JPH05178995A - 有機無機複合着色微粒子 - Google Patents

有機無機複合着色微粒子

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JPH05178995A
JPH05178995A JP34624591A JP34624591A JPH05178995A JP H05178995 A JPH05178995 A JP H05178995A JP 34624591 A JP34624591 A JP 34624591A JP 34624591 A JP34624591 A JP 34624591A JP H05178995 A JPH05178995 A JP H05178995A
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group
parts
dye
organic
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JP34624591A
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Kouji Mizohata
浩司 溝畠
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭素原子数1〜5のアルコキシ基を有するト
リアルコキシシリル基含有色素と、炭素原子数1〜5の
アルコキシ基を有する金属アルコキシドとを共加水分解
させることにより得られる有機無機複合着色微粒子であ
って、5μ以下の一次粒子の平均粒径を有する有機無機
複合着色微粒子。 【効果】 製品用着色材として用いるのに充分に小さい
粒子寸法を有する色相安定性に優れた着色微粒子が提供
された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は着色微粒子に関し、特
に、塗料、インキ、トナー、合成樹脂および化粧品分野
などで着色材として好適に使用可能な有機無機複合着色
微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】金属アルコキシドを加水分解することに
より酸化物微粒子を合成する方法はよく知られている。
例えば、特開平1-138114号公報には、ケイ素アルコキシ
ドと、酸化チタン、カーボンブラックおよび赤色2号の
ような有機もしくは無機着色材料との混合液を、希釈ア
ンモニア水に滴下することにより着色微粒子を得る方法
が開示されている。
【0003】ここに開示される方法では、酸化ケイ素微
粒子が形成される際に、溶解もしくは分散状態で周囲に
存在する有機もしくは無機着色材料が微粒子内部へ取り
込まれることにより微粒子の着色が生じる。したがっ
て、微粒子形成工程における微粒子の着色性は、例え
ば、用いる有機もしくは無機着色材料と金属アルコキシ
ドとの親和性のような個々の材料の特性に依存して著し
く変化する。したがって、このような方法では微粒子の
着色の制御が困難である。
【0004】その結果、このような微粒子形成方法では
着色材料不足による微粒子の着色不良の問題および微粒
子中に取り込みきれない過剰の着色材料の問題が生じ易
い。着色材料が過剰となる場合は、それらを分離する工
程が新たに必要となる等の不都合も生じる。
【0005】また、上記の方法で得られる球状の微粒子
は10μ程度以上の粒径を有する。このような大粒径の微
粒子を塗料、インキ、トナー、合成樹脂および化粧品の
ような製品用着色材として用いると、得られる製品の色
の透明性や鮮明性に難点が生じ得る。さらに、上記の方
法で得られる微粒子においては、粒子内部へ取り込まれ
た着色材料は物理的作用により微粒子内部に保持される
にすぎないので、形成された微粒子は色相安定性に劣
る。
【0006】一般に、着色微粒子の色相安定性は、形成
される微粒子寸法が低減するにしたがって顕著に低減す
る。したがって、上記の方法では製品用着色材として用
いるのに充分に小さい粒子寸法(例えば、5μm以下)を
有する色相安定性に優れた着色微粒子は得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、製
品用着色材として用いるのに充分に小さい粒子寸法を有
する色相安定性に優れた着色微粒子を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素原子数1
〜5のアルコキシ基を有するトリアルコキシシリル基含
有色素と、炭素原子数1〜5のアルコキシ基を有する金
属アルコキシドとを共加水分解させることにより得られ
る有機無機複合着色微粒子であって、5μ以下の一次粒
子の平均粒径を有する有機無機複合着色微粒子を提供す
るものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】本発明で用い得るトリアルコキシシリル基
含有色素は、金属アルコキシドと共加水分解可能なトリ
アルコキシシリル基を有する色素であれば特に限定され
ない。このようなトリアルコキシシリル基含有色素は公
知である。例えば、特開昭54-148820号公報には、アミ
ノ基を有するアゾ染料とエポキシ基含有シランカップリ
ング剤による反応性染料が開示されている。また、特開
昭59-49261、同59-179565、同60-101151、同60-10115
3、同60-108468および同60-152568号公報では、各種の
色素化合物とアミノ基含有シランカップリング剤との反
