本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、説明は、下記の順序で行う。
1.実施形態1(遮光膜の上面を被覆する場合)
2.実施形態2(遮光膜の上面を被覆する場合において、中間層を設けた場合)
3.実施形態3(遮光膜の上面を被覆しない場合)
4.実施形態4(遮光膜埋め込み型)
5.その他
<1.実施形態1>
(1)装置構成
(1−1)カメラの要部構成
図1は、本発明にかかる実施形態1において、カメラ40の構成を示す構成図である。
図1に示すように、カメラ40は、固体撮像装置1と、光学系42と、制御部43と、信号処理回路44とを有する。各部について、順次、説明する。
固体撮像装置1は、光学系42を介して入射する光Hを撮像面PSで受光して光電変換することによって信号電荷を生成する。ここでは、固体撮像装置1は、制御部43から出力される制御信号に基づいて駆動し、信号電荷を読み出してローデータとして出力する。
光学系42は、結像レンズや絞りなどの光学部材を含み、入射する被写体像による光Hを、固体撮像装置1の撮像面PSへ集光するように配置されている。
制御部43は、各種の制御信号を固体撮像装置1と信号処理回路44とに出力し、固体撮像装置1と信号処理回路44とを制御して駆動させる。
信号処理回路44は、固体撮像装置1から出力された電気信号について信号処理を実施することによって、被写体像についてデジタル画像を生成するように構成されている。
(1−2)固体撮像装置の要部構成
固体撮像装置1の全体構成について説明する。
図2は、本発明にかかる実施形態1において、固体撮像装置1の全体構成を示すブロック図である。
本実施形態の固体撮像装置1は、CMOS型イメージセンサであり、図2に示すように、板状の半導体層101を含む。この半導体層101は、たとえば、単結晶シリコン半導体であり、画素領域PAと、周辺領域SAとが設けられている。
画素領域PAは、図2に示すように、矩形形状であり、複数の画素Pが水平方向xと垂直方向yとのそれぞれに配置されている。つまり、画素Pがマトリクス状に並んでいる。
画素領域PAにおいて、画素Pは、入射光を受光して信号電荷を生成するように構成されている。そして、その生成した信号電荷が、画素トランジスタ(図示なし)によって読み出されて電気信号として出力される。画素Pの詳細な構成については、後述する。
周辺領域SAは、図2に示すように、画素領域PAの周囲に位置している。そして、この周辺領域SAにおいては、周辺回路が設けられている。
具体的には、図2に示すように、垂直駆動回路13と、カラム回路14と、水平駆動回路15と、外部出力回路17と、タイミングジェネレータ(TG)18と、シャッター駆動回路19とが、周辺回路として設けられている。
垂直駆動回路13は、図2に示すように、周辺領域SAにおいて、画素領域PAの側部に設けられており、画素領域PAの画素Pを行単位で選択して駆動させるように構成されている。
カラム回路14は、図2に示すように、周辺領域SAにおいて、画素領域PAの下端部に設けられており、列単位で画素Pから出力される信号について信号処理を実施する。ここでは、カラム回路14は、CDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)回路(図示なし)を含み、固定パターンノイズを除去する信号処理を実施する。
水平駆動回路15は、図2に示すように、カラム回路14に電気的に接続されている。水平駆動回路15は、たとえば、シフトレジスタを含み、カラム回路14にて画素Pの列ごとに保持されている信号を、順次、外部出力回路17へ出力させる。
外部出力回路17は、図2に示すように、カラム回路14に電気的に接続されており、カラム回路14から出力された信号について信号処理を実施後、外部へ出力する。外部出力回路17は、AGC(Automatic Gain Control)回路17aとADC回路17bとを含む。外部出力回路17においては、AGC回路17aが信号にゲインをかけた後に、ADC回路17bがアナログ信号からデジタル信号へ変換して、外部へ出力する。
タイミングジェネレータ18は、図2に示すように、垂直駆動回路13、カラム回路14、水平駆動回路15,外部出力回路17,シャッター駆動回路19のそれぞれに電気的に接続されている。タイミングジェネレータ18は、各種のタイミング信号を生成し、垂直駆動回路13、カラム回路14、水平駆動回路15,外部出力回路17,シャッター駆動回路19に出力することで、各部について駆動制御を行う。
シャッター駆動回路19は、画素Pを行単位で選択して、画素Pにおける露光時間を調整するように構成されている。
(1−3)固体撮像装置の詳細構成
本実施形態にかかる固体撮像装置の詳細内容について説明する。
図3〜図5は、本発明にかかる実施形態1において、固体撮像装置の要部を示す図である。
図3は、画素Pの断面図である。そして、図4は、半導体基板に形成された画素Pの上面図である。また、図5は、画素Pの回路構成を示している。なお、図3は、図4に示すX1−X2部分の断面を示している。
図3に示すように、固体撮像装置1は、半導体層101の内部にフォトダイオード21が設けられている。たとえば、10〜20μm程度の厚みに薄膜化された半導体基板に設けられている。
この半導体層101の表面(図3では、下面)には、図3では図示していないが、図4,図5に示す画素トランジスタTrが設けられている。そして、図3に示すように、その画素トランジスタTrを被覆するように配線層111が設けられており、配線層111において、半導体層101の側に対して反対側の面には、支持基板SSが設けられている。
