JPH09242469A - シールド機発進用立坑およびシールド機発進方法 - Google Patents
シールド機発進用立坑およびシールド機発進方法Info
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- JPH09242469A JPH09242469A JP8104996A JP8104996A JPH09242469A JP H09242469 A JPH09242469 A JP H09242469A JP 8104996 A JP8104996 A JP 8104996A JP 8104996 A JP8104996 A JP 8104996A JP H09242469 A JPH09242469 A JP H09242469A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 発進立坑からシールド機によってトンネルを
掘削する場合、立坑を小型化して工期の短縮を図ると共
に立坑内でのシールド機の組み立て作業が円滑に行える
ようにする。 【解決手段】 立坑Aを築造する際に、その土留壁1の
下部内に鞘管2を内外に貫通させた状態で埋設すると共
にこの鞘管2内にスキンプレートのフード部31とカッタ
ー板32と該カッター板32の回転軸34を支持した隔壁33と
を備えたシールド機前半部3を一体的に組み込んでお
き、さらに、鞘管2の前端開口部に切羽崩壊防止壁4を
張設しておいたのち、立坑Aの築造後、立坑A内でシー
ルド機前半部3の後端にシールド機後半部6を接続す
る。
掘削する場合、立坑を小型化して工期の短縮を図ると共
に立坑内でのシールド機の組み立て作業が円滑に行える
ようにする。 【解決手段】 立坑Aを築造する際に、その土留壁1の
下部内に鞘管2を内外に貫通させた状態で埋設すると共
にこの鞘管2内にスキンプレートのフード部31とカッタ
ー板32と該カッター板32の回転軸34を支持した隔壁33と
を備えたシールド機前半部3を一体的に組み込んでお
き、さらに、鞘管2の前端開口部に切羽崩壊防止壁4を
張設しておいたのち、立坑Aの築造後、立坑A内でシー
ルド機前半部3の後端にシールド機後半部6を接続す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシールド機によって
地中にトンネルを掘削する際に、該シールド機の発進基
地である立坑の構造とシールド機の発進方法に関するも
のである。
地中にトンネルを掘削する際に、該シールド機の発進基
地である立坑の構造とシールド機の発進方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シールド機によって地中にトンネルを掘
削する場合、シールド機の発進立坑と到達立坑とを築造
したのち、発進立坑から到達立坑に向かってシールド機
を掘進させるのであるが、発進立坑からシールド機を発
進させるに際して、従来から、発進立坑の土留壁にシー
ルド機の発進坑口を形成し、この坑口に向けて立坑内に
シールド機を設置し、地下水の多い軟弱地盤の場合には
坑口前方の地盤を薬液注入によって改良したのち、坑口
壁を破壊してシールド機を発進させている。
削する場合、シールド機の発進立坑と到達立坑とを築造
したのち、発進立坑から到達立坑に向かってシールド機
を掘進させるのであるが、発進立坑からシールド機を発
進させるに際して、従来から、発進立坑の土留壁にシー
ルド機の発進坑口を形成し、この坑口に向けて立坑内に
シールド機を設置し、地下水の多い軟弱地盤の場合には
坑口前方の地盤を薬液注入によって改良したのち、坑口
壁を破壊してシールド機を発進させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シ
ールド機の発進方法によれば、立坑内に発進坑口に向け
てシールド機全体を設置しなければならないために、そ
のシールド機の組み立てに手間を要するばかりでなく、
シールド機全体を坑内に設置するためには大径の立坑を
築造しなければならなかった。さらに、地盤が軟弱な場
合には立坑の築造後、シールド機の発進時における地下
水の浸入を防止するための薬液注入処理を必要とし、
又、発進時には坑口壁を破壊しなければならないために
手間を要し、工期が長くなる上に工費が高くつくという
問題点があった。
ールド機の発進方法によれば、立坑内に発進坑口に向け
てシールド機全体を設置しなければならないために、そ
のシールド機の組み立てに手間を要するばかりでなく、
シールド機全体を坑内に設置するためには大径の立坑を
築造しなければならなかった。さらに、地盤が軟弱な場
合には立坑の築造後、シールド機の発進時における地下
水の浸入を防止するための薬液注入処理を必要とし、
又、発進時には坑口壁を破壊しなければならないために
手間を要し、工期が長くなる上に工費が高くつくという
問題点があった。
【0004】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところはシールド機発進立坑
が小径であるにもかかわらずシールド機の発進を可能に
し、且つ薬液注入などの補助工法や坑口壁の破壊を不要
にすると共にシールド機の組立作業が能率よく行え、工
期の短縮を図ることができるシールド機発進用立坑およ
びシールド機発進方法を提供するにある。
たもので、その目的とするところはシールド機発進立坑
が小径であるにもかかわらずシールド機の発進を可能に
し、且つ薬液注入などの補助工法や坑口壁の破壊を不要
にすると共にシールド機の組立作業が能率よく行え、工
期の短縮を図ることができるシールド機発進用立坑およ
びシールド機発進方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のシールド機発進立坑は、立坑の土留壁にお
けるシールド機発進部位にシールド機の発進方向に向け
て鞘管を土留壁の内外面に貫通させた状態で固着し、こ
の鞘管の前端開口部にシールド機のカッター板によって
破砕可能な切羽崩壊防止壁を張設すると共に鞘管にスキ
ンプレートのフード部と該フード部内の開口端に配設し
