JP2020171096A - ステータ - Google Patents

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陽介 赤松
Yosuke Akamatsu
陽介 赤松
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Abstract

【課題】モータの小型化を図る。【解決手段】ステータ4は、断面が円弧状である内周面61s及び外周面61tを含むヨーク61と、内周面61sから突出したティース62と、を有する円環状のステータコア6と、ティース62に装着された平角コイル7と、を備える。平角コイル7は、内周面61sに対面するコイル主面7sを含む。コイル主面7sの断面は、内周面61sに倣う円弧状の部分を含む。【選択図】図2

Description

本開示は、ステータに関する。
特許文献1は、回転電機に用いられるステータを開示する。このステータは、円環状のステータコアと、当該ステータコアのティースに装着された複数の平角コイルと、を備える。平角コイル同士は、接続配線によって互いに電気的に接続されている。
特開2009−118636号公報
上記のような回転電機の技術分野では、小型化かつ高密度化のための様々な技術が提案されている。このような技術の一例として、高密度コイルが挙げられる。高密度コイルは、コイルの占積率を向上させる。例えば、上記特許文献1に記載のステータは、高密度コイルとしての平角コイルを備える。
ステータは、モータに要求される条件に応じて各部の寸法が設定される。例えば、ステータを通る磁束は、ティースとの相対的な位置関係などの影響を受ける。そのため、ステータは、当該ステータが設けられる構成に適した形状や厚みがあり得る。一方、ステータの厚みは、コイルの形状に基づく制約も受けることがある。しかし、当該制約に基づいて決まる厚みは、磁束の観点からすると必ずしも適切でないこともある。
つまり、ステータの構成が、コイルの形状の影響を受けるのであれば、望ましいステータの構成を採用し得るように、コイルの形状の自由度を高めることが望ましい。つまり、磁束密度の大きさを磁気的に最適化できる形状とするために、コイルに課される形状の制約を撤廃すればよい。
本開示は、磁束密度の大きさを磁気的に最適化できるステータを説明する。
本開示の一態様であるステータは、断面が円弧状である内周面及び外周面を含むヨークと、内周面から突出したティースと、を有する円環状のステータコアと、ティースに装着された平角コイルと、を備え、平角コイルは、内周面に対面するコイル主面を含み、コイル主面の断面は、内周面に倣う円弧状の部分を含む。
ステータにおいては、平角コイルのコイル主面が、ステータの内周面に倣っている。つまり、コイルに課される形状の制約を撤廃し、ステータの形状に平角コイルの形状を合わせている。その結果、平角コイルの形状は、磁束密度の大きさを磁気的に所望の態様としたステータの形状に影響を与えることがない。従って、磁束密度の大きさを磁気的に最適化することができる。
一態様のステータにおいて、ティースは、ステータコアの中心軸線に向くティース主面と、内周面からティース主面に向けてそれぞれ延在する一対のティース側面と、を含み、平角コイルは、ティース側面に対面するコイル側面を含み、コイル側面は、ティース側面に倣ってもよい。この場合、平角コイルのコイル側面が、ティース側面に倣っているので、コイル占積率の低下を抑制できる。
また、ティース側面の断面は、曲線状の部分を含み、コイル側面の断面は、ティース側面に倣う曲線状の部分を含んでもよい。この場合、ティース側面の断面形状が曲線状である構成においても、コイル占積率の低下を抑制できる。
一態様のステータにおいて、平角コイルは、ティースに巻回されたコイル導体によって構成され、コイル導体の巻回方向に交差する断面の面積は一定であってもよい。この場合、平角コイルの各部の電気抵抗値が均一化される。その結果、当該平角コイルを備えるステータを使用したモータの発熱を均一化することができる。
本開示のステータによれば、磁束密度の大きさを磁気的に最適化できる。