応により得られる各種構造のトリアルコキシシリル基含
有色素が開示されている。
【0010】また、反応性基を有するシランカップリン
グ剤と色素化合物とを反応させて形成されるその他のト
リアルコキシシリル基含有色素も本発明に用い得る。例
えば、イソシアネート基を有するシランカップリング剤
とアミノ基や水酸基のような活性水素基を含有する色素
とを反応させることにより形成されるトリアルコキシシ
リル基含有色素は、穏和な反応条件で合成できるので特
に好ましい。
【0011】さらに、例えば、特開昭53-134095号公報
に記載の反応経路により色素分子にオレフィン性二重結
合基を導入し、その後、これをヒドロシリル化反応させ
ることにより形成されるトリアルコキシシリル基含有色
素も本発明に用い得る。
【0012】本発明では、微粒子調製工程の便宜から、
これらのトリアルコキシシリル基含有染料の中でも有機
溶媒可溶性のトリアルコキシシリル基含有色素が好まし
い。一般に、トリアルコキシシリル基のアルキル基が大
きくなると加水分解反応性が低下する。したがって、本
発明に用いるトリアルコキシシリル基含有色素としては
炭素原子数1〜5のアルコキシ基を有するトリアルコキ
シシリル基含有色素が特に好ましい。アルコキシ基の炭
素原子数が5を上回ると反応時間が長くなり、微粒子の
収率が低下する。
【0013】トリアルコキシシリル基含有色素分子の発
色部分の構造は、金属アルコキシドとの加水分解縮合反
応に影響を与え得るイオン性官能基(例えば、スルホニ
ル基など)を有さず、トリアルコキシシリル基含有色素
が有機溶媒に可溶性であれば特に限定されない。しかし
ながら、色相の豊富さや色彩安定性などの観点からアゾ
系およびまたはアントラキノン系の構造が好ましい。
【0014】したがって、本発明に用いるトリアルコキ
シシリル基含有色素は、アントラキノン核を有するトリ
アルコキシシリル含有色素およびアゾ基を有するトリア
ルコキシシリル基含有色素からなる群から選択される少
なくとも一種であることが特に好ましい。
【0015】本発明で好適に用い得るトリアルコキシシ
リル基含有色素の具体例には、式
【0016】
【化1】
【0017】または、式
【0018】
【化2】
【0019】で示される構造のアゾ系色素;式
【0020】
【化3】
【0021】または、式
【0022】
【化4】
【0023】で示される構造のアントラキノン系色素;
【0024】
【化5】
【0025】で示される構造の色素;および式
【0026】
【化6】
【0027】で示される構造の色素;からなる群から選
択される色素が挙げられる。また、2種以上の色相の異
なるトリアルコキシシリル含有色素を用いれば、種々の
色調の微粒子を容易に得ることができる。
【0028】本発明に用い得る金属アルコキシドは、上
記トリアルコキシシリル基含有色素と共加水分解し得る
一般式M(OR)nで表される化合物である。ここで、金属
(M)の例としては、Si、Ti、Zr、Zn、AlおよびSnが挙げ
られる。入手の容易さやコスト等を考慮するとSi、Ti、
Zr、ZnおよびAlのような金属(M)を含有する金属アルコ
キシドが特に好ましい。
【0029】また、微粒子調製工程の便宜から、このよ
うな金属アルコキシドは有機溶媒可溶性であることが望
ましい。一般に、金属アルコキシドのアルキル基が大き
くなると加水分解反応性が低下する。したがって、本発
明に用いる金属アルコキシドとしては炭素原子数1〜5
のアルコキシ基を有する金属アルコキシドが特に好まし
い。アルコキシ基の炭素原子数が5を上回ると反応時間
が長くなり、微粒子の収率が低下する。
【0030】nは用いられる金属の原子価に依存して決
定される整数である。一般に、nは1〜8の範囲の整数
である。
【0031】金属とアルコキシ基の組合せは加水分解速
度や縮合反応に応じて自由に選択することができ、また
必要に応じて2種以上の金属アルコキシドを組み合わせ
て使用し得る。
【0032】本発明で好適に用い得る金属アルコキシド
の具体的例としては、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラエトキシチタン、テトラn-ブトキ
シジルコンおよびトリイソプロポキシアルミニウムが挙
げられる。
【0033】本発明では、少なくとも1種の上述のトリ
アルコキシシリル基含有色素と、少なくとも1種の金属
アルコキシドとを、アンモニウムイオン触媒の存在下
で、加水分解当量を超える水を含む有機溶液中に添加
し、共加水分解させることにより、有機無機複合着色微
粒子が得られる。
【0034】ここで用いられる「有機溶液」という用語
は、水とアンモニウムイオンとが溶解もしくはミセルと
して均一に分散された有機溶媒溶液を指していう。有機
溶液に用い得る有機溶媒の具体的な例としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
n-ブタノール、t-ブタノール、エチレングリコールおよ
びプロピレングリコールのようなアルコール、アセトン
およびメチルエチルケトンのようなケトン、酢酸エチル
のようなエステル、イソオクタンおよびシクロヘキサン
のような(シクロ)パラフィン、ジエチルエーテルおよび
ジオキサンのようなエーテル、ベンゼンおよびトルエン
のような芳香族化合物、およびこれらの組み合せが挙げ
られる。水およびアンモニアと相溶しない有機溶媒の場
合には、界面活性剤を添加することにより均一なミセル
としてもよい。
【0035】トリアルコキシシリル基含有色素は、共加
水分解する金属アルコキシドの金属核1モルに対して0.
