JP2005171192A - 洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(1)〜(4)を満足することを特徴とする洗剤組成物。
(1)アリール基を有する親水性ポリマー(A)を含む、
(2)ノニオン界面活性剤を含む、
(3)非石鹸系アニオン界面活性剤と石鹸とを含み、かつ非石鹸系アニオン界面活性剤/石鹸(質量比)が12以下である、
(4)水溶性アルカリ無機物質を20質量%を超える範囲で含む。
【選択図】 なし
Description
例えば、衣類の縮み等に関しては、例えば処理剤を使用することにより、衣類の形状を回復できることが報告されている(下記特許文献1参照)。
下記特許文献3には、粒子汚れ洗浄力、再付着防止を目的としたものであって、特定の高分子電解質と、耐アルカリ性セルラーゼを含む衣料用洗剤組成物が記載されている。
下記特許文献4には、泥汚れ洗浄力向上を目的としたものであって、特定のポリマーを含む洗剤組成物が記載されている。
また、洗濯においては、当然ながら洗浄力の向上が求められる。そのため、洗浄力の向上と衣類の縮み、損傷の低減を両立することが望まれる。
なお、特許文献2〜4に記載の発明は、衣類の縮み、損傷の低減を目的としたものではない。
すなわち、第1の発明は、下記(1)〜(4)を満足することを特徴とする洗剤組成物である。
(1)アリール基を有する親水性ポリマー(A)を含む、
(2)ノニオン界面活性剤を含む、
(3)非石鹸系アニオン界面活性剤と石鹸とを含み、かつ非石鹸系アニオン界面活性剤/石鹸(質量比)が12以下である、
(4)水溶性アルカリ無機物質を20質量%を超える範囲で含む。
第2の発明は、洗濯、乾燥での衣類の縮みや損傷を低減する効果を訴求した前記第1の発明の洗剤組成物である。
本発明の洗剤組成物は前記(1)〜(4)を満足するものである。以下、(1)〜(4)についてそれぞれ説明する。
(1) アリール基を有する親水性ポリマー(A)を含む
本発明における親水性ポリマーとは、40℃において水100gに対して好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.2g以上、さらに好ましくは1g以上の濃度で水と均一に混和することができるものとする。この様な特性を有することにより、洗剤組成物の製造時には水溶液として容易に配合可能であり、かつ洗濯時には水に溶解させて、繊維に作用させることができる。
(A)成分は、例えばアリール基と親水性基を有する重合体であることが好ましい。この様な重合体においては、アリール基が主に繊維の縮み、損傷(以下、縮み、損傷をあわせて損傷等という場合がある)を低減する作用に寄与し、親水性基が主に重合体を親水性とし、上述の様に製造時、洗濯時のハンドリングや作用を向上させると推測される。
この様な重合体としては、例えばアリール基を有する構成単位と、親水性基を有する構成単位とを両方有する重合体;アリール基と親水性基の両方を有する構成単位を備えた重合体;あるいはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
なお、本明細書において「単位」または「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を示す。
また、親水性基としては、スルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミド基(−CO−NH2)、エステル基(−CO(O)−)等が挙げられる。中でも、スルホン酸基、カルボキシル基が好ましい。
なお、スルホン酸基、カルボキシル基は、それぞれ塩を形成した、スルホン酸塩、カルボン酸塩の形で存在することが親水性の付与の点から好ましく、塩を形成する対イオンとしては、アルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、ナトリウム塩が最も好ましい。
アリール基を有する構成単位は、上述の様なアリール基を有するものであれば特に限定するものではないが、フェニル基を有するものが好ましい。中でもスチレンから誘導されるスチレン構成単位が好ましい。
親水性基を有する構成単位としては、上述の様な親水性基を有するものであれば特に限定するものではなく、例えばヒドロキシスチレン単位、(メタ)アクリル酸単位等が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とはメタクリル酸とアクリル酸の一方または両方を示す。なお、(メタ)アクリル酸単位とは、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩を意味する。
これらの比率は、例えばスチレン単位 20〜70モル%、好ましくは30〜60モル%、(メタ)アクリル酸単位 30〜80モル%、好ましくは40〜70モル%とされる。
アリール基と親水性基の両方を有する構成単位を有する重合体としては、例えばポリスチレンスルホン酸が挙げられる。
ポリスチレンスルホン酸は、スチレン単位のフェニル基の水素原子が置換したスルホン酸スチレン単位を有するものであって、通常、スチレン単位からなるポリスチレンにおいて、その一部又は全部のスチレン単位のフェニル基の水素原子をスルホン酸基で置換したものである。
ポリスチレンにおいて、スルホン酸基で置換する前の全スチレン単位に対する、スルホン酸スチレン単位の割合(モル%)を、スルホン化率という。このスルホン化率は、例えば20モル%以上、好ましくは30モル%以上、さらには35〜100モル%であることが望ましい。