たカッター板と、このカッター板の回転軸を支持した隔
壁とからなるシールド機前半部を内蔵してなる構成とし
ている。
に、本発明のシールド機発進立坑は、立坑の土留壁にお
けるシールド機発進部位にシールド機の発進方向に向け
て鞘管を土留壁の内外面に貫通させた状態で固着し、こ
の鞘管の前端開口部にシールド機のカッター板によって
破砕可能な切羽崩壊防止壁を張設すると共に鞘管にスキ
ンプレートのフード部と該フード部内の開口端に配設し
たカッター板と、このカッター板の回転軸を支持した隔
壁とからなるシールド機前半部を内蔵してなる構成とし
ている。
【0006】上記シールド機発進立坑において、請求項
2に記載したように、鞘管の内周面に止水リングを装着
して該止水リングをシールド機前半部のフード部の外周
面に密接させると共にシールド機前半部のフード部を鞘
管に抜き取り可能なピンで仮固定した構造としている。
さらに、請求項3に記載したように、切羽崩壊防止壁と
シールド機前半部の前面間の空間部に、シールド発進時
に排除可能な圧力液剤を充填するように構成している。
2に記載したように、鞘管の内周面に止水リングを装着
して該止水リングをシールド機前半部のフード部の外周
面に密接させると共にシールド機前半部のフード部を鞘
管に抜き取り可能なピンで仮固定した構造としている。
さらに、請求項3に記載したように、切羽崩壊防止壁と
シールド機前半部の前面間の空間部に、シールド発進時
に排除可能な圧力液剤を充填するように構成している。
【0007】また、シールド機の発進方法は、シールド
機の発進立坑を築造する際に、立坑の土留壁におけるシ
ールド機発進部位に鞘管を貫通状態で固着し、該鞘管の
前端開口部にシールド機のカッター板によって破砕可能
な切羽崩壊防止壁を張設すると共に鞘管にスキンプレー
トのフード部と該フード部内の開口端に配設したカッタ
ー板と、このカッター板の回転軸を支持した隔壁とから
なるシールド機前半部を組み込みながら立坑を築造し、
立坑の築造後、立坑内でシールド機前半部の後端にシー
ルド機後端部を継ぎ足してシールド機を組み立て、しか
るのち、発進することを特徴とするものである。なお、
請求項7および請求項8に記載した発明は、鞘管を用い
ることなく、土留壁に立坑内外に連通する貫通孔を設
け、この貫通孔の内周面を鞘管の替わりに利用して該貫
通孔の前端開口部に切羽崩壊防止壁を張設すると共に貫
通孔内に止水パッキンを介してシールド機前半部を内装
した構造としているものである。その他の構造は請求項
1〜6と同様である。
機の発進立坑を築造する際に、立坑の土留壁におけるシ
ールド機発進部位に鞘管を貫通状態で固着し、該鞘管の
前端開口部にシールド機のカッター板によって破砕可能
な切羽崩壊防止壁を張設すると共に鞘管にスキンプレー
トのフード部と該フード部内の開口端に配設したカッタ
ー板と、このカッター板の回転軸を支持した隔壁とから
なるシールド機前半部を組み込みながら立坑を築造し、
立坑の築造後、立坑内でシールド機前半部の後端にシー
ルド機後端部を継ぎ足してシールド機を組み立て、しか
るのち、発進することを特徴とするものである。なお、
請求項7および請求項8に記載した発明は、鞘管を用い
ることなく、土留壁に立坑内外に連通する貫通孔を設
け、この貫通孔の内周面を鞘管の替わりに利用して該貫
通孔の前端開口部に切羽崩壊防止壁を張設すると共に貫
通孔内に止水パッキンを介してシールド機前半部を内装
した構造としているものである。その他の構造は請求項
1〜6と同様である。
【0008】
【作用】シールド機の発進立坑を築造する際に、その土
留壁にシールド機発進方向に向けて鞘管を配設しながら
立坑を築造し、この鞘管内にシールド機のスキンプレー
トのフード部と該フード部内の開口端に配設したカッタ
ー板と、このカッター板の回転軸を支持した隔壁とから
なるシールド機前半部を一体的に組み込んでおくもので
あるから、築造後の立坑内においてはシールド機の後半
部を収納させればよく、立坑を小型化することができる
ばかりでなく、シールド機の組み立て作業が能率よく行
える。鞘管内にシールド機前半部を収納する際に、シー
ルド機前半部のフード部を鞘管にピンで仮固定すること
によって、シールド機前半部を正確な姿勢で鞘管内に設
置しておくことができる。
留壁にシールド機発進方向に向けて鞘管を配設しながら
立坑を築造し、この鞘管内にシールド機のスキンプレー
トのフード部と該フード部内の開口端に配設したカッタ
ー板と、このカッター板の回転軸を支持した隔壁とから
なるシールド機前半部を一体的に組み込んでおくもので
あるから、築造後の立坑内においてはシールド機の後半
部を収納させればよく、立坑を小型化することができる
ばかりでなく、シールド機の組み立て作業が能率よく行
える。鞘管内にシールド機前半部を収納する際に、シー
ルド機前半部のフード部を鞘管にピンで仮固定すること
によって、シールド機前半部を正確な姿勢で鞘管内に設
置しておくことができる。
【0009】さらに、鞘管内にシールド機前半部を収納
状態に配設するので、シールド機前半部を予め、その掘
削方向に向けた状態にしてシールド機前半部の組み込み
作業が円滑に行え、その上、立坑築造時や築造後のシー
ルド機発進直前まで、地盤と接する鞘管の前端開口部に
張設した切羽崩壊防止壁によって地盤を押さえてその崩
壊を防止し得ると共に鞘管の内周面に設けた止水パッキ
ンがシールド機前半部のフード部外周面に密接している
ので、切羽崩壊防止壁が透水性であっても地下水が鞘管
とフード部間の隙間を通じて立坑内に浸入するのを阻止
することができる。
状態に配設するので、シールド機前半部を予め、その掘
削方向に向けた状態にしてシールド機前半部の組み込み
作業が円滑に行え、その上、立坑築造時や築造後のシー
ルド機発進直前まで、地盤と接する鞘管の前端開口部に
張設した切羽崩壊防止壁によって地盤を押さえてその崩
壊を防止し得ると共に鞘管の内周面に設けた止水パッキ
ンがシールド機前半部のフード部外周面に密接している
ので、切羽崩壊防止壁が透水性であっても地下水が鞘管
とフード部間の隙間を通じて立坑内に浸入するのを阻止
することができる。
【0010】また、地中に立坑を築造する際に、切羽崩