図1は、実施形態に係るステータが適用されるモータの断面を概略的に示す図である。 図2は、図1のステータを説明するための拡大断面図である。 図3は、図1の平角コイルを説明するための拡大断面図である。 図4は、実施形態に係るステータの製造手順の例を示すフローチャートである。 図5は、変形例に係るステータを示す図である。 図6は、変形例に係る冷媒流路を示す図である。 図7は、比較例に係る平角コイルを示す図である。
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素同士、或いは、相当する要素同士には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
図1を参照し、本実施形態に係るステータが適用されたモータについて説明する。図1に示されるモータ1は、例えば航空宇宙の分野に適用される。本実施形態において、モータ1は、航空機用モータであって、燃料ポンプ(不図示)の動力源として機能する。ただし、モータ1は、自動車用モータ等であってもよい。図1に示されるように、モータ1は、燃料ポンプのインペラ(不図示)が連結されたシャフト2と、ロータ3と、ステータ4と、を備える。また、モータ1は、ロータ3及びステータ4等を収容するケース5をさらに備える。
ロータ3は、円環状を呈する。ロータ3の内周面は、シャフト2の外周面に固定されている。ロータ3は、モータ1の回転軸線(以下、「軸線Ax」という。)まわりに回転可能である。ステータ4は、ロータ3の外周面3sを囲んでいる。ステータ4は、ロータ3を回転させるための回転磁界を発生する。具体的には、モータ1において、ステータ4に交流電流が提供されると、ステータ4による回転磁界によってロータ3にトルクが発生する。その結果、ロータ3は、シャフト2と共に回転する。
ステータ4は、ステータコア6と、平角コイル7と、を備える。ステータコア6は、円環状を呈している。ステータコア6の中心軸線は、軸線Axと一致する。したがって、以下では、ステータコア6の中心軸線を「軸線Ax」という場合がある。また、以下の説明においては、ステータコア6の径方向Db、及びステータコア6の周方向Dcを用いる。
ステータコア6は、ヨーク61とティース62とを有する。ヨーク61は、ロータ3を囲んで軸線Axに沿って延びている。ヨーク61は、内周面61sと、外周面61tと、を含む。内周面61sは、ロータ3に対面する。内周面61sは、円弧状に湾曲している。外周面61tは、内周面61sに沿って円弧状に湾曲している。外周面61tは、内周面61sに対して反対側に向く。ヨーク61は、円筒状を呈する。本実施形態において、ヨーク61の厚みtは、ヨーク61の周方向Dcの全長に亘って一定である。厚みtは、内周面61s及び外周面61tの間の径方向Dbに沿った長さである。厚みtは、モータ1に要求される電磁気性能に応じて、ヨーク61に必要とされる寸法に基づいて設定されている。一例として、厚みtは、モータ1の所望の電磁気性能に対応したヨーク61の厚みの範囲内の最小値である。
ティース62は、内周面61sから径方向Dbに突出している。本実施形態において、ステータ4は、周方向Dcに沿って並ぶ複数のティース62を有する。例えば、ティース62の数は、9個である。ティース62は、ティース主面62sと、一対のティース側面62tと、を含む。ティース主面62sは、軸線Axに向く。
次に、図2を参照する。図2に示されるように、ティース主面62sは、ロータ3の外周面3sに対面している。例えば、ティース主面62sは、ロータ3の外周面3sに倣う円弧状を呈する。一対のティース側面62tは、内周面61sからティース主面62sに向けてそれぞれ延在している。
本実施形態において、ティース62は、第1部分62aと第2部分62bとを有する。第1部分62aは、幅が一定である。第2部分62bは、軸線Ax(図1参照)に近づくほど幅が増大する。なお、ティース62の幅は、周方向Dcに沿った一対のティース側面62t間の長さである。第2部分62bは、例えば連続的に幅が拡大している。なお、第2部分62bは、段階的に幅が拡大してもよい。この場合、第2部分62bの段数は、1段であってもよく、複数であってもよい。また、本実施形態において、第2部分62bは、直線状に幅が拡大している。各ティース側面62tは、第1平面62vと、第2平面62wと、を含む。一対の第2平面62wは、ティース主面62sに近づくにつれて互いに離間するように延在している。
