JP2005171073A - 色素含有メソ多孔体の製造方法 - Google Patents

色素含有メソ多孔体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体を製造することが可能な方法を提供すること。
【解決手段】 金属アルコキシドと色素との結合体及び金属アルコキシドを含有する酸性溶液中で、前記結合体及び前記金属アルコキシドを縮合反応せしめて金属アルコキシドオリゴマーを形成せしめる第一の工程と、
前記金属アルコキシドオリゴマー及び界面活性剤を含有するアルカリ性溶液中で、前記金属アルコキシドオリゴマー中に前記界面活性剤が導入された複合体を形成せしめると共に該金属アルコキシドオリゴマーを縮合反応せしめて色素を含有するメソ多孔体を得る第二の工程と、
を含むことを特徴とする色素含有メソ多孔体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、色素含有メソ多孔体の製造方法に関し、より詳しくは、金属原子及び酸素原子を主成分として骨格が形成されており、色素が骨格内に組み込まれているメソ多孔体の製造方法に関する。
近年、様々な物質を吸着、貯蔵等するための材料として金属原子及び酸素原子を主成分として骨格が形成されていて孔径1〜30nm程度のメソサイズの細孔(メソ孔)を有するメソ多孔体が注目されており、そのようなメソ多孔体の細孔内表面や骨格内に有機基を導入して選択的な吸着能や特異的な触媒機能を付与する試みがなされている。
このようなメソ多孔体の細孔内表面に有機基を導入する方法としては、例えば特開2000−219770号公報(特許公報1)の従来技術の欄に記載されている、表面にシラノール基を有するシリカ系メソ多孔体にトリメトキシクロロシランやメトキシメルカプトプロピルシランを反応させる方法等が知られている。
しかしながら、このようなメソ多孔体の細孔内表面にしか有機基を導入することができない従来の方法では、一般的にかさ高い色素のような有機基を導入しようとしても細孔内に十分に拡散しないため十分な量の色素を均一に導入することができないという問題があった。
また、メソ多孔体の骨格内に有機基を導入する方法としては、例えば、特開2000−219770号公報(特許公報1)には、2以上の金属原子と結合する有機基を有しかつそれらの金属原子にはアルコキシ基又はハロゲン基が結合している有機金属化合物を塩基性又は酸性の条件下で縮重合させて有機/無機複合メソ多孔体を得る方法が記載されており、また、特開2003−238118号公報(特許公報2)には、界面活性剤及び無機原料が含まれる溶液にアルキル鎖長の短い有機官能基で連結したシラン化合物を添加することにより非シリカ系酸化物骨格内に有機官能基を含有するメソ多孔体を得る方法が記載されている。さらに、B.Onida et al.,"Permeability of micelles in surdactant-containing MCM-41 silica as monitored by embedded dye molecules",Chem.Commun.,(2001),p.2216−2217(非特許文献1)には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)の塩基性溶液中に色素(Congo
Red)及びテトラエチルオルソシリケート(TEOS)を混合して色素を含有するメソ多孔体を得る方法が記載されている。
しかしながら、このようなメソ多孔体の骨格内に有機基を導入する従来の方法であっても、一般的にかさ高い色素のような有機基を導入しようとしてもその導入量の向上に限界があり、十分な量の色素を導入することができないという問題があった。
特開2000−219770号公報 特開2003−238118号公報 B.Onida et al.,"Permeability of micelles in surdactant-containing MCM-41 silica as monitored by embedded dye molecules",Chem.Commun.,(2001),p.2216−2217
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体を製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先ず金属アルコキシドと色素との結合体及び金属アルコキシドを酸性溶液中で縮合反応せしめて金属アルコキシドオリゴマーを形成せしめた後に、界面活性剤を含有するアルカリ性溶液中にその金属アルコキシドオリゴマーを添加するようにすると十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法は、
金属アルコキシドと色素との結合体及び金属アルコキシドを含有する酸性溶液中で、前記結合体及び前記金属アルコキシドを縮合反応せしめて金属アルコキシドオリゴマーを形成せしめる第一の工程と、
前記金属アルコキシドオリゴマー及び界面活性剤を含有するアルカリ性溶液中で、前記金属アルコキシドオリゴマー中に前記界面活性剤が導入された複合体を形成せしめると共に該金属アルコキシドオリゴマーを縮合反応せしめて色素を含有するメソ多孔体を得る第二の工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
なお、前記の本発明の方法によって十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず金属アルコキシドと色素との結合体を酸性溶液中で金属アルコキシドと一緒に縮合反応させて直鎖状の金属アルコキシドオリゴマーとすることによって溶液中における分散性が非常に良くなり、続いての界面活性剤を共存させたアルカリ性溶液中におけるミセル形成(金属アルコキシドオリゴマー中に界面活性剤が導入された複合体の形成)及び金属アルコキシドオリゴマーの縮合反応が均一にかつ円滑に進行するようになるため、十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体が得られるようになると本発明者らは推察する。
また、前記本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法においては、前記金属アルコキシドがアルコキシシランであり、前記金属アルコキシドオリゴマーがアルコキシシランオリゴマーであり、前記メソ多孔体がシリカ系メソ多孔体であることが好ましい。このようにすると、ケイ素原子及び酸素原子を主成分として骨格が形成されており、十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているシリカ系メソ多孔体が得られるようになる。
また、前記本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法においては、前記色素含有メソ多孔体に含まれる界面活性剤を除去する第三の工程が更に含まれていてもよい。このような第三の工程を更に含むことによって、細孔内の界面活性剤が十分に除去された色素含有メソ多孔体が得られるようになる。
