JP4311611B2 - 顔料分散剤およびこれを含んだ顔料組成物 - Google Patents

顔料分散剤およびこれを含んだ顔料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料分散剤およびそれを用いた顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、顔料を、塗料、グラビアインキ、オフセットインキなどのビヒクルに混合分散させる際には、顔料を安定してビヒクル中に分散させることが難しく、ビヒクル中に一旦分散した微細な顔料粒子は、そのビヒクル中で凝集する傾向があり、その結果、顔料が分散されたビヒクルの粘度の上昇、あるいは該顔料が分散されたビヒクルを使用したインキや塗料の着色力の低下や塗膜のグロスの低下などを生ずることとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、印刷インキ(オフセットインキ、グラビアインキなど)、各種塗料、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記具用インキ、カラーフィルター用着色剤などの製造に際し、これらのインキ中に分散した顔料粒子の凝集を防止し、流動性に優れ、安定した上記インキなどの製造を可能にする顔料分散剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明によれば、下記の一般式(1)で表わされる化合物、その4級アンモニウム塩、そのアミン塩およびその金属塩から選択される少なくとも一種からなることを特徴とする顔料分散剤(以下単に「分散剤」という。)およびそれを用いた顔料組成物が提供される。
【0005】
Figure 0004311611
(ただし、式中のR1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、無置換または置換のアリール基であり、R2は、水素原子または水酸基であり、R3は、ハロゲン原子であり、mは0〜4の整数を表わし、nは化合物へのスルホン基の平均導入個数であり、1.3〜4の数である。)
【0006】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の分散剤は、その構造中にキノフタロン構造を有することに特徴があり、本発明の分散剤は種々の顔料に対する優れた親和性を有しており、広範囲の顔料に使用可能である。また、本発明の分散剤は優れた顔料分散効果を有していることより、種々の用途において使用される着色剤の製造に使用することができる。さらに用途により4級アンモニウム塩の形態で、より良い結果が得られる。
【0007】
本発明の一般式(1)で表わされる分散剤は、置換基を有していてもよい無水フタル酸と置換基を有していてもよいキナルジンから容易に合成できるキノフタロン化合物を、発煙硫酸などのスルホン化剤でスルホン化させることによって得ることができる。
前記の一般式(1)のR1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、無置換または置換のアリール基であり、R2は、水素原子または水酸基であり、R3は、ハロゲン原子であり、mは0〜4の整数を表わし、nは化合物へのスルホン基の平均導入個数であり、1.3〜4の数である。上記アルキル基とは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の直鎖または分岐のある炭素数が1〜8程度のアルキル基を示し、アリール基とは、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、フェナントリル基等の芳香族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていても構わない。置換基としては、例えばハロゲン原子、水酸基、アルキル基などが挙げられるが、特に限定されない。
【0008】
また前記一般式(1)で示される化合物とアミン塩を形成するアミンとしては、例えば、(モノ、ジまたはトリ)アルキルアミン類、置換または未置換のアルキレンジアミン類、アルカノールアミン類、アルキルアンモニウムクロライドなどが挙げられるが、特に4級アンモニウム塩が好ましい。また一般式(1)で示される化合物と金属塩を形成する金属としては、例えば、Li、Na、Kなどのアルカリ金属、Ca、Ba、Al、Mn、Sr、Mg、Niなどの多価金属が挙げられる。
【0009】
