JP2007154071A - めっき用樹脂成形品とそれを用いた射出成形回路部品 - Google Patents

めっき用樹脂成形品とそれを用いた射出成形回路部品 Download PDF

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昭平 岡部
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Abstract

【課題】高い曲げ強度と、良好な寸法安定性を維持しながら、その表面に形成される金属層の密着強度を向上することができるため、MIDの一次成形品等として好適に使用することができるめっき用樹脂成形品と、前記めっき用樹脂成形品を一次成形品として用いて形成したMIDとを提供する。
【解決手段】めっき用樹脂成形品は、PPS樹脂、球状シリカおよびウィスカを所定の含有割合で含有する樹脂組成物を用いて形成されていると共に、その表面を、SEMを用いて撮影したグレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率が10〜40%となるように、前記表面がエッチング処理されている。MIDは、前記めっき用樹脂成形品を一次成形品として用いて、前記一次成形品の、エッチング処理した表面に導体配線が形成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、射出成形回路部品の一次成形品等として使用することができる、めっき用樹脂成形品と、前記めっき用樹脂成形品を、一次成形品として用いて形成した射出成形回路部品とに関するものである。
電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴って、プリント配線板のファインパターン化、多層化、機器内の配置の合理化、省スペース化等が進められている。また、機器類の組み立てを自動化する観点からも、組み立て性の向上を目指した、配線を合理化する技術が求められている。そこで、近時、これらの要求に応えるために、これまでの平板状のプリント配線板や、前記プリント配線板を、複数枚、厚み方向に積層した構造を有する多層配線板に代えて、任意の立体形状を有する射出成形回路部品(Molded Interconnect Device、「MID」と略記することがある)を、配線に使用することが提案されている。
MIDは、樹脂組成物を射出成形して所定の立体形状に形成した一次成形品の表面に、導体配線を、立体的に形成した立体配線板であって、自由な三次元性を持ち、配線の合理化のみならず、電子デバイス部品等の小型化、表面実装化を可能とするものである。例えば、MIDを、機器内の隙間に対応した形状に形成して、前記隙間に配置することによって、集積密度を向上させることができる。MIDは、発光ダイオード等の半導体素子のパッケージ、三次元プリント配線板、携帯電話のアンテナ部品、回路付き光コネクタ等に応用される。MIDの製造方法は、樹脂組成物の射出成形回数によって、1ショット法と2ショット法とに大別され、2ショット法の代表例としては、下記の方法が挙げられる。
樹脂組成物を射出成形して形成した、所定の立体形状を有する一次成形品の表面を、エッチング処理して粗面化した後、インサート成形することによって、前記一次成形品の表面の、導体配線を形成する領域以外の領域を覆うように、二次成形部分を形成して、いわゆる二色成形品を得る。次いで、前記二色成形品の表面の全面に、化学めっき処理のための触媒を担持させる処理をした後、二次成形部分を除去することで、一次成形品の表面の、導体配線を形成する領域にのみ、選択的に、触媒を担持させた状態とする。そして、化学めっき処理をして、一次成形品の表面の、選択的に、触媒を担持させた領域に、所定のパターン形状を有する、導体配線となる金属層を形成して、MIDを製造する(特許文献1、2)。また、前記化学めっき処理によって形成した金属層を電極として用いて、電気めっきによって、金属層を厚付けすることも行われている。
MIDのもとになる、一次成形品を形成する樹脂組成物としては、射出成形が可能で、なおかつ、耐熱性に優れた樹脂に、一次成形品の曲げ強度や寸法安定性等を向上するために、充てん材や強化繊維等を配合したものが、一般的に用いられる。また、前記樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下「PPS樹脂」と略記することがある)等が挙げられる。特に、PPS樹脂は、それ自体が高い耐熱性を有する上、汎用の樹脂の中で、最も多量に、充てん材や強化繊維等を配合した状態での射出成形が可能であることから、多量の充てん材や強化繊維等を配合することで、一次成形品の曲げ強度や寸法安定性を、例えば、セラミックと同等程度まで向上することが期待されている。
特許文献3には、前記PPS樹脂と、球状シリカと、ウィスカとを含み、かつ、球状シリカの含有割合が60〜75重量%であると共に、ウィスカの含有割合が5重量%以下である樹脂組成物を射出成形して、セラミックと同等程度の高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを有する光コネクタを形成することが記載されている。
発明者は、前記樹脂組成物を、MIDの一次成形品の材料として使用して、回路付き光コネクタ等のMIDを実用化することを検討した。また、前記一次成形品の表面を粗面化するために、特許文献4に記載された、硝酸と、フッ酸またはフッ酸塩とを含む処理液による処理、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒による処理、およびフッ酸を含む処理液による処理を順に行うエッチング処理を組み合わせることを試みた。
特開平11−145583号公報(請求項1、第0008欄、第0012欄、第0015欄〜第0017欄、図1(a)〜(f)) 特開2004−59829号公報(請求項6、第0004欄〜第0006欄、第0064欄、第0067欄〜第0069欄、第0071欄〜第0072欄、図1) 特開2004−29415号公報(請求項2、第0009欄、第0015欄、第0020欄、第0022欄) 特開平2−217477号公報(請求項1、2、第2頁左上欄第17行〜同頁右上欄第15行、第3頁左下欄第10行〜同欄第20行、第3頁右下欄第4行〜第4頁左上欄第15行)