なお、ポリスチレンスルホン酸とは、ポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩を意味する。
(A)成分の質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算の質量平均分子量)は、例えば1000〜100万、好ましくは1000〜10万、さらに好ましくは1500〜3万とされる。
下限値未満にすると、本発明の効果が充分に得られず、上限値を超えると他の成分とのバランスをとることが困難になるおそれがある。
(A)成分は洗剤組成物中0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%配合される。
ノニオン界面活性剤を配合することにより本発明の効果が向上する。
ノニオン界面活性剤は、衣料用に用いられる公知のものを特に制限なく用いることができる。
好ましいノニオン界面活性剤としては、例えば以下のものを挙げることができる。
(i)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは5〜25モル、より好ましくは12〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)エーテル
この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(またはアルゲニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが使用される。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。好ましい脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが使用される。
(ii)ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)フェニルエーテル
(iii)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した、例えば以下の式で示される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート
(R1COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を表わす。OAは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位を表わす。nは、アルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜25、より好ましくは12〜20の数である。R2は、炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級アルキル基を表す。)
(iv)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(v)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
(vi)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
(vii)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(viii)グリセリン脂肪酸エステル
上記のノニオン界面活性剤の中でも、HLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(またはアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドとプロピレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が特に好適に用いられる。
ノニオン界面活性剤は洗剤組成中に1質量%以上、好ましくは2〜30質量%、更に好ましくは4〜15質量%程度配合される。下限値未満にすると、本発明の効果が充分に得られず、上限値を超えると他の成分とのバランスをとることが困難になるおそれがある。
非石鹸系アニオン界面活性剤(石鹸以外のアニオン界面活性剤)と石鹸を両方配合するとともに、非石鹸系アニオン界面活性剤/石鹸(質量比)を12以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは7以下に調整することにより、本発明の効果が向上する。これは、これら2つの界面活性剤の作用によって洗浄力が向上し、かつ石鹸配合量が多い方が衣類の滑り性を向上させることができ、これにより衣類の損傷等の低減の効果が得られるものと推測される。また、前記質量比の下限値は例えば0.006とされる。下限値未満にすると本発明の効果が充分に得られないおそれがある。
・炭素数10〜20のアルキル硫酸(AS)塩またはアルケニル硫酸塩
・炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸(AOS)塩
・炭素数8〜20の飽和は不飽和α−スルホ脂肪酸(α−SF)塩またはそのメチル、エチル若しくはプロピルエステル
・炭素数8〜16のアルキル基を有する直鎖または分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩
・炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩
・炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたはエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルエーテル硫酸(AES)塩、またはアルケニルエーテル硫酸塩
・炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたはエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルエーテルカルボン酸塩またはアルケニルエーテルカルボン酸塩
・炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩
なお、本発明における石鹸は、脂肪酸及び/又はその塩を意味する。すなわち石鹸としては、炭素数8〜22、好ましくは12〜18の飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝の脂肪酸及び/又はその塩が好適に用いられる。 具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸を中和又は部分中和することによって得られる脂肪酸及び/又はその塩が挙げられる。脂肪酸の中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア等のアミン類が挙げられるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンがより好ましく、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの脂肪酸及び/又はその塩は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、例えば、脂肪酸及び/又はその塩の炭素数が12以上であり且つ不飽和結合を1つ有する不飽和脂肪酸及び/又はその塩の割合が30〜99質量%、不飽和結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸及び/又はその塩の割合が10質量%未満であることが、洗浄力の点で好ましい。
石鹸の洗剤組成物中の配合量は1〜15質量%、好ましくは2.5〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%とされる。下限値未満にすると、損傷等の低減効果が得られず、上限値を超えると、再汚染等の問題がおきるおそれがある。
本発明における水溶性アルカリ無機物質とは、20℃における水への溶解度が2g/100g以上、好ましくは3g/100g以上、より好ましくは5g/100g以上の無機塩(日本化学会編、「化学便覧」[改訂4版]等参照)の内、アルカリ性無機塩とする。
具体的には、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等であり、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムである。
配合量は洗剤組成物中、20質量%を超える量であり、好ましくは25質量%以上、実質的には50質量%以下とされる。
20質量%以下では、本発明の効果が得られず、上限を越えると他の成分とのバランスをとることが困難になる。
本発明の洗剤組成物には、前記(1)〜(4)の条件を満足する範囲であれば、当該(1)〜(4)の説明で挙げた成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、さまざまな添加剤を含有させることができる。例えば、
・界面活性剤として、上述したアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の他に、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤があり、洗剤に用いられている各種のものを用いることができる。
また、それ以外の添加剤としては以下のものが例示できる。
・無機ビルダーとして、結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩など、
・有機ビルダーとして、クエン酸塩、コハク酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸とマレイン酸の共重合体又はその塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸塩、ポリアセタールカルボキシレート、アスパラギン酸二酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグリシン二酢酸塩などのアミノカルボン酸塩など、
・吸油性担体として、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、非晶質アルミノ珪酸塩など
・漂白剤及び漂白活性化剤として、過炭酸塩、過硼酸塩、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラアセチルエチレンジアミンなど、
・帯電防止剤として、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤など、
・表面改質剤として、微粉炭酸カルシウム、微粉ゼオライト、ポリエチレングリコール、タルク、顆粒ゼオライトなど、
