JP4273015B2 - シールド工法における被掘削土の安定化方法 - Google Patents

シールド工法における被掘削土の安定化方法 Download PDF

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Description

この発明は、シールド工法における被掘削土の安定化方法に係わり、特に、シールド掘進機の掘削待機期間中における切羽や、シールド掘進機の到達坑に形成される到達口の切羽を安定化させる技術に関する。
シールド工法は、例えば都市土木等において、地下水の存在する地盤や軟弱な地盤に対するトンネルの構築工法として一般に採用されるもので、シールド掘進機の後方にセグメントによってトンネルの掘削内周面を覆う覆工体を形成するとともに、形成した覆工体から推進反力を得ながらシールド掘進機によって掘進作業を行ってゆくものである。
また、このようなシールド工法によれば、所定の深度にトンネルを構築するためには、シールド掘進機の発進立坑や到達立坑を地中に構築し、これらを発進基地あるいは到達基地として、シールド掘進機を発進又は到達させて、これらの立坑を結ぶ計画路線に沿ったトンネルを構築することになる。即ち、通常では、例えば数百メートルから数キロメートル程度の所定のトンネル延長毎に工区分けを行い、これらの各工区の両端部分に、シールド掘進機の発進用あるいは到達用の施設としての立坑を、例えば地中連続工法等によりコンクリ−ト構造物として地中に構築し、各工区毎に掘削形成したシールドトンネルをこれらの立坑を介して連通させることにより、各シールドトンネルが一体となった相当の延長のトンネルが構築されることになる。
そして、このような発進立坑からのシールド掘進機の発進作業や、到達立坑へのシールド掘進機の到達作業は、一般に、立坑を構成する壁体の発進口あるいは到達口部分に坑口工を設けるとともに、これらの坑口部分の背面の地盤に対し地盤改良を施してこの地盤を安定固化させ、しかる後に発進口あるいは到達口部分の壁体に対して鏡切り作業を行ない、これによって形成された発進口もしくは到達口を通じてシールド掘進機を地山に貫入させ、あるいは地山から立坑の内部に前進させることにより行われている。
また、両方向から掘進してきた2台のシールド掘進機を、地中内で地盤改良などの補助工法無しに地下水や土砂の進入を防ぎつつ機械的に行う工法もあり、当該工法ではMSDシールド掘進機が用いられている。
ここで、上記のようなシールド工によってトンネル掘削を行うにあたっては、シールド掘進機のチャンバー内や到達口の被掘削土である切羽には、以下に示すような場合に充填材を充填する必要があった。
(a)鏡切りを行い、エントランス内にシールド機を貫入させた後に発進するまでの待機期間がある場合、チャンバー内は空であるので被掘削土である切羽の安定のために、泥水やベントナイ溶液等を充填する。
(b)MSDシールド掘進機による地中接合を行うにあたって、待機側シールド掘進機の待機期間が長くなる場合には、待機側シールド機のチャンバー内に、被掘削土たる切羽の安定のためにベントナイトと珪酸ソーダとを混合ゲルさせたものや、膨潤性の高い粒状ベントナイトを充填する。
(c)シールド掘進機の到達時に到達口の鏡切りを行った後に、地山安定のために隔壁を設置して地山と隔壁との間に上記と同様な充填材を充填する。
特開平10−184268号公報 特開平9−88473号公報
しかしながら、上記従来のシールド工法における被掘削土の安定化方法であると、使用する充填材が固形物であるため、その撤去作業が困難であり、残存し易い。また、坑外へ搬出する手間も大きい。特に、シールド掘進機の場合にあっては、そのカッター・チャンバー内に上記充填材がその撤去後も固形物として付着したままの状態で残存してしまうと、シールド掘削時にチャンバー内閉塞を引き起こす原因にもなってしまう虞がある。
また、撤去された充填材はすべて泥土処分する必要があり、特に珪酸ソーダを使用するものはアルカリ性となるため、産業廃棄物として処理しなければならなくなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、充填材の撤去が容易で固形物が残存し難く、しかも撤去した充填材を簡易に廃棄処理することができるシールド工法における被掘削土の安定化方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明の請求項1に係る構成は、掘削待機時に、被掘削土と該被掘削土に対面する土留め手段との空隙に充填材を充填して切羽の安定化を行い、掘削開始時に該充填材を撤去するようにしたシールド工法における被掘削土の安定化方法において、該充填材が加水により1000〜12000cPの粘度を発現する一方、分散材の添加により解ゲルする吸水性樹脂でなり、待機時には、水を加えてゲル状態となした充填材を該空隙に充填して切羽を安定化させおき、掘削開始時には、これに先立って、該空隙内に充填された充填材に解ゲル剤を注入して、解ゲルした液体状態で吸引撤去することを特徴とする。
