JP2005175283A - データ分析方法、及び、デバイス製造方法とそのシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子デバイスの製造に関わる計測データより周期成分を検出し(ステップS110)、検出した周期成分(ステップS120)又は計測データから周期成分を除去した残存成分(ステップS140)に基づいて、計測データの示す特性の原因を推定する。周期成分の検出は、候補の周期たる仮周期を設定し、計測データの仮周期離れたデータの相関を検出し、相関が所定の値以上高い場合に計測データに仮周期を周期とする周期性があるものとして検出する。また原因の推定は、検出した周期成分と周期が同一の事象を検出することにより行う。周期性には、任意の時間を単位とした時間経過の中における周期性、任意の枚数のウエハを単位としてウエハの処理順序の中における周期性、及び、任意の数のロットを単位としてロットの処理順序の中における周期性を含む。
【選択図】 図10
Description
このような診断システムや装置支援システムにおいては、露光装置やプロセス処理装置等の製造装置、検査装置及び計測装置等から各種のデータを収集し、サーバー装置等においてそれらのデータを解析することにより状況の把握等を行い、制御パラメータ等の調整を行っている。これにより、例えば、装置の稼動状況の分析及び把握、装置の傾向を統計的に解析しての異常の検知、及び、装置の傾向から未来を予測しての異常発生の防止、等の処理が行われている(例えば、特許文献1参照)。
その結果、従来、計測データの適切な分析が行えず、計測データを有効に活用できないという問題がある。
また本発明の他の目的は、そのようなデータ分析を適切に行いデバイスを適切に製造することができるデバイス製造方法及びデバイス製造システムを提供することにある。
また好適には、前記周期成分の検出は、候補の周期たる仮周期を設定し、前記計測データの前記仮周期離れたデータの相関を検出し、前記相関が所定の値以上高い場合に、前記計測データに前記仮周期を周期とする周期性があるものと検出することを特徴とする。
また好適には、前記計測データは、ウエハの処理に関わり計測されたデータであり、前記周期性は、任意の枚数のウエハを単位として前記ウエハの処理順序の中における周期性を含む。
また好適には、前記計測データは、ロット毎にウエハを処理する処理に関わり計測されたデータであり、前記周期性は、任意の数のロットを単位として前記ロットの処理順序の中における周期性を含む。
また好適には、前記計測データに基づいて、前記デバイス製造装置又は前記デバイスの異常の原因を推定する。
また、そのようなデータ分析を適切に行いデバイスを適切に製造することができるデバイス製造方法及びデバイス製造システムを提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態の露光装置システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、露光装置システム1は、露光装置10、トラック20、レーザー30、インライン計測器(検査装置)40、オフライン計測器(検査装置)50、装置支援システム60及び通信ネットワーク70を有する。
なお、露光装置システム1は、複数のデバイス製造ラインを有し、露光装置10、トラック20、レーザー30及びインライン計測器40は、例えば各ラインに対応して複数設けられている。また、オフライン計測器50は、それらの製造ラインとは別に複数設けられている。
露光装置10は、レチクル上に形成された所望のパターンの像を感光材料が塗布された基板(ウエハ)上に投影し、ウエハ上にそのパターンを転写する。本実施の形態の露光装置10は、画像処理によりウエハの所定の基準となるパターンを検出するオフアクシス方式のアライメント光学系を有する露光装置である。
なお、以下の説明においては、図2中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよう設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定される。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
