JP2005175430A - 受光素子 - Google Patents

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琢己 山口
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Abstract

【課題】 カラーフィルタの製造において色別に異なる顔料等の材料管理を必要としない低コストのイメージセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】 受光装置は、半導体基板に複数の受光セル(1a、1b、1c)を形成し、各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光を透過するフィルタ膜20と、フィルタ膜20を透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部17とを備えている。ここで、全ての受光セルに備えられたフィルタ膜20は、受光セル毎に定められた波長域に相応する膜厚(ta、tb、tc)に調整されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、イメージセンサなどの受光素子に関し、特に、受光素子中の各受光セルが備えるカラーフィルタに関する。
一般的な受光素子は、半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルがカラーフィルタとフォトダイオードとを備える構造となっている。カラーフィルタは、赤(R)緑(G)青(B)の3色があり、各受光セルにそのいずれかが割り当てられる。フォトダイオードは、カラーフィルタを透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する。したがって、受光セルは、入射光のうちの特定の色成分に応じた信号電荷を生成することができる。これらの信号電荷が収集されることにより、1枚分の撮像データが生成される(例えば、日本国特開平5−6986号公報参照。)。
従来のカラーフィルタは、通常、アクリル系樹脂に色別の顔料又は染料を混入することにより製造されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−311310号公報
しかしながら、従来のカラーフィルタは、その製造工程において、色別に異なる顔料又は染料の材料管理が必要となり、受光素子のコスト削減の妨げとなっている。そこで、本発明は、カラーフィルタの製造工程において色別に異なる顔料又は染料の材料管理を必要としない、低コストの受光素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る受光素子は、半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光を透過させるフィルタ膜と、当該フィルタ膜を透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部とを備えてなる受光素子であって、各受光セルに備えられたフィルタ膜は、受光セル毎に定められた波長域に相応する膜厚に調整されている。
上記構成によれば、フィルタ膜による透過光の波長域は、色別に異なる顔料又は染料ではなく、色別に異なる膜厚により定められる。したがって、その製造工程において色別に異なる顔料又は染料の材料管理が不要となり、コストを削減することができる。
また、前記フィルタ膜は、膜厚から定まるカットオフ波長よりも短い波長域の光の透過率が、前記カットオフ波長よりも長い波長域の光の透過率よりも小さくなる部材からなることとしてもよい。
上記構成によれば、フィルタ膜に、カットオフ波長よりも長い波長域の光を主に透過させるフィルタとして機能させることができる。
また、前記フィルタ膜は、光の吸収により透過率が小さくなる部材からなることとしてもよい。
光の透過率を小さくするには2種類の方法が考えられる。第1は、フィルタ膜に光を吸収させる方法であり、第2は、フィルタ膜に光を反射させる方法である。第2の方法は、反射光が受光素子内で散乱することがあるので第1の方法に比べてフレア現象が発生しやすい。フレア現象とは、他の光電変換部からの反射光が到達することにより、正規の信号に擬似信号が重畳される現象である。本発明は、第1の方法を採用することにより、フレア現象の発生率を低減させている。
また、前記フィルタ膜は、ポリシリコン、アモルファスシリコン又はシリコンを主成分とすることとしてもよい。
上記構成によれば、フィルタ膜は、半導体プロセスにより製造され得る。例えば、全ての受光セル上にCVD法によりポリシリコンを成膜し、その後、ドライエッチングにより受光セル毎に膜厚を調整することで、各受光セルに所望の膜厚のフィルタ膜を形成することができる。
したがって、アクリル系樹脂を扱うカラーフィルタ製造プロセスが不要となる。その結果、製造設備の流用及び製造工程の簡易化を図ることができる。
また、前記光電変換部は、シリコン基板にN型不純物が添加されることにより形成されており、前記フィルタ膜は、前記光電変換部にP型不純物が添加されることにより形成されることとしてもよい。
上記構成によれば、フィルタ膜は、半導体プロセスにより製造され得る。例えば、P型不純物の加速エネルギーを受光セル毎に調整することで、各受光セルに所望の膜厚のフィルタ膜を形成することができる。
したがって、アクリル系樹脂を扱うカラーフィルタ製造プロセスが不要となる。その結果、製造設備の流用及び製造工程の簡易化を図ることができる。
また、前記フィルタ膜は、さらに、膜厚が厚いほど前記カットオフ波長が大きくなる部材からなることとしてもよい。
これにより、膜厚を調整することで、透過光の波長域を任意に調整することができる。
また、前記フィルタ膜は、第1の膜厚、第2の膜厚及び第3の膜厚のいずれかに調整されており、前記第1の膜厚は、そのカットオフ波長が赤色領域と緑色領域との境界の波長となる膜厚であり、前記第2の膜厚は、そのカットオフ波長が緑色領域と青色領域との境界の波長となる膜厚であり、前記第3の膜厚は、そのカットオフ波長が青色領域と紫外線領域との境界の波長となる膜厚であることとしてもよい。
上記構成によれば、各受光セルに備えられたフィルタ膜は、その膜厚に応じて以下の波長域の光を透過することができる。
第1膜厚:赤色領域
第2膜厚:赤色領域、緑色領域
第3膜厚:赤色領域、緑色領域、青色領域
即ち、第1膜厚のフィルタ膜を備える第1受光セルは、赤色領域の透過光により信号電荷を生成する。第2膜厚のフィルタ膜を備える第2受光セルは、赤色領域及び緑色領域の透過光により信号電荷を生成する。第3膜厚のフィルタ膜を備える第3受光セルは、赤色領域、緑色領域及び青色領域の透過光により信号電荷を生成する。
したがって、赤色信号は、第1受光セルの信号電荷から得られる。また、緑色信号は、第2受光セルと第1受光セルとの信号電荷の差分により得られる。さらに、青色信号は、第3受光セルと第2受光セルとの信号電荷の差分により得られる。
また、前記各受光セルは、さらに、前記フィルタ膜の光源側の主面上に当該フィルタ膜の屈折率よりも小さな屈折率の材料からなる反射抑制膜が形成されることとしてもよい。
上記構成によれば、フィルタ膜とガスと間に反射抑制膜が設けられるので、入射光の反射率を低減することができる。したがって、受光素子の感度を向上することができる。
また、前記フィルタ膜は、ポリシリコン、アモルファスシリコン又はシリコンを主成分とし、前記反射抑制膜は、窒化シリコン、酸化シリコン又は窒化酸化シリコンからなることとしてもよい。