さらに、前記本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法においては、前記第一の工程において、前記酸性溶液として酸と水と有機溶媒との酸性混合溶媒を用いることが好ましい。このような酸性混合溶媒を用いると、溶液中における金属アルコキシドと色素との結合体の分散性がより向上し、その結合体と金属アルコキシドと反応の均一性が向上するため、得られるメソ多孔体の骨格内に組み込まれる色素の量がより高くなる傾向にある。
本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法によれば、十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体を得ることが可能となる。
以下、本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法について、その好適な実施形態に即して詳細に説明する。
(第一の工程)
本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法においては、先ず、金属アルコキシドと色素との結合体及び金属アルコキシドを含有する酸性溶液中で、前記結合体及び前記金属アルコキシドを縮合反応せしめて金属アルコキシドオリゴマーを形成せしめる(第一の工程)。
ここで用いられる金属アルコキシドは、反応により金属原子及び酸素原子を主成分として骨格が形成されているメソ多孔体を形成可能なものであればよく特に制限されす、金属アルコキシドを構成する金属元素としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タンタル、ニオブ、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ランタン、ハフニウム、スズ、鉛、鉄、亜鉛、ジルコニウム、バナジウム、タングステン、ホウ素等が挙げられ、中でもケイ素、アルミニウム、チタン、モリブデン、鉄、亜鉛、ジルコニウム、バナジウム、タングステン及びホウ素が好ましく、ケイ素が特に好ましい。
また、金属アルコキシドとしては、アルコキシ基を4個有する金属テトラアルコキシド(例えば、テトラアルコキシシラン)、アルコキシ基を3個有する金属トリアルコキシド(例えば、トリアルコキシシラン)、アルコキシ基を2個有する金属ジアルコキシド(例えば、ジアルコキシシラン)を用いることができる。アルコキシ基の種類は特に制限されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のようにアルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数として1〜4程度のもの)が反応性の点から有利である。また、金属アルコキシドが有するアルコキシ基が3又は2個である場合は、金属アルコキシド中の金属原子には有機基、水酸基等が結合していてもよく、当該有機基はアミノ基やメルカプト基等の官能基をさらに有していてもよい。
このような金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;トリメトキシシラノール、トリエトキシシラノール、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等のジアルコキシシラン;チタニウムエトキシド、チタニウムイソポロポキシド、チタニウムブトキシド等のチタニウムアルコキシド;アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソポロポキシド、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;ジルコニウムメトキシド、ジルコニウムエトキシド等のジルコニウムアルコキシド等が挙げられる。
上記金属アルコキシドは、単独で用いることもできるが、2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。なお、金属アルコキシドとして2種類以上のものを組み合わせて用いる場合は、そのうちの少なくとも一種類としてアルコキシシランを用いることが好ましい。また、上記のアルコキシ基を2〜4個有する金属アルコキシドは、アルコキシ基を1個有する金属モノアルコキシド(例えば、モノアルコキシシラン)と組み合わせて使用することも可能である。このようにして用いることのできる金属モノアルコキシドとしては、具体的には、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
このような金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いる場合、アルコキシシランは加水分解によりシラノール基を生じ、生じたシラノール基同士が縮合することによりケイ素酸化物が形成される。この場合において、分子中のアルコキシ基の数が多いアルコキシシランは、加水分解及び縮合で生じる結合が多くなる。したがって、アルコキシ基の多いテトラアルコキシシランをアルコキシシランとして用いることが好ましく、テトラアルコキシシランとしては、反応速度の観点からテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランを用いることが特に好ましい。
本発明においては、前記金属アルコキシドと共に金属アルコキシドと色素との結合体を用いるが、この結合体を構成する金属アルコキシドも前記金属アルコキシドと同様のものであり、用いる金属アルコキシドと同一の金属アルコキシドに色素が結合している結合体を用いることが好ましい。
また、本発明に使用可能な色素としては、所定の波長を有する光を吸収する色素であればよく特に制限されず、照射する光や組み合わせる金属アルコキシド等に応じて適宜選択される。このような色素としては、アゾ色素、トルイジン色素、アントラキノン色素、インジゴイド色素、硫化色素、トリフェニルメタン色素、ピラゾロン色素、スチルベン色素、ジフェニルメタン色素、キサンテン色素、アリザリン色素、アクリジン色素、キノンイミン色素(アジン色素、オキサジン色素、チアジン色素)、チアゾール色素、メチン色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、シアニン色素等が挙げられ、中でも吸収効率が高いという観点からアルドリッチ社製 Disperse Red 1[化合物名:4−(N−2−ヒドロキシエチル−N−エチル)アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン]、Disperse Orange 3[化合物名:4−(4−ニトロフェニルアゾ)アニリン]、Disperse Red 19[化合物名:4−(N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル))アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン]等の分子内電荷移動タイプのアゾ色素(モノアゾ色素、ジスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ポリアゾ色素)、シアニン系色素が好ましい。
さらに、前記金属アルコキシドと前記色素との結合形態は特に制限されないが、結合の強さが比較的強いといった観点から共有結合により結合していることが好ましく、アミド基、アルキルアミド基、エステル基等を介して結合していることが例示される。