なお、投影レンズPLはレンズ等の光学素子を複数有する。その光学素子の硝材としては露光光ELの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料が使用される。
また、レーザー干渉計112は、X軸に沿って移動鏡111にレーザービームを照射する2個のX軸用のレーザー干渉計及びY軸に沿って移動鏡111にレーザービームを照射するY軸用のレーザー干渉計より構成され、X軸用の1個のレーザー干渉計及びY軸用の1個のレーザー干渉計により、ウエハステージ9のX座標及びY座標が計測される。また、X軸用の2個のレーザー干渉計の計測値の差により、ウエハステージ109のXY平面内における回転角が計測される。
また、位置計測情報PDSは主制御系115へ出力される。主制御系115は、供給された位置計測信号PDSをモニターしつつ、ウエハステージ109の位置を制御する制御信号をステージコントローラ113へ出力する。
さらに、レーザー干渉系112から出力された位置計測信号PDSは後述するレーザステップアライメント(LSA)演算ユニット125へ出力される。
レーザー光源116は、例えばHe−Neレーザー等の光源であり、赤色光(例えば波長632.8nm)であってウエハW上に塗布されたフォトレジストに対して非感光性のレーザービームLBを出射する。このレーザービームLBは、シリンドリカルレンズ等を含むビーム整形光学系117を透過し、ミラー118、レンズ系119、ミラー120、ビームスプリッタ121を介して対物レンズ122に入射する。対物レンズ122を透過したレーザービームLBは、レチクルRの下方であってXY平面に対して斜め方向に設けられたミラー123で反射され、投影レンズPLの視野の周辺に光軸AXと平行に入射され、投影レンズPLの瞳EPの中心を通ってウエハWを垂直に照射する。
投影レンズPLは、このスポット光SP0をウエハW上にスポットSPとして再結像する。
ミラー123は、レチクルRのパターン領域PAの周辺よりも外側で、かつ投影レンズPLの視野内にあるように固定される。従って、ウエハW上に形成されるスリット状のスポット光SPは、パターン領域PAの投影像の外側に位置する。
図4は受光素子124の受光面を示す図である。なお、投影レンズPLのウエハW側の開口数(N.A.)が大きく、回折格子マークから発生する3次回折光も瞳EPを通過する場合には、受光面124c,124dはその3次回折光も受光するような大きさにするとよい。
また、図2中のTTL方式のアライメント光学系の光路中に示した実線は、ウエハWとの結像関係を表し、破線は瞳EPとの共役関係を表す。
サーチアライメント計測は、ウエハ上に形成されている複数個のサーチアライメント用のマークを検出し、ウエハのウエハホルダーに対する回転量やXY面内での位置ずれを検出する処理である。本実施の形態においてサーチアライメント計測の信号処理方法としては、予め設定した基準パターン(テンプレート)を用いて、そのテンプレートに対応する所定のパターンを検出するテンプレートマッチング手法を用いる。
なお、サーチアライメント計測及びファインアライメント計測のいずれにおいても、その画像処理方法は本実施の形態の手法に限られるものではなく、各々、テンプレートマッチング手法でもエッジ計測手法でも、あるいはまたその他の画像処理方法であってもよい。
上記サーチアライメント計測時の観察倍率とファインアライメント計測時の観察倍率とは、互いに等しい観察倍率としてもよいし、あるいは、ファインアライメント時の倍率をサーチアライメント時の倍率よりも高倍に設定するようにしてもよい。
照明光の光源としてハロゲンランプ126を用いるのは、ハロゲンランプ126から出射される照明光の波長域は500〜800nmであり、ウエハW上面に塗布されたフォトレジストを感光しない波長域であるため、及び、波長帯域が広く、ウエハW表面における反射率の波長特性の影響を軽減することができるためである。
従って、ウエハWのマークの像は、指標板136の透明窓136e内に結像され、このウエハWのマークの像と指標マーク136a,136b,136c,136dとは、リレー系137,139及びミラー138を介してイメージセンサ140に結像する。
