JP2005170360A - スライドドア用給電装置 - Google Patents

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Takanori Aoki
孝憲 青木
Yoshimi Nakatani
好美 中谷
Takayuki Mizuno
貴之 水野
Hironori Yanagimoto
弘徳 柳本
Masahiro Okumura
政宏 奥村
Kazuyuki Kusano
和之 草野
Masanori Kawakami
正憲 川上
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Abstract

【課題】スライドドアの開閉に応じて可撓管の屈曲移動が行え車体側とドア側の高低差にも対応できるようにする。
【解決手段】車体側ユニット10と、ドアに固定されるスライドレール12と、スライドレールにスライド可能に取り付けられたドア側ユニット14と、可撓管16と、フラットケーブル18とで構成。車体側ユニット10には上下方向に首振り可能な中間ブロック26と、横方向に首振り可能な管端クランプ30を設け、この管端クランプ30で可撓管16の一端を把持する。ドア側ユニット14には横方向に首振り可能な管端クランプ52を設け、この管端クランプにより可撓管16の他端を把持する。中間ブロック26及び移動ブロック48に、フラットケーブル18の曲げ半径を規制する曲面ガイド42、56を設けフラットケーブル18はスライドレール12と一体のボックス64内でUターンさせて、スライドドア内に引き出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車体側からスライドドア内の機器に常時給電や信号伝送を行うためのスライドドア用給電装置に関するものである。
スライドドアはワンボックスカーやワゴン車等に用いられている。スライドドア内の機器(パワーウィンドモーター、スイッチ、スピーカー等)を動作させるためには、スライドドアの開閉に関係なく、車体側の機器(電源や制御装置等)とスライドドア内の機器とを常時電気的に接続しておく必要がある。スライドドア用給電装置にはこのような常時接続機能が要求される。
従来、スライドドア用給電装置としては、車体側の所定位置とスライドドア間に、ワイヤハーネスを収容した波付き可撓管を、屈曲の余裕をもたせて配索し、この可撓管の一方の端部をスライドドアに固定し、他方の端部付近を車体に取り付けられた金具により水平方向に首振り可能に支持したものが公知である(特許文献1参照)。
また他の方式のスライドドア用給電装置としては、車体側の所定位置とスライドドア間に、ワイヤハーネスを収容した可撓管を、屈曲の余裕をもたせて配索し、この可撓管の一方の端部を車体側に固定し、他方の端部付近をスライドドアにスライド可能に取り付けられた金具により水平方向に首振り可能に支持したものも公知である(特許文献2参照)。
特開2002−79892号公報 特開2002−19546号公報
従来のスライドドア用給電装置は、ワイヤハーネスの入った可撓管を、スライドドアの開閉に応じて、車体側又はスライドドア側で水平方向に首振りさせる構造である。しかしワイヤハーネスの入った可撓管は、曲げ剛性が比較的大きく、許容曲げ半径も大きくなることから、ワイヤハーネス入り可撓管を首振りさせながら移動させるのに大きなスペースを必要とする。また首振りの際に、可撓管及びワイヤハーネスが無理に曲げられ、首振りが繰り返されるうちに損傷を受けやすい。特に可撓管の車体側の支持位置とドア側の支持位置に高低差がある場合には、スライドドアの開閉にともない可撓管が複雑な形状に屈曲されるため、可撓管に無理な応力がかかり、損傷が発生しやすくなる。
本発明の目的は、スライドドアの開閉に応じて、比較的小さいスペースで無理なく可撓管の屈曲移動が行えるスライドドア用給電装置を提供することにある。
本発明に係るスライドドア用給電装置は、車体側に取り付けられる車体側ユニットと、スライドドア側に取り付けられるドア側ユニットと、前記車体側ユニットとドア側ユニット間をつなぐ可撓管と、前記車体側ユニット、可撓管及びドア側ユニットを通って車体側からスライドドア側に配線されるフラットケーブルとを備え、
前記車体側ユニットは、車体に固定される固定ブロックと、この固定ブロックに上下方向に首振り可能に取り付けられた中間ブロックと、この中間ブロックに横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプとを備えており、
前記ドア側ユニットは、スライドドアに直接又はスライドレールを介して取り付けられる移動ブロックと、この移動ブロックに横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプとを備えており、
