JP2005176471A - 回転電機の固定子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コイルの放熱性を向上させる。
【解決手段】 固定子と回転子とからなる回転電機100の固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心108と、回転電機100の径方向に磁束が生じるように、スロットに巻着された主コイル114と、金属部材を成型することにより形成され、絶縁部材を介して主コイル114のコイルエンド部に設けられた補助ティース106、118とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 固定子と回転子とからなる回転電機100の固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心108と、回転電機100の径方向に磁束が生じるように、スロットに巻着された主コイル114と、金属部材を成型することにより形成され、絶縁部材を介して主コイル114のコイルエンド部に設けられた補助ティース106、118とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固定子と回転子とからなる回転電機の構造に関し、特に固定子の構造に関する。
従来、固定子と回転子とからなる回転電機において、固定子は、複数のスロットが形成されるステータ鉄心と、スロット間に設けられるティースに巻着されたコイルとから構成される。また、回転子は、ロータ鉄心と、磁力を帯びた磁石と、回転軸となるシャフトとから構成される。そして、コイルに電力が供給されることにより、磁界が発生する。発生した磁界に基づいて、回転子と固定子との間に磁束の流れが形成されることにより、回転子は回転力を得る。このとき、コイルのコイルエンド部は露出しているため、コイルエンド部における熱は、空気中へと伝達される。しかしながら、空気は熱の伝達率が低い。そのため、コイルエンド部における熱の放熱性能を向上させる技術としてコイルエンド部へ導風し、空冷能力を向上させる技術がある。また、コイルエンド部を樹脂モールドに代表される充填材で覆うことで放熱性能を向上させる技術が、以下の公報に開示されている。
特許文献1(特開平10−51989号公報)は、放熱性能が高いモールド型モータの技術を開示する。このモールド型モータは、ステータコアに巻線が巻装されたステータが、金属製の筒状のケーシングの内部にステータコアをケーシングの内壁面と密着させるようにして収納される。ステータコアの端部から突出する巻線のエンド部分とケーシングとの間に絶縁性封止材料が充填されてモールド部が形成される。巻線のエンド部分から出る熱は、モールド部を介してケーシングに伝達される。モールド型モータは、ケーシングの少なくとも一方の端部の内側に、ケーシングの端部の内壁面と密着するように、絶縁封止材料よりも熱伝導性に優れた熱伝導性材料からなる熱伝導部材が配置される。巻線のエンド部分から発生する熱をケーシングに全体的に伝達するように熱伝導部材が形成されている。
特許文献1によると、ケーシングの少なくとも一方の端部の内側に、ケーシングの端部の内壁面と密着するように、絶縁性封止材料よりも熱伝導性に優れた熱伝導性材料からなる熱伝導部材を配置する。そして、この熱伝導部材を、巻線のエンド部分から発生する熱をケーシングに全体的に伝達するには、巻線のエンド部分の周囲(または外周部)を熱伝導部材によりほぼ全体的に囲むようにするのが好ましい。このようにすると巻線のエンド部分から出た熱は、熱伝導部材を介してケーシングに放熱されるので、放熱効率が上がる。そのため、モータの内部温度を従来よりも数℃低下させることができる。
特開平10−51989号公報
コイルエンド部の放熱性能を向上させる技術として、空冷または特許文献1に開示されたモールド型モータのように樹脂充填等による放熱性能を向上させる技術が多く提案されている。しかしながら、空冷や樹脂充填における空気や樹脂の熱伝導率(熱伝達率)は、金属や水冷等における液体と比較して劣る。そのため、コイルエンド部の熱を放熱する際に、空冷または樹脂充填による放熱は、水冷あるいは金属を接触させて放熱を行なう場合とを比較して、充分な効果が得られていないという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コイルの放熱性を向上させた回転電機の固定子を提供することである。
第1の発明に係る回転電機の固定子は、固定子と回転子とからなる回転電機の固定子である。この固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心と、回転電機の径方向に磁束が生じるように、スロットに巻着されたコイルと、金属部材を成型することにより形成され、絶縁部材を介してコイルのコイルエンド部に設けられた放熱部材とを含む。