なお、イメージセンサ140で得る信号やその後段の信号処理の際に処理対象とする信号の形式は、本実施の形態の例に限られるものではない。テンプレートマッチングの際に、2次元画像処理を行うように構成して2次元信号を計測に用いるようにしてもよい。また、3次元画像信号を得て、3次元画像処理を行うように構成してもよい。さらに言えば、CCDの信号をn次元(nは、n≧1の整数)に展開して、例えば、n次元の余弦成分信号、n次元正弦信号、あるいはn次周波数信号等を生成し、そのn次元信号を用いて位置計測を行うものに対しても適用可能である。
なお、本明細書の説明において画像、画像信号、画像情報、パターン信号等と称する時も同様に、2次元の画像のみならず、このようなn次元信号(n次元の画像信号や、上述のごとく画像信号から展開された信号等)をも含むものとする。
また、主制御系115は、通信ネットワーク70を介して後述する装置支援システム60のサーバー61と通信を行う。そして、運転履歴データ、プロセスプログラム(プロセス条件データ。レシピと称する場合もある)、装置セットアップ状態データや、前述した各部での計測データ、すなわち、アライメント計測データや、マーク信号波形のトレースデータ等を、サーバー61に送信する。
また、主制御系は、前述したデータに基づいて装置支援システム60のサーバー61で得られた制御情報に基づいて、動作条件が制御されたり、あるいは、動作を停止されたり、中断されたりする。
以上、露光装置10の概略の構成である。
レーザー30は、各ラインの露光装置10に露光光を提供する光源である。
インライン計測器40は、露光装置10、トラック20あるいはレーザー30等の装置何に組み込まれたセンサであり、例えば装置雰囲気の温度、湿度、気圧等の情報を計測するセンサである。インライン計測器40で計測されたデータは、後述するデータ転送方式に基づいて、装置支援システム60のサーバー61に出力される。
オフライン計測器50は、デバイスの製造ラインに直接は組み込まれていない計測ツールであり、例えば重ね合わせ計測装置や、線幅測定装置等である。
そのために装置支援システム60のサーバー61は、まず、露光装置10、トラック20、レーザー30、インライン計測器40及びオフライン計測器50等の各装置よりデータを収集し、これをデータベースに保存し管理する。そして、その保存したデータを用いて、装置やラインの稼動状態の解析や診断等を行う。また、必要に応じて意、装置の故障の原因の推定を行う。また、その結果に基づいて、各装置の自動補正制御、レポート作成・通知等の処理を行う。
これらのデータ取得部211〜215により、前述した露光装置10を初めとする露光装置システム1の各装置より、通信ネットワーク70を介して、イベントログファイル、シーケンスログファイル、エラーログファイル、稼動履歴ログファイル、計測結果ファイル、パラメータ設定ファイル、診断結果ファイル、アライメント等の各種信号波形ファイル、及び、その他各種トレースデータやログファイル等を収集する。
具体的には、インターフェイス240は、サーバー61が通信ネットワーク70を介して露光装置10等の他の装置に接続されてデータの転送を行う通信環境を提供する。また、通信ネットワーク70を介して接続された端末装置62からアクセス可能にするリモートネットワーク接続環境を提供する。また、作業者からの命令やデータの入出力を好適な形態で行うヒューマンインターフェイス環境を提供する。
図示のごとく、本実施形態のサーバー61には、装置・プロセス解析機能251、レポート・通知機能252、e−mail診断機能253、自動診断機能254、PP管理機能255、自動補正制御機能256を各々実現するアプリケーションが具備されている。
装置・プロセス解析機能251は、本発明に関わる周期成分の検出等のデータ分析手法により、データを分析する。なお、このデータ分析手法の具体的内容については後に詳細に説明する。
本発明に係るデータ分析の他に、装置・プロセス解析機能251は、露光工程DB220に蓄積されているデータの集計処理、統計処理等を行う。
例えば、分析装置・プロセス解析機能251は、装置のユニット毎のエラー件数を集計し、図7に示すようなエラー集計グラフを出力する。