平角コイル7は、ステータコア6に装着されている。平角コイル7は、巻回されたコイル導体によって構成されている。具体的には、平角コイル7は、表面に絶縁被膜が設けられたコイル導体によって構成されている。なお、各図においては、絶縁被膜の図示を省略している。また、コイル導体は、平角線状であってもよく、角線状であってもよく、平角線状の部分と角線状の部分との両方を含むものであってもよい。換言すると、コイル導体の巻回方向に交差する断面(以下、「コイル断面」という。)は、その厚みよりも幅が大きい部分を含んでいてもよいし、厚みと幅とが同程度の部分を含んでいてもよい。
平角コイル7は、コイル導体の巻回数に応じた複数の層状部分71を有する。巻回数は、例えば5回である。コイル導体の断面形状は、複数の層状部分71ごとに互いに異なっていてもよい。換言すると、平角コイル7を構成するコイル導体の断面形状は、位置ごとに異なってもよい。本実施形態においては、すべての層状部分71におけるコイル導体の断面形状は、互いに異なっている。また、本実施形態において、コイル断面の面積は、コイル導体の全長に亘って一定である。したがって、複数の層状部分71におけるコイル断面の面積は、互いに同じである。
ステータ4は、周方向Dcに沿って並ぶ複数の平角コイル7を有する。平角コイル7の数は、例えば9個である。ここでは、複数の平角コイル7は、ヨーク61の内周面61sに沿って配列されている。各平角コイル7は、ティース62に装着されてヨーク61に取り付けられている。本実施形態において、ステータ4は、1個の平角コイル7を1個のティース62に集中的に巻回させた集中巻式である。ただし、ステータ4は、1個の平角コイル7を複数のティース62に跨って巻回させた分布巻式であってもよい。平角コイル7においては、複数の層状部分71が径方向Dbに沿って並ぶように、コイル導体がティース62まわりに巻回されている。図3に示されるように、平角コイル7は、コイル主面7sとコイル側面7tとを含む。コイル主面7sは、内周面61sに対面する。コイル側面7tは、ティース側面62tに対面する。
コイル主面7sは、内周面61sに倣う円弧状を呈している。より具体的には、コイル主面7sは、円弧状に窪む内周面61sに対して連続的に接触する。コイル主面7sは、円弧状に膨らんだ形状を呈している。コイル主面7sは、平角コイル7の最外層に位置する層状部分71の一の主面71sによって構成されている。ここでいう平角コイル7の最外層とは、ティース62の基端側の最外層である。また、一の主面71sとは、外側を向く面である。
コイル側面7tは、ティース側面62tに倣っている。具体的には、コイル側面7tは、第1平面62vに倣う部分と、第2平面62wに倣う部分との両方を含む。コイル側面7tは、複数の層状部分71の内側面71tの集合体によって構成されている。内側面71tとは、ティース62を囲む面である。複数の内側面71tは、ティース側面62tにそれぞれ対面している。内側面71tの数は、例えば5個である。複数の内側面71tの一部は、第1平面62vに倣っている。内側面71tの一部の数は、例えば3個である。また、複数の内側面71tの別の一部は、第2平面62wに倣っている。別の一部の数は、例えば2個である。なお、内側面は、第1平面62vに倣う部分と第2平面62wに倣う部分との両方を含んでいてもよい。平角コイル7においては、すべての内側面71tが、ティース側面62tに倣っている。具体的には、すべての内側面71tが、ティース側面62tにおける当該内側面71tに対面する部分に倣っている。
また、図3に示されるように、本実施形態において、平角コイル7には、冷媒流路72が形成されている。冷媒流路72は、軸線Ax(図1参照)に沿って平角コイル7を貫通している。ただし、冷媒流路72は、コイル導体の巻回軸線に沿って平角コイル7を貫通していてもよい。冷媒流路72は、コイルを冷却するための冷媒を流通させる。冷媒として、例えば、水、空気等が挙げられる。冷媒流路72に冷媒を流通させることにより、平角コイル7は、モータ1を冷却する冷却部材として機能する。