ところが、前記特許文献4のエッチング処理を、そのまま、特許文献3の樹脂組成物からなる一次成形品に適用した場合には、前記一次成形品の曲げ強度が著しく低下して、脆くなってしまうことが判明した。
本発明の目的は、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを維持しながら、その表面に形成される、導体配線等となる、めっき処理による金属層の密着強度を向上することができるため、MIDの一次成形品等として好適に使用することができるめっき用樹脂成形品と、前記めっき用樹脂成形品を一次成形品として用いて形成したMIDとを提供することにある。
PPS樹脂と、球状シリカと、ウィスカとを、先に説明した含有割合で含む樹脂組成物を用いて形成した、MIDの一次成形品等として用いることができるめっき用樹脂成形品の、少なくともめっき処理を施す表面を、特許文献4記載の方法でエッチング処理すると、まず、硝酸と、フッ酸またはフッ酸塩とを含む処理液による処理によって、その表層部を覆うスキン層を形成するPPS樹脂が分解され(第1工程)、次いで、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒による処理によって、前記PPS樹脂の分解物が除去されて、球状シリカが露出され(第2工程)、さらに、フッ酸を含む処理液による処理によって、露出された球状シリカが除去されて、前記表面が粗面化される(第3工程)。
ところが、前記エッチング処理のうち、特に、第3工程である、フッ酸を含む処理液による処理によって、球状シリカが過剰に除去される、つまり、めっき用樹脂成形品の表面に露出した球状シリカだけでなく、前記球状シリカよりも、めっき用樹脂成形品の、より深い領域に存在する球状シリカまで除去される、前記めっき用樹脂成形品は、曲げ強度が著しく低下して、脆くなってしまう。
また、逆に、めっき用樹脂成形品の表面に露出した球状シリカが殆ど除去されない場合には、次工程で、前記表面に、めっき処理によって形成される、導体配線となる金属層の密着強度が低下する。これは、球状シリカが除去された表面では、その跡である凹部に、めっき処理された金属が入り込んで、いわゆるアンカー効果を生じるため、密着強度に優れた金属層を形成できるが、球状シリカが除去されていない表面に、めっき処理を施しても、前記アンカー効果が殆ど得られないためである。
そこで、発明者は、めっき用樹脂成形品の表面付近に存在する球状シリカが、エッチング処理によって、どの程度の割合で除去されたかを定量的に把握すべく、種々、検討した。しかし、例えば、めっき用樹脂成形品の表面粗さを測定しても、球状シリカがどの程度の割合で除去されたかを、定量的に把握することはできなかった。
これは、球状シリカが殆ど除去されていないめっき用樹脂成形品の表面では、多数の球状シリカが、PPS樹脂の表面から突出した状態にあり、一方、球状シリカが十分に除去された表面では、PPS樹脂の表面に、球状シリカが除去された跡である、前記球状シリカと同寸法で、その凹凸が反転しただけの、多数の凹部が形成された状態にあって、両表面の、表面粗さの値には、殆ど差が出ないためである。それにも拘らず、先に説明したように、前者の表面で、アンカー効果が殆ど得られないのは、球状シリカが、金属層と共に、めっき用樹脂成形品の表面から脱落しやすいためと推測される。
そこで、さらに検討を続けた結果、めっき用樹脂成形品の表面を、走査型電子顕微鏡(以下「SEM」と略記することがある)を用いて撮影してグレースケール画像を得、このグレースケール画像における、PPS樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率(%)の範囲を規定すればよいことを見出した。
すなわち、前記グレースケール画像において、めっき用樹脂成形品の表面に露出した球状シリカは、その周囲の、PPS樹脂の表面より高輝度で写されるのに対し、球状シリカが除去された跡である凹部は、前記PPS樹脂の表面より低輝度で写されるため、グレースケール画像を、前記条件で2階調化処理して形成した、黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率(%)の範囲を求めれば、球状シリカが、どの程度の割合で除去されたかを、正確に把握することができるのである。
そこで、PPS樹脂と、球状シリカと、ウィスカとを、先に説明した含有割合で含む樹脂組成物を用いて形成されためっき用樹脂成形品の表面の球状シリカが、エッチング処理によって、黒領域の面積率(%)で表して、どの程度の割合で除去されていれば、先に説明した本発明の目的を達成できるかを検討したところ、前記面積率が10〜40%であればよいことが明らかとなった。
すなわち、黒領域の面積率が10%未満では、めっき用樹脂成形品の表面の球状シリカが、エッチング処理によって殆ど除去されていないことになり、先に説明したように、アンカー効果が殆ど得られないため、前記表面に、導体配線等となる、めっき処理による金属層を、高い密着強度で形成することができない。一方、黒領域の面積率が40%を超える場合には、めっき用樹脂成形品の表面に露出した球状シリカだけでなく、前記球状シリカよりも、めっき用樹脂成形品の、より深い領域に存在する球状シリカまで除去されていることになるため、前記めっき用樹脂成形品の曲げ強度が著しく低下して、脆くなってしまう。
これに対し、PPS樹脂と、球状シリカと、ウィスカとを、先に説明した含有割合で含み、かつ、その表面を、黒領域の面積率が10〜40%の範囲内となるようにエッチング処理して形成された、請求項1記載の発明のめっき用樹脂成形品によれば、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを維持しながら、その表面に形成される、導体配線等となる、めっき処理による金属層の密着強度を、向上することができる。