図7に示すエラー集計グラフは、所定の期間における露光装置10毎のエラー発生件数をエラーの種類毎(エラー発生のユニット毎)に表示するグラフである。このグラフを見れば、どの露光装置のどのユニットに問題が存在するかを一見して把握することができる。すなわち、エラーの装置やレシピ(プレセス・プログラム)への依存性を解析することができ、トラブル対応時間を短縮することができる。
図8に示す生産性グラフは、ロット内の各ウエハに対する、ウエハ交換時間、アライメント時間及び露光時間を示すグラフである。このようなグラフを見れば、上は交換時間が長いウエハが時々存在しており、ウエハ搬送に無駄が発生していることがわかる。すなわち、このようなグラフより、装置の利用状況を把握することができ、生産性効率を高める方策を検討することができる。
図9は、2つのレンズ室(A室及びB室)の目標気圧と計測した実際の気圧とを重ねてプロットしたものであり、このグラフを見れば、A室、B室ともに目標気圧によく追従していることがわかる。そして、このようなグラフにより、露光装置10の環境を把握することができる。すなわち、装置性能と環境変動の相関を求め、プロセス異常の原因調査の時間の短縮及び装置調整の頻度の最適化を行うことができる。
また、レポート・通知機能252は、露光装置システム1の各装置の月、週あるいは日等を単位とした稼動状態を示すレポートを自動的に生成し、予め設定された所定の出力先に出力する。レポート内容は、例えばMTBF、MTBIあるいは障害発生要因別ヒストグラム等の、装置の適切な運転状態を維持するための管理データである。
自動診断機能254は、その他に、例えばエラー件数診断、メンテナンスデータ診断、あるいはプロダクションデータ診断と言うような自動診断を行う。
エラー件数診断は、露光装置10のステージ、ローダー、アライメント等におけるエラーの発生件数から、装置トラブルと不良プロセスを発見するものである。
メンテナンスデータ診断は、露光装置10のステージ、結像系、照明系、アライメント、AF等の各種計測結果の変化を監視することにより、メンテナンス頻度の最適化、及び、消耗品交換時期の最適化を行うものである。
また、プロダクションデータ診断は、アライメント計測結果、フォーカス制御データ等を監視することにより、プロセス異常の早期発見と不良品生産の予防を行うものである。
このような自動診断機能254により、ダウンタイムの短縮と生産中の異常を早期に、あるいは適切なタイミングで検出することができ、リワークウエハの削減を行うことができる。
露光装置システム1においては、露光装置10に適用するレシピをサーバー61において集中管理しており、サーバー61から各露光装置10にダウンロードあるいはアップロードできるようになっている。また、そのために、PP管理機能255は、作業者がサーバー61上においてレシピを作成することができる環境を提供する。すなわち、PP管理機能255は、作業者が通信ネットワーク70を介してオフィスのPC等からサーバー61にアクセスし、レシピの作成、編集を行うことができる環境、ツール等を提供する(デスクトップ・レシピ編集機能)。
また、PP管理機能255は、レシピを最適化するための環境を提供する。通常、作業者は、例えば前述した装置・プロセス解析機能251や自動診断機能254による解析結果や診断結果に基づいて、レシピを編集し最適化を行う。しかし、レシピを編集する際には、それ以外に処理条件の妥当性をチェックしたい場合がある。そのような条件の妥当性のチェックのためのシミューレション環境を、PP管理機能255は作業者に提供する。より具体的には、PP管理機能255は、設定したレシピに基づく露光処理のシミュレーション環境を提供し、これにより、例えば重ね合わせ、結像及びスループットの評価が行えるようになっている。
本実施の形態の自動補正制御機能256は、大別すると、環境や装置状態の変化に対する補正制御と、プロセスに対する補正制御との2つの補正制御を行う。
具体的には、例えば次のような各制御を行う。
まず、気圧、温度及び湿度の変化データから、露光装置10のフォーカス面を予測制御し、面安定性の向上を図る(長期フォーカス安定化)。
また、レーザー、気圧、温度及び湿度の変化データから、最適路光量を予測制御し、ウエハ間のCD安定性の向上を図る(ウエハ間ΔCD安定化)。
