JP2005174777A - 電磁誘導加熱装置及びこれを用いた定着装置、画像形成装置 - Google Patents

電磁誘導加熱装置及びこれを用いた定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 無機質部材を、各磁性体コア間に配置し、均一の安定した温度分布を実現し、かつ耐熱性に優れた、実質的な生産性を向上させることができる電磁誘導加熱装置及びこれを用いた定着装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】 被加熱部材11の表面と非接触で、この表面の形状に倣うように形成された励磁コイル保持部材13aと、この励磁コイル保持部材13aの表面に巻回されて中空状に形成され、被加熱部材11の表面と非接触に配置された励磁コイル13bと、この励磁コイル13bの中空部に配置された複数の磁性体コア16及び複数の無機質部材18とを備え、複数の磁性体コア16のそれぞれは、励磁コイル13bの長手方向において、互いに所定の均等な間隙aを設けて配置されていると共に、複数の無機質部材18のそれぞれは、磁性体コア16間の所定の均等な間隙aを補完するように配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば、電子写真方式を用いた画像形成装置あるいはプリンター等の定着装置に用いられる電磁誘導加熱装置に関し、特に、導電性材料で形成される回転体の内部又は外部に、ボビンに巻かれた励磁コイルと、ボビンの長手方向に複数の磁性体コアを各々間隙を隔てて並設配置されてなる電磁誘導加熱装置及びこれを用いた定着装置、画像形成装置に関する。
特開2000−242108号公報 特開2000−268952号公報 特開2003−007446号公報
従来、画像形成技術として、印刷版をその都度用意する必要が無いことから簡単であり、印刷速度が速く、種々の画像情報から直接画像を得ることができ、装置も比較的小型であって、フルカラー化も容易であること等、数多くのメリットを有することから、電子写真方式が広く普及している。こうした電子写真方式を採用した画像形成装置は、一般に、潜像担持体表面に静電潜像を形成し、帯電されたトナーを潜像担持体表面に接触させることで選択的にトナーを付着させてトナー画像を形成し、これを、中間転写体を介して、あるいは介さずに、被記録媒体に転写して、次いで熱および/または圧力等により前記トナーを被記録媒体表面に定着することで画像を得るものである。かかる画像形成装置において、通常の定着の際には、加熱ロールと加圧ロールとが当接してなる定着装置が用いられ、両者が当接して形成されるニップ部に未定着トナー画像が形成された被記録媒体を挿通することで、熱および圧力によりトナーを溶融し被記録媒体に永久画像として定着せしめている。ここで、加熱ロールおよび/または加圧ロールに代えて、エンドレスベルト状の加熱部材、加圧部材を用いる場合もある。加熱ロールは、内部にハロゲンランプ等の熱源を有する金属製のコアに、弾性層や離型層を設けてなるものであり、このような熱源により内部から加熱ロール表面を加熱するものである。こうした定着装置においては、省エネルギーの観点や、画像形成装置の使用時にユーザーを待たせないようにする等の観点から、加熱ロール等の加熱部材を瞬時に加熱することができ、待ち時間(ウォームアップタイム)をできる限り少なくすることが望まれている。しかし、ハロゲンランプ等の熱源を内部に有する加熱ロールを採用した定着装置では、ハロゲンランプ自身の加熱にある程度時間を要すること、加熱ロールの内部から加熱することになるため表面に熱が伝わるまで時間がかかること、加熱ロールのコアとして、どうしてもある程度熱容量の大きなものを選択せざるを得ないため、全体を加熱するのに時間がかかること、等の理由からウォームアップタイムを短縮することには限界が生じる。また、熱源にハロゲンランプを使用すると、当該ハロゲンランプのON・OFF時に、通電電流が過渡的に流れる、いわゆるフリッカー現象が生ずるという問題も有している。
そこで、近年、定着装置において使用される加熱手段として、ハロゲンランプ等の熱源に代わり、電磁誘導加熱方式を利用したものが検討されている(例えば、特許文献1参照)。この方式は、導電性層を有する加熱部材に、磁場発生手段によって発生させた磁界を作用させることで、電磁誘導作用により加熱部材の加熱を行う方法であり、上述のフリッカーの問題が無く、加熱対象のみを瞬時に加熱することができるので、ウォームアップタイムの短縮を図ることができる。かかる電磁誘導加熱方式は、加熱部材として、加熱ロールや加圧ロール等のロール状部材、または、これらのいずれかあるいは双方をエンドレスベルト状に代えたベルト状部材のいずれにも適用することができる。また、ロール状部材の場合、定着に寄与する表面近傍のみ加熱すればよく、コアを加熱する必要がないため、省エネルギーを達成することができる。さらに、エンドレスベルト状部材の場合、厚みが薄いため熱容量も小さく、より一層省エネルギー化を達成することができる。こうした画像形成装置においては、以上説明したような、潜像担持体や中間転写体から未定着トナー画像が転写された被記録媒体を、別途定着装置により定着せしめる方式(以下、単に「転写定着独立方式」という場合がある。)の他、中間転写体に形成された未定着トナー画像を加熱させつつ被記録媒体に当接させて加圧することで、転写と定着とを同時に行う転写定着同時方式がある。このような転写定着同時方式においても、転写定着独立方式と同様の理由から、転写定着に際し、電磁誘導加熱方式を採用することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
