JP2001294769A - 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物 - Google Patents

顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001294769A
JP2001294769A JP2000114997A JP2000114997A JP2001294769A JP 2001294769 A JP2001294769 A JP 2001294769A JP 2000114997 A JP2000114997 A JP 2000114997A JP 2000114997 A JP2000114997 A JP 2000114997A JP 2001294769 A JP2001294769 A JP 2001294769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
coupling agent
silane coupling
sulfonic acid
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000114997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4645865B2 (ja
Inventor
Hidehiro Otake
英弘 大竹
Seiji Funakura
省二 船倉
Fukue Go
富久恵 郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2000114997A priority Critical patent/JP4645865B2/ja
Publication of JP2001294769A publication Critical patent/JP2001294769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4645865B2 publication Critical patent/JP4645865B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランカップリング剤処理された有機顔料を
そのまま顔料として用いた場合に比べて、流動性、混色
安定性、貯蔵安定性がいずれも良好な顔料組成物を提供
する。 【解決手段】 シランカップリング剤処理された有機顔
料のスルホン酸誘導体からなる顔料添加剤。シランカッ
プリング剤処理された有機顔料のスルホン酸誘導体と、
有機顔料とを含有してなる顔料組成物。前記顔料組成物
と液状樹脂とを含む塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料添加剤、顔料
組成物及び塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】有機顔料は、一般に、無処理の状態では
塗料、インキ等で使用する場合に分散性、流動性、光
沢、鮮明性、経時安定性等が悪い。そのために、イン
キ、塗料等の色材分野において使用する有機顔料は、分
散性、流動性、光沢、鮮明性、経時安定性等の適性を付
与するために、表面処理を施した顔料を用いることが一
般的である。
【0003】従来、この顔料の表面処理に使用する処理
剤としては、たとえば、「ピグメント・ハンドブック
(PIGMENT HANDBOOK)」第3巻157
〜167頁(1973年発行)記載のロジン、ロジン誘
導体、顔料誘導体、合成樹脂が開示されており、その表
面処理方法としては、ロジンにおいては、アルカリ金属
塩として水に溶解させ、これを顔料の水性スラリー中に
添加し、その後不溶性のフリーの酸または金属塩として
顔料表面に析出させる方法、ロジン誘導体、合成樹脂に
おいては、その水性分散体を顔料の水性スラリー中に添
加する方法が開示されている。
【0004】また、特公平2−44336号公報では、
有機顔料と無機顔料をシランカップリング剤を介して複
合顔料化し、着色力、分散性、混色安定性を改良する方
法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シラン
カップリング剤処理された有機顔料だけをそのまま顔料
として用いると、例えばそれから得られたた塗料は、塗
料としての流動性、混色安定性、貯蔵安定性がいずれも
不十分であるという欠点があった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、例えば
塗料を製造する際の分散樹脂に対する選択性が少なく、
つまり、アルキド樹脂、アクリル樹脂等、多種類の分散
樹脂に対して良好な分散性を示し、得られた塗料は、流
動性、混色安定性、着色力、経時安定性等に優れた特性
を有する、顔料添加剤、顔料組成物及びこれらの顔料組
成物を使用して得られる塗料用樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、シランカップリン
グ剤未処理の有機顔料に、シランカップリング剤処理さ
れた有機顔料スルホン酸誘導体を顔料添加剤として添加
した顔料組成物は、シランカップリング剤処理された有
機顔料をそのまま顔料として用いた場合に比べて、流動
性、混色安定性、貯蔵安定性がいずれも良好となること
を見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】また、シランカップリング剤未処理の有機
顔料に、シランカップリング剤処理された有機顔料スル
ホン酸誘導体と、シランカップリング剤未処理の無機顔
料を併用すると、上記顔料組成物より流動性が良好にな
ること、さらにシランカップリング剤未処理の有機顔料
に、シランカップリング剤処理された有機顔料スルホン
酸誘導体と、シランカップリング剤処理されたの無機顔
料を併用すると、上記顔料組成物より混色安定性が良好
になることも見い出した。
【0009】即ち本発明は、次の発明を提供する。 (1) シランカップリング剤処理された有機顔料のス
ルホン酸誘導体からなる顔料添加剤。
【0010】(2) シランカップリング剤処理された
有機顔料のスルホン酸誘導体と、有機顔料とを含有して
なる顔料組成物。
【0011】(3) 有機顔料が、シランカップリング
剤処理された有機顔料である上記(2)記載の組成物。
【0012】(4) 無機顔料を更に含む上記(2)及
び(3)記載の組成物。
【0013】(5) 無機顔料が、シランカップリング
剤処理された無機顔料である上記(4)記載の組成物。
【0014】(6) 有機顔料と無機顔料との重量比
が、有機顔料/無機顔料=99/1〜51/49である
上記(4)記載の組成物。
【0015】(7) シランカップリング剤が、アミノ
シランのいずれか1種類以上であることを特徴とする上