これに対して、半導体層101の裏面(図3では上面)には、反射防止膜50、遮光膜60、カラーフィルタCF、マイクロレンズMLが設けられており、この裏面側から入射する入射光Hを、フォトダイオード21が受光するように構成されている。
つまり、本実施形態の固体撮像装置1は、「裏面照射型CMOSイメージセンサ」であって、表面(図3では下面)側とは反対側の裏面(図3では上面)側において、入射光Hを受光するように形成されている。
(a)フォトダイオード21について
固体撮像装置1において、フォトダイオード21は、図2に示した複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。つまり、撮像面(xy面)において、水平方向xと、この水平方向xに対して直交する垂直方向yとのそれぞれに並んで設けられている。
フォトダイオード21は、入射光H(被写体像)を受光し光電変換することによって信号電荷を生成して蓄積するように構成されている。
ここでは、図3に示すように、半導体層101の裏面(図3では上面)側から入射する入射光をフォトダイオード21が受光する。フォトダイオード21の上方には、図3に示すように、反射防止膜50,平坦化膜HT,カラーフィルタCF,マイクロレンズMLが設けられており、各部を順次介して入射した入射光Hを、フォトダイオード21が受光して光電変換が行われる。
図3に示すように、フォトダイオード21は、たとえば、単結晶シリコン半導体である半導体層101内に設けられている。具体的には、フォトダイオード21は、n型の電荷蓄積領域(図示なし)を含む。そして、n型の電荷蓄積領域の上面側と下面側との各界面において、暗電流が発生することを抑制するように、ホール蓄積領域(図示なし)が形成されている。
半導体層101の内部には、図3に示すように、複数の画素Pの間を電気的に分離するようにp型の不純物が拡散された画素分離部101pbが設けられており、この画素分離部101pbで区画された領域に、フォトダイオード21が設けられている。
たとえば、図4に示すように、画素分離部101pbが複数の画素Pの間に介在するように形成されている。つまり、平面形状が格子状になるように画素分離部101pbが形成されており、フォトダイオード21は、図4に示すように、この画素分離部101pbで区画された領域内に形成されている。
そして、図5に示すように、各フォトダイオード21は、アノードが接地されており、蓄積した信号電荷(ここでは、電子)が、画素トランジスタTrによって読み出され、電気信号として垂直信号線27へ出力されるように構成されている。
(b)画素トランジスタTrについて
固体撮像装置1において、画素トランジスタTrは、図2に示した複数の画素Pに対応するように複数が配置されている。
画素トランジスタTrは、図4,図5に示すように、転送トランジスタ22と増幅トランジスタ23と選択トランジスタ24とリセットトランジスタ25とを含み、フォトダイオード21から信号電荷を読み出して電気信号として出力するように構成されている。たとえば、画素トランジスタTrは、図4に示すように、撮像面(xy面)において、フォトダイオード21の下方に位置するように設けられている。
画素トランジスタTrを構成する各トランジスタ22〜25は、図3では図示していないが、半導体層101において配線層111が設けられる表面に設けられている。たとえば、各トランジスタ22〜25は、半導体層101において画素Pの間を分離する画素分離部101pbに形成されている。たとえば、各トランジスタ22〜25は、NチャネルのMOSトランジスタであって、各ゲートが、たとえば、ポリシリコンを用いて形成されている。そして、各トランジスタ22〜25は、配線層111で被覆されている。
画素トランジスタTrにおいて、転送トランジスタ22は、図4,図5に示すように、フォトダイオード21にて生成された信号電荷を、フローティング・ディフュージョンFDに転送するように構成されている。
具体的には、転送トランジスタ22は、図4,図5に示すように、フォトダイオード21のカソードと、フローティング・ディフュージョンFDとの間に設けられている。そして、転送トランジスタ22は、ゲートに転送線26が電気的に接続されている。転送トランジスタ22では、転送線26からゲートに転送信号TGが与えられることによって、フォトダイオード21において蓄積された信号電荷を、フローティング・ディフュージョンFDに転送する。
画素トランジスタTrにおいて、増幅トランジスタ23は、図4,図5に示すように、フローティング・ディフュージョンFDにおいて、電荷から電圧へ変換された電気信号を増幅して出力するように構成されている。
具体的には、増幅トランジスタ23は、図4に示すように、選択トランジスタ24とリセットトランジスタ25の間に設けられている。ここでは、増幅トランジスタ23は、図5に示すように、ゲートが、フローティング・ディフュージョンFDに電気的に接続されている。また、増幅トランジスタ23は、ドレインが電源供給線Vddに電気的に接続され、ソースが選択トランジスタ24に電気的に接続されている。増幅トランジスタ23は、選択トランジスタ24がオン状態になるように選択されたときには、定電流源Iから定電流が供給されて、ソースフォロアとして動作する。このため、増幅トランジスタ23では、選択トランジスタ24に選択信号が供給されることによって、フローティング・ディフュージョンFDにおいて、電荷から電圧へ変換された電気信号が増幅される。
画素トランジスタTrにおいて、選択トランジスタ24は、図4,図5に示すように、選択信号が入力された際に、増幅トランジスタ23によって出力された電気信号を、垂直信号線27へ出力するように構成されている。
