JP2005171100A - ミクロ相分離構造形成剤 - Google Patents

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太郎 黒田
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Abstract

【課題】容易に親水性相と疎水性相とが均一に分布したミクロ相分離構造の表面を添加剤の添加という形態で形成する。
【解決手段】(A1)対水接触角a1の表面を与える疎水化剤、および(B1)加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤からなるミクロ相分離構造形成剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細な親水部と疎水部を有する、いわゆるミクロ相分離構造を容易に形成することができる添加剤、および該添加剤により形成されたミクロ相分離構造を表面に有する物品に関する。
本発明によれば、付着性の物質の性質や大きさなどに関係なく非付着性の表面を提供でき、清掃がしにくい個所の各種の物品にも非付着性の表面を添加剤の配合という容易な手段で与えることができるので、メンテナンスも含め、多大な経費の節減に繋がる。
防汚技術における現在の状況は、表面を高度に疎水性(撥水撥油性)とする方法、表面を高度に親水化する方法、および光触媒を配合する方法が知られている。
表面を疎水化する方法は表面のエネルギーを高くすることにより水や油をはじき、また付着した汚れを除去しやすくする方法であるが、静電気による汚れの付着に対しては無防備であり、また付着自体を防止することはできない。
また表面を親水化する方法は表面のエネルギーを逆に低くすることにより親水性の汚れはもとより疎水性の汚れも付着しにくくする方法であるが、煙草の煙や油煙などの微細な汚れの付着を阻止することにはそれほど有効ではない。
さらに光触媒を配合する方法は表面に付着した汚れを光触媒の働きにより酸化分解する方法であるが、高価であるうえマトリックスとなる材料の選択に制限があり、使用上の制約がある。
そこで、生体膜の研究成果を踏まえたミクロ相分離構造の表面構造を取り入れることが提案されている。ミクロ相分離構造とは親水性相と疎水性相が微細に分布している構造であり、ある場面では親水性相がその機能を果たし、他の場面では疎水性相がその機能を果たす構造である。
たとえば人工血管や医療器具などの医療材料分野では特許文献1などが知られている。また、船底塗料などの海洋塗料分野では特許文献2などが知られている。さらに電気製品の分野では特許文献3および4が知られている。また、水滴付着防止や着雪着氷防止の分野では特許文献5、6が知られている。
特開平6−14989号公報 特許第1368280号明細書 特開2003−160681号公報 特開2003−161460号公報 特開平4−285199号公報 特開平7−166123号公報
しかしいずれの文献においても、形成されるミクロ相分離構造は全ての汚れに対応できるほどの均一で微細で機械的強度(耐久性)に優れた相分離構造のものは達成されていない。
たとえば特許文献1などの医療材料分野では、抗血栓作用という目的からして対象となる付着性物質が血小板などの生体物質に限られ、それに対する最適化が検討されているうえ、表面硬度がそれ程高くなく、ミクロ相分離構造が不充分であるため、多種多様な空気中の汚染付着性物質に曝される屋外物品などの汎用物品における付着防止の分野では付着防止能や耐久性に劣る点などの課題を有している。
特許文献2などの海洋塗料分野では、海洋生物の付着防止に特化され、また単純な相分離構造しか達成されておらず、多種多様な空気中の汚染付着性物質に曝される屋外物品などの汎用物品における付着防止の分野では付着防止能に劣る点などの課題を有している。
また特許文献3、4には市販のアクリル系クリアー塗料(アクリル樹脂とアルコキシシランとコロイダルシリカとからなる塗料組成物)を塗布してミクロ相分離構造を発現させているが、形成される表面構造は不均質化や機械的強度、緻密性といった面においてまだまだ改善が必要である。
さらに特許文献5には親水性の金属基材に部分的に撥水性の被膜を形成するものであるが、金属部分で着水や着雪着氷が生じてしまう。また、特許文献6は金属基材に代えて撥水性の樹脂を基材として使用することが提案されているが、帯電しやすいため、荷電した物質の付着が進んでしまうという問題がある。
このように、単に親水性相と疎水性相を分布させただけでは、性質や形状、大きさの異なる汚れや物質の付着に満遍なく対応することには限界がある。
本発明者らは、容易に親水性相と疎水性相とが均一に分布したミクロ相分離構造の表面を添加剤の添加という形態で形成することを目的とし、鋭意検討した結果、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明は、
(A1)対水接触角a1の表面を与える疎水化剤、および
(B1)加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤
からなるミクロ相分離構造形成剤に関する(第1の発明)。
また、本発明は、
(A2)対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック、および
(B2)前記疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック
からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなるミクロ相分離構造形成剤に関する(第2の発明)。
本発明はさらに、
(I)対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)および加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)、または
対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)および該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
(II)疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、
疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、
疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)、
親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)、
親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)、および
親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)
よりなる群から選ばれる少なくとも1種
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II)
とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する(第3の発明)。
この第3の発明は、さらにはつぎの第4〜第9の発明に具体化される。ただし、それらの発明以外の発明も第3の発明には含まれる。
すなわち第4の発明は、
対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)、および
加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)
からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)と、
疎水化剤(A1)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1−1をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、および/または
親水化剤(B1)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a1−1をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)
とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
第5の発明は、
前記一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)と、
疎水化剤(A1)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b2−1をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、および/または
親水化剤(B1)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a2−1をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
第6の発明は、
対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)、および
該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)
からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b1−1をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、および/または
親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a1−1をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)
とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
第7の発明は、
前記一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2−1をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、および/または
親水性ブロック(B2)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a2−1をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
第8の発明は、
前記一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)と、
親水化剤(B1)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a3をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)、および/または
疎水化剤(A1)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b3の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)
からなる二次ミクロ相分離構造形成用粒子(III)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
第9の発明は、
前記一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a3をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)、および/または
疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b3の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)
からなる二次ミクロ相分離構造形成用粒子(III)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
以上の組合せのほか、二次ミクロ相分離構造形成剤の組合せは、親水化剤(B1a)、ブロック(またはグラフト)共重合体(C1)、異相構造粒子(IIIa)、疎水化剤(A1a)、ブロック(またはグラフト)共重合体(C2)、異相構造粒子(IIIb)を異なる組合せで使用することによっても多重ミクロ相分離構造を形成できる。
また、本発明は前記ミクロ相分離構造形成剤により形成されたミクロ相分離構造を表面に有する物品、および前記多重ミクロ相分離構造形成剤により形成された多重ミクロ相分離構造を表面に有する物品にも関する。
なお、本発明において、疎水性の表面の対水接触角(a1、a2、a3、a1−1、a2−1)は親水性の表面の対水接触角(b1、b2、b3、b1−1、b2−1)との相対値および対象となる付着性物質の性状で決まるが、有効な非付着性を獲得するためには対水接触角(a1、a2、a3、a1−1またはa2−1)−対水接触角(b1、b2、b3、b1−1またはb2−1)が20度以上である必要がある。
本発明において、対水接触角は協和電子科学(株)製のCA−A型接触角計を用い、1/2θ法で測定する。
本発明のミクロ相分離構造形成剤を添加するときは、付着性物質の性質、形状、大きさなどと無関係に多種多様な付着性物質の付着自体を抑制できる表面を容易に形成することができる。