平角コイル7には、複数の冷媒流路72が形成されている。冷媒流路72の数は、例えば10個である。また、本実施形態においては、平角コイル7の各層状部分71に独立した冷媒流路72が形成されている。例えば、各層状部分71には、それぞれ独立した一対の冷媒流路72が形成されている。複数の冷媒流路72は、互いに同じ寸法及び形状を有していてもよく、互いに異なる寸法及び形状を有していてもよい。なお、上述したコイル断面の面積とは、コイル断面の外形線に囲まれる部分のうち冷媒流路72を除いた部分である。冷媒流路72の貫通方向に交差する断面は、例えば周方向Dcを長手方向とする長孔形状を呈している。ここでは、貫通方向は軸線Axに沿う方向である。
次に、図4を参照し、ステータ4の製造方法の例について説明する。ステータ4は、例えば次のように製造される。まず、ヨーク61及びティース62をそれぞれ製造する(工程S1)。本実施形態においては、ヨーク61及びティース62を別々に製造する。具体的には、はじめに、帯状の電磁鋼板を打ち抜き又はワイヤカット等によって所定形状に加工する。電磁鋼板としては、任意のものを用いてよい。例えば、電磁鋼板として薄型高性能電磁鋼板を用いてもよい。なお、ヨーク61の製造においては、軸線Axに交差する仮想平面を断面としたときのヨーク61の形状は、所定形状である。また、ティース62の製造においては、軸線Axに交差する仮想平面を断面としたときのティース62の形状は、所定形状である。
そして、所定形状に加工された複数の加工部材を積層する。このとき、接着剤又はカシメ等によって複数の加工部材同士を互いに接合する。このようにして、ヨーク61を構成する積層体とティース62を構成する積層体とが別々に製造される。
次に、平角コイル7を製造する(工程S2)。平角コイル7の製造においては、三次元積層造形方法を適用する。本実施形態における平角コイル7は、三次元積層造形物である。まず、いわゆる3Dプリンタである三次元積層造形装置を用いた三次元造形技術によって平角コイル7を造形する。導電体粉末としては、銅材料を用いる。三次元造形技術としては、銅材料の導電体粉末が使用可能なものが挙げられる。例えば、株式会社ダイヘン社によって知られる造形技術を適用してもよい。造形技術とは、ここでは、導電体粉末及びレシピをいう。三次元積層造形装置としては、例えば、Desktop Metal社製の金属3Dプリンタ等の銅製の造形物を造形可能な装置が挙げられる。
そして、造形した平角コイル7に絶縁被膜を設ける。絶縁被膜として任意の材料を用いてよい。絶縁被膜の材料としては、高耐電圧性を有する材料を用いてもよく、高耐熱性を有する材料を用いてもよい。絶縁被膜の材料としては、例えば、電着塗装用のものが挙げられる。絶縁被膜の材料の一例としては、日本ペイントインダストリアル社製のインシュリード(登録商標)が挙げられる。公知の樹脂材料のうち比較的耐電圧性及び耐熱性に優れているためである。これによれば、比較的薄い膜厚によっても必要な耐電圧性を確保できる。以上によって平角コイル7が製造される。
なお、工程S2は、工程S1よりも前に行ってもよい。また、工程S1及び工程S2を並行して行ってもよい。
次に、ヨーク61、ティース62及び平角コイル7を組み立てる(工程S3)。具体的には、工程S1で製造したティース62に、平角コイル7を取り付ける。その後、ヨーク61とティース62とを互いに組み付けて、ステータコア6を形成する。このような方式は、いわゆる、あり溝分割方式と呼ばれる。以上により、ステータ4が製造される。
以上説明したステータ4の作用効果について説明する。ステータ4においては、平角コイル7のコイル主面7sが、ステータ4のヨーク61の内周面61sに倣っている。つまり、コイルに課される形状の制約を撤廃し、ステータ4の形状に平角コイル7の形状を合わせている。その結果、平角コイル7の形状は、磁束密度の大きさを磁気的に所望の態様としたステータ4の形状に影響を与えることがない。従って、磁束密度の大きさを磁気的に最適化することができる。