以上のように、電子写真方式を利用した画像形成装置において、電磁誘導加熱方式の採用が検討されているが、当該方式においては、加熱のための主要構成として磁場発生手段が含まれる。かかる磁場発生手段には励磁コイルが用いられるが、この励磁コイルは、コイルボビンに巻回されて、あるいはコイルホルダに保持されて用いられるものである。コイルボビンに巻回された励磁コイルには、通常コイルボビン内に磁心が挿入される。そして、こうした磁心は、一般に発熱効率向上を目的として励磁コイルの高インダクタンス化を図るものであり、高透磁率、高抵抗率であるフェライト等が磁性体コアの材質として用いられている。
また、磁性体コアを固定配置する際には、一般的に樹脂材料によるモールドが用いられており、例えば、特許文献3に開示されているように、耐熱接着剤により接着固定する方法が提案されている。
しかしながら、上述した特許文献1〜3に開示されているような、無端状の周面を有する定着部材を電磁誘導加熱により加熱を行う定着装置においては、次のような解決が望まれる課題がある。
一般に、高透磁率、高抵抗率であるフェライト等からなる磁性体コアは、定着部材の周面の幅方向(定着部材の回転軸方向)の全域にわたって連続するものを用いると、定着部材の表面を幅方向にほぼ均等に加熱することができる。しかし、長い棒状の磁性体コアを製作する必要があり、磁性体コアの製作費用が多大となる。そこで、励磁コイルを保持するボビン内に、複数のブロック状の磁性体コアを配置する構成をとれば、磁性体コアを汎用的に用いることができ、安価に構成することが可能となる。しかし、交番磁束による電磁力が作用すると、複数のブロック状の磁性体コアが互いに間隔を隔てて配置されているため、個々の磁性体コアが振動し、コア間の間隔が変動したり、あるいはコア同士がぶつかって騒音が発生し、エネルギーロスや安定した温度分布を得ることができないといった問題が生じていた。
また、特許文献3に開示されている耐熱接着剤により接着固定する方法においては、例えば、連続プリントを行った際に、励磁コイルの自己発熱や定着部材の輻射熱により、励磁コイルや磁性体コアの温度が上昇する。その際、モールドに用いている樹脂材料や接着固定に用いている接着剤の温度も上昇し、各材料の上限温度に近づくと、プリント枚数を低減させたり、プリント処理自体の停止を行わなくてはならなかった。特に、定着部材内部に励磁コイルを配置した場合には、内部の熱が放熱しづらいことから、励磁コイルを外部に配置した場合に比べ励磁コイルの温度上昇が大きくなるという問題が生じていた。
そこで、本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、無機質部材を、各磁性体コア間に配置し、均一の安定した温度分布を実現し、かつ耐熱性に優れた、実質的な生産性を向上させることができる電磁誘導加熱装置及びこれを用いた定着装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電磁誘導加熱装置は、導電性材料により回動自在に形成された無端状の被加熱部材を、励磁コイルにより生成された変動磁界により電磁誘導加熱する電磁誘導加熱装置において、前記被加熱部材の表面と非接触で、この表面の形状に倣うように形成された励磁コイル保持部材と、この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて中空状に形成され、前記被加熱部材の表面と非接触に配置された励磁コイルと、この励磁コイルの中空部に配置された複数の磁性体コア及び複数の無機質部材とを備え、前記複数の磁性体コアのそれぞれは、前記励磁コイルの長手方向において、互いに所定の均等な間隙を設けて配置されていると共に、前記複数の無機質部材のそれぞれは、該磁性体コア間の所定の均等な間隙を補完するように配置されていることを特徴とする。
一般に、電磁誘導加熱方式の励磁コイルに高周波電流を供給すると、励磁コイルの周辺に磁束が生成消滅を繰り返し、被加熱部材が有する導電性層に誘導電流を生じる。そして、この誘導電流によって導電性層がジュール発熱し、被加熱部材が加熱される。このとき、巻き回された励磁コイルの巻線の内側に磁性体コアが配置されていると、磁束が磁性体コアに誘導され、効率の良い加熱が可能となるが、供給される電流値又は周波数が大きい場合には、磁気飽和が発生して磁性体コアに残留磁気が生じ、この残留磁気により磁性体コアの磁気ヒステリシスによる損失が生じて磁性体コアが発熱する。このような磁気ヒステリシスによる損失を解消し、効率の良い加熱を行うためには、磁性体コアの形態を変更して励磁コイルのインダクタンスを調整することが有効である。また、複数の磁性体コアを用いた場合でも、磁性体コア間の所定の間隔が変動磁界による電磁力により変化する場合は、加熱領域における温度分布が顕著に変化してしまう。
そこで、上述のように構成した本発明の電磁誘導加熱装置においては、被加熱部材の表面と非接触で、この表面の形状に倣うように形成された励磁コイル保持部材と、この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて中空状に形成され、前記被加熱部材の表面と非接触に配置された励磁コイルと、この励磁コイルの中空部に配置された複数の磁性体コア及び複数の無機質部材とを備え、複数の磁性体コアのそれぞれは、励磁コイルの長手方向において、互いに所定の均等な間隙を設けて配置されていると共に、複数の無機質部材のそれぞれは、磁性体コア間の所定の均等な間隙を補完するように配置されているので、複数の磁性体コアが所定の均等な間隙を維持して配列されることから実効的な飽和磁界が大きくなり、これにより、励磁コイルに大きい電流を供給することが可能となって、加熱装置の発熱量を増やすことができる。また、小さいサイズの磁性体コアを汎用的に使用することが可能となり安価に製造することができる。さらに、複数の磁性体コア間の間隙を適切に設定して配列することにより、励磁コイルのインピーダンスの調整が可能となり、これにより、励磁コイルに高周波電流を供給する励磁回路の発信器との共振条件を調整すること等により、発熱量及び発熱効率の最適化を図ることが可能となると共に、加熱領域における均一で安定した温度分布を得ることができる。
また、前記無機質部材は、セラミックス又は水硬性組成物を固化して形成されていてもよい。