上記構成によれば、フィルタ膜及び反射抑制膜は半導体プロセスにより製造することができる。したがって、製造設備の流用及び製造工程の簡易化を図ることができる。
また、前記受光セルは、さらに、前記光電変換部の直上を開口しそれ以外の部分を遮光する遮光膜を備え、前記フィルタ膜は、前記遮光膜と前記光電変換部との間にあることとしてもよい。
上記構成によれば、各受光セルは、隣接する受光セルからの散乱光が光電変換部に到達することを防止する。これにより、各受光セルは、隣接する受光セルからの散乱光によるノイズを防止することができる。
また、前記受光セルは、さらに、前記フィルタ膜と前記光電変換部との間に膜厚が1nmから150nmまでの酸化シリコン膜を備えることとしてもよい。
上記構成によれば、フィルタ膜と光電変換部とを絶縁することができる。これにより、光電変換部の信号電荷がフィルタ膜へリークすることを防止することができる。
また、一般的に入射光は、酸化シリコン膜と光電変換部との間で反射を起こす。しかし、酸化シリコン膜の膜厚を1nmから150nmまでとすることで、反射率を抑制できることが知られている。したがって、酸化シリコン膜を挿入することによる受光セルの感度の低下を抑制することができる。
また、前記受光セルは、さらに、前記信号電荷の非転送時には、前記光電変換部と転送先との間に光電変換部の電位よりも低いゲート電位を生成するゲート部と、前記光電変換部と前記フィルタ膜との間に、前記ゲート電位よりも低い障壁電位が生成される電位障壁部とを備えることとしてもよい。
上記構成によれば、非転送時における各受光セルの各部の電位は、ゲート部、光電変換部、電位障壁部の順に、低、高、低と並んでいる。これにより、光電変換部で生成された電子は電位の高い光電変換部に蓄積される。また、蓄積された電子が電位障壁部を越えてフィルタ膜にリークすることを防止することができる。
上記目的を達成するために、受光素子は、半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部を備えてなる受光素子であって、一部の受光セルは、受光セル毎に定められた波長域に相応する膜厚に調整されたフィルタ膜を、当該フィルタ膜を透過した光が各受光セルの光電変換部に到達することとなる位置に備え、前記一部の受光セル以外の受光セルは、前記フィルタ膜を備えない。
上記構成によれば、前述の受光素子と同様に、その製造工程において色別に異なる顔料又は染料の材料管理が不要となり、コストを削減することができる。
また、前記フィルタ膜は、膜厚から定まるカットオフ波長よりも短い波長域の光の透過率が、前記カットオフ波長よりも長い波長域の光の透過率よりも小さくなる部材からなることとしてもよい。
上記構成によれば、フィルタ膜に、カットオフ波長よりも長い波長域の光を主に透過させるフィルタとして機能させることができる。
また、前記フィルタ膜は、第1の膜厚及び第2の膜厚のいずれかに調整されており、前記第1の膜厚は、そのカットオフ波長が赤色領域と緑色領域との境界の波長となる膜厚であり、前記第2の膜厚は、そのカットオフ波長が緑色領域と青色領域との境界の波長となる膜厚であることとしてもよい。
これは、予め紫外線がカットされた光を受光素子が受光する場合に適用可能である。例えば、カメラシステムでは、レンズにより集光された入射光は、光学ローパスフィルタ及び赤外線カットフィルタを通過した後に、受光素子へと到達する。このカメラシステムにおいて、さらに紫外線カットフィルタが備えられていれば、青色領域と紫外線領域との境界の波長よりも長い波長域の光を透過するフィルタとなる。したがって、その波長域の光から信号電荷を生成する受光セルにはフィルタ膜がもはや必要なくなる。
したがって、当該受光素子には3色分ではなく2色分のフィルタ膜を形成すればよいので、フィルタ膜の製造工程を短縮することができる。
本発明に係る信号処理装置は、第1波長域の光の輝度に対応する第1源信号と、前記第1波長域を含む第2波長域の光の輝度に対応する第2源信号とから、第2波長域のうちの第1波長域を除く領域の光の輝度に対応する色信号を得る信号処理装置であって、第1源信号及び第2源信号にそれぞれ対応する重み係数を保持している保持手段と、前記重み係数を第1源信号及び第2源信号のそれぞれに乗じた後に、それらの差分をとることにより色信号を得る演算手段とを備える。
上記構成によれば、信号処理装置は、第2波長域のうちの第1波長域を除く領域の光の輝度に対応する色信号を得ることができる。当該信号処理装置は、受光素子が上記の第1源信号及び第2源信号を出力する仕様である場合に、適用される。
本発明に係る信号処理装置は、赤色領域と緑色領域との境界の波長よりも光の波長が長い領域の光の輝度に対応する第1源信号と、緑色領域と青色領域との境界の波長よりも光の波長が長い領域の光の輝度に対応する第2源信号と、青色領域と紫外線領域との境界の波長よりも光の波長が長い領域の光の輝度に対応する第3源信号とから、赤色領域の光の輝度に対応する赤色信号、緑色領域の光の輝度に対応する緑色信号及び青色領域の光の輝度に対応する青色信号を得る信号処理装置であって、第1源信号、第2源信号及び第3源信号の組から、赤色信号、緑色信号及び青色信号の組に変換する変換行列を保持する保持手段と、前記第1源信号、第2源信号及び第3源信号の組に前記変換行列を作用させる演算手段とを備える。
各源信号は、以下の波長域の光の輝度に対応する信号である。
第1源信号:赤色領域
第2源信号:赤色領域、緑色領域
第3源信号:赤色領域、緑色領域、青色領域
上記構成によれば、信号処理装置は、第1源信号、第2源信号及び第3源信号の組から赤色信号、緑色信号及び青色信号の組を得ることができる。即ち、以下の各色信号を得ることができる。
赤色信号:赤色領域
緑色信号:緑色領域
青色信号:青色領域
本発明に係る受光素子の製造方法は、半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光を透過するフィルタ膜と、当該フィルタ膜を透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部とを備えてなる受光素子を製造する製造方法であって、各受光セルに前記光電変換部を形成する形成ステップと、前記形成ステップにより形成された光電変換部の上部に、膜厚に応じて異なる波長域の光を透過する素材を、各受光セルにおいて均一の膜厚に成膜する成膜ステップと、前記成膜ステップにより成膜された素材を、受光セル毎に定められた膜厚となるようにエッチング加工するエッチングステップとを含む。
上記構成によれば、フィルタ膜は、色別に異なる顔料又は染料ではなく、色別に異なる膜厚により透過光の波長域を定める。したがって、その製造工程において色別に異なる顔料又は染料の材料管理が不要となり、コストを削減することができる。
また、フィルタ膜の素材として、ポリシリコン又はアモルファスシリコンを採用すれば、フィルタ膜は、半導体プロセスにより製造され得る。したがって、アクリル系樹脂を扱うカラーフィルタ製造プロセスが不要となる。その結果、製造設備の流用及び製造工程の簡易化を図ることができる。
本発明に係る受光素子の製造方法は、半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光を透過するフィルタ膜と、当該フィルタ膜を透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部とを備えてなる受光素子を製造する製造方法であって、各受光セルにN型不純物を添加することにより前記光電変換部を形成する形成ステップと、前記形成ステップにより形成された光電変換部に、受光セル毎に定められた膜厚となるようにP型不純物を注入する注入ステップとを含む。