第1の発明によると、回転電機の固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心と、回転電機の径方向に磁束が生じるように、スロットに巻着されたコイルと、金属部材を成型することにより形成され、絶縁部材を介してコイルのコイルエンド部に設けられた放熱部材(たとえば、補助ティース)とを含む。補助ティースは、絶縁部材を介してコイルのコイルエンド部と圧接させると、コイルエンド部において発生した熱、あるいは、スロット内のコイルからコイルエンド部へと伝達した熱は、絶縁部材を介してコイルのコイルエンド部に設けられた補助ティースに伝達される。補助ティースは、金属部材を成型することにより形成されるため、樹脂等と比べて熱伝達率が高い。そのため、コイルエンド部における熱を効率よく放熱することができる。すなわち、コイルエンド部における放熱性を向上させることができる。また、補助ティースをコイルのコイルエンド部を覆うように形成すると、空冷あるいは樹脂充填によるコイルエンド部の放熱を行なうことと比較して、より効果的にコイルエンド部における熱を固定子鉄心に伝達させることができる。すなわち、コイルの放熱性を向上させた回転電機の固定子を提供することができる。
第2の発明に係る回転電機の固定子においては、第1の発明の構成に加えて、回転電機の固定子は、回転電機の回転軸と平行な方向に磁束が生じるように放熱部材に巻着された補助コイルをさらに含む。放熱部材は、補助コイルにより生じた磁束が、固定子鉄心から回転子に流れるように形成されるものである。
第2の発明によると、回転電機の固定子は、回転電機の回転軸と平行な方向に磁束が生じるように放熱部材(たとえば、補助ティース)に巻着された補助コイルをさらに含む。補助ティースは、補助コイルにより生じた磁束が、固定子鉄心から回転子に流れるように形成される。これにより、補助ティースは、放熱性の向上を図れる放熱部材としてだけでなく、磁気回路を形成する部材として用いることができる。
第3の発明に係る回転電機の固定子においては、第2の発明の構成に加えて、放熱部材は、固定子鉄心における回転軸に直交する面と平行な端面に対して、スロット間に設けられるティースに対応するように設けられる。放熱部材は、放熱部材が有する回転電機の径方向の端面が、回転子と対向するように形成されるものである。
第3の発明によると、放熱部材(たとえば、補助ティース)は、固定子鉄心における回転軸に直交する面と平行な端面に、スロット間に設けられるティースに対応するように設けられる。また、補助ティースは、補助ティースが有する回転電機の径方向の端面が回転子と対向するように形成される。これにより、固定子鉄心に設けられる補助ティースに巻着されたコイルから発生する磁束は、固定子鉄心から回転子に流れる。回転子に流れた磁束は、回転子から隣接する補助ティースへと流れる。このようにして磁束の流れが形成されることにより、回転子は、回転力を得る。したがって、補助ティースは、放熱性能の向上が図れる放熱部材としてだけでなく、磁気回路を形成する部材として用いることができる。そして、補助ティースの回転子と対向するように設けられた端面の分だけ、回転力の発生面を増加させることができる。
第4の発明に係る回転電機の固定子においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、放熱部材は、金属磁性粉末を加圧成型することにより形成されるものである。
第4の発明によると、放熱部材(たとえば、補助ティース)は、金属磁性粉末を加圧成型することにより形成される。そのため、固定子鉄心の端面に形成される補助ティースが複雑な形状となっても金属磁性粉末の加圧成型により形成させることができる。そのため、補助ティースをコイルエンド部を覆うような形状として形成させると、コイルの放熱性能を向上させることができる。また、たとえば、補助ティース部材を金属磁性粉末の加圧成型により形成し、電磁鋼板を積層して形成された部分固定子鉄心を組み合わせることにより、固定子鉄心を形成することもできる。そのため、補助ティースは、放熱性能の向上が図れる放熱部材としてだけでなく、磁気回路を形成する部材として用いることができる。
第5の発明に係る回転電機の固定子においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、固定子鉄心は、放熱部材と一体的な形状になるように金属磁性粉末を加圧成型することにより形成されるものである。