4モル以下、さらに好ましくは0.2モル以下の量で用いら
れる。0.4モルを上回る量では微粒子状生成物が得られ
難く、樹脂状の生成物となり得る。添加量の下限は特に
制限されず、色素の着色力と希望する粒子の色調の濃淡
によって適宜選択される。
【0036】本発明の着色微粒子を調製するための共加
水分解工程においては、有機溶液に含有されるトリアル
コキシシリル基含有色素のモル量と金属アルコキシドの
モル量との合計が2モル/l以下であることが好ましい。
有機溶液に含有されるトリアルコキシシリル基含有色素
のモル量と金属アルコキシドのモル量との合計が2モル
/lを上回ると、得られる微粒子が凝集し易くなる。
【0037】上記共加水分解工程において有機溶液中に
存在させる水の量は、金属アルコキシドおよびトリアル
コキシシリル基含有色素の両方に含有される全てのアル
コキシ基を加水分解して完全に縮合させるために必要な
水の理論量を上回る必要がある。通常は、2モルのアル
コキシ基を共加水分解して縮合させるためには1モルの
水が必要とされる。したがって、有機溶液中に含有され
る水の量は、反応に用いられる金属アルコキシドおよび
トリアルコキシシリル基含有色素の両方に含有される全
てのアルコキシ基のモル量の1/2(以下、この量を「加水
分解当量」と称する)を上回るモル量である。
【0038】本発明の共加水分解工程においては、一般
に、トリアルコキシシリル基含有色素中のアルコキシシ
リル基のモル量と金属アルコキシドのモル量との合計を
基準として2〜1000倍のモル量であって、加水分解当量
を超える量の水を有機溶液中に含有させることが好まし
い。有機溶液に含有される水の量が加水分解当量以下で
ある場合は微粒子状反応物が得られない場合が生じる。
有機溶液に含有される水の量がトリアルコキシシリル基
含有色素中のアルコキシシリル基のモル量と金属アルコ
キシドのモル量との合計を基準として1000倍を上回るモ
ル量の場合は、加水分解生成物の縮合による粒子の析出
が阻害され、着色粒子の収量が低下する場合が生じる。
【0039】共加水分解反応で触媒として機能するアン
モニウムイオンは、アンモニアガスを有機溶液に吸収さ
せる方法またはアンモニア水を有機溶液に添加する方法
により有機溶液中に存在させることができる。また、有
機溶液中でアンモニウムイオンを発生しうる化合物を添
加してもよい。
【0040】このようなアンモニウムイオンの量は、反
応させる金属アルコキシドのモル量とトリアルコキシシ
リル基含有色素のモル量との合計を基準にして1〜100
倍のモル量であることが好ましい。有機溶液に含有され
るアンモニウムイオンの量が金属アルコキシドのモル量
とトリアルコキシシリル基含有色素のモル量との合計を
基準にして1倍のモル量を下回ると微粒子状反応物が得
られない場合が生じ、100倍のモル量を上回ると加水分
解生成物の縮合による粒子の析出が阻害され、着色粒子
の収量が低下する場合が生じる。
【0041】一般に、微粒子を着色材として用いる場合
は、粒径が小さいほど着色力や色相の鮮明さに有利であ
る。したがって、本発明の微粒子は粒径5μ以下である
ことが好ましく、特に着色材として透明性が要求される
場合には、粒径0.2μ以下であることが好ましい。
【0042】着色微粒子の形状、粒子寸法および分散状
態は有機溶液中に存在する水およびアンモニウムイオン
の量に依存して変化する。したがって、着色材として好
適に使用可能な粒径5μm以下の着色微粒子を得るため
には、水およびアンモニウムイオンの量を上述の範囲内
で適宜調節する必要がある。
【0043】粒径5μm以下の着色微粒子を得るために
好適な有機溶液中に存在する水およびアンモニウムイオ
ンの量は金属アルコキシドやトリアルコキシシリル基含
有色素の構造、添加量などに依存して変化する。
【0044】本発明の着色微粒子を製造する好ましい実
施態様では、トリアルコキシシリル基含有色素と金属ア
ルコキシドとを適当な有機溶媒中に加えて均一溶液(分
散液)とし、この溶液が上記有機溶液に添加される。こ