上記構成によれば、フィルタ膜は、色別に異なる顔料又は染料ではなく、色別に異なる膜厚により透過光の波長域を定める。したがって、その製造工程において色別に異なる顔料又は染料の材料管理が不要となり、コストを削減することができる。
また、フィルタ膜は、半導体プロセスにより製造される。したがって、アクリル系樹脂を扱うカラーフィルタ製造プロセスが不要となる。その結果、製造設備の流用及び製造工程の簡易化を図ることができる。
(実施の形態1)
<概要>
実施の形態1では、フィルタ膜は、全ての画素セルにおいて単一素材のポリシリコンにより形成される。ポリシリコンは、その膜厚に応じて異なる波長域の光を通過させる性質があるので、受光セル毎に異なる膜厚とすることでカラーフィルタの役割を果たすことができる。
このように、フィルタ膜は、色別に異なる顔料又は染料ではなく、色別に異なる膜厚により透過光の波長域を定める。したがって、その製造工程において色別に異なる顔料又は染料の材料管理が不要となり、コストを削減することができる。
また、フィルタ膜は、半導体プロセスにより製造され得る。したがって、アクリル系樹脂を扱うカラーフィルタ製造プロセスが不要となる。その結果、製造設備の流用及び製造工程の簡易化を図ることができる。
<構成>
図1は、本発明に係るカメラシステムの構成を示す図である。
カメラシステムは、受光素子1、駆動回路2、垂直走査回路3、水平走査回路4、アナログフロントエンド5、信号処理回路6、作業用メモリ7、記録用メモリ8及び制御部9を備える。
受光素子1は、いわゆるMOS型イメージセンサであり、半導体基板に形成された複数の受光セル(1a、1b、1c)の集合体である。各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光の輝度に応じて信号電荷を生成する。図1の各受光セルには「R」、「RG」、「RGB」と表記されている。これは、「R」が赤色領域の光を透過するカラーフィルタを備え、「RG」が赤色領域及び緑色領域の光を透過するカラーフィルタを備え、「RGB」が赤色領域、緑色領域及び青色領域の光を透過するカラーフィルタを備えることを示す。即ち、受光セル1aは、赤色領域の光から信号電荷を生成する。また、受光セル1bは、赤色領域及び緑色領域の光から信号電荷を生成する。さらに、受光セル1cは、赤色領域、緑色領域及び青色領域の光から信号電荷を生成する。また、図1に示すようにカラーフィルタの配列は、ベイヤ(Bayer)配列に準じている。ベイヤ配列の場合、4画素セルに3種類のカラーフィルタを割り当てる。しかし、これに限らず、4画素セルに4種類のカラーフィルタを割り当ててもよい。
なお、本明細書では、青色領域の波長を400nmから490nmまで、緑色領域の波長を490nmから580nmまで、また、赤色領域の波長を580nmから700nmまでと定義する。さらに、400nm以下の波長域を紫外線領域とし、700nm以上の波長域を赤外線領域とする。
駆動回路2は、制御部9からのトリガ信号に基づいて、垂直走査回路3及び水平走査回路4を駆動する回路である。
垂直走査回路3は、駆動回路2からの駆動信号により受光素子1の各受光セルを行毎に順次アクティブ状態とし、アクティブ状態となった1行分の受光セルの信号電荷を一斉に水平走査回路4に転送させる回路である。
水平走査回路4は、駆動回路2からの駆動信号により垂直走査回路3と同期して動作しており、転送されてきた1行分の信号電荷を1列分ごとに順次アナログフロントエンド5に出力する回路である。上記の駆動回路2、垂直走査回路3及び水平走査回路4により、2次元状に配列された各受光セルの信号電荷が、信号電圧に変換されてシリアルにアナログフロントエンド5に出力される。
アナログフロントエンド5は、信号電圧をサンプリングし、増幅し、アナログ信号をデジタル信号へとAD変換して出力する。
信号処理回路6は、いわゆるDSP(Didital Signal Processor)であり、アナログフロントエンド5からのデジタル信号を、赤色信号、緑色信号、青色信号に変換して撮像データを生成する。
作業用メモリ7は、具体的にはSDRAMであり、信号処理回路6が各受光セルに対応するデジタル信号を各色の色信号に変換する作業を行う際に利用される。
記録用メモリ8は、具体的にはSDRAMであり、信号処理回路6が生成した撮影データを記録するメモリである。
制御部9は、駆動回路2及び信号処理回路6の制御を行う。例えば、ユーザからシャッタボタン押下を受け付けて、駆動回路2へトリガ信号を出力する。
以下、受光素子1における各受光セル(1a、1b、1c)の構造について詳細に説明する。
図2は、実施の形態1に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。
各受光セルは、N型不純物が添加されたシリコン基板11上に、以下に説明する各層が形成されてなる。
フォトダイオード層12は、基板11にP型不純物を注入することでP型ウェル16を形成し、さらに、P型ウェル16にN型不純物を注入することでN型領域である光電変換部17を形成した層である。
絶縁層13は、フォトダイオード層12と遮光膜形成層14とを絶縁するために設けられた酸化シリコンの層である。
遮光膜形成層14は、アルミニウムやタングステンなどの金属からなる遮光膜18を形成するための層である。遮光膜18は、開口部19を形成すべき部分をマスクした後に金属蒸着あるいはスパッタリングをすることにより形成される。また、遮光膜形成層14には、遮光膜18だけでなく、垂直走査回路3からの配線や、信号電荷を水平走査回路4に転送するための配線を形成してもよい。
フィルタ形成層15は、ポリシリコンからなるフィルタ膜20を形成する層である。
入射光22は、受光セル上部から入射され、マイクロレンズ21により集光され、フィルタ膜20、開口部19を経て光電変換部17に到達する。なお、入射光22は、受光セル上部にある赤外線カットフィルタ(図示せず)により赤外線領域の光がカットされているものとする。
フィルタ膜20は、受光セル毎に決められた膜厚(ta、tb、tc)を有する。
一般的に、一定の膜厚を有するポリシリコンは、その膜厚に応じてカットオフ波長が決まり、カットオフ波長よりも長い波長の光を透過させ、カットオフ波長よりも短い波長の光を透過させない性質をもつ。ここで、カットオフ波長とは、透過率のピークから一定の割合だけ透過率が低下する点における波長のことをいう。なお、厳密にはカットオフ波長よりも短い波長の光も多少透過するが、その分における信号電荷への寄与は小さいために、その透過を無視することができる。本明細書では説明を簡略化するために、カットオフ波長よりも短い波長の光については「透過しない」と表現する。
ポリシリコンにおいては、膜厚が厚ければカットオフ波長が長波長側に移動し、膜厚が薄ければカットオフ波長が短波長側に移動する。
つまり、各受光セル(1a、1b、1c)におけるフィルタ膜20の膜厚を調整することにより、カットオフ波長(λa、λb、λc)を、それぞれ赤色領域、緑色領域、青色領域、紫外線領域の境界の波長とすることができる。
そうすると、受光セル1aは、赤色領域の光から信号電荷を生成し、また、受光セル1bは、赤色領域及び緑色領域の光から信号電荷を生成し、さらに、受光セル1cは、赤色領域、緑色領域及び青色領域の光から信号電荷を生成することになる。