ここで、請求項2に示すように、前記被掘削土に砂礫層が含まれる場合には、加水により5000〜12000cPの粘度を発現する充填材を使用するのが望ましい。
また、請求項3に示すように、前記切羽は、シールド掘進機の到達立坑の側面に形成された到達口に露出する地山表面であり、前記土留め手段は該到達口の地山表面を覆って設けられた隔壁となし得る。
さらに、本発明の請求項4に係る構成は、前記請求項1または2において、前記土留め手段がシールド掘進機のカッターフェイスであり、該カッターフェイスと前記被掘削土との空隙内、並びに該カッターフェイス後方のチャンバー内に前記充填材を充填することを特徴とする。
即ち、請求項1に従属する請求項4の構成では、掘削待機時に、被掘削土と該被掘削土に対面するカッターフェイスとの空隙内、並びに該カッターフェイス後方のチャンバー内に充填材を充填して切羽の安定化を行い、掘削開始時に該充填材を撤去するシールド工法における被掘削土の安定化方法において、該充填材が加水により1000〜12000cPの粘度を発現する一方、分散材の添加により解ゲルする吸水性樹脂でなり、待機時には、水を加えてゲル状態となした充填材を該空隙に充填して切羽を安定化させおき、掘削開始時には、これに先立って、充填されている充填材に解ゲル剤を注入して、解ゲルした液体状態で吸引撤去することを特徴とする。
また、請求項2に従属する請求項4の構成では、掘削待機時に、被掘削土と該被掘削土に対面するカッターフェイスとの空隙内、並びに該カッターフェイス後方のチャンバー内に充填材を充填して切羽の安定化を行い、掘削開始時に該充填材を撤去するシールド工法における被掘削土の安定化方法において、被掘削土が砂礫層を含む場合には、加水により5000〜12000cPの粘度を発現する一方、分散材の添加により解ゲルする吸水性樹脂でなる充填材を使用し、待機時には、水を加えてゲル状態となした充填材を該空隙内と該チャンバー内に充填して被掘削土を安定化させておき、掘削開始時には、これに先立って、充填されている充填材に解ゲル剤を注入して、解ゲルした液体状態で吸引撤去することを特徴とする。
請求項1に示すシールド工法における被掘削土の安定化方法の発明によれば、地山の被掘削土の露出面と該被屈削土の露出面に対面する土留め手段との空隙に、加水してゲル状態にした1000〜12000cPの粘度を発現する吸水樹脂からなる充填材を充填して掘削待機時の被掘削土の安定化を図り、掘削時には空隙に充填したゲル状の吸水樹脂に解ゲル剤を注入して液体状態となして吸引撤去するので、充填材を容易に撤去することができ、空隙内に充填材が固形物として残存することがない。このため、充填材の廃棄作業効率を可及的に向上させることができ、工期の短縮化が図れる。また、充填材の吸水樹脂は基本的に中性であり、産業廃棄物として処理する必要がないので、そのまま直接下水等へ放流して簡易に廃棄することもできる。ここで、充填材の粘度を1000〜12000cPとしているのは、露出する被掘削土が不透水性の土層であれば1000cPの粘度があれば、吸収されることなく土圧を保持でき、かつ12000cP以下であれば充填性が十分に確保できるからである。
ここで、請求項2に示すように、露出した被掘削土に砂礫層が含まれる場合には、充填材の粘度を5000cP以上となすことで、当該砂礫層に充填材が浸透して流出してしまうことを防止でき、土圧を十分に確保して被掘削土を安定化させておくことができる。
また、請求項3に示すように、前記被掘削土をシールド掘進機の到達立坑の側面に形成された到達口に露出する地山表面となし、前記土留め手段を該到達口の地山表面に対面して設けられた隔壁となせば、即ち、到達抗の側壁に形成した到達口の鏡切り後の地山表面とこれに対面させて設けた隔壁との空隙に、上記吸水樹脂でなる充填材を充填して安定化させるようにすれば、シールド掘進機が到達するまでの待機期間中の当該到達口の被掘削土の安定化とその充填材の撤去とを容易に行うことができる。