このような金属アルコキシドと色素との結合体としては、市販品がある場合は市販品をそのまま用いてもよく、また、金属アルコキシドと色素とを公知の反応方法によって結合せしめて合成した結合体を用いてもよい。このように金属アルコキシドと色素とを結合せしめるための合成方法及びその条件は特に制限されず、用いる色素及び金属アルコキシドに応じて適宜選択される。例えば、水酸基を有する色素を用いる場合は、イソシアナト基、イソシアナトアルキル基、カルボキシル基等が結合している金属アルコキシドと色素とを溶媒(例えば、ピリジン、アセトン、エーテル等の有機溶媒)中において加熱条件下(例えば40〜100℃)で反応せしめる方法等が好ましい合成方法として挙げられる。
本発明の第一の工程においては、前記金属アルコキシドと前記結合体とを酸性溶液中で縮合反応せしめて金属アルコキシドオリゴマーを形成せしめるが、この第一の工程においては水、又は水と有機溶媒との混合溶媒を溶媒として使用することが好ましく、特に疎水性の強い色素を用いる場合は水と有機溶媒との混合溶媒を使用することがより好ましい。このような混合溶媒を用いると、溶液中における金属アルコキシドと色素との結合体の分散性がより向上してそれらの反応の均一性が向上するため、得られるメソ多孔体の骨格内に組み込まれる色素の量がより高くなる傾向にある。ここで好適に用いられる有機溶媒としてはアセトン、アルコール等が挙げられ、混合溶媒中の有機溶媒の含有量は導入する色素により変化して特に限定されるものではないが、5〜50重量%程度であることが例示される。有機溶媒の含有量が上記下限未満では上述の分散性及び反応均一性の更なる向上が十分に得られない傾向にあり、他方、上記上限を超えるとアルコキシドとの反応均一性が低下する傾向にある。
また、上記第一の工程において用いられる溶媒は、pH6以下の酸性であることが必要があり、pH2〜5の範囲であることが好ましい。なお、pHが低くなり過ぎると、色素自身の反応等の問題が生じる傾向にある。また、溶媒を酸性にする際に使用される酸としては、塩酸、硝酸、硫酸といった鉱酸等が挙げられる。
さらに、第一の工程における酸性溶液中の全金属アルコキシドの含有量(前記金属アルコキシドと前記結合体中の金属アルコキシドとの総量)は、金属濃度換算で0.0055〜0.33mol/Lであることが好ましい。また、前記結合体と前記金属アルコキシドとの比率は、結合体:金属アルコキシドの値(モル比)が1:30〜1:2であることが好ましい。前記結合体の含有量が上記下限未満では、得られるメソ多孔体に含有される色素の量が十分に向上しない傾向にあり、他方、上記上限を超えると周期的な構造を有する多孔体を作製できなくなる傾向にある。
また、第一の工程において前記金属アルコキシドと前記結合体とを縮合反応せしめる際の条件(温度、時間、等)は特に制限されず、用いる原料等に応じて分散性の向上が最適となるように適宜選択されるが、一般的には0〜100℃(より好ましくは20〜80℃)程度の温度で1〜10時間程度の時間前記金属アルコキシドと前記結合体とを含有する前記酸性溶液を攪拌することが好ましい。
前記第一の工程において得られる金属アルコキシドオリゴマーは、前記金属アルコキシドと前記結合体とが加水分解及び縮合反応して得られるものであり、前記金属アルコキシドがアルコキシシランの場合はアルコキシシランオリゴマーとなる。このような金属アルコキシドオリゴマーの重合度等は特に制限されないが、一般的には分散性が最適となる程度であることが好ましい。
(第二の工程)
次に、本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法においては、前記金属アルコキシドオリゴマー及び界面活性剤を含有するアルカリ性溶液中で、前記金属アルコキシドオリゴマー中に前記界面活性剤が導入された複合体を形成せしめると共に該金属アルコキシドオリゴマーを縮合反応せしめて色素を含有するメソ多孔体を得る(第二の工程)。
ここで用いられる界面活性剤は、特に限定されるものではなく、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性のうちのいずれであってもよく、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム等の塩化物、臭化物、ヨウ化物あるいは水酸化物;脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、一級アルキルアミン等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で又は二種以上混合して用いられる。
上記の界面活性剤のうち、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤としては、疎水性成分として炭化水素基、親水性部分としてポリエチレンオキサイドをそれぞれ有するポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤等が挙げられる。このような界面活性剤としては、例えば、一般式Cn2n+1(OCH2CH2mOHで表され、nが10〜30、mが1〜30であるものが好適に使用できる。また、このような界面活性剤としては、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸とソルビタンとのエステル、あるいはこれらのエステルにポリエチレンオキサイドが付加した化合物を用いることもできる。
さらに、このような界面活性剤としては、トリブロックコポリマー型のポリアルキレンオキサイドを用いることもできる。このような界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイド(EO)とポリプロピレンオキサイド(PO)からなり、一般式(EO)x(PO)y(EO)xで表されるものが挙げられる。x、yはそれぞれEO、POの繰り返し数を表すが、xは5〜110、yは15〜70であることが好ましく、xは13〜106、yは29〜70であることがより好ましい。上記のトリブロックコポリマーとしては、(EO)19(PO)29(EO)19、(EO)13(PO)70(EO)13、(EO)5(PO)70(EO)5、(EO)13(PO)30(EO)13、(EO)20(PO)30(EO)20、(EO)26(PO)39(EO)26、(EO)17(PO)56(EO)17、(EO)17(PO)58(EO)17、(EO)20(PO)70(EO)20、(EO)80(PO)30(EO)80、(EO)106(PO)70(EO)106、(EO)100(PO)39(EO)100、(EO)19(PO)33(EO)19、(EO)26(PO)36(EO)26が挙げられる。これらのトリブロックコポリマーはBASF社、アルドリッチ社等から入手可能であり、また、小規模製造レベルで所望のx値とy値を有するトリブロックコポリマーを得ることができる。
また、エチレンジアミンの2個の窒素原子にそれぞれ2本のポリエチレンオキサイド(EO)鎖−ポリプロピレンオキサイド(PO)鎖が結合したスターダイブロックコポリマーも使用することができる。このようなスターダイブロックコポリマーとしては、一般式((EO)x(PO)y2NCH2CH2N((PO)y(EO)x2で表されるものが挙げられる。ここでx、yはそれぞれEO、POの繰り返し数を表すが、xは5〜110、yは15〜70であることが好ましく、xは13〜106、yは29〜70であることがより好ましい。