したがって、請求項1記載の発明は、ポリフェニレンサルファイド樹脂と、球状シリカと、ウィスカとを含有すると共に、前記球状シリカの含有割合が60〜80重量%、ウィスカの含有割合が5重量%以下である樹脂組成物を用いて形成され、表面がエッチング処理されためっき用樹脂成形品であって、前記エッチング処理された表面を、走査型電子顕微鏡を用いて撮影したグレースケール画像における、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率が10〜40%であることを特徴とするめっき用樹脂成形品である。
めっき用樹脂成形品に含有させる球状シリカとして、請求項2に記載したように、平均粒径0.1〜1μmの球状シリカ(以下「小径球状シリカ」と記載することがある)と、平均粒径3〜10μmの球状シリカ(以下「大径球状シリカ」と記載することがある)の、2種の球状シリカを併用した場合には、前記小径球状シリカを、大径球状シリカの隙間に入り込ませて、球状シリカの、全体としての充てん率を高めることができる。そのため、粒径が1種類のみの球状シリカを、同じ含有割合で使用する場合に比べて、球状シリカの粒子間の接触抵抗を低減して、樹脂組成物の、加熱して溶融させた際の流動性を向上することができるため、前記樹脂組成物の成形性を高めて、めっき用樹脂成形品に、成形不良が発生するのを防止することができる。
めっき用樹脂成形品の表面を粗面化するためには、請求項3に記載したように、硝酸と、フッ酸またはフッ酸塩とを含む処理液による処理、極性溶媒による処理、およびフッ酸を含む処理液による処理を順に行うエッチング処理を実施するのが好ましい。前記エッチング処理によれば、めっき用樹脂成形品に大きなダメージを与えることなく、その表面を、効率的に、粗面化処理することができる。また、めっき用樹脂成形品に、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを付与するためには、請求項4に記載したように、曲げ強度が140MPa以上、−20〜+80℃の温度範囲での線膨張係数が20ppm/K以下であるのが好ましい。
請求項5記載の発明の射出成形回路部品は、本発明のめっき用樹脂成形品を、一次成形品として用いて形成されるため、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを有する上、その表面に形成された、めっき処理による金属層からなる導体配線の密着強度に優れている。そのため、請求項5記載の発明の射出成形回路部品は、例えば、発光ダイオード等の半導体素子のパッケージ、三次元プリント配線板、携帯電話のアンテナ部品、回路付き光コネクタ等に、好適に、応用することができる。なお、前記導体配線の密着強度を向上するには、請求項6に記載したように、前記密着強度が、4.0MPa以上であるのが好ましい。
本発明によれば、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを維持しながら、その表面に形成される、導体配線等となる、めっき処理による金属層の密着強度を向上することができるため、MIDの一次成形品等として好適に使用することができるめっき用樹脂成形品を提供することが可能となる。また、本発明によれば、前記めっき用樹脂成形品を一次成形品として用いることで、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを有する上、その表面に形成された、めっき処理による金属層からなる導体配線の密着強度に優れたMIDを提供することが可能となる。
本発明のめっき用樹脂成形品は、先に説明したように、PPS樹脂と、球状シリカと、ウィスカとを含有すると共に、前記球状シリカの含有割合が60〜80重量%、ウィスカの含有割合が5重量%以下である樹脂組成物を用いて形成され、表面がエッチング処理されためっき用樹脂成形品であって、前記エッチング処理された表面を、走査型電子顕微鏡を用いて撮影したグレースケール画像における、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率が10〜40%であることを特徴とするものである。
一般に、PPS樹脂は、低重合度のポリマーを重合した後、空気の存在下で加熱することで、部分的に橋かけして高分子量化する方法で製造される、いわゆる架橋型のPPS樹脂と、重合時に、直接に、高分子量重合物を得る方法で製造される、いわゆるリニア型のPPS樹脂とに大別されるが、本発明では、このいずれのPPS樹脂を使用しても良い。射出成形が可能な、従来公知の、種々のグレードのPPS樹脂が、いずれも使用可能である。特に、リニア型のPPS樹脂が好ましい。リニア型のPPS樹脂は、加熱して溶融させた際の流動性に優れるため、樹脂組成物の成形性を高めて、めっき用樹脂成形品に、成形不良が発生するのを防止することができる。また、リニア型のPPS樹脂は、靭性にも優れるため、めっき用樹脂成形品の曲げ強度等を向上することもできる。
PPS樹脂は、前記いずれのタイプのものであっても、加熱して溶融させた際の流動性を高めて、樹脂組成物の成形性を、さらに向上することを考慮すると、300℃での粘度が0.4Pa・s以下となるように、その分子量を調整するのが好ましい。ただし、PPS樹脂の分子量が小さすぎると、めっき用樹脂成形品の曲げ強度等が低下するおそれがあるため、PPS樹脂は、300℃での粘度が0.2Pa・s以上となるように、分子量を調整するのが好ましい。
なお、PPS樹脂の分子量と粘度との関係は、PPS樹脂のタイプ(リニア型か架橋型か、また、架橋型の場合は架橋度の違い等)によって異なるため、具体的な分子量の範囲は、前記PPS樹脂のタイプに応じて、適宜、設定すればよい。
球状シリカとしては、先に説明したように、平均粒径0.1〜1μmの小径球状シリカと、平均粒径3〜10μmの大径球状シリカの、2種の球状シリカを併用するのが好ましい。平均粒径の異なる2種の球状シリカを併用すると、小径球状シリカを、大径球状シリカの隙間に入り込ませて、球状シリカの、全体としての充てん率を高めることができるため、粒径が1種類のみの球状シリカを、同じ含有割合で使用する場合に比べて、球状シリカの粒子間の接触抵抗を低減して、樹脂組成物の、加熱して溶融させた際の流動性を向上することができる。そのため、前記樹脂組成物の成形性を高めて、めっき用樹脂成形品に、成形不良が発生するのを防止することができる。
