JP2005170054A - 端子用の金属−樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形性が良好で、端子の保持強度や耐半田性に優れた金属−樹脂複合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 一般式(1):
【化1】
Figure 2005170054

(式中、R1は、−SR2、−OR2または−NHR2を示し、R2は、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアルケニル基を示す。M1およびM2は、同一または異なって、水素原子、アルカリ金属、または1/2(アルカリ土類金属)を示す。)
で表されるトリアジンチオール類によって表面処理が施された金属部品、および/または、表面粗さRaが1〜10μmとなるように粗面化処理が施された金属部品と、多官能性モノマーを含有するナイロン樹脂とを一体成形した後、放射線を照射して前記ナイロン樹脂を架橋し、さらに、100℃以上の温度で熱処理する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子・電気部品などに用いられる金属と樹脂との複合体の製造方法に関する。
電子・電気分野に使用されるコネクタの端子とその保持部には、コネクタの軽量化を図るために、金属−樹脂複合体が広く用いられている。
近年、電子機器の小型・軽量化に伴って、コネクタの小型化、とりわけ樹脂成形物である保持部の小型・薄肉化が必須となっているが、かかる小型・薄肉化を図るに当っては、金属−樹脂複合体における金属(端子)と、樹脂(保持部)との接着強度を向上させることが重要となっている。
金属と樹脂との接着強度を向上させる方法として、特許文献1には、インサート用金属部品と樹脂とを射出成形により一体成形する際に、あらかじめ、トリアジンチオール類で金属部品に表面処理を施す方法、または、トリアジンチオール類を樹脂に添加する方法が開示されている。
特開平8−25409号公報
しかし、上記公報に記載されたような、従来の金属−樹脂複合体の製造方法では、端子と保持部とを一体成形(インモールド成形)するときの成形性を良好に保ち、なおかつ、重要な特性である端子保持強度(金属からなる端子と樹脂からなる保持部との接着強度)と、耐半田性(半田による金属接合時の熱変形に対する耐性)とを十分なものにするとの要求を満たすことは困難であった。
例えば、インモールド成形による成形性を良好に保つには、流動性が良好でバリの発生が少ない樹脂を使用する必要があるものの、成形性を満足し得るナイロン樹脂(例えば、ナイロン−6など)やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂では、半田に対する耐熱性が不十分であるために、端子の接合時に熱変形が生じる問題がある。一方、耐熱性の高い液晶ポリマーでは、様々な樹脂改質の試みがなされたにも関わらず、金属と樹脂との接着強度を高くすることができず、従って、十分な端子保持強度を得ることもできない。
また、ナイロン樹脂やPBT樹脂を使用した場合でも、通常の金型温度(90℃前後)では十分な端子保持強度が得られないため、金型温度を非常に高くしたり、成形後に熱処理を行う必要があるが、前者の場合は成形サイクルが長くなるという問題が、後者の場合は熱処理時に変形が生じるという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、成形性が良好で、端子の保持強度や耐半田性に優れた金属−樹脂複合体の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂との一体成形を行う金属部品の表面に、あらかじめ特定のトリアジンチオール類で表面処理を施したり、所定の表面粗さを実現するように粗面化処理を施したり、あるいはその両方の処理を施した上で、多官能性モノマーを有するナイロン樹脂と一体成形し、次いで、放射線によって前記ナイロン樹脂を架橋させ、さらに所定の温度以上で熱処理を施したときは、ナイロン樹脂の優れた成形性を維持しつつ、金属と樹脂との接着強度が良好で、実用上十分な端子保持強度を有し、かつ耐半田性が良好で、製造工程時における熱変形などのおそれのない金属−樹脂複合体を得ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る金属−樹脂複合体の製造方法は、一般式(1):
Figure 2005170054
(式中、R1は、−SR2、−OR2または−NHR2を示し、R2は、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアルケニル基を示す。M1およびM2は、同一または異なって、水素原子、アルカリ金属、または1/2(アルカリ土類金属)を示す。)
で表されるトリアジンチオール類によって表面処理が施された、および/または、表面粗さRaが1〜10μmとなるように粗面化処理が施された金属部品と、多官能性モノマーを含有するナイロン樹脂とを一体成形した後、放射線を照射して前記ナイロン樹脂を架橋し、さらに、100℃以上の温度で、好ましくは、150℃以上の温度で、熱処理することを特徴とする。