記(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)記載の組
成物。
【0016】(8) 有機顔料のスルホン酸誘導体が、
顔料のスルホン酸、スルホン酸金属塩、スルホン酸アン
モニウム塩、スルホン酸アミン塩のいずれか1種類以上
であることを特徴とする上記(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)及び(7)記載の組成物。
【0017】(9) 液状樹脂と、上記(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)及び(8)記
載の顔料組成物とを含む塗料用樹脂組成物。
【0018】
【発明の実施形態】本発明は、顔料添加剤として、シラ
ンカップリング剤処理された有機顔料のスルホン酸誘導
体を用いることを最大の特徴とする。
【0019】本発明においてシランカップリング剤処理
とは、被処理物をシランカップリング剤と接触させて、
被処理物の表面をシランカップリング剤で物理的に被覆
するか、または被処理物の表面にシランカップリング剤
の主骨格を化学的に結合させることを意味するが、処理
の効果がより高くより長期間に亘って発揮できる点で、
後者が好ましい。被処理物としては、後述するが、有機
顔料、有機顔料のスルホン酸誘導体、無機顔料がある。
この方法については後に詳述する。
【0020】本発明の有機顔料としては、公知慣用の有
機顔料がいずれも使用できるが、例えば、キナクリドン
系化合物顔料、フタロシアニン系化合物顔料、スレン系
化合物顔料、ペリレン系化合物顔料、フタロン系化合物
顔料、ジオキサジン系化合物顔料、イソインドリノン系
化合物顔料、メチン・アゾメチン系化合物顔料、ジケト
ピロロピロール系化合物顔料、アゾレーキ系化合物顔
料、不溶性アゾ系化合物顔料、縮合アゾ系化合物顔料等
が挙げられ、なかでも、キナクリドン系化合物顔料、フ
タロシアニン系化合物顔料、スレン系化合物顔料、ペリ
レン系化合物顔料、フタロン系化合物顔料、ジオキサジ
ン系化合物顔料、イソインドリノン系化合物顔料、メチ
ン・アゾメチン系化合物顔料、ジケトピロロピロール系
化合物顔料からなる群から選ばれる1種以上の有機顔料
が好ましい。
【0021】上記顔料の製造方法については、公知慣用
の製造方法がいずれも採用できるが、たとえば「インダ
ストリアル オーガニックピグメンツ(Industrial Orga
nicPigments)」(1993年発行)に記載されている方
法により得ることができる。
【0022】有機顔料の具体例を挙げるすると次の通り
である。キナクリドン系化合物顔料としては、例えば.
I.Pigment Violet 19、同42、
C.I.Pigment Red 122、同202、
同206、同207、同209、C.I.Pigmen
t Orange 48、同49等の顔料が挙げられ
る。
【0023】フタロシアニン系化合物顔料としては、例
えばC.I.Pigment Blue 15、15:
1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、
C.I.Pigment Green 7、同36等の
顔料が挙げられる。
【0024】スレン系化合物顔料としては、例えばC.
I.Pigment Blue 60、C.I.Pig
ment Yellow 24、同108、C.I.P
igment Red 168、同177、C.I.P
igment Orange40等の顔料が挙げられ
る。
【0025】ペリレン系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Violet 29、C.
I.Pigment Red 123、同149、同1
78、同179、C.I.Pigment Black
31、同32、C.I.Pigment Orang
e 43等の顔料が挙げられる。
【0026】フタロン系化合物顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Yellow 138等の顔
料が挙げられる。
【0027】ジオキサジン系化合物顔料としては、例え
ばC.I.Pigment Violet 23、同3
7等の顔料が挙げられる。
【0028】イソインドリノン系化合物顔料としては、
例えばC.I.Pigment Yellow 10
9、同110、同173、C.I.Pigment O
range 61等の顔料が挙げられる。
【0029】メチン・アゾメチン系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentYellow 13
9、同185、C.I.Pigment Orange
66、C.I.Pigment Brown 38等
の顔料が挙げられる。
【0030】ジケトピロロピロール系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentRed 254、同
255等の顔料がある。
【0031】アゾレーキ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Red48:1、同48:
2、同48:3、同48:4、同48:5、同49:
1、同49:2、同49:3、同50:1、同51:
1、同52:1、同52:2、同53:1、同57:
1、同58:2、同58:4、同60:1、同63:
1、同63:2、同64:1、同200、同211、同
238、同239、同240、同243、同245、同
247、C.I.Pigment Yellow 6
1、同62:1、同104、同133、同168、同1
69、同183、同190、同191、C.I.Pig
ment Orange 17、同17:1、同19、
同46等の顔料が挙げられる。
【0032】不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 1、同3、
同12、同13、同14、同17、同55、同73、同
74、同81、同83、同97、同130、同151、
同152、同154、同156、同165、同166、
同167、同170、同171、同172、同174、
同175、同176、同180、同181、同188、
C.I.Pigment Orange 16、同3
6、同60、C.I.Pigment Red5、同2
2、同31、同112、同146、同150、同17
1、同175、同176、同183、同185、同20
8、同213、C.I.PigmentViolet
43、同44、C.I.Pigment Blue 2
5、同26等の顔料が挙げられる。
【0033】縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 93、同9
4、同95、同128、同166、C.I.Pigme
ntOrange 31、C.I.Pigment R
ed 144、同166、同214、同220、同22