小径球状シリカの平均粒径が0.1μm以上とされるのは、現状の技術では、平均粒径が0.1μm未満の、微細な球状シリカを製造するのが難しいためである。また、小径球状シリカの平均粒径が1μm以下とされるのは、大径球状シリカと併用した際に、前記小径球状シリカを、大径球状シリカの隙間に入り込ませて、球状シリカの、全体としての充てん率を高める効果が、十分に得られないおそれがあるためである。大径球状シリカの平均粒径が3μm以上とされるのも、同様の理由による。
また、大径球状シリカの平均粒径が10μm以下とされるのは、前記大径球状シリカの平均粒径が10μmを超える場合には、前記大径球状シリカを含む樹脂組成物を加熱して溶融させた際の流動性が低下したり、前記樹脂組成物を、射出成形により、めっき用樹脂成形品の形状に対応した型窩を有する金型の、前記型窩内に注入した際の、型窩表面への追従性、成形性が低下したり、めっき用樹脂成形品の、少なくともめっき処理を施す表面をエッチング処理した際に、前記表面に形成される凹凸が大きくなりすぎて、その上に、めっき処理によって形成される金属層の平滑性が低下したり、連続した金属層を形成できなかったりするおそれがあるためである。なお、球状シリカの平均粒径は、レーザー回折法によって測定した値を適用することとする。
樹脂組成物の総量に対する、球状シリカの含有割合が60〜80重量%に限定されるのは、下記の理由による。すなわち球状シリカの含有割合が60重量%未満では、前記球状シリカによる補強効果が十分に得られないため、めっき用樹脂成形品の曲げ強度や寸法安定性が低下する。また、めっき用樹脂成形品の、少なくともめっき処理を施す表面をエッチング処理した際に、前記表面から除去される球状シリカの数が不足して、前記表面を十分に粗面化できない、詳しくは、先に説明した黒領域の面積率を、10%以上の範囲内とすることができないため、めっき処理によって形成される、導体配線等となる金属層の密着強度が低下するおそれもある。
一方、球状シリカの含有割合が80重量%を超える場合には、相対的に、PPS樹脂の含有割合が少なくなるため、却って、めっき用樹脂成形品の曲げ強度が低下する。また、PPS樹脂中に、多量に含有された球状シリカが、均一に分散されずに、凝集しやすくなるため、めっき用樹脂成形品の曲げ強度が不均一化するおそれもある。先に説明した、小径球状シリカと大径球状シリカとを併用する系では、両球状シリカの、合計の含有割合を、60〜80重量%の範囲内とすればよい。
また、前記併用系においては、小径球状シリカSSと大径球状シリカSLの配合比率SL/SS=1/1〜3/1であるのが好ましい。前記範囲より小径球状シリカの配合比率が少ない場合には、前記小径球状シリカを、大径球状シリカの隙間に入り込ませて、球状シリカの、全体としての充てん率を高める効果が十分に得られないおそれがある。また、小径球状シリカと大径球状シリカの合計の含有割合が同じである場合、球状シリカの全体の数が少なくなって、前記球状シリカによる補強効果が十分に得られず、めっき用樹脂成形品の曲げ強度や寸法安定性が低下するおそれもある。一方、小径球状シリカと大径球状シリカの合計の含有割合が同じである場合、前記範囲より大径球状シリカの配合比率が少ないと、球状シリカの全体の数が多くなって、樹脂組成物の流動性が低下するおそれがある。
球状シリカは、シランカップリング剤で処理した状態で使用しても良い。これにより、PPS樹脂との相溶性、密着性を高めて、めっき用樹脂成形品の曲げ強度を向上することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系カップリング剤、フェニルシラン系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、メタクリルシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤等が挙げられ、特に、ビニルシラン系カップリング剤、中でもビニルメトキシシランが好ましい。
シランカップリング剤の、樹脂組成物の総量に対する含有割合は、0.1〜0.5重量%であるのが好ましい。シランカップリング剤の含有割合が0.1重量%未満では、球状シリカを、前記シランカップリング剤で処理することによる、PPS樹脂との相溶性、密着性を高めて、めっき用樹脂成形品の曲げ強度を向上する効果が十分に得られないおそれがある。一方、シランカップリング剤の含有割合が0.5重量%を超えても、それ以上の効果が得られないだけでなく、過剰のシランカップリング剤が、球状シリカと結合せずに、樹脂組成物中に存在して、却って、球状シリカの、PPS樹脂との相溶性、密着性を高めて、めっき用樹脂成形品の曲げ強度を向上する効果を阻害するおそれがある。
ウィスカとしては、球状シリカを補助して、めっき用樹脂成形品の曲げ強度、および寸法安定性を向上するために機能する種々のウィスカが、いずれも使用可能である。前記ウィスカとしては、例えば、チタン酸系ウィスカ、ホウ酸アルミニウム系ウィスカ、炭化ケイ素系ウィスカ、酸化亜鉛系ウィスカ、アルミナ系ウィスカ、グラファイト系ウィスカ、ケイ酸塩系ウィスカ等が挙げられ、特に、補強効果に優れたホウ酸アルミニウム系ウィスカが好ましい。
樹脂組成物の総量に対する、ウィスカの含有割合が5重量%以下に限定されるのは、含有割合が5重量%を超えても、それ以上の効果が得られないだけでなく、相対的に、PPS樹脂の含有割合が少なくなるため、却って、めっき用樹脂成形品の曲げ強度が低下するためである。なお、ウィスカの含有割合の下限については、特に限定されないが、ウィスカを添加することによる、先に説明した補強効果を十分に発揮させることを考慮すると、前記ウィスカの、樹脂組成物の総量に対する含有割合は、前記範囲内でも、特に、1重量%以上であるのが好ましい。
以上で説明した各成分を含む樹脂組成物を用いて、所定の形状を有するめっき用樹脂成形品を製造するためには、例えば、前記樹脂組成物を加熱して溶融させた状態で、前記めっき用樹脂成形品の形状に対応した型窩を有する金型の、前記型窩内に注入し、冷却して固化させた後、型窩から取り出す、いわゆる射出成形法が好適に採用される。