まず、特定の疎水化剤(A1)と特定の親水化剤(B1)とを含む第1の発明の形成剤について説明する。
疎水化剤(A1):
対水接触角a1の表面を与える疎水化剤である。対水接触角a1は親水化剤(B1)の対水接触角b1との相対値および対象となる付着性物質の性状で決まるが、有効な非付着性を獲得するためにはa1−b1が20度以上である必要がある。
好ましい対水接触角a1は、70度以上、さらには90度以上、特に110度以上である。上限は理論的には180度である。
非限定的な具体例としては、つぎのものが例示できる。
(A1−1)非加水分解性の疎水性液体である疎水化剤
疎水化剤(A1−1)としては、特開2002−69246号公報に記載されている疎水性の含フッ素液状化合物、疎水性のシリコーン系液状化合物またはこれらの2種以上の混合物が好ましくあげられる。それらのうち疎水性の含フッ素液状化合物としては、表面張力30mN/m以下、好ましくは20mN/m以下のフルオロオレフィンまたはそのオリゴマー、含フッ素ポリエーテルまたはこれらの2種以上の混合物が、疎水性のシリコーン系液状化合物としては表面張力30mN/m以下、好ましくは25mN/m以下のオルガノシロキサン、その縮合物またはそれらの2種以上の混合物が好ましくあげられる。
(A1−1−1)疎水性の含フッ素液状化合物
疎水性の含フッ素液状化合物としては、たとえばWO94/17023号パンフレットに記載されているつぎの式(I)〜(IV)で示されるフルオロオレフィンまたはそのオリゴマー、または特開平6−264021号公報に記載されているつぎの式(V)で示される含フッ素ポリエーテル、さらには式(VI)で示されるフルオロオレフィンの液状低重合体が好ましくあげられる。
式(I):
Figure 2005171100
(式中、R1、R2およびR3は同じかまたは異なり、いずれもフッ素原子、部分的または完全にフッ素化された炭素数1〜30、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5の直鎖または分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の含フッ素脂肪族炭化水素基(部分的にフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよい)、R4は炭素数1〜30、好ましくは5〜25、さらに好ましくは10〜20の直鎖または分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の脂肪族炭化水素基(部分的にハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよい)または炭素数2〜500、好ましくは10〜300、さらに好ましくは20〜200の1価のポリエーテル基(部分的にハロゲン原子またはハロゲン原子以外の置換基で置換されていてもよい)、X1は酸素原子または硫黄原子である)で示されるフルオロオレフィンまたはそのオリゴマー。
式(II):
(R6O)d5
(式中、R5は部分的または完全にフッ素化された炭素数1〜50、好ましくは1〜35、さらに好ましくは2〜26の直鎖または分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の含フッ素脂肪族炭化水素基(部分的にフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個のOH基を有していてもよい)、または部分的にまたは完全にフッ素化された炭素数2〜700、好ましくは3〜300、さらに好ましくは5〜150の1価のポリエーテル基(部分的にフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個の不飽和結合を含んでいてもよく、また側鎖にエーテル結合を含んでいてもよい)、dは1または2、R6はd=1の場合、1価の有機基であって、具体的には部分的にハロゲン原子もしくは他の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜30、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5の直鎖もしくは分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の脂肪族炭化水素基、または部分的にハロゲン原子もしくは他の置換基で置換されていてもよい炭素数2〜500、好ましくは10〜300、さらに好ましくは20〜200の1価のポリエーテル基であり、d=2の場合は2価の有機基であって、具体的には炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の2価の脂肪族炭化水素基(水素原子の一部がハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよい)、または炭素数2〜500、好ましくは10〜300、さらに好ましくは20〜200の2価のポリエーテル基(水素原子の一部がハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよい)であって、末端は水素原子、ハロゲン原子または水酸基などの他の置換基である)で示されるフルオロオレフィンまたはそのオリゴマー。
なお、疎水性を高める点から、R5はフッ素原子数/炭素原子数が0.6以上、好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上であることが有利である。
式(III):
(R10OCH2n12(CH2OR11m
(式中、R10およびR11は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、部分的または完全にフッ素化された炭素数1〜50、好ましくは1〜35、さらに好ましくは2〜26の直鎖もしくは分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の脂肪族含フッ素炭化水素基(水素原子の一部がフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個のOH基を有していてもよい)、または部分的にまたは完全にフッ素化された炭素数2〜700、好ましくは3〜300、さらに好ましくは5〜150の1価のポリエーテル基(部分的にフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個の不飽和結合を含んでいてもよく、また側鎖にエーテル結合を含んでいてもよい)、nは0〜2の整数、mは1〜4の整数、n+m=1〜4、R12はn+m=4のとき=C=、n+m=3のとき=R13C−、n+m=2のときR1314C=、n=0でm=1のときR131415C−(R13、R14およびR15は同じかまたは異なりいずれもハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基)である)で示されるフルオロオレフィンまたはそのオリゴマー。
なお、疎水性を高める点から、R10またはR11はフッ素原子数/炭素原子数が0.6以上、好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上であることが有利である。
式(IV):
16−O−(A)n−R17
(式中、R16およびR17は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、部分的または完全にフッ素化された炭素数1〜50、好ましくは1〜35、さらに好ましくは2〜26の直鎖もしくは分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の脂肪族含フッ素炭化水素基(水素原子の一部がフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個のOH基を有していてもよい)、または部分的にまたは完全にフッ素化された炭素数2〜700、好ましくは3〜300、さらに好ましくは5〜150の1価のポリエーテル基(部分的にフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個の不飽和結合を含んでいてもよく、また側鎖にエーテル結合を含んでいてもよい)、Aは炭素数2〜5のオキシアルキレン基(ただし、水素原子の一部が部分的または完全にフッ素化された炭素数1〜50、好ましくは1〜35、さらに好ましくは2〜26の直鎖もしくは分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の脂肪族含フッ素炭化水素基(水素原子の一部がフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個のOH基を有していてもよい)、または部分的にまたは完全にフッ素化された炭素数2〜700、好ましくは3〜300、さらに好ましくは5〜150の1価のポリエーテル基(部分的にフッ素原子以外のハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個の不飽和結合を含んでいてもよく、また側鎖にエーテル結合を含んでいてもよい)、nは1〜30の整数)で示されるフルオロオレフィンまたはそのオリゴマー。
なお、疎水性を高める点から、R16またはR17はフッ素原子数/炭素原子数が0.6以上、好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上であることが有利である。
式(V):
−(CF(CF3)CF2O)−、−(CF2O)−、−(CF2CF2O)−または−(CF2CF2CF2O)−で示される少なくとも1つのパーフルオロオキシアルキレン単位からなる含フッ素エーテル系オイル(繰返し単位の数は1〜1000)。
式(VI):CF2=CFClの低重合体。
平均分子量で100〜2000程度の液状またはグリース状ものが好ましい。これらの含フッ素系液状化合物は、30mN/m以下、好ましくは20mN/m以下の表面張力を有するものが、後述するエラストマーとの親和性や高疎水性などの点から好ましい。
(A1−1−2)疎水性のシリコーン系液状化合物
疎水性のシリコーン系液状化合物としては、たとえば式(VII):
Figure 2005171100
(式中、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25は同じかまたは異なる非加水分解性の有機基であり、いずれも部分的にまたは完全にフッ素化されていてもよい炭素数1〜50、好ましくは1〜35、さらに好ましくは1〜26の直鎖もしくは分岐鎖状の飽和もしくは不飽和の1価の脂肪族または芳香族炭化水素基(水素原子の一部がハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個のOH基を有していてもよい)、部分的にまたは完全にフッ素化されていてもよい炭素数2〜700、好ましくは3〜300、さらに好ましくは5〜150の1価のポリエーテル基(部分的にハロゲン原子または他の置換基で置換されていてもよく、構造中に1〜3個の不飽和結合を含んでいてもよく、また側鎖にエーテル結合を含んでいてもよい)、ただし、炭化水素基またはポリエーテル基の1個は酸素原子を介してケイ素原子に結合していてもよく、またR18、R19、R20、R21、R22、R23、R24およびR25の多くて4個までは水素原子であってもよい)で示される非加水分解性の置換基を有しているシリコーンオイルなどがあげられる。
また、置換基の一部または全部がフッ素原子で置換されている前記ストレート型または変性さらには反応性フルオロシリコーンオイルも使用できる。
(A1−2)疎水性粒子など
粒子径は疎水性部分を形成できる大きさであればよい。好ましくは5nm以上で250nm以下である。
(A1−2−1)フッ素樹脂粒子
たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子、変性PTFE粒子など
(A1−2−2)疎水化表面処理シリカ粒子
たとえばジメチルシリコーンやトリメチルシリコーンで表面処理されたコロイダルシリカなどの各種金属酸化物微粒子、金コロイド、銀コロイドなど
(A1−2−3)疎水性の炭素質物質
たとえばカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなど。これらのうち導電性のものは形成された表面にさらに帯電防止効果を付与することができる。
(A1−2−4)疎水化処理された光触媒
たとえばシランカップリング剤などで表面処理された酸化チタンなど。この場合、光触媒作用を利用できる。
(A1−3)加水分解性の疎水化剤
(A1−3−1)非加水分解性の置換基を有する加水分解性の疎水化剤およびその加水分解生成物
この加水分解性の疎水化剤としては、たとえば1〜3官能(加水分解性基を1〜3個有する)有機金属化合物、そのオリゴマー、またはコオリゴマーがあげられる。
具体的には、たとえばWO96/26254号パンフレット、WO97/11130号パンフレット、WO01/81474号パンフレットなどに記載の3〜4官能の有機金属化合物の1〜3個の加水分解性基を非加水分解性の疎水性基に置換したものが例示できる。WO96/26254号パンフレット、WO97/11130号パンフレット、WO01/81474号パンフレットなどに記載の3〜4官能の有機金属化合物は、基本的には加水分解されることにより親水性となるが、本発明において疎水化剤(A1)として使用する場合は、加水分解後に後述する親水化剤(B1)との比較において対水接触角a1が20度以上高くなるものは疎水化剤(A1)として使用できる。