このような界面活性剤の中では、結晶性の高いメソ多孔体を得ることができることから、アルキルトリメチルアンモニウム[Cp2p+1N(CH33]の塩(好ましくはハロゲン化物塩)を用いることが好ましい。また、その場合は、アルキルトリメチルアンモニウム中のアルキル基の炭素数は8〜22であることがより好ましい。このようなものとしては、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドコシルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
本発明の第二の工程においては、前記界面活性剤を含有するアルカリ性溶液中で前記金属アルコキシドオリゴマーを反応せしめるが、この第二の工程においては、水、有機溶媒(アセトン、アルコール等)、水と有機溶媒の混合溶媒等を使用することができるが、水又は水を主成分とする混合溶媒を用いることが好ましい。
また、上記第二の工程において用いられる溶媒は、pH8以上のアルカリ性であることが必要があり、pH9〜11の範囲であることが好ましい。溶媒のpHが8未満では反応により安定的にメソ孔を作ることが困難となり、他方、pHが高くなり過ぎると色素が反応により劣化する等の問題が生じ易くなる傾向にある。また、溶媒をアルカリ性にする際に使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
さらに、第二の工程におけるアルカリ性溶液中の界面活性剤の濃度は0.05〜1mol/Lであることが好ましい。この濃度が前記下限未満であると、界面活性剤イオンが金属アルコキシドオリゴマー中に十分に導入されず細孔の形成が不完全となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、未反応で溶液中に残留する界面活性剤の量が増大して細孔の均一性が低下する傾向にある。また、アルカリ性溶液中の金属アルコキシドオリゴマーの含有量は、金属濃度換算で0.0055〜0.33mol/Lであることが好ましい。前記金属アルコキシドオリゴマーの含有量が上記下限未満では、未反応で溶液中に残留する界面活性剤の量が増大して細孔の均一性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、界面活性剤イオンが金属アルコキシドオリゴマー中に十分に導入されず細孔の形成が不完全となる傾向にある。更に、骨格形成に寄与する金属原子のモル数が、界面活性剤のモル数の0.02〜10倍であることが好ましい。
また、第二の工程において前記界面活性剤を含有するアルカリ性溶液中で前記金属アルコキシドオリゴマーを反応せしめる際の条件(温度、時間、等)は特に制限されず、用いる金属アルコキシドオリゴマー及び界面活性剤等に応じてメソ孔の構造が安定的に作製され、色素部分が十分に取り込まれるように適宜選択されるが、一般的には0〜100℃(より好ましくは20〜80℃)程度の温度で5〜30時間程度の時間前記金属アルコキシドオリゴマーと前記界面活性剤とを含有する前記アルカリ性溶液を攪拌して熟成せしめることが好ましい。さらに、必要に応じて放置して系を安定化させた後、得られた沈殿物をろ過、洗浄及び乾燥することによってメソ多孔体が得られる。
このような第二の工程においては、前記界面活性剤がアルカリ性溶液中で規則正しく配列したミセルを形成してその周囲に前記金属アルコキシドオリゴマーが集合し、前記金属アルコキシドオリゴマー中に前記界面活性剤が導入された複合体が形成される。そして、そのようにして形成された複合体中に金属アルコキシドの加水分解で生成した反応性水酸基(−O−H)(前記金属アルコキシドがアルコキシシランの場合はシラノール基)が縮合反応(脱水縮合)し、金属アルコキシドの結合が部分的に形成されて二次元又は三次元網目構造を有しかつ骨格内に前記色素が組み込まれたメソ多孔体(前記金属アルコキシドがアルコキシシランの場合はシリカ系メソ多孔体)が得られる。
(第三の工程)
本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法においては、上述の第二の工程によって得られた前記色素含有メソ多孔体に含まれる界面活性剤を除去してもよい(第三の工程)。このように界面活性剤を除去する方法としては、例えば、(i)界面活性剤に対する溶解度が高い有機溶媒(例えば、エタノール)中に前記色素含有メソ多孔体を浸漬して界面活性剤を除去する方法、(ii)前記色素含有メソ多孔体を300〜1000℃で焼成して界面活性剤を除去する方法、(iii)前記色素含有メソ多孔体を酸性溶液に浸漬して加熱し、界面活性剤を水素イオンに交換せしめるイオン交換法、等を挙げることができるが、色素の加熱による分解を防ぐという観点から(i)の方法が好ましい。このような第三の工程を更に含むことによって、細孔内の界面活性剤が十分に除去された色素含有メソ多孔体が得られるようになる。また、(i)の方法の場合、色素含有メソ多孔体の内壁内構造を安定化させるために更に熱処理(好ましくは50〜100℃で1〜10時間程度)を施してもよい。
以上説明した本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法においては、前述の第一の工程において先ず金属アルコキシドと色素との結合体を酸性溶液中で金属アルコキシドと一緒に縮合反応させて直鎖状の金属アルコキシドオリゴマーとすることによって溶液中における分散性が非常に良くなっている。そのため、続いての上記第二の工程において、界面活性剤を共存させたアルカリ性溶液中におけるミセル形成(金属アルコキシドオリゴマー中に界面活性剤が導入された複合体の形成)及び金属アルコキシドオリゴマーの縮合反応が均一にかつ円滑に進行するようになり、十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体が得られる。
(色素含有メソ多孔体)
本発明の製造方法によって得られるメソ多孔体は、前記酸性溶液中で前記金属アルコキシド及び前記結合体を縮合反応せしめて得られた前記金属アルコキシドオリゴマーを原料とし、前記界面活性剤を鋳型として前記アルカリ性溶液中で作製されるものであり、金属原子が酸素原子を介して結合した骨格を基本とし、細孔壁内に高度に架橋した網目構造を有しているメソ多孔体である。このような金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、酸化スズ、酸化バリウム、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化バナジウム、酸化インジウム等の金属酸化物(半金属酸化物を含む)が挙げられ、中でも色素と組み合わせて使用する際においてその選択の余地が広くなることからシリカ、アルミナ等の可視光に対して透明な金属酸化物が好ましい。
本発明の製造方法によって得られるメソ多孔体の細孔径(平均細孔径)、比表面積等は特に制限されず、その使用目的等に応じて適宜選択されるが、吸着効率を向上させる観点から平均細孔径を被吸着物質の分子サイズ以上とし、かつ、比表面積をできるだけ大きくすることが好ましい。このような観点から、本発明によって得られるメソ多孔体としては、平均細孔径が0.3nm〜100nm程度、比表面積が100m/g以上程度であるものが好ましく、以下に詳述するシリカ系メソ多孔体が特に好ましい。