また、形成されためっき用樹脂成形品の、少なくともめっき処理を施す表面を粗面化するためのエッチング処理としては、先に説明したように、硝酸と、フッ酸またはフッ酸塩とを含む処理液による処理、極性溶媒による処理、およびフッ酸を含む処理液による処理を順に行うエッチング処理を実施するのが好ましい。前記エッチング処理によれば、めっき用樹脂成形品に大きなダメージを与えることなく、その表面を、効率的に、粗面化処理することができる。
前記エッチング処理においては、まず、硝酸と、フッ酸またはフッ酸塩とを含む処理液による処理によって、その表層部を覆うスキン層を形成するPPS樹脂が分解され(第1工程)、次いで、極性溶媒による処理によって、前記PPS樹脂の分解物が除去されて、球状シリカが露出され(第2工程)、さらに、フッ酸を含む処理液による処理によって、露出された球状シリカが除去されて、前記表面が粗面化される(第3工程)。
前記第1工程において使用するフッ酸塩としては、酸性フッ化アンモニウム等が挙げられる。硝酸と、フッ酸またはフッ酸塩とを含む処理液における、前記硝酸の濃度は、水1リットルあたり400〜800gであるのが好ましく、フッ酸またはフッ酸塩の濃度は、水1リットルあたり50〜300gであるのが好ましい。また、第2工程において使用する極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、特に、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
本発明では、前記各工程を経て粗面化された表面の状態が、先に説明したように、前記表面を、SEMを用いて撮影したグレースケール画像における、PPS樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率が10〜40%となるように、エッチング処理の各工程の条件、特に、第3工程の条件が設定される。
詳しくは、特許文献4の、実施例1の条件でエッチング処理を行うと、球状シリカが過剰に除去されて、前記黒面積の面積率が40%を超えてしまい、その結果として、めっき用樹脂成形品の曲げ強度が低下して、脆くなってしまうことが確認されているため、前記黒面積の面積率が40%以下で、かつ10%以上となるように、処理に使用する、フッ酸を含む処理液におけるフッ酸の濃度を薄く、処理の温度を低く、そして、処理の時間を短く設定するのが好ましい。
なお、めっき用樹脂成形品の、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを維持しながら、その表面に形成される、導体配線等となる、めっき処理による金属層の密着強度を向上するという、本発明の効果を、より一層、効果的なものとするためには、前記方法で求められる黒面積の面積率が、25〜35%となるように、エッチング処理の条件を設定するのが好ましい。
前記条件でエッチング処理を行うことで、少なくともめっき処理を施す表面が粗面化された本発明のめっき用樹脂成形品によれば、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを維持しながら、その表面に形成される、導体配線等となる、めっき処理による金属層の密着強度を向上することが可能となる。先に説明したグレースケール画像の2階調化処理、および2階調化処理によって形成した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率の測定は、それぞれ、市販の画像処理ソフト等を利用して実施することができる。
めっき用樹脂成形品の曲げ強度や寸法安定性の具体的な数値は、特に限定されないが、前記めっき用樹脂成形品を、例えば、MIDの一次成形品として使用する場合には、曲げ強度が140MPa以上であるのが好ましい。また、寸法安定性については、−20〜+80℃の温度範囲での線膨張係数が20ppm/K以下であるのが好ましい。これにより、めっき用樹脂成形品に、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを付与することができる。
曲げ強度と先膨張係数を、前記の範囲に調整するためには、PPS樹脂のタイプや分子量、球状シリカの粒径や含有割合、球状シリカとして、先に説明した2種の球状シリカを併用する場合は、それぞれの球状シリカの粒径や、2種の球状シリカの配合比率、合計の含有割合、ウィスカの種類や含有割合を、それぞれ、先に説明した範囲内で調整すればよい。
なお、曲げ強度は、めっき用樹脂成形品を形成するのに使用した樹脂組成物を射出成形して作製した、長さ100mm、幅25mm、厚み1.6mmのテストピースを用いて、ASTM D 790:2003「非強化及び強化プラスチック並びに電気絶縁材料の曲げ特性の標準試験方法(Standard Test method for Flexural Properties of Unreinforced and Reinforced Plastics and Electrical Insulating Materials)」に則って測定した値を適用することとする。
また、寸法安定性の指標である、−20〜+80℃の温度範囲での線膨張係数は、ASTM D696:2003「石英ガラス膨張計による−30℃〜30℃間のプラスチックの熱線膨張係数の標準試験方法(Standard Test Method for Coefficient Of Linear Thermal Expansion of Plastics Between -30℃ and 30℃with a Vitreous Silica Dilatometer)」に則って測定した値を適用することとする。
本発明の射出成形回路部品(MID)は、以上で説明した、本発明のめっき用樹脂成形品を一次成形品として用いて、前記一次成形品の、エッチング処理された表面に、めっき処理によって導体配線が形成されていることを特徴とするものである。
前記本発明のMIDは、先に説明した各成分を含む樹脂組成物を射出成形して一次成形品を形成する工程と、形成した一次成形品の、少なくともめっき処理を施して導体配線を形成する表面を、先に説明したエッチング処理を施して粗面化する工程と、前記一次成形品をインサート成形して、その表面の、導体配線を形成しない領域を、二次成形部分で被覆して二色成形品を形成する工程と、前記二色成形品の表面の全面に、化学めっきのための触媒を担持させる工程と、二次成形部分を除去する工程と、一次成形品の表面の、二次成形部分を除去した領域以外の、触媒を担持させた領域に、化学めっきによって、選択的に、導体配線となる金属層を形成する工程とを含む製造方法によって製造することができる。また、先に説明したように、化学めっきによって形成した金属層を電極として用いて、電気めっきによって、金属層を厚付けしても良い。