第5の発明によると、固定子鉄心は、放熱部材(たとえば、補助ティース)と一体的な形状になるように金属磁性粉末を加圧成型することにより形成される。そのため、固定子鉄心の端面に形成される補助ティースが複雑な形状となっても金属磁性粉末の加圧成型により固定子鉄心と補助ティースが一体的な形状となるように形成させることができる。そのため、補助ティースをコイルエンド部を覆うような形状として形成させると、コイルの放熱性能を向上させることができる。さらに、補助ティースは、放熱性能の向上が図れる放熱部材としてだけでなく、磁気回路を形成する部材として用いることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る回転電機の固定子について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本実施の形態に係る回転電機100は、回転子と固定子とから構成される。回転子は、シャフト102と、内部に図示しない磁石が埋め込まれたロータ鉄心104とから構成される。一方、固定子は、固定子鉄心108と、主コイル114とから構成される。なお、図1は、回転電機100の周方向に4分割したうちの1つを示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る回転電機100は、回転子と固定子とから構成される。回転子は、シャフト102と、内部に図示しない磁石が埋め込まれたロータ鉄心104とから構成される。一方、固定子は、固定子鉄心108と、主コイル114とから構成される。なお、図1は、回転電機100の周方向に4分割したうちの1つを示す。
固定子鉄心108は、中空円筒形状を有する。固定子鉄心108は、複数のスロットを有している。そして、スロット間のティース110に主コイル114が巻着される。主コイル114は、ティース110に対して、径方向に磁束が生じるように巻着される。すなわち、主コイル114の巻着方向が径方向に直交する面と平行になるように形成される。
また、固定子鉄心108の回転電機100の回転軸と直交する両端面には、本実施の形態に係る回転電機100の固定子の特徴となる補助ティース106、118が形成されている。そして、補助ティース106、118には、それぞれ補助コイル112、116が巻着されている。また、補助ティースは、固定子鉄心108が有する各ティースに対応して複数設けられる。また、固定子鉄心108は、補助ティースと一体的な形状となるように形成される。具体的には、固定子鉄心108は、たとえば、鉄粉のような金属磁性粉末と樹脂等の絶縁部材を混合して加圧成型することにより、各ティースに対応するように設けられる補助ティ−スと一体形状となるように形成される。これにより、補助ティースが複雑な形状となっても、形成されることが可能となる。
図2に示すように、図1の回転電機100の回転軸と補助ティース106を含むようにして回転軸と平行な方向に切断された2−2断面において、補助ティース106、118は、固定子鉄心のバックヨークに設けられる。そして、補助ティース106、118は、主コイル114のコイルエンド部を覆うように形成される。すなわち、主コイル114のコイルエンド部は、補助ティース106、118の回転電機100の回転軸と平行な方向の面と、固定子鉄心の両端面と平行な面により覆われる。補助ティース106、118と主コイル114のコイルエンド部とは、絶縁紙を介して圧接されている。これにより、主コイル114において発生した熱は、コイルエンド部から回転軸と平行な方向の補助ティース106、118へと伝達される。また、補助ティース106と固定子鉄心108との間には、補助コイル112が巻着される。また、補助ティース118と固定子鉄心108との間には、補助コイル116が巻着される。補助コイル112、116は、それぞれ回転電機100の回転軸と平行な方向に磁束が生じるように巻着される。すなわち、補助コイル112、116は、回転電機100の回転軸と直交する面に平行となるように補助ティース106、118のそれぞれに巻着される。
また、ロータ鉄心104は、電磁鋼板が予め定められた枚数だけ積層されて形成される。そして、ロータ鉄心104は、シャフト102に固定されている。回転子と固定子との位置関係は、図示しない筐体により予め定められた位置関係になるように保持される。すなわち、固定子は、筐体に固定される。また、回転子は、筐体に設けられた軸受け部にシャフト102が組み付けられることにより回転可能に支持される。これにより、回転子は、固定子と所定の間隔を保ちつつ、回転することが可能となる。
次に、図3に示すように、図2の回転電機100を補助ティース106を含むようにして回転軸と直交する面で切断した3−3断面において、補助ティース106における径方向の端面は、ロータ鉄心104と対向して形成される。ロータ鉄心104の内部には、磁石120が埋め込まれている。補助コイル112に電力が供給されると、補助コイル112において発生した磁界に基づいて、補助ティース106に磁束が生じる。補助ティース106に生じた磁束は、ロータ鉄心104と対向して形成された径方向の端面から回転子に磁束が流れる。そして、回転子に流れた磁束は、補助ティース106に隣接する補助ティースへと流れを形成する。このようにして、回転子は、補助コイル112において発生した磁界に基づいて、回転力を得る。