親水化剤(B1)としてのWO96/26254号パンフレット、WO97/11130号パンフレット、WO01/81474号パンフレットなどに記載の3〜4官能の有機金属化合物は後述する。
親水化剤(B1):
加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤である。
親水化剤(B1)としては、加水分解性基を有する有機金属化合物が例示でき、具体的にはWO96/26254号パンフレット、WO97/11130号パンフレット、WO01/81474号パンフレットなどに記載の3〜4官能の有機金属化合物が好ましく例示できる。
加水分解しなくても当初から親水性の化合物でもよいが、加水分解性基を有する有機金属化合物はその加水分解性基を適切に選択することにより、塗装時に塗膜表面に浮き上がる(表面濃縮性)を向上させ、表面に効率的に親水性の領域を形成できる。
具体的にはつぎの化合物が例示できる。
式(1): X2 bM(OR41a42 c (1)
[式中、aは0または1〜6の整数、bは0または1〜5の整数、cは0または1〜6の整数(ただし、a+b+c≧3であり、aとcとは同時に0にはならない)、X2は同じかまたは異なりいずれも酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/または塩素原子を含んでいてもよい炭素数1〜5000の1価の有機基または水素原子、Mは少なくとも3価の原子価を有する金属原子、R41は同じかまたは異なりいずれも酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/または塩素原子を含んでいてもよい炭素数1〜1000の1価の有機基、シロキサン残基または水素原子、R42は同じかまたは異なりいずれも酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/または塩素原子を含んでいてもよいキレート化の能力を有する炭素数1〜20の有機基を表す]で示される有機金属化合物、そのオリゴマーまたは該有機金属化合物の2種以上からなるコオリゴマー。
式(1)中のaは、表面濃縮性、加水分解性、脱離性の点から0または1〜6の整数であり、2〜4の整数であることが好ましい。
bは、表面濃縮性、親水性の点から0または1〜5の整数であり、0〜1の整数であることが好ましい。
cは表面濃縮性、加水分解性、脱離性の点から0または1〜6の整数であり、0〜3の整数であることが好ましい。
また、X2のR41+R42に対するモル比が0.2以下(b/(a+c)≦0.2)
であるのが好ましい。
なお、a、bおよびcの合計量は、金属原子Mの原子価で決まる量であるが、式(1)においてはOR41またはR42のいずれか一方は、表面濃縮性、加水分解性のために必要であるので、aおよびcが同時に0になることはなく、a、bおよびcの合計量は少なくとも3である。
前記X2は、水素原子でもよく、またたとえばつぎの(1)〜(3)にあげるような、酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/または塩素原子を含んでもよい炭素数1〜5000の1価の有機基であることが好ましい。
(1)たとえばH(CH2p、(CH32CH、H(CH2pC=O、F(CF2q(CH2p、(CF32CH、H(CF2q(CH2p(式中、pは0または1〜6の整数、qは1〜10の整数、フッ素原子の一部は塩素原子で置換されていてもよい)など。これらの有機基は直鎖でも分岐鎖でもよい。
(2)たとえばNH2、第二級アミノ基、第三級アミノ基、OH、NCO、CO2H、CO2Na、CO2K、SO3H、SO2Na、SO3K、エポキシ基、オキシエチレン基(CH2CH2O)などの官能基を有する有機基など。
(3)たとえば酸素原子、チッ素原子、フッ素原子、塩素原子、ケイ素原子などを含んでいてもよい重合性の有機基。
本発明においては、このような重合性の有機基を有する式(1)で示される化合物を重合または共重合してえられ、分子量が2000〜20万、好ましくは5000〜20000の重合体または共重合体も好ましいものである。
前記R41は、同じかまたは異なりいずれも酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/または塩素原子を含んでいてもよく、表面濃縮性、加水分解性、脱離性の点から炭素数1〜1000の1価の有機基、シロキサン残基または水素原子であり、前記炭素数としては1〜100であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。
前記R42は、同じかまたは異なっていてもよく、フッ素原子および/または塩素原子を含んでいてもよく、また優れたキレート化の能力を有しており、表面濃縮性、加水分解性、脱離性の点から炭素数が1〜20であり、2〜10であることが好ましい有機基である。
本発明においては、このようなキレート化の能力を有する有機基が結合している親水化剤を用いることにより、優れた貯蔵安定性、加水分解性、相溶性という効果がえられる。
金属原子Mは、たとえばB、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Ac、Si、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf、As、Sb、Bi、V、Nb、Ta、Te、Po、Cr、Mo、W、At、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptなどがあげられるが、合成および入手の容易さの点からAl、Ti、B、ZrまたはSi、特にSiが好ましい。
また、オリゴマーまたはコオリゴマーとしては、直鎖状、分岐鎖状、環状、三次元化などのオリゴマーまたはコオリゴマーがあげられる。
オリゴマーまたはコオリゴマーの重合度としては2〜1000が好ましく、4〜100であることがさらに好ましい。重合度が小さくなるとオリゴマーまたはコオリゴマーの沸点が低くなりやすく、塗装時に揮発しやすくなり、塗膜に取り込まれにくくなる。重合度が1000を超えると、合成時に重合度の制御が困難となったり、オリゴマーまたはコオリゴマーの粘度が高くなりやすく、作業性に劣る傾向がある。ただし、オリゴマーまたはコオリゴマーが、式(1)においてaが4、bとcが0およびMがSiでフッ素原子を有しているとき、その重合度は塗膜外観、耐タレ性、耐アルカリ性の点から20を超え100以下であることが好ましい。
そのほか、非フッ素系のオリゴマーまたはコオリゴマーも使用できる。
これらのオリゴマーまたはコオリゴマーのGPC分子量(テトラヒドロフランを溶離液とし、ポリスチレン換算した値)は、重量平均分子量で500以上、さらには1000以上で、10000以下、さらには5000以下であるのが好ましい。分子量が小さくなると親水化の効果が下がり、分子量が10000を超えると合成時および保存中にゲル化を起こしやすくなる傾向がある。
式(1)で示される有機金属化合物、そのオリゴマーまたは該有機金属化合物の2種以上からなるコオリゴマーにおいてR41およびR42のうちの少なくとも1つがフッ素原子を有していることにより、たとえば優れた表面濃縮性、表面親水化の再現性という効果がえられる。
また、式(1)で示される有機金属化合物、そのオリゴマーまたは該有機金属化合物の2種以上からなるコオリゴマー中のフッ素原子の含有率が、少なくとも5重量%、好ましくは15〜60重量%であることにより、たとえば優れた表面濃縮性、表面親水化の再現性という効果がえられる。
また、式(1)において、aが4、bとcが0およびMがSiでフッ素原子を有する有機金属化合物のオリゴマーまたは該有機金属化合物の2種以上からなるコオリゴマーの重合度が20を超え100以下であることにより、たとえば塗装した場合、優れた塗膜外観、耐タレ性、耐アルカリ性という効果がえられる。
具体的な化合物およびオリゴマーまたはコオリゴマーとしては、WO96/26254号パンフレット、WO97/11130号パンフレット、WO01/81474号パンフレットに記載されているものが本発明でも採用できる。
本第1の発明において、疎水化剤(A1)と親水化剤(B1)の組成割合は、容量比で1/99〜99/1、好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30、特に好ましくは40/60〜60/40である。
本第1の発明では、疎水化剤(A1)と親水化剤(B1)の少なくとも一方が膜を形成しうるものであれば、他の成分は不要である(たとえば粉体塗料など)。
しかし添加剤として使用する場合は、一般に、塗料やワックスの形態で各種基材に適用したり、表面処理剤の形態で繊維や金型などに付着させたり、各種加工油に添加したり、成形材料に直接添加したりすることになる。したがって、疎水化剤(A1)と親水化剤(B1)以外の成分については、使用形態によってそれぞれ異なり、ミクロ相分離構造の形成を阻害しない限り、その形態で使用される通常の成分が使用できる。以下、代表例をあげて簡単に説明するが、本発明はこれらの使用形態に限定されるものではない。
(使用形態1)塗料形態
加水分解性の化合物を使用するので有機溶剤型の塗料が好ましい。塗膜形成成分としては樹脂でもエラストマーでもよい。
樹脂系の塗膜形成成分を使用する溶剤型の塗料としては、たとえばWO96/26254号パンフレット、WO97/11130号パンフレットなどに記載されている塗料ベースが使用できる。
塗料用樹脂としては、たとえば溶剤可溶性で、水酸基および/またはカルボキシル基を有するフルオロオレフィン共重合体、アクリルポリオール樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素シリコーン樹脂、無機系素材または官能基を有していないフッ化ビニリデンの単独重合体もしくは共重合体などがあげられるが、使用実績の点から水酸基および/またはカルボキシル基を有するフルオロオレフィン共重合体、アクリルポリオール樹脂が好ましい。
塗料用樹脂としてはその他に、官能基を有しないフッ素樹脂(特公昭43−10363号、特開平3−28206号、特開平4−189879号などの各公報に記載のフッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体など)があげられ、前記の官能基を有する樹脂にブレンドすることもできる。また、官能基を有しない樹脂を用いる場合は、塗料用組成物には硬化剤や硬化触媒を用いる必要は限らずしもない。
水酸基および/またはカルボキシル基を有するフルオロオレフィン共重合体としては、たとえば特公昭60−21686号、特開平3−121107号、特開平4−279612号、特開平4−28707号、特開平2−232221号などの各公報に記載されているようなものがあげられる。該共重合体の数平均分子量(GPCによる)は、1000〜100000であり、1500〜30000が好ましい。前記分子量が1000未満であれば硬化性、耐候性が不充分になる傾向があり、100000を超えると作業性、塗装性に問題が生じる傾向がある。またフルオロオレフィン系共重合体の1つとして、テトラフルオロエチレン共重合体を用いることもできる。
フルオロオレフィン共重合体の市販品としては、たとえばダイキン工業(株)製ゼッフル、旭硝子(株)製ルミフロン、セントラル硝子(株)製セフラルコート、大日本インキ化学工業(株)製フルオネート、東亜合成(株)製ザフロンなどがあげられる。
使用する有機溶剤は塗料用樹脂、疎水化剤(A1)および親水化剤(B1)を考慮して適宜選択すればよい。有機溶剤の非限定的な例としては、たとえばキシレン、トルエン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコール、酢酸ジエチレングリコールなどのエステル系溶剤;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホン酸エステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度3〜100)、CF3CH2OH、F(CF22CH2OH、(CF32CHOH、F(CF23CH2OH、F(CF2425OH、H(CF22CH2OH、H(CF23CH2OH、H(CF24CH2OHなどのアルコール系溶剤などがあげられるが、相溶性、塗膜外観、貯蔵安定性の点から低級アルコール、低級フッ素アルコールなどのアルコール系溶剤が好ましい。
塗料用樹脂とアルコール系溶剤との配合割合については、塗料用樹脂100重量部に対してアルコール系溶剤が1〜50重量部であり、1〜25重量部であることがさらに好ましい。
その他、ミクロ相分離構造の形成を阻害しない限り、通常の添加剤を配合してもよい。そうした添加剤としては、たとえば顔料、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、HALS、艶消し剤、フィラー、コロイダルシリカ、防カビ剤、シランカップリング剤、皮張り防止剤、酸化防止剤、難燃剤、垂れ防止剤、帯電防止剤、防錆剤、水溶性樹脂(ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドなど)などの塗料用添加剤が例示できる。
エラストマー系の塗膜形成成分を使用する溶剤型の塗料としては、たとえばシリコーン系エラストマー型塗料やフッ素系エラストマー型塗料の形態が使用できる。もちろん、エラストマーとして塩素化ゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴムなどもエラストマー成分として使用できる。エラストマーとしては加工性が良好な点から、硬化温度が約250℃以下、好ましくは約200℃以下、特に180℃以下の低温硬化性のエラストマーが好ましい。エラストマー系の塗膜はその弾性変形により付着物の剥離が容易になる。
