JP2005169792A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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正也 柴谷
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Abstract

【課題】 高画質のインクジェット画像の出力が可能であると共に、偽造防止性にも優れたインクジェット記録媒体を提供すること。
【解決手段】 基材の片面に一層以上のインク受容層が塗設されたインクジェット記録媒体において、該基材として、該インク受容層の非塗設面側に、厚みを部分的に変化させてなる透かし模様が形成された紙を用いる。該透かし模様は、該紙の抄造工程において、紙料ウェブを、所定のパターンを有するロールと平滑なロール又はワイヤーとの間でプレスすることにより形成することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録が可能であると共に、偽造防止性に優れた記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、記録ヘッドからインクの液滴を吐出させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて画像を記録する印刷方式である。インクジェット記録媒体としては、PPC用紙に代表される普通紙を用いることも可能であるが、高精細な印刷が求められる写真や高精細イラストレーション等のフルカラー用途等においては、より高度なインク吸収性を備えた記録媒体を用いる必要がある。このような記録媒体としては、塗工タイプなどと称される、基材上にシリカ等の顔料を主体とするインク受容層を塗設した構成のインクジェット記録媒体がある(例えば、特許文献1参照)。この多孔(空隙)タイプなどとも呼ばれるインクジェット記録媒体は、インク受容層中の隣接顔料間の空隙や顔料粒子自体が持つ細孔により高度なインク吸収性を発現し、インクの乾燥速度が速い、画像濃度が高い、にじみが少ないといった理想的なインクジェット特性を有している。
ところで、近年、特に海外市場を中心にインクジェット記録媒体の模造品が数多く出回っており、各真正品メーカーはその対応に頭を痛めている。模造品は、真正品と比べて品質的に劣悪であるものの、外観的には真正品と区別し難いものが少なくなく、ユーザーが一見して真正品か模造品かを見分けるのは困難な場合が多い。また、最近の環境に対する配慮機運の高まりを背景に、エコマークやグリーンマークなどの認定を受けたいわゆる環境保全型商品に対するニーズが高まってきているのに伴い、原料として古紙やFSCなどの森林認証を受けたパルプを一定量以上使用し、環境保全型商品として認定を受けたインクジェット記録媒体が製造され、店頭に並