1、同242、同248、同262、C.I.Pigm
ent Brown 41、同42等の顔料がある。
【0034】本発明においてこれら有機顔料は、2種以
上を併用することもできる。この有機顔料は、シランカ
ップリング剤処理されていてもされていなくともよい。
【0035】有機顔料として、シランカップリング剤処
理された有機顔料を得る場合には、有機顔料100重量
部に対するシランカップリング剤の処理量は、1〜20
重量部で、3〜10重量部の範囲にあることが好まし
い。
【0036】本発明における有機顔料スルホン酸誘導体
とは、上記した様な有機顔料の化学構造(骨格)を残基
として有すると共に、その中に、スルホン酸基またはス
ルホン酸基を塩基にて中和して得られた基(スルホン酸
塩たる基)を含むものである。
【0037】具体的には、例えば有機顔料スルホン酸、
有機顔料スルホン酸金属塩、有機顔料スルホン酸アンモ
ニウム塩、有機顔料スルホン酸アミン塩が挙げられる。
当該誘導体一分子中には、スルホン酸基またはスルホン
酸基を塩基にて中和して得られた基から選ばれる2種以
上の基を含んでいても良い。また、本発明においてこれ
ら有機顔料のスルホン酸誘導体は、異なる2種以上を併
用することもできる。
【0038】本発明で使用する有機顔料スルホン酸誘導
体は、公知慣用の方法で製造することが出来るが、例え
ば特開平11−246807号公報記載の有機顔料をス
ルホン化剤を用いて溶剤中で湿式反応で得ることが出来
る。
【0039】また、スルホン酸基及び/又はスルホン酸
塩に加えて、さらにフタルイミドメチル基、N−(ジア
ルキルアミノ)メチル基、N−(ジアルキルアミノアル
キル)スルホン酸アミド基からなる群から選択される少
なくとも一つの基を含む有機顔料のスルホン酸誘導体も
使用することが出来る。
【0040】有機顔料スルホン酸誘導体としては、中で
も下記(III)の構造のいずれか1種類以上の誘導体を
用いることが特に好ましい。
【0041】
【化1】Q−(SO3M)n (III)
【0042】但し、式(III)中、nは1〜4であり、Q
はフタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、ペリ
レン、ペリノン、インダンスロン、キノフタロン、アゾ
またはジケトピロロピロール顔料残基であり、MはH、
Na、Mg、Al、Caまたは4級アミンである。
【0043】本発明で被処理物をシランカップリング処
理する際に使用するシランカップリング剤としては、公
知慣用のものがいずれも使用できるが、トリメチルメト
キシシラン、トリメチルエトキシシラン、ビニルトリク
ロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリルドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタアアクロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン等があり、アミノシラン、例えばN−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0044】本発明で使用するシランカップリング剤の
市販品としては、例えば東芝シリコーン株式会社製のT
SL−8111、TSL−8121、TSL−811
2、TSL−8122、TSL−8113、TSL−8
123、TSL−8117、TSL−8127、TSL
−8126、TSL−8317、TSL−8318、T
SL−8315、TSL−8172、TSL−817
3、TSL−8177、TSL−8178があり、信越
化学工業株式会社製のKA1003、KBE1003、
KBC1003、KBM403、KBM503、KBM
703、KBM803、KBE903、日本ユニカー株
式会社製のA−143、A−150、A−172、A−
174、A−186、A−187、A−189、A−1
160等があり、東芝シリコーン株式会社製のTSL8
331、TSL8340、TSL8345、信越化学工
業株式会社製のKBM602、KBM603、KBE9
03、日本ユニカー株式会社製のA−1110、A−1
120が好ましい。本発明においてこれらシランカップ
リング剤は、2種以上を併用することもできる。
【0045】シランカップリング剤は、酸性と塩基性と
の組合せに基づく、有機顔料スルホン酸誘導体に含まれ
るスルホン酸基等との相互作用により、より強固な化学
的結合が望める点で、アミノシランのいずれか1種類以
上が好ましく、中でも下記(I)、(II)の構造が特に
好ましい。
【0046】
【化2】 H2N−R1−NH−R2−Si(OR3n(R4m (I)
【0047】
【化3】 (H2N−R1l−Si(OR3n(R4m (II)
【0048】但し、式(I)、(II)中、R1、R2は炭
素原子数1〜5の分岐していても良いアルキル基であ
り、R3、R4は炭素原子数1〜3の分岐していても良い
アルキル基であり、m、nは0〜4の整数でm+n=3
である。
【0049】有機顔料スルホン酸誘導体100重量部に
対するシランカップリング剤の処理量は、例えば10〜
500重量部で、30〜200重量部の範囲にあること
が好ましい。
【0050】この被処理物としては、有機顔料スルホン
酸誘導体が必須であるが、場合によっては、有機顔料及
び/又は無機顔料も被処理物としてシランカップリング
剤処理されても良い。
【0051】本発明の顔料組成物は、有機顔料と、シラ
ンカップリング剤処理された有機顔料スルホン酸誘導体
を必須成分とを含むものである。上記の様にして得られ
た顔料添加剤は、それを例えば有機顔料に添加すること
により顔料組成物とすることが出来る。
【0052】本発明において、これら有機顔料スルホン
酸誘導体は、スルホン酸基またはスルホン酸塩たる基を
除く有機顔料部分の構造が、組み合わせて使用する有機
顔料と同一化学構造のもので無くても使用することが出
来るが、同一構造であるほうがより好ましい。
【0053】有機顔料100重量部に対する、シランカ
ップリング処理された有機顔料のスルホン酸誘導体の含
有量は、1〜30重量部で、4〜20重量部の範囲にあ
ることが好ましい。
【0054】本発明の顔料組成物は、有機顔料、シラン
カップリング処理された有機顔料のスルホン酸誘導体の
他に、さらに無機顔料を含めることも出来る。
【0055】本発明で使用する無機顔料としては、二酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、鉄黒、コバ
ルトブルー、アルミナ白、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化
亜鉛、リトボン、カドミウムイエロー、朱、カドミウム
レッド、黄鉛、モリブデートオレンジ、ジンククロメー
ト、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、ク