具体的には、選択トランジスタ24は、図4に示すように、増幅トランジスタ23に隣接するように設けられている。また、選択トランジスタ24は、図5に示すように、選択信号が供給されるアドレス線28にゲートが接続されている。そして、選択トランジスタ24は、選択信号が供給された際にはオン状態になり、上記のように増幅トランジスタ23によって増幅された出力信号を、垂直信号線27に出力する。
画素トランジスタTrにおいて、リセットトランジスタ25は、図4,図5に示すように、リセットトランジスタ25は、増幅トランジスタ23のゲート電位をリセットするように構成されている。
具体的には、リセットトランジスタ25は、図4に示すように、増幅トランジスタ23に隣接するように設けられている。このリセットトランジスタ25は、図5に示すように、リセット信号が供給されるリセット線29にゲートが電気的に接続されている。また、リセットトランジスタ25は、ドレインが電源供給線Vddに電気的に接続され、ソースがフローティング・ディフュージョンFDに電気的に接続されている。そして、リセットトランジスタ25は、リセット線29からリセット信号がゲートに供給された際に、フローティング・ディフュージョンFDを介して、増幅トランジスタ23のゲート電位を、電源電圧にリセットする。
上記において、転送線26、アドレス線28、リセット線29は、水平方向H(行方向)に並ぶ複数の画素Pの各トランジスタ22,24,25のゲートに接続するように配線されている。このため、上記の各トランジスタ22,23,24,25の動作は、1行分の画素Pについて同時に行われる。
(c)配線層111について
固体撮像装置1において、配線層111は、図3に示すように、半導体層101において、反射防止膜50などの各部が設けられた裏面(図3では上面)とは反対側の表面(図3では下面)に設けられている。
配線層111は、配線111hと絶縁層111zとを含み、絶縁層111z内において、配線111hが各素子に電気的に接続するように形成されている。ここでは、各配線111hは、図5にて示した、転送線26,アドレス線28,垂直信号線27,リセット線29などの各配線として機能するように、絶縁層111z内に積層して形成されている。
そして、配線層111において、半導体層101が位置する側に対して反対側の面には、支持基板SSが設けられている。たとえば、厚みが数百μmのシリコン半導体からなる基板が、支持基板SSとして設けられている。
(d)反射防止膜50について
固体撮像装置1において、反射防止膜50は、図3に示すように、半導体層101において、配線層111などの各部が設けられた表面(図3では下面)とは反対側の裏面(図3では上面)に設けられている。
反射防止膜50は、図3に示すように、第1の反射防止膜501と、第2の反射防止膜502とを含み、半導体層101の裏面側から入射する光Hが半導体層101の裏面で反射することを防止するように構成されている。つまり、反射防止膜50は、光学的干渉作用によって反射防止機能が発現されるように、材料および膜厚が、適宜、選択されて形成されている。ここでは、屈折率が高い材料を用いて形成することが好適である。特に、屈折率が1.5以上の材料を用いて形成することが好適である。
反射防止膜50において、第1の反射防止膜501は、図3に示すように、半導体層101の裏面(上面)を被覆するように形成されている。
具体的には、図3に示すように、半導体層101の裏面において、フォトダイオード21が形成された部分、および、画素分離部101pbが形成された部分を被覆するように、第1の反射防止膜501が設けられている。ここでは、第1の反射防止膜501は、半導体層101の平坦な裏面に沿って、一定の厚みになるように設けられている。
本実施形態においては、第1の反射防止膜501は、第2の反射防止膜502よりも膜厚が薄くなるように形成されている。
また、第1の反射防止膜501は、フォトダイオード21の受光面JSに正電荷蓄積(ホール)蓄積領域が形成されることで暗電流の発生が抑制されるように、負の固定電荷を有する高誘電体を用いて形成されている。たとえば、第1の反射防止膜501は、ハフニウム、ジルコニウム、アルミニウム、タンタル、チタン、マグネシウム、イットリウム、ランタノイド元素等の酸化物の少なくとも1つを含むように形成されている。第1の反射防止膜501が負の固定電荷を有するように形成することで、その負の固定電荷によって、フォトダイオード21との界面に電界が加わるので、正電荷蓄積(ホール)蓄積領域が形成される。
たとえば、1〜20nmの膜厚になるように成膜されたハフニウム酸化膜(HfO2膜)を、第1の反射防止膜501として設けている。
反射防止膜50において、第2の反射防止膜502は、図3に示すように、第1の反射防止膜501と遮光膜60との少なくとも一方を介在して、半導体層101の裏面(上面)を被覆するように形成されている。
具体的には、図3に示すように、半導体層101の裏面においてフォトダイオード21が形成された部分では、第1の反射防止膜501が半導体層101との間に介在するように、第2の反射防止膜502が設けられている。
また、半導体層101の裏面において画素分離部101pbが形成された部分では、第1の反射防止膜501と遮光膜60との両者が半導体層101との間に介在するように、第2の反射防止膜502が設けられている。ここでは、第1の反射防止膜501の上面のうち、半導体層101にて画素分離部101pbが設けられた部分に遮光膜60が設けられており、この遮光膜60を被覆するように、第1の反射防止膜501の上面に第2の反射防止膜502が設けられている。つまり、第1の反射防止膜501の平坦な面に凸状な遮光膜60が設けられて、凹凸面が設けられており、この凹凸面に沿うように、第2の反射防止膜502が一定の厚みで設けられている。