本発明において、「表面粗さRa」とは、JIS B 0601「表面粗さの定義と表示」に規定する「中心線平均粗さ(Ra)」をいう。また、本発明における「表面粗さRa」は、いずれもカットオフ値0.8mm、測定長さ2.4mm以上の条件で測定したものである。
上記本発明に係る金属−樹脂複合体の製造方法によれば、端子を構成する金属部品にあらかじめ表面処理または粗面化処理が施した上で、保持部を構成するナイロン樹脂と金属部品とを一体成形し、その後に熱処理を施すことから、金属部品とナイロン樹脂とを十分な接着強度でもって一体化させることができる。
また、本発明によれば、ナイロン樹脂が多官能性モノマーを含有しており、このナイロン樹脂に放射線を照射することによって架橋処理が施されていることから、半田付けによって端子を接合する際などのナイロン樹脂の耐熱性、すなわち耐半田性を良好なものとすることができ、当該樹脂部分の熱変形を十分に防止することができる。
また、上記熱処理の温度が150℃以上である場合には、金属部品とナイロン樹脂との接着強度をより一層向上させることができる。
以下、本発明に係る金属−樹脂複合体の製造方法について、詳細に説明する。
本発明において、金属−樹脂複合体は、前述のように、あらかじめ特定のトリアジンチオール類による表面処理が施されたり、所定の程度に粗面化処理が施されたり、あるいはその両方の処理が施されたりした金属箔などの金属部品と、多官能性モノマーを含有するナイロン樹脂とを一体成形した後、ナイロン樹脂に放射線を照射して架橋を施し、さらに100℃以上の温度で熱処理することによって得られる。
(金属部材)
本発明の金属−樹脂複合体における金属部品には種々の金属を用いることができ、その種類は特に限定されるものではないが、例えば電子・電気分野で多用される銅、スズ、金、銀、アルミニウム、鉄およびこれらの合金などが挙げられる。中でも銅は、その表面に、後述するMEC etch Bond法による粗面化処理を施すことによって、樹脂との接着強度が極めて高い複合体を形成することができることから、本発明の金属−樹脂複合体における金属部品として使用するのに好適である。
(表面処理)
金属部品の表面処理に用いられるトリアジンチオール類は、一般式(1):
Figure 2005170054
(式中、R1は、−SR2、−OR2または−NHR2を示し、R2は、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアルケニル基を示す。M1およびM2は、同一または異なって、水素原子、アルカリ金属、または1/2(アルカリ土類金属)を示す。)
で表される。
上記一般式(1)で表されるトリアジンチオール類において、基R1で表される基:−SR2、基:−OR2または基:−NHR2中の基R2のうち、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルなどが挙げられる。また、アルケニル基としては、例えばビニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、1,3−ブタンジエニルなどが挙げられる。
基M1およびM2で表されるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。
上記トリアジンチオール類の具体例としては、例えば、2−オクチルアミノ−4,6−ジチオール−1,3,5−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジチオール−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリチオール−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−ナトリウムメルカプチド−1,3,5−トリアジン、2−メルカプト−4,6−ビスカリウムメルカプチド−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
金属部品への表面処理は、上記トリアジンチオール類(1)の水溶液や有機溶媒の溶液に金属部品を浸漬したり、溶液を金属に塗布することによって行われる。金属部品をトリアジンチオール類(1)の水溶液や有機溶媒の溶液に浸漬する場合において、前記水溶液または溶液の温度や浸漬時間は特に限定されるものではないが、通常、液温を10〜40℃に調整して、浸漬時間を1〜30分、好ましくは5〜10分に設定するのが好適である。前記有機溶媒も特に限定されるものではないが、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。
(粗面化処理)
金属部品の表面の粗面化処理は、例えば、酸化力の強い過マンガン酸水溶液のようなエッチング溶液によってマイクロエッチングを行う方法、酸化剤によって表面に酸化被膜を形成させるいわゆる黒化処理などが好適である。特に、金属部品として銅を用いる場合には、黒化処理によって生じるピンクリングの問題を避けるべく、キレート作用と空気酸化とを併せてエッチングを行う、いわゆるMEC eth Bond法(牧善朗ほか、電子材料、26〜30頁、1995年10月号参照)を採用するのが好ましい。
粗面化処理の程度は、金属部品の表面粗度(Ra)が1〜10μmとなるように設定される。金属部品の表面粗度(Ra)が上記範囲を下回ると、金属部品とナイロン樹脂との接着強度を向上させる効果が得られなくなる。一方、上記範囲を上回ると、かえってナイロン樹脂の接着性が低下するおそれがある。金属部品の表面粗度(Ra)は、上記範囲の中でも特に3〜5μmであるのが好ましい。