レー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト
粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレッ
ト、カーボンブラック、アルミニウム粉、パール系顔料
が使用出来る。
【0056】無機顔料としては、例えば黄鉛、カドミウ
ムイエロー、カドミウムレッド、又は、カルシウム、亜
鉛、鉛、ニッケル、コバルト、クロム、アンチモン、
銅、マンガン、バリウム、アルミニウム、タングステン
及びチタンの元素の1種類以上からなる単体、酸化物、
硫酸化合物、炭酸化合物、リン酸化合物及び/又はケイ
酸化合物である無機顔料からなる群から選ばれる1種類
以上の無機顔料が好ましい。
【0057】本発明においてこれら無機顔料は、2種以
上を併用することもできる。この無機顔料は、シランカ
ップリング剤処理されていてもされていなくともよい。
【0058】無機顔料として、シランカップリング剤処
理された無機顔料を得る場合には、無機顔料100重量
部に対するシランカップリング剤の処理量は、10〜5
0重量部で、30〜200重量部の範囲にあることが好
ましい。
【0059】本発明の顔料組成物を調製するに当たっ
て、有機顔料のみならず、無機顔料をも併用する場合に
は、有機顔料と無機顔料の重量比は任意に選択でき、よ
り発色が良好な有機顔料を主体とすることが出来るが、
有機顔料/無機顔料=99/1〜51/49、中でも9
5/5〜75/25とすることが好ましい。
【0060】次に、有機顔料スルホン酸誘導体を必須成
分として用いるシランカップリング剤処理について説明
する。有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料とを両方と
もシランカップリング剤処理するには、有機顔料スルホ
ン酸誘導体と有機顔料とをそれぞれ別々にシランカップ
リング剤処理してから両者を混合することも出来るが、
あらかじめ有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料とを混
合しておいて、この混合物をシランカップリング剤処理
することも出来る。
【0061】同様に、有機顔料スルホン酸誘導体と有機
顔料と無機顔料を全てシランカップリング剤処理するに
は、有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料と無機顔料と
をそれぞれ別々にシランカップリング剤処理してから三
者を混合することも出来るが、あらかじめ有機顔料スル
ホン酸誘導体と有機顔料と無機顔料とを混合しておい
て、この混合物をシランカップリング剤処理することも
出来る。
【0062】シランカップリング剤処理は、有機顔料ス
ルホン酸誘導体を必須成分として、必要に応じて有機顔
料及び/又は無機顔料をも併用して、それにシランカッ
プリング剤を添加してよく混合すると共に、熱を加えて
有機顔料表面に化学的にシランカップリング剤残基を結
合させるのが、優れた性能を有する顔料添加剤またはそ
れを含んだ顔料組成物を得る上で好ましい。
【0063】シランカップリング剤処理は、有機顔料ス
ルホン酸誘導体のみ含む水性スラリーにシランカップリ
ング剤を加える様にしても良いが、有機顔料スルホン酸
誘導体と有機顔料を必須成分として含む水性スラリーに
シランカップリング剤を加える様にするのが、一回の操
作で本発明の顔料添加剤を含んだ顔料組成物が得られる
点で好ましい。勿論、必要ならこの操作を行う際に、さ
らに無機顔料を水性スラリー中に含めることも出来る。
【0064】水性スラリーとしては、例えば、水系で製
造される有機顔料又は有機顔料スルホン酸誘導体におい
ては、顔料化後又はスルホン化後の水性スラリー、顔料
化後又はスルホン化後の水性スラリーを濾過洗浄し、ミ
キサー、高速分散攪拌機、アジター等を用いて再度水に
解膠した水性スラリーを用いることができる。
【0065】また、有機溶剤中で製造される有機顔料に
関しては、有機溶剤を除去し、水性スラリーに置換した
水性スラリーを用いることができる。さらに有機顔料又
は有機顔料スルホン酸誘導体の乾燥粉末を、分散攪拌
機、サンドミル、ボールミル、アトライター、ペイント
コンデショナー、ハイスピードミキサー等を用いて、水
に分散した水性スラリーも用いることができる。また、
この時、アルコール等を添加して、乾燥粉末を水に濡れ
やすくして行うことも可能である。
【0066】水性スラリー中の有機顔料又は有機顔料ス
ルホン酸誘導体の量は、特に制限されるものではない
が、水100重量部に対して通常1〜20重量部で、3
〜10重量部の範囲にあることが好ましい。
【0067】また、シランカップリング剤を添加時の水
性スラリーの温度は、通常は5〜95℃、好ましくは、
60〜85℃である。また、シランカップリング剤添加
後、上記添加温度で、10分〜24時間、好ましくは3
0分〜2時間攪拌し、シランカップリング処理を行い、
本発明の顔料添加剤または顔料顔料組成物を得ることが
出来る。
【0068】この水性スラリーから、顔料組成物のみを
分離する。この場合には、例えばヌッチェ、フィルター
プレス等の濾過機によって顔料組成物を濾別することが
出来る。次に、中性、酸性、又はアルカリ性の湯、又は
水で洗浄することが好ましい。
【0069】濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾
燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等に
より、顔料組成物の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式
あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一
般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等
がある。
【0070】また、乾燥後の粉砕としては、箱型乾燥
機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料組成
物が塊状等のとなった際に顔料組成物を粉末化するため
に通常行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、
ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等
が挙げられる。また、得られた粉末を篩い又は気流分級
機等により、粗粒を除くことが好ましい。
【0071】本発明の顔料添加剤又は顔料組成物は、公
知慣用の用途、例えば電子トナー、プラスチック、塗
料、印刷インキ、ゴム、レザー、捺染、カラーフィルタ
ー、ジェットインキ、熱転写インキなどの色材用に適性
の優れた顔料組成物を提供することができる。
【0072】本発明の顔料組成物の代表的な用途は塗料