このようなシリカ系メソ多孔体は、界面活性剤を鋳型としてシリカ源を原料として作製されるものであり、ケイ素原子が酸素原子を介して結合した骨格−Si−O−を基本とし、高度に架橋した網目構造を有している。このようなシリカ系材料は、ケイ素原子及び酸素原子を主成分とするものであればよく、ケイ素原子の少なくとも一部が有機基の2箇所以上で炭素−ケイ素結合を形成しているものでもよい。このような有機基としては、例えば、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼン、シクロアルカン等の炭化水素から2以上の水素がとれて生じる2価以上の有機基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、有機基は、アミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルフォン基、カルボキシル基、エーテル基、アシル基、ビニル基等を有するものであってもよい。
本発明に好適なシリカ系メソ多孔体は、細孔径分布曲線における中心細孔直径が1〜100nm程度のメソ孔を有するものである。このようなメソ孔を有する場合には、分子径が大きい機能性有機化合物等も容易に細孔内に入ることができ、しかも細孔内での分子の拡散が速やかに行われるので、効率の良い吸着分離が可能となる傾向にある。なお、前記中心細孔直径とは、細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径であり、次に述べる方法により求めることができる。すなわち、シリカ系メソ多孔体を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法あるいは重量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温線を得る。この吸着等温線を用い、Cranston−Inklay法、Pollimore−Heal法、BJH法等の計算法により細孔径分布曲線を求めることができる。
また、本発明に好適なシリカ系メソ多孔体は、細孔径分布曲線における中心細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれることが好ましい。この条件を満たすシリカ系メソ多孔体は、細孔の直径が非常に均一であることを意味する。また、シリカ系メソ多孔体の比表面積については特に制限はないが、700m2/g以上であることが好ましい。比表面積は、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
さらに、本発明に好適なシリカ系メソ多孔体は、そのX線回折パターンにおいて1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有することが好ましい。X線回折ピークはそのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。
また、本発明に好適なシリカ系メソ多孔体が有する細孔は、多孔体の表面のみならず内部にも形成される。かかる多孔体における細孔の配列状態(細孔配列構造又は構造)は特に制限されないが、2d−ヘキサゴナル構造、3d−ヘキサゴナル構造又はキュービック構造であることが好ましい。また、このような細孔配列構造は、ディスオーダの細孔配列構造を有するものであってもよい。
ここで、多孔体がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が六方構造であることを意味する(S.Inagaki,et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,680,1993;S.Inagaki,et al.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,69,1449;1996、Q.Huo,et al.,Science,268,1324,1995参照)。また、多孔体がキュービックの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が立方構造であることを意味する(J.C.Vartuli,et al.,Chem.Mater.,6,2317,1994;Q.Huo,et al.,Nature,368,317,1994参照)。また、多孔体がディスオーダの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が不規則であることを意味する(P.T.Tanev,et al.,Science,267,865,1995;S.A.Bagshaw,et
al.,Science,269,1242,1995;R.Ryoo,et al.,J.Phys.Chem.,100,17718,1996参照)。また、前記キュービック構造は、Pm−3n、Im−3m又はFm−3m対称性であることが好ましい。前記対称性とは、空間群の表記法に基づいて決定されるものである。
本発明に好適なシリカ系メソ多孔体は、平均粒径が0.01〜3μm程度の粉末のまま使用してもよいが、必要に応じて成形して使用してもよい。成形する手段はどのようなものでも良いが、押出成形、打錠成形、転動造粒、圧縮成形、CIPなどが好ましい。その形状は使用態様、方法に応じて決めることができ、たとえば円柱状、破砕状、球状、ハニカム状、凹凸状、波板状等が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる色素含有メソ多孔体は、上述のメソ多孔体の骨格内に前記色素が均一に組み込まれているものである。このようにメソ多孔体の骨格内に組み込まれている色素の含有量は、特に制限されないが、本発明の製造方法によれば十分な量の色素を骨格内に組み込むことができることから色素含有メソ多孔体の2〜30重量%程度であることが好ましい。色素の含有量が前記下限未満では、色素を含有したことによって奏される効果(例えば、光照射の有無による吸着量の差)が十分に奏されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、メソ多孔体の吸着性能が低下して吸着量が不十分となる傾向にある。また、本発明の製造方法によって得られる色素含有メソ多孔体においては色素が骨格内に組み込まれているため、色素の脱離が確実に防止される。
このような本発明の製造方法によって得られる色素含有メソ多孔体においては、そこに吸着する被吸着物質(例えば、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、炭化水素(気体)、ハロメタン等の気体状成分や、水、炭化水素(液体)、ガソリン等の液体状成分)の吸着量が、前記色素に吸収される波長を有する光を照射している場合(以下、「光照射状態」という)とかかる光を照射していない場合(以下、「光照射停止状態」という)とで驚くべきことに相違し、しかも光照射状態と光照射停止状態とを繰り返すことにより吸着量を可逆的にかつ能動的に変化させることができる。したがって、本発明の製造方法によって得られる色素含有メソ多孔体は、水素分離、一酸化炭素分離、二酸化炭素分離、窒素分離、炭化水素分離、ハロメタン等の有害物質の除去、調湿等を達成するシステムに対して有用である。