この場合は、無機質部材が、セラミックス又は水硬性組成物を固化して形成されているので、耐熱性が高く、成形性・加工性に優れた低コストで高強度なスペーサ部材を提供することができる。
ここで、本明細書中における水硬性組成物とは、水と練った時に硬化性を示す無機材料、すなわち無機質接合剤をいうものとし、例えば、各種セメントや石膏などが挙げられる。
また、前記水硬性組成物は、ポルトランドセメントまたは高密度水熱合成セラミックスまたはその前駆体であってもよい。
一般に、水硬性組成物を固化したものは、耐熱性が極めて高く、得られるスペーサ部材の耐熱性も極めて高くなる。また、型に入れて成形するだけなので、加工性・成形性に優れるとともに、寸法精度も比較的高く、しかも極めて低コストで、高強度である。したがって、特に電磁誘導加熱装置の加熱源の一部を構成する磁性体コアのスペーサ部材としては、特に適している。勿論これら装置に限らず、高い耐熱性や寸法精度、加工性・成形性、および低コスト化のうちのいずれかが要求される場面において、優れた作用を発揮する。
本発明において、水硬性組成物としては、特に制限はないが、ポルトランドセメントまたは高密度水熱合成セラミックスまたはその前駆体であることが好ましい。前者は入手容易性、高強度、低コスト等の点で有利であり、後者は極めて強度が高く、軽量で、しかも寸法精度が高い点で有利であり、ともに高い耐熱性を有するからである。
さらに、前記被加熱部材及び前記励磁コイル保持部材は、同軸の中空円筒状に形成されており、前記励磁コイルは、この励磁コイル保持部材の表面にスパイラル状に巻回されて形成され、該被加熱部材の内部に配置されていてもよい。
この場合は、中空円筒状の被加熱部材の内部からその全周に亘って電磁誘導加熱するのに好適なスパイラル形状の励磁コイルを有する電磁誘導加熱装置を提供することができる。
さらにまた、前記無機質部材は、略円筒形であって、その中心軸方向における該無機質部材の両端部には、隣接する磁性体コアの端部と係合する凹部が形成されていてもよい。
この場合は、略円筒形の無機質部材の中心軸方向における両端部には、隣接する磁性体コアの端部と係合する凹部が形成されているので、隣接する磁性体コア同士をより機械的に確実に結合することができ、磁性体コア間の間隔をより正確に維持することができる。
さらにまた、前記無機質部材の外周面は、前記励磁コイル保持部材の内周面と内接するように形成されており、該励磁コイル保持部材の内部において、前記励磁コイル保持部材と、前記無機質部材と、前記磁性体コアとは、互いに一体となって固定配置されていてもよい。
この場合は、さらに、無機質部材の外周面が、励磁コイル保持部材の内周面と内接するように形成されており、励磁コイル保持部材の内部において、励磁コイル保持部材と、無機質部材と、磁性体コアとが、互いに一体となって固定配置されているので、こうした部材がより確実に機械的に一体となって結合され、磁性体コアの振動等による位置の変動に伴う間隔の変化をより確実に防止することができる。
また、前記被加熱部材は、中空円筒状に形成されており、前記励磁コイル保持部材は、該被加熱部材の一部表面に倣うように形成され、前記励磁コイルは、この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて、前記被加熱部材の回転軸方向に延在するように配置されていてもよい。
この場合は、励磁コイル保持部材が、中空円筒状に形成された被加熱部材の一部表面に倣うように形成され、励磁コイルが、この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて、被加熱部材の回転軸方向に延在するように配置されているので、被加熱部材を部分的に加熱する構成を容易に実現でき、また、励磁コイルを被加熱部材の内部又は外部のいずれにも容易に配置可能となり、加熱部をレイアウトする際の自由度が大きい電磁誘導加熱装置を提供することができる。
さらに、前記無機質部材は、略方形であって、前記励磁コイルの長手方向における該無機質部材の両端部には、隣接する磁性体コアの端部と係合する凹部が形成されていてもよい。
この場合は、略方形の無機質部材の励磁コイルの長手方向における両端部には、隣接する磁性体コアの端部と係合する凹部が形成されているので、隣接する磁性体コア同士をより機械的に確実に結合することができ、磁性体コア間の間隔をより正確に維持することができる。
また、本発明に係る電磁誘導加熱装置は、導電性材料により回動自在に形成された無端状の被加熱部材を、励磁コイルにより生成された変動磁界により電磁誘導加熱する電磁誘導加熱装置において、前記被加熱部材の表面と非接触で、この表面の形状に倣うように形成された励磁コイル保持部材と、この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて中空状に形成され、前記被加熱部材の表面と非接触に配置された励磁コイルと、この励磁コイルの長手方向に沿って配列された複数の磁性体コア及び複数の中空状の無機質部材とを備え、前記複数の磁性体コアのそれぞれは、前記励磁コイルの表面の形状に倣うように形成され、励磁コイルの長手方向において、互いに所定の均等な間隙を設けて励磁コイルの表面に載置されていると共に、前記複数の中空状の無機質部材のそれぞれは、その中空部に前記励磁コイル保持部材、励磁コイル及び隣接する磁性体コアの端部を挟持するように、前記磁性体コア間の所定の均等な間隙に配置されていることを特徴とする。