である。塗料用樹脂組成物は、液状樹脂と本発明の顔料
組成物とを含めれば容易に調製できる。
【0073】本発明によって着色すべき塗料用樹脂組成
物に用いる液状樹脂は、天然または合成されたものであ
ることが出来る。液状樹脂としては、被膜が形成出来る
ものが好ましい。例えば、油ワニス、セラックニス、ラ
ッカー、フタル酸樹脂、アルキド樹脂、メラミンアルキ
ド樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル
メラミン樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、塩化ゴム樹脂
等がある。本発明においてこれら液状樹脂は、2種以上
を併用することもできる。
【0074】また、顔料添加剤及び/又は顔料組成物を
液状樹脂中で分散し又は混合し、塗料用樹脂組成物とす
る時に、通常の添加剤類、例えば、分散剤類、充填剤
類、塗料補助剤類、乾燥剤類、可塑剤類及び/又は補助
顔料を用いることが出来る。これは、それぞれの成分
を、単独又は幾つかを一緒にして全ての成分を集め、又
はそれらの全部を一度に加えることによって、分散又は
混合して達成される。
【0075】上記顔料組成物を分散する分散機として
は、ディスパー、ホモミキサー、ペイントコンディショ
ナー、スキャンデックス、ビーズミル、アトライター、
ボールミル、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー等
の公知の分散機が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0076】上記添加剤類としては、公知慣用の、BY
K Chemie製のDisperbyk−160、同
161、同162、同163、同164、同166、
同、170、同171、同174、同180、同18
2、同183、同185、同2000、同2001等や
Zeneca製のSolsperse3000、同60
00、同17000、同20000等や、共栄社化学株
式会社製のフローレンDOPA−22、同DOPA−1
7、同DOPA−15、同AF−205、同AF−40
5、同AF−1000等も使用することも可能である。
【0077】有機顔料に対する顔料添加剤の量は、最終
用途の塗料の必要条件により異なるが、所定の何れかの
量で加えられる。通常有機顔料100重量部に対して、
顔料添加剤は0.01〜20重量部、好ましくは、0.
1〜10重量部である。
【0078】液状樹脂に対する顔料添加剤の量は、最終
用途の塗料の必要条件により異なるが、所定の何れかの
量で加えられる。通常液状樹脂100重量部に対して、
顔料添加剤は0.001〜4重量部、好ましくは、0.
01〜2重量部である。
【0079】液状樹脂に対する顔料組成物の量は、最終
用途の塗料の必要条件により異なるが、所定の何れかの
量で加えられる。通常液状樹脂100重量部に対して、
顔料組成物は0.01〜40重量部、好ましくは、0.
1〜20重量部である。
【0080】シランカップリング剤未処理の有機顔料
に、シランカップリング剤処理された有機顔料スルホン
酸誘導体のみを添加した本発明の顔料組成物1は、シラ
ンカップリング剤処理された有機顔料のみに対して、例
えば塗料分野での使用においては、流動性、着色力、混
色安定性及び貯蔵安定性に優れる。
【0081】顔料組成物1にシランカップリング剤未処
理の無機顔料をさらに添加した本発明の顔料組成物2
は、本発明の顔料組成物1に対して、例えば塗料分野で
の使用においては、流動性がより良好になる。
【0082】顔料組成物1にシランカップリング剤処理
された無機顔料をさらに添加した本発明の顔料組成物3
は、本発明の顔料組成物2に対して、例えば塗料分野で
の使用においては、混色安定性がより良好になる。
【0083】本発明の顔料添加剤及び顔料組成物は、塗
料用樹脂組成物向けとして、広範囲の分散樹脂系に対し
て良好な分散性を示す。また、得られた塗料用樹脂組成
物は、流動性が良好で、高鮮明・高着色力で混色安定性
が良く、さらに良好な貯蔵安定性を示すので、建物・建
材用塗料、構造物用塗料、船舶用塗料、道路車両用塗
料、電気・機械用塗料、金属製品用塗料、木工製品用塗
料、家庭用塗料等に優れた塗装を提供できる。
【0084】
【実施例】以下、実施例、参考例及び比較例を用いて、
本発明を更に詳細に説明する。以下の例において、
「部」及び「%」は、特に断りのない限り、夫々『重量
部』及び『重量%』を表わす。
【0085】実施例1 2,9−ジメチルキナクリドンを常法による溶剤顔料化
を行った後、溶剤を水置換して得たC.I.Pigme
nt Red 122(キナクリドン系化合物顔料)の
乾燥品換算で100部を水1000部に分散した60℃
の水性スラリーに、キナクリドン誘導体(2,9−ジク
ロルキナクリドンスルホン酸)5部を添加し攪拌し均一
な水系スラリーを得た。
【0086】次いで、このスラリーを80℃まで昇温し
た後、シランカップリング剤(A−1100、日本ユニ
カー株式会社製アミノシランカップリング剤)10.8
部(有効成分10部)を添加し、80℃で2時間攪拌後
ろ過した。濾取した濾残を60℃の湯で洗浄し、100
℃で15時間以上乾燥して、C.I.PigmentR
ed 122と2,9−ジクロルキナクリドンスルホン
酸とを含む顔料組成物113部を得た。
【0087】この顔料組成物中のC.I.Pigmen
t Red 122と2,9−ジクロルキナクリドンス
ルホン酸とは、いずれもシランカップリング剤処理され
ており、両者表面にシランカップリング剤の主骨格が化
学的に結合していた。
【0088】比較例1 実施例1のシランカップリング剤を添加しないで実験を
行った。その結果C.I.Pigment Red 1
22と2,9−ジクロルキナクリドンスルホン酸とを含
む顔料組成物104部を得た。
【0089】実施例2 無置換キナクリドンを常法による溶剤顔料化を行った
後、溶剤を水置換して得たC.I.Pigment V
iolet 19(キナクリドン系化合物顔料)の乾燥
品換算で100部を水2000部に分散した60℃の水
性スラリーに、無機顔料として沈降性硫酸バリウム(B
F−20P、堺化学工業株式会社製)10部キナクリド
ン誘導体(3,11−ジクロルキナクリドンスルホン酸
アルミニウム)5部を添加し攪拌し均一な水系スラリー
を得た。
【0090】次いで、このスラリーを80℃まで昇温し
た後、シランカップリング剤(A−1120、日本ユニ
カー株式会社製アミノシランカップリング剤)5.4部
(有効成分5部)を添加し、80℃で2時間攪拌後ろ過
した。濾取した濾残を60℃の湯で洗浄し、100℃で
15時間以上乾燥してC.I.Pigment Vio
let 19と3,11−ジクロルキナクリドンスルホ
ン酸アルミニウムと沈降性硫酸バリウムとを含む顔料組
成物成物118部を得た。
【0091】この顔料組成物中のC.I.Pigmen