本実施形態においては、第2の反射防止膜502は、第1の反射防止膜501よりも膜厚が厚くなるように形成されている。
たとえば、第1の反射防止膜501と合計した膜厚が40〜80nmになるように成膜されたハフニウム酸化膜(HfO2膜)が、第2の反射防止膜502として形成されている。
第1の反射防止膜501,第2の反射防止膜502については、上記のハフニウム酸化膜(HfO2膜)の他に、種々の材料を用いることが可能である。
ここでは、シリコン酸化膜(SiO2膜)よりもフラットバンド電圧が大きい材料を用いて、第1の反射防止膜501を形成することが好適である。
たとえば、下記の高誘電体(High−k)材料を用いて、第1の反射防止膜501を形成することが好適である。なお、下記において、ΔVfbは、High−k材料のフラットバンド電圧Vfb(High−k)からSiO2のフラットバンド電圧Vfb(SiO2)を差分した値を示している(つまり、ΔVfb=Vfb(High−k)−Vfb(SiO2))。
・Al2O3(ΔVfb=4〜6V)
・HfO2(ΔVfb=2〜3V)
・ZrO2(ΔVfb=2〜3V)
・TiO2(ΔVfb=3〜4V)
・Ta2O5(ΔVfb=3〜4V)
・MgO2(ΔVfb=1.5〜2.5V)
また、上記の材料の他に、下記の材料を用いて、第2の反射防止膜502を形成することが好適である。
・SiN
・SiON
上記では、第1の反射防止膜501,第2の反射防止膜502の両者について、ハフニウム酸化膜(HfO2膜)を用いる場合について説明したが、これに限定されない。上記のような種々の材料を、適宜、組み合わせて用いることが可能である。
たとえば、下記のような材料の組み合わせで、第1の反射防止膜501,第2の反射防止膜502を形成することが好適である。なお、下記では、左側が、第1の反射防止膜501を形成する際に用いる材料を示しており、右側が、第2の反射防止膜502を形成する際に用いる材料を示している。
(第1の反射防止膜501の材料,第2の反射防止膜502の材料)=
(HfO2,HfO2)
(HfO2,Ta2O5)
(HfO2,Al2O3)
(HfO2,ZrO2)
(HfO2,TiO2)
(MgO2,HfO2)
(Al2O3,SiN)
(HfO2,SiON)
(e)遮光膜60について
固体撮像装置1において、遮光膜60は、図3に示すように、半導体層101の裏面(図3では上面)の側に設けられている。
遮光膜60は、半導体層101の上方から半導体層101の裏面へ向かう入射光Hの一部を、遮光するように構成されている。
図3に示すように、遮光膜60は、半導体層101の内部に設けられた画素分離部101pbの上方に設けられている。これに対して、半導体層101の内部に設けられたフォトダイオード21の上方においては、フォトダイオード21に入射光Hが入射するように、遮光膜60は、設けられておらず、開口している。
つまり、図4では図示をしていないが、遮光膜60は、画素分離部101pbと同様に、平面形状が格子状になるように形成されている。
本実施形態においては、図3に示すように、遮光膜60は、第1の反射防止膜501の上面において、凸形状に突き出るように設けられている。そして、遮光膜60は、第2の反射防止膜502によって、上面が被覆されていると共に、凸形状の側部が、第2の反射防止膜502で接触されるように設けられている。
遮光膜60は、光を遮光する遮光材料で形成されている。たとえば、膜厚が100〜400nmになるように成膜されたタングステン(W)膜が、遮光膜60として形成されている。この他に、窒化チタン(TiN)膜と、タングステン(W)膜とを積層することで、遮光膜60を形成しても好適である。
(f)その他
この他に、図3に示すように、半導体層101の裏面側においては、反射防止膜50の上面に平坦化膜HTが設けられている。そして、その平坦化膜HTの上面には、カラーフィルタCFと、マイクロレンズMLが設けられている。
カラーフィルタCFは、たとえば、赤色フィルタ層(図示なし)、緑色フィルタ層(図示なし)、青色フィルタ層(図示なし)を含み、ベイヤー配列で、その3原色の各フィルタ層が、各画素Pに対応するように配置されている。つまり、カラーフィルタCFは、水平方向xと水力方向yとにおいて隣接して並ぶ画素Pの間で、異なる色の光を透過するように、カラーフィルタCFが構成されている。
マイクロレンズMLは、各画素Pに対応するように複数が配置されている。マイクロレンズMLは、半導体層101の裏面側において凸状に突き出した凸レンズであり、各画素Pのフォトダイオード21へ入射光Hを集光するように構成されている。たとえば、マイクロレンズMLは、樹脂などの有機材料を用いて形成されている。
(2)製造方法
上記の固体撮像装置1を製造する製造方法の要部について説明する。
図6〜図10は、本発明にかかる実施形態1において、固体撮像装置の製造方法を示す図である。
図6〜図10は、図3と同様に、断面を示しており、各図に示す工程を順次経て、図3等に示した固体撮像装置1について製造をする。
(2−1)フォトダイオード21等の形成
まず、図6に示すように、フォトダイオード21等の形成を実施する。
ここでは、単結晶シリコン半導体からなる半導体基板の表面から不純物をイオン注入することで、フォトダイオード21,画素分離部101pbを形成する。そして、その半導体基板の表面に、画素トランジスタTr(図6では図示なし)を形成後、その画素トランジスタTrを被覆するように、配線層111を形成する。そして、配線層111の表面に支持基板SSを貼り合わせる。