壊防止壁とシールド切羽前半部の前面間の空間部に液
体、又は、ベントナイト液にセメントを混合したゲル状
物質からなる圧力液剤を充填すると、該圧力液剤が止水
パッキン及びシールド機前半部のフード部内に張設した
隔壁によって上記空間部内に封入された状態となり、そ
の圧力材料によって切羽崩壊防止壁に背圧を作用させて
土圧を確実に受止することができる。即ち、シールド機
の隔壁が土留機能を発揮するものであり、軟弱な地盤で
あっても薬剤注入処理等の補助工法が不要となる。
壊防止壁とシールド切羽前半部の前面間の空間部に液
体、又は、ベントナイト液にセメントを混合したゲル状
物質からなる圧力液剤を充填すると、該圧力液剤が止水
パッキン及びシールド機前半部のフード部内に張設した
隔壁によって上記空間部内に封入された状態となり、そ
の圧力材料によって切羽崩壊防止壁に背圧を作用させて
土圧を確実に受止することができる。即ち、シールド機
の隔壁が土留機能を発揮するものであり、軟弱な地盤で
あっても薬剤注入処理等の補助工法が不要となる。
【0011】こうして、土留壁にシールド機前半部を内
蔵した立坑を築造したのち、該立坑内にシールド機後半
部を搬入し、シールド機前半部の後端に継ぎ足して一体
に連結することによりシールド機を組み立てる。しかる
のち、鞘管とシールド機前半部のフード部間を仮固定し
ているピンを抜き取った後、カッター板を回転させなが
ら鞘管内を通じてシールド機を発進させると、鞘管の前
端開口部に張設している切羽崩壊防止壁がカッター板に
よって破砕され、カッター板の背面側に取り込まれて圧
力液剤と共に隔壁に連結、連通させた土砂排出手段を通
じて後方に排出される。引き続いてシールド機を推進さ
せ、地中にトンネルを掘進していくものである。
蔵した立坑を築造したのち、該立坑内にシールド機後半
部を搬入し、シールド機前半部の後端に継ぎ足して一体
に連結することによりシールド機を組み立てる。しかる
のち、鞘管とシールド機前半部のフード部間を仮固定し
ているピンを抜き取った後、カッター板を回転させなが
ら鞘管内を通じてシールド機を発進させると、鞘管の前
端開口部に張設している切羽崩壊防止壁がカッター板に
よって破砕され、カッター板の背面側に取り込まれて圧
力液剤と共に隔壁に連結、連通させた土砂排出手段を通
じて後方に排出される。引き続いてシールド機を推進さ
せ、地中にトンネルを掘進していくものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施例を
図面について説明する。図5は立坑Aの土留壁1がケー
ソンから構成された場合を示すもので、この土留壁1の
下端部の壁内にトンネル掘削方向に向けて土留壁1の内
外周面間に貫通する短筒形状の鋼管からなる鞘管2を固
着していると共に該鞘管2にシールド機Sの前半部3を
内蔵している。鞘管2は図3〜図5に示すように、その
長さが土留壁1の肉厚に等しく形成され、その前端開口
部にシールド機Sのカッター板によって切削、破砕可能
な材料、例えば、繊維混合コンクリートよりなる切羽崩
壊防止壁4を張設、固着し、この切羽崩壊防止壁4によ
って該開口部を全面的に閉止している。さらに、鞘管2
の後端部の管壁複数箇所にピン係止孔2aを貫設している
と共に該ピン係止孔2aから前方側における長さ方向の中
間部内周面に止水パッキン5を全周に亘って装着してい
る。
図面について説明する。図5は立坑Aの土留壁1がケー
ソンから構成された場合を示すもので、この土留壁1の
下端部の壁内にトンネル掘削方向に向けて土留壁1の内
外周面間に貫通する短筒形状の鋼管からなる鞘管2を固
着していると共に該鞘管2にシールド機Sの前半部3を
内蔵している。鞘管2は図3〜図5に示すように、その
長さが土留壁1の肉厚に等しく形成され、その前端開口
部にシールド機Sのカッター板によって切削、破砕可能
な材料、例えば、繊維混合コンクリートよりなる切羽崩
壊防止壁4を張設、固着し、この切羽崩壊防止壁4によ
って該開口部を全面的に閉止している。さらに、鞘管2
の後端部の管壁複数箇所にピン係止孔2aを貫設している
と共に該ピン係止孔2aから前方側における長さ方向の中
間部内周面に止水パッキン5を全周に亘って装着してい
る。
【0013】鞘管2内に収納されたシールド機前半部3
は鞘管2よりも小径の短筒形状の鋼管よりなるスキンプ
レートのフード部31と、このフード部31の前端開口部に
配設したカッター板32と、該カッター板32の後方におけ
るフード部31の内周面にその外周縁を一体的に固着して
フード部31を前後に気密的に区画している隔壁33と、こ
の隔壁33に回転自在に支持された上記カッター板32の回
転軸34とからなり、隔壁33の下端部には後述する土砂排
出手段であるスクリューコンベア11の開口端を連結させ
るための開口部35が設けられ、該開口部35は蓋体12によ
って気密的に閉止されている。さらにシールド機前半部
3はそのフード部31の外周面を鞘管2の内周面に装着し
ている上記止水パッキン5に水密的に密接させていると
共にフード部31の後端部複数箇所に上記鞘管2に設けた
ピン係止孔2aに対応させてピン挿入孔36を貫設し、該ピ
ン挿入孔36からピン係止孔2aにピン13を挿入、係止させ
て鞘管2内にシールド機前半部3を所定の姿勢を保持さ
せた状態で配設している。
は鞘管2よりも小径の短筒形状の鋼管よりなるスキンプ
レートのフード部31と、このフード部31の前端開口部に
配設したカッター板32と、該カッター板32の後方におけ
るフード部31の内周面にその外周縁を一体的に固着して
フード部31を前後に気密的に区画している隔壁33と、こ
の隔壁33に回転自在に支持された上記カッター板32の回
転軸34とからなり、隔壁33の下端部には後述する土砂排
出手段であるスクリューコンベア11の開口端を連結させ
るための開口部35が設けられ、該開口部35は蓋体12によ
って気密的に閉止されている。さらにシールド機前半部
3はそのフード部31の外周面を鞘管2の内周面に装着し
ている上記止水パッキン5に水密的に密接させていると
共にフード部31の後端部複数箇所に上記鞘管2に設けた