前記可撓管の一方の端部は車体側ユニットの管端クランプにより把持されて固定ブロックに対して上下方向及び横方向に首振り可能になっており、他方の端部はドア側ユニットの管端クランプにより把持されて移動ブロックに対して横方向に首振り可能になっており、
前記フラットケーブルは、前記中間ブロックから可撓管を通って移動ブロックへ入るまで区間で、幅方向が上下方向に向くように配置されており、
前記中間ブロック及び移動ブロックには、可撓管の端部がそれらに対して横方向に首振りするときにフラットケーブルの曲げ半径が許容曲げ半径より小さくならないように規制する曲面ガイドが形成されている、
ことを特徴とするものである。
本発明に係るスライドドア用給電装置において、前記移動ブロックは、スライドドアに固定されたスライドレールにスライド可能に取り付けられており、前記スライドレールは、前記移動ブロックがスライドレールをスライドするときのフラットケーブルの伸縮を吸収するのに必要なフラットケーブルのUターン部を収容するUターンボックスと一体に形成されているものであることが好ましい。
また本発明に係るスライドドア用給電装置において、ドア側ユニット及びスライドレールは、ドア側ユニットの管端クランプが車体側に向かって前下がりの傾斜面内で横方向に首振りするように形成されていることが好ましい。
本発明に係るスライドドア用給電装置は、前記移動ブロックが、スライドドアに固定されたスライドレールにスライド可能に取り付けられており、前記スライドレールが、前記移動ブロックがスライドレールをスライドするときのフラットケーブルの伸縮を吸収するのに必要なフラットケーブルのUターン部を収容するUターンボックスと一体に形成されている構成とすることが好ましい。
本発明に係るスライドドア用給電装置において、フラットケーブルは、車体側から車体側ユニットに入り、車体側ユニットから可撓管を通ってドア側ユニットに入り、ドア側ユニットからUターンボックスに入ってUターンボックスを出るまでが、途中に接続部のない一連続のもので構成されていることが好ましい。
本発明に係るスライドドア用給電装置は、固定ブロック及び移動ブロックに横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプで可撓管の両端部を把持する構成であるので、可撓管が車体側又はスライドドア側で無理に屈曲されるおそれがなく、しかも可撓管の屈曲移動に必要なスペースを小さくできる。また可撓管の車体側の端部は中間ブロックにより上下方向にも首振りできるようになっているため、可撓管の車体側の支持位置とドア側の支持位置に高低差があっても、可撓管の車体側の端部が上方又は下方に首振りすることで高低差により無理な曲げ応力がかかるのを回避できる。またフラットケーブルは中間ブロック及び移動ブロック内で左右に屈曲されることになるが、フラットケーブルはワイヤハーネスに比べて許容曲げ半径が大幅に小さく、かつ曲面ガイドにより曲げ半径を規制されているため、フラットケーブルに無理な曲げ応力がかかるおそれがない。したがって小型で、長期信頼性の高いスライドドア用給電装置を提供できる。
図1及び図2は本発明の一実施形態を示す。図において、10は車体のステップの下などに取り付けられた車体側ユニット、12はスライドドアの下部に水平に固定されたスライドレール、14はスライドレール12にスライド可能に取り付けられたドア側ユニット、16は車体側ユニット10とドア側ユニット14間をつなぐ可撓管、18は車体側ユニット10、可撓管16及びドア側ユニット14を通って車体側からスライドドア側に配線されたフラットケーブルである。図1(A1)(A2)はスライドドアが閉じた状態、(B1)(B2)はスライドドア開閉途中の状態、(C1)(C2)はスライドドアが開いた状態を示している。図2はスライドドアのスライド方向から見た状態を示している。車体側ユニット10とドア側ユニット14の取付位置には高低差がある。
車体側ユニット10は、図3に示すように、両側の2枚重ねのブラケット20a、20bにより車体に固定される固定ブロック22と、この固定ブロック22に水平軸ピン24を中心として上下方向に首振り可能に取り付けられた中間ブロック26と、この中間ブロック26に垂直軸ピン28を中心として横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプ30とを備えている。
固定ブロック22は、固定ブロック本体22aと押さえカバー22bとから構成されている。固定ブロック本体22aは、フラットケーブルの通路32を形成する左右一対の壁34と、前記ブラケット20a(下側)を一体に形成したものである。通路32はフラットケーブルをその幅方向を上下方向に向けて通すように形成されている。押さえカバー22bは、前記ブラケット20b(上側)を有する左右一対のクランク形の成型品を固定ブロック本体22a上で門形に結合するように構成されている。33は結合部である。前記水平軸ピン24は、両側の押さえカバー22bの立ち上がり壁に、内向きに形成されている。固定ブロック本体22aの一対の壁34の外面には、水平軸ピン24の先端部が挿入される穴35が形成されている。