この後、半導体基板を、たとえば、10〜20μm程度の厚みになるように薄膜化することで、上述した半導体層101が形成される。たとえば、CMP法によって研磨することで薄膜化を実施する。
(2−2)第1の反射防止膜501の形成
つぎに、図7に示すように、第1の反射防止膜501を形成する。
ここでは、図7に示すように、半導体層101の裏面(上面)を被覆するように、第1の反射防止膜501を形成する。
具体的には、図3に示すように、半導体層101の裏面において、フォトダイオード21が形成された部分、および、画素分離部101pbが形成された部分を被覆するように、第1の反射防止膜501を設ける。
たとえば、ALD(Atomic Layer Deposition)法によって、200〜300℃の成膜温度の条件下で、1〜20nmの膜厚になるようにハフニウム酸化膜(HfO2膜)を成膜することで、第1の反射防止膜501を設ける。
(2−3)遮光膜60の形成
つぎに、図8に示すように、遮光膜60を形成する。
ここでは、図8に示すように、半導体層101の内部に設けられた画素分離部101pbの上方に位置するように、第1の反射防止膜501の上面に、遮光膜60を形成する。
たとえば、スパッタリング法で、膜厚が100〜400nmになるように、第1の反射防止膜501の上面にタングステン(W)膜(図示なし)を成膜後、そのタングステン膜についてパターン加工することで、遮光膜60を形成する。具体的には、ドライエッチング処理を実施することで、タングステン膜から遮光膜60を形成する。
(2−4)第2の反射防止膜502の形成
つぎに、図9に示すように、第2の反射防止膜502を形成する。
ここでは、図9に示すように、第2の反射防止膜502が第1の反射防止膜501と遮光膜60との少なくとも一方を介在して、半導体層101の裏面(上面)を被覆するように、第2の反射防止膜502を形成する。
具体的には、図9に示すように、フォトダイオード21の形成部分では、第1の反射防止膜501のみが介在し、画素分離部101pbの形成部分では、第1の反射防止膜501と遮光膜60との両者が介在するように、第2の反射防止膜502を形成する。
たとえば、第1の反射防止膜501と合計した膜厚が40〜80nmになるように物理的気相成長(PVD)法でハフニウム酸化膜(HfO2膜)を成膜することで、第2の反射防止膜502を形成する。PVD法による成膜は、ALD法の場合と比較して、成膜速度が速いので、短時間で厚い膜を形成することが可能になる。
(2−5)平坦化膜HTの形成
つぎに、図10に示すように、平坦化膜HTを形成する。
ここでは、図10に示すように、第2の反射防止膜502上において、上面が平坦になるように、平坦化膜HTを形成する。
たとえば、樹脂などの有機材料を、スピンコート法で塗布することで、この平坦化膜HTを形成する。
この後、図3で示したように、半導体層101の裏面側に、カラーフィルタCF、マイクロレンズMLを設ける。このようにすることで、裏面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(3)まとめ
以上のように、本実施形態では、入射光Hを受光面JSで受光する複数のフォトダイオード21が、複数の画素Pに対応するように、半導体層101の内部に設けられている。そして、半導体層101にて入射光Hが入射する裏面(上面)の側には、入射光Hの反射を防止する反射防止膜50が設けられている。また、半導体層101の裏面の側には、入射光Hが受光面JSへ通過する開口が形成されている遮光膜60が設けられている。
ここで、反射防止膜50は、第1の反射防止膜501と第2の反射防止膜502との複数の膜を含み、第1の反射防止膜501が、裏面において受光面JSおよび遮光膜60が設けられた部分を被覆するように設けられている。これと共に、反射防止膜50においては、第2の反射防止膜502が、裏面において受光面JSが設けられた部分を被覆するように第1の反射防止膜501の上に形成されている。第1の反射防止膜501は、第2の反射防止膜502よりも膜厚が薄い。そして、遮光膜60は、第2の反射防止膜502の上に設けられておらず、第1の反射防止膜501の上に設けられている(図3参照)。
このように本実施形態では、半導体層101と遮光膜60との間には、薄い第1の反射防止膜501のみが形成されている。このため、遮光膜60の下方を入射光Hが透過することを抑制可能であるので、その画素Pに入射した入射光Hが、隣接する他の画素Pのフォトダイオード21に入射することを防止できる。つまり、入射光Hが直下の受光面JSに入射し、他の色の光を受光する他の画素Pの受光面JSへ入射することを防止することができる。
よって、本実施形態においては、「混色」が発生することを防止し、撮像したカラー画像において色再現性を向上可能である
したがって、本実施形態は、画像品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、負の固定電荷を有する高誘電体を用いて第1の反射防止膜501を形成している。このため、フォトダイオード21の受光面JSに正電荷蓄積(ホール)蓄積領域が形成されるので、暗電流の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、屈折率が1.5以上の材料を用いて反射防止膜50を形成している。このため、シリコン(Si)との屈折率差が小さくなるので、そのシリコンの受光面における反射防止の効果を奏することができる。特に、下層のSiの屈折率(3.6)と上層のSiO2の屈折率(1.45)の中間の屈折率の材料を用いることが好適である。具体的には、SiN膜(屈折率が2程度)を、反射防止膜50を形成することが好適である。その他、TiO2のような高屈折率膜(屈折率2.5程度)を用いても良い。よって、屈折率が1.5以上であって、2.6以下の材料を用いて、反射防止膜50を形成することが好適である。