具体的には、各受光セル(1a、1b、1c)におけるフィルタ膜20のカットオフ波長(λa、λb、λc)を、以下のようにする。
λa:580nm
λb:490nm
λc:400nm
このカットオフ波長に対応するフィルタ膜20の膜厚(ta、tb、tc)は次のようになる。
ta:0.5μm
tb:0.3μm
tc:0.1μm
即ち、各受光セルにおいてフィルタ膜20を透過する光の波長は以下のようになる。
受光セル1a:580nm以上(赤色領域)
受光セル1b:490nm以上(緑色領域、赤色領域)
受光セル1c:400nm以上(青色領域、緑色領域、赤色領域)
これを示したのが図3である。
図3は、ポリシリコンの透過率と赤外線カットフィルタの透過率とを示す図である。
20aは、膜厚が0.5μmのポリシリコンの透過特性である。波長が580nm以上の光が透過する。
20bは、膜厚が0.3μmのポリシリコンの透過特性である。波長が490nm以上の光が透過する。
20cは、膜厚が0.1μmのポリシリコンの透過特性である。波長が400nm以上の光が透過する。
実施の形態1では、ta=0.5μm、tb=0.3μm、tc=0.1μmとしているが、実際には、ta=0.01〜2.0μm、tb=0.01〜1.5μm、tc=0〜1.0μmの範囲で調整することができる。
膜厚を全体的に薄くする場合には感度が改善するというメリットがあるが、各膜厚ta、tb及びtcの差分が小さくなることにより分光の差が小さくなるため色の分離が少し難しくなるというデメリットがある。逆に、各膜厚の差分が大きくなるように調整する場合には、感度が低下するというデメリットがあるが、色の分離が容易になるというメリットがある。
20dは、赤外線カットフィルタの透過特性である。波長が700nm以上の赤外線をカットしている。
これにより、受光セル1aへの入射光22は、そのうちの赤色領域の光のみがフィルタ膜20を透過して光電変換部17に到達する。また、受光セル1bへの入射光22は、そのうちの緑色領域及び赤色領域の光が光電変換部17に到達し、受光セル1cへの入射光は、そのうちの青色領域、緑色領域及び赤色領域の光が光電変換部17に到達する。
フィルタ膜20を透過した入射光22は、遮光膜18の開口部19を通過する。
遮光膜18は、隣接する受光セルからの散乱光が光電変換部17に到達することを防止する目的で、光電変換部17の直上のみに開口部19を設け、その他の部分を遮光するものである。これにより光電変換部17には、基板11にほぼ垂直な入射光のみが到達し、斜めからの光は遮られることになる。
光電変換部17は、P型ウェル16とのPN接合によりフォトダイオードを形成しており、フィルタ膜20と開口部19とを経て到達した光の輝度に応じて信号電荷を生成する。その光電変換の機構は次のようになる。
光電変換部17では、キャリアとなる電子がP型ウェルのキャリアである正孔と結合して消滅する空乏領域が形成されている。これにより、光電変換部17の電位が相対的に上昇し、P型ウェル16の電位が相対的に下降するため、空乏領域では内部電場が発生している状態となる。
この状態において、入射光22が光電変換部17に到達すれば、光電変換により電子正孔対が生成され、内部電場により電子と正孔とが反対方向にドリフトする。即ち、電子が光電変換部17の中心に向かってドリフトし、正孔がP型ウェルに向かってドリフトする。その結果、光電変換部17に電子が蓄積され、この蓄積された電子が各受光セルの信号電荷となる。
これにより、受光セル1aは、入射光22のうちの赤色領域の光の輝度に応じて信号電荷を生成する。また、受光セル1bは、赤色領域及び緑色領域の光の輝度に応じて信号電荷を生成し、受光セル1cは、赤色領域、緑色領域及び青色領域の光の輝度に応じて信号電荷を生成する。
しかし、これによれば、受光セル1b及び受光セル1cの信号電荷は、色信号が混在していることになる。したがって、各受光セルの信号電荷から撮像データを生成するには、受光セル1a、1b、1cの信号電荷に基づくデジタル信号(Sa、Sb、Sc)を加工して色信号(R、G、B)を導出しなければならない。その方法を以下に示す。
<信号処理>
図4は、信号処理回路の内部構成を示す図である。
信号処理回路6は、変換行列保持部61、演算部62、メモリ制御部63を備える。
変換行列保持部61は、アナログフロントエンド5において生成されたデジタル信号(Sa、Sb、Sc)を色信号(R、G、B)に変換する変換行列を保持する。
演算部62は、デジタル信号(Sa、Sb、Sc)に、変換行列を作用させて色信号(R、G、B)を得る。
メモリ制御部63は、作業用メモリ7及び記録用メモリ8へのアクセスを制御する。
図5は、変換行列保持部61が保持している変換行列とその逆行列を示す図である。
デジタル信号(Sa、Sb、Sc)と、色信号(R、G、B)とは、図5(a)の関係がある。
ここで、W11等は、フィルタ膜20の特性に基づく重み係数である。例えば、白色光を受光セル1cに入射したとき、青色光、緑色光、赤色光が吸収されずに完全に透過する場合、W11=0.333、W12=0.333、W13=0.333とする。また、青色光が若干吸収される場合には、上記のW11の比率を若干小さく設定するというように補正してもよい。また、図5では、変換行列とその逆行列にゼロとなる項があるが、実際には、各項は、完全にゼロではなく多少の数値をとる場合が多い。
図5(a)に示す行列は、変換行列保持部61が保持している変換行列の逆行列に相当する。したがって、変換行列は、図5(a)の行列を逆変換することにより得ることができる。図5(b)に示す行列は、図5(a)の逆行列であり、即ち変換行列保持部61が保持している変換行列である。
<メモリ制御部63の動作>
メモリ制御部63は、アナログフロントエンド5からのデジタル信号を受けて、一旦、作業用メモリ7に格納する。作業用メモリ7に1枚分の撮影データが蓄積されたら、メモリ制御部63は、撮影データの一部を作業用メモリ7から取得して演算部62へ入力する。
演算部62は、入力されたデータを変換行列保持部61に保持されている行列を作用させて色信号(R、G、B)を得る。
メモリ制御部63は、演算部62が得た色信号を記録用メモリ8へ格納して、色信号で表された一枚分の撮影データを蓄積させる。
これにより、1枚分の撮像データは、記録用メモリ8に記録される。
<製造方法>
次に、フィルタ膜20の製造方法について説明する。
図6は、フィルタ膜20の製造方法の一例を示す図である。
図6(a)は、CVD(ChemicalVapor Deposition)工程後の受光セルを示す。
CVD工程とは、遮光膜形成層14の酸化シリコン膜までが形成された各受光セル(1a、1b、1c)において、当該酸化シリコン膜の上部全体に、CVD法によりポリシリコン膜201を形成する工程である。なお、ポリシリコン膜201は、0.5μmの膜厚に設定される。
図6(b)は、フォトレジスト塗布工程後の受光セルを示す。
フォトレジスト塗布工程とは、CVD工程により形成されたポリシリコン膜201の上部全体にフォトレジスト(PR)202を塗布する工程である。
図6(c)は、露光・現像工程後の受光セルを示す。
露光・現像工程とは、フォトレジスト塗布工程により形成されたフォトレジスト202に、一定パターンのマスクをかけて露光し、感光部分を除去し、残留部分のフォトレジストを硬化させる工程である。これにより、ドライエッチング工程によりエッチングを行わない領域(受光セル1aの領域)のみフォトレジスト202が残留した状態となる。
図6(d)は、ドライエッチング工程後の受光セルを示す。