・再汚染防止剤として、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエステルとポリエチレングリコールの共重合体等のソイルリリースポリマー、ポリビニルピロリドンなど、
・増量剤として、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなど、
・風合い向上剤として、ベントナイトなどの粘土鉱物、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどのシリコーンなど、
・油ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸、金属石鹸など、
・香料類、
・蛍光増白剤、色素類、
・凝集抑制剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重炭酸カリウム、塩化バリウムの2水塩、リン酸2水素カリウム、リン酸水素カリウム、塩化カルシウムの6水塩、塩化マグネシウムの6水塩、尿素、L−アスコルビン酸など、
・酵素として、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ等の加水分解酵素、酸化酵素、還元酵素など。
本発明の洗剤組成物の形態は特に限定せず、固体状(粒子状、シート状、タブレット状等)、液体状等とすることができるが、前記(4)水溶性アルカリ無機物質の配合量の条件等を満足するためには、より好ましくは固体状とされる。
例えば粒状である場合、洗剤組成物は、嵩密度が0.3〜1.2g/cm3、好ましくは、0.5〜1.2g/cm3、特に、0.6〜1g/cm3の高嵩密度であることが好ましい。また、その粒子径は、特に、規定されないが、平均粒子径が、200〜1500μm、好ましくは、300〜1200μm、特に、350〜1000μmとすると好適である。
より具体的には、例えば粒状の洗剤組成物を製造する場合、例えば以下のような方法により製造することができる。
・スプレー乾燥
まず、任意の成分のうち、アニオン界面活性剤等の耐熱性の高い成分を用いて、洗剤水性スラリーを調製する。この洗剤水性スラリーを、200〜300℃程度の温度でスプレー乾燥し、乾燥粉を得る。(A)成分は例えば水に溶解して溶液とし、これを他の材料とともにスプレー乾燥時に配合する。
・捏和→破砕造粒
得られた乾燥粉を、任意の成分のうち、ノニオン界面活性剤等のある程度の耐熱性を有する成分や水と共に、好ましくは20〜70℃程度に保温したニーダー等に入れて捏和物を得る。その後、この捏和物を押出して1〜2cm角程度のサイコロ状に細断し、任意にコーティング剤を添加して、破砕造粒する。
・粉体混合
これに、任意の成分のうち、耐熱性の低い酵素の造粒物等の粒状の成分を混合することにより、粒状洗剤組成物を得る。
その結果、洗濯、乾燥での衣類の縮み、損傷を低減(好ましくは防止)する効果を訴求した洗剤組成物が提供できる。ここでの衣類の縮みとは、衣類全体の面積や体積の減少を意味し、傷みとは衣類表面の毛羽立ち、繊維の乱れ等を意味する。
この様な効果が得られる理由は定かではないが、以下の様に推測される。
前記(1)の条件については、(A)成分がアリール基を有し、比較的固いポリマーであるため、洗濯〜乾燥までの工程において、繊維を保護し、その損傷等を低減しているものと推測される。
前記(2)については、ノニオン界面活性剤の作用により洗浄力を向上させることができ、その結果、汚れが除去された繊維に(A)成分が作用しやすくなるのではなるのではないかと推測される。
前記(3)については、非石鹸系界面活性剤の作用により洗浄力を向上させることができ、その結果、汚れが除去された繊維に(A)成分が作用しやすくなるのではないかと推測される。また、石鹸を配合することにより、繊維の滑りがよくなり、その結果繊維の損傷等が低減されるものと推測される。
前記(4)については、水溶性アルカリ無機物質が繊維を柔らかくすることにより、界面活性剤が作用しやすくなり、洗浄力が向上するとともに、(A)成分も作用しやすくなり、繊維の損傷等の低減にも寄与しているのではないかと推測される。
この様に、本発明においては、(1)において特定の重合体を用いるとともに、その他の構成との組み合わせによる相乗作用によって、効果が得られるものと推測される。
また、本発明の洗剤組成物は、好適には、合成繊維と比べて衣類の縮み、損傷が問題となりやすい綿等の天然繊維に対する天然の汚れ(例えば黒土、泥、皮脂等の脂汚れ等)に対しても洗浄力が高く、かつ損傷等低減の効果が得られる。また、洗浄時に一度剥離した汚れが再度繊維に付着する再汚染を抑制できるという効果も得られる。例えば、スポーツした男性のシャツ、子供の靴下等の洗浄に優れた効果を有する。
(アリール基を有するポリマー、(A)成分)
・高分子A:スチレン単位−アクリル酸ナトリウム塩単位共重合体(Alcosperse(登録商標)747、ALCOchemical製、重量平均分子量3000、固形分40%)
・高分子B:ライオン(株)製ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩、商品名PSS−100(スルホン化率100%、重量平均分子量15000、純分=37%)
(ノニオン界面活性剤)
・ノニオン界面活性剤1:ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)