詳細には、一次成形品は、先に説明した各成分を含む樹脂組成物を、従来同様に、射出成形機を用いて、加熱して溶融させた状態で、前記射出成形機に接続した金型の、一次成形品の外形に対応した型窩内に注入した後、冷却して固化させることで形成される。形成した一次成形品の表面に導体配線を形成するためには、まず、先に説明したように、前記表面を、SEMを用いて撮影したグレースケール画像における、PPS樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率が10〜40%となるようにエッチング処理して粗面化する。
次に、インサート成形することにより、前記一次成形品の表面の、導体配線を形成する領域以外の領域を覆う二次成形部分を形成して、二色成形品を得る。詳しくは、二次成形部分の外形に対応する型窩と、前記型窩内において、一次成形品を保持するための保持部とを備えた金型を用意し、前記金型の保持部に一次成形品を保持した状態で、前記一次成形品と型窩との間の空間に、加熱して溶融させた樹脂を注入した後、冷却して固化させることで、所定の外形を有する二次成形部分を形成して二色成形品を製造する。
二次成形部分を形成する樹脂としては、一次成形品を使用したインサート成形が可能な、つまり、一次成形品に影響を及ぼさない条件で、二次成形部分を射出成形することができると共に、一次成形品を溶解させたり変形させたりしない条件下で溶出させることができる種々の樹脂が挙げられる。前記樹脂としては、例えば、ポリアミドとポリアミドアミンとを溶融混合して、アミド交換反応させて得た熱可塑性ポリアミドと、水酸化アルミニウムとを含む樹脂組成物が挙げられる。また、特許文献1に開示されたオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂等の、温水中に溶出可能な樹脂や、あるいは、特許文献2に開示された有機酸可溶型ポリアミド樹脂等も使用可能である。
次に、形成した二色成形品の表面の全面に、常法にしたがって、親水化、触媒担持、活性化等の工程を経て、触媒を担持させた後、二次成形部分を除去することで、一次成形品の表面の、導体配線を形成する領域、すなわち、二次成形部分を形成しなかった領域にのみ、選択的に、触媒を担持させた状態とし、さらに活性化して化学めっきを行うと、一次成形品の表面の、選択的に触媒を担持させた領域に、導体配線の平面形状に対応する所定のパターン形状を有する、導体配線となる金属層が形成されて、MIDが完成する。また、前記金属層を陰極とし、陽極と共に、電気めっき液に浸漬して電流を流すことで、金属層上に、さらに、電気めっきによる金属層を厚付けすることもできる。
完成した本発明のMIDは、高い曲げ強度と、良好な寸法安定性とを有する上、その表面に形成された、めっき処理による金属層からなる導体配線の密着強度に優れている。そのため、前記本発明のMIDは、例えば、発光ダイオード等の半導体素子のパッケージ、三次元プリント配線板、携帯電話のアンテナ部品、回路付き光コネクタ等に、好適に、応用することができる。
なお、前記導体配線の密着強度は、4.0MPa以上であるのが好ましい。これにより、導体配線の密着強度を向上することができる。密着強度を、前記範囲内に調整するためには、先に説明したように、前記表面を、SEMを用いて撮影したグレースケール画像における、PPS樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率が10〜40%となるようにエッチング処理して粗面化すればよい。導体配線の密着強度は、日本工業規格JIS C6481:1996「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に所載の剥離強度測定方法に則って測定した値を適用することとする。
(実施例1)
リニア型のPPS樹脂〔東レ(株)製、トレリナ(登録商標)M3910〕と、平均粒径1μmの小径球状シリカと、平均粒径10μmの大径球状シリカと、ホウ酸アルミニウム系ウィスカ〔四国化成工業(株)製、繊維長10μm、繊維径0.5μm〕とを配合し、加熱して溶融させた状態で混練した後、ペレット化して、ペレット状の樹脂組成物を作製した。前記樹脂組成物における、小径球状シリカと大径球状シリカの合計の含有割合は80重量%、小径球状シリカSSと大径球状シリカSLの配合比率SL/SS=7/3、ホウ酸アルミニウム系ウィスカの含有割合は3重量%であった。前記樹脂組成物を、射出成形機〔東芝機械(株)製のIS−150EN〕を用いて、シリンダ温度340℃、金型温度120℃、射出圧力98MPaの条件で射出成形した後、120℃で2時間、アニーリングして、長さ100mm、幅25mm、厚み1.6mmのテストピースを作製した。
(線膨張係数の測定)
前記テストピースの、−20〜+80℃の温度範囲での線膨張係数を、ASTM D696:2003「石英ガラス膨張計による−30℃〜30℃間のプラスチックの熱線膨張係数の標準試験方法(Standard Test Method for Coefficient Of Linear Thermal Expansion of Plastics Between -30℃ and 30℃with a Vitreous Silica Dilatometer)」に則って測定した。
(エッチング処理)
第1工程:前記テストピースを脱脂処理した後、61%硝酸水溶液600mlに、酸性フッ化アンモニウム100gを溶解した処理液中に、40℃で10分間、浸漬した後、処理液中から引き上げて、イオン交換水で水洗した。
第2工程:水洗後のテストピースを、濃度97%のN−メチル−2−ピロリドン中に、80℃で30分間、浸漬し、次いで、同液中で、さらに1分間、超音波洗浄処理した後、引き上げた。そして、前記テストピースを、イオン交換水中に浸漬して、3分間、超音波洗浄処理した後、新しいイオン交換水中で、さらに1分間、超音波洗浄処理した。