シリコーン系エラストマーとしては、たとえばWO01/81474号パンフレットや特開2002−69246号公報に記載のシリコーン系エラストマー型塗料が好ましく例示できる。
たとえば、式(XII):
3−A−Y
(式中、X3またはYは同じかまたは異なり、いずれも水素原子、水酸基または有機基または式(XIII):
Figure 2005171100
(式中、R30は同じかまたは異なり水素原子またはアルキル基、R31は同じかまたは異なり、水素原子または有機基、nは0、1、2または3)で示されるオルガノシロキサン残基、Aは式(XIV):
Figure 2005171100
(式中、R32は水酸基、チオール基、アミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、カルボキシル基または有機基)単位を50モル%よりも多く有するオルガノポリシロキサン鎖、ポリエーテル鎖またはポリウレタン鎖。ただし、Aがポリエーテル鎖またはポリウレタン鎖のとき、XおよびYの少なくとも1つは式(XIII)のオルガノシロキサン残基である)で示されるオルガノシロキサン含有重合体のうち、エラストマー性を示すものである。
これらのうち、溶剤可溶性、入手容易性、加工性、成膜性、耐久性などに優れる点から式(XV):
(R34O)2−Si−(R332
(式中、R33、R34は同じかまたは異なり水素原子または炭素数1〜500のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ポリカプロラクトン基、グリシジル基、メタクリロキシアルキル基、アクリロキシアルキル基、シクロヘキサンオキサイド基、ポリウレタン基、ポリエーテル基、またはこれらの2種以上の有機基)で示される2官能オルガノシロキサンの縮合物、特に平均縮合度が31以上である縮合物が好ましい。
本発明で使用し得るシリコーン系エラストマーは、式(XII)のAの種類によって、つぎの3種類のもの、またはそれらの混合物が含まれる。
(1−1)式(XIV)で示される単位を50モル%よりも多く有するオルガノポリシロキサン鎖含有シリコーン系エラストマー。
市販品としては、たとえば信越化学工業(株)製のKR−500、KR−300、KR−255、ES1002T、KR−9706、KR−5206、KR−5230、KR−169、KR−2038、X−40−2134、X−40−2135、X−40−175、X−40−9740、シーラント77、シーラント40、ピュアシーラント、シーラントマスター300、X−31−1657、X−32−1709など;東レダウコーニングシリコーン(株)製のSR2402レジン、SH−780、SE−792、SH−781、SE−555、SH−790、SE−797など;横浜ゴム工業(株)製のハマタイトスーパーM、ハマタイトシリコーン70など;東芝シリコーン(株)製のトスシール361など;サンスター技研(株)製のペンギンシール2500などがあげられるが、これら以外のものも使用できる。
(1−2)ポリエーテル鎖含有シリコーン系エラストマー:
エーテル結合(−O−C−)を含むシリコーン系重合体が含まれる。特に、重合体の粘度が25℃で25〜500000cst、さらには100〜100000cstのものが好ましい。
具体例としては、たとえば特開平7−179761号公報記載のもの(市販品:信越化学工業(株)製のKF−6004など)、特開平6−16940号公報記載のもの、特開昭61−18582号公報記載のもの、特開昭55−137129号公報記載のもの、特開昭55−129446号公報記載のものなどがあげられる。
(1−3)ポリウレタン鎖含有シリコーン系エラストマー:
ウレタン結合(−NH−CO−)を含むシリコーン系重合体が含まれる。特に、重合体の粘度が25℃で25〜500000cst、さらには100〜100000cstのものが好ましい。
具体例としては、たとえば特開平6−220325号公報記載のものがあげられる。
なお、これらの3種類の鎖が2種以上含有された(たとえばブロック共重合など)シリコーン系エラストマーであってもよい。
また、シリコーン系エラストマーは常温で液状のものでも固体状のものでもよく、単独で乾燥させる1液型でも硬化剤を配合する2液型でもよい。
また、シリコーン系エラストマーとしては、一液型または二液型の室温硬化性(RTV)エラストマーが特に好ましい。
一液型RTVエラストマーとしては、たとえば信越化学工業(株)製のKE−3475、KE−45S、KE−445、KE−42S、KE−44、KE−441、KE−3479、KE−4897などがあげられ、二液型RTVエラストマーとしてはたとえば信越化学工業(株)製のKE−66、KE−1031、KE−1602、KE−1800などがあげられる。
フッ素系エラストマー型塗料としては、たとえば特開2002−69246号公報に記載されているフッ素系エラストマー型塗料が好ましく例示できる。
たとえば含フッ素エラストマーとしては、
式(VII):
Figure 2005171100
(式中、m/nは85〜60/15〜40モル%比)、もしくは
式(VIII):
Figure 2005171100
(式中、m/nは95〜50/5〜50モル%比、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される2元共重合体ゴム、
式(IX):
Figure 2005171100
(式中、l/m/nは85〜20/0〜40/15〜40モル%比、l+m+nのモル%は100モル%)で示される3元共重合体ゴム、
式(X):
Figure 2005171100
(式中、l/m/nは95〜45/0〜10/5〜45、l+m+nのモル%は100モル%、X4、Y2およびZはそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体ゴム、
式(XI):
Figure 2005171100
(式中、l/m/nは95〜35/0〜30/5〜35、l+m+nのモル%は100モル%、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体ゴムなどがあげられる。
また、エチレンやプロピレンなどのオレフィンとフルオロオレフィン(たとえばテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ペンタフルオロプロペンなど)とのエラストマー性共重合体、たとえばエチレン/TFE共重合体(ETFE)なども有用である。
さらに、本発明における含フッ素エラストマーとしては、エラストマー性セグメントである共重合体と非エラストマー性セグメントである共重合体との共重合体であってもよい。
エラストマー性セグメントとは、非晶性でかつガラス転移点が25℃以下であるセグメントを示し、具体的に好ましい組成としては、たとえばTFE/PAVE/硬化部位を与える単量体(45〜90/10〜50/0〜5。モル%、以下同様)、さらに好ましい組成は45〜80/20〜50/0〜5、特に53〜70/30〜45/0〜2である。
硬化部位を与える単量体としては、たとえばフッ化ビニリデン、CX5 2=CX5−Rf 3CHRI(式中、X5はH、FまたはCH3、Rf 3はフルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、RはHまたはCH3)で示されるヨウ素含有単量体、
CF2=CFO−(CF2CF(CF3))m−O−(CF2n−X6
(式中、X6はCN、COOH、COOR(Rは炭素数1〜10のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)、mは0〜5、nは1〜3)、臭素含有単量体などがあげられ、通常、ヨウ素含有単量体などが好適である。
また、非エラストマー性セグメントである共重合体としては、
(1)VdF/TFE(0〜100/100〜0)、特にVdF/TFE(70〜99/30〜1)、PTFEまたはPVdF;
(2)エチレン/TFE/HFP(6〜43/40〜81/10〜30)、3,3,3−トリフルオロプロピレン−1,2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピレン−1/PAVE(40〜60/60〜40);
(3)TFE/CF2=CF−Rf 1(非エラストマー性を示す組成範囲、すなわち、CF2=CF−Rf 1が15モル%以下。Rfはパーフルオロアルキル基);
(4)VdF/TFE/CTFE(50〜99/30〜0/20〜1);
(5)VdF/TFE/HFP(60〜99/30〜0/10〜1);
(6)エチレン/TFE(30〜60/70〜40);
(7)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);
(8)エチレン/CTFE(30〜60/70〜40)
などがあげられる。
使用する溶剤としては、樹脂系で使用し得る有機溶剤が利用できる。なかでも溶解能、塗膜外観、貯蔵安定性の点から前記各種のフッ素系溶剤、芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が好ましく、特にトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、セロソルブアセテート、酢酸ブチル、酢酸エチル、パーフルオロベンゼン、メタキシレンヘキサフルオライド、HCFC−225、CFC−113、HFC−134a、HFC−143a、HFC−142bが好ましい。
また、ミクロ相分離構造の形成を阻害しない限り、前記の添加剤を配合してもよい。また塗料組成としては、クリヤー、ソリッド、充填剤(フィラー)配合など種々の形態を採用できる。
塗料の場合、疎水化剤(A1)と親水化剤(B1)とからなるミクロ相分離構造形成剤の配合割合は、塗膜形成成分(樹脂またはエラストマー)100重量部に対し、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部である。0.1重量部より少ないと本発明の目的であるミクロ相分離構造の形成効果が充分得られず、50重量部より多くなると最終成形品や被膜の外観が不良となる。
塗膜の形成法としては、スプレー(エアスプレー、エアレススプレー)、ハケ塗り、ローラ、カーテンフロー、ロール、ディップなど種々の方法が用いられる。これらの方法で塗布したのち、室温から250℃までの温度、好ましくは室温から180℃の温度で乾燥させることにより、塗膜表面にミクロ相分離構造が形成される。
塗布する基材としては特に限定されない。塗装する基材としては、たとえば金属系基材、セメント系基材、プラスチック系基材などがあげられる。
金属系基材としては、たとえば鉄およびその化成処理物またはメッキ物、アルミおよびその化成処理物、ステンレス鋼およびその化成処理物などがあげられる。
セメント系基材としては、たとえばセメント類、石灰類、セッコウ類、コンクリート、セメントモルタル、石綿スレート、石膏ボードなどがあげられる。
前記プラスチック系基材としては、たとえばポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリル類、ポリオレフィン類、ポリスチレン類、ポリウレタン類、ポリアミド類、ナイロン類、天然ゴム類、ウレタンゴム類、ABS樹脂類などがあげられる。
基材が金属系基材のばあいは、たとえば下塗り塗料、中塗り塗料を塗装したのちに、塗装するのが、防食性、相間密着性の点から好ましい。
(使用形態2)表面処理剤
塗膜形成成分を使用しないで各種の物品の表面を処理(改質)する使用形態である。通常は溶媒に分散または溶解して使用する。
本発明のミクロ相分離構造形成剤の配合量は、通常は濃度が0.1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%程度になるように配合することが好ましい。
また、既存の表面処理剤に添加して使用する形態もある。
適用対象としては、繊維または繊維製品、皮革または皮革製品、天然素材(木材、石など)などの多孔質材料のほか、金属やガラス製の各種基材、金型などが例示できる。
特に金型の表面処理剤として使用する場合、成形品の離型が容易になると共に成形と同時に成形品の表面にミクロ相分離構造を形成できる。
(使用形態3)加工油など
金属加工時の切削油や潤滑油などの加工油に添加することにより、加工品の表面にミクロ相分離構造を形成して防汚効果を付与することができる。
本発明のミクロ相分離構造形成剤の配合量は使用形態などによって適宜決めればよいが、通常は濃度が0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%程度になるように配合することが好ましい。
(使用形態4)成形材料への直接添加
各種の有機または無機の成形材料に直接添加しておき、成形時に表面に浮き上がらせて成形品の表面をミクロ相分離構造とする形態である。
有機成形材料としては、各種の成形用樹脂やエラストマーがあげられ、無機材料としてはコンクリート、モルタルなどがあげられる。
成形品としては、大小を問わず後述する種々の物品のほか、フィルムやシート、ボードなどの形状のものがあげられる。
一方、フィルムの形態とするときは、たとえば太陽電池のカバーフィルムや電気電子機器用ディスプレイ類、それらのカバー類、各種ロールのカバー類、離型フィルム、農業用ハウスのフィルム、エレクトレットなどがあげられる。さらには裏面に粘着剤層を設けてマーキングフィルムとすることもできる。