ピン係止孔2aに対応させてピン挿入孔36を貫設し、該ピ
ン挿入孔36からピン係止孔2aにピン13を挿入、係止させ
て鞘管2内にシールド機前半部3を所定の姿勢を保持さ
せた状態で配設している。
【0014】また、鞘管2の上方部における立坑Aの土
留壁1には、先端が上記切羽崩壊防止壁4と隔壁33との
間の鞘管2内の空間部14に連通し、後端が土留壁1の内
周面側に連通した圧力液剤供給管15が埋設されてあり、
この供給管15を通じて水、或いはベントナイト液にセメ
ントを混合したゲル状物質からなる圧力液剤7を上記空
間部14内に充填し、切羽崩壊防止壁に背圧として作用さ
せて地山圧力とシールド機前半部3内との圧力をバラン
スさせている。
留壁1には、先端が上記切羽崩壊防止壁4と隔壁33との
間の鞘管2内の空間部14に連通し、後端が土留壁1の内
周面側に連通した圧力液剤供給管15が埋設されてあり、
この供給管15を通じて水、或いはベントナイト液にセメ
ントを混合したゲル状物質からなる圧力液剤7を上記空
間部14内に充填し、切羽崩壊防止壁に背圧として作用さ
せて地山圧力とシールド機前半部3内との圧力をバラン
スさせている。
【0015】上記のようなシールド機前半部3を内蔵し
た立坑Aを地中に築造する方法を述べると、立坑Aの土
留壁1がケーソンである場合、まず、図1に示すよう
に、ケーソン下部1aを築造する際にその下端部の所定部
位(シールド機の発進側)に鞘管2の下半部21の外周面
が埋設状態となるように地上においてケーソン躯体コン
クリートを打設してケーソン下部1aを築造する。この
際、鞘管2の埋設部分のコンクリート厚を鞘管2の長さ
に等しい壁部1dに築造しておく。
た立坑Aを地中に築造する方法を述べると、立坑Aの土
留壁1がケーソンである場合、まず、図1に示すよう
に、ケーソン下部1aを築造する際にその下端部の所定部
位(シールド機の発進側)に鞘管2の下半部21の外周面
が埋設状態となるように地上においてケーソン躯体コン
クリートを打設してケーソン下部1aを築造する。この
際、鞘管2の埋設部分のコンクリート厚を鞘管2の長さ
に等しい壁部1dに築造しておく。
【0016】次いで、図2に示すように、鞘管下半部21
の上向き内周面上にスキンプレートのフード部31と、該
フード部31内の開口端に配設したカッター板32と、この
カッター板32の回転軸34を支持した隔壁33とからなるシ
ールド機前半部3をクレーン等によって吊り下げて設置
し、フード部31の下半部に設けているピン挿入孔36から
鞘管下半部21に設けているピン係止孔2aにピン13を挿
入、係止させて鞘管下半部21上にシールド機前半部3を
定位置に保持させる。
の上向き内周面上にスキンプレートのフード部31と、該
フード部31内の開口端に配設したカッター板32と、この
カッター板32の回転軸34を支持した隔壁33とからなるシ
ールド機前半部3をクレーン等によって吊り下げて設置
し、フード部31の下半部に設けているピン挿入孔36から
鞘管下半部21に設けているピン係止孔2aにピン13を挿
入、係止させて鞘管下半部21上にシールド機前半部3を
定位置に保持させる。
【0017】しかるのち、鞘管上半部22をシールド機前
半部3上に被せ、下半部21の上端面にその下端面を合致
させて溶接することにより鞘管2を形成する。この鞘管
2の形成後、該鞘管2の前端開口部にプレキャスト製コ
ンクリート壁からなる切羽崩壊防止壁4を張設、固着す
るか、或いは鞘管2の前端開口部に型枠(図示せず)を
組み立て、該型枠内にコンクリートを打設して鞘管2の
開口端を閉止した切羽崩壊防止壁4を設ける。なお、止
水パッキン5はその半環状のものを鞘管上下半部21、22
の対向内周面に固着しておき、鞘管2の形成後、接合端
部を一体化させればよい。
半部3上に被せ、下半部21の上端面にその下端面を合致
させて溶接することにより鞘管2を形成する。この鞘管
2の形成後、該鞘管2の前端開口部にプレキャスト製コ
ンクリート壁からなる切羽崩壊防止壁4を張設、固着す
るか、或いは鞘管2の前端開口部に型枠(図示せず)を
組み立て、該型枠内にコンクリートを打設して鞘管2の
開口端を閉止した切羽崩壊防止壁4を設ける。なお、止
水パッキン5はその半環状のものを鞘管上下半部21、22
の対向内周面に固着しておき、鞘管2の形成後、接合端
部を一体化させればよい。
【0018】次いで、図3に示すように、鞘管2の上半
部22を巻き込むようにしてケーソン躯体コンクリートを
打設してケーソン中間部1bを築造する。この際、鞘管2
の上周部に圧力液剤供給管15の先端部を鞘管2内に連通
させた状態で取付けておき、ケーソン中間部1bに埋設さ
せると共に該供給管15の他端部を地上側に延設させてお
く。ケーソン中間部1bの築造はケーソンの一定長さ寸法
毎に順次継ぎ足すようにして行われると共にその築造に
従ってケーソンを地中に沈降させ、図5に示すように、
ケーソン上部1cを築造した時に所定深さまで沈埋させた
状態とする。
部22を巻き込むようにしてケーソン躯体コンクリートを
打設してケーソン中間部1bを築造する。この際、鞘管2
の上周部に圧力液剤供給管15の先端部を鞘管2内に連通
させた状態で取付けておき、ケーソン中間部1bに埋設さ
せると共に該供給管15の他端部を地上側に延設させてお
く。ケーソン中間部1bの築造はケーソンの一定長さ寸法
毎に順次継ぎ足すようにして行われると共にその築造に
従ってケーソンを地中に沈降させ、図5に示すように、
ケーソン上部1cを築造した時に所定深さまで沈埋させた
状態とする。
【0019】このケーソン沈埋時に、ケーソン周壁、即
ち、土留壁1の下端部に内蔵しているシールド機前半部
3の隔壁33と鞘管2の前端を閉止している切羽崩壊防止
壁4との間の空間部14内に圧力供給管15を通じて地上側
から圧力液剤7を注入、充填する。この圧力液剤7の注
入によって圧力液剤7が空間部14内からカッター板32と
フード部31との隙間等を通じてカッター板32の背面側に
充満し、隔壁33によってケーソン内に漏出するのを阻止
された状態となって圧力液剤7の注入圧が増大し、この
圧力が切羽崩壊防止壁4に背圧として作用してケーソン
外周側の地山圧力とシールド機前半部3内との圧力をバ