図4に示すように、図2の回転電機100を補助コイル112および主コイル114を含むようにして回転軸と直交する面で切断した4−4断面において、補助ティース106に巻着された補助コイル112は、主コイル114と絶縁紙等の絶縁部材を介して圧接された状態となる。すなわち、主コイル114において発生した熱は、回転電機100の回転軸と平行な方向の補助ティースに対してばかりでなく、絶縁紙等を介して径方向の補助コイル112に対して伝熱される。そして、補助コイル112から補助ティース106へと伝達された熱は、固定子鉄心108から筐体へと放熱される。
図5に示すように、図2の回転電機100をティース110および固定子鉄心108を含むようにして回転軸と直交する面で切断した5−5断面において、主コイル114は、ティース110に巻着されている。この主コイル114に電力を供給することにより、主コイル114には、磁界が発生する。そして、発生した磁界に基づいて、ティース110において回転電機100の径方向の磁束の流れが形成される。形成された磁束は、ティース110からティース110と対向した回転子へと流れる。そして、回転子へと流れた磁束は、ティース110に隣接したティースへと流れる。このような磁束の流れを形成することにより、回転子は回転力を得る。
図6に示すように、本実施の形態に係る回転電機100の固定子に設けられた補助ティース106および補助ティース106に隣接する補助ティース122において、巻着された補助コイルに電力を供給することにより発生した磁束は、以下のような流れを形成する。すなわち、a)磁束は、補助ティース122の内からロータ鉄心104のN極へと流れる。b)磁束は、ロータ鉄心104においてN極からS極に流れる。c)磁束は、ロータ鉄心104のS極から補助ティース106に流れる。d)磁束は、補助ティース106から固定子鉄心108に流れる。e)磁束は、固定子鉄心108において、補助ティース106の根元から補助ティース122の根元に流れる。f)磁束は、補助ティース122の根元から補助ティース122に流れる。このような磁束の流れに応じて、回転子は回転力を得る。
図7を参照して、以上のような構成における本実施の形態に係る回転電機100の固定子の製造方法について詳細に説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略して記載する。)1000にて、固定子鉄心108が製造される。固定子鉄心108は、前述したように金属磁性粉末の加圧成型により形成される。この加圧成型により固定子鉄心108は、補助ティース106、118がバックヨークに設けられた一体的な形状として成型される。
S1100にて、固定子鉄心108に設けられた補助ティース106、118に絶縁紙等の絶縁部材を設けた上で、補助コイル112、116が巻着される。巻着方法は、特に限定されないがたとえば、ノズルによる直巻きにより実現される。
S1200にて、予め環状に巻回した主コイル114を固定子鉄心のティースに絶縁紙等の絶縁部材を設けた上で、ティース110に対して組み付ける。そして、主コイル114に対して内周から外周方向に応力を加えることにより、補助コイル112、116と主コイル114とが圧接された状態となる。なお、補助コイル112、116と主コイル114との間においても、絶縁紙等を介在させて絶縁される。
S1300にて、主コイル114および補助コイル112、116の結線が行なわれる。S1400にて、結線された固定子鉄心108が筐体に組み付けられる。
以上のようにして、本実施の形態に係る回転電機の固定子によると、回転電機の固定子は、複数のスロットを有する固定子鉄心と、回転電機の径方向に磁束が生じるように、スロットに巻着されたコイルと、金属部材を成型することにより形成され、絶縁部材を介してコイルのコイルエンド部に設けられた補助ティースとを含む。補助ティースは、絶縁部材を介してコイルのコイルエンド部と圧接させると、コイルエンド部において発生した熱、あるいは、スロット内のコイルからコイルエンド部へと伝達した熱は、絶縁部材を介してコイルのコイルエンド部に設けられた補助ティースに伝達される。補助ティースは、金属部材を成型することにより形成されるため、樹脂等と比べて熱伝達率が高い。そのため、コイルエンド部における熱を効率よく放熱することができる。すなわち、コイルエンド部における放熱性を向上させることができる。また、補助ティースをコイルのコイルエンド部を覆うように形成すると、空冷あるいは樹脂充填によるコイルエンド部の放熱を行なうことと比較して、より効果的にコイルエンド部における熱を固定子ヨークに伝達させることができる。すなわち、コイルの放熱性を向上させた回転電機の固定子を提供することができる。