また、シーラント材料としても有用である。シーラントに調製する場合は、前記市販の無溶剤型の一液型RTVエラストマーまたは二液型RTVエラストマーの組成物に、配合して混練すればよい。
本発明のミクロ相分離構造形成剤の配合量は使用形態、適用する部材などによって適宜決めればよいが、通常は成形品中の含有量が0.1〜50重量%、好ましくは1〜10重量%程度になるように配合することが好ましい。
また、第1の発明において、基材との親和性を考えた場合、基材の疎水性部分には疎水化剤(A1)が集まりやすく、そこを核として疎水性表面領域が形成される。また、基材がアクリル樹脂やシリコーン樹脂などのように親水性基を有する親水性部分には親水化剤(B1)が集まりやすく、そこを親水性基を核として親水性表面領域が形成される。これらの場合、疎水化剤(A1)と親水化剤(B1)とは通常、相溶性が良くないので、疎水化剤(A1)と親水化剤(B1)の量を制御することにより、ミクロ相分離表面の疎水性表面領域と親水性表面領域の大きさを制御することができる。
さらに、上記の特性を利用して、一旦形成したミクロ相分離構造の表面に更に疎水化剤(A1)または親水化剤(B1)のいずれか一方を塗布することにより、疎水性表面領域または親水性表面領域の大きさを後からも制御することができる。
つぎに本発明の第2の発明について説明する。
第2の発明は、
(A2)対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック、および
(B2)前記疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック
からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなるミクロ相分離構造形成剤に関する。
すなわち、共重合体自体に疎水性ブロック(A2)と親水性ブロック(B2)をもたせたブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)をミクロ相分離構造形成剤とするものである。
疎水性ブロック(A2)としては、形成されるミクロ相分離構造において対水接触角a2が親水性ブロックの対水接触角b2よりも20度以上大きくなるものであれば、非加水分解性の有機基を有するブロック(A2−1)でも加水分解性の有機基を含むブロック(A2−2)でもよい。
非加水分解性の有機基を有する疎水性ブロック(A2−1)としては、たとえばポリスチレンブロック、ポリ(メタ)アクリレートブロック、ポリプロピレンブロック、ポリフルオロオレフィンブロック、ポリフルオロエーテルブロック、ポリオルガノシロキサンブロックなどが例示される。
加水分解性の有機基を含む疎水性ブロック(A2−2)としては、たとえば第1の発明で使用する疎水化剤(A1)のうち、(A1−3−1)で示した非加水分解性の置換基を有する加水分解性の疎水化剤およびその加水分解生成物のブロックなどが例示できる。
親水性ブロック(B2)としては、形成されるミクロ相分離構造において対水接触角b2が疎水性ブロックの対水接触角a2よりも20度以上小さくなるものであれば、非加水分解性の有機基を有するブロック(B2−1)でも加水分解性の有機基を含むブロック(B2−2)でもよい。
非加水分解性の有機基を有する親水性ブロック(B2−1)としては、親水性基である水酸基やカルボキシル基などを含むブロック、たとえばポリヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートブロック、無水マレイン酸ブロック、マレイミドブロック、(メタ)アクリル酸ブロックなどがあげられる。
加水分解性の有機基を有する親水性ブロック(B2−2)としては、たとえば第1の発明で使用する親水化剤(B1)として示した有機金属化合物、そのオリゴマーまたは該有機金属化合物の2種以上からなるコオリゴマーのブロックなどが例示できる。
疎水性ブロック(A2)と親水性ブロック(B2)との組合せは、形成されるミクロ相分離構造において対水接触角b2が疎水性ブロックの対水接触角a2よりも20度以上小さくなるものであれば特に限定されず、(A2−1)/(B2−1)、(A2−1)/(B2−2)、(A2−2)/(B2−1)または(A2−2)/(B2−2)の組合せが可能である。
疎水性ブロック(A2)と親水性ブロック(B2)の割合は、形成されるミクロ相分離構造において対水接触角b2が疎水性ブロックの対水接触角a2よりも20度以上小さくなるものであればよく、(A2)/(B2)がモル%比で1/99〜99/1、好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30、特に好ましくは40/60〜60/40である。ただ、非加水分解性の親水性ブロック(B2−1)を使用する場合は、共重合体(C)の表面濃縮性(表面に浮き上がる性質)を向上させる意味で、親水性ブロック(B2−1)の割合は50モル%以下にしておくことが望ましい。
ブロック共重合体およびグラフト共重合体(C)は、公知のブロック共重合法およびグラフト共重合法により製造できる。そのほか、両方のブロックに重合性の反応基(たとえば重合性の炭素−炭素二重結合などのラジカル重合性基;アミノ基、水酸基、ニトリル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、スルホン酸基、スルホン酸塩、エポキシ基、オキシエチレン基などの官能基など)を導入しておき、重合開始剤や触媒、活性エネルギー線の照射などにより結合させる方法;リビング重合法なども利用できる。
本第2の発明に使用できるブロック共重合体やグラフト共重合体(C)としては、たとえばポリスチレン−ポリヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体、ポリメチル(メタ)アクリレート−ポリヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体、ポリプロピレン−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレン−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレン−マレイミドブロック共重合体などのブロック共重合体;スチレン−(メタ)アクリル酸グラフト共重合体などのグラフト共重合体が例示できるが、これらに限定されるものではない。また、市販の親水性セグメント−疎水性セグメントブロック共重合体やグラフト共重合体も使用できる。
さらに、本第2の発明に使用できるブロック共重合体やグラフト共重合体(C)として、通常の意味ではブロック共重合体やグラフト共重合体を言わない、たとえば側鎖および/または主鎖末端に大きな親水性基(ブロック)を有する疎水性ブロック(A2)、および側鎖および/または主鎖末端に大きな疎水性基(ブロック)を有する親水性ブロック(B2)も含まれる。
さらに、第1の発明で説明した手法(基材表面の疎水性部分または親水性部分を核として利用する手法)により、ブロック共重合体やグラフト共重合体(C)で一旦形成したミクロ相分離構造の表面に更に疎水化剤(A1)または親水化剤(B1)のいずれか一方、あるいは両方を塗布することにより、疎水性表面領域または親水性表面領域の大きさを後からも制御することができる。
本第2の発明のミクロ相分離構造形成剤の使用形態としては、第1の発明で説明した使用形態があげられる。
ところでミクロ相分離構造をさらに分割する(多重化する)ことにより、多様な形態で多様な効果を奏することができる。以下の本発明の第3〜第9の発明は、そうした多重ミクロ相分離構造の形成剤に関する。
すなわち本発明の第3の発明である多重ミクロ相分離構造形成剤は、
一次ミクロ相分離構造形成剤(I)として、
対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)および加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)、または
対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)および該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)を使用し、
二次ミクロ相分離構造形成剤(II)として、
疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、
疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、
疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)、
親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)、
親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)、および
親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)
よりなる群から選ばれる少なくとも1種
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤を使用するものである。
この第3の発明には、たとえば以下の第4〜第9の発明が含まれるが、これらの組合せのほか、たとえば二次ミクロ相分離構造形成剤の組合せは、親水化剤(B1a)、ブロック(またはグラフト)共重合体(C1)、異相構造粒子(IIIa)、疎水化剤(A1a)、ブロック(またはグラフト)共重合体(C2)、異相構造粒子(IIIb)を異なる組合せで使用することによっても多重ミクロ相分離構造を形成できる。
第4の発明は、
対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)、および
加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)
からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)、すなわち第1の発明のミクロ相分離構造形成剤と、
疎水化剤(A1)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1−1をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、および/または
親水化剤(B1)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a1−1をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)
とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
この第4の発明では、第1の発明のミクロ相分離構造形成剤でミクロ相分離構造の一次相構造を形成し、その一次ミクロ相分離構造における疎水性部分の中に親水化剤(B1a)がさらに二次的に親水性部分を形成し、一方、一次ミクロ相分離構造における親水性部分の中に疎水化剤(A1a)がさらに二次的に疎水性部分を形成している多重ミクロ相分離構造となる。
ここで重要なことは、疎水化剤(A1)と相溶性を有する親水化剤(B1a)の選定、および親水化剤(B1)と相溶性を有する疎水化剤(A1a)の選定である。
親水化剤(B1a)は疎水化剤(A1)との相溶性が良好で、親水化剤(B1)とはできるだけ非相溶性であることが、親水化剤(B1a)が一次ミクロ相分離構造の疎水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。こうした相溶性の相関関係はSP値(Solubility Power)で表現できる。
すなわち、親水化剤(B1a)のSP値をSPB1aとし、疎水化剤(A1)のSP値をSPA1、親水化剤(B1)のSP値をSPB1とすると、親水化剤(B1a)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPB1−SPB1a|>|SPA1−SPB1a|
SP値の差(絶対値)が小さい方が相溶性がよく、差が大きくなるほど相溶性は低くなる。SP値は、定法で算出される。
疎水化剤(A1a)は親水化剤(B1)との相溶性が良好で、疎水化剤(A1)とはできるだけ非相溶性であることが、疎水化剤(A1a)が一次ミクロ相分離構造の親水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。
すなわち、疎水化剤剤(A1a)のSP値をSPA1aとし、疎水化剤(A1)のSP値をSPA1、親水化剤(B1)のSP値をSPB1とすると、疎水化剤(A1a)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPA1−SPA1a|>|SPB1−SPA1a|
第4の発明の限定されない具体的組合せの例としては、
(組合せ4−1)
疎水化剤A1:シリコン(Si)系疎水化剤
親水化剤B1:フッ素(Rf)系親水化剤
疎水化剤A1a:Rf系疎水化剤
親水化剤B1a:Si系親水化剤
(組合せ4−2)
疎水化剤A1:Rf系疎水化剤
親水化剤B1:Si系親水化剤
疎水化剤A1a:Si系疎水化剤
親水化剤B1a:Rf系親水化剤
などがあげられる。
二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)の配合量は、一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)100重量部に対し、0.1重量部以上で100重量部以下が好ましく、多すぎても少なすぎても二次ミクロ相分離構造の形成が困難になる。