ランスさせ、地山圧力による切羽崩壊防止壁4の崩壊を
防止する。なお、切羽崩壊防止壁4は透水性であっても
支障はない。
ち、土留壁1の下端部に内蔵しているシールド機前半部
3の隔壁33と鞘管2の前端を閉止している切羽崩壊防止
壁4との間の空間部14内に圧力供給管15を通じて地上側
から圧力液剤7を注入、充填する。この圧力液剤7の注
入によって圧力液剤7が空間部14内からカッター板32と
フード部31との隙間等を通じてカッター板32の背面側に
充満し、隔壁33によってケーソン内に漏出するのを阻止
された状態となって圧力液剤7の注入圧が増大し、この
圧力が切羽崩壊防止壁4に背圧として作用してケーソン
外周側の地山圧力とシールド機前半部3内との圧力をバ
ランスさせ、地山圧力による切羽崩壊防止壁4の崩壊を
防止する。なお、切羽崩壊防止壁4は透水性であっても
支障はない。
【0020】こうしてケーソンを所定深さまで沈埋させ
て立坑Aを築造したのち、図6に示すように土留壁1の
下端部に内蔵されて後端を立坑A内に露出しているシー
ルド機前半部3の後端にシールド機中胴部と後胴部を順
次組み立てゝシールド機後半部6を形成する。即ち、シ
ールド機前半部3のフード部31の後端にスキンプレート
61を一体に接続すると共にシールド機前半部3の隔壁33
の背面側にカッター板32の駆動装置62を装着し、さら
に、隔壁33の下端部に設けている開口部35に蓋体12を取
り外したのち土砂排出手段であるスクリューコンベア11
の開口端を連結させると共にスキンプレート61の内周面
複数個所に推進ジャッキ63を配設し、また、後方部内に
エレクター装置64を設けてシールド機Sを組み立てるも
のである。
て立坑Aを築造したのち、図6に示すように土留壁1の
下端部に内蔵されて後端を立坑A内に露出しているシー
ルド機前半部3の後端にシールド機中胴部と後胴部を順
次組み立てゝシールド機後半部6を形成する。即ち、シ
ールド機前半部3のフード部31の後端にスキンプレート
61を一体に接続すると共にシールド機前半部3の隔壁33
の背面側にカッター板32の駆動装置62を装着し、さら
に、隔壁33の下端部に設けている開口部35に蓋体12を取
り外したのち土砂排出手段であるスクリューコンベア11
の開口端を連結させると共にスキンプレート61の内周面
複数個所に推進ジャッキ63を配設し、また、後方部内に
エレクター装置64を設けてシールド機Sを組み立てるも
のである。
【0021】このシールド機Sの組み立て作業と並行し
て鞘管2の後端開口部を囲むようにして土留壁1の内面
に坑口リング8とスキンプレート61の外周面に摺接する
坑口パッキン9とを装着すると共にシールド機Sの後端
と対向する土留壁1の内面に支圧壁10を固定する。
て鞘管2の後端開口部を囲むようにして土留壁1の内面
に坑口リング8とスキンプレート61の外周面に摺接する
坑口パッキン9とを装着すると共にシールド機Sの後端
と対向する土留壁1の内面に支圧壁10を固定する。
【0022】しかるのち、土留壁1に固着した鞘管2に
固定しているシールド機前半部3のフード部31をピン13
を抜き取ることによって移動可能にすると共に圧力液剤
7の供給を停止し、シールド機Sのカッター板32を回転
駆動しながら支圧壁10に反力をとって推進ジャッキ63を
伸長させることによりシールド機Sを推進させると、鞘
管2の前端開口部に張設している切羽崩壊防止壁4がカ
ッター板32によって破砕され、カッター板32の背面側に
取り込まれた圧力液剤7と共にスクリューコンベア11に
よって後方に排出されて立坑内から地上に搬出される。
固定しているシールド機前半部3のフード部31をピン13
を抜き取ることによって移動可能にすると共に圧力液剤
7の供給を停止し、シールド機Sのカッター板32を回転
駆動しながら支圧壁10に反力をとって推進ジャッキ63を
伸長させることによりシールド機Sを推進させると、鞘
管2の前端開口部に張設している切羽崩壊防止壁4がカ
ッター板32によって破砕され、カッター板32の背面側に
取り込まれた圧力液剤7と共にスクリューコンベア11に
よって後方に排出されて立坑内から地上に搬出される。
【0023】引き続いてシールド機Sを推進させると、
図7に示すように、切羽崩壊防止壁4から前方側の地盤
が掘削されて到達立坑(図示せず)に向かうトンネルが
形成されるものである。そして、このトンネルの掘進に
従ってスキンプレート61の後端部内でセグメント16を組
み立てゝ掘削壁面を覆工するものである。なお、以上の
実施例においては、ケーソンの土留壁1に鞘管2を固着
したが、鞘管2を使用することなく土留壁1に内外面に
貫通して鞘管2と同一内径の貫通孔を設け、この貫通孔
の内周面に止水パッキン5やピン係止孔2aを設けると共
に前端開口部に切羽崩壊防止壁4を張設、固着し、貫通
孔内にシールド機前半部3を配設した構造としておいて
もよい。その他の構成やシールド機後半部6を接続する
方法などは上記実施例と同様である。
図7に示すように、切羽崩壊防止壁4から前方側の地盤
が掘削されて到達立坑(図示せず)に向かうトンネルが
形成されるものである。そして、このトンネルの掘進に
従ってスキンプレート61の後端部内でセグメント16を組
み立てゝ掘削壁面を覆工するものである。なお、以上の
実施例においては、ケーソンの土留壁1に鞘管2を固着
したが、鞘管2を使用することなく土留壁1に内外面に
貫通して鞘管2と同一内径の貫通孔を設け、この貫通孔
の内周面に止水パッキン5やピン係止孔2aを設けると共
に前端開口部に切羽崩壊防止壁4を張設、固着し、貫通
孔内にシールド機前半部3を配設した構造としておいて
もよい。その他の構成やシールド機後半部6を接続する
方法などは上記実施例と同様である。
【0024】次に、上記実施例においては立坑の土留壁
がケーソンで形成している場合を述べたが、立坑の土留
壁が連続地中壁である場合について説明する。この場
合、図9に示すように、土留壁1が連続地中壁であって
もその下端部の壁内にトンネル掘削方向に向けて土留壁
1の内外周面間に貫通する短筒形状の鋼管からなる鞘管
2を固着していると共に該鞘管2に上記実施例と同一構