また、本実施形態では、ALD法で第1の反射防止膜501を成膜している。このため、界面準位の少ない良好なシリコン界面を形成できるので、暗電流低減の効果を奏することができる。
<2.実施形態2>
(1)装置構成など
図11は、本発明にかかる実施形態2において、固体撮像装置1bの要部を示す図である。
図11は、図3と同様に、画素Pの断面を示している。
図11に示すように、本実施形態においては、絶縁膜Z1が設けられている。これと共に、遮光膜60bの材料が実施形態1の場合と異なる。これらの点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する部分については、記載を省略する。
本実施形態では、遮光膜60bは、実施形態1と異なり、チタン(Ti)膜が用いられて形成されている。
チタン膜は、密着性に優れる。しかしながら、チタン膜は、還元作用が強い。
第1の反射防止膜501として形成されたハフニウム酸化膜(HfO2膜)上に、直接、遮光膜60bとしてチタン膜を形成した場合には、両者の膜の間で反応が生ずる。このため、この場合には、界面準位に起因した暗電流の発生を効果的に抑制することが困難な場合がある。
このような不具合の発生を防止するために、本実施形態では、図11に示すように、第1の反射防止膜501として形成されたハフニウム酸化膜(HfO2膜)と、遮光膜60bとして形成されたチタン膜との間に、絶縁膜Z1を中間層として設けている。
つまり、本実施形態では、絶縁膜Z1は、遮光膜60bよりも第1の反射防止膜501との間の反応が生じにくい材料を用いて形成されている。
たとえば、絶縁膜Z1は、シリコン酸化膜であり、膜厚が、10nm〜50nmになるように形成されている。
(2)製造方法
上記の固体撮像装置を製造する製造方法の要部について説明する。
図12〜図14は、本発明にかかる実施形態2において、固体撮像装置1bの製造方法を示す図である。
図12〜図14は、図11と同様に、断面を示しており、図12〜図14に示す各工程を順次経て、図11に示した固体撮像装置について製造をする。
本実施形態の場合においても、実施形態1の場合と同様に、図6,図7に示すように、フォトダイオード21等の形成、第1の反射防止膜501の形成を実施する。
(2−1)絶縁膜Z1,遮光膜60bの形成
つぎに、図12に示すように、絶縁膜Z1,遮光膜60bを形成する。
ここでは、図12に示すように、半導体層101の内部に設けられた画素分離部101pbの上方に位置するように、第1の反射防止膜501の上面に、絶縁膜Z1と遮光膜60とを形成する。
たとえば、プラズマCVD法で、膜厚が10nm〜50nmになるように、第1の反射防止膜501の上面にシリコン酸化膜を形成する。その後、たとえば、スパッタリング法で、膜厚が10〜50nmになるように、そのシリコン酸化膜の上面に密着層としてチタン(Ti)膜を成膜する。その後、遮光膜としてタングステン(W)膜を100〜400nmの厚みになるように成膜する。
そして、シリコン酸化膜とタングステン・チタン膜とのそれぞれについてパターン加工することで、絶縁膜Z1,遮光膜60bを形成する。具体的には、シリコン酸化膜についてドライエッチング処理を実施することで、絶縁膜Z1にパターン加工する。また、タングステン・チタン膜についてドライエッチング処理を実施することで、遮光膜60bにパターン加工する。
(2−2)第2の反射防止膜502の形成
つぎに、図13に示すように、第2の反射防止膜502を形成する。
ここでは、図13に示すように、絶縁膜Z1と遮光膜60bとが形成された第1の反射防止膜501の上面を被覆するように、第2の反射防止膜502を形成する。
たとえば、実施形態1の場合と同様に、物理的気相成長(PVD)法でハフニウム酸化膜(HfO2膜)を成膜することで、第2の反射防止膜502を形成する。
これにより、フォトダイオード21の形成部分では、第1の反射防止膜501のみが介在し、画素分離部101pbの形成部分では、第1の反射防止膜501と絶縁膜Z1と遮光膜60bとが介在するように、第2の反射防止膜502が形成される。
(2−3)平坦化膜HTの形成
つぎに、図14に示すように、平坦化膜HTを形成する。
ここでは、図14に示すように、実施形態1の場合と同様に、第2の反射防止膜502上において、上面が平坦になるように、平坦化膜HTを形成する。
この後、図11で示したように、半導体層101の裏面側に、カラーフィルタCF、マイクロレンズMLを設ける。このようにすることで、裏面照射型のCMOS型イメージセンサを完成させる。
(3)まとめ
本実施形態では、実施形態1の場合と同様に、半導体層101と遮光膜60bとの間には、薄い第1の反射防止膜501のみが形成されている(図11参照)。
よって、「混色」が発生することを防止し、撮像したカラー画像において色再現性を向上可能である。
また、本実施形態においては、実施形態1と異なり、第1の反射防止膜501と遮光膜60bとの間に絶縁膜Z1が設けられている(図11参照)。
このため、本実施形態では、第1の反射防止膜501と遮光膜60bとの間の反応が防止される。よって、密着性の向上のために、還元作用が強いチタンなどの材料を遮光膜60bに用いた場合でも、第1の反射防止膜501に含まれる負の固定電荷の作用によって、界面準位に起因した暗電流の発生を効果的に抑制できる。
したがって、本実施形態は、画像品質を向上させることができる。
なお、上記の他に、下記に示す材料の組み合わせで第1の反射防止膜501と遮光膜60bとを形成する場合には、本実施形態のように、絶縁膜Z1を中間層として設けることが好適である。