本発明の第5の発明は、
対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)、および
加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)
からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)、すなわち第1の発明のミクロ相分離構造形成剤と、
疎水化剤(A1)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b2−1をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、および/または
親水化剤(B1)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a2−1をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
この第5の発明では、第1の発明のミクロ相分離構造形成剤でミクロ相分離構造の一次相構造を形成し、その一次ミクロ相分離構造における疎水性部分および/または親水性部分の中に、特定の構造のブロックまたはグラフト共重合体(C1)および/または(C2)によりさらに二次的に親水性部分および/または疎水性部分を形成し、多重ミクロ相分離構造を形成する。
ブロックまたはグラフト共重合体(C1)および(C2)はいずれも疎水性ブロック(A2a)と親水性ブロック(B2a)を有しており、共重合体(C1)は疎水化剤(A1)が形成している一次疎水性部分中に親水性部分を二次的に形成するための二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)であり、共重合体(C2)は親水化剤(B1)が形成している一次親水性部分中に疎水性部分を二次的に形成するための二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)である。
ここで重要なことは、疎水化剤(A1)および親水化剤(B1)と疎水性ブロック(A2a)および親水性ブロック(B2a)との相溶性の相関関係である。
一次疎水性部分中に二次親水性部分を形成する共重合体(C1)は、疎水化剤(A1)との相溶性が良好な疎水性ブロック(A2a)と、親水化剤(B1)とはできるだけ非相溶性である親水性ブロック(B2a)を有することが、共重合体(C1)が一次ミクロ相分離構造の疎水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。
すなわち、親水性ブロック(B2a)のSP値をSPB2aとし、疎水化剤(A1)のSP値をSPA1、親水化剤(B1)のSP値をSPB1とすると、共重合体(C1)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPB1−SPB2a|>|SPA1−SPA2a|
同様に、一次親水性部分中に二次疎水性部分を形成する共重合体(C2)は、親水化剤(B1)との相溶性が良好な親水性ブロック(B2a)と、疎水化剤(A1)とはできるだけ非相溶性である疎水性ブロック(A2a)を有することが、共重合体(C2)が一次ミクロ相分離構造の親水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。
すなわち、共重合体(C2)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPA1−SPA2a|>|SPB1−SPB2a|
第5の発明の限定されない具体的組合せの例としては、
(組合せ5−1)
疎水化剤A1:Si系疎水化剤
親水化剤B1:Rf系親水化剤
疎水化剤A1a:Rf系疎水化剤−親水化剤共重合体
親水化剤B1a:Si系親水化剤−親水化剤共重合体
(組合せ5−2)
疎水化剤A1:Rf系疎水化剤
親水化剤B1:Si系親水化剤
疎水化剤A1a:Si系疎水化剤−親水化剤共重合体
親水化剤B1a:Rf系親水化剤−親水化剤共重合体
などがあげられる。
二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)の配合量は、一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)100重量部に対し、0.1重量部以上で100重量部以下が好ましく、多すぎても少なすぎても二次ミクロ相分離構造の形成が困難になる。
本発明の第6の発明は、
対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)、および
該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)
からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)、すなわち第2の発明のミクロ相分離構造形成剤と、
疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b1−1をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、および/または
親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a1−1をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)
とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
この第6の発明では、第2の発明のミクロ相分離構造形成剤(ブロックまたはグラフト共重合体(C))でミクロ相分離構造の一次相構造を形成し、その一次ミクロ相分離構造における疎水性部分の中に親水化剤(B1a)がさらに二次的に親水性部分を形成し、一方、一次ミクロ相分離構造における親水性部分の中に疎水化剤(A1a)がさらに二次的に疎水性部分を形成している多重ミクロ相分離構造となる。
ここでも重要なことは、疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する親水化剤(B1a)の選定、および親水性ブロック(B2)と相溶性を有する疎水化剤(A1a)の選定である。
親水化剤(B1a)は疎水性ブロック(A2)との相溶性が良好で、親水化剤(B1)とはできるだけ非相溶性であることが、親水化剤(B1a)が一次ミクロ相分離構造の疎水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。
すなわち、親水化剤(B1a)のSP値をSPB1aとし、疎水性ブロック化剤(A2)のSP値をSPA2、親水性ブロック(B2)のSP値をSPB2とすると、親水化剤(B1a)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPB2−SPB1a|>|SPA2−SPB1a|
疎水化剤(A1a)は親水性ブロック(B2)との相溶性が良好で、疎水性ブロック(A2)とはできるだけ非相溶性であることが、疎水化剤(A1a)が一次ミクロ相分離構造の親水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。
すなわち、疎水化剤(A1a)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPA2−SPA1a|>|SPB2−SPA1a|
第6の発明の限定されない具体的組合せの例としては、
(組合せ6−1)
共重合体(C):Si系親水化剤−Rf系疎水化剤共重合体
疎水化剤A1a:Si系疎水化剤
親水化剤B1a:Rf系親水化剤
(組合せ6−2)
共重合体(C):Rf系親水化剤−Si系疎水化剤共重合体
疎水化剤A1a:Rf系疎水化剤
親水化剤B1a:Si系親水化剤
などがあげられる。
二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)の配合量は、一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)100重量部に対し、0.1重量部以上で100重量部以下が好ましく、多すぎても少なすぎても二次ミクロ相分離構造の形成が困難になる。
本発明の第7の発明は、
対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)、および
該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)
からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2−1をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、および/または
親水性ブロック(B2)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a2−1をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)
からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
この第7の発明では、第2の発明のミクロ相分離構造形成剤(ブロックまたはグラフト共重合体(C))でミクロ相分離構造の一次相構造を形成し、その一次ミクロ相分離構造における疎水性部分および/または親水性部分の中に、第5の発明で用いるブロックまたはグラフト共重合体(C1)および/または共重合体(C2)により、さらに二次的に親水性部分および/または疎水性部分を形成している多重ミクロ相分離構造となる。
共重合体(C1)は共重合体(C)の疎水性ブロック(A2)が形成している一次疎水性部分中に親水性部分を二次的に形成するための二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)であり、共重合体(C2)は共重合体(C)の親水性ブロック(B2)が形成している一次親水性部分中に疎水性部分を二次的に形成するための二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)である。
ここで重要なことは、共重合体(C)中の疎水性ブロック(A2)および親水性ブロック(B2)と共重合体(C1)および(2)中の疎水性ブロック(A2a)および親水性ブロック(B2a)との相溶性の相関関係である。
一次疎水性部分中に二次親水性部分を形成する共重合体(C1)は、共重合体(C)の疎水性ブロック(A2)との相溶性が良好な疎水性ブロック(A2a)と、親水性ブロック(B2)とはできるだけ非相溶性である親水性ブロック(B2a)を有することが、共重合体(C1)が一次ミクロ相分離構造の疎水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。
すなわち、共重合体(C1)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPB2−SPB2a|>|SPA2−SPA2a|
同様に、一次親水性部分中に二次疎水性部分を形成する共重合体(C2)は、共重合体(C)の親水性ブロック(B2)との相溶性が良好な親水性ブロック(B2a)と、疎水性ブロック(A2)とはできるだけ非相溶性である疎水性ブロック(A2a)を有することが、共重合体(C2)が一次ミクロ相分離構造の親水性部分に取り込まれやすくなるために好ましい。
すなわち、共重合体(C2)は次式の関係を有するものから選定すればよい。
|SPA2−SPA2a|>|SPB2−SPB2a|
第7の発明の限定されない具体的組合せの例としては、
(組合せ7−1)
共重合体(C):Rf系疎水化剤−Si系親水化剤共重合体
共重合体(C1):Rf系疎水化剤−Rf系親水化剤共重合体
共重合体(C2):Si系疎水化剤−Si系親水化剤共重合体
(組合せ7−2)
共重合体(C):Si系疎水化剤−Si系親水化剤共重合体
共重合体(C1):Si系疎水化剤−Si系親水化剤共重合体
共重合体(C2)Rf系疎水化剤−Si系親水化剤共重合体
などがあげられる。
二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)の配合量は、一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)100重量部に対し、0.1重量部以上で100重量部以下が好ましく、多すぎても少なすぎても二次ミクロ相分離構造の形成が困難になる。
本発明の第8の発明は、
対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)、および
加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)
からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)と、
親水化剤(B1)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a3をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)、および/または
疎水化剤(A1)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b3の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)