この場合は、被加熱部材の表面と非接触で、この表面の形状に倣うように形成された励磁コイル保持部材と、この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて中空状に形成され、被加熱部材の表面と非接触に配置された励磁コイルと、この励磁コイルの長手方向に沿って配列された複数の磁性体コア及び複数の中空状の無機質部材とを備え、複数の磁性体コアのそれぞれは、励磁コイルの表面の形状に倣うように形成され、励磁コイルの長手方向において、互いに所定の均等な間隙を設けて励磁コイルの表面に載置されていると共に、複数の中空状の無機質部材のそれぞれは、その中空部に励磁コイル保持部材、励磁コイル及び隣接する磁性体コアの端部を挟持するように、磁性体コア間の所定の均等な間隙に配置されているので、励磁コイル保持部材、励磁コイル及び無機質部材がより確実に機械的に一体となって結合され、磁性体コアの振動等による位置の変動に伴う間隔の変化をより確実に防止することができる。さらに、励磁コイルの表面を覆うように、複数の磁性体コアを配置することができるので、励磁コイルにより生成される磁場をより増強することができる。
また、本発明に係る定着装置は、上記電磁誘導加熱装置と、前記被加熱部材の外周面に当接され、該被加熱部材の回転方向と略直交する方向にほぼ均等な力で押圧される加圧部材とを備え、前記被加熱部材と前記加圧部材との間で形成されるニップ部に未定着トナー像が担持された被記録媒体を挿通させることにより、この未定着トナー像を定着せしめることを特徴とする。
上述のような電磁誘導加熱装置を画像形成のための定着装置に適用することによって、発熱量及び発熱効率の最適化を図ることが可能であると共に、加熱領域における均一で安定した温度分布を得ることができる定着装置を実現することができる。また、耐熱性に優れた無機質部材をスペーサとして用いることにより、プリント枚数の低減やプリント処理の停止といった生産性の低下を伴わずに連続処理が可能な、実質的な生産性を向上させることができる定着装置を提供することができる。
また、本発明に係る画像形成装置は、上記定着装置と、被記録媒体に未定着トナー像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、電磁誘導加熱装置の構成部材である磁性体コアの高い耐熱性と寸法精度を実現できることから、高温による膨張や変形が無く、隣り合う磁性体コア間の距離を一定に保つことができ、加熱領域における均一で安定した温度分布を得ることができる。また、加工性・成形性に優れた無機質部材をスペーサとして用いたことにより、低コストな磁性体コアを実現したコイル構造体を有する電磁誘導加熱装置及びこれを用いた定着装置、画像形成装置を提供することができる。
以下に、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
<第一の実施形態>
まず、本発明に係る電磁誘導加熱装置を用いた定着装置が適用可能な画像形成装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る定着装置を備える画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示されるように、この画像形成装置10は、一様帯電後に像光を照射することにより表面に静電電位の差による潜像が形成される感光体ドラム1を備えており、この周囲に、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電装置2と、感光体ドラム1に像光を照射して表面に潜像を形成する露光装置3と、感光体ドラム1上の潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する現像装置4と、感光体ドラム1と対向し、被記録媒体Pを挟んで感光体ドラム1との間に転写バイアス電界を生成する転写ロール5と、トナー像の転写後に感光体ドラム1に残留するトナーを除去するクリーニング装置6とが設けられている。そして、感光体ドラム1と転写ロール5との対向部(ニップ部)の上流側から被記録媒体Pを供給するようになっており、下流側には被記録媒体P上に転写された未定着トナー像を加熱溶融し被記録媒体Pに圧着する定着装置7が設けられている。ここで、感光体ドラム1は、金属製ドラムの表面に有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層を形成したものを用いることができる。帯電装置2は、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属のロールに高抵抗材料のコーティングを施したものであり、感光体ドラム1に当接され、従動回転するようになっている。そして、所定の電圧が印加されることにより、該ロールと感光体ドラム1との接触部近傍における微小間隙内で継続的な放電を生じ、感光体ドラム1の表面をほぼ一様に帯電するものである。露光装置3は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによって感光体ドラム1の主走査方向にスキャンするものであり、これにより感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。現像装置4はブラックのトナーを収容しており、感光体ドラム1と近接して対向し、感光体ドラム1上の潜像に対応してトナーを転移し、可視像を形成するものである。転写ロール5は、導電性もしくは半導電性のロール状部材からなり、感光体ドラム1との間に転写用バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1上のトナー像を被記録媒体Pに転写する。クリーニング装置6は、感光体ドラム1の表面にブレードを圧接し、感光体ドラム1上に残留するトナーを掻き取るように除去するものである。また、ブレードに代えて、ロール状部材によってトナーを掻き取ったり、ブラシによってトナーを掃き出すものであってもよい。
次に、本発明に係る電磁誘導加熱装置の第一の実施形態を適用した定着装置の詳細について、図2及び図3を参照して説明する。図2は本発明の第一の実施形態に係る定着装置の断面図であり、図3は本発明の第一の実施形態に係る電磁誘導加熱装置の軸線方向(長手方向)の断面図である。