また、回転電機の固定子は、回転電機の回転軸と平行な方向に磁束が生じるように補助ティースに巻着された補助コイルをさらに含む。補助ティースは、補助コイルにより生じた磁束が、固定子鉄心から回転子に流れるように形成される。これにより、補助ティースは、放熱性の向上を図れる放熱部材としてだけでなく、磁気回路を形成する部材として用いることができる。
そして、補助ティースは、固定子鉄心における回転軸に直交する面と平行な端面に、スロット間に設けられるティースに対応するように設けられる。また、補助ティースは、補助ティースが有する回転電機の径方向の端面が回転子と対向するように形成される。これにより、固定子鉄心に設けられる補助ティースに巻着されたコイルから発生する磁束は、固定子鉄心から回転子に流れる。回転子に流れた磁束は、回転子から隣接する補助ティースへと流れる。このようにして磁束の流れが形成されることにより、回転子は、回転力を得る。したがって、補助ティースは、放熱性能の向上が図れる放熱部材としてだけでなく、磁気回路を形成する部材として用いることができる。そして、補助ティースの回転子と対向するように設けられた端面の分だけ、回転力の発生面を増加させることができる。
さらに、固定子鉄心は、放熱部材(たとえば、補助ティース)と一体的な形状になるように金属磁性粉末を加圧成型することにより形成される。そのため、固定子鉄心の端面に形成される補助ティースが複雑な形状となっても金属磁性粉末の加圧成型により固定子鉄心と補助ティースが一体的な形状となるように形成させることができる。そのため、補助ティースをコイルエンド部を覆うような形状として形成させると、コイルの放熱性能を向上させることができる。さらに、補助ティースは、放熱性能の向上が図れる放熱部材としてだけでなく、磁気回路を形成する部材として用いることができる。
<第1の実施の形態 変形例>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る変形例の回転電機の固定子について説明する。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る変形例の回転電機の固定子について説明する。
図8に示すように、本変形例に係る回転電機の固定子は、前述の第1の実施の形態に係る回転電機の構成と、回転子の構成が異なる。すなわち、回転子は、ロータ鉄心(1)202と、ロータ鉄心(2)204と、ロータ鉄心(3)206と、シャフト102とから構成される。これら以外の構成は、前述の第1の実施の形態に係る回転電機と同じ構成である。それらについては同じ参照符号を付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図8に示すように、回転電機100の回転子は、ロータ鉄心(1)202、ロータ鉄心(2)204と、ロータ鉄心(3)206と、シャフト102とから構成される回転子を含む。
ロータ鉄心(1)202は、補助ティース106の径方向の端面と対向するようにシャフト102に固定される。また、ロータ鉄心(2)204は、ティース110の径方向の端面と対向するようにシャフト102に固定される。そして、ロータ鉄心(3)206は、補助ティース118の径方向の端面と対向するようにシャフト102に固定される。
補助コイル112への電力の供給により発生する磁界に基づいて、補助ティース106において形成される磁束の流れは、ロータ鉄心(1)202を介して形成される。また、補助コイル116への電力の供給により発生する磁界に基づいて、補助ティース118において形成される磁束の流れは、ロータ鉄心(3)206を介して形成される。そして、主コイルへの電力の供給により発生する磁界に基づいて、ティース110において形成される磁束の流れは、ロータ鉄心(2)204を介して形成される。このように、補助コイル112、116および主コイル114は、それぞれ回転電機の径方向に対向するロータ鉄心(1)202、ロータ鉄心(3)206およびロータ鉄心(2)204のそれぞれとにおいて、磁束の流れを形成することにより、回転子は回転力を得る。
以上のようにして、本変形例に係る回転電機の固定子によると、前述のような第1の実施の形態に係る回転電機の固定子による効果と同様の効果を有する。さらに、ロータ鉄心をティース、補助ティースにそれぞれ対応するように、シャフトに固定することにより、磁束の流れが有する個所にロータ鉄心を設けることができる。すなわち、磁束の流れが生じない不要な個所にロータ鉄心を設けることがないため、効率よくロータ鉄心を設けることができる。そのため、ロータ鉄心の製造コストの低減が図れる。あるいは、回転子の重量の低減が図れる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る回転電機の固定子について説明する。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る回転電機の固定子について説明する。