のような添加と同時もしくは添加後に、例えば、0〜10
0℃の範囲、好ましくは0〜70℃の範囲で30分〜100時
間、有機溶液を撹拌することにより共加水分解反応が行
われる。生成した着色微粒子は適宜濃縮、分離、洗浄、
乾燥して単離できる。撹拌、混合方法や単離方法など具
体的な製法については当業者に周知の全ての方法を用い
ることが可能である。このような操作により着色および
粒径が均一で色相安定性に優れる微粒子が得られる。
【0045】他の好ましい実施態様では、まず、トリア
ルコキシシリル基含有色素と金属アルコキシドとの均一
な有機溶媒溶液(分散液)に加水分解当量を下回るの量の
水を加えて部分的に加水分解させる。次いで、得られる
溶液を上記有機溶液に添加することにより着色微粒子が
得られる。
【0046】また、上記の共加水分解反応によって微粒
子を得る第一工程の後に、触媒の存在下でこの微粒子を
核として用いて、金属アルコキシドおよびトリアルコキ
シシリル基含有色素とさらに反応させることにより、第
一工程で得られた核微粒子を成長させることも可能であ
る。この微粒子成長工程を複数回繰り返すこともでき
る。
【0047】上記微粒子成長工程において所望の場合
は、金属アルコキシドのみを用いて成長反応を行うこと
により核微粒子表面上に金属酸化物層が形成される。こ
の操作により、着色微粒子の色相安定性を増大させるこ
とが可能である。
【0048】このように、粒子内部に色素構造が結合、
固定化された色相安定性に優れる着色微粒子を形成する
ためには、金属アルコキシドの全部または一部とトリア
ルコキシシリル基含有色素を共加水分解させることが必
要である。
【0049】他方、金属アルコキシドを単独で加水分解
することにより金属酸化物微粒子を形成した後に、トリ
アルコキシシリル基含有色素を添加して反応させる方法
では本発明の着色微粒子は得られない。このような操作
により得られる着色微粒子は無色の金属酸化物微粒子の
表面に色素層が形成された2層構造となる。このよう
な、堅牢な無機微粒子を柔らかい有機色素層で覆う構造
の着色微粒子は着色安定性および色相安定性に劣る。ま
た、このような着色微粒子を色材として使用する場合の
特性(例えば、分散性)は、微粒子表面を覆う着色層の特
性に著しく依存するので好ましくない。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。特にことわ
らない限り部は重量基準である。
【0051】
【実施例1】1,8-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)ア
ントラキノン0.98部とγ-イソシアナトプロピルトリメ
トキシシラン(信越化学株式会社製:KBM-9007)1.85部と
トリエチルアミン0.05部とメチルエチルケトン50部とか
らなる混合物を6時間加熱還流させることにより反応を
行った。次いで、減圧下で溶剤および低沸点物を除去し
てトリメトキシシリル基含有色素を得た。
【0052】この色素0.71部とテトラエトキシシラン1.
79部とを、アセトン10部に混合し、28%アンモニア水1
1.62部と水3.69部とエタノール72.19部とからなる有機
溶液中に添加した。この場合、色素とテトラエトキシシ
ランとのモル比は1/9である。20℃で6時間撹拌した
後、形成した微粒子を遠心分離し、洗液が着色しなくな
るまでエタノール洗浄を繰り返した。ついで、減圧下70
℃にて5時間乾燥させ、濃赤色の着色微粒子を得た。電
子顕微鏡での観察によるこの微粒子の平均粒径は約0.2
μであった。
【0053】
【実施例2】4-アミノアゾベンゼン3.94部とγ-グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社
製:KBM403)5.18部とを180℃で6時間加熱することによ
り反応させた。ついで、減圧下で低沸点物を除去してト
リメトキシシリル基含有色素を得た。
【0054】この色素4.16部とテトラメトキシシラン5.