第3工程:超音波洗浄処理後のテストピースを、処理液としての、20%フッ酸水溶液中に、27℃で1分間、浸漬した後、処理液中から引き上げて、イオン交換水で水洗した。
(曲げ強度の測定)
エッチング処理が終了したテストピースを用いて、ASTM D 790:2003「非強化及び強化プラスチック並びに電気絶縁材料の曲げ特性の標準試験方法(Standard Test method for Flexural Properties of Unreinforced and Reinforced Plastics and Electrical Insulating Materials)」に則って、曲げ強度(MPa)を測定した。
(重量減少率、および厚み減少率の測定)
エッチング処理前後のテストピースの重量を秤量して、式(1):
重量減少率=(処理前の重量−処理後の重量)/(処理前の重量)×100 (1)
により、エッチング処理による重量減少率(%)を求めた。また、前記重量減少率(%)から、式(2):
厚み減少率=(重量減少率)/(樹脂組成物の比重×テストピースの表面積) (2)
により、エッチング処理による厚み減少率(%)を求めた。なお、テストピースの表面積は、100×25=2500mm2であった。
(黒領域の面積率の測定)
エッチング処理が終了したテストピースの表面を、SEM〔日立計測器サービス(株)製のS−800〕を用いて撮影して、グレースケール画像を得、このグレースケール画像における、PPS樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率(%)を求めた。
エッチング処理前の表面の、グレースケール画像を図1、エッチング処理のうち、第2工程が終了した時点(後述する比較例2)の表面の、グレースケール画像を図2、第3工程が終了した時点の表面の、グレースケール画像を図3に示す。これらの図から、エッチング処理の第2工程までで、表層部を覆うスキン層を形成するPPS樹脂が分解され、除去されて、球状シリカが露出され、第3工程で、球状シリカの除去が開始されることが判る。
すなわち、図3では、図2に白い小さい円として写されていた小径球状シリカが除去されて、その跡の凹部が、黒い小さい円として写されていると共に、大径球状シリカが、表面から除去されて粒径が小さくなり、PPS樹脂との間に隙間が生じて、その隙間が、大径球状シリカの白い円の周囲に、黒い三日月状に写されており、これらのことから、球状シリカの除去が始まっていることが判る。
(めっき処理)
エッチング処理が終了したテストピースを、10%塩酸水溶液中に、27℃で2分間、浸漬して親水化処理し、次いで、引き上げて、下記の各成分を含む水溶液中に、27℃で5分間、浸漬して触媒を担持させた後、引き上げて、イオン交換水で1分間、水洗した。
(成分) (配合量)
35%塩酸水溶液 200ml
触媒 20ml
〔荏原ユージライト(株)製のPB−316〕
イオン交換水 780ml
次に、前記テストピースを、下記の各成分を含む水溶液中に、27℃で2分間、浸漬して活性化処理した後、引き上げて、イオン交換水で1分間、水洗した。
(成分) (配合量)
活性化剤 150ml
〔荏原ユージライト(株)製のPB−444〕
イオン交換水 850ml
(化学めっき処理)
前記テストピースを、下記の各成分を含む化学めっき液中に、27℃で1時間、浸漬して化学めっき処理することで、厚み約1μmの銅めっき層を形成した後、引き上げて、イオン交換水で1分間、水洗した。
(成分) (配合量)
無電解銅めっき液 100ml
〔荏原ユージライト(株)製のPB−502A〕
無電解銅めっき液 100ml
〔荏原ユージライト(株)製のPB−502B〕
イオン交換水 800ml
(電気めっき処理)
化学めっき処理されたテストピースを、10%硫酸中に、27℃で30秒間、浸漬した後、前記テストピースの表面の銅めっき層を、電気めっき用電源の陰極に接続した状態で、陽極としての銅電極と共に、下記の各成分を含む電気めっき液中に浸漬した。そして、27℃、電流密度3A/dm2の条件で、約1時間、電気めっき処理することで、銅めっき層の厚みを35μmまで厚付けし、引き上げて、イオン交換水で1分間、水洗した後、90℃で1時間、乾燥させた。
(成分) (配合量)
CuSO4・5H2O 75g
硫酸 180g
35%塩酸水溶液 0.125ml
光沢剤 5ml
〔荏原ユージライト(株)製のCu-Brite TH〕
イオン交換水 994.875ml
(密着強度の測定)
テストピースの表面に厚付けされた銅めっき層の密着強度を、日本工業規格JIS C6481:1996「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に所載の剥離強度測定方法に則って、剥離強度測定装置〔東測精密工業(株)製のTSM−20型〕を用いて測定した。
(実施例2、3)
エッチング処理のうち、第3工程の、20%フッ酸水溶液中での処理の条件を、27℃で3分間(実施例2)、27℃で8分間(実施例3)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。エッチング処理後の、実施例2の表面のグレースケール画像を図4、実施例3の表面のグレースケール画像を図5に示す。両図より、第3工程の処理時間を長くすると、先の図3で写されていた、大径球状シリカを示す白い円がさらに小さくなり、代わって大径球状シリカが除去された跡の凹部を示す黒い円の割合が増加(円の面積自体は不変である)していることがわかる。
(実施例4、5)
エッチング処理のうち、第1工程の、処理液中での処理の条件を、40℃で2分間(実施例4)、40℃で30分間(実施例5)に変更すると共に、第3工程の、20%フッ酸水溶液中での処理の条件を、27℃で3分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。
(実施例6、7)
エッチング処理のうち、第2工程の、N−メチル−2−ピロリドン中での処理の条件を、80℃で5分間(実施例6)、80℃で60分間(実施例7)に変更すると共に、第3工程の、20%フッ酸水溶液中での処理の条件を、27℃で3分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。