より詳細に説明する。まず、図7を参照し、比較例について説明する。図7に示される比較例に係る平角コイル70は、平板導板からなるコイル線を、曲げ加工又は接合加工によって巻回されて製造される。したがって、上述したヨークの内周面に対面するコイル主面70sが平坦に形成されている。同様に、ティースのティース側面に対面するコイル側面70tが平坦に形成されている。また、平角コイル70は、コイル線の巻回数に応じた複数の層状部分710を有する。各層状部分710は中実である。また、層状部分710の主面710sは平坦に形成されている。同様に、各層状部分710の内側面710tは、平坦に形成されている。
このような平角コイル70を有する場合、円環状のステータにおいて、ステータコアのヨークの内周面は、平角コイルのコイル主面70sに沿う複数の平坦な部分によって形成されることとなる。一方で、ヨークの外周面は円弧状に形成される。これにより、ヨークの厚みが最小値よりも大きくなる領域が広範囲に生じる。その結果、モータの外径が大きくなってしまう。しかしながら、ヨークの厚みを一定とするために、この内周面を円弧状に形成することにより内周面とコイルとの間に隙間が生じると、コイル占積率が低下する場合がある。
これに対し、本実施形態に係るステータ4においては、円環状のステータコア6が、円弧状に湾曲した内周面61sを含むヨーク61を有する。当該内周面61sに対面する平角コイル7のコイル主面7sは、この内周面61sに倣う円弧状を呈している。このため、ヨーク61の内周面61sと平角コイル7との間に隙間が生じることが抑制される。したがって、ヨーク61の内周面61sが円弧状に湾曲していても、コイル占積率が確保される。この構成によれば、ヨーク61の厚みtを一定とすることができる。つまり、所望のコイル占有率を確保しつつも、ヨーク61の内周面61s及び外周面61tの断面が円弧状であり、且つ、コイル主面7sの断面も円弧状であるので、不必要なヨーク61の厚みを生じさせない。その結果、ステータ4の径方向の寸法が小さくなるので、モータ1の小型化を図ることが可能となる。
ここで、上記特許文献1に記載されたようなモータにおいては、ロータが回転したときに永久磁石等からの磁束が平角コイルに到達すると、過電流が発生する場合がある。そのような場合、過電流損が大きくなり、モータのエネルギー効率が低下することがある。
これに対し、ステータ4のティース62は、軸線Axに向くティース主面62sと、内周面61sからティース主面62sに向けてそれぞれ延在する一対のティース側面62tと、を含む。平角コイル7は、ティース側面62tに対面するコイル側面7tを含む。コイル側面7tは、ティース側面62tに倣っている。この構成によれば、平角コイル7のコイル側面7tが、ティース側面62tに倣っているので、コイル占積率の低下を抑制できる。そして、ティース62の各ティース側面62tは、第2平面62wを含む。一対の第2平面62wは、ティース主面62sに近づくにつれて互いに離間するように延在する。換言すると、ティース62の一対の第2平面62wは、ロータ3が配置される側に近づくにつれて互いに離間するように延在する。これにより、モータ1における磁束飽和を発生し難くし、平角コイル7で発生する過電流損が低減される。
ステータ4において、平角コイル7は、ティース62に巻回されたコイル導体によって構成される。コイル断面の面積は一定である。この構成によれば、平角コイル7の各部の電気抵抗値が均一化される。その結果、当該平角コイル7を備えるステータ4を使用したモータ1の発熱を均一化することができる。
ところで、上記特許文献1に記載されたようなモータにおいては、コイル占積率の向上によって小型化かつ高密度化が図られる。一方、高出力化に伴い発熱量も大きくなる。発熱量が大きくなることでモータの温度も上昇する。モータの温度上昇は、モータのエネルギー効率を低下させる場合がある。このような事情から、さらなる小型化かつ高密度化を可能とするために、モータの温度上昇の抑制が望まれている。
上述したステータ4は、ヨーク61と、ヨーク61の内周面61sから突出したティース62と、を有する円環状のステータコア6と、ティース62に装着された平角コイル7と、を備える。平角コイル7には、ステータコア6の中心軸線に沿って貫通する複数の冷媒流路72が形成されている。