ドライエッチング工程とは、露光・現像工程後のポリシリコン膜201に、エッチングを施す工程である。これにより、ポリシリコン膜201のうちフォトレジスト202が残留していない領域がエッチングされて膜厚が薄くなる。ここで、エッチングされた領域(受光セル1bの領域、受光セル1cの領域)のポリシリコン膜201の膜厚は、0.3μmになるように設定される。
なお、ドライエッチングによる膜厚制御は、対象がポリシリコンの場合、±30nmの精度で行うことができる。
図6(e)は、フォトレジスト塗布工程後の受光セルを示す。
これにより、図6(b)と同様にポリシリコン膜201の上部全体にフォトレジスト(PR)203が塗布される。
図6(f)は、露光・現像工程後の受光セルを示す。
これにより、ドライエッチング工程によりエッチングを行わない領域(受光セル1aの領域、受光セル1bの領域)のフォトレジスト203が残留した状態となる。
図6(g)は、ドライエッチング工程後の受光セルを示す。
これにより、ポリシリコン膜201のうちフォトレジスト203が残留していない領域がエッチングされる。ここで、エッチングされた領域(受光セル1cの領域)のポリシリコン膜201の膜厚が0.1μmになるように設定される。
図6(h)は、フォトレジスト除去工程後の受光セルを示す。
フォトレジスト除去工程とは、不要となったフォトレジスト203を除去する工程である。
これにより、生成されたポリシリコン膜201が、図2に示すフィルタ膜20となる。
以上説明したように、実施の形態1に係るフィルタ膜は、色別に異なる顔料又は染料ではなく、色別に異なる膜厚により透過光の波長域を定める。したがって、その製造工程において色別に異なる顔料又は染料の材料管理が不要となり、コストを削減することができる。
また、フィルタ膜は、半導体プロセスにより製造され得る。したがって、アクリル系樹脂を扱うカラーフィルタ製造プロセスが不要となる。その結果、製造設備の流用及び製造工程の簡易化を図ることができる。
なお、光を透過させないようにするには2種類の方法が考えられる。第1は、フィルタ膜に光を吸収させる方法であり、第2は、フィルタ膜に光を反射させる方法である。本発明は、材料管理の簡略化及びフレア現象の発生率の観点から第1の方法を採用している。フレア現象とは、他の光電変換部からの反射光が到達することにより、正規の信号に擬似信号が重畳される現象である。
第2の方法は、例えば、異なる屈折率の材料からなる層を交互に積層した構造により実現することができる。一方、第1の方法では、既に説明したようにフィルタ膜は、1種類の材料(ポリシリコン、アモルファスシリコン又はシリコン)を用いて製造される。したがって、第1の方法が材料管理の簡略化の観点において第2の方法より優れている。
第2の方法では、透過しない光はフィルタ膜で反射されて受光素子内で散乱することにより他の光電変換部に到達することがある。一方、第1の方法では、透過しない光はフィルタ膜で吸収されるのでそのようなことが起こりにくい。したがって、第1の方法がフレア現象の発生率の観点において第2の方法より優れている。
なお、実施の形態1では、フィルタ膜20よりも屈折率が小さな酸化シリコン膜でフィルタ膜20の光源側の主面が覆われている。これにより、入射光の反射率を低減させることができる。通常、受光素子は空気などのガス中にあるので、光はガスを通過した後にフィルタ膜に達する。ここで、ガスとフィルタ膜20とが直接触れていると、これらの屈折率の差が大きいのでこれらの界面での反射率が高くなる。そこで、実施の形態1は、ガスとフィルタ膜20との間に酸化シリコン膜を介挿することにより、反射率を低減させて感度の向上を図っている。
(実施の形態2)
<概要>
実施の形態2では、フィルタ形成層15を遮光膜形成層14よりも下部に形成し、フィルタ形成層15とフォトダイオード層12とを絶縁する絶縁層13の層厚を1nmから150nmとする。これにより、各受光セルは、各層の界面における入射光22の反射を軽減し、その結果、感度の低下を抑制することができる。
<構成>
図7は、実施の形態2に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。
各受光セルは、基板11、フォトダイオード層12、絶縁層13、遮光膜形成層14、フィルタ形成層15からなる。ここで、フィルタ形成層15が遮光膜形成層14と絶縁層13との層間に存在するのが実施の形態1に係る受光セルと異なる。それ以外の部分については実施の形態1と同様なので説明を省略する。
フィルタ形成層15は、ポリシリコンからなるフィルタ膜20を備え、通常の半導体プロセスにより形成することができる。したがって、フォトダイオード層12と遮光膜形成層14との層間に形成することができる。
また、フィルタ膜20は、上述のようにポリシリコンであるためフォトダイオード層12と絶縁しなければ、光電変換部17で生成した信号電荷がフィルタ膜20にリークする可能性がある。そこで、フィルタ膜20とフォトダイオード層12との間に、1nmから150nm程度の絶縁層13を設けている。
この1nmから150nm程度の絶縁層13が、実施の形態2に係る受光セルの特徴となっている。
入射光22は、マイクロレンズ21により集光され、開口部19、フィルタ膜20を経て光電変換部17に到達する。一般的に、光が屈折率の低い媒質から屈折率の高い媒質に入射する場合、その界面において一定の割合で反射が起こる。
受光セルにおいて入射光22が通過する各部の材質及び屈折率は、以下の通りとなる。
開口部19: 酸化シリコン 屈折率1.45
フィルタ膜20: ポリシリコン 屈折率4
絶縁層13: 酸化シリコン 屈折率1.45
光電変換部17: N型シリコン 屈折率4
つまり、入射光22は、フィルタ膜20の界面S1、フィルタ膜20と絶縁層13との界面S2、絶縁層13と光電変換部17との界面S3を通過するが、界面S1及びS3を通過する際に一定の割合で反射が起こる。したがって、光電変換部17に到達する光量が反射により減少して受光セルの感度低下を招く。
しかし、絶縁層13を1nmから150nm程度にすれば、絶縁層13と光電変換部17との界面における反射率が抑制されることが知られている。これにより、受光セルの感度低下を抑制することができる。
以上説明したように、実施の形態2に係る受光セルは、実施の形態1に係る受光セルの効果に加えて、絶縁層13の層厚を1nmから150nm程度にすることにより、入射光22の反射を軽減し、受光セルの感度低下を抑制する効果を有する。
(実施の形態3)
<概要>
実施の形態3では、さらに受光セルの感度向上を図るべく、フィルタ膜20とフォトダイオード層12とを絶縁する絶縁層13を取り去ることとする。しかし、単に絶縁層13を取り去るだけでは、光電変換部17で生成された信号電荷がフィルタ膜20にリークしてしまうという問題があるので、光電変換部17とフィルタ膜20との間に信号電荷のリークを防止する電位障壁部23を設けることとする。これにより、絶縁層13とフォトダイオード層12との界面における反射を完全に防止することができる。
<構成>
図8は、実施の形態3に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。
各受光セルは、基板11、フォトダイオード層12、遮光膜形成層14、フィルタ形成層15からなる。ここで、絶縁層13が存在しないことが実施の形態2に係る各受光セルと異なる。また、光電変換部17とフィルタ膜20とが電位障壁部23を介して接触しており、光電変換部17で生成された信号電荷の転送又は非転送を切り替える転送トランジスタ24が図示されている。それ以外の部分については実施の形態2と同様なので説明を省略する。