(比較例1)
エッチング処理のうち、第3工程で使用するフッ酸水溶液の濃度を50%に変更すると共に、前記50%フッ酸水溶液中での処理の条件を、27℃で5分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。この比較例は、前記処理の温度が低いものの、概ね、特許文献4のエッチング処理を再現したものに相当する。
(比較例2)
エッチング処理のうち、第3工程を省略したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。エッチング処理後の表面の、グレースケール画像を図2に示す。
(比較例3)
エッチング処理のうち、第2工程を省略すると共に、第3工程の、20%フッ酸水溶液中での処理の条件を、27℃で3分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。
(比較例4)
エッチング処理のうち、第1工程を省略すると共に、第3工程の、20%フッ酸水溶液中での処理の条件を、27℃で3分間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。
(比較例5)
エッチング処理のうち、第3工程の、20%フッ酸水溶液中での処理の条件を、27℃で6秒間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、テストピースの表面を処理し、銅めっき層を形成しながら、各種試験を行った。
以上で説明した実施例、比較例の結果を、表1、2および図1〜5に示す。
両表より、特許文献4のエッチング処理を再現した比較例1では、球状シリカが過剰に除去されて、黒領域の面積率が40%を越えるため、銅めっき層の密着強度には優れるものの、テストピースの曲げ強度が低下することが判った。また、エッチング処理のいずれかの工程を省略した比較例2〜4では、図2に見るように、球状シリカが殆ど除去されておらず、黒領域の面積率が10%に達しないため、テストピースの曲げ強度は高いものの、銅めっき層の密着強度が著しく低いことが判った。さらに、エッチング処理のうち第3工程の時間を短くしすぎた比較例5では、球状シリカの除去が未だ十分でなく、黒領域の面積率が10%に達しないため、テストピースの曲げ強度は高いものの、銅めっき層の密着強度が低いことが判った。
これに対し、各実施例では、球状シリカが適度に除去されて、黒領域の面積率が10〜40%の範囲内に入っているため、テストピースの曲げ強度を維持しながら、銅めっき層の密着強度を向上できることが判った。また、実施例1〜3を比較すると、図3〜5に見るように、第3工程での処理時間を長くするほど、除去される球状シリカの量が増加し、それに伴って、黒領域の面積率が増加して、銅めっき層の密着強度が増加する傾向にあるが、逆に、テストピースの曲げ強度は低下する傾向にあり、両強度の兼ね合いを考慮すると、黒領域の面積率が、前記範囲内でも、25〜35%となるように、エッチング処理の条件を設定するのが好ましいことが判った。
また、実施例4、5を比較すると、第1工程での処理時間を長くするほど、黒領域の面積率が増加して、銅めっき層の密着強度が増加する傾向にあるが、逆に、テストピースの曲げ強度は低下する傾向にあることが判った。さらに、実施例6、7を比較すると、第2工程での処理時間を長くするほど、黒領域の面積率が増加して、銅めっき層の密着強度が増加する傾向にあるが、逆に、テストピースの曲げ強度は低下する傾向にあることが判った。
実施例1で、エッチング処理をする前の、テストピースの表面の、SEMによって撮影したグレースケール画像を示す写真である。 実施例1で、エッチング処理の第2工程まで終了した時点(比較例2に相当)の、テストピースの表面の、SEMによって撮影したグレースケール画像を示す写真である。 実施例1で、エッチング処理の第3工程まで終了した時点の、テストピースの表面の、SEMによって撮影したグレースケール画像を示す写真である。 実施例2で、エッチング処理の第3工程まで終了した時点の、テストピースの表面の、SEMによって撮影したグレースケール画像を示す写真である。 実施例3で、エッチング処理の第3工程まで終了した時点の、テストピースの表面の、SEMによって撮影したグレースケール画像を示す写真である。

Claims (6)

  1. ポリフェニレンサルファイド樹脂と、球状シリカと、ウィスカとを含有すると共に、前記球状シリカの含有割合が60〜80重量%、ウィスカの含有割合が5重量%以下である樹脂組成物を用いて形成され、表面がエッチング処理されためっき用樹脂成形品であって、前記エッチング処理された表面を、走査型電子顕微鏡を用いて撮影したグレースケール画像における、前記ポリフェニレンサルファイド樹脂が露出した領域の、最暗部の輝度以上の輝度を有するピクセルが白、前記最暗部の輝度レベル未満の輝度を有するピクセルが黒となるように、前記グレースケール画像を2階調化処理した黒白2値の画像中に占める、黒領域の面積率が10〜40%であることを特徴とするめっき用樹脂成形品。
  2. 球状シリカとして、平均粒径0.1〜1μmの球状シリカと、平均粒径3〜10μmの球状シリカの、2種の球状シリカを含有する樹脂組成物を用いて形成されている請求項1記載のめっき用樹脂成形品。
  3. 表面が、硝酸と、フッ酸またはフッ酸塩とを含む処理液による処理、極性溶媒による処理、およびフッ酸を含む処理液による処理を順に行うことで、エッチング処理されている請求項1記載のめっき用樹脂成形品。
  4. 曲げ強度が140MPa以上、−20〜+80℃の温度範囲での線膨張係数が20ppm/K以下である請求項1記載のめっき用樹脂成形品。
  5. 請求項1記載のめっき用樹脂成形品を一次成形品として、前記一次成形品の、エッチング処理された表面に、めっき処理によって、金属層が形成されていることを特徴とする射出成形回路部品。
  6. 金属層と、めっき用樹脂成形品との密着強度が、4.0MPa以上である請求項5記載の射出成形回路部品。

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