このステータ4においては、冷媒流路72が平角コイル7に形成されている。このため、別途の冷却構造を省略できる。例えば、ケース5の外周面に設けられる水冷ジャケット等を省略できる。これにより、モータ1の大型化を抑制しつつ、モータ1の温度上昇を抑制することが可能となる。
また、上記の水冷ジャケット等の冷却構造では、ケース5を冷却することによってケース5を介して平角コイル7の熱を取り去る。これに対し、ステータ4においては、平角コイル7に冷媒流路72が形成されていることにより平角コイル7が中空構造となる。したがって、平角コイル7を直接冷却することが可能となる。これにより、上記水冷ジャケット等によって冷却する場合と比較してモータ1に対する冷却性能が向上する。すなわち、モータ1の温度上昇が抑制される。これに伴い、モータ1のさらなる小型化が可能となる。
冷媒流路72の貫通方向に交差する断面は、長孔形状を呈している。この構成によれば、冷媒流路72を流通する冷媒との接触面積を広げやすい。冷媒として、例えば水が挙げられる。接触面積を広くすることで、伝熱効率を向上できる。
また、平角コイル7は、巻回されたコイル導体によって構成されている。平角コイル7は、コイル導体の巻回数に応じた複数の層状部分71を有する。複数の層状部分71は、径方向Dbに沿って並んでいる。冷媒流路72は、層状部分71に独立して形成されている。この構成によれば、冷媒流路72が導電性に与える影響を抑制できる。
また、平角コイル7の製造においては、三次元積層造形方法を適用している。三次元積層造形方法によれば、平角コイル7の形状を任意に設定できる。このため、設計の自由度が向上するので、比較例に係る平角コイル70と比較して複雑な形状である平角コイル7が製造可能である。さらに、三次元積層造形技術によって造形することにより、冷媒流路72によって平角コイル7を中空構造としても残留応力が発生しない。したがって、平角コイル7の電気抵抗を導電体粉末として用いた材料と同等とすることができる。なお、本開示では、導電体粉末として銅を例示した。
また、ヨーク61及びティース62の製造においては、三次元積層造形方法を適用していない。これにより、三次元造形装置で使用可能な材料に限定されずに、材料の選択が可能となる。したがって、ヨーク61及びティース62の製造においては、薄型高性能電磁鋼板等の任意の材料を用いている。そして、平角コイル7の絶縁被膜の塗工においても、インシュリード等の任意の材料を用いている。以上により、ステータコア6及び平角コイル7の各部のそれぞれに適した材料が用いられることになるので、高効率化されたモータ1を製造できる。
以上の実施形態は、本開示に係るステータの一実施形態について説明したものである。上述した製造方法において、コイルの形状およびステータの形状は限定されない。コイルの形状は、平角コイル7と異なる形状であってもよい。同様に、ステータの形状は、ステータ4と異なる形状であってもよい。上述した製造方法を適用して、回転式であるモータ1以外に用いられるコイル及びステータを製造してもよい。例えば、発電機又は直動モータ等に用いられるコイル及びステータに、上述した製造方法を適用してもよい。このとき、コイルの形状は、平角コイル7と異なる形状であって、上記の冷媒流路72が形成されたものであってもよい。
また、本開示に係るステータは、上述したステータ4を任意に変更したものとすることができる。例えば、図5に示されるように、ティース62Aは、第1部分62aを含んでいなくてもよい。また、ティース62Aにおいて、第2部分62bは、ロータ3の外周面3sに近づくにつれて滑らかに幅が拡大していてもよい。ティース側面62tの断面形状は曲線状であってもよい。つまり、ティース側面62tは曲面状である。平角コイル7Aのコイル側面7tの断面形状は、ティース側面62tに倣う曲線状であってもよい。つまり、コイル側面7tは曲面状である。この構成においても、モータ1の小型化を図ることが可能である。
さらに、平角コイル7のコイル側面7tの形状が、ティース側面62tに倣う曲面状である。従って、ティース側面62tの形状が曲面状である構成において、コイル占積率の低下を抑制できる。また、ティース側面62tの形状が曲面状である構成により、平角コイル7で発生する過電流損がより低減されやすくなる。そのため、このような平角コイル7を備えるステータ4を使用したモータ1のエネルギー効率の低下がより一層抑制される。