造を有するシールド機Sの前半部3を内蔵している点は
同じである。
がケーソンで形成している場合を述べたが、立坑の土留
壁が連続地中壁である場合について説明する。この場
合、図9に示すように、土留壁1が連続地中壁であって
もその下端部の壁内にトンネル掘削方向に向けて土留壁
1の内外周面間に貫通する短筒形状の鋼管からなる鞘管
2を固着していると共に該鞘管2に上記実施例と同一構
造を有するシールド機Sの前半部3を内蔵している点は
同じである。
【0025】さらに、鞘管2の前端開口部にシールド機
Sのカッター板によって切削、破砕可能な切羽崩壊防止
壁4を張設、固着し、この切羽崩壊防止壁4によって該
開口部を全面的に閉止していると共に、鞘管2の後端部
の管壁複数箇所とシールド機前半部3のフード部31に穿
設しているピン挿入孔36間にピン13を抜き取り可能に挿
入している点、鞘管2の長さ方向の中間部内周面に止水
パッキン5を全周に亘って装着してフード部31の外周面
に密接させている点も同じであるが、切羽崩壊防止壁4
とシールド機前半部3の隔壁33間の空間部には、シール
ド機前半部3を内蔵した鞘管2を安定液を充満した連続
壁築造用掘削孔B内に沈設しながら、或いは沈設前に、
圧力水、その他の圧力液剤7を注入、充填しておく点に
おいて、上記実施例と相違している。
Sのカッター板によって切削、破砕可能な切羽崩壊防止
壁4を張設、固着し、この切羽崩壊防止壁4によって該
開口部を全面的に閉止していると共に、鞘管2の後端部
の管壁複数箇所とシールド機前半部3のフード部31に穿
設しているピン挿入孔36間にピン13を抜き取り可能に挿
入している点、鞘管2の長さ方向の中間部内周面に止水
パッキン5を全周に亘って装着してフード部31の外周面
に密接させている点も同じであるが、切羽崩壊防止壁4
とシールド機前半部3の隔壁33間の空間部には、シール
ド機前半部3を内蔵した鞘管2を安定液を充満した連続
壁築造用掘削孔B内に沈設しながら、或いは沈設前に、
圧力水、その他の圧力液剤7を注入、充填しておく点に
おいて、上記実施例と相違している。
【0026】地中に連続地中壁を築造するに際して、図
8に示すように、まず、上記シールド機前半部3を内蔵
した鞘管2を、その内部に圧力液剤7を注入、充填しな
がら安定液を充満させた連続地中壁築造用掘削孔B内に
吊り降ろす。この場合、鞘管2をワイヤによって吊り降
ろしてもよく、或いは、シールド機前半部3を内蔵した
鞘管2を鉄筋籠内に組み込んでおき、この鉄筋籠を掘削
孔B内にクレーン等で吊り降ろしてもよい。掘削孔Bは
平面矩形枠形状であって、予め、適宜な掘削装置によっ
て地中の一定深さまで安定液を満たしながら掘削されて
あり、この掘削孔Bの下端部に所定高さまでコンクリー
トを打設して下端壁部17を形成したのち、シールド機S
の掘進方向側の孔部内にシールド機前半部3を吊り降ろ
して図9に示すように該下端壁部17上に設置させ、しか
るのち、掘削孔B内に地上に達するまでコンクリートを
打設してシールド機前半部3を内蔵した土留壁1を有す
る立坑Aを築造するものである。なお、鞘管2を鉄筋籠
内に組み込んでおく場合には上記下端壁部17を設けるこ
となく鉄筋籠を挿入後、コンクリートを打設すればよ
く、また、鞘管2を吊り降ろす場合には掘削孔B内の所
定部位に吊支した状態でコンクリートを打設してもよ
い。
8に示すように、まず、上記シールド機前半部3を内蔵
した鞘管2を、その内部に圧力液剤7を注入、充填しな
がら安定液を充満させた連続地中壁築造用掘削孔B内に
吊り降ろす。この場合、鞘管2をワイヤによって吊り降
ろしてもよく、或いは、シールド機前半部3を内蔵した
鞘管2を鉄筋籠内に組み込んでおき、この鉄筋籠を掘削
孔B内にクレーン等で吊り降ろしてもよい。掘削孔Bは
平面矩形枠形状であって、予め、適宜な掘削装置によっ
て地中の一定深さまで安定液を満たしながら掘削されて
あり、この掘削孔Bの下端部に所定高さまでコンクリー
トを打設して下端壁部17を形成したのち、シールド機S
の掘進方向側の孔部内にシールド機前半部3を吊り降ろ
して図9に示すように該下端壁部17上に設置させ、しか
るのち、掘削孔B内に地上に達するまでコンクリートを
打設してシールド機前半部3を内蔵した土留壁1を有す
る立坑Aを築造するものである。なお、鞘管2を鉄筋籠
内に組み込んでおく場合には上記下端壁部17を設けるこ
となく鉄筋籠を挿入後、コンクリートを打設すればよ
く、また、鞘管2を吊り降ろす場合には掘削孔B内の所
定部位に吊支した状態でコンクリートを打設してもよ
い。
【0027】その後、土留壁1で囲まれた内部土砂を掘
削し、その下端に底版コンクリートを打設して立坑Aを
築造するものである。次いで、トンネルを掘削するに
は、上記実施例と同様に、立坑A内においてシールド機
前半部3の後端にシールド機中胴部と後胴部を順次組み
立てゝシールド機後半部6を形成する。即ち、図11に示
すように、シールド機前半部3のフード部31の後端にス
キンプレート61を一体に接続すると共にシールド機前半
部3の隔壁33の背面側にカッター板32の駆動装置62を装
着し、さらに、隔壁33の下端部に設けている開口部35に
蓋体12を取り外したのち土砂排出手段であるスクリュー
コンベア11の開口端を連結させると共にスキンプレート
61の内周面複数個所に推進ジャッキ63を配設し、また、
後方部内にエレクター装置64を設けてシールド機Sを組
み立てると共に鞘管2の後端開口部を囲むようにして土
留壁1の内面に坑口リング7を取付け、シールド機Sの
後端と対向する土留壁1の内面に支圧壁10を固定する。
削し、その下端に底版コンクリートを打設して立坑Aを
築造するものである。次いで、トンネルを掘削するに
は、上記実施例と同様に、立坑A内においてシールド機
前半部3の後端にシールド機中胴部と後胴部を順次組み
立てゝシールド機後半部6を形成する。即ち、図11に示
すように、シールド機前半部3のフード部31の後端にス
キンプレート61を一体に接続すると共にシールド機前半
部3の隔壁33の背面側にカッター板32の駆動装置62を装
着し、さらに、隔壁33の下端部に設けている開口部35に