からなる二次ミクロ相分離構造形成用粒子(III)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
この第8の発明では、第1の発明のミクロ相分離構造形成剤でミクロ相分離構造の一次相構造を形成し、その一次ミクロ相分離構造における疎水性部分および/または親水性部分の中に、特定の構造を有する異相構造粒子(IIIa)および/または(IIIb)によりさらに二次的に親水性部分および/または疎水性部分を形成し、多重ミクロ相分離構造を形成する。
また本発明の第9の発明は、
対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)、および
該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)
からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a3をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)、および/または
疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b3の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)
からなる二次ミクロ相分離構造形成用粒子(III)
からなる多重ミクロ相分離構造形成剤に関する。
この第9の発明では、第2の発明のミクロ相分離構造形成剤(ブロックまたはグラフト共重合体(C))でミクロ相分離構造の一次相構造を形成し、その一次ミクロ相分離構造における疎水性部分および/または親水性部分の中に、特定の構造を有する異相構造粒子(IIIa)および/または(IIIb)によりさらに二次的に親水性部分および/または疎水性部分を形成し、多重ミクロ相分離構造を形成する。
第8および第9の発明に使用する二次ミクロ相分離構造形成用粒子である異相構造粒子は、粒子全体として一次ミクロ相分離構造中の疎水性部分または親水性部分のいずれか一方にのみ相溶性であり、相溶した部分の中に親水性部分または疎水性部分を形成することにより、多重ミクロ相分離構造を形成する。とりわけ、異相構造粒子自体がミクロ相分離構造を有する粒子であることが好ましい。
すなわち、異相構造粒子(IIIa)は親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a3をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子である。疎水性領域(A3)以外は親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有する親水性領域であることが好ましい。
ここで異相構造粒子(IIIa)全体のSP値をSPIIIaとすると、異相構造粒子(IIIa)はつぎの式を満たすように選定することができる。
|SPA1またはSPA2−SPIIIa|>|SPB1またはSPB2−SPIIIa|
また、異相構造粒子(IIIb)は疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b3をもつ表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子である。親水性領域(B3)以外は疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する疎水性領域であることが好ましい。
ここで異相構造粒子(IIIb)全体のSP値をSPIIIbとすると、異相構造粒子(IIIb)はつぎの式を満たすように選定することができる。
|SPB1またはSPB2−SPIIIb|>|SPA1またはSPA2−SPIIIb|
第8および第9の発明で使用できる異相構造粒子は、上記の関係を満たすものであればよく、たとえば粒子表面が疎水性領域と親水性領域の海島構造となっているもの、疎水性の重合体と親水性の重合体が絡み合って粒子を形成しているものなどがあげられる。
異相構造粒子(IIIa)および(IIIb)の非限定的な具体例としては、つぎのものがあげられる。
(III-1)粒子表面にミクロ相分離構造を有するフッ素系重合体粒子1
特公平7−53862号公報に記載されている、1つの粒子内に疎水性と親水性の少なくとも2種の重合体を含み、かつ少なくとも2種の重合体のうちの疎水性重合体はポリフルオロアルキル基を有する重合体である重合体粒子が例示できる。
かかる2種以上の重合体を1つの粒子内に含む重合体粒子は、例えばシード乳化重合法により得られ、乳化重合法により粒子状に形成された第1の重合体と、この第1の重合体の粒子の表面ないし内部で重合により形成された第2の重合体から形成された粒子である。形態としては、相分離形態が海−島構造や、重合体の1種が局在化しているもの、あるいは異種の重合体分子鎖がからみ合ったものでもよい。
この2種以上の重合体からなる粒子は、2種以上の重合体粒子同士を単にブレンドして得られるものとは異なり、2種以上の重合体が、例えばシード乳化重合法等によりミクロ混合で形成されたものであり、いわゆる凝集して存在している2次粒子ではなく、個々の粒子が他の粒子と凝集しないで単独に存在している粒子すなわち1次粒子状の重合体粒子を形成しているものである。
この2種以上の重合体から形成された粒子の粒子径としては、0.01〜1μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲から選定するとよい。
(III-2)粒子表面にミクロ相分離構造を有するフッ素系重合体粒子2
特開平8−7386号公報に記載されているフッ素系重合体粒子などが例示できる。
(III-3)アクリル系重合体の分子鎖と含フッ素重合体の相溶体粒子
特開平9−262940号公報に記載されたアクリル系重合体(親水性)の分子鎖と含フッ素重合体(疎水性)の分子鎖とがからまりあった相溶体粒子などが例示できる。また、アクリル系単量体と多官能の単量体を共重合することによって含フッ素重合体との間に擬相互進入網目構造(S−IPN)を形成している粒子であってもよい。
(III-4)加水分解性基を有する有機金属化合物の加水分解生成物で形成された親水性領域と疎水性の非加水分解性基を有する疎水性領域からなる海島構造を表面に有する粒子
たとえば、部分的に加水分解性脱離基を有する有機金属化合物粒子を加水分解して得られる粒子が例示できる。具体例としては、疎水化剤(A1)の例示として説明した加水分解性の疎水化剤(A1−3)の粒子などがあげられる。
(III-5)親水性部位を有するフッ素化合物やシリコーン化合物の粒子
たとえば、フッ素化合物やシリコーン化合物の側鎖や末端に適当な親水性基を配置した化合物(重合体)の粒子が例示できる。
異相構造粒子(III)の粒径は特に限定されないが、数平均粒子径として10nm以上、さらには50nm以上のものが、異相構造粒子の形成が比較的容易でありかつ粒子の凝集を抑え均一に分散させることから好ましく、また100μm以下、さらには30μm以下、特に10μm以下のものが目的とする多重相分離構造を容易に形成できる点から好ましい。
本発明において、数平均粒子径は電子顕微鏡によって測定されたものである。
異相構造粒子の配合割合は、一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)または(I−2)100重量部に対して異相構造粒子(III)を0.1重量部以上、さらには1重量部以上、特に5重量部以上とすることが疎水性と親水性のバランスをよくする点から好ましく、また100重量部以下、さらには50重量部以下、特に25重量部以下、なかでも15重量部以下とすることが、分散を均一にできる点から好ましい。
異相構造粒子の混合方法は、塗料形態とする場合は、たとえば溶剤型塗料、粉体塗料、水性分散型塗料のいずれの形態であっても、異相構造粒子を充填剤と考えて、従来公知の塗料調製法を採用すればよい。成形材料とする場合も、異相構造粒子を充填剤と考えて、従来公知の成形法を採用すればよい。
以上の組合せのほか、二次ミクロ相分離構造形成剤の組合せは、親水化剤(B1a)、ブロック(またはグラフト)共重合体(C1)、異相構造粒子(IIIa)、疎水化剤(A1a)、ブロック(またはグラフト)共重合体(C2)、異相構造粒子(IIIb)を異なる組合せで使用することによっても多重ミクロ相分離構造を形成できる。
以上の第3〜第9の多重ミクロ相分離構造形成剤および他の組合せの多重ミクロ相分離構造形成剤における使用形態としては、第1の発明で説明した使用形態があげられる。
本発明の(多重)ミクロ相分離構造形成剤を用いて塗装された物品の用途としては、たとえば建築用防水シート、トンネル用防水シート、農業用ビニールシート、農業用ビニールフィルム、養生シート、建築用保護シート、車両用保護シート、メッシュシート、メッシュスクリーン、ポリカーボネート屋根、アクリルボード壁、ポリカーボネート壁、ガードレール、信号機、トンネル内壁、トンネル内装板、道路標識、案内板、高速道路側壁、高速道路防音壁、道路灯、橋梁、橋桁、橋脚、煙突、壁紙、畳、マット、テーブルクロス、換気扇、マーキングフィルム、ジオメンブレン、広告板、郵便ポスト、電柱、テント、自動車、航空機、船舶、電車などがあげられる。
さらに医用材料としても有用である。そのほか、潤滑剤、繊維処理剤、導電性ゴム、型取り材、真空注用材、ワックス材などの材料としても有用である。
以上に本発明の(多重)ミクロ相分離構造形成剤を適用形態または用途を中心として説明したが、つぎに機能を中心に説明する。なお、重複する場合もある。
まず、易洗浄性の物品を提供できる。前記のように、各種製品が使用環境から受ける汚れには親水性のものも疎水性のものもある。たとえば大気や室内の空気中に浮遊しているホコリやチリが付着堆積し目に見える汚れとなったり、建築資材やアウトドア製品では汚れが雨水などで流されて筋状の汚れとなったりしている。また屋内で使用する製品でもホコリやチリのほか、台所では食器、換気扇、キッチンフード、調理台などには油汚れ;リビングルームでは家具、壁、家電製品、ロールブラインド、人工すだれ、人工畳、ソファ、テーブル、机、ドア、照明器具カバー、天井、カーペット、マットなどにはタバコのヤニの汚れ;浴室や洗面所では浴槽、桶、壁、浴槽の蓋、換気扇、床などには垢などの油脂や石鹸カスなどの汚れ;トイレでは便座や便器の汚れなどが付着することが多い。
本発明をこれらの製品に適用するときには、製品に上記の汚れを付着しにくくすることができ、また容易に除去することができる。
また本発明は易排水性の物品を提供できる。本発明の形成剤を用いるときは、表面に水が溜まることがない。したがって水垢や油汚れなどが筋状や斑点状に付着することが少ない。
易排水性が要求される場所および物品としては、たとえば浴室や洗面所、台所、トイレのほか、各種配水管、建物や住宅の雨どい、屋上防水シート、カーポートの天井などの汚れが付着しやすい場所や物品があげられる。
本発明はまた、防曇性の物品を提供できる。防曇性が要求される場所および物品としては、温度差によって水分による曇りが生ずる場所に設置される各種の窓、ショーケース、鏡、照明器具カバーなど;透視性や光線透過性が重要なレンズ、ゴーグル、ヘルメットのシールド、太陽電池カバーなどの各種物品のカバー;農業用ハウスや温室などの各種カバーやフィルム、シートなどがあげられる。
本発明はまた、結露防止性の物品を提供できる。さらに、雨水やシブキが飛んできても物品の表面に水滴として残ることが少ない。結露防止性が要求される場所および物品としては、前記防曇性が要求される場所および物品に加えて、壁紙、窓、シャンデリアなどのインテリア製品などがあげられる。
また、水生生物の付着が問題となる水面または水中で使用する物品または構造物、および細胞または生体から放出される生理物質の付着が問題となる医用部材などの物品にも好適に使用できる。
水面または水中で使用する物品または構造物としては、海水、淡水を問わず種々のものがあげられる。たとえば、つぎの物品や構造物が例示できるが、これらに限定されるものではない。また、構造物とは橋脚、水路などの固定型の建造物だけでなく、船舶などの移動を主とする建造物も含む。
水面または水中で使用する構造物
固定型:
橋脚、コンクリートブロック、消波ブロック、防波堤などの水中構築物;
水門門扉、海上タンク、浮き桟橋などの港湾施設;
海底掘削設備、海中通信ケーブル施設などの海底作業施設;
導水路、覆水管、水室などの火力、原子力、海洋温度差発電施設;
プール、水槽、給水塔、下水道、雨どいなどの給排水および貯蔵施設;
システムキッチン、水洗便器、浴室、浴槽などの家庭内設備;
移動型:
船舶の吃水部または船底、潜水艦の外装、スクリュー、プロペラ、錨などの船舶構造物または付属物
水面または水中で使用する物品
固定型:
定置網などの魚網、ブイ、生簀、ロープなどの漁業用物品;
覆水器、水室などの火力、原子力、海洋温度差発電用物品;
海中(水中)ケーブルなどの海底(水底)敷設物品;
移動型:
底引き網、はえなわなどの漁業用物品;
こうした水面または水中で使用する物品または構造物に対しては、たとえばつぎのような水生生物や有機汚れが付着し、外観や機能を低下させる。
水生生物:
フジツボ類、ムラサキイガイ、イソギンチャク類、カキ、ホヤ、ヒドロ虫、コケムシ、各種水生微生物、各種海藻類(ミドリゲ、ホンダワラ、アオサ、アオノリなど)、各種珪藻類、環形動物(ウズマキゴカイ、シライトゴカイなど)、海綿動物(ユズダマカイメンなど)、その他の付着性生物など
有機汚れ:
浮遊油(鉱物油、植物油など)、廃棄食品類、樹脂類、し尿、生物の死ガイなど
