JP2007239269A - シールド機及びシールドトンネルの拡幅部構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体前面にカッタ5を備えるとともに、このカッタ5の周面から突出可能なコピーカッタ6を備えるシールド機であって、コピーカッタ6を突出させて掘削される拡幅用空洞部Cに対し、本体周面1から突出して拡幅用空洞部Cを前後に遮断可能とする可動遮断壁21を備える。このシールド機の本体周面1から遮断壁21を突出させて拡幅用空洞部Cをシールド機の掘進方向に対して前後に遮断した状態で、シールド機により掘進しながらコピーカッタ6により拡幅用空洞部Cを掘削する。同時に、遮断壁21より前面から拡幅用空洞部Cに滑材・高圧水を注入するとともに、本体周面1からも拡幅用空洞部Cに滑材・高圧水を注入する。また、遮断壁21の直後において、本体周面1から拡幅用空洞部Cに充填材を注入する。
【選択図】図2
Description
そこで、シールド機の前面カッタの周囲に備えられる曲線部余掘り用のコピーカッタを用いて拡幅用空洞部を掘削することが考えられる。ここで、コピーカッタは、本来、シールド機の曲線施工用のために地山を乱し、シールド機を曲線なりに寄りつき易くする目的で備えられているものであり、大きく突出して掘削できるが、掘削土をシールド機のチャンバーへ取り込む機能は有していない。
よって、例えば泥水式シールドの場合、コピーカッタで拡幅用空洞部を掘削すると、掘削土を含む泥水の排泥が困難であること、泥土圧式シールドの場合も、掘削土のチャンバへの取り込み、排土が困難であることが想定できる。また、地山崩壊の防止の観点から、コピーカッタで掘削した拡幅用空洞部に充填材を充填することが考えられるが、カッタと拡幅用空洞部は当該掘削により連通しており、充填材がカッタ側へ回り込むと、掘削用泥水の性状を変化させ、本来の掘削排土に影響を与えることになってしまう。
図1及び図2は本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、シールド機は、図示のように、本体周面のスキンプレート1、隔壁2、前面のカッタ支持面板3、チャンバ4、カッタ5、拡幅用コピーカッタ6、カッタ駆動用電動モータ7、コピーカッタ駆動装置8、シールドジャッキ9、中折れジャッキ10、スクリューコンベヤ11、テールシール12、エレクタ装置13、後方作業台14、セグメント形状保持装置15、連結セグメント押込装置16、同時裏込め注入管17、可動遮断壁21等を備える。なお、チャンバ4には、図示しないアジテータが設けられるとともに、図示しない送泥管及び排泥管が接続されている。
そして、拡幅用コピーカッタ6は、図3に示すように、カッタ5の回転に同期して突出量を制御することにより、カッタ5の回転によるシールド機の掘進と同時に、所望の拡幅用空洞部Cを掘削することができる。図中、Rはカッタ5の回転方向を示している。
そして、可動遮断壁21の内部に当該壁の前面の全面へ滑材とともに高圧水を噴射できる滑材・ジェット水注入管23が配設されていて、この滑材・ジェット水注入管23は可動遮断壁21の前面に斜め外側に向けて開口している。
まず、通常は前面のカッタ5によりトンネルを掘進していくとともに、後側のエレクタ装置13により図示しないセグメントを組立ててセグメントリングをもってトンネルを覆工していく。
そして、任意の所望する施工開始時点に達すると、前面のカッタ5による掘進は継続するとともに、拡幅用コピーカッタ6を上下に同期して突出動作させることで、地山に上下の拡幅用空洞部Cを掘削する。すなわち、図3に示したように、カッタ5の回転に同期して拡幅用コピーカッタ6の突出量を制御することで、カッタ5の回転によるシールド機の掘進と同時に、カッタ5の回転過程で突出制御される拡幅用コピーカッタ6により上下の拡幅用空洞部Cを間欠的に掘削して連続形成していく。
その後、シールド機の掘進により拡幅用空洞部Cに可動遮断壁21が到達する時点で、上下の可動遮断壁21をスキンプレート1から同期して突出動作させることで、上下の拡幅用空洞部Cを各々の可動遮断壁21でそれぞれ前後に遮断する。同時に、可動遮断壁21の前面に開口する滑材・ジェット水注入管23から滑材・ジェット水を拡幅用空洞部Cに注入する。
この結果、拡幅用空洞部Cにおいて、可動遮断壁21で遮断された前方の掘削土を含む泥水はチャンバ4に送り込まれ易くなり、シールド機内のスクリューコンベア11を通って周知のように排泥される。
以上の部分拡幅部掘削を伴う掘進及び覆工は所定区間の設計長に到達するまで継続して行われる。
こうして、覆工の完了した当該拡幅区間において、覆工トンネル内部より、本線トンネルとランプトンネルの間において、上下の地山に対して薬液注入工を施す。
次に、上下の薬液注入工において、本線トンネル及びランプトンネルの連結セグメントの間に長尺鋼管フォアパイリングによるアーチ状の支保工を施工する。
そして、本線トンネル及びランプトンネルの間において、上下の支保工間の地山を掘削する。
その後、本線トンネル及びランプトンネルのセグメントリングの互いに隣接するセグメントを撤去して、図示のように、本線トンネルとランプトンネルを横方向に連続させる。
こうしてシールドトンネルの合流部・分流部の施工を終える。
また、実施形態では、泥水式シールドとしたが、土圧式シールドであっても良く、その他、シールド機の具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。例えば可動遮断壁を隔壁の直後位置に設けても良い。
5 カッタ
6 拡幅用コピーカッタ
21 可動遮断壁
22 遮断壁駆動装置
23 滑材・高圧水注入管
24 滑材・高圧水注入管
25 充填材注入管
Claims (8)
- 本体前面にカッタを備えるとともに、このカッタの周面から突出可能なコピーカッタを備えるシールド機であって、
前記コピーカッタを突出させて掘削される拡幅用空洞部に対し、本体周面から突出して前記拡幅用空洞部をシールド機の掘進方向に対して前後に遮断可能とする可動遮断壁を備えることを特徴とするシールド機。 - 前記可動遮断壁の内部に当該壁の前面の全面へ高圧水を噴射できる注入口を備えることを特徴とする請求項1に記載のシールド機。
- 前記可動遮断壁より前方の本体周面に高圧水注入口を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のシールド機。
- 前記可動遮断壁の直後の本体周面に充填材注入口を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシールド機。
- シールド機の前面のカッタによる掘進と並行してカッタ周面からコピーカッタを突出させて拡幅用空洞部を掘削するシールドトンネルの拡幅部構築方法であって、
シールド機の周面から遮断壁を突出させて前記拡幅用空洞部をシールド機の掘進方向に対して前後に遮断した状態で、前記シールド機により掘進しながら前記コピーカッタにより前記拡幅用空洞部を掘削することを特徴とするシールドトンネルの拡幅部構築方法。 - 前記遮断壁より前面から前記拡幅用空洞部に高圧水を注入することを特徴とする請求項5に記載のシールドトンネルの拡幅部構築方法。
- 前記遮断壁より前方において、シールド機の本体周面から前記拡幅用空洞部に高圧水を注入することを特徴とする請求項5または6に記載のシールドトンネルの拡幅部構築方法。
- 前記遮断壁の直後において、シールド機の本体周面から前記拡幅用空洞部に充填材を注入することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のシールドトンネルの拡幅部構築方法。
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