蓋体12を取り外したのち土砂排出手段であるスクリュー
コンベア11の開口端を連結させると共にスキンプレート
61の内周面複数個所に推進ジャッキ63を配設し、また、
後方部内にエレクター装置64を設けてシールド機Sを組
み立てると共に鞘管2の後端開口部を囲むようにして土
留壁1の内面に坑口リング7を取付け、シールド機Sの
後端と対向する土留壁1の内面に支圧壁10を固定する。
【0028】しかるのち、土留壁1に固着した鞘管2に
固定しているシールド機前半部3のフード部31をピン13
を抜き取ることによって移動可能にし、シールド機Sの
カッター板32を回転駆動しながら支圧壁9に反力をとっ
て推進ジャッキ63を伸長させることによりシールド機S
を推進させると、鞘管2の前端開口部に張設している切
羽崩壊防止壁4がカッター板32によって破砕され、カッ
ター板32の背面側に取り込まれた圧力液剤7と共にスク
リューコンベア11によって後方に排出されて立坑内から
地上に搬出され、引き続いてシールド機Sを推進させる
ことによってトンネルを掘削していくと共にスキンプレ
ート61の後端部内でセグメント16を組み立てゝ掘削壁面
を覆工するものである。なお、以上の実施例において
は、シールド機Sとして、メカニカルシールド掘削機を
示したが、泥水式シールド掘削機であってもよい。上記
ケーソンの場合と連続地中壁の場合における鞘管2の長
さの相違点は、ケーソンの場合は鞘管2を埋設する部分
だけケーソン壁を厚くできるが、連続地中壁の場合は、
その壁厚と鞘管2の長さが一致していなければならない
点である。
固定しているシールド機前半部3のフード部31をピン13
を抜き取ることによって移動可能にし、シールド機Sの
カッター板32を回転駆動しながら支圧壁9に反力をとっ
て推進ジャッキ63を伸長させることによりシールド機S
を推進させると、鞘管2の前端開口部に張設している切
羽崩壊防止壁4がカッター板32によって破砕され、カッ
ター板32の背面側に取り込まれた圧力液剤7と共にスク
リューコンベア11によって後方に排出されて立坑内から
地上に搬出され、引き続いてシールド機Sを推進させる
ことによってトンネルを掘削していくと共にスキンプレ
ート61の後端部内でセグメント16を組み立てゝ掘削壁面
を覆工するものである。なお、以上の実施例において
は、シールド機Sとして、メカニカルシールド掘削機を
示したが、泥水式シールド掘削機であってもよい。上記
ケーソンの場合と連続地中壁の場合における鞘管2の長
さの相違点は、ケーソンの場合は鞘管2を埋設する部分
だけケーソン壁を厚くできるが、連続地中壁の場合は、
その壁厚と鞘管2の長さが一致していなければならない
点である。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シールド
機の発進立坑を築造する際に、その土留壁にシールド機
発進方向に向けて鞘管を配設しながら立坑を築造し、又
は、鞘管を使用することなく貫通孔を設けた立坑を築造
し、この鞘管または貫通孔内にシールド機のスキンプレ
ートのフード部と該フード部内の開口端に配設したカッ
ター板と、このカッター板の回転軸を支持した隔壁とか
らなるシールド機前半部を一体的に組み込んでおくもの
であるから、立坑内はシールド機後端部を収納できるス
ペースがあればよく、従って、立坑を小型化できて立坑
の築造が能率よく行えると共にシールド機の組み立て作
業もシールド機前半部を掘削方向に向けた状態で円滑に
行えるものであり、工期の短縮を図ることができる。
機の発進立坑を築造する際に、その土留壁にシールド機
発進方向に向けて鞘管を配設しながら立坑を築造し、又
は、鞘管を使用することなく貫通孔を設けた立坑を築造
し、この鞘管または貫通孔内にシールド機のスキンプレ
ートのフード部と該フード部内の開口端に配設したカッ
ター板と、このカッター板の回転軸を支持した隔壁とか
らなるシールド機前半部を一体的に組み込んでおくもの
であるから、立坑内はシールド機後端部を収納できるス
ペースがあればよく、従って、立坑を小型化できて立坑
の築造が能率よく行えると共にシールド機の組み立て作
業もシールド機前半部を掘削方向に向けた状態で円滑に
行えるものであり、工期の短縮を図ることができる。
【0030】さらに、鞘管又は貫通孔の前端開口部に切
羽崩壊防止壁を張設しているので、この切羽崩壊防止壁
によって地盤を押さえてその崩壊を防止し得ると共に鞘
管または貫通孔の内周面にシールド機前半部のフード部
外周面に密接する止水パッキンを設けておくことによっ
て切羽崩壊防止壁が透水性であっても地下水が鞘管又は
貫通孔とフード部間の隙間を通じて立坑内に浸入するの
を阻止することができるものであり、その上、シールド
機前半部のフード部に張設した隔壁によってフード部の
前方空間部と後方の立坑内とは遮断されているので、こ
の空間部内に圧力水などの圧力液剤を充填することによ
って切羽崩壊防止壁に地山圧力に対向する背圧を作用さ
せることができ、軟弱な地盤であっても薬剤注入処理等
の補助工法が不要となり、工費の削減を図り得るもので
ある。
羽崩壊防止壁を張設しているので、この切羽崩壊防止壁
によって地盤を押さえてその崩壊を防止し得ると共に鞘
管または貫通孔の内周面にシールド機前半部のフード部
外周面に密接する止水パッキンを設けておくことによっ
て切羽崩壊防止壁が透水性であっても地下水が鞘管又は
貫通孔とフード部間の隙間を通じて立坑内に浸入するの
を阻止することができるものであり、その上、シールド
機前半部のフード部に張設した隔壁によってフード部の
前方空間部と後方の立坑内とは遮断されているので、こ
の空間部内に圧力水などの圧力液剤を充填することによ
って切羽崩壊防止壁に地山圧力に対向する背圧を作用さ
せることができ、軟弱な地盤であっても薬剤注入処理等
の補助工法が不要となり、工費の削減を図り得るもので
ある。
【図1】土留壁がケーソンからなる場合における下部の
築造状態の簡略縦断側面図、
築造状態の簡略縦断側面図、
【図2】シールド機前半部を配設した状態の簡略縦断側
面図、
面図、
【図3】ケーソンを沈埋している状態の簡略縦断側面
図、
図、
【図4】その横断面図、