t Violet 19と3,11−ジクロルキナクリ
ドンスルホン酸アルミニウムと沈降性硫酸バリウムと
は、いずれもシランカップリング剤処理されており、い
ずれの表面にもシランカップリング剤の主骨格が化学的
に結合していた。
【0092】比較例2 実施例2のシランカップリング剤を添加しないで実験を
行った。その結果C.I.Pigment Viole
t 19と3,11−ジクロルキナクリドンスルホン酸
アルミニウムと沈降性硫酸バリウムとを含む顔料組成物
108部を得た。
【0093】実施例3 インダンスロンブルーを常法による溶剤顔料化を行った
後、溶剤を水置換して得たC.I.Pigment B
lue 60(スレン系化合物顔料)の乾燥品換算で1
00部を水1500部に分散した60℃の水性スラリー
に、銅フタロシアニン誘導体(銅フタロシアニンスルホ
ン酸アミン塩)7部を添加し攪拌し均一な水系スラリー
を得た。
【0094】次いで、このスラリーを50℃まで昇温し
た後、シランカップリング剤(KBM603、信越化学
工業株式会社製アミノシランカップリング剤)7部を添
加し、80℃で2時間攪拌後ろ過した。濾取した濾残を
60℃の湯で洗浄し、100℃で15時間以上乾燥した
後、無機顔料として炭酸カルシウム(ゲルトン−50、
白石工業株式会社製)3部を加えてC.I.Pigme
nt Blue 60と銅フタロシアニンスルホン酸ア
ミン塩と炭酸カルシウムとを含んだ顔料組成物成物11
5部を得た。
【0095】この顔料組成物中のC.I.Pigmen
t Blue 60と銅フタロシアニンスルホン酸アミ
ン塩とは、いずれもシランカップリング剤処理されてお
り、いずれの表面にもシランカップリング剤の主骨格が
化学的に結合していた。
【0096】比較例3 実施例3のシランカップリング剤を添加しないで実験を
行った。その結果C.I.Pigment Blue
60と銅フタロシアニンスルホン酸アミン塩と炭酸カル
シウムとを含んだ顔料組成物109部を得た。
【0097】試験例 《塗料組成物の流動性、着色力、混色安定性及び、貯蔵
安定性の試験方法》 (評価例1) <メラミンアルキド焼付塗料調整>各実施例及び各比較
例で得たいずれかの顔料組成物12.0g、アルキド樹
脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「ベッコゾール
HP−300−HHV」)48.0g、キシレン75%
及びn−ブタノール25%から成る混合溶剤28.5g
及びガラスビーズ(3mmφ)150gを容量250ml
のガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用いて
2時間分散させた後、同じアルキッド樹脂88.5g及
びメラミン樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の
「スーパーベッカミン17−502」)60.0gを追
加し、ペイントコンディショナーを用いて更に10分間
分散させて色エナメルを得た。
【0098】(白エナメルの調製)チタン白(石原産業
株式会社社製の「タイペークR−930」)48.0
g、色エナメルの調製に用いたものと同じアルキッド樹
脂40.0g、キシレン75%及びn−ブタノール25
%から成る混合溶剤25.0g、及び色エナメルの調製
に用いたものと同じガラスビーズ150gを容量500
mlのガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用
いて1時間分散させた後、同じアルキッド樹脂32.0
g及び色エナメルの調製に用いたものと同じメラミン樹
脂15.0gを追加し、ペイントコンディショナーを用
いて更に10分間分散させて白エナメルを得た。
【0099】次に、このようにして得た色エナメル3部
及び白エナメル15部を混合して白希釈エナメルを作製
した。
【0100】<塗料用樹脂組成物の流動性の評価>この
ようにして得た色エナメルを、20℃のもとでB型粘度
計で回転数60rpmの条件で測定し、その結果を表1
にまとめて示した。
【0101】<塗料用樹脂組成物の着色力の評価>白希
釈エナメルをそれぞれアート紙上にアプリケータを用い
てウェット膜厚が150μmと成るように塗布し30分
室温で静置した後、130℃で20分間焼き付けて試験
片を得た。
【0102】このようにして得た試験片を分光光度計
(データカラーインターナショナル社製の「SPECT
RAFLASH SF500」)を用いて測色し、比較
例の顔料組成物を用いた白希釈エナメル塗膜を100%
とし、それに対応する実施例の顔料組成物を用いた白希
釈エナメル塗膜の着色力より評価し、その結果を表1に
まとめて示した。
【0103】<塗料組成物の混色安定性の評価>白希釈
エナメルをそれぞれアート紙上にアプリケータを用いて
ウェット膜厚が150μmと成るように塗布した後、5
分後未乾燥塗膜の一部を指でラビングし、塗膜の下相の
色を出して30分室温で静置した後、、130℃で20
分間焼き付けて試験片を得た。
【0104】このようにして得た試験片を分光光度計
(データカラーインターナショナル社製の「SPECT
RAFLASH SF500」)を用いて未ラビング部
に対するラビング部の△L*を測色し、その結果を表1
にまとめて示した。
【0105】<塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性の評価>
このようにして得た色エナメルを密封して、50℃2週
間恒温槽に貯蔵した後に20℃のもとでB型粘度計で回
転数60rpmの条件で測定し、貯蔵前の同条件の粘度
に対する増粘率で評価し、その結果を表1にまとめて示
した。
【0106】
【表1】表1.メラミンアルキド塗料用樹脂組成物の評
価結果
【0107】表1に示した結果から、各実施例で得た顔
料組成物は、メラミンアルキド塗料組成物に場合、対応
する比較例の顔料組成物に比べて粘度が低いので流動性
が良好であり、着色力が高く良好であり、混色安定性で
は負の値とならず良好であり、貯蔵における増粘率が低
く貯蔵安定性が良好であることが明らかである。
【0108】(評価例2) <アクリルメラミン焼付塗料調整>各実施例及び各比較
例で得たいずれかの顔料組成物15.0g、アクリル樹
脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「アクリディッ
ク53−580」)30.0g、キシレン75%及びn
−ブタノール25%から成る混合溶剤40.0g及びガ
ラスビーズ(3mmφ)150gを容量250mlのガラ
ス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用いて2時間
分散させた後、同じアクリル樹脂93.7g及びメラミ
ン樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「スーパー
ベッカミン47−508−60」)26.0gを追加
