JP2005171632A - シールド掘削機、トンネルの拡幅方法及びトンネルの縮幅方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シールド掘削機1には、スキンプレート2の後方にセグメント9を組立てる位置の断面形状を拡大坑14cから一般坑14aに変更する仮テール部材7が介装され、仮テール部材7に裏込め注入機構8を備えている。これは一般坑14aを築造する際の余堀り部に裏込め注入材16を注入するもので、第1の拡幅断面排土装置5bを介して拡幅断面掘削機構3bの掘削土砂を回収するチャンバ4bに連結される。第1の拡幅断面排土装置5bには、固化材貯留槽17、混和剤貯留槽18が備えられており、拡幅断面掘削機構3bの掘削による掘削土砂は、搬送の途中段階で適宜セメント水及び混和剤を配合されて裏込め注入材16に加工されて、裏込め注入機構8に供給される。
【選択図】 図2
Description
また、標準断面のトンネルを築造する際には、地山と標準断面との間の拡幅断面に相当する領域は余堀り部となることから、大量の裏込め注入材が必要となり不経済であった。
さらに、前記仮テール部材は繰り返し使用することができることから、シールドトンネルが全長にわたり拡縮を繰り返す場合にも新たなに仮テール部材を複数製作する必要がないため、経済的に拡大坑を備えるシールドトンネルを構築することが可能となる。
図1(a)に示すように、シールド掘削機1は、標準断面を有する一般坑14aとこれに隣接する拡幅坑14bを合わせた拡大断面を有する拡大坑14cの両者を備えたシールドトンネル14を築造する装置であり、スキンプレート2、掘削機構3及び仮テール部材7を備えている。
本実施の形態では、一般坑14aの断面形状が円、拡幅坑14bの断面形状が向かい合う2辺を湾曲させた略長方形、拡大坑14cの断面形状がこれら一般坑14aと拡幅坑14bの両断面を組み合わせた複合断面に形成されているが、一般坑14a及び拡幅坑14bの断面形状は必ずしもこれにこだわるものではない。
また、該シールド掘削機1は、図2(b)の水平断面図に示すように、前記スキンプレート2の内方で掘削機構3の背面に掘削土砂を取り込むチャンバ4、該チャンバ4に掘削土砂を排土する排土装置5を備えており、図2(a)の鉛直断面図に示すように、スキンプレート2の内壁に、周方向に所定の離間間隔をもって配置され、掘進方向に伸長して推力受けピース10あるいはスキンプレート2の後方でリング状に組み立てられる前記セグメント9を押圧し、シールド掘削機1を掘進させる押圧ジャッキ11を備えている。
このような構成の該シールド掘削機1は、前記スキンプレート2の後方の内壁で、前記シールドトンネル14の拡幅坑14bに相当する領域を掘削する拡幅断面掘削機構3bと掘進方向で同軸状の位置に仮テール部材7を備えている。
なお、裏込め注入機構8は、前記注入管8aより裏込め注入材16を供給され、前記吐出口8bを介して余堀り部に吐出するものである。
これらは、前記標準断面掘削機構3aに泥水式掘削機構、拡幅断面掘削機構3bに土圧式掘削機構を採用しており、これに伴い標準断面掘削機構3aの背面に備えられているチャンバ4aに連結されている標準断面排土装置5aには排泥管、拡幅断面掘削機構3bの背面に備えられているチャンバ4bに連結されている第1の拡幅断面排土装置5bにはスクリューコンベアが用いられている。
なお、シールド掘削機1による掘進中であって、前記裏込め注入材16が不要な場合には、前記チャンバ4b内からの掘削土砂はすべて第2の拡幅断面排土装置5cへ供給され、第1の拡幅断面排土装置5bから排泥水とともにシールド掘削機1の後方へ流体輸送される。
まず、トンネルの拡幅方法を図3及び図4を参照しながら詳述する。なお、図3及び図4は、シールド掘削機1及びシールドトンネル14の水平断面を示したものである。
図3(a)に示すように、前記シールド掘削機1を用いて標準断面1aと拡幅断面1bを合わせた拡大断面1cで地山15を掘削しながら、前記仮テール部材7を装着した前記スキンプレート2内で標準断面セグメント9aを組み立てて、標準断面1aを有する領域にシールドトンネル14の一般坑14aを構築する。