中間ブロック26は、上部成型品26aと下部成型品26bとを結合することにより構成される。中間ブロック26は固定ブロック22側へ伸びる左右一対のアーム36を有しており、このアーム36に形成された軸穴38に前記水平軸ピン24を通すことで、固定ブロック22に対し上下方向に首振り可能となっている。このように、水平軸ピン24を有する押さえカバー22bを、中間ブロック26のアーム36の外側から組み付けると共に、押さえカバー22bのブラケット20bと、固定ブロック本体22aのブラケット20aを2枚重ねにして車体に固定する構造にすると、組立が簡単になると共に、中間ブロック26の保持強度が向上する。
また中間ブロック26は、フラットケーブル18をその幅方向が上下方向に向くように保持する上下方向スロット40を有しており、このスロット40の前方(ドア側)には漸次壁面間隔が広がる曲面ガイド42が形成されている。この曲面ガイド42はフラットケーブル18が左右に曲げられたときに曲げ半径が許容曲げ半径より小さくならないように規制するものである(図1参照)。曲面ガイド42の出口付近の上下には外向きに前記垂直軸ピン28が形成されている。垂直軸ピン28は内向きに形成することもできるが、図示のように外向きに形成した方が管端クランプ30の組み付けが簡単である。垂直軸ピン28を外向きに形成したときは、中間ブロック26の上下面に管端クランプ30の抜け止め片43を設けて、管端クランプ30が中間ブロック26から外れないようにすることが望ましい。
管端クランプ30は、上側クランプ30aと下側クランプ30bを結合することにより構成される。上側クランプ30aと下側クランプ30bは同じ形状である。管端クランプ30は中間ブロック26側へ伸びる上下一対のアーム44を有しており、このアーム44に形成された軸穴46に前記垂直軸ピン28を通すことで、中間ブロック26に対し横方向に首振り可能となっている。なお中間ブロック26には、管端クランプ30の首振り範囲(図示の例は180°以内)を規制するストッパー47が形成されている。このストッパー47は、管端クランプ30の首振りによって可撓管16が車体と接触しないようにすると共に、フラットケーブル18の曲げ半径が許容曲げ半径以下にならないように規制するためのものである。
また、管端クランプ30のアーム44の先端部には、中間ブロック26の抜け止め片43を避ける形に段差部45が形成されている。このような段差部45を形成しておくと、管端クランプ30の中間ブロック26への組み付けが容易になる。
ドア側ユニット14は、図4に示すように、スライドレールにスライド可能に取り付けられる移動ブロック48と、この移動ブロック48に垂直軸ピン50を中心として横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプ52とを備えている。
移動ブロック48は同図(A)に示す上部成型品48aと下部成型品48bを(B)のように結合することにより構成される。移動ブロック48は、フラットケーブルを幅方向が上下方向に向くように保持する上下方向スロット54を有しており、このスロット54の前方(車体側)には車体側に向けて漸次壁面間隔が広がる曲面ガイド56が形成されている。この曲面ガイド56はフラットケーブル18が左右に曲げられたときに曲げ半径が許容曲げ半径より小さくならないように規制するものである(図1参照)。曲面ガイド56の出口付近の上下には外向きに前記垂直軸ピン50が形成されている。垂直軸ピン50は内向きに形成することもできる。垂直軸ピン50を図示のように外向きに形成するときは、移動ブロック48の上下面に管端クランプ52の抜け止め片(図3の43に相当するもの)を設けることが望ましい。
管端クランプ52は、上側クランプ52aと下側クランプ52bを結合することにより構成される。上側クランプ52aと下側クランプ52bは同じ形状であり、前記固定ブロック10の管端クランプ30a、30bと同じ形状にすることが好ましい。管端クランプ52は移動ブロック48側へ伸びる上下一対のアーム58を有しており、このアーム58に形成された軸穴60に前記垂直軸ピン50を通すことで、移動ブロック48に対し横方向に首振り可能となっている。なお移動ブロック48には、車体側ユニット10の中間ブロック26と同様に、管端クランプ52の首振り範囲を規制するストッパー(図3の47に相当するもの)を形成しておくことが好ましい。
フラットケーブル18は、中間ブロック26のスロット40と移動ブロック48のスロット54により幅方向の向きを規制されているため、可撓管16内でも図5に示すように幅方向を上下方向に向けて収容されている。可撓管16は波付けにより可撓性を付与してあるが、横方向には曲がりやすく縦方向には曲がり難くするため、かつフラットケーブル18の向きを規制するために、断面縦長に形成されている。図面では、フラットケーブル18を1枚だけ示したが、フラットケーブル18は複数枚積層されていてもよい。
可撓管16の一方の端部は車体側ユニット10の管端クランプ30により把持されて中間ブロック26に対して横方向に首振り可能になっており、他方の端部はドア側ユニット14の管端クランプ52により把持されて移動ブロック48に対して横方向に首振り可能になっている。また可撓管16の車体側の端部は、管端クランプ30を支持する中間ブロック26が上下方向に首振り可能であるため、上下方向にも首振り可能になっている。
ドア側ユニット14は図6のようにスライドレール12に取り付けられている。すなわち、スライドレール12は平行な上下一対のレールで構成されており、ドア側ユニット14は移動ブロック48の上下面に形成された溝62(図4参照)をスライドレール12に装着することにより、スライド可能に取り付けられている。
スライドレール12は、フラットケーブル18のUターン部18a(図1参照)を収容する断面略コ字形のUターンボックス64と一体に形成されている。移動ブロック48は、Uターンボックス64内の下部に位置するフラットケーブル導出部66を有している。この導出部66は、移動ブロック48からフラットケーブル18を、その幅方向を水平に向けて、かつ長手方向を移動ブロック48のスライド方向に向けて、Uターンボックス64内に導出するものである。フラットケーブル18は、導出部66から上記のような姿勢で導出されるように移動ブロック48内で折り曲げられている。
導出部66からUターンボックス64に出たフラットケーブル18は、Uターンボックス64内で下から上へUターンして、Uターンボックス64外に引き出されている。Uターンボックス外に引き出されたフラットケーブル18の端部は、コネクタ等によりスライドドア内の配線又は機器と接続される。フラットケーブル18のUターン部18aは、移動ブロック48のスライドに追従して移動し、それによって移動ブロック48のスライドに必要なフラットケーブル18の伸縮を吸収する。
一方、車体側ユニット10の固定ブロック22からは、フラットケーブル18がその幅方向を上下方向に向けた状態で車体内に引き出される。ただしフラットケーブル18の車体側の端部の導出方向、幅方向の向きは、車体側の配線構造により決まるもので、移動ブロック48と同様にする場合もある。フラットケーブル18は、車体側からスライドドア内まで、途中に接続部のない、一連続のものが使用される。
ドア側ユニット14をスライドレール12に沿ってスムーズにスライドさせるには、フラットケーブル18の車体側の端部を固定ブロック22に固定しないことが好ましい。つまり一対の壁34の間の通路32にフラットケーブル18を通すだけにすることが好ましい。フラットケーブル18の車体側の端部を固定ブロック22に固定すると、可撓管16内でフラットケーブル18が引きつってドア側ユニット14がスムーズにスライドできなくなることがある。
以上がこのスライドドア用給電装置の構成である。次にこの装置の動作を説明する。スライドドアが閉じているときは、図1(A1)に示すように可撓管16はほぼ伸びきった状態にあり、フラットケーブル18は中間ブロック26及び移動ブロック48内で屈曲された状態にある。この状態からスライドドアが開く方向に移動すると、まずスライドレール12がスライドドアと一体で移動し、移動ブロック48はそのままの位置に留まる(スライドレール12に対し相対的に移動する)。スライドレール12が所定距離移動するとストッパー(図示せず)が移動ブロック48に突き当たり、移動ブロック48もスライドレール12と共にスライドドアが開く方向に移動する。この途中で移動ブロック48に対する可撓管16の首振り方向が反転し、同図(B1)のように可撓管16がほぼU字形に屈曲する。さらにスライドドアが開いていくと、その途中で中間ブロック26に対する可撓管16の首振り方向が反転する。スライドドアが全開になると、同図(C1)のように可撓管16がほぼ伸びきった状態となる。
車体側ユニット10とドア側ユニット14には図2に示すように高低差があるが、車体側ユニット10の中間ブロック26が上下方向に首振り可能であるため、可撓管16はこの高低差により無理な屈曲を受けることがない。またドア側ユニット14のスライドレール12に対するスライドもスムーズに行える。
スライドドアが閉じるときは、上記とほぼ逆の過程を経る。まずスライドレール12がスライドドアと一体で移動し、所定距離移動すると反対側のストッパー(図示せず)が移動ブロック48に突き当たり、移動ブロック48をスライドドアが閉じる方向に移動させる。この途中で移動ブロック48に対する可撓管16の首振り方向が反転し、可撓管16はドアが開くときとは反対側にほぼU字形に屈曲する。さらにスライドドアが閉じていくと、その途中で中間ブロック26に対する可撓管16の首振り方向が反転する。スライドドアが全閉になると、同図(A1)の状態に戻る。
このスライドドア用給電装置は、車体側の中間ブロック及びドア側の移動ブロックに横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプで可撓管の両端を把持する構成であるので、スライドドアの開閉の際に可撓管が車体側又はスライドドア側で無理に屈曲されることがなく、また可撓管の屈曲移動に必要なスペースが小さくて済む。また車体側ユニットとドア側ユニットに高低差があっても、車体側ユニットの中間ブロックが上下方向に首振り可能であるので、スライドドアの開閉の際に可撓管に上下方向の曲げがかかるのを軽減できる。フラットケーブルは中間ブロック及び移動ブロック内で左右に屈曲されることになるが、曲面ガイドにより曲げ半径を規制されるため、無理な曲げ応力がかかるおそれはない。したがって小型で、長期信頼性の高いスライドドア用給電装置を得ることができる。
図7は本発明の他の実施形態を示す。図7はスライドドア側のみを示すが、車体側の構造は上記の実施形態と同じである。上記の実施形態では、ドア側ユニットの管端クランプが水平面内で横方向に首振りする構造としたが、この実施形態はドア側ユニット14の管端クランプ52が車体側に向かって前下がりの傾斜面内で横方向に首振りする構造としたものである。このような構造にするため、スライドレール12はUターンボックス64の下方に斜め上向きに形成されており、移動ブロック48はこのスライドレール12と係合するように鉤の手型に形成されている。フラットケーブル18は移動ブロック48及びカバー68内で折り曲げられ、Uターンボックス64内では図1と同じ姿勢で(幅方向を水平に向けた状態で)Uターンするようになっている。
図8に移動ブロック48の詳細を示す。図8において、図4の各部と同一部分又は対応する部分には図4と同じ符号を付してある。移動ブロック48の、垂直軸ピン50、上下方向スロット54、曲面ガイド56の構成並びに管端クランプ52の構成は、図4のものと実質的に同じである。また移動ブロック48に、管端クランプ52の抜け止め片43が設けられている点、及び管端クランプ52の首振り範囲を規制するストッパー47が設けられている点は、図3の中間ブロック26と同じである。また管端クランプ52のアーム58の先端部に段差部45が設けられている点は、図3の管端クランプ30と同じである。この移動ブロック48は、その背面側に、管端クランプ52の首振り面を含む平面からから直角に立ち上がる筒部72を有しており、この筒部72の前面に図7のように配置されたスライドレール12と係合する溝62が形成されている。筒部72の上端からは背面側へ斜め下向きにフラットケーブルの支持板74が形成され、この支持板74から筒部72の上端にかけて前記カバー68が被せられるようになっている。支持板74及びカバー68は、移動ブロック48がスライドレール12に装着された状態で、図7のように水平配置となる。
可撓管16から移動ブロック48に入ったフラットケーブル18は、上下方向スロット54を通り、スロット54の裏側で折り曲げられて筒部72に入り、筒部72の上端から支持板74とカバー68の間に入り、その中でUターンボックス64の長手方向を向くように折り曲げられて、Uターンボックス64に入る。さらにUターンボックス64内でUターンしてスライドドア内に引き出される。このようにフラットケーブル18は、車体側からスライドドア内まで、途中に接続部のない、一連続のものを使用できる。
図7のような構造にすると、スライドレール12及びドア側ユニット14をドアトリム70の内側に収めることができるので、スライドドアの車内側の面の外観を向上させることができる。車体側ユニットの管端クランプを横方向だけでなく上下方向にも首振りできるようにしておくと、この実施形態のように、ドア側ユニット14の管端クランプ52を、車体側に向かって前下がりの傾斜面内で横方向に首振りする構造とすることもできる。
なお以上の実施形態では、ドア側ユニット14をスライドレール12を介してスライドドアに取り付けた場合を示したが、スライドドアの開閉ストロークが小さい場合には、スライドレールを省略してドア側ユニット12を直接スライドドアに取り付けることもできる。
本発明に係るスライドドア用給電装置の一実施形態を示すもので、(A1)はドア閉時の平面図、(A2)はドア閉時のUターンボックス内の正面図、(B1)はドアを開く途中の平面図、(B2)はドアを開く途中のUターンボックス内の正面図、(C1)はドア閉時の平面図、(C2)はドア閉時のUターンボックス内の正面図。 図1の装置における車体側ユニットとドア側ユニットの高低差を示す側面図。 図1の装置における車体側ユニットの、(A)は上側斜視図、(B)は下側斜視図、(C)は分解斜視図。 図1の装置におけるドア側ユニットの、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図。 図1の装置における可撓管内にフラットケーブルを収容した状態を示す斜視図。 図1の装置における車体側ユニットをスライドレールに取り付けた状態を示す斜視図。 本発明に係るスライドドア用給電装置の他の実施形態の、ドア側の構造を示す側面図。 図7の装置におけるドア側ユニットの、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図。
符号の説明
10:車体側ユニット
12:スライドレール
14:ドア側ユニット
16:可撓管
18:フラットケーブル
22:固定ブロック
24:水平軸ピン
26:中間ブロック
28:垂直軸ピン
30:管端クランプ
38:軸穴
40:上下方向スロット
42:曲面ガイド
46:軸穴
48:移動ブロック
50:垂直軸ピン
52:管端クランプ
54:上下方向スロット
56:曲面ガイド
60:軸穴
62:溝
64:Uターンボックス

Claims (7)

  1. 車体側に取り付けられる車体側ユニットと、スライドドア側に取り付けられるドア側ユニットと、前記車体側ユニットとドア側ユニット間をつなぐ可撓管と、前記車体側ユニット、可撓管及びドア側ユニットを通って車体側からスライドドア側に配線されるフラットケーブルとを備え、
    前記車体側ユニットは、車体に固定される固定ブロックと、この固定ブロックに上下方向に首振り可能に取り付けられた中間ブロックと、この中間ブロックに横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプとを備えており、
    前記ドア側ユニットは、スライドドアに直接又はスライドレールを介して取り付けられる移動ブロックと、この移動ブロックに横方向に首振り可能に取り付けられた管端クランプとを備えており、
    前記可撓管の一方の端部は車体側ユニットの管端クランプにより把持されて固定ブロックに対して上下方向及び横方向に首振り可能になっており、他方の端部はドア側ユニットの管端クランプにより把持されて移動ブロックに対して横方向に首振り可能になっており、
    前記フラットケーブルは、前記中間ブロックから可撓管を通って移動ブロックへ入るまでの区間で、幅方向が上下方向に向くように配置されており、
    前記中間ブロック及び移動ブロックには、可撓管の端部がそれらに対して横方向に首振りするときにフラットケーブルの曲げ半径が許容曲げ半径より小さくならないように規制する曲面ガイドが形成されている、
    ことを特徴とするスライドドア用給電装置。
  2. 請求項1記載のスライドドア用給電装置であって、前記移動ブロックは、スライドドアに固定されたスライドレールにスライド可能に取り付けられており、前記スライドレールは、前記移動ブロックがスライドレールをスライドするときのフラットケーブルの伸縮を吸収するのに必要なフラットケーブルのUターン部を収容するUターンボックスと一体に形成されていることを特徴とするスライドドア用給電装置。
  3. 請求項2記載のスライドドア用給電装置であって、スライドレール及びドア側ユニットは、ドア側ユニットの管端クランプがスライドレール長手方向から見て車体側斜め下方向に向くように、形成されていることを特徴とするスライドドア用給電装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のスライドドア用給電装置であって、フラットケーブルは、車体側から車体側ユニットに入り、車体側ユニットから可撓管を通ってドア側ユニットに入り、ドア側ユニットからUターンボックスに入ってUターンボックスを出るまでが、途中に接続部のない一連続のもので構成されていることを特徴とするスライドドア用給電装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のスライドドア用給電装置であって、固定ブロックの、水平軸ピンを有する押さえカバーが、中間ブロックの、軸穴を有するアームの外側に組み付けられるようになっていることを特徴とするスライドドア用給電装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のスライドドア用給電装置であって、車体側ユニット及びドア側ユニットに、管端クランプの抜け止め片と、管端クランプの首振り範囲を規制するストッパーが設けられていることを特徴とするスライドドア用給電装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のスライドドア用給電装置であって、フラットケーブルの車体側の端部が固定ブロックに固定されていないことを特徴とするスライドドア用給電装置。
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