本発明の分散剤の顔料に対する配合割合は、顔料100重量部に対して、0.05〜40重量部の割合が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量部の割合である。分散剤の配合割合が少なすぎると、目的とする分散剤の効果が十分に得られにくくなる。また分散剤の配合割合が多すぎると、多く用いただけの効果が得られず、逆にその結果、得られた顔料組成物を使用した塗料やインキのビヒクルの諸物性の低下をもたらし、さらには、分散剤自体の持つ色によって分散させるべき顔料の色相が大きく変化してしまう。
【0010】
本発明の分散剤の使用によって分散効果が得られる顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ジアントラキノニル系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、アンサンスロン系顔料、ピランスロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、建染染料系顔料、塩基性染料系顔料などの有機顔料、および酸化チタン、カーボンブラック、紺青、群青、弁柄、鉄黒、亜鉛華、黄鉛、複合酸化物顔料などの無機顔料が挙げられる。これらの中でも、特にC.I.Pigment Red 177、C.I.Pigment Red 242、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Green 7およびC.I.Pigment Green 36から選ばれる顔料が好ましい。
【0011】
また、本発明の分散剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、次のような方法が挙げられる。
(1)顔料と分散剤とを予め公知の方法で混合し、得られた顔料組成物をビヒクルなどに添加して顔料をビヒクル中に分散させる、
(2)ビヒクルなどに顔料を分散させる際、ビヒクルなどに顔料と分散剤を所定の割合で別々に添加してビヒクル中に分散させる、
(3)顔料と分散剤をそれぞれビヒクルなどに別々に分散させた後、得られた各分散液を所定の割合で混合する、
(4)ビヒクルなどに顔料を分散させて得られた分散液に、分散剤を所定の割合で添加して顔料を分散させる、
などの方法があり、いずれの方法においても目的とする顔料分散効果が得られる。ただし、より効果的には、上記(1)または(2)の方法が望ましい。
【0012】
本発明の分散剤を含んだ顔料組成物は、顔料と分散剤とを従来公知の種々の方法により混合して製造することができ、製造方法は特に限定されない。例えば、顔料粉末と分散剤の粉末とを分散機を使用せずに混合する方法;顔料と分散剤とをニーダー、ロール、アトライターなどの各種分散機で機械的に混合する方法;水系または有機溶剤系などの顔料のサスペンションに、本発明の分散剤を溶解または微分散させた液を添加および混合し、顔料表面に分散剤を均一に沈着させる方法;硫酸などの強い溶解力を持つ溶媒に顔料および分散剤を溶解した後、水などの貧溶剤によって両者を共析出させる方法などがある。
このように、顔料組成物を調製する場合、分散剤は、溶液、スラリー、ペーストおよび粉末のどの形態で使用してもよく、いずれの形態でも本発明の効果を発現させることができる。
【0013】
また、本発明の分散剤は、単独または2種以上を組み合わせて使用することができるだけでなく、従来公知の分散剤、例えば、ロジン、高分子分散剤、界面活性剤または極性基を導入した顔料誘導体などと併用することもできる。
本発明の顔料組成物の用途は、特に限定されず、例えば、グラビア印刷インキなどの各種印刷インキ、塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記具用インキ、カラーフィルターなどの種々の用途に着色剤として用いることができる。特に、本発明の顔料組成物は、顔料の高分散性が要求されるカラーフィルター用着色剤として有用である。
【0014】
一般に、カラーフィルター用着色剤は、顔料を、例えば、感光性ポリアクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性ポリイミド系樹脂など、あるいは不飽和ポリエステル系樹脂などの感光性樹脂ワニスまたはこれらにさらに反応希釈剤としてのモノマーが加えられたワニスに高分散させて製造される。その際、本発明の分散剤を使用するか、または本発明の顔料組成物を使用することで、分散安定性が高く、高透過率のカラーフィルター用着色剤が得られる。その際、カチオン性高分子分散剤を併用すればさらに分散安定性が高く、高透過率のカラーフィルター用着色剤が得られる。
【0015】
【実施例】
次に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、文中の部または%とあるのは重量基準である。