まず、本発明の第一の実施形態に係る定着装置7は、図2に示されるように、中心軸回りに回転が可能に支持された中空円筒状の無端定着ロール11と、この定着ロール11の軸線と平行に圧接される加圧ロール12と、定着ロール11の内部に配置され、該定着ロール11の周面を加熱する電磁誘導加熱部13と、定着ロール11の周面に当接するように配置され、定着ロールの表面温度を検知する温度検知センサ17とで主要部が構成されている。定着ロール11は、導電性を有する金属製の円筒状芯金11aと、この円筒状芯金11aの上に積層された表面離型層11bとで構成されており、フランジ24によって画像形成装置の本体フレーム25に支持されている(図3参照)。円筒状芯金11aは、例えば鉄、磁性ステンレス、ニッケルなどの磁性金属、またはこれらを主体とした合金を、厚さ200μm〜1mmで形成したものが用いられ、電磁誘導で十分な発熱が得られるような固有抵抗値となるように材質が選択される。なお、本実施形態においては、円筒状芯金11aは、厚さ0.5mmの鋼によって形成されている。表面離型層11bは、厚さ30μm程度の離型性の高いシート又はコート層であることが好ましく、例えばフッ素樹脂層を用いることができる。加圧ロール12は、金属製の円筒状芯金12aを芯材とし、該芯金12aの表面にスポンジやゴムなどの弾性層12bと、さらにその表面にフッ素樹脂等からなる離型層12cとを備えている。
次に、図3に示されるように、電磁誘導加熱装置を構成している電磁誘導加熱部13は、被加熱部材である定着ロール11の内側で同軸線上に支持された円筒状のコイル支持部材(ボビン)13aと、コイル支持部材13aに巻き回された螺旋状の励磁コイル13bと、コイル支持部材13aの内側に、その軸線方向に沿って、各々間隙を設けて配列された複数のソフトフェライトからなる磁性体コア16と、励磁コイル13bに交流電流を供給する励磁回路13cとで主要部が構成されており、励磁回路13cは、不図示の制御装置によって出力又は電流供給のON/OFFが制御されるようになっている。
ここで、複数のソフトフェライトからなる磁性体コア16は、隣り合うコア16間に無機質部材18が挿入されており、この無機質部材18が磁性体コア16間の間隔を一定に維持するスペーサの役割を果たしている。
具体的には、励磁コイル13bは、互いに絶縁された銅線材を複数本束ねたリッツ線が用いられており、連続したリッツ線がコイル支持部材13aの周面に巻き回されている。コイル支持部材(ボビン)13aは被加熱部材である定着ロール11の内側で、回転する定着ロール11とは隔離され、本体フレーム25によって固定支持されている。さらに、複数の磁性体コア16は、図4に示されるように、それぞれが定着ロール11の周面の幅方向(定着ロール11の回転軸方向)に一定の長さbを有しており、互いに隣接するコア16間の間隙aは、同じ間隙長さとなるように配列されていると共に、無機質部材18は、この間隙を補完する(埋める)ように配置されており、これにより、無機質部材18はスペーサとして、磁性体コア16間の所定の間隔を維持している。。ここで、磁性体コア16としては、ソフトフェライト・アモルファス合金・積層鋼板などを用いることができる。ソフトフェライトにも、Znフェライトを初め、Mn−Znフェライト・Ni−Znフェライト・Mn−Mgフェライトがあり、各々のソフトフェライトの特性、すなわち、透磁率の強さによって適宜選定することができる。また、無機質材料で形成されたスペーサー18は、セラミックス又は水硬性組成物を固化した物であり、特に、水硬性組成物を固化した物には、ポルトランドセメント又は高密度水熱合成セラミックス又はその前駆体が用いられる。さらに、温度検知センサ17は、定着ロール11の周面に当接するように配置されている。なお、本実施形態では、接触型温度センサを用いているが、非接触型温度センサを用いても良い。
このように構成した本発明に係る電磁誘導加熱装置を有する定着装置7においては、隣接する磁性体コア16間の所定の均等な間隙を補完するように無機質部材18が配置されているので、複数の磁性体コア16が所定の均等な間隙aを維持して配列されることから実効的な飽和磁界が大きくなり、これにより、励磁コイル13bに大きい電流を供給することが可能となって、加熱装置の発熱量を増やすことができる。また、小さいサイズの磁性体コア16を汎用的に使用することが可能となり安価に製造することができる。さらに、複数の磁性体コア16間の間隙aを適切に設定して配列することにより、励磁コイル13bのインピーダンスの調整が可能となり、これにより、励磁コイル13bに高周波電流を供給する励磁回路13cの発信器との共振条件を調整すること等により、発熱量及び発熱効率の最適化を図ることが可能となると共に、加熱領域における均一で安定した温度分布を得ることができる。
また、無機質部材18が、セラミックス又は水硬性組成物を固化して形成されているので、耐熱性が高く、成形性・加工性に優れた低コストで高強度なスペーサ部材18を提供することができる。
さらに、水硬性組成物として、ポルトランドセメントまたは高密度水熱合成セラミックスまたはその前駆体を用いることにより、入手容易性、高強度、低コスト、軽量化、高寸法精度を実現すると共に、高い耐熱性を有するスペーサ部材18を提供することができる。
次に、前記画像形成装置の動作について、再び図1を参照して説明する。