図9を参照して、本実施の形態に係る回転電機の固定子は、前述の第1の実施の形態に係る回転電機の構成と、固定子の構成が異なる。すなわち、固定子鉄心108に代えて、固定子鉄心は、補助ティース部材302、306と、部分固定子鉄心304とから構成される。すなわち、補助ティース部材302、306と部分固定子鉄心304とは、が別体で構成される。これら以外の構成は、前述の第1の実施の形態と同じ構成である。それらについては同じ参照符号を付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図9に示すように、本実施の形態に係る回転電機の固定子は、部分固定子鉄心304と、補助ティース部材302、306とから構成される固定子鉄心を含む。部分固定子鉄心304は、電磁鋼板が予め定められた枚数だけ積層されて形成される。一方、補助ティース部材302、306は、たとえば、前述したような金属磁性粉末の加圧成型により形成される。
以上のようにして、本実施の形態に係る回転電機の固定子は、前述のような第1の実施の形態に係る回転電機の固定子による効果と同様の効果を有する。さらに、部分固定子鉄心が予め定められた枚数だけ積層して形成されるため、たとえば、回転軸と平行な方向に固定子鉄心の体格を大きくするときは、積層された電磁鋼板の枚数を変更するだけで対応できるため、固定子鉄心の製造コストの低減が図れる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 回転電機、102 シャフト、104 ロータ鉄心、106,118,122 補助ティース、108 固定子鉄心、110 ティース、112,116 補助コイル、114 主コイル、120 磁石、202 ロータ鉄心(1)、204 ロータ鉄心(2)、206 ロータ鉄心(3)、302,306 補助ティース部材、304 部分固定子鉄心。
Claims (5)
- 固定子と回転子とからなる回転電機の固定子であって、
前記固定子は、
複数のスロットを有する固定子鉄心と、
前記回転電機の径方向に磁束が生じるように、前記スロットに巻着されたコイルと、
金属部材を成型することにより形成され、絶縁部材を介して前記コイルのコイルエンド部に設けられた放熱部材とを含む、回転電機の固定子。 - 前記回転電機の固定子は、前記回転電機の回転軸と平行な方向に磁束が生じるように前記放熱部材に巻着された補助コイルをさらに含み、
前記放熱部材は、前記補助コイルにより生じた前記磁束が、前記固定子鉄心から前記回転子に流れるように形成される、請求項1に記載の回転電機の固定子。 - 前記放熱部材は、前記固定子鉄心における前記回転軸に直交する面と平行な端面に対して、前記スロット間に設けられるティースに対応するように設けられ、前記放熱部材が有する前記回転電機の径方向の端面が前記回転子と対向するように形成される、請求項2に記載の回転電機の固定子。
- 前記放熱部材は、金属磁性粉末を加圧成型することにより形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機の固定子。
- 前記固定子鉄心は、前記放熱部材と一体的な形状になるように金属磁性粉末を加圧成型することにより形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の回転電機の固定子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003411277A JP2005176471A (ja) | 2003-12-10 | 2003-12-10 | 回転電機の固定子 |
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---|---|---|---|---|
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-
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- 2003-12-10 JP JP2003411277A patent/JP2005176471A/ja active Pending
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US7679256B2 (en) * | 2005-06-10 | 2010-03-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Rotary electric machine |
JP2008125153A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Mitsubishi Electric Corp | 回転電機 |
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