【0016】
合成例1
テトラクロロキノフタロン50部を20%発煙硫酸250部に添加し、その後80℃で6時間反応させる。冷却後、反応混合物を2000部の氷水中に析出させ、濾過および水洗し、下記の分散剤(A)の水ペースト280部(純量55部)を得た。この水ペーストを乾燥させ、硫黄の元素分析の結果より1分子あたり平均1.3個のスルホン基が導入されている分散剤(A)55部を得た。
【0017】
Figure 0004311611
【0018】
合成例2
合成例1の分散剤(A)のペースト90部(純量18部)に水240部を加え25℃で1時間攪拌した。これにテトラブチルアンモニウムクロライド7部を加え1時間攪拌し、濾過、水洗および乾燥し、下記の分散剤(B)17部を得た。
【0019】
Figure 0004311611
【0020】
実施例1〜2
本発明の分散剤の効果を評価するために、下記配合(1)のグラビアインキを作製した。
配合(1)
・顔料 9.5部
・分散剤(A)〜(B) 0.5部
・硝化綿ワニス 16.0部
・ポリアミドワニス 20.0部
・シンナー 54.0部
顔料としてキノフタロン顔料(C.I.Pigment Yellow 138)を用い、それぞれ合成例1〜2で得られた分散剤(A)(実施例1)及び(B)(実施例2)を使用して、上記の配合成分を容器に入れ、ガラスビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、2種のグラビア用ポリアミドインキ(1、2)を作製した。
【0021】
比較例1
分散剤を使用せずにC.I.Pigment Yellow 138を10.0部使用する以外は、実施例1〜2と同様の操作を行なって、分散剤が未添加のグラビア用ポリアミドインキを作製した。
【0022】
実施例1〜2のグラビア用ポリアミドインキの粘度および該インキを塗布した、展色面のグロスを、比較例1のインキの場合と比較した。それぞれのインキの粘度および展色面のグロスは、下記の方法に従って測定した。
粘度:B型粘度計を用いて、室温(25℃)、30rpmの条件で測定した。
グロス:バーコーター(巻線の太さ0.15mm)を使用して、ポリプロピレ
ンフィルムに展色し、展色面のグロスを目視およびグロスメーターに
て比較した。なお、グロスの高いものを良好とし、評価結果を下記の
ように表示した。
○:良好 △:やや良好 ×:不良
以上の結果を表1に示す。
【0023】
実施例3(顔料組成物(1)の調製)
水1000部にC.I.Pigment Yellow 138を19.0部を加えて分散させ、スラリー化する。そこに、水50部に合成例1で得られた分散剤(A)1.0部および苛性ソーダ0.1部を分散させてスラリー化したものを加える。その混合スラリーを70℃まで加熱し、pHを4〜5に調整する。20分間撹拌した後、濾過、乾燥、粉砕して、本発明の顔料組成物(1)を19.9部得た。
実施例1の配合(1)の顔料および分散剤の全量を、上記の顔料組成物(1)10.0部に代え、その他は実施例1と同様にしてグラビア用ポリアミドインキ(3)を作製した。
【0024】
実施例4(顔料組成物(2)の調製)
水1000部にC.I.Pigment Yellow 138を19.0部を加えて分散させ、スラリー化する。そこに、水50部に合成例2で得られた分散剤(B)1.0部、テトラブチルアンモニウムクロライド0.9部および苛性ソーダ0.1部を分散させてスラリー化したものを加える。その混合スラリーを70℃まで加熱し、pHを4〜5に補正する。20分間撹拌した後、濾過、乾燥、粉砕して、本発明の顔料組成物(2)を20部得た。
実施例1の配合(1)の顔料および分散剤の全量を、上記の顔料組成物(2)10.0部に代え、その他は実施例1と同様にしてグラビア用ポリアミドインキ(4)を作製した。
【0025】
これらの実施例3〜4のグラビア用ポリアミドインキインキについて、実施例1と同様にしてインキの粘度および展色面のグロスを、比較例1のインキの場合と比較した。その結果を表1に示す。
【0026】
Figure 0004311611
【0027】
表1に示したように、本発明の分散剤(A)〜(B)をそれぞれ添加した実施例1〜4のグラビア用ポリアミドインキにおいて優れた顔料の分散効果が認められた。これらのインキは1週間放置後に粘度を測定しても、比較例1のインキの場合に比べて、粘度の上昇は殆ど認められなかった。また、顔料組成物としてではなく、ビヒクルに顔料と分散剤を別々に添加したものを混合して分散させた場合にも、上記同様に充分な顔料分散剤の効果が得られた。
【0028】
実施例5〜6(顔料組成物(3)〜(4)の調製)