なお、このように光照射量を変化させることにより吸着量が可逆的に変化する理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、所定の波長を有する光を吸収する色素を含有するメソ多孔体に対してその波長を有する光の照射を開始又は照射量を増加すると、光吸収により励起された分子の基底状態への無輻射遷移或いは可逆的光反応によって色素含有メソ多孔体内部の温度が僅かに上昇し、それによって色素含有メソ多孔体に吸着可能な被吸着物質の量(吸着平衡量)が減少する。一方、かかる光の照射を停止又は照射量を減少すると、色素含有メソ多孔体内部の温度がこのような無輻射遷移や可逆的光反応がない状態の温度に速やかに低下し、それによって色素含有メソ多孔体に吸着可能な被吸着物質の量(吸着平衡量)が増加する。そして、このような光照射による色素含有メソ多孔体の吸着性能の平衡状態の過渡的な変化は、不可逆的ないわゆる光化学反応を伴うものではなく、可逆的ないわゆる物理吸着特性の変化に起因するものであるため、光照射状態と光照射停止状態とを繰り返すことにより吸着量が可逆的に変化するものと本発明者らは推察する。なお、上記の色素含有メソ多孔体内部の温度の上昇は、色素含有メソ多孔体の表面近傍の微小な領域における僅かな温度変化であり、従来の加熱スイングサイクル吸着技術における系全体の温度上昇とは全く別異なものであって、平衡に達する時間、エネルギー的ロス、局所的制御等の点で大きく異なる。また、光照射量の増減による色素の過渡的構造変化成分の量の増減や色素含有メソ多孔体表面の極性変化によっても吸着量が可逆的に変化するものと本発明者らは推察する。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アゾ色素{アルドリッチ社製 Disperse Red 1(DR1)[化合物名:4−(N−2−ヒドロキシエチル−N−エチル)アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン]}とアルコキシシラン{テトラエトキシシラン(TEOS)}との結合体として下記構造式:
Figure 2005171073
で表されるアゾベンゼン骨格を有するアルコキシシラン(DR1UPTEOS)を用いた。そして、DR1UPTEOS0.081gとTEOS0.903gとの混合物{DR1UPTEOS:TEOS=1:30(モル比)}にアセトン0.76g及び0.01規定塩酸0.83gを添加し、室温(約25℃)にて攪拌した。最初はTEOSとアセトンに溶解したDR1UPTEOSが分散していたが、1時間程度の反応で均一な溶液に変化し、3時間程度反応させたところTEOS及びDR1UPTEOSの加水分解及び脱水縮合によるオリゴマー形成に伴う粘性の増加が観察された。
一方、2.02Mの水酸化ナトリウム水溶液0.7mLを蒸留水90mLに混合し、そこにトリメチルステアリルアンモニウムクロライド{〔CH3(CH2)17N(CH3)3〕Cl (C18TMACl)}0.200gを添加して40℃に加熱して溶解せしめた後、室温にて保持した。
次いで、得られたアルカリ性の界面活性剤水溶液に、前記オリゴマー溶液を激しく撹拌しながら滴下したところ、滴下と同時に溶液が赤濁した。室温で更に約2.5時間撹拌した後、桐山ロートを用いてろ過した。ろ液はほぼ無色透明であり、得られた赤色粉末(色素含有メソ多孔体)を水及びアセトンでリンスしたところ、アセトンリンスの際にろ液がほんのわずかにピンク色を呈した。
続いて、得られた色素含有メソ多孔体からテンプレートであるC18TMAClを除去するため、エタノール100mLに濃塩酸2.0gを加えた溶液に上記メソ多孔体を懸濁させ、室温で約7時間撹拌した後、桐山ロートを用いてろ過した。更に、得られた粉末をエタノール、水、アセトンでリンスし、風乾せしめた後、一昼夜真空乾燥して細孔内の界面活性剤が十分に除去された色素含有メソ多孔体を得た。
(実施例2)
DR1UPTEOSとTEOSとの混合物としてDR1UPTEOS0.229gとTEOS0.852gとの混合物{DR1UPTEOS:TEOS=1:10(モル比)}を用いた以外は実施例1と同様にして界面活性剤が十分に除去された色素含有メソ多孔体を得た。
(実施例3)
先ず、アゾ色素{アルドリッチ社製 Disperse Red 19(DR19)[化合物名:4−(N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル))アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン]}と2当量のアルコキシシラン{テトラエトキシシラン(TEOS)}との結合体であるアゾベンゼン骨格を有するアルコキシシラン(DR19TEOS)を以下の反応式:
Figure 2005171073
にしたがって合成した。すなわち、先ず、市販品のDR19を熱アセトンに懸濁させ、熱アセトン可溶部をろ別し、ろ液を濃縮して得られた結晶をエタノールを用いて再結晶化させることによってDR19を精製した。また、熱アセトン不溶部に対しては、熱アセトンによる抽出を繰り返し行った。次に、5.07g(15.3mmol)のDR19を含有しかつ50〜60℃に加熱されたピリジン溶液(30mL)に、9.57g(38.7mmol)の上記反応式に示す3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(ICPTEOS)を含有するピリジン溶液(20mL)を滴下し、50〜60℃に加熱した状態で7時間攪拌した。次いで、反応溶液をTLCにより分析したところ、溶液中にDR19が残存していたため、1.1当量(3.05g)のICPTEOSを含有するピリジン溶液(10mL)を更に加え、更に50〜60℃に加熱した状態で7時間攪拌した。反応後、反応溶液から減圧下でピリジンを留去した後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)により精製し、上記反応式に示すDR19TEOS(6.60g、8.00mmol、収率52%)を得た。なお、得られた化合物が上記反応式に示すDR19TEOSの構造を有していることは、H及び13C NMRスペクトルの測定により確認された。
次いで、DR19TEOS0.12gとTEOS0.90gとの混合物{DR19TEOS:TEOS=1:30(モル比)}にアセトン0.76g及び0.01規定塩酸0.83gを添加し、室温(約25℃)にて攪拌した。最初はTEOSとアセトンに溶解したDR19TEOSが分散していたが、1時間程度の反応で均一な溶液に変化し、3時間程度反応させたところTEOS及びDR19TEOSの加水分解及び脱水縮合によるオリゴマー形成に伴う粘性の増加が観察された。
一方、2.02Mの水酸化ナトリウム水溶液0.7mLを蒸留水90mLに混合し、そこにトリメチルステアリルアンモニウムクロライド{〔CH3(CH2)17N(CH3)3〕Cl (C18TMACl)}0.200gを添加して40℃に加熱して溶解せしめた後、室温にて保持した。
次いで、得られたアルカリ性の界面活性剤水溶液に、前記オリゴマー溶液を激しく撹拌しながら滴下したところ、滴下と同時に溶液が赤濁した。室温で更に約2.5時間撹拌した後、桐山ロートを用いてろ過した。ろ液は無色透明であり、得られた赤色粉末(色素含有メソ多孔体)を水及びアセトンでリンスしたところ、アセトンリンスの際にろ液は透明であった。このようにして、細孔内に界面活性剤が存在する色素含有メソ多孔体を得た。
(実施例4)