ティース62は、第2部分62bを有していなくてもよい。ティース62の幅は一定であってもよい。ティース側面62tは平坦であってもよい。この場合、平角コイル7のコイル側面7tは、ティース側面62tに倣う平坦な形状であってもよい。この構成においても、モータ1の小型化を図ることが可能である。なお、ティース62の幅が一定である場合には、ステータ4の製造の際、工程S1において、ヨーク61及びティース62を一体的に形成してもよい。ヨーク61及びティース62を含むステータコア6の製造の後に、工程S3において、このステータコア6のティース62に平角コイル7を装着して、ステータコア6及び平角コイル7を組み立ててもよい。この手順によってもステータ4の製造が可能である。
図6の(a)に示されるように、冷媒流路72の内面には、貫通方向に交差する方向に突出するフィン73が形成されていてもよい。この交差とは、例えば直交を含む。一例として、図6に示される冷媒流路72の内面には、周方向Dcに沿って並ぶ複数のフィン73が形成されている。複数のフィン73は、径方向Dbの一方側に突出する複数のフィン73aと、径方向Dbの他方側に突出する複数のフィン73bとを含む。フィン73aとフィン73bとは周方向Dcに沿って交互に配置されている。フィン73が形成されている構成によれば、冷媒との接触面積をより一層広げやすい。したがって、伝熱効率をさらに向上できる。
冷媒流路72の貫通方向に交差する断面の形状は、長孔形状に限定されない。冷媒流路72の貫通方向に交差する断面としては、任意の形状を採用してよい。図6の(b)に示されるように、冷媒流路72の貫通方向に交差する断面は、円形状を呈していてもよい。この構成においても、モータ1の小型化に寄与する。
要するに、本開示のステータは、以下の構成としてもよい。
ステータは、ヨークと、前記ヨークの内周面から突出したティースと、を有する円環状のステータコアと、前記ティースに装着された平角コイルと、を備え、前記平角コイルには、冷媒流路が形成されている。
前記冷媒流路は、丸孔である。
前記冷媒流路は、長孔である。
前記冷媒流路の内面には、フィンが形成されている。
前記平角コイルは、巻回されたコイル導体によって構成され、前記コイル導体の巻回数に応じた複数の層状部分を有し、前記複数の層状部分は、前記ステータコアの径方向に沿って並び、前記冷媒流路は、前記層状部分に独立して形成されている。
4 ステータ
5 ケース
6 ステータコア
61 ヨーク
61s 内周面
61t 外周面
62,62A ティース
62s ティース主面
62t ティース側面
7,7A,70 平角コイル
71,710 層状部分
7s,70s コイル主面
7t,70t コイル側面
Ax 軸線(中心軸線)
Db 径方向
Dc 周方向
t 厚み

Claims (4)

  1. 断面が円弧状である内周面及び外周面を含むヨークと、前記内周面から突出したティースと、を有する円環状のステータコアと、
    前記ティースに装着された平角コイルと、を備え、
    前記平角コイルは、前記内周面に対面するコイル主面を含み、
    前記コイル主面の断面は、前記内周面に倣う円弧状の部分を含む、ステータ。
  2. 前記ティースは、前記ステータコアの中心軸線に向くティース主面と、前記内周面から前記ティース主面に向けてそれぞれ延在する一対のティース側面と、を含み、
    前記平角コイルは、前記ティース側面に対面するコイル側面を含み、
    前記コイル側面は、前記ティース側面に倣う、請求項1に記載のステータ。
  3. 前記ティース側面の断面は、曲線状の部分を含み、
    前記コイル側面の断面は、前記ティース側面に倣う曲線状の部分を含む、請求項2に記載のステータ。
  4. 前記平角コイルは、巻回されたコイル導体によって構成され、
    前記コイル導体の巻回方向に交差する断面の面積は一定である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステータ。
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