該裏込め注入材16の注入方法は、前記土砂供給制御装置19を用いて、切羽圧力を管理しながらチャンバ4b内の掘削土砂を引き抜くとともに、前記裏込め注入材16の圧力を管理しながら裏込め注入材16の供給量を決定し、引き抜いた掘削土砂のうち裏込め注入材16に必要な掘削土砂を第1の拡幅断面排土装置5bへ供給する。この後、供給された掘削土砂に応じた配合量のセメントや水及び混和剤を前記固化材貯留槽17及び混和剤貯留槽18より供給し、裏込め注入材16に加工して、裏込め注入機構8より余堀り部に裏込め注入材16を注入する。
次に、シールドトンネル14の拡大坑14cの構築に切り替える手前で前記一般坑14aに、図3(b)に示すような余堀り部をトンネル軸線方向の前後で遮断する遮断機構12を内包する遮断機構付き標準断面セグメント9b、次いで、前記シールド掘削機1を掘進させながら標準断面セグメント9aを組み立てる。
この後、前記裏込め注入機構8による余堀り部への裏込め注入材16の注入を停止し、図3(c)に示すように、余堀り部をトンネル軸線方向の前後で遮断するように、前記遮断機構12を配置する。
次に、図4(a)に示すように、前記スキンプレート2から仮テール部材7を撤去して、図7(b)に示すような前記拡幅断面1bと同様の断面を備える拡幅ブロック13を第2の工程で組み立てた標準断面セグメント9aの外周面に固着する。
この後、図4(b)(c)に示すように、前記シールド掘削機1を掘進させながら、拡大断面セグメント9cを組み立ててシールドトンネル14の拡大坑14cを構築する。これにより、シールドトンネル14は一般坑14aから図7(c)に示すような拡大坑14cに拡幅される。
また、先にも述べたように、前記シールド掘削機1は、スキンプレート2の内壁に周方向に所定の離間間隔をもって配置された押圧ジャッキ11を掘進方向に伸長し、スキンプレート2の後方で組み立てられる前記セグメント9あるいは推力受けピース10を押圧しながら掘進する。したがって、標準断面セグメント9aに拡幅ブロック13を固着した上でこれに拡大断面セグメント9cを組み立てることにより、押圧ジャッキ11の押圧力に十分抵抗できる構成としたものである。これにより、前記遮断機構12に押圧力が作用することはないため、前記一般坑14aから拡大坑14cに切り替わる部位の安全性を確保しながらシールドトンネル14の拡幅作業を実施することができる。
図5(a)に示すように、前記シールド掘削機1を用いて標準断面1aと拡幅断面1bを合わせた拡大断面1cで地山15を掘削しながら、前記仮テール部材7を撤去した前記スキンプレート2内で拡大断面セグメント9cを組み立てて、拡大断面を有するシールドトンネル14の拡大坑14cを構築する。
次に、シールドトンネル14の一般坑14aの構築への切り替え位置で、図5(b)に示すように、前記拡幅断面1bと同様の断面を備える拡幅ブロック13を外周面に固着した拡幅ブロック付き標準断面セグメント9dを組み立てる。
この後、前記シールド掘削機1を掘進させて、図5(c)に示すように、前記スキンプレート2に仮テール部材7を装着し、図6(a)に示すように、スキンプレート2内で拡幅断面領域をトンネル軸線方向の前後で遮断する遮断機構12を内包する遮断機構付き標準断面セグメント9bを組み立てる。
また、第3の工程で、一般坑14aの築造に切り替わった時点で裏込め注入材16を提供できるよう、前記仮テール部材7に備えられている前記裏込め注入機構8に前記第1の拡幅断面排土装置5bを連結しておく。
さらに、前記拡幅ブロック13が、トンネル軸線方向に面する端面を有する場合は、遮断機構付き標準断面セグメント9bを用いることなく通常の標準断面セグメント9aを用いればよい。
次に、標準断面セグメント9aを組み立てながら前記シールド掘削機1を掘進させて、図6(b)に示すように、前記拡幅断面1bを有する領域をトンネル軸線方向の前後で遮断するように前記遮断機構12を配置する。