また、PEB温度の不均一に起因するウエハ内の付近に打つをショット毎の路光量を微調整(補正)し、ウエハ内ΔCDの安定性の向上を図る(ウエハ内ΔCD安定化)。
また、ローダーとトラックのインターフェイスの温度変化を計測し、露光時のウエハ伸縮量を予測し、アライメント補正をかけ、重ね精度の向上を図る(ウエハ間重ね安定化)
具体的には、次のような制御を行う。
例えば、SDM(ディストーションマッチング)、GCM(グリッドマッチング)の補正パラメータの最適化を行い、重ね合わせ精度の向上を図る(号機間マッチング重ね合わせ精度向上)。
また、各レシピ(プロセスプログラム)による実スループットの算出、及び、露光装置−トラック間での実スループットの算出を行い、スループット低下ユニットの特定とその対策の支援を行う(スループットシミュレータによる生産性向上)。
また、プロセス毎にアライメント計測アルゴリズムの自動選択を行い、重ね合わせ精度の向上を図る(アライメント計測アルゴリズム自動計測)。
また、マスクパターンに最適化されたレンズ周さ補正制御を行う(レンズ収差補正制御)。
以上が、装置支援システム60の構成である。
まず、そのデータ分析方法の概略の流れについて、図11を参照して説明する。
図11は、本発明に係るデータ分析方法の流れを示すフローチャートである。
計測データの分析においては、まず最初に、計測データに周期性があるか否かをチェックする(ステップS110)。計測データに周期性が認められた場合は、検出された周期成分に基づいて異常原因の推定を行う(ステップS120)。周期成分からエラー原因が判明した場合は(ステップS130)、このデータ分析処理は終了する(ステップS160)。
周期成分からエラー原因が判明しなかった場合は(ステップS130)、計測データからトレンド成分と周期成分を差し引き、ランダム成分を抽出して計測データの分析を実施する(ステップS140)。
また、ステップS110において、計測データに周期性がないと判断された場合は、計測データからトレンド成分を差し引き、ランダム成分を抽出して計測データの分析を行う(ステップS150)。
まず、計測データの周期性を検出し、異常原因を推定する方法について説明する。
周期性の検出にあたっては、時間周期性、ロット内ウエハ周期性、ロット投入周期性などの各種周期性への計測データの当てはめを行い、周期性の相関度を算出する。そして、相関度が所定の閾値以上に高かった場合に、周期性があるものと判定し、その周期の種類及び周期から異常原因を推定する。
なお、1周期中に少なくとも2つの点(サンプル)が含まれないとその波形は再現されないため、信号に含まれる最高周波数の2倍の周波数の逆数となる感覚で、データサンプリングを行う必要がある。
時間周期性の検出は、年、月、日、時、分、秒などを単位として、式(1)に示すように関数f(x)に対して周期Tを与え、周期性の相関度を算出する。相関度は、式(2)〜式(4)のいずれかを用いる。式(3)は式(2)に対して、周期単位でオフセットが発生した場合に、この影響を除去するために平均値を差し引いたものである。また、式(4)は式(3)に対して、周期単位で振幅変動が発生した場合、その影響を除去するために、各標準偏差で規格化したものである。一定の閾値で判定したい場合、式(4)の相関値を使用する。
周期性の相関度が所定の閾値を越えた場合、周期性ありと判定して式(1)を満たす最小の整数Tを、関数f(x)の周期とみなす。
そして、この時間周期Tと一致する要因を異常原因であると推定する。
ロット内ウエハ周期性の検出は、前述した時間周期性と同様に、式(1)に示すように関数f(x)に対してウエハを単位として周期Tを与え、式(2)〜式(4)に基づいて周期性の相関度を算出する。
周期性の相関度が所定の閾値を越えた場合、周期性ありと判定して計測データの分析を行う。
具体的には、例えば、線幅変動がウエハ1枚毎に発生した場合は、C/Dポッド2種(A,B)を平行して使用したことに起因する問題と推定する。また、重ね合わせ変動がウエハ1枚毎に発生した場合は、CMPに2方向に削り方(右、左)があったことに起因する問題と推定する。また、最初のウエハのみ重ね合わせ変動が発生した場合は、C/Dと露光装置間の温度差、ウエハとホルダー間の温度差などに起因する変形と推定する。