し、ペイントコンディショナーを用いて更に10分間分
散させて色エナメルを得た。
【0109】(白エナメルの調製)チタン白(石原産業
株式会社社製の「タイペークR−930」)48.0
g、色エナメルの調製に用いたものと同じアクリル樹脂
40.0g、キシレン75%及びn−ブタノール25%
から成る混合溶剤25.0g、及び色エナメルの調製に
用いたものと同じガラスビーズ150gを容量500m
lのガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用い
て1時間分散させた後、同じアクリル樹脂32.0g及
び色エナメルの調製に用いたものと同じメラミン樹脂1
5.0gを追加し、ペイントコンディショナーを用いて
更に10分間分散させて白エナメルを得た。
【0110】次に、このようにして得た色エナメル3部
及び白エナメル15部を混合して白希釈エナメルを作製
した。
【0111】評価例1と同じ方法で、塗料組成物の流動
性、着色力、混色安定性、貯蔵安定性の評価を行い、そ
の結果をまとめて表2に示した。
【0112】
【表2】表2.アクリルメラミン塗料組成物評価結果
【0113】表2に示した結果から、各実施例で得た顔
料組成物は、アクリルメラミン塗料組成物に場合、対応
する比較例の顔料組成物に比べて粘度が低いので流動性
が良好であり、着色力が高く良好であり、混色安定性で
は負の値とならず良好であり、貯蔵における増粘率が低
く貯蔵安定性が良好であることが明らかである。
【0114】
【発明の効果】本発明の顔料添加剤又顔料組成物は、例
えば塗料用樹脂組成物向けとして、広範囲の分散樹脂系
に対して良好な分散性を示す。また、得られた塗料用樹
脂組成物は、流動性が良好で、高鮮明・高着色力で混色
安定性が良く、さらに良好な貯蔵安定性を示すという格
別顕著な効果を奏する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シランカップリング剤処理された有機顔
    料のスルホン酸誘導体からなる顔料添加剤。
  2. 【請求項2】 シランカップリング剤処理された有機顔
    料のスルホン酸誘導体と、有機顔料とを含有してなる顔
    料組成物。
  3. 【請求項3】 有機顔料が、シランカップリング剤処理
    された有機顔料である請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 無機顔料を更に含む請求項2又は3記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 無機顔料が、シランカップリング剤処理
    された無機顔料である請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 有機顔料と無機顔料との重量比が、有機
    顔料/無機顔料=99/1〜51/49である請求項4
    記載の組成物。
  7. 【請求項7】 シランカップリング剤が、アミノシラン
    のいずれか1種類以上であることを特徴とする請求項
    2、3、4、5または6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 有機顔料のスルホン酸誘導体が、顔料の
    スルホン酸、スルホン酸金属塩、スルホン酸アンモニウ
    ム塩、スルホン酸アミン塩のいずれか1種類以上である
    ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6または7記
    載の組成物。
  9. 【請求項9】 液状樹脂と、請求項2、3、4、5、
    6、7または8記載の組成物とを含む塗料用樹脂組成
    物。
JP2000114997A 2000-04-17 2000-04-17 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物 Expired - Lifetime JP4645865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000114997A JP4645865B2 (ja) 2000-04-17 2000-04-17 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000114997A JP4645865B2 (ja) 2000-04-17 2000-04-17 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001294769A true JP2001294769A (ja) 2001-10-23
JP4645865B2 JP4645865B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=18626714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000114997A Expired - Lifetime JP4645865B2 (ja) 2000-04-17 2000-04-17 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4645865B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004307854A (ja) * 2003-03-27 2004-11-04 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色組成物及びカラーフィルタ
JP2007023266A (ja) * 2005-06-13 2007-02-01 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 顔料組成物およびその使用
WO2007023678A1 (ja) * 2005-08-25 2007-03-01 Otsuka Chemical Co., Ltd. 複合チタン酸塗膜及び複合チタン酸膜コーティング樹脂基板
JP2009256675A (ja) * 2008-04-14 2009-11-05 Xerox Corp コーティングされたナノスケールキナクリドン顔料粒子を調製するためのプロセス
US10815347B2 (en) * 2016-08-11 2020-10-27 Toray Plastics (America), Inc. Blush-resistant film including pigments