この後、前記シールド掘削機1を掘進させながら標準断面セグメントを組み立てて、前記標準断面1aを有する領域にシールドトンネル14の一般坑14aを構築する。これにより、シールドトンネル14は拡大坑14cから一般坑14aに縮幅される。
2 スキンプレート
3 カッタ
4 チャンバ
5 排土装置
6 テールパッキン
7 仮テール部材
8 裏込め注入機構
9 セグメント
10 推力受けピース
11 押圧ジャッキ
12 遮断機構
13 拡幅ブロック
14 シールドトンネル
15 地山
16 裏込め注入材
17 固化材貯留槽
18 混和剤貯留槽
19 土砂供給制御装置
20 送泥管
21 土圧計
Claims (4)
- 標準断面を有する一般坑と、該一般坑と拡幅断面を有する拡幅坑を合わせた拡大断面を有する拡大坑の両者を築造するシールド掘削機であって、
地山を標準断面で掘削する標準断面掘削機構、拡幅断面で掘削する拡幅断面掘削機構、該標準断面掘削機構及び拡幅断面掘削機構を前方に備え前記拡大断面を有するスキンプレート、及び該スキンプレートの後方でかつその内周面とリング状に組み立てた標準断面セグメントの外周面との間に着脱自在に配置され、前記拡幅断面と同様の断面形状を有し、地山とリング状に組み立てた標準断面セグメントの外周面との間に生じる余堀り部に裏込め注入材を注入する裏込め注入機構を備える仮テール部材を備えてなり、
前記拡幅断面掘削機構に土圧式掘削機構が用いられるとともに、拡幅断面掘削機構の背面に備えられるチャンバと前記裏込め注入機構が、前記チャンバに収容された掘削土砂を裏込め注入機構に搬送する第1の拡幅断面排土装置を介して連結されることを特徴とするシールド掘削機。 - 請求項1に記載のシールド掘削機において、
前記拡幅断面掘削機構の背面に備えられるチャンバに、前記標準断面掘削機構の掘削による掘削土砂を排土する標準断面排土装置と連結し、前記チャンバに収容された掘削土砂を標準断面排土装置に搬送する第2の拡幅断面排土装置と、
該第2の拡幅断面排土装置及び前記第1の拡幅断面排土装置へ供給する前記チャンバ内の掘削土砂量を制御する掘削土砂供給制御装置を備えることを特徴とするシールド掘削機。 - 請求項1または2に記載のシールド掘削機を用いたトンネルの拡幅方法であって、
標準断面と拡幅断面を合わせた拡大断面で掘進ながら、前記仮テール部材を装着した前記スキンプレート内で標準断面セグメントを組立て、掘削後の標準断面領域に一般坑を構築しながら、前記裏込め注入機構を用いて拡幅断面領域に裏込め注入材を充填する第1の工程と、
前記一般坑に、拡幅断面領域の余堀り部をトンネル軸線方向の前後で遮断する遮断機構を内包する標準断面セグメント、次いで標準断面セグメントを組立てながら掘進した後、前記遮断機構を用いて前記余堀り部をトンネル軸線方向の前後で遮断する第2の工程と、
前記スキンプレートから仮テール部材を撤去して、前記拡幅断面と同様の断面を備える拡幅ブロックを第2の工程で組み立てた標準断面セグメントの外周面に固着した後、前記シールド掘削機で掘進しながら、拡大断面セグメントを組み立て掘削後の拡大断面領域に拡大坑を構築する第3の工程よりなることを特徴とするトンネルの拡幅方法。 - 請求項1または2に記載のシールド掘削機を用いたトンネルの縮幅方法であって、
標準断面と拡幅断面を合わせた拡大断面で掘進しながら、前記仮テール部材を撤去した前記スキンプレート内で拡大断面セグメントを組立て、掘削後の拡大断面領域に拡大坑を構築する第1の工程と、
前記拡大坑に、前記拡幅ブロックを外周面に固着した標準断面セグメントを組み立てた後、標準断面セグメントを組み立てるとともに、前記スキンプレートに仮テール部材を装着する第2の工程と、
前記シールド掘削機を掘進しながら標準断面セグメントを組立て、掘削後の標準断面領域に一般坑を構築しながら、裏込め注入機構を用いて拡幅断面領域に裏込め注入材を充填する第3の工程よりなることを特徴とするトンネルの縮幅方法。
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