84部とを、アセトン20部とメタノール20部とに混合し、
28%アンモニア水5.82部と水0.12部とメタノール44.05
部とからなる有機溶液中に添加した。この場合、色素と
テトラメトキシシランとのモル比は2/8である。10℃
で10時間撹拌した後、実施例1と同様にして濃黄色の着
色微粒子を得た。電子顕微鏡での観察によるこの微粒子
の粒径は、約0.5μであった。
【0055】
【実施例3】塩化テレフタリル5.8部とニトロベンゼン5
0部とを混合し、60℃に保持したまま1-アミノアントラ
キノン5部を加えた。30分後、混合物を115℃で6時間
加熱した。得られた生成物を60℃で濾過し、まずアセト
ンで、ついでジメチルホルムアミド:アセトンの1:1
混合溶液で順次洗浄し、再びアセトンで洗浄することに
より1-テレフタロイルアミノアントラキノン塩化物を得
た。この塩化物5.7部とγ-アミノプロピルトリエトキシ
シラン(信越化学株式会社製:KBE903)2.4部とトリエチ
ルアミン4部とトルエン50部とからなる混合物を80℃で
2時間加熱し、次いで3時間加熱還流した。不溶物を濾
別してトルエンで洗浄した後、濾液と洗液から減圧下で
溶剤と低沸点物を除去してトリエトキシシリル基含有色
素を得た。
【0056】この色素0.86部とテトラブトキシシラン4.
32部とをブタノール10部に混合し、28%アンモニア水4.
54部と水2.11部とブタノール66.65部とからなる有機溶
液中に添加して20℃で4時間撹拌した。得られた着色微
粒子懸濁液にアンモニア水4.57部と水2.13部を添加し、
次いでテトラブトキシシラン4.82部を添加した。この場
合、色素とテトラメトキシシランとの最終モル比は5/9
5である。20℃で4時間撹拌した後、実施例1と同様に
して黄色の着色微粒子を得た。電子顕微鏡での観察によ
るこの微粒子の粒径は、約3.5μであった。
【0057】
【実施例4】1,8-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)ア
ントラキノンの代わりに1,4-ビス(β-ヒドロキシエチル
アミノ)アントラキノンを同量部用いること以外は実施
例1と同様にしてトリメトキシシリル基含有色素を得
た。
【0058】この色素0.34部とテトライソプロポキシチ
タン1.16部とをトルエン50部に混合し、28%アンモニア
水13.82部と水67.89部とトルエン328.9部と非イオン性
界面活性剤(花王株式会社製:エマルゲン906)37.89部と
からなる有機溶液に添加した。この場合、色素とテトラ
イソプロポキシチタンとのモル比は1/9である。20℃
で72時間撹拌した後、実施例1と同様にして濃青色の微
粒子を得た。電子顕微鏡での観察によるこの微粒子の粒
径は0.02〜0.05μであった。
【0059】
【比較例1】1,8-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)ア
ントラキノンをγ-イソシアナトプロピルトリメトキシ
シランと反応させないこと以外は実施例1と同様にして
微粒子を形成させた。形成した微粒子をエタノール洗浄
したところ色が落ちて僅かに赤色味を帯びた微粒子が得
られた。電子顕微鏡での観察によるこの微粒子の平均粒
径は約0.3μであった。
【0060】
【比較例2】実施例2で調製したトリメトキシシリル基
含有色素7.4部をテトラメトキシシラン2.6部、アセトン
20部およびメタノール20部と混合し、28%アンモニア水
4.15部と水0.09部とメタノール45.77部とからなる有機
溶液中に添加した。この場合、色素とテトラメトキシシ
ランとのモル比は5/5である。実施例2と同様にして
加水分解し、遠心分離、洗浄、減圧乾燥させたところ濃
黄色の樹脂様の固形物が得られて、微粒子は得られなか
った。
【0061】
【発明の効果】製品用着色材として用いるのに充分に小
さい粒子寸法を有する色相安定性に優れた着色微粒子が
提供された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素原子数1〜5のアルコキシ基を有す
    るトリアルコキシシリル基含有色素と、炭素原子数1〜
    5のアルコキシ基を有する金属アルコキシドとを共加水
    分解させることにより得られる有機無機複合着色微粒子
    であって、5μ以下の一次粒子の平均粒径を有する有機
    無機複合着色微粒子。
  2. 【請求項2】 前記金属アルコキシドがケイ素、チタ
    ン、ジルコニウムもしくはアルミニウムのアルコキシド
    からなる群から選択される少なくとも一種である、請求
    項1記載の有機無機複合着色微粒子。
  3. 【請求項3】 前記トリアルコキシシリル基含有色素が
    アントラキノン核を有するトリアルコキシシリル基含有
    色素およびアゾ基を有するトリアルコキシシリル基含有
    色素からなる群から選択される少なくとも一種である、
    請求項1記載の有機無機複合着色微粒子。
JP34624591A 1991-12-27 1991-12-27 有機無機複合着色微粒子 Pending JPH05178995A (ja)

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