ロット投入周期性の検出も、前述した時間周期性と同様に、投入するロットを単位として、式(1)に示すように関数f(x)に対してロットを単位として周期Tを与え、式(2)〜式(4)に基づいて周期性の相関度を算出する。
周期性の相関度が所定の閾値を越えた場合、周期性ありと判定して式(1)を満たす最小の整数Tを、関数f(x)の周期とみなす。
そして、このロット投入周期Tと一致する要因を異常原因であると推定する。
本実施形態では、ランダム成分を抽出するために、トレンド性を加味した回帰方程式を用いる。すなわち、回帰方程式に、時間的変動を考慮するため、式(5)のように指数関数の形で時間変数を組み込む。
回帰方程式としては、線形近似、多項式近似などが使用され、最小二乗法により求められる。
このようなトレンド性を加味した適切な回帰方程式の当てはめに基づいて、ランダム成分を抽出し、計測データの分析を行い、異常原因を推定する。なお、計測データに周期性が認められる場合は、計測データに対してトレンド成分と周期成分の両方を除去してランダム成分を抽出し、異常原因を推定する。
具体的には、例えば、図11(A)に示すようなAF追従エラーの計測データから、図11(B)に示すよう装置固有のトレンド成分を差し引き、図11(C)に示すような装置・環境変動などによる周期成分を差し引いた結果、図11(D)に示すようなランダム成分が検出される。そこで、このランダム成分データを用いて、計測データの分析を行う。
この際、例えば図12に示すように、レシピ名と装置名毎にAF追従エラー発生件数をグラフ化することにより、エラー発生の原因がプロセス起因か装置起因かを判定し易くなる。なお、図12においては、X軸がレシピ(プロセスプログラム)名、Y軸が装置名、X軸がエラー件数である。
まず、露光装置10において計測されたデータを、サーバー61のデータ収集部210の機能により、各露光装置10からサーバー61に転送する。露光装置10におけるデータの計測、収集は、露光装置10が正常に運用されている状態で定期的・定常的に行われる場合と、露光装置10に異常が発生した場合等に不定期に行われる場合とがある。
データを収集したら、サーバー61の例えば装置・プロセス解析機能251や自動診断機能254により解析や自動診断を行う。ここで、少なくとも前述したような計測データの周期成分の検出や、計測データのトレンド性を加味した回帰法定式に基づくランダム成分の検出等の処理を行う。また、異常原因の推定を自動的に行うシステムにおいては、検出した周期成分やランダム成分に基づいて、異常原因を推定する。
作業者は、転送された結果を確認するとともに、必要に応じてサーバー61にアクセスし、サーバー61のレポート・通知機能251やレポート・通知機能252の機能により例えばグラフ化された形態でデータを閲覧し、状況を把握する。また、必要に応じて、解析結果やグラフ等の情報に基づいて、異常原因の推定等の処理を行う。
そして、その結果に基づいて作業者は、例えば異常原因を解消すべく、露光処理のレシピ(プロセスプログラム)の修正・変更・調整や、露光装置10のパラメータ調整、ユニット調整、部品交換等の対応をとる。なお、異常原因の推定を自動的に行うシステムにおいては、推定した異常原因に基づいて、このレシピの修正までをも自動的に行うようにしてもよい。
例えば、本発明は露光装置を含むシステムに限られるものではない。電子デバイス製造工程において用いられる任意のプロセス処理装置等にも適用可能である。
10…露光装置
101…コンデンサレンズ 102…レチクルステージ
103…ベース 104…駆動装置
105…ミラー 106…対物レンズ
107…マーク検出系 108…ウエハホルダー
109…ウエハステージ 110…基準マーク
111…移動ミラー 112…レーザー干渉計
113…ステージコントローラ 114…駆動系
115…主制御系 116…レーザー光源
117…ビーム整形光学系 118,120,123…ミラー
119…レンズ系 121…ビームスプリッタ
122…対物レンズ 124…受光素子
125…LSA演算ユニット 126…ハロゲンランプ
127…コンデンサレンズ 128…光ファイバー
129…フィルタ 130,135…レンズ系
131…ハーフミラー 132,138…ミラー
133…対物レンズ 134…プリズム(ミラー)
136…指票マーク 137,139…リレー系