(第1の反射防止膜501の材料,遮光膜60bの材料)=
(HfO2,Ti)、(Al2O3,Ti)、(ZrO2,Ti)
<3.実施形態3>
(1)装置構成など
図15は、本発明にかかる実施形態3において、固体撮像装置1cの要部を示す図である。
図15は、図3と同様に、画素Pの断面を示している。
図15に示すように、本実施形態においては、反射防止膜50cと遮光膜60cの構成が、実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する部分については、記載を省略する。
(a)反射防止膜50cについて
反射防止膜50cは、図15に示すように、実施形態1と同様に、第1の反射防止膜501と、第2の反射防止膜502cとの複数の膜を含む。
反射防止膜50cにおいて、第1の反射防止膜501は、実施形態1の場合と同様に、半導体層101の裏面(図15では上面)上に設けられている。そして、第2の反射防止膜502cは、図15に示すように、半導体層101の裏面にて、フォトダイオード21が形成された部分で第1の反射防止膜501が介在するように設けられている。
しかしながら、半導体層101の裏面において、画素分離部101pbが形成された部分では、実施形態1の場合と異なり、第2の反射防止膜502cが設けられていない。
(b)遮光膜60cについて
図15に示すように、遮光膜60cは、実施形態1と同様に、第1の反射防止膜501の上面のうち、半導体層101にて画素分離部101pbが設けられた部分に形成されている。しかし、この遮光膜60cを被覆するように、第2の反射防止膜502cが設けられていない。
(c)その他(製造方法など)
本実施形態では、第1の反射防止膜501を成膜後、遮光膜60cの形成前に、第2の反射防止膜502cを形成する。ここでは、第1の反射防止膜501の上面に、第2の反射防止膜502cを形成するための材料膜を成膜した後に、その材料膜をパターン加工することで、第2の反射防止膜502cを形成する。つまり、第1の反射防止膜501の上面のうち、遮光膜60cが形成される部分の表面が露出するように、第2の反射防止膜502cを形成するための材料膜をエッチングし、溝TRを形成することによって、第2の反射防止膜502cを形成する。
つぎに、その溝TRの内部を埋め込むように、遮光膜60cを形成するための材料膜を、第2の反射防止膜502c上に成膜する。そして、第2の反射防止膜502cの上面が露出するように、平坦化処理をすることで、遮光膜60cを形成する。
上記のように各部を形成して、固体撮像装置1cを完成させる。
本実施形態においては、上記のように各部を形成するため、第1の反射防止膜501と、第2の反射防止膜502cとについては、両者の間のエッチング選択比が大きくなる材料で形成することが好適である。また、遮光膜60cについては、溝TRに容易に埋め込むことが可能な材料で形成することが好適である。
(2)まとめ
本実施形態では、実施形態1の場合と同様に、半導体層101と遮光膜60cとの間には、薄い第1の反射防止膜501のみが形成されている(図15参照)。
よって、「混色」が発生することを防止し、撮像したカラー画像において色再現性を向上可能である。
本実施形態においては、実施形態1の場合と異なり、第2の反射防止膜502は、遮光膜60cの上面を被覆するように形成されていない。遮光膜60cは、第2の反射防止膜502に設けられた溝TRの内部に埋め込まれるように形成されている(図15参照)。
このため、本実施形態では、遮光膜60cと第2の反射防止膜502との表面が平坦になっている(図15参照)。よって、その上層に積層する平坦化膜HTを薄膜化可能であって、受光面JSへ入射する光Hの強度を向上可能であるために、高感度化を実現することができる。
したがって、本実施形態は、画像品質が向上させることができる。
<4.実施形態4>
(1)装置構成など
図16は、本発明にかかる実施形態4において、固体撮像装置1dの要部を示す図である。
図16は、図3と同様に、画素Pの断面を示している。
図16に示すように、本実施形態においては、反射防止膜50dと遮光膜60dの構成が、実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する部分については、記載を省略する。
(a)反射防止膜50dについて
反射防止膜50dは、図16に示すように、実施形態1と同様に、第1の反射防止膜501dと、第2の反射防止膜502dとの複数の膜を含む。
反射防止膜50dにおいて、第1の反射防止膜501dは、図16に示すように、実施形態1と同様に、半導体層101の裏面(上面)側を被覆するように形成されている。つまり、第1の反射防止膜501dは、半導体層101の裏面側において、フォトダイオード21が形成された部分、および、画素分離部101pbが形成された部分を被覆するように設けられている。
しかしながら、本実施形態では、実施形態1と異なり、半導体層101の裏面側は、平坦でなく、溝TRdが設けられて凹凸面になっており、第1の反射防止膜501dは、この凹凸面を被覆するように一定の厚みで形成されている。
反射防止膜50dにおいて、第2の反射防止膜502dは、図16に示すように、第1の反射防止膜501dと遮光膜60dとの少なくとも一方を介在して、半導体層101の裏面(上面)を被覆するように形成されている。
具体的には、図16に示すように、半導体層101の裏面においてフォトダイオード21が形成された部分では、実施形態1と同様に、第1の反射防止膜501dが半導体層101との間に介在するように、第2の反射防止膜502dが設けられている。
