株式会社製のロレスタAPシステム(MCP−PD41)を用いて、四端子法により測定した。
〈塗膜透過率〉
光透過率の波長依存性を調べるため、実施例1で得られた導電性シートにおける導電性塗膜について、光の波長200〜2500nmの範囲における光透過率スペクトルを、分光光度計(日本分光社製「Ubest V−570型」)を用いて測定した。この光透過率スペクトルを図3に示す。
また、同様の分光光度計を用いて、実施例1〜7および比較例1〜4でそれぞれ得られた導電性シートにおける導電性塗膜について、全光透過率とヘイズ値(JIS K7105準拠)を測定した。
《評価結果》
表1に、各実施例および比較例におけるアルミニウム濃度(アルミニウム置換量)、得られた粒子の特性および上記の評価結果をまとめて示す。
Figure 2005179096
表1から以下の点がわかる。
(1)各実施例で得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、比較例1で得られたアルミニウム置換していないスズ含有酸化インジウム粒子に比べて、粉末体積抵抗率、塗膜表面抵抗率ともに約2〜3桁程度低くなり、導電性が向上している。ただし、これらの粒子を用いて作製した塗膜については、各実施例と比較例1とで全光透過率は同等である
(2)実施例1〜5と実施例6・7とでは導電性塗膜の膜厚が異なっているが、その表面抵抗率はいずれも102 〜103 のオーダーであり、比較例中で表面抵抗率が最も低い比較例1と比べても1〜2桁低くなっている。このように本発明実施例の導電性塗膜では、膜厚を変化させた場合でも、高い導電性を保持することができる。
(3)比較例2で得られた不定形のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子については、各実施例で得られたものと比較して、その導電性は1〜2桁程度悪化している。例えば、実施例1のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子は、比較例2のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子と比較して、体積抵抗率が約2桁低く、表面抵抗率については約4桁低い。これは、各実施例で得られた粒子では、インジウム等の成分がアルミニウムで均一に置換されたのに対して、比較例2の粒子では加熱による焼結などの粒成長が不均一であるため、アルミニウムが均一に置換されず、酸化アルミニウムが分離、析出してしまったためと考えられる。
(4)比較例2で得られた粒子を用いて作製した塗膜は、全光透過率が著しく低い。これは、焼結により大きな粒子が混合したためと考えられる。
(5)比較例3・4では、粉末体積抵抗率、塗膜表面抵抗率ともに、各実施例と比較して著しく高い値を示している。これは、比較例3・4ではアルミニウムがうまく置換せず、酸化アルミニウムが析出してしまったことにより、スズ含有酸化インジウム粒子同士の電気伝導を妨げる結果となったためと考えられる。
実施例1で得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子のX線回折スペクトルを示した図である。 実施例1で得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の透過電子顕微鏡写真(倍率:20万倍)を示した図である。 実施例1で得られたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を用いて作製した塗膜の光透過率スペクトルを示した図である。

Claims (14)

  1. スズとインジウムと酸素とを含んでおり、
    粒子の形状が粒状であり、
    平均粒子径が10nmから100nmの範囲にあり、
    前記スズあるいはインジウムのうち、いずれか一元素あるいは両方の元素の一部が、0.5〜15mol %の割合で含有されたアルミニウムで置換されていることを特徴とするアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子。
  2. 粉末X線回折スペクトルに現れる回折ピークが、スズ含有酸化インジウムと同様の結晶構造を示すピークのみである、請求項1記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子。
  3. 粉末X線回折スペクトルに現れる回折ピークから求められる各面間隔が、平均粒子径およびスズの含率が同等であるスズ含有酸化インジウム粒子に対して、0.2〜1.5%減少している、請求項1または2記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子。
  4. 粉末X線回折スペクトルに現れる回折ピークのうち、(222)面に相当するピークの半値幅から求められる結晶子サイズが、前記平均粒子径と同等(10nmから100nmの範囲)であり、粒子のそれぞれが単一の結晶からなる、請求項1ないし3のいずれかに記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子。
  5. BET比表面積が10〜70m2 /gである、請求項1ないし4のいずれかに記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子。
  6. スズ、インジウム、アルミニウムおよび酸素の含率が合計で99.9〜100mol %である、請求項1ないし5のいずれかに記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子。
  7. 粉体pH(粉末/純水=2/40の割合で混合し、5分間煮沸後の上澄液のpH)が、3.0〜7.0の範囲内である、請求項1ないし6のいずれかに記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載されたアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子を製造するにあたり、
    あらかじめスズ塩を溶解したアルカリ水溶液に、インジウム塩の水溶液を添加し、得られたスズおよびインジウムを含有する水酸化物あるいは水和物にアルミニウム化合物を加えた後、この懸濁液のpHが4〜10の範囲になるように調整し、次いで水の存在下で110〜300℃の温度範囲で加熱処理し、ろ過、乾燥後、酸素を含む雰囲気下300〜800℃の温度範囲で加熱処理し、さらに還元雰囲気下150〜400℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とするアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の製造方法。
  9. 前記アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウムまたは水酸化酸化アルミニウムである、請求項8記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の製造方法。
  10. 前記アルカリ水溶液にオキシアルカリアミンが含有されている、請求項8または9記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子の製造方法。
  11. 請求項1ないし7のいずれかに記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子と、結合剤と、溶剤とを含んでなる導電性塗料。
  12. 請求項11に記載した導電性塗料を塗布・乾燥してなる導電性塗膜。
  13. シート状の基材と、その上に塗布形成された透明な導電性塗膜とを有し、このうちの導電性塗膜に、請求項1ないし7のいずれかに記載のアルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子が含有されてなる導電性シート。
  14. 導電性塗膜の形成後に面圧力9.8×104 〜9.8×106 Paでプレス処理またはカレンダ処理が施されてなる、請求項13記載の導電性シート。
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