(ナイロン樹脂)
ナイロン樹脂は、一般にそのままでは放射線架橋を行うことが困難であるが、適当な多官能性モノマーを添加することによって、容易に放射線架橋を行うことができる。ナイロン樹脂は、後述する方法で架橋することによって、金属−樹脂複合体の耐半田性が向上する。
本発明の金属−樹脂複合体に用いられるナイロン樹脂については、後述する多官能性モノマーを樹脂中に含有させて用いること以外は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々のナイロン樹脂を用いることができる。なかでも、ナイロン樹脂の架橋密度や架橋効率を上げたり、成形性を高めたり、高レベルの耐半田性を得るといった目的を達成するためには、(a)炭素数が5以上のメチレン鎖を有するもの、(b)酸アミド結合部分以外の繰返し単位に、芳香族環などの、メチレン鎖以外の基を有しないもの、および(c)融点が160〜270℃であるもの、を用いるのが好ましい。
従って、本発明においては、例えば、ナイロン−6(ポリアミド6、融点215〜225℃)、ナイロン−66(ポリアミド66、融点255〜265℃)、ナイロン−12(ポリアミド12、融点176〜180℃)、ナイロン−11(ポリアミド11、融点180〜190℃)、ナイロン−610(ポリアミド6,10、融点215〜225℃)、ナイロン−612(ポリアミド6,12、融点210〜220℃)などが好適に用いられる。
一方、例えば、ナイロン−4,6(ポリアミド4,6、融点295〜300℃)のようにメチレン鎖の鎖長が短く、融点が高いナイロン樹脂は、結晶性が高く、放射線架橋の効率が低くなるために、金属−樹脂複合体の用途に適さなくなるおそれがある。また、例えば、繰返し単位にベンゼン環を有するMCXナイロン(三井石油化学(株)製、融点320℃)は、放射線による架橋性が低く、成形性も低いために、金属−樹脂複合体の用途に適さなくなるおそれがある。
さらに、例えば、ポリアミドとポリエステル(またはポリエーテル)とをブロック共重合したナイロンエラストマーのように、融点が160℃以下であるものについては、強度が低くなるために、金属−樹脂複合体の用途に適さなくなるおそれがある。
(多官能性モノマー)
ナイロン樹脂に配合される多官能性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、一般式(2):
Figure 2005170054
(式中、R3、R4およびR5は、同一または異なって、アルケニル基を示す。)
で表されるシアヌル酸誘導体(例えば、トリアリルシアヌレートなど);トリアリルイソシアヌレートなどのイソシアヌル酸誘導体;ジアリルフタレート類;アクリル酸またはメタクリル酸のジまたはトリエステル類などが好適に用いられる。
上記一般式(2)で表されるシアヌル酸誘導体において、R3、R4およびR5で表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、1,3−ブタンジエニルなどが挙げられる。
(放射線架橋)
上記ナイロン樹脂の放射線による架橋は、前述の金属部品と上記ナイロン樹脂とを一体成形した後、得られた成形体のナイロン樹脂部分に電子線、γ線、X線などの放射線を照射することによって行なわれる。かかる放射線によるナイロン樹脂の架橋において、上記放射線の照射線量は、使用する樹脂や照射条件によって異なるものの、通常、10〜500kGyのレベルに設定される。
(熱処理)
本発明において、金属−樹脂複合体の熱処理は、金属部品とナイロン樹脂との一体成形物に放射線を照射して、ナイロン樹脂を硬化させた後に行われる。上記熱処理は、放射線による架橋が施された一体成形物を、例えばオーブンなどに入れて、100℃以上の雰囲気に5〜60分程度、好ましくは10分程度保持することによって行われる。かかる熱処理を施すことにより、通常の金型温度で一体成形された金属−樹脂複合体における金属部品とナイロン樹脂との接着強度(コネクタにおいては、保持部の端子保持強度)を、成形品を変形させることなく、実用上十分なレベルにまで向上させることができる。
上記熱処理の温度が100℃を下回ると、金属部品とナイロン樹脂との接着強度を実用上十分なレベルにまで向上させることができない。また、上記熱処理の温度は、接着強度をより一層良好なものにするという観点から、150℃以上で行うのがより好ましい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
<金属−樹脂複合体の製造>
実施例1
金属端子(銅合金端子、日本ガイシ(株)製、材質名「BeCu07−HT」、長さ5.0cm、幅0.15cm、厚さ0.25cm)を、トリアジンチオール類(三協化成(株)製の商品名「ジスネットF」)の1%メタノール溶液に5分間浸漬させて、前記金属端子に表面処理を施した後、水洗し、常温で乾燥させた。
次いで、上記表面処理が施された銅端子を、射出成形機の80℃に調整された金型内に設置して、ナイロン樹脂(多官能性モノマーとしてのトリアリルシアヌレートを5重量%含有するナイロン−6、住友電気工業(株)製、融点225℃)とともに射出成形を行い、銅合金端子の表面のうち1面を露出させた状態で、残りをナイロン樹脂で被覆した一体成形物を得た。