まず、感光体ドラム1の表面が帯電装置2でほぼ一様に帯電され、次いで露光装置3から像光が照射される。これにより、露光部は感光体ドラム1表面の帯電電位が減衰し、静電電位の差による潜像が形成される。そして、感光体ドラム1の露光された部分が現像装置4と対向する位置に回転移動し、現像装置4からトナーが選択的に転移されてトナー像が形成され、転写ロール5と対向する位置に搬送される。感光体ドラム1と転写ロール5との間には転写用バイアス電圧が印加されており、タイミングを合わせて送り込まれた被記録媒体Pに感光体ドラム1上のトナー像が転写される。未定着のトナー像を担持した被記録媒体Pは定着装置7へ搬送され、定着装置7が有する定着ロール11と加圧ロール12との間で加熱加圧され、トナー像が被記録媒体Pに溶融圧着して定着画像が形成される。一方、トナー像転写後に感光体ドラム1上に残留するトナーはクリーニング装置6により除去され、感光体ドラム1の周面は再び帯電装置2との対向位置に移動する。定着ロール11及び加圧ロール12は、駆動モータ(図示しない)により回転駆動されており、電磁誘導加熱部13によって定着ロール11の周面が所定の温度まで加熱される。励磁回路13cから励磁コイル13bに交流電流が供給されると、図5に示されるように、定着ロール11周面の幅方向(例えば、矢印A方向)に磁界が生成消滅を繰り返す。そして、この磁界の変化を妨げる磁界を生じるように定着ロール11の周方向(例えば、矢印B方向)に誘導電流が発生し、該定着ロール11の表皮抵抗に比例してジュール発熱する。これにより、定着ロール11の周面が所定の温度まで加熱される。この定着装置7において、被記録媒体Pへのトナー像の定着を連続して行うと、定着ロール11内の温度は励磁コイル13bの自己発熱や定着ロール11からの輻射熱により、定着ロール11の温度よりも高温となり無機質部材18も同様に温度が上昇する。しかし、この無機質部材18は、セラミックス又は水硬性組成物を固化したものを用いており、高温による膨張や変形が発生しないことから、隣り合う磁性体コア16間の距離を一定に保つことができる。これにより、均一で安定した温度分布を有する電磁誘導加熱を実現することがでると共に、プリント枚数の低下やプリント処理の停止といった生産性の低下を伴わずに、連続処理を可能として実質的な生産性を向上させることができる定着装置、画像形成装置を提供することができる。
<第二の実施形態>
次に、本発明に係る電磁誘導加熱装置の第二の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。なお、本実施形態における電磁誘導加熱装置が適用可能な定着装置及び画像形成装置は、先の実施形態と同様であるために省略する。図6は本発明の電磁誘導加熱装置の磁性体コア16とスペーサ18Aとの機械的結合状態を示す斜視図であり、図7はその断面図である。
本実施形態においては、無機物からなるスペーサ18Aが、隣り合う磁性体コア16を一定の間隔aで保持しつつ、これらを機械的に接合するように形成されている。具体的には、無機物からなるスペーサ18Aは、略円筒形に形成され、その中心軸を含む断面がI字状であって、磁性体コア16の端部形状に合わせた凹部をその両端に有し、磁性体コア16が挿入された状態で、複数の磁性体コア16を1本の棒状に接合するようになっている。これにより、隣接する磁性体コア16同士をより機械的に確実に結合し、磁性体コア16間の間隔aをより正確に維持することができる。
さらに、無機物からなるスペーサ18Aの外径Cを、励磁コイル保持部材13aの内径とほぼ同じ外径とすることで、励磁コイル保持部材13a内に固定配置することができる。すなわち、無機質部材18Aの外周面が、励磁コイル保持部材13aの内周面の形状に倣って、この内周面と内接するように配置されるので、励磁コイル保持部材13aの内部において、励磁コイル保持部材13aと、無機質部材18Aと、磁性体コア16とが、互いに一体となって固定配置され、こうした部材がより確実に機械的に一体となって結合されることにより、磁性体コア16の振動等による位置の変動に伴うコア16間の均等間隔aの変化をより確実に防止することができる。
また、無機質のスペーサ18Aは、先の実施形態と同様に、セラミックス又は水硬性組成物を固化した物で、特に、水硬性組成物を固化した物には、ポルトランドセメント又は高密度水熱合成セラミックス又はその前駆体が用いられる。本実施形態においては、型に入れて成形するだけで、加工性・成形性に優れており、寸法精度も比較的高く、しかも極めて低コストで、高強度である水硬性組成物を固化したものが用いられている。
<第三の実施形態>
次に、本発明の第三の実施形態に係る電磁誘導加熱装置及び定着装置について、図8を参照して説明する。本実施形態においては、先の実施形態と比し、励磁コイル等の電磁誘導加熱部の構成が異なるものであり、その構成部材の材質等は先の実施形態と同様であり、詳細は省略する。また、画像形成部についても、先の実施形態と同様であるために省略する。以下の実施形態においても同様である。図8は、本実施形態における定着装置の概略構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図、(c)は磁性体コアとスペーサとの配置を模式的に示す図である。
図8(a),(b)に示されるように、本実施形態における励磁コイル保持部材14aは、加熱ロール11の外表面と非接触で、この外表面の一部形状に倣うように、断面が弓形形状に形成されており、加熱ロール11の回転軸方向に延在するように配置されている。そして、図8(b)に示されるように、この励磁コイル保持部材14aの外表面には、中空状に巻回形成された励磁コイル14bが載置されている(以下、このように巻回形成された励磁コイルをトラック型ということもある)。さらに、このトラック型励磁コイル14bの中空部には、略方形の複数の磁性体コア16Bが、略方形の無機質部材にて形成されたスペーサ18Bを介して、均等な間隙a(図(c)参照)を隔てて、励磁コイル保持部材14aの外表面に載置されている。
このようにトラック型励磁コイルの中空部に、略方形の無機質部材にて形成されたスペーサ18Bを介して複数の磁性体コア16Bを均等な間隙aで配置した場合でも、先の実施形態と
同様に、発熱量及び発熱効率の最適化、加熱領域における均一で安定した温度分布の実現といった効果を得ることができる。
なお、本実施形態においては、トラック型の励磁コイル14bを加熱ロール11の外部に配置した構成としているが、先の実施形態のように加熱ロール11の内部に配置する構成としてもよい。また、励磁コイル保持部材14aの外表面にトラック型の励磁コイル14b、磁性体コア16B及び無機質部材18Bを載置させる構成としているが、励磁コイル保持部材14aの内表面に、これらの部材を懸装させてもよい。