DR19TEOSとTEOSとの混合物としてDR19TEOS0.34gとTEOS0.85gとの混合物{DR19TEOS:TEOS=1:10(モル比)}を用いた以外は実施例3と同様にして細孔内に界面活性剤が存在する色素含有メソ多孔体を得た。
(比較例1)
DR1UPTEOSとTEOSとの混合物に代えてTEOS0.933gのみを用いた以外は実施例1と同様にして比較のためのメソ多孔体を得た。なお、界面活性剤水溶液にオリゴマー溶液を滴下した際に溶液は白濁し、得られた粉末は白色粉末であった。
(比較例2)
2Mの水酸化ナトリウム水溶液2mLを蒸留水290mLに混合し、そこにトリメチルステアリルアンモニウムクロライド{〔CH3(CH2)17N(CH3)3〕Cl (C18TMACl)}0.6gを添加して40℃に加熱して溶解せしめた後、室温にて保持した。
次いで、得られたアルカリ性の界面活性剤水溶液に、DR1UPTEOS0.081g、TEOS0.907g{DR1UPTEOS:TEOS=1:30(モル比)}及びアセトン0.25gを撹拌しながら滴下したところ、溶液は赤色になったが滴下された液体が液滴状に分離した状態となり、約10分の攪拌後に溶液が赤濁してきた。室温で更に約2.5時間撹拌した後、桐山ロートを用いてろ過した。ろ液は薄いピンク色であり、得られた赤色粉末(メソ多孔体)を水及びアセトンでリンスしたところ、ろ液は最初のうちは赤色となり、ろ液が無色透明になるまで水及びアセトンによるリンスを繰り返した。このようにして、細孔内に界面活性剤が存在する比較のためのメソ多孔体を得た。
(比較例3)
アルカリ性の界面活性剤水溶液にDR1UPTEOS0.232g、TEOS0.846g{DR1UPTEOS:TEOS=1:10(モル比)}及びアセトン0.5gを撹拌しながら滴下するようにした以外は比較例2と同様にして細孔内に界面活性剤が存在する比較のためのメソ多孔体を得た。
(比較例4)
アルカリ性の界面活性剤水溶液にTEOS0.915gのみを撹拌しながら滴下するようにした以外は比較例2と同様にして細孔内に界面活性剤が存在する比較のためのメソ多孔体を得た。なお、界面活性剤水溶液にTEOSを滴下した際に溶液は約15分の攪拌後に白濁し、得られた粉末は白色粉末であった。
(赤外吸収スペクトル測定)
実施例1〜2で得られたメソ多孔体の赤外(IR)吸収スペクトルを、フーリエ変換赤外分光装置(Nicolet社製:Avatar360)を用いてKBr法にて測定した。実施例1及び実施例2で得られたメソ多孔体の赤外吸収スペクトルを図1(a)及び図1(b)にそれぞれ示す。図1(a)、(b)に示した結果から、実施例1〜2で得られたメソ多孔体はシリカ骨格をベースにしてかつアゾ色素が導入された材料であることが確認された。
また、実施例3〜4で得られたメソ多孔体についても同様に赤外(IR)吸収スペクトルを測定したところ、色素由来の吸収が観測され、実施例3〜4で得られたメソ多孔体も実施例1〜2で得られたメソ多孔体と同様にシリカ骨格をベースにしてかつアゾ色素が導入された材料であることが確認された。
一方、比較例2〜3で得られたメソ多孔体についても同様に赤外(IR)吸収スペクトルを測定したところ、色素由来の吸収はほとんど観測されず、比較例2〜3で得られたメソ多孔体は実施例1〜4で得られたメソ多孔体に比べて少量の色素しか導入されていないことが確認された。
(X線回折測定)
実施例1〜2及び比較例1で得られたメソ多孔体のX線回折(XRD)パターンを、X線回折装置(Rigaku社製:RINT-TTR)を用いて測定した。比較例1、実施例1及び実施例2で得られたメソ多孔体のX線回折パターンを図2(a)、図2(b)及び図2(c)にそれぞれ示す。図2(a)、(b)、(c)に示した結果から、実施例1〜2及び比較例1で得られたメソ多孔体には回折ピークが存在し、周期構造を持った材料であることが確認された。また、指数付けから2次元ヘキサゴナル構造であると推察される。
また、実施例3〜4で得られたメソ多孔体についても同様にX線回折(XRD)パターンを測定した。比較例1、実施例3及び実施例4で得られたメソ多孔体のX線回折パターンを図3に示す。図3に示した結果から、実施例3〜4及び比較例1で得られたメソ多孔体には回折ピークが存在し、周期構造を持った材料であることが確認された。また、指数付けから2次元ヘキサゴナル構造であると推察される。
さらに、比較例2〜3で得られたメソ多孔体についても同様にX線回折(XRD)パターンを測定したところ、比較例2〜3で得られたメソ多孔体にも回折ピークが存在し、周期構造を持った材料であることが確認された。また、指数付けから2次元ヘキサゴナル構造であると推察される。
(窒素の等温吸着測定)
実施例1〜2及び比較例1で得られたメソ多孔体について、窒素の等温吸着測定を全自動ガス吸着量測定装置(ユアサアイオニクス社製:オートソーブ1-AG)を用いて77Kで実施した。得られた窒素の等温吸着曲線を図4に示す。
吸着時、脱着時の等温線はいづれのメソ多孔体においても同じ曲線上にあり、ヒステリシスは観測されなかった。これより、可逆的な物理吸着が生じていることが確認された。また、いずれのメソ多孔体においてもP/Pが0.3程度でメソ孔に特徴的な急激な吸着量の立ち上がりを示しており、良好なシリカ系メソ多孔体であることが確認された。
(比表面積)
実施例1〜2及び比較例1で得られたメソ多孔体について、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法により比表面積を求めたところ、いずれのメソ多孔体においても500〜750m/g程度であった。
(孔径分布)
実施例1〜2で得られたメソ多孔体について、ケルビン式を元にしたBJH(Barrett-Joyner-Halenda)法を用いて吸着曲線より細孔分布曲線を求めた。実施例1及び実施例2で得られたメソ多孔体の孔径分布を図5(a)及び図5(b)にそれぞれ示す。図5(a)、(b)に示した結果から、実施例1〜2で得られたメソ多孔体の細孔径は2nmを中心にそろっていることが確認された。
(ベンゼンの吸着量に関する光照射吸着試験)
図6に示す蒸気吸着測定装置(日本ベル社製:BELSORP-18)にハロゲンランプ光源(HOYASHOT HL100E)及び光照射用のコールドライトガイド(駿河精機社製:VFGS)を取りつけ、実施例1〜2及び比較例1で得られたメソ多孔体を用いて以下に示すベンゼンの吸着量に関する光照射吸着試験を行った。なお、10mgのメソ多孔体1が容量17mLのガラス製処理容器2の内部に配置されており、コールドライト3から最大390mW(ガイド出口)の照射光パワーで波長380〜780nmの可視光を中心とした照射光Lがメソ多孔体1に照射された。また、処理容器2及びコールドライト3の光照射部31はステンレス製の25℃の恒温水槽(遮光容器)4の内部に配置されており、処理容器2には弁10を介して容量43mLのガラス製予備室(配管)11が接続されている。更に、予備室11には、弁12を介して内部にベンゼン13が貯められている容器14と、弁15を介してポンプ16と、圧力計17とが接続されている。
先ず、系全体を十分に脱気した後、予備室11内に所定初期圧力(圧力:9Torr)のベンゼン蒸気を導入した。続いて、弁12及び弁15を閉じた後に弁10を開けてベンゼン蒸気を処理容器2内に導入し、光Lを照射しない状態でメソ多孔体1に対するベンゼンの吸着量が平衡状態になるまで放置した。次に、ベンゼンの吸着量が十分に平衡状態になったところで光Lの照射を開始し、更に所定時間経過後に光Lの照射を停止してその間の処理容器2内の圧力変化を計測した。