CN116004085A (zh) * 2023-01-09 2023-04-25 信和新材料(苏州)有限公司 长效防腐水性环氧锌粉底漆及其制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000063694A (ja) * 1998-08-18 2000-02-29 Sanyo Shikiso Kk 黄色顔料およびその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5174039A (ja) * 1974-12-25 1976-06-26 Toyo Ink Mfg Co Purasuchitsukunochakushokuseikeiho
JPS59223757A (ja) * 1983-05-24 1984-12-15 Dainichi Seika Kogyo Kk 複合顔料組成物
IT1170281B (it) * 1983-12-27 1987-06-03 Montedison Spa Coloranti e pigmenti compositi chinacridonici silanici
JPH1025426A (ja) * 1996-05-09 1998-01-27 Daido Kasei Kogyo Kk 平版インキ用有機顔料

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000063694A (ja) * 1998-08-18 2000-02-29 Sanyo Shikiso Kk 黄色顔料およびその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004307854A (ja) * 2003-03-27 2004-11-04 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色組成物及びカラーフィルタ
JP4585781B2 (ja) * 2003-03-27 2010-11-24 東洋インキ製造株式会社 着色組成物及びカラーフィルタ
JP2007023266A (ja) * 2005-06-13 2007-02-01 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 顔料組成物およびその使用
WO2007023678A1 (ja) * 2005-08-25 2007-03-01 Otsuka Chemical Co., Ltd. 複合チタン酸塗膜及び複合チタン酸膜コーティング樹脂基板
JP2007055857A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Otsuka Chemical Co Ltd 複合チタン酸塗膜及び複合チタン酸膜コーティング樹脂基板
JP2009256675A (ja) * 2008-04-14 2009-11-05 Xerox Corp コーティングされたナノスケールキナクリドン顔料粒子を調製するためのプロセス
US10815347B2 (en) * 2016-08-11 2020-10-27 Toray Plastics (America), Inc. Blush-resistant film including pigments
CN116004085A (zh) * 2023-01-09 2023-04-25 信和新材料(苏州)有限公司 长效防腐水性环氧锌粉底漆及其制备方法
CN116004085B (zh) * 2023-01-09 2023-11-03 信和新材料(苏州)有限公司 长效防腐水性环氧锌粉底漆及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4645865B2 (ja) 2011-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH059469B2 (ja)
JPH01213366A (ja) 新規顔料およびそれらの使用方法
JPH07103323B2 (ja) 改良された二酸化チタン顔料
JP4694559B2 (ja) フタロシアニン色素に基づいた色素調製物
JP3337234B2 (ja) ジオキサジン化合物を基礎とする新規の顔料調製物
KR0155378B1 (ko) 특수하게 개질된 유기 안료를 함유하는 신규한 수성 도료 조성물
JP4311611B2 (ja) 顔料分散剤およびこれを含んだ顔料組成物
JP3121412B2 (ja) 界面活性剤トリアジン化合物、その製造方法および使用方法
KR960002230B1 (ko) 에틸 셀룰로오즈로 고착시킨 금속 산화물 피복 유기안료
JPH0816200B2 (ja) 表面改質顔料組成物
JP3168038B2 (ja) 顔料配合物
JP2001294769A (ja) 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物
JP2004512416A (ja) 水性顔料調製物の特性を改善するための相乗剤としてのフタル酸イミド
JPS6136543B2 (ja)
JP2507810B2 (ja) 顔料分散剤,顔料組成物,塗料および印刷インキ
US5728204A (en) Preparation of phthalocyanine-containing waterborne coating systems
JPH0680899A (ja) 改質β−キナクリドン顔料の水性湿式製造法
US2891964A (en) Crystallization resistant phthalocyanines
US3749590A (en) Amine treatment of sulfonated phthalocyanines
JP2003253150A (ja) 微細キナクリドン系固溶体顔料およびその製造方法
JP4126725B2 (ja) δ型インダンスロンブルー顔料及びその製造方法
JP2002146224A (ja) キナクリドン固溶体顔料およびその製造方法
JP2006299050A (ja) 顔料分散剤およびこれを含む顔料組成物
JPH0252659B2 (ja)
US5919299A (en) Process for producing transparent pigmentary quinacridones by acid swelling of premilled subpigmentary quinacridones in the presence of an organic liquid

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050726

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100325

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101124

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4645865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term