また、請求項4に示すように、掘削待機中におけるシールド掘進機のカッターフェイスと被掘削土の露出面である切羽との間の空隙内、並びに該カッターフェイス後方のチャンバー内空間とに上記吸水樹脂でなる充填材を充填して被掘削土たる切羽の安定化を図れば、上記と同様に充填材の撤去が容易であるばかりか、チャンバー内に充填材が固形物として残存することがないので、シールド掘削時に残存した充填材がチャンバー内閉塞を引き起こす原因となることも防止できる。
以下に、本発明に係るシールド工法における被掘削土の安定化方法の好適な一実施形態について、添付図面に基づいて詳述する。
図1(a),(b)はシールド工法に用いる周知のシールド掘進機の一例を示す概略側断面図である。同図に示するように、シールド掘進機2は多数のカッタービット4が立設されたカッターフェース6を回転させて、当該カッターフェース6に対向する地山の被掘削土の切羽を切り崩し、その掘削土をカッターフェイス6後方のチャンバー7内に取り込んで、さらにスクリューコンベア8で後方に搬送排出しながら前進していくものであり、推進用のジャッキ10を反力受けに当接させた状態で伸長させることによって前進力を得るようになっている。ここで、シールド掘進機2は大別して掘削機構部12をなす前方部と排土・推進機構部14をなす後方部とから構成されており、これら掘削機構部12と排土・推進機構部14とはそれぞれ独立した円筒形の胴体16,18を有していて両胴体16,18は互いに接合・分離可能となっている。
そして、上記シールド掘進機2は、図2に示すような発進・到達基地の立杭20内に地上から挿入されて、この立坑20の側壁に形成される発進口22から地山24中に嵌入される。ここで、当該立坑20は発進・到達基地となっており、上記発進口22に対面して到達口26が形成されている。また、これら発進口22と到達口26とは壁体28によって閉塞されている。
ところで、近年にあっては、多面的および立体的に土地の有効利用が図られている。特に構造物の密集した都市部にあっては、上記立坑20の施工現場として、地上に十分なスペースを確保することが非常に困難になってきているばかりか、その立坑20自体の大きさにも制限を受けて、当該立坑20の開口部の間口長を十分に大きくとることができず、シールド掘進機2の全長分を確保し得ないケースも生じる。
そこで、本実施形態では、そのようなケースに対処するために、シールド掘進機2をその前方部の掘削機構部12と後方部の排土・推進機構部14とに分離した状態で、それぞれを個別に立坑20内に挿入し、当該立坑20内で相互に接合して組み立てるようにしている。図2〜図6はその立坑20内へのシールド掘進機2の挿入及び組み立て手順を示した概略縦断面図である。
即ち、先ず図2に示すように、立坑20の床面にはシールド掘進機2を支える機台30を設置すると共に、発進口22に対面する到達口26の周囲の側壁部分に支持させて反力受けフレーム32を設ける。次に、図3に示すように、発進口22に発進用の坑口工34を設置する。この発進用坑口工34は短い円筒体でなり、先端が発進口22内に挿入されて設けられ、その後端側の内周面にはシールド掘進機2の胴体16,18の外周面に当接して当該外周面部位をシールするゴム製のパッキン材36がその全周に亘って取り付けられている。
発進用の坑口工34の設置後、図4に示すように、シールド掘進機2の前方部である掘削機構部12が立坑20内に吊り降ろされて挿入される。爾後、図5に示すように、発進口22を閉塞している壁体28を鏡切りして、地山24の被掘削土の表面を露出させてから、掘削機構部12の先端を坑口工34の筒体内に挿入して、当該掘削機構部12の先端を地山24の被掘削土の露出面である切羽25にできるだけ近接させて配置する。これにより、立坑20内における掘削機構部12の後方空間を可及的に広く確保して、シールド掘進機2の後方部である排土・推進機構部14の立坑20内への挿入スペース並びに掘削機構部12との接合組み立て作業スペースを確保する。その後、図6に示すように、排土・推進機構部14を立坑20内に吊り降ろし、当該排土・推進機構部を掘削機構部12の後端に組み付けて両者を接続し、シールド掘進機2を組み立てるようにする。
従って、上記のようにシールド掘進機2をその前方部の掘削機構部12と後方部の排土・推進器後部14とに分離して、個々に立坑20内に挿入し、当該立坑20内で組み立てるようにすれば、例えば構造物が密集して十分な大きさの立坑20が設置できないような都市部にあっても、シールド掘進機2の立坑20内への挿入設置が可能となる。
ところで、図5に示してあるが、上述のように発進口22の壁体28を鏡切りして、地山24の被掘削土の切羽25に掘削機構部12を出来る限り近接させて前方に配置することによって、排土・推進機構部14の挿入・組み付けを可能にすると、壁体28を鏡切りしてから実際にシールド掘進機2によって地山24の掘削を始める迄の掘削待機期間が長期化してしまう。従って、掘削機構部14のカッターフェイス6に対面する被掘削土の切羽25が崩落するのを防止して、これを安定化させておく必要が生じる。