C.I.Pigment Yellow 138の代わりにジケトピロロピロール顔料(C.I.Pigment Red 254)を用い、それぞれ分散剤(A)〜(B)を用いた他は、実施例3と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(3)〜(4)を得た。
【0029】
実施例7〜8(顔料組成物5〜6)
C.I.Pigment Yellow 138の代わりに銅フタロシアニングリーン顔料(C.I.Pigment Green 36)を用い、それぞれ分散剤(A)〜(B)を用いた他は、実施例3と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(5)〜(6)を得た。
【0030】
以上の顔料組成物(3)〜(6)をそれぞれ用い、分散剤の効果を評価するために、下記配合(2)のグラビア用ウレタンインキを作製した。
配合(2)
・顔料組成物(3)〜(6) 10.0部
・硝化綿ワニス 5.0部
・ポリウレタンワニス 35.0部
・シンナー 50.0部
上記の配合成分を容器に入れ、スチールボールを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、グラビア用ウレタンインキ(5)〜(8)を作製した。
【0031】
比較例2および3
顔料組成物(3)および(5)に代えて、それぞれC.I.Pigment Red 254(比較例2)およびC.I.Pigment Green 36(比較例3)を用いる以外は、実施例5および7と同様にして分散剤が未添加の2種のグラビア用ウレタンインキを作製した。
【0032】
実施例5〜8のインキの粘度および展色面のグロスを、比較例2および3のインキの場合と比較した。展色面のグロスおよびインキの粘度は、前記グラビア用ポリアミドインキの場合と同様に測定し、顔料分散剤未添加の比較例2および3のインキの場合と相対評価を行なった。その結果を表2に示す。
【0033】
Figure 0004311611
【0034】
表2に示したように、グラビア用ポリアミドインキの場合と同様に、本発明の分散剤(A)〜(B)のいずれを添加した場合においても、若干差はあるが分散効果が認められた。実施例のインキを1週間放置後に粘度を測定しても、比較例のインキの場合に比べて、粘度の上昇は殆ど認められなかった。
【0035】
実施例9〜10(顔料組成物(7)〜(8)の調製)
C.I.Pigment Red 254の代わりにC.I.Pigment Red 177を用い、分散剤としてそれぞれ分散剤(A)〜(B)を用いた他は、実施例3と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(7)〜(8)を得た。
【0036】
これらの顔料組成物(7)〜(8)を用い、分散剤の効果を評価するために下記配合(3)の塗料を作製した。
配合(3)
・顔料組成物(7)〜(8) 10.0部
・アクリルワニス 40.0部
・メラミンワニス 20.0部
・シンナー 30.0部
上記の配合成分を容器に入れて、ガラスビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、塗料を作製した。
【0037】
比較例4
顔料組成物(7)10.0部の代わりに、C.I.Pigment Red 177を10.0部用いること以外は、実施例9と同様の操作を行なって、分散剤が未添加の塗料を作製した。
【0038】
これらの塗料の粘度、および展色および焼き付けた後の塗面のグロスを、比較例の塗料の場合と比較した。塗料の粘度および展色面のグロスは、下記の方法に従って測定し、比較例の塗料との相対比較を行なった。
粘度:B型粘度計を用い、室温(25℃)、30rpmの条件で測定した。
グロス:アプリケーター(6ミル)を使用して、アート紙上に展色し、焼き付
けた後の塗面のグロスを目視およびグロスメーターにて比較した。
なお、グロスの高いものを良好とし、評価結果を下記のように表示し
た。
○:良好 △:やや良好 ×:不良
以上の結果を表3に示す。
【0039】
Figure 0004311611
【0040】
表3に示したように、前記の結果と同様に、本発明の分散剤の効果が認められた。上記実施例の塗料を、酸化チタンにより作製した白塗料で濃度を1/10に希釈した淡彩色塗料を作製し、顔料の凝集状態を観察したが、顔料の色分かれや沈降などは認められなかった。
【0041】
実施例11〜12
それぞれ顔料組成物(1)〜(2)を用い、分散剤の効果を評価するために、下記配合(4)のカラーフィルター用着色剤を作製した。
配合(4)
・顔料組成物(1)〜(2) 20.0部
・ポリアクリル酸樹脂 30.0部
・シンナー 50.0部