電位障壁部23は、光電変換部17にP型不純物を注入することにより形成されており、光電変換部17とフィルタ膜20との間に障壁電位を生成するものである。これにより、光電変換部17で生成された信号電荷のフィルタ膜20へのリークが防止される。また、電位障壁部23は上述のようにシリコンなので、その屈折率は、フィルタ膜20及び光電変換部17の屈折率とほぼ一致する。したがって、これらの界面(S4、S5)における入射光22の反射はほとんどない。
転送トランジスタ24は、ドレイン電極が光電変換部17と接続され、ソース電極24Sが水平走査回路4側に接続され、ゲート電極24Gが垂直走査回路3に接続される。したがって、垂直走査回路3の制御信号により光電変換部17で生成された信号電荷の転送又は非転送を切り替えることができる。
なお、転送トランジスタ24は、受光セル1b、1cについても同様に設けられている(図示せず)。さらに、他の実施の形態に係る各受光セルについても同様に設けられているが、説明の必要がないため省略している。
このように、各受光セルは、電位障壁部23の障壁電位により光電変換部17の信号電荷がフィルタ膜20へリークすることを防止している。以下に、障壁電位について説明する。
図9は、受光セルのフィルタ膜20、電位障壁部23、光電変換部17、転送トランジスタ24における電位を示す図である。
図9(a)は、非転送時における各部の電位を示している。
電位障壁部23は、P型半導体なのでN型半導体である光電変換部17とのPN接合により相対的に電位が低くなる(障壁電位p2)。一方、光電変換部17は、相対的に電位が高くなる(光電変換部電位p3)。また、非転送時には、垂直走査回路3により、転送トランジスタ24のゲート電位p5は低くなるように制御される。これにより、光電変換部17の位置に井戸型ポテンシャルが形成される。
光電変換部17において光電変換により生成された電子は、井戸型ポテンシャルに信号電荷Q1として蓄積され、それに従って信号電位p4が低下する。
図9(b)は、転送時における各部の電位を示している。
転送時には、垂直走査回路3により、転送トランジスタ24のゲート電位p5が光電変換部電位p3程度まで高められる。これにより、信号電荷Q1がソース電極24S側へ転送される。
このように、電位障壁部23は、障壁電位p2を形成することにより信号電荷Q1がフィルタ膜20にリークすることを防止することができる。もし仮に電位障壁部23がなければ、信号電位p4がフィルタ膜電位p1まで低下すれば信号電荷Q1がフィルタ膜電位p1にリークすることになる。
また、障壁電位p2は、非転送時のゲート電位p5と共に井戸型ポテンシャルを形成するものなので、ゲート電位p5と同様か又はそれよりも障壁が高くなる(電位は低くなる)ようにするのが望ましい。
以上に説明したように、実施の形態3に係る受光セルは、実施の形態1に係る受光セルの効果に加えて、フィルタ膜20とフォトダイオード層12とを絶縁する絶縁層13を取り去ることで、絶縁層13とフォトダイオード層12との界面における反射をほぼ完全に防止し、受光セルの感度向上を図る効果を有する。
(実施の形態4)
<概要>
実施の形態4に係るフィルタ膜20は、フォトダイオード層12の光電変換部17の上部にP型不純物を注入することで形成される。これにより、CVD法により一定膜厚のポリシリコンを成膜し、受光セル毎に定められた膜厚になるようにエッチング加工を行う方法に比べて製造工程を大幅に削減することができる。
<構成>
図10は、実施の形態4に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。
各受光セルは、基板11、フォトダイオード層12、絶縁層13、遮光膜形成層14からなる。ここで、フィルタ膜20がフォトダイオード層12の光電変換部17の上部に形成されることが実施の形態1に係る受光セルと異なる。それ以外の部分については実施の形態1と同様なので説明を省略する。
フィルタ膜20は、光電変換部17にP型不純物を注入することで形成される。各受光セルにおけるフィルタ膜20の膜厚(ta、tb、tc)は、実施の形態1と同様に以下のようになる。
ta:0.5μm
tb:0.3μm
tc:0.1μm
図11は、受光セルの絶縁層13とフォトダイオード層12との界面(S6)からの深さと電位との関係を示す図である。
図11(a)は、受光セル1aを示している。
受光セル1aは、フィルタ膜20の膜厚が0.5μmであり、入射光22のうちの波長が580nm以上の光(赤色領域)のみが光電変換部17に到達する。
光電変換部17では、電位勾配(内部電場)が存在するので、光電変換により生じた電子は光電変換部17の中心へとドリフトし、正孔はフィルタ膜20へとドリフトする。これにより光電変換部17に信号電荷となる電子が蓄積する。
一方、フィルタ膜20もシリコンからなるので、入射光22のうちの青色領域及び緑色領域の光により電子正孔対が生成される。しかし、図11(a)に示すように、フィルタ膜20では電位勾配がないので電子正孔対はドリフトせず、一定時間経過後に再結合して消滅する。
したがって、受光セル1aの光電変換部17は、赤色領域の光のみによる信号電荷を生成し、蓄積することができる。
図11(b)は、受光セル1bを示している。
受光セル1bは、フィルタ膜20の膜厚が0.3μmであり、入射光22のうちの波長が490nm以上の光(緑色領域、赤色領域)のみが光電変換部17に到達する。
したがって、受光セル1bの光電変換部17は、緑色領域及び赤色領域の光による信号電荷を生成し、蓄積することができる。
図11(c)は、受光セル1cを示している。
受光セル1cは、フィルタ膜20の膜厚が0.1μmであり、入射光22のうちの波長が400nm以上の光(青色領域、緑色領域、赤色領域)のみが光電変換部17に到達する。
したがって、受光セル1cの光電変換部17は、青色領域、緑色領域及び赤色領域による信号電荷を生成し、蓄積することができる。
<製造方法>
次に、フィルタ膜20の製造方法について説明する。
図12は、フィルタ膜20の製造方法の一例を示す図である。
フィルタ膜20は、光電変換部17を形成した後に、P型不純物をイオン注入することで形成される。
図12(a)は、イオン注入工程後の受光セルを示す。
イオン注入工程とは、N型不純物(リン、ヒ素等)又はP型不純物(ボロン等)をイオン化し、電場により加速してシリコン基板などに打ち込む工程である。なお、イオンの注入を行わない領域は、フォトレジスト401で覆われて保護される。
ここでは、P型ウェル16にN型不純物を注入することで光電変換部17を形成している。
図12(b)は、イオン注入工程後の受光セルを示す。
ここでは、光電変換部17を形成するためのフォトレジスト401をそのまま流用して、光電変換部17にP型不純物をイオン注入することで膜厚が0.1μmのP型領域402を形成している。これにより、受光セル1cのフィルタ膜が形成される。
なお、イオン注入による膜厚制御は、注入されるイオン種によって異なるが、例えば、P型不純物としてボロンが選択された場合、±3nmの精度で行うことができる。
図12(c)は、フォトレジスト塗布工程後の受光セルを示す。
これにより、基板上部全体にフォトレジスト403が塗布される。
フォトレジスト403は、その後、露光・現像工程によりイオン注入を行う領域のみフォトレジストが除去される。
図12(d)は、イオン注入工程後の受光セルを示す。
光電変換部17にP型不純物を注入することで膜厚が0.3μmのP型領域404を形成している。これにより、受光セル1bのフィルタ膜が形成される。なお、受光セル1cについては、フォトレジストで保護されているのでイオン注入が行われない。