【図5】ケーソン沈埋完了後の簡略縦断側面図、
【図6】シールド機を組み立てた状態の簡略縦断側面
図、
図、
【図7】シールド機を発進した状態の簡略縦断側面図、
【図8】連続地中壁の掘削孔に吊り降ろすシールド機前
半部の簡略縦断側面図、
半部の簡略縦断側面図、
【図9】シールド機前半部を所定部位に配設した状態の
簡略縦断側面図、
簡略縦断側面図、
【図10】その横断面図、
【図11】シールド機を組み立てた状態の簡略縦断側面
図。
図。
A 立坑、S シールド機、1 土留壁、2 鞘管、3
シールド機前半部、31 フード部、32 カッター板、
33 隔壁、34 回転軸、4 切羽崩壊防止壁、5 止水
パッキン、6 シールド機後半部、7 圧力液剤、13
ピン
シールド機前半部、31 フード部、32 カッター板、
33 隔壁、34 回転軸、4 切羽崩壊防止壁、5 止水
パッキン、6 シールド機後半部、7 圧力液剤、13
ピン
Claims (8)
- 【請求項1】 立坑の土留壁におけるシールド機発進部
位に、シールド機の発進方向に向けて鞘管を土留壁の内
外面に貫通させた状態で固着し、この鞘管の前端開口部
にシールド機のカッター板によって破砕可能な切羽崩壊
防止壁を張設すると共に鞘管にスキンプレートのフード
部と該フード部内の開口端に配設したカッター板と、こ
のカッター板の回転軸を支持した隔壁とからなるシール
ド機前半部を内蔵してなることを特徴とするシールド機
発進用立坑。 - 【請求項2】 鞘管の内周面に止水リングを装着して該
止水リングをシールド機前半部のフード部の外周面に密
接させると共にシールド機前半部のフード部を鞘管に抜
き取り可能なピンで仮固定していることを特徴とする請
求項1記載のシールド機発進用立坑。 - 【請求項3】 切羽崩壊防止壁とシールド機前半部の前
面間の空間部に、シールド機発進時に排除可能な圧力液
剤を充填するように構成したことを特徴とする請求項1
記載のシールド機発進用立坑。 - 【請求項4】 立坑の土留壁がケーソンであることを特
徴とする請求項1記載のシールド機発進用立坑。 - 【請求項5】 立坑の土留壁が連続地中壁であることを
特徴とする請求項1記載のシールド機発進用立坑。 - 【請求項6】 シールド機の発進立坑を築造する際に、
立坑の土留壁におけるシールド機発進部位に鞘管を貫通
状態で固着し、該鞘管の前端開口部にシールド機のカッ
ター板によって破砕可能な切羽崩壊防止壁を張設すると
共に鞘管にスキンプレートのフード部と該フード部内の
開口端に配設したカッター板と、このカッター板の回転
軸を支持した隔壁とからなるシールド機前半部を組み込
みながら立坑を築造し、立坑の築造後、立坑内でシール
ド機前半部の後端にシールド機後端部を継ぎ足してシー
ルド機を組み立て、しかるのち、発進することを特徴と
するシールド機の発進方法。 - 【請求項7】 立坑の土留壁におけるシールド機発進部
位に、内外面に連通する貫通孔を設け、この貫通孔の前
端開口部にシールド機のカッター板によって破砕可能な
切羽崩壊防止壁を張設すると共に貫通孔内に止水パッキ
ンを介してスキンプレートのフード部と該フード部内の
開口端に配設したカッター板と、このカッター板の回転
軸を支持した隔壁とからなるシールド機前半部を内蔵し
てなることを特徴とするシールド機発進用立坑。 - 【請求項8】 シールド機の発進立坑を築造する際に、
立坑の土留壁におけるシールド機発進部位に内外面に連
通する貫通孔を設け、この貫通孔の前端開口部にシール
ド機のカッター板によって破砕可能な切羽崩壊防止壁を
張設すると共に貫通孔に止水パッキンを介してスキンプ
レートのフード部と該フード部内の開口端に配設したカ
ッター板と、このカッター板の回転軸を支持した隔壁と
からなるシールド機前半部を組み込みながら立坑を築造
し、立坑の築造後、立坑内でシールド機前半部の後端に
シールド機後端部を継ぎ足してシールド機を組み立て、
しかるのち、発進することを特徴とするシールド機の発
進方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8104996A JPH09242469A (ja) | 1996-03-07 | 1996-03-07 | シールド機発進用立坑およびシールド機発進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8104996A JPH09242469A (ja) | 1996-03-07 | 1996-03-07 | シールド機発進用立坑およびシールド機発進方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09242469A true JPH09242469A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=13735567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8104996A Pending JPH09242469A (ja) | 1996-03-07 | 1996-03-07 | シールド機発進用立坑およびシールド機発進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09242469A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104047607A (zh) * | 2013-03-14 | 2014-09-17 | 上海市城市建设设计研究总院 | 盾构机围护结构条件下吊出工法 |
-
1996
- 1996-03-07 JP JP8104996A patent/JPH09242469A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104047607A (zh) * | 2013-03-14 | 2014-09-17 | 上海市城市建设设计研究总院 | 盾构机围护结构条件下吊出工法 |
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