140…イメージセンサ
141…FIA演算ユニット
20…トラック
30…レーザー
40…インライン計測器
50…オフライン計測器
60…装置支援システム
61…サーバー
210…データ収集部
211…露光装置データ取得部 212…トラックデータ取得部
213…レーザーデータ取得部 214…インライン計測器データ取得部
215…オフライン計測器データ取得部
220…露光工程DB
230…共通ソフトツール
240…インターフェイス
250…アプリケーション
251…装置・プロセス解析機能 252…レポート・通知機能
253…e−mail診断機能 254…自動診断機能
255…PP管理機能 256…自動補正制御機能
62…端末装置
63…リモート端末装置
70…通信ネットワーク
71…第1のネットワーク
72…第2のネットワーク
73…ゲート装置
Claims (10)
- デバイス又はデバイス製造装置に関わる計測データより周期成分を検出し、
前記検出した周期成分、又は、前記計測データから前記周期成分を除去した残存成分に基づいて、前記計測データの示す特性の原因を推定することを特徴とする
データ分析方法。 - 前記検出した周期成分と周期が同一の事象を検出し、当該事象を前記計測データの示す特性の原因と推定することを特徴とする
請求項1に記載のデータ分析方法。 - 前記周期成分の検出は、
順次仮の周期を設定し、
前記計測データの前記仮の周期離れたデータの相関を検出し、
前記相関が所定の値以上高い場合に、前記計測データに前記仮の周期を周期とする周期性があるものと検出することを特徴とする
請求項1又は2に記載のデータ分析方法。 - 前記周期性は、任意の時間を単位とした時間経過の中における周期性であることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載のデータ分析方法。 - 前記計測データは、ウエハの処理に関わり計測されたデータであり、
前記周期性は、任意の枚数のウエハを単位として前記ウエハの処理順序の中における周期性であることを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載のデータ分析方法。 - 前記計測データは、ロット毎にウエハを処理する処理に関わり計測されたデータであり、
前記周期性は、任意の数のロットを単位として前記ロットの処理順序の中における周期性であることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載のデータ分析方法。 - 前記計測データよりトレンド成分を検出し、
前記計測データより前記周期成分及び前記トレンド成分を除去してランダム成分を抽出し、
前記ランダム成分に基づいて、前記計測データの示す特性の原因を推定することを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載のデータ分析方法。 - 前記計測データに基づいて、前記デバイス製造装置又は前記デバイスの異常の原因を推定する
請求項1〜7のいずれかに記載のデータ分析方法。 - 所望のデバイスを製造する方法であって、
前記デバイス又はデバイス製造装置に関するデータを計測し、
前記計測したデータより周期成分を検出し、
前記検出した周期成分、又は、前記計測データから前記周期成分を除去した残存成分に基づいて、前記計測データの示す特性の原因を推定し、
前記推定された前記計測データの特性の原因に基づいて、前記デバイスの製造条件を制御することを特徴とする
デバイス製造方法。 - 所望のデバイスを製造するシステムであって、
デバイス製造装置と、
前記デバイス製造装置又は前記デバイスに関するデータを計測するデータ計測手段と、
前記計測したデータより周期成分を検出する周期成分検出手段と、
前記検出した周期成分、又は、前記計測データから前記周期成分を除去した残存成分に基づいて、前記計測データの示す特性の原因を推定する原因推定手段と、
前記推定された前記計測データの特性の原因に基づいて、前記デバイスの製造条件を制御する制御手段と
を有するデバイス製造システム。
Priority Applications (1)
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