図12(e)は、フォトレジスト塗布工程後の受光セルを示す。
これにより、基板上部全体にフォトレジスト405が塗布される。
フォトレジスト405は、その後、露光・現像工程によりイオン注入を行う領域のみフォトレジストが除去される。
図12(f)は、イオン注入工程後の受光セルを示す。
光電変換部17にP型不純物を注入することで膜厚が0.5μmのP型領域406を形成している。これにより、受光セル1aのフィルタ膜が形成される。なお、受光セル1b、1cについては、フォトレジストで保護されているのでイオン注入が行われない。
図12(g)は、フォトレジスト除去工程後のフィルタ膜を示す。
フォトレジスト除去工程とは、不要となったフォトレジスト405を除去する工程である。
これにより、フィルタ膜20が生成される。
以上説明したように、実施の形態3に係る受光セルは、実施の形態1に係る受光セルの効果に加えて、光電変換部17を形成したものと同じフォトレジストを用いてフィルタ膜20を形成することができるので、製造工程を大幅に削減する効果を有する。
(変形例)
本発明に係るカメラシステムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)実施の形態では、MOS型イメージセンサを用いて説明したが、本発明は、CCD型イメージセンサにも適用可能である。
(2)フィルタ膜20の素材は、膜厚に応じて異なる波長域の光を通過させる素材であれば、ポリシリコンに限らない。例えば、アモルファスシリコンであってもよい。
(3)フィルタ膜20は、ポリシリコンのみの単一素材により形成されているが、所定の波長より短い波長の吸収率を高くし、当該所定の波長よりも長い波長の吸収率を低くすることができれば、これに限らない。例えば、異なる素材が積層され複数層からなるフィルタ膜としてもよい。
(4)受光セル1cに係るフィルタ膜20は、可視光領域を透過して紫外線領域をカットする役割を果たしている。したがって、カメラシステム内に、紫外線をカットする手段を有している場合には、受光セル1cに係るフィルタ膜20を不要としてもよい。例えば、カメラシステムでは、レンズにより集光された入射光は、光学ローパスフィルタ及び赤外線カットフィルタを通過した後に、受光素子1へと到達する。このカメラシステムにおいて、紫外線カットフィルタが備えられていれば、受光素子1の受光セル1cにおいて紫外線をカットする必要がない。
図13は、カメラシステム内に紫外線カットフィルタがある場合における受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。
図13に示すように、フィルタ膜20は、受光セル1aでは膜厚0.5μm、受光セル1bでは膜厚0.3μmとなっており、受光セル1cではフィルタ膜20が存在しない。
(5)実施の形態1から実施の形態3では、フィルタ膜20は全ての受光セルにおいて一体となっている。したがって、フィルタ膜20の一端をグラウンド電位(0V)に接続し、他端を電源電位(例えば、3V)に接続することでフィルタ膜20内部に電位勾配をつくり、入射光が通過する際にフィルタ膜20にて生成される電子正孔対の電子を電源側に、正孔をグラウンド側に吸収させてもよい。
(6)各受光セルに係るフィルタ膜20は、一般的なデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどに適用するために、3種類の膜厚をそれぞれta:0.5μm、tb:0.3μm、tc:0.1μmと規定している。しかし、他の用途に適用する場合には、特にこの組み合わせに限らない。
(7)なお、図3に示すように、厳密には膜厚が0.5μmのフィルタ膜は、カットオフ波長580nmよりも短い波長の光を多少透過する。即ち、受光セル1aのフィルタ膜は、赤色領域のみではなく、緑色領域あるいは青色領域の光も多少ながら透過することになる。しかしながら、カットオフ波長よりも短い光による信号電荷への寄与は小さいために、その透過を無視することができる。したがって、本明細書では説明を簡略化するために受光セル1aのフィルタ膜は、赤色領域のみを透過するとして説明している。同様に、受光セル1b及び受光セル1cも、カットオフ波長よりも短い波長の光を多少透過するが、この透過を無視して説明している。
上述の理由により数1及び数2の行列の一部の項は0となっているが、その透過を無視しない場合には、それらは0以外の数値になることがある。
(8)実施の形態では、受光セル1a、1b、1cの各フィルタ膜が一体構造となっているが、これに限らず、各フィルタ膜が分離した構造であってもよい。
(9)実施の形態では、フィルタ膜20の光源側の主面に反射抑制膜の材料として酸化シリコンを採用しているが、フィルタ膜20よりも屈折率が小さな材料であれば酸化シリコンに限らない。例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコンを用いてもよい。
本発明は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像部に利用することができる。
本発明に係るカメラシステムの構成を示す図である。 実施の形態1に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。 ポリシリコンの透過率と赤外線カットフィルタの透過率とを示す図である。 信号処理回路の内部構成を示す図である。 変換行列保持部61が保持している変換行列とその逆行列を示す図である。 フィルタ膜20の製造方法の一例を示す図である。 実施の形態2に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。 実施の形態3に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。 受光セルのフィルタ膜20、電位障壁部23、光電変換部17、転送トランジスタ24における電位を示す図である。 実施の形態4に係る受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。 受光セルの絶縁層13とフォトダイオード層12との界面(S6)からの深さと電位との関係を示す図である。 フィルタ膜20の製造方法の一例を示す図である。 変形例における受光セル(1a、1b、1c)の断面図である。
符号の説明
1 撮像部
1a 1b 1c 受光セル
2 駆動回路
3 垂直走査回路
4 水平走査回路
5 アナログフロントエンド
6 信号処理回路
7 作業用メモリ
8 記録用メモリ
9 制御部
11 基板
12 フォトダイオード層
13 絶縁層
14 金属層
15 フィルタ層
16 P型ウェル
17 光電変換部
18 遮光膜
19 開口部
20 フィルタ膜
21 マイクロレンズ
22 入射光
23 電位障壁部
24 転送トランジスタ
61 変換行列保持部
62 演算部
63 メモリ制御部

Claims (21)

  1. 半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光を透過させるフィルタ膜と、当該フィルタ膜を透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部とを備えてなる受光素子であって、
    各受光セルに備えられたフィルタ膜は、受光セル毎に定められた波長域に相応する膜厚に調整されていること
    を特徴とする受光素子。