そこで、本発明では、上記排土・推進機構部14の挿入に先立って、掘削機構部12の設置完了後に、直ちに当該切羽25の安定化作業を行う。そして、この被掘削土の安定化の方法は次のようにして行う。
即ち、図5と図6とに示すように、地山24の被掘削土の切羽25とこの切羽25に対面する土留め手段としてのカッターフェイス6との空隙内、並びにカッターフェイス6の後方のチャンバー7内に、充填材38を充填して発進口22の切羽25を安定化させる。ここで、上記充填材38には、加水によって1000〜12000cPの粘度を発現する一方、分散材の添加によって解ゲルする吸水性樹脂を水や泥土に添加して用いる。つまり、待機時には、水あるいは水と泥土とを加えてゲル状態に混合した粘度1000〜12000cPの吸水性樹脂からなる充填材38を空隙内とチャンバー7内とに充填して土圧を確保することで切羽25を押さえ込んで安定化させおき、シールド掘進機2の組み立て完了後の掘削開始時には、これに先立って、当該空隙並びにチャンバー7内に充填した充填材38に対して解ゲル剤を注入して、解ゲルした液体状態で吸引撤去する。
図7は上記充填材の注入充填及び撤去・廃棄を行う装置の概略構成図を示すものである。同図に示すように吸水性樹脂の充填材38は地上に設けた混合層40内で水及び泥土と混合される。水及び泥土と吸水性樹脂とはミキサー42で攪拌されてゲル状にされ、このゲル状となった充填材38はポンプ44で地下にあるシールド掘進機2の掘削機構部12に送られて、チャンバー7の後壁上方部にあるマンホール(図示せず)や発進用の坑口工34の筒体の上部に設けた注入孔46などから充填される。
また、シールド掘進機2の組み立て完了後に掘削を開始するにあたって、これに先立って、当該ゲル状の充填材38を撤去する。この撤去にあたっては、先ず、上記マンホールや注入孔46から、ゲル化した吸水性樹脂を溶液化する解ゲル剤を注入し、カッターフェース6を回転駆動させる等して攪拌してゲル状の充填材を液体状に戻す。そして、液体状に戻った充填材は掘削機構部12のチャンバー7の下方部にあるマンホール(図示せず)や発進用の坑口工34の筒体の下部に設けた排出孔48などを通じてポンプ50で吸い戻して地上の回収槽52に回収した後、水分と樹脂分とを分離して水分を下水等に放流して廃棄する。
ここで、上記充填材として採用し得る吸水性樹脂について、その具体的な例を示せば、太平洋ソイル株式会社製のSPシールG(商品名)、及びその解ゲル剤(分散剤)として同じく太平洋ソイル株式会社製のSPクリード(商品名)を挙げることができる。本実施形態では当該SPシールGとSPクリードとを採用した。SPシールGは加水して粘度を10,000〜12,000cPのゲル状にした。また、このSPシールGにSPクリードを注入して液体状に戻すと粘度は500cP未満となる。当該SPシールGは吸水性ポリマーの粉末であり、清水に対して6〜8kg/mの分量で添加した。また、SPクリードは液体であり、充填部分の容積に対して4kg/mの分量で注入した。
従って、以上のようにしてなる本実施形態のシールド工法における被掘削土の安定化方法によれば、地山24の被掘削土の露出面である切羽25とこの切羽25に対面する土留め手段たるシールド掘進機2のカッターフェイス6との間の空隙内、並びにカッターフェイス6の後方のチャンバー7内に、加水してゲル状態にした吸水樹脂からなる充填材38を充填して掘削待機時の被掘削土の安定化を図り、掘削時には充填したゲル状の吸水樹脂の充填材38に解ゲル剤を注入して液体状態となして吸引撤去するので、充填材38を容易に撤去することができ、もって充填材38がチャンバー7内に固形物として残存することがない。このため、充填材38の廃棄作業効率を可及的に向上させることができ、工期の短縮化が図れる。また、解ゲルした充填材38の液体状の吸水樹脂は基本的に中性であるから、産業廃棄物としての処理を行う必要がなく、そのまま直接下水等へ放流して簡易に廃棄することもできるが、望ましくは樹脂成分は分離してから水分を放流した方が良い。また、上記のようにチャンバー7内に充填材38が固形物として残存することがないので、シールド掘削時に残存した充填材38がチャンバー7内閉塞を引き起こす原因となることも防止できる。