実施例1〜2で得られたメソ多孔体を用いた場合の結果、すなわち光照射によって変化する圧力変化の様子を図7に模式的に示した。いずれのメソ多孔体を用いた場合も、平衡状態に到達した後に光照射を開始すると、図7に示したように圧力が上昇し、30秒から1分程度で上昇は停止して光照射状態での圧力は一定となった(図7:ON状態)。次いで、光照射を停止すると、再び圧力は低下しはじめ、やはり30秒から1分程度で最初の平衡状態に戻った(図7:OFF状態)。この現象は、光照射の開始と停止を繰り返し行っても(一度脱着させてから再度行っても)同様に再現した。なお、圧力上昇はメソ多孔体内部に吸着したベンゼンが外部に放出されたことにより起こっており、他方、光照射を停止するともとの平衡状態に戻ることは再びベンゼンがメソ多孔体内部に吸着されたことを示す。このような現象が生じたことから、光照射によってメソ多孔体の吸着特性が可逆的に変化し、光照射によって吸脱着を能動的に制御できることが確認された。
なお、このような現象は実施例1〜2で得られたメソ多孔体では認められたが、比較例1で得られたメソ多孔体では認められなかったことから、色素による光吸収が本現象に重要な役割を果たしていることが確認された。
次に、実施例1〜2で得られたメソ多孔体を用いて、最初の平衡圧が異なる状態で光照射吸着試験を行った。なお、最初の平衡圧を以下の3パターン、(i)吸着等温線における最初の吸着量の立ちあがり部分の圧力(数Torr)、(ii)一旦相対圧に対する吸着量が略平坦になる少し手前の圧力(十数Torr)、(iii)その平坦部分の圧力(50〜60Torr)、として試験を行った。また、光照射パワーも同時に変化させてその挙動の違いについても比較した。得られた結果を図8に示す。
図8に示した結果の比較から、実施例2で得られたメソ多孔体の方がどの条件でも平衡状態の変化が大きいことが確認された。すなわち、導入した色素の量が多い方が、光照射による吸着量の変化量が多く、色素濃度に比例して吸着量の変化が大きい現象が確認された。そして、実施例2で得られたメソ多孔体を用いた場合、光照射により最大で約36%のベンゼンを光照射により外部に放出させ、更に光照射停止後に再び内部に同量のベンゼンを再吸着させることができた。
また、光照射パワーに対する依存性を比較すると、パワーの増大により変化量が増大していく傾向があり、その依存性は実施例2で得られたメソ多孔体の方がより顕著であることが確認された。
なお、最初の平衡圧が数Torrと十数Torrの違いによる差は実施例1、2で得られたいずれのメソ多孔体においても確認されなかったが、最初の平衡圧が50〜60Torrの場合は逆に変化量がいずれのメソ多孔体においても低下していた。
また、弁10を開けてベンゼン蒸気を処理容器2内に導入した際に、光Lを照射した状態でメソ多孔体1に対するベンゼンの吸着量が平衡状態になるまでの圧力変化を測定したところ、予備室11内の初期圧力が35Torr以下の場合は、光照射状態の方が光照射停止状態より平衡状態に到達するまでの吸着速度が速くなる現象が確認された。他方、予備室11内の初期圧力が飽和蒸気圧(95.1Torr@25℃)に近い90Torr程度の場合は、吸着速度に違いは見られなかった。
(比較例5)
特開2002−062477号公報に記載されている合成例1[多孔質粒子の作製]と同じ製造方法で比較のためのメソ多孔体(ベンゼンをシリカ骨格に有した有機−無機ハイブリッド型シリカ系メソ多孔体)を得た。得られたメソ多孔体について前記と同様にベンゼンの吸着量に関する光照射吸着試験を行ったところ、光照射による吸着量の変化は確認されなかった。
以上説明したように、本発明の色素含有メソ多孔体の製造方法によれば、十分な量の色素が均一に骨格内に組み込まれているメソ多孔体を製造することが可能となる。そして、このような本発明の製造方法により得られる色素含有メソ多孔体によれば、光照射という汎用性の高い手法によりメソ多孔体に吸着する物質の吸着量を可逆的にかつ能動的に変化させることが可能となる。
また、本発明の製造方法によって得られる色素含有メソ多孔体は、色素としていわゆる機能性色素を用いることにより、光学特性の変化を利用したデバイス、光記録材料、センサーといった用途や、発光特性を利用したディスプレー、光増幅材料といった用途等に有用であり、更にこのような光機能と触媒機能とを組み合わせた分野における利用にも有効である。
特に、本発明の製造方法によって得られる色素含有メソ多孔体において色素としてアゾ色素を用いることにより、アゾ色素の機能がメソ多孔体により増強され、光変形性の向上や光固定性の高密度化等が可能となる。
図1(a)及び図1(b)はそれぞれ、実施例1及び実施例2で得られたメソ多孔体の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。 図2(a)、図2(b)及び図2(c)はそれぞれ、比較例1、実施例1及び実施例2で得られたメソ多孔体のX線回折パターンを示すグラフである。 比較例1、実施例3及び実施例4で得られたメソ多孔体のX線回折パターンを示すグラフである。 実施例1〜2及び比較例1で得られたメソ多孔体の窒素の等温吸着曲線をに示すグラフである。 図5(a)及び図5(b)はそれぞれ、実施例1及び実施例2で得られたメソ多孔体の孔径分布を示すグラフである。 ベンゼンの吸着量に関する光照射吸着試験に用いた蒸気吸着測定装置の構成を示す模式図である。 実施例1〜2で得られたメソ多孔体を用いた場合の光照射によって変化する圧力変化の様子を示す模式的グラフである。 実施例1〜2で得られたメソ多孔体を用いたベンゼンの吸着量に関する光照射吸着試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1…メソ多孔体、2…ガラス製処理容器、3…コールドライト、31…光照射部、4…恒温水槽(遮光容器)、10…弁、11…ガラス製予備室(配管)、12…弁、13…ベンゼン、14…容器、15…弁、16…ポンプ、17…圧力計、L…照射光。

Claims (4)

  1. 金属アルコキシドと色素との結合体及び金属アルコキシドを含有する酸性溶液中で、前記結合体及び前記金属アルコキシドを縮合反応せしめて金属アルコキシドオリゴマーを形成せしめる第一の工程と、
    前記金属アルコキシドオリゴマー及び界面活性剤を含有するアルカリ性溶液中で、前記金属アルコキシドオリゴマー中に前記界面活性剤が導入された複合体を形成せしめると共に該金属アルコキシドオリゴマーを縮合反応せしめて色素を含有するメソ多孔体を得る第二の工程と、
    を含むことを特徴とする色素含有メソ多孔体の製造方法。
  2. 前記金属アルコキシドがアルコキシシランであり、前記金属アルコキシドオリゴマーがアルコキシシランオリゴマーであり、前記メソ多孔体がシリカ系メソ多孔体であることを特徴とする請求項1記載の色素含有メソ多孔体の製造方法。
  3. 前記色素含有メソ多孔体に含まれる界面活性剤を除去する第三の工程を更に含むことを特徴とする請求項1又は2記載の色素含有メソ多孔体の製造方法。
  4. 前記第一の工程において、前記酸性溶液として酸と水と有機溶媒との酸性混合溶媒を用いることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の色素含有メソ多孔体の製造方法。
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