・ノニオン界面活性剤2:ダイヤドール13(三菱化学(株)製)の酸化エチレン平均6モル付加体(純分90%)
(非石鹸系アニオン界面活性剤)
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。表1中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す。
・LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。表1中の配合量は、LAS−Naとしての質量%を示す。
・α−SF−Na:炭素数14/炭素数16=18/82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、純分=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
(石鹸)
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289)
(水溶性アルカリ無機物質)
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製)
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製)
・亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
・珪酸ナトリウム:クラリアントジャパン(株)製結晶性層状ケイ酸ナトリウム、SKS−6
(その他の成分)
・ゼオライト:シルトンB(水沢化学(株)製A型ゼオライト、純分80%)
・MA/AAコポリマー:アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩、アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・PAS:ポリアクリル酸ナトリウム塩、アクアリックDL−40(日本触媒(株)製)の純分40%水溶液)
・酵素:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=5/2/1/2(質量比)の混合物
・PEG#6000:ライオン(株)製ポリエチレングリコール、商品名PEG#6000M
・塩化ナトリウム:日精のやき塩C(日本製塩(株)製)
・過炭酸ナトリウム:過炭酸ナトリウム(三菱瓦斯化学(株)製、SPC−D)
・漂白活性化剤:特開2002−129195号公報の段落番号[0037]に記載の方法によって調製された平均粒径700μmの漂白活性化剤造粒物粒子
・蛍光剤:チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ)/チノパールAMS−GX(チバスペシャルティケミカルズ)=3/1(質量比)の混合物
・香料:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A
・ホワイトカーボン:トクシールN(徳山曹達(株)製)
・色素:群青(大日精化工業(株)製、Ultramarine Blue)
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)
洗剤組成物の調製方法1
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で実施例1の洗剤組成物を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Na(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム)とノニオン界面活性剤を除く界面活性剤(LAS−K、石鹸)を添加し、10分間撹拌した。続いてポリマー(MA/AAコポリマー、高分子A)と蛍光剤とを添加し、さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(2.0%相当量(対各組成物、以下同じ)の捏和時添加用のゼオライト、3.2%相当量のゼオライト、1.5%相当量の表面被覆用のゼオライトを除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウムを添加した。そして、さらに20分間撹拌して水分48%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度300℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒径320μm、嵩密度0.30g/mL、水分3%の噴霧乾燥粒子を得た。
一方、原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたα−SF−Naの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(α−SF−Naに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、α−SF−Naとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