ここで、この被掘削土の安定化方法は、上述したシールド掘進機2の発進待機時に限らず、到達口26における待機時にも適用し得る。即ち、この場合では、前記地山24の被掘削土の露出面たる切羽25は、シールド掘進機2の到達基地となる立坑20の側面に形成された到達口26の壁体28が鏡切りされて露出する地山24の被掘削土の露出面となり、前記土留め手段は当該到達口26に露出する被掘削土の切羽25を覆って設けられる隔壁(図示せず)となる。つまり、立抗20の側壁に形成した到達口26の鏡切り後の地山24の被掘削土が露出した切羽25とこれを覆って対面させて設けた隔壁との空隙に、上記吸水樹脂でなる充填材を充填することで、切羽25を安定化させるようにすれば、シールド掘進機が後方の裏面側に近接して到達するまでの待機期間中における当該到達口26の被掘削土の安定化と、到達時における立坑20内への進入の際の当該充填材の撤去とを容易に行うことができる。
また、この被掘削土の安定化方法は、両方向から掘進してきた2台のシールド掘進機を、地中内で地盤改良などの補助工法無しに、地下水や土砂の進入を防ぎつつ機械的に行うMSD工法にも適用し得る。このケースでは、2台のMSDシールド掘進機による地中接合を行うにあたって、待機側シールド掘進機の待機期間が長くなる場合に、当該待機側MSDシールド機のカッターフェイスと地山における被掘削土の露出面との間の空隙内、並びにチャンバー内に、前述の吸水樹脂でなる充填材を充填して、切羽を安定化させておき、地中接合させる際に、その充填材を解ゲルさせて吸引除去することになる。
また、切羽等の被掘削土の露出面に砂礫層が含まれている場合には、充填材の粘度を5000cP以上となすことで、当該砂礫層に充填材が浸透して流出・逸散してしまうことを防止でき、もって土圧を十分に確保して被掘削土を安定化させておくことができる。
シールド工法に用いる周知のシールド掘進機の一例を示す概略側断面図である。 立坑内へのシールド掘進機の挿入及び組み立て手順を示した概略縦断面図である。 同上、立坑内へのシールド掘進機の挿入及び組み立て手順を示した概略縦断面図である。 同上、立坑内へのシールド掘進機の挿入及び組み立て手順を示した概略縦断面図である。 同上、立坑内へのシールド掘進機の挿入及び組み立て手順を示した概略縦断面図である。 同上、立坑内へのシールド掘進機の挿入及び組み立て手順を示した概略縦断面図である。 充填材の注入充填及び撤去・廃棄を行う装置の概略構成図である。
符号の説明
2 シールド掘進機 6 カッターフェイス
7 チャンバー 8 スクリューコンベア
10 推進ジャッキ 12 掘削機構部
14 排土・推進機構部 16,18 胴体
20 立坑 22 発進口
24 地山 25 切羽(被掘削土)
26 到達口 28 壁体
32 反力受け部材 34 発進用の坑口工
36 パッキン材 38 充填材
40 混合槽 42 ミキサー
44,50 ポンプ 52 回収槽

Claims (4)

  1. 掘削待機時に、被掘削土と該被掘削土に対面する土留め手段との空隙に充填材を充填して被掘削土の安定化を行い、掘削開始時に該充填材を撤去するようにしたシールド工法における被掘削土の安定化方法において、
    該充填材が加水により1000〜12000cPの粘度を発現する一方、分散材の添加により解ゲルする吸水性樹脂でなり、
    待機時には、水を加えてゲル状態となした充填材を該空隙に充填して被掘削土を安定化させおき、掘削開始時には、これに先立って、該空隙内に充填された充填材に解ゲル剤を注入して、解ゲルした液体状態で吸引撤去する、
    ことを特徴とするシールド工法における被掘削土の安定化方法。
  2. 前記被掘削土に砂礫層が含まれる場合には、加水により5000〜12000cPの粘度を発現する充填材を使用することを特徴とする請求項1記載のシールド工法における被掘削土の安定化方法。
  3. 前記被掘削土が、シールド掘進機の到達立坑の側面に形成された到達口に露出する地山表面であり、前記土留め手段が該到達口の地山表面を覆って設けられた隔壁であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のシールド工法における被掘削土の安定化方法。
  4. 前記土留め手段がシールド掘進機のカッターフェイスであり、該カッターフェイスと前記被掘削土との空隙内、並びに該カッターフェイス後方のチャンバー内に前記充填材を充填することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のシールド工法における被掘削土の安定化方法。
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