  2. 前記フィルタ膜は、膜厚から定まるカットオフ波長よりも短い波長域の光の透過率が、前記カットオフ波長よりも長い波長域の光の透過率よりも小さくなる部材からなること
    を特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  3. 前記フィルタ膜は、光の吸収により透過率が小さくなる部材からなること
    を特徴とする請求項2に記載の受光素子。
  4. 前記フィルタ膜は、ポリシリコン、アモルファスシリコン又はシリコンを主成分とすること
    を特徴とする請求項2に記載の受光素子。
  5. 前記光電変換部は、シリコン基板にN型不純物が添加されることにより形成されており、
    前記フィルタ膜は、
    前記光電変換部にP型不純物が添加されることにより形成されること
    を特徴とする請求項3に記載の受光素子。
  6. 前記フィルタ膜は、さらに、膜厚が厚いほど前記カットオフ波長が大きくなる部材からなること
    を特徴とする請求項2に記載の受光素子。
  7. 前記フィルタ膜は、第1の膜厚、第2の膜厚及び第3の膜厚のいずれかに調整されており、
    前記第1の膜厚は、そのカットオフ波長が赤色領域と緑色領域との境界の波長となる膜厚であり、
    前記第2の膜厚は、そのカットオフ波長が緑色領域と青色領域との境界の波長となる膜厚であり、
    前記第3の膜厚は、そのカットオフ波長が青色領域と紫外線領域との境界の波長となる膜厚であること
    を特徴とする請求項2に記載の受光素子。
  8. 前記フィルタ膜は、ポリシリコン、アモルファスシリコン又はシリコンを主成分とすること
    を特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  9. 前記光電変換部は、シリコン基板にN型不純物が添加されることにより形成されており、
    前記フィルタ膜は、
    前記光電変換部にP型不純物が添加されることにより形成されること
    を特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  10. 前記各受光セルは、さらに、前記フィルタ膜の光源側の主面上に当該フィルタ膜の屈折率よりも小さな屈折率の材料からなる反射抑制膜が形成されること
    を特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  11. 前記フィルタ膜は、ポリシリコン、アモルファスシリコン又はシリコンを主成分とし、
    前記反射抑制膜は、窒化シリコン、酸化シリコン又は窒化酸化シリコンからなること
    を特徴とする請求項10に記載の受光素子。
  12. 前記受光セルは、さらに、
    前記光電変換部の直上を開口しそれ以外の部分を遮光する遮光膜を備え、
    前記フィルタ膜は、前記遮光膜と前記光電変換部との間にあること
    を特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  13. 前記受光セルは、さらに、
    前記フィルタ膜と前記光電変換部との間に膜厚が1nmから150nmまでの酸化シリコン膜を備えること
    を特徴とする請求項12に記載の受光素子。
  14. 前記受光セルは、さらに、
    前記信号電荷の非転送時には、前記光電変換部と転送先との間に光電変換部の電位よりも低いゲート電位を生成するゲート部と、
    前記光電変換部と前記フィルタ膜との間に、前記ゲート電位よりも低い障壁電位が生成される電位障壁部とを備えること
    を特徴とする請求項12に記載の受光素子。
  15. 半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部を備えてなる受光素子であって、
    一部の受光セルは、受光セル毎に定められた波長域に相応する膜厚に調整されたフィルタ膜を、当該フィルタ膜を透過した光が各受光セルの光電変換部に到達することとなる位置に備え、前記一部の受光セル以外の受光セルは、前記フィルタ膜を備えないこと
    を特徴とする受光素子。
  16. 前記フィルタ膜は、膜厚から定まるカットオフ波長よりも短い波長域の光の透過率が、前記カットオフ波長よりも長い波長域の光の透過率よりも小さくなる部材からなること
    を特徴とする請求項15に記載の受光素子。
  17. 前記フィルタ膜は、第1の膜厚及び第2の膜厚のいずれかに調整されており、
    前記第1の膜厚は、そのカットオフ波長が赤色領域と緑色領域との境界の波長となる膜厚であり、
    前記第2の膜厚は、そのカットオフ波長が緑色領域と青色領域との境界の波長となる膜厚であること
    を特徴とする請求項16に記載の受光素子。
  18. 第1波長域の光の輝度に対応する第1源信号と、前記第1波長域を含む第2波長域の光の輝度に対応する第2源信号とから、第2波長域のうちの第1波長域を除く領域の光の輝度に対応する色信号を得る信号処理装置であって、
    第1源信号及び第2源信号にそれぞれ対応する重み係数を保持している保持手段と、
    前記重み係数を第1源信号及び第2源信号のそれぞれに乗じた後に、それらの差分をとることにより色信号を得る演算手段と
    を備えることを特徴とする信号処理装置。
  19. 赤色領域と緑色領域との境界の波長よりも光の波長が長い領域の光の輝度に対応する第1源信号と、緑色領域と青色領域との境界の波長よりも光の波長が長い領域の光の輝度に対応する第2源信号と、青色領域と紫外線領域との境界の波長よりも光の波長が長い領域の光の輝度に対応する第3源信号とから、赤色領域の光の輝度に対応する赤色信号、緑色領域の光の輝度に対応する緑色信号及び青色領域の光の輝度に対応する青色信号を得る信号処理装置であって、
    第1源信号、第2源信号及び第3源信号の組から、赤色信号、緑色信号及び青色信号の組に変換する変換行列を保持する保持手段と、
    前記第1源信号、第2源信号及び第3源信号の組に前記変換行列を作用させる演算手段と
    を備えることを特徴とする信号処理装置。
  20. 半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光を透過するフィルタ膜と、当該フィルタ膜を透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部とを備えてなる受光素子を製造する製造方法であって、
    各受光セルに前記光電変換部を形成する形成ステップと、
    前記形成ステップにより形成された光電変換部の上部に、膜厚に応じて異なる波長域の光を透過する素材を、各受光セルにおいて均一の膜厚に成膜する成膜ステップと、
    前記成膜ステップにより成膜された素材を、受光セル毎に定められた膜厚となるようにエッチング加工するエッチングステップと
    を含むことを特徴とする受光素子の製造方法。
  21. 半導体基板に複数の受光セルが形成され、各受光セルは、受光セル毎に定められた波長域の光を透過するフィルタ膜と、当該フィルタ膜を透過した光の輝度に応じて信号電荷を生成する光電変換部とを備えてなる受光素子を製造する製造方法であって、
    各受光セルにN型不純物を添加することにより前記光電変換部を形成する形成ステップと
    前記形成ステップにより形成された光電変換部に、受光セル毎に定められた膜厚となるようにP型不純物を注入する注入ステップと
    を含むことを特徴とする受光素子の製造方法。
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