上記配合成分を容器に入れ、ジルコニアビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、カラーフィルター用着色剤を作製した。
【0042】
実施例13〜14
それぞれ顔料組成物(1)〜(2)および分散剤を用い、カチオン性高分子分散剤の併用の効果を評価するために、下記配合(5)のカラーフィルター用着色剤を作製した。
配合(5)
・顔料組成物(1)〜(2) 20.0部
・カチオン性高分子分散剤 4.0部
・ポリアクリル酸樹脂 30.0部
・シンナー 46.0部
上記配合成分を容器に入れ、ジルコニアビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、カラーフィルター用着色剤を作製した。
【0043】
比較例5
顔料組成物(1)20.0部の代わりに、C.I.Pigment Yellow 138を20.0部用いること以外は、実施例11と同様の操作を行なって、分散剤が未添加のカラーフィルター用着色剤を作製した。
【0044】
前記実施例および比較例のカラーフィルター用着色剤の流動性と展色面のグロスを比較例の場合と比較した。着色剤の流動性および展色面のグロスは、下記の方法に従って測定し、比較例の場合と相対評価を行なった。
流動性:B型粘度計を用い、室温(25℃)、30rpmの条件で測定した。
グロス:バーコーター(巻線の太さ0.45mm)を使用して、ポリプロピレ
ンフィルムに展色し、展色面のグロスを目視およびグロスメーターに
て比較した。なお、グロスの高いものを良好とし、評価結果を下記の
ように表示した。
○:良好 △:やや良好 ×:不良
以上の結果を表4に示す。
【0045】
Figure 0004311611
【0046】
表4に示したように、本発明の分散剤を用いた着色剤は、比較例の場合と比較して、高流動特性を示し、カチオン性高分子分散剤を併用した場合はさらに高流動特性を示し、本発明の分散剤の効果が認められた。
【0047】
さらに、本発明の分散剤を添加した顔料を、オフセットインキなどの印刷インキ、ニトロセルロースラッカー、メラミンアルキッド塗料などの各種塗料、塩化ビニール樹脂などの合成樹脂の着色などに使用したが、いずれの場合も顔料は凝集を起こさず、良好な分散性を示した。また、最近、高分散性が特に要求されている電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記具用インキなどの製造に本発明の分散剤を用いたが、これらの場合にも本発明の分散剤による優れた分散性の効果が認められた。
【0048】
【発明の効果】
本発明の分散剤は、印刷インキ(オフセットインキ、グラビアインキなど)、各種塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキなどの各用途でのすべてのビヒクルに対し、有機顔料、無機顔料を含めた全ての顔料において、インキおよび塗料などの流動性を著しく改善し、顔料粒子の凝集を防止し、優れた光沢と鮮明性を示す着色された物品を提供することができる。

Claims (7)

  1. 下記の一般式(1)で表わされる化合物、その4級アンモニウム塩、そのアミン塩およびその金属塩から選択される少なくとも一種からなることを特徴とする顔料分散剤。
    Figure 0004311611
    (ただし、式中のR1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、無置換または置換のアリール基であり、R2は、水素原子または水酸基であり、R3は、ハロゲン原子であり、mは0〜4の整数を表わし、nは化合物へのスルホン基の平均導入個数であり、1.3〜4の数である。)
  2. 上記一般式(1)の化合物が4級アンモニウム塩である請求項1に記載の顔料分散剤。
  3. 顔料と分散剤からなる顔料組成物において、分散剤が請求項1または2に記載の顔料分散剤であることを特徴とする顔料組成物。
  4. 分散剤の配合割合が、顔料100部に対して0.05〜40重量部である請求項3に記載の顔料組成物。
  5. 顔料が、C.I.Pigment Red 177、C.I.Pigment Red 242、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Green 7およびC.I.Pigment Green 36から選ばれる顔料である請求項4に記載の顔料組成物。
  6. グラビア印刷インキ用または塗料用着色剤である請求項3に記載の顔料組成物。
  7. カラーフィルター用着色剤である請求項3に記載の顔料組成物。
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