また、半導体層101の裏面において画素分離部101pbが形成された部分では、第1の反射防止膜501dと遮光膜60dとの両者が半導体層101との間に介在するように、第2の反射防止膜502が設けられている。
本実施形態では、図16に示すように、実施形態1と異なり、半導体層101の裏面側は、溝TRdが設けられており、第1の反射防止膜501dが溝TRdの面を被覆すると共に、その溝TRdの内部に遮光膜60dが設けられている。このため、このように形成された遮光膜60dを介在するように、第1の反射防止膜501dの上面に、第2の反射防止膜502dが設けられている。つまり、第1の反射防止膜501dと遮光膜60dとが設けられた平坦な面に沿うように、第2の反射防止膜502dが一定の厚みで設けられている。
(b)遮光膜60dについて
遮光膜60dは、図16に示すように、半導体層101の内部に設けられた画素分離部101pbの上方に設けられている。
本実施形態においては、図16に示すように、半導体層101の裏面側において画素分離部101pbが設けられた部分には、溝TRdが設けられており、その溝TRdの面を被覆するように、第1の反射防止膜501dが設けられている。そして、遮光膜60dは、その第1の反射防止膜501dが被覆された溝TRdの内部に埋め込まれるように設けられている。
そして、遮光膜60dは、第2の反射防止膜502dによって、上面が被覆されている。
(c)その他(製造方法など)
本実施形態では、第1の反射防止膜501の成膜前に、半導体層101の裏面側において、画素分離部101pbが設けられた部分に、溝TRdを形成する。そして、その溝TRdを被覆するように、半導体層101の裏面に第1の反射防止膜501を成膜する。
つぎに、その溝TRの内部を埋め込むように、遮光膜60dを形成するための材料膜を、第1の反射防止膜501d上に成膜する。そして、第1の反射防止膜501dの上面が露出するように、平坦化処理をすることで、遮光膜60dを形成する。
そして、第1の反射防止膜501dおよび遮光膜60dを被覆するように、第2の反射防止膜502dを形成する。
上記のように各部を形成して、固体撮像装置1dを完成させる。
(2)まとめ
本実施形態では、画素分離部101pbの形成部分に設けられた溝TRdの内部に、遮光膜60dが設けられている(図16参照)。
このため、その画素Pから隣接する他の画素Pのフォトダイオード21に入射する光を、遮光膜60dが遮ることが可能である。よって、「混色」が発生することを防止し、撮像したカラー画像において色再現性を向上可能である。
また、本実施形態では、半導体層101の表面が平坦になっているので、その上方に積層する平坦化膜HTを薄膜化することが可能であり、受光面JSへ入射する光Hの強度を向上可能である。よって、高感度化を実現することができる。
<5.その他>
本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
たとえば、上記の実施形態では、反射防止膜50を、2つの膜で構成する場合について説明したが、これに限定されない。入射光が入射する面のうち、受光面と遮光膜の形成部分を被覆する第1の反射防止部と、その第1の反射防止部の上において、受光面JSの形成部分を被覆する第2の反射防止部とを反射防止膜50が含むように構成すれば、膜の数は、限定されない。
上記の実施形態では、「裏面照射型」の場合について説明したが、これに限定されない。「表面照射型」の場合において、本発明を適用しても良い。
上記の実施形態では、転送トランジスタと増幅トランジスタと選択トランジスタとリセットトランジスタとの4種を、画素トランジスタとして設ける場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、転送トランジスタと増幅トランジスタとリセットトランジスタとの3種を、画素トランジスタとして設ける場合に適用しても良い。
上記の実施形態では、1つのフォトダイオードに対して、転送トランジスタと増幅トランジスタと選択トランジスタとリセットトランジスタとのそれぞれを1つずつ設ける場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、複数のフォトダイオードに対して、増幅トランジスタと選択トランジスタとリセットトランジスタのそれぞれを1つずつ設ける場合に適用しても良い。
また、上記の実施形態においては、カメラに本発明を適用する場合について説明したが、これに限定されない。スキャナーやコピー機などのように、固体撮像装置を備える他の電子機器に、本発明を適用しても良い。
なお、上記の実施形態において、固体撮像装置1,1b,1c,1dは、本発明の固体撮像装置に相当する。また、上記の実施形態において、フォトダイオード21は、本発明の光電変換部に相当する。また、上記の実施形態において、カメラ40は、本発明の電子機器に相当する。また、上記の実施形態において、半導体層101は、本発明の半導体層に相当する。また、上記の実施形態において、反射防止膜50,50c,50dは、本発明の反射防止膜に相当する。また、上記の実施形態において、第1の反射防止膜501,501dは、本発明の第1の反射防止部に相当する。また、上記の実施形態において、第2の反射防止膜502,502c,502dは、本発明の第2の反射防止部に相当する。
また、上記の実施形態において、遮光膜60,60b,60c,60dは、本発明の遮光膜に相当する。また、上記の実施形態において、受光面JSは、本発明の受光面に相当する。また、上記の実施形態において、画素Pは、本発明の画素に相当する。また、上記の実施形態において、絶縁層Z1は、本発明の中間層に相当する。