このようにトラック型の励磁コイル14bを用いることにより、加熱ロール11を部分的に加熱する構成を容易に実現でき、また、励磁コイル14bを被加熱部材である加熱ロール11の内部又は外部のいずれにも容易に配置することが可能となり、加熱部をレイアウトする際の自由度を増大させることができる。
<第四の実施形態>
次に、本発明の第四の実施形態に係る電磁誘導加熱装置及び定着装置について、図9を参照して説明する。図9は、本発明に係る定着装置の第四の実施形態の加熱部の概略構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は磁性体コアとスペーサとの配置を模式的に示す図である。本実施形態においては、スペーサの形状を隣接する磁性体コアと一体に接合可能なように形成したものであり、他は第三の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
本実施形態におけるスペーサ18Cは、図9(b)に示されるように、略方形に形成され、励磁コイル14bの長手方向に沿った断面がI型形状であり、その両端部に、隣接する磁性体コア16Bの端部と係合する凹部を有している。
このように形成されたスペーサ18Cを用いることにより、隣接する磁性体コア16B同士をより機械的に確実に結合することができ、磁性体コア16B間の間隔をより正確に維持することができる。
<第五の実施形態>
次に、本発明の第五の実施形態に係る電磁誘導加熱装置及び定着装置について、図10を参照して説明する。図10は、本発明に係る定着装置の第五の実施形態の概略構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。
図10(a)に示されるように、本実施形態における励磁コイル保持部材14aは、加熱ロール11の外表面の一部に倣うように、その断面が弓形形状に形成されており、この外表面と非接触で、加熱ロール11の回転軸方向(回転方向と略直交する方向)に延在するように配置されている。そして、図10(b)に示されるように、この励磁コイル保持部材14aの外表面には、中空状に巻回形成されたトラック型の励磁コイル14bが載置されている。さらに、この励磁コイル14bの外表面には、この外表面の形状に倣うように、断面が弓形形状に形成された複数の磁性体コア20が載置されている。そして、この複数の磁性体コア20のそれぞれは、励磁コイル14bの長手方向において所定の均等な間隙aが設けられて、この励磁コイル14bの外表面を覆うように配置されている。また、スペーサである複数の無機質部材21は、励磁コイル保持部材14a、励磁コイル14b及び磁性体コア20と同様な曲率を有して、励磁コイル14aの長手方向に沿って中空部が形成された、湾曲した略口字状の部材として形成されている。そして、この中空部に励磁コイル保持部材14a、励磁コイル14b及び磁性体コア20の端部が挿通されて、これらの部材を挟持するように、それぞれの無機質部材21は、隣接する磁性体コア20の所定の均等間隙aを覆うように配置されている。
このような中空部を有する無機質部材21により、励磁コイル保持部材14a、励磁コイル14b及び磁性体コア20の端部を一体に挟み込むことにより、これらの部材が機械的に一体となってより確実に結合されるので、磁性体コア20の振動等による位置の変動に伴う間隔aの変化をより確実に防止することができると共に、励磁コイル14bの表面を覆うように、複数の磁性体コア20を配置することができるので、励磁コイル14bにより生成される磁場をより増強することができる。
なお、以上の実施形態における定着装置においては、いずれも被加熱部材として中空円筒状の加熱ロール11を用いているが、被加熱部材としては、当然にこのような部材に限定されるものではなく、例えば、複数の張架ロールに懸架された無端ベルト形状の定着ベルトを被加熱部材として適用することもできる。
また、このような電磁誘導加熱装置、定着装置が適用可能な画像形成装置も前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、画像形成手段を回転体上に配置したいわゆるロータリー型や、並列配置したタンデム型のいずれにおいても適用可能である。
本発明に係る定着装置が適用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の第一の実施形態に係る定着装置を示す概略断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る定着装置を構成する定着ロール及び電磁誘導加熱装置の軸線方向の断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る定着装置を構成する磁性体コアとスペーサの配置を示す模式的構成図である。 本発明の第一の実施形態に係る定着装置を構成する定着ロールに発生する誘導電流の状態を示す模式図である。 本発明の第二の実施形態に係る磁性体コアとスペーサの構成を示す模式的斜視図である。 本発明の第二の実施形態に係る磁性体コアとスペーサの構成を示す模式的断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る定着装置を示す概略構成図であり、(a)は断面図、(b)は上面図、(c)は磁性体コアとスペーサとの配置を模式的に示す図である。 本発明の第四の実施形態に係る定着装置の加熱部の概略構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は磁性体コアとスペーサとの配置を模式的に示す図である。 本発明の第五の実施形態に係る定着装置の概略構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。
符号の説明