さらにまた本発明によれば、生体適合性の物品を提供できる。本発明の形成剤を使用するときには、人工血管などの生体に移植する物品の表面を高度に疎水性とし、体内の親水性液体の膜をその表面に形成させないようにすることができる。
生体適合性が要求される場所および物品としては、生体内に移植する各種人工血管や臓器、関節;骨折の治療用のネジやビスなどの各種埋め込み用具;カテーテル、拡張器具、手術用結さく装置、生体内留置チューブ、接続器具、分離膜、創傷被覆材;抗血栓材料、試験管、シャーレなどの生理物質と接触する器具;
組織や細胞、菌の培養機器、生理物質分析機器などの医療関係の研究分析機器などがあげられる。
これらの医用部材に付着する細胞や生理物質としては、たとえばつぎのものがあげられる。細胞にはウイルスや細菌などの単細胞生物も含まれる。
細胞:
血球細胞、各種ウイルス、細菌など
生理物質:
各種タンパク質、各種酵素、各種ペプチド、各種アミノ酸、各種多糖類、各種核酸、コレステロール、脂肪分など
つぎに本発明を実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
つぎの成分を攪拌混合して溶剤型の塗料組成物を調製した。
(配合)
溶剤:酢酸ブチル/トルエン=50/50重量比
疎水性樹脂:大日本インキ化学工業(株)製の室温硬化型3級アミノ基含有アクリルシリコン樹脂のトルエン/イソブタノール溶液:固形分44重量%。商品名BZ−1161
硬化剤:シリコン系硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製の商品名FZ−523)
親水化剤:メチルトリメトキシシランとSi(OCH2CF2CF34の共縮合物(対水接触角:60度以下)
疎水化剤:含フッ素ポリエーテル(ダイキン工業(株)製のデムナムS−20。対水接触角:80度以上)
溶剤400重量部に対し、疎水性樹脂(硬化剤入り)100重量部と親水化剤2重量部および疎水化剤4重量部を混合して、塗料組成物を調製した。
この塗料組成物をポリスチレン板(150mm×80mm×5mm)に乾燥後の厚さが5μmとなるようにスプレー塗装し、60℃にて30分間放置して、本発明の表面構造のサンプルを作製した。
比較例1
親水化剤および疎水化剤のいずれも配合せず、溶剤を400重量部、疎水性樹脂100重量部で塗料組成物を調製し、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
比較例2
親水化剤を配合せず、溶剤を400重量部、疎水性樹脂100重量部および疎水化剤4重量部で塗料組成物を調製し、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
比較例3
疎水化剤を配合せず、溶剤を400重量部、疎水性樹脂100重量部および親水化剤2重量部で塗料組成物を調製し、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
実施例2
実施例1および比較例1〜3のサンプルについて、付着性物質の非付着性をつぎの手順で評価した。結果を表1に示す。
(非付着性の評価試験)
試験1:煙草の煙による汚染試験
サンプルおよびブランク(未処理ポリスチレン板)を喫煙室(約10m2)内の壁に立て掛け、扇風機で風を当てながら3ヵ月放置し、試験開始前と終了後の色差(ΔE)を光度計(日本電色工業(株)製のカラーメータZ2000を用い、JIS Z8722に準拠して表面の反射率から調べる。
Figure 2005171100

Claims (11)

  1. (A1)対水接触角a1の表面を与える疎水化剤、および
    (B1)加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤
    からなるミクロ相分離構造形成剤。
  2. (A2)対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック、および
    (B2)該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック
    からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなるミクロ相分離構造形成剤。
  3. (I)対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)および加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)、または
    対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)および該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
    (II)疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、
    疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、
    疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)または疎水性ブロック(A2)の対水接触角よりも20度以上低い対水接触角の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)、
    親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)、
    親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)、および
    親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)または親水性ブロック(B2)の対水接触角よりも20度以上高い対水接触角をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種
    からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II)
    とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤。
  4. 対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)、および
    加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)
    からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)と、
    疎水化剤(A1)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1−1をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、および/または
    親水化剤(B1)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a1−1をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)
    からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)
    とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤。
  5. 対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)、および
    加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)
    からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)と、
    疎水化剤(A1)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b2−1をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、および/または
    親水化剤(B1)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a2−1をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)
    からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)
    からなる多重ミクロ相分離構造形成剤。
  6. 対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)、および
    該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)
    からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
    疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b1−1をもつ表面を与える親水化剤(B1a)、および/または
    親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a1−1をもつ表面を与える疎水化剤(A1a)
    からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−1)
    とからなる多重ミクロ相分離構造形成剤。
  7. 対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)、および
    該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)
    からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
    疎水性ブロック(A2)と相溶性を有する疎水性ブロック(A2a)と疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2−1をもつ表面を与える親水性ブロック(B2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C1)、および/または
    親水性ブロック(B2)と相溶性を有する親水性ブロック(B2a)と親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a2−1をもつ表面を与える疎水性ブロック(A2a)とからなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C2)
    からなる二次ミクロ相分離構造形成剤(II−2)
    からなる多重ミクロ相分離構造形成剤。
  8. 対水接触角a1の表面を与える疎水化剤(A1)、および
    加水分解性基を有し、かつ加水分解されることにより前記疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b1をもつ表面を与える親水化剤(B1)
    からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−1)と、
    親水化剤(B1)と相溶性を有しかつ該親水化剤(B1)の対水接触角b1よりも20度以上高い対水接触角a3をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)、および/または
    疎水化剤(A1)と相溶性を有しかつ該疎水化剤(A1)の対水接触角a1よりも20度以上低い対水接触角b3の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)
    からなる二次ミクロ相分離構造形成用粒子(III)
    からなる多重ミクロ相分離構造形成剤。
  9. 対水接触角a2の表面を与える疎水性ブロック(A2)、および
    該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b2をもつ表面を与える親水性ブロック(B2)
    からなるブロック共重合体またはグラフト共重合体(C)からなる一次ミクロ相分離構造形成剤(I−2)と、
    親水性ブロック(B2)と相溶性を有しかつ該親水性ブロック(B2)の対水接触角b2よりも20度以上高い対水接触角a3をもつ表面を与える疎水性領域(A3)を有する異相構造粒子(IIIa)、および/または
    疎水性ブロック(A2)と相溶性を有しかつ該疎水性ブロック(A2)の対水接触角a2よりも20度以上低い対水接触角b3の表面を与える親水性領域(B3)を有する異相構造粒子(IIIb)
    からなる二次ミクロ相分離構造形成用粒子(III)
    からなる多重ミクロ相分離構造形成剤。
  10. 請求項1または2記載のミクロ相分離構造形成剤により形成されたミクロ相分離構造を表面に有する物品。
  11. 請求項3〜9のいずれかに記載の多重ミクロ相分離構造形成剤により形成された多重ミクロ相分離構造を表面に有する物品。
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