上述の乾燥粒子と、該混合濃縮物、2.0%相当量のゼオライト、0.5%相当量の噴霧添加用を除く残りのノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。該界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粉末ゼオライト(平均粒径180μm)を3.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5%相当量の微粉ゼオライトと酵素を加え、0.5%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して、界面活性剤含有粒子を得た。
得られた界面活性剤含有粒子の一部を着色するために、界面活性剤含有粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高30mm、層幅300mm)その表面に色素の20%水分散液を噴霧し、実施例1の洗剤組成物(平均粒径550μm、嵩密度0.84g/mL)を得た。
実施例1の洗剤組成物の調製方法と同様にして、表1の組成に従って調製し、実施例2、4、5、比較例4を得た。なお、実施例4では酵素と同時に過炭酸ナトリウムと漂白活性化剤を添加した。
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で実施例3の洗剤組成物を調製した。下記表1に示す組成のうち、界面活性剤、ポリマー、表面被覆に用いる5.0%相当量のゼオライト、酵素、色素、香料を除くすべての原料(温度25℃)を鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、主軸200rpm、チョッパー200rpmの撹拌を開始した。撹拌開始後30秒後に界面活性剤混合物(石鹸とノニオン界面活性剤と非石鹸系アニオン界面活性剤を予め80℃に加熱して均一混合したもの)、ポリマー(MA/AAコポリマー、高分子A)及び水(温度60℃)を2分で添加して、ジャケット温度30℃の条件で撹拌造粒を平均粒径400μmになるまで継続した。最後に5.0%相当量のゼオライトを添加して30秒撹拌して表面改質した後、流動層を用いて乾燥し、酵素を添加後、香料を噴霧して界面活性剤含有粒子を得た。
得られた界面活性剤含有粒子の一部を着色するために、実施例1の洗剤組成物の調製方法と同様の方法で色素の20%水分散液を噴霧し、実施例3の洗剤組成物(平均粒径400μm、嵩密度0.80g/mL)を得た。
実施例3の洗剤組成物の調製方法と同様にして、表1の組成に従って調製し実施例6、比較例1〜3を得た。
・洗濯乾燥条件:日立製 NW−D8AX 全自動電気洗濯乾燥機
水道水(水温9〜10℃、46L)、洗浄10分、すすぎ2回、脱水6分、乾燥180分
・テスト衣類:新品タオル(日本製、綿100%)3枚と新品肌シャツ3枚(BVD製、綿100%)
成人男性3人に上記新品肌シャツを一日着用してもらった着用肌シャツ3枚と上記新品タオル3枚及びチャージ用肌シャツの合計2Kgを、実施例1〜6及び比較例1〜4の各洗浄剤組成物30gを用いて、上記の洗濯乾燥条件で洗濯と乾燥を行なった。
肌シャツについては、同様に、この操作(着用−洗濯−乾燥)を10回繰り返しておこなった。なお、タオルについては手拭等には使用せず、洗濯−乾燥の操作のみを繰り返した。
上記実験方法にて10回洗濯−乾燥終了後の上記タオル及び10回着用−洗濯−乾燥終了後の着用肌シャツについてそれぞれパネラー5人で外観評価を行った。
タオルについては外観縮み傷みを、着用肌シャツについては洗浄力をそれぞれ目視で観察し、対照として市販洗剤A(花王(株)製ニュービーズ、容器底面に記載のロット番号「K212581」を用いて同じ操作(着用−洗濯−乾燥)を10回繰り返したタオル及び着用肌シャツを用いて、下記の基準で点数化し比較した。
タオルの外観縮み・傷みは、市販洗剤Aで洗濯・乾燥したものと目視で比較して下記の基準で点数化して採点した。なお、タオルの外観縮みは、タオル全体の面積の減少の程度を、外観傷みはタオル表面の毛羽立ち、繊維の乱れの程度を市販洗剤Aで洗濯・乾燥したものと目視で比較して下記の基準で点数化して採点した。
5点:市販洗剤Aを使用したものに比べてあきらかに縮みと傷みが少ない
4点:市販洗剤Aを使用したものに比べてやや傷みと傷みが少ない
3点:市販洗剤Aを使用したものと同等
2点:市販洗剤Aを使用したものに比べてやや縮みと傷みが多い
1点:市販洗剤Aを使用したものに比べて非常に縮みが多く、かなり傷んでいる
パネラー5人でタオル各3枚に対して行なった採点を全て合計した75点満点で評価し、46点以上を合格点とした。
着用肌シャツの洗浄力は、シャツ全体の汚れ具合を市販洗剤Aで洗濯・乾燥したものと目視で比較して下記の基準で点数化して採点した。
5点:市販洗剤Aを使用したものに比べてあきらかに白い
4点:市販洗剤Aを使用したものに比べてやや白い
3点:市販洗剤Aを使用したものと同等
2点:市販洗剤Aを使用したものに比べてやや汚れている
1点:市販洗剤Aを使用したものに比べて非常に汚れている
パネラー5人で着用肌シャツ各3枚に対して行なった採点を全て合計した75点満点で評価し、46点以上を合格点とした。
結果を表1に示した。
Claims (2)
- 下記(1)〜(4)を満足することを特徴とする洗剤組成物。
(1)アリール基を有する親水性ポリマー(A)を含む、
(2)ノニオン界面活性剤を含む、
(3)非石鹸系アニオン界面活性剤と石鹸とを含み、かつ非石鹸系アニオン界面活性剤/石鹸(質量比)が12以下である、
(4)水溶性アルカリ無機物質を20質量%を超える範囲で含む。 - 洗濯、乾燥での衣類の縮みや損傷を低減する効果を訴求した請求項1に記載の洗剤組成物。
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