1:感光体ドラム、2:帯電装置、3:露光装置、4:現像装置、5:転写ロール、6:クリーニング装置、7:定着装置、10:画像形成装置、11:加熱ロール、11a:円筒状芯金、11b:表面離型層、12:加圧ロール、12a:円筒状芯金、12b:弾性層、12c:離型層、13:電磁誘導加熱部、13a:励磁コイル保持部材、13b:励磁コイル、13c:励磁回路、14a:励磁コイル保持部材、14b:トラック型励磁コイル、16:磁性体コア、16B:磁性体コア、17:温度検知センサ、18,18A,18B,18C:スペーサ、20:磁性体コア、21:スペーサ、24:フランジ、25:本体フレーム、a:均等間隙、P:被記録媒体

Claims (11)

  1. 導電性材料により回動自在に形成された無端状の被加熱部材を、励磁コイルにより生成された変動磁界により電磁誘導加熱する電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱部材の表面と非接触で、この表面の形状に倣うように形成された励磁コイル保持部材と、
    この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて中空状に形成され、前記被加熱部材の表面と非接触に配置された励磁コイルと、
    この励磁コイルの中空部に配置された複数の磁性体コア及び複数の無機質部材と
    を備え、
    前記複数の磁性体コアのそれぞれは、前記励磁コイルの長手方向において、互いに所定の均等な間隙を設けて配置されていると共に、前記複数の無機質部材のそれぞれは、該磁性体コア間の所定の均等な間隙を補完するように配置されていることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  2. 前記無機質部材は、セラミックス又は水硬性組成物を固化して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱装置。
  3. 前記水硬性組成物は、ポルトランドセメントまたは高密度水熱合成セラミックスまたはその前駆体であることを特徴とする請求項2に記載の電磁誘導加熱装置。
  4. 前記被加熱部材及び前記励磁コイル保持部材は、同軸の中空円筒状に形成されており、前記励磁コイルは、この励磁コイル保持部材の表面にスパイラル状に巻回されて形成され、該被加熱部材の内部に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電磁誘導加熱装置。
  5. 前記無機質部材は、略円筒形であって、その中心軸方向における該無機質部材の両端部には、隣接する磁性体コアの端部と係合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電磁誘導加熱装置。
  6. 前記略円筒形の無機質部材の外周面は、前記励磁コイル保持部材の内周面と内接するように形成されており、該励磁コイル保持部材の内部において、前記励磁コイル保持部材と、前記無機質部材と、前記磁性体コアとは、互いに一体となって固定配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電磁誘導加熱装置。
  7. 前記被加熱部材は、中空円筒状に形成されており、前記励磁コイル保持部材は、該被加熱部材の一部表面に倣うように形成され、前記励磁コイルは、この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて、前記被加熱部材の回転軸方向に延在するように配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電磁誘導加熱装置。
  8. 前記無機質部材は、略方形であって、前記励磁コイルの長手方向における該無機質部材の両端部には、隣接する磁性体コアの端部と係合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電磁誘導加熱装置。
  9. 導電性材料により回動自在に形成された無端状の被加熱部材を、励磁コイルにより生成された変動磁界により電磁誘導加熱する電磁誘導加熱装置において、
    前記被加熱部材の表面と非接触で、この表面の形状に倣うように形成された励磁コイル保持部材と、
    この励磁コイル保持部材の表面に巻回されて中空状に形成され、前記被加熱部材の表面と非接触に配置された励磁コイルと、
    この励磁コイルの長手方向に沿って配列された複数の磁性体コア及び複数の中空状の無機質部材と
    を備え、
    前記複数の磁性体コアのそれぞれは、前記励磁コイルの表面の形状に倣うように形成され、励磁コイルの長手方向において、互いに所定の均等な間隙を設けて励磁コイルの表面に載置されていると共に、前記複数の中空状の無機質部材のそれぞれは、その中空部に前記励磁コイル保持部材、励磁コイル及び隣接する磁性体コアの端部を挟持するように、前記磁性体コア間の所定の均等な間隙に配置されていることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の電磁誘導加熱装置と、
    前記被加熱部材の外周面に当接され、該被加熱部材の回転方向と略直交する方向にほぼ均等な力で押圧される加圧部材と
    を備え、
    前記被加熱部材と前記加圧部材との間で形成されるニップ部に未定着トナー像が担持された被記録媒体を挿通させることにより、この未定着トナー像を定着せしめることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項10に記載の定着装置と、被記録媒体に未定着トナー像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP2010243743A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Kyocera Mita Corp 定着装置及びこれを搭載した画像形成装置
JP2016071226A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 キヤノン株式会社 定着装置

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