こうして得られた一体成形物に、照射線量が100kGyとなるように調整して電子線を照射し、次いで、100℃の恒温槽に10分間放置して、熱処理を施した。
こうして、図2に示す形状の金属−樹脂複合体(テストピース)10を作製した。テストピースの各部の寸法は次の通りである。
金属樹脂複合体(テストピース)10:長さL1=5.0cm,幅w=0.15cm,厚さt1=0.25cm
金属部品(銅端子)部分12:厚さt2=0.20cm
ナイロン樹脂部分14:厚さt3=0.05cm
実施例2
熱処理の温度を150℃としたほかは、実施例1と同様にして金属−樹脂複合体を製造した。
実施例3
金属端子(銅合金端子)を、前述のMEC etch Bond法によって粗面化して、表面粗さRa(中心線平均粗さ,JIS B 0601)が約3.5μmとなるように調整した。
次いで、上記粗面化処理が施された金属端子を用いたほかは、実施例1と同様にして、ナイロン樹脂との一体成形、電子線の照射および熱処理を行って、金属−樹脂複合体を製造した。
比較例1
金属端子(銅合金端子)の表面処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして(または、金属端子の粗面化処理行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして)、金属−樹脂複合体を製造した。
比較例2
電子線の照射を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして、金属−樹脂複合体を製造した。
比較例3
熱処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして、金属−樹脂複合体を製造した。
<金属−樹脂複合体の特性の評価>
(耐半田性)
上記実施例および比較例の金属−樹脂複合体を、それぞれ280℃の半田浴に10秒間浸漬した。浸漬後、金属−樹脂複合体に変形、溶融などの不具合が生じていないかを目視で確認し、以下の基準で評価した。
○:変形、溶融などの不具合が全く観察されなかった。
×:変形または溶融が観察された。
(端子保持強度)
上記実施例および比較例の金属−樹脂複合体(テストピース)10を、図1および2に示すように、幅wm1.2cm、厚さtm0.85cmのモールド20に装着した。
テストピース10がモールド20から露出している部分については、樹脂部分14の切欠部16までの長さL2が3cm、先端部までの長さL3が2.67cmとなるように調整した。また、前記切欠部16には錘22をぶら下げた。
金属端子がモールドから外れるときの荷重を、錘22の重さを変化させることにより、荷重10gfごとに測定した。
本発明の金属−樹脂複合体を実際の小型コネクタとして使用する場合には、この試験で40gf以上の過重に耐えることが要求される。
(熱処理時の変形)
上記実施例および比較例の金属−樹脂複合体について、熱処理を施した後での形状の変化の有無を目視で観察した。
(成形性)
上記実施例および比較例の金属−樹脂複合体の製造工程において、とりわけナイロン樹脂と金属端子の一体成形時において、成形の容易さを○(成形性が良好であった。)および×(成形性が十分でなかった。)の2段階で評価した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2005170054
表1より明らかなように、実施例1〜3の金属−樹脂複合体は、いずれも耐半田性、端子保持強度および成形性の特性が良好で、熱処理時の変形も生じなかった。また、実施例2の結果より、熱処理の温度を100℃から150℃に上げると、端子保持強度がより一層向上することがわかった。
一方、比較例1〜3では、耐性半田、端子保持強度、熱処理時の変形および成形性のいずれをも満足するものは得られなかった。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
金属−樹脂複合体の端子保持強度を測定する装置を示す説明図である。 テストピースの各部の寸法を示す説明図である。
符号の説明
10 金属−樹脂積層体(テストピース)
12 金属(銅合金端子)
14 ナイロン樹脂

Claims (2)

  1. 一般式(1):
    Figure 2005170054
    (式中、R1は、−SR2、−OR2または−NHR2を示し、R2は、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアルケニル基を示す。M1およびM2は、同一または異なって、水素原子、アルカリ金属、または1/2(アルカリ土類金属)を示す。)
    で表されるトリアジンチオール類によって表面処理が施された、および/または、表面粗さRaが1〜10μmとなるように粗面化処理が施された金属部品と、多官能性モノマーを含有するナイロン樹脂とを一体成形した後、放射線を照射して前記ナイロン樹脂を架橋し、さらに、100℃以上の温度で熱処理することを特徴とする、金属−樹脂複合体の製造方法。
  2. 前記熱処理を、150℃以上の温度で行うことを特徴とする、請求項1に記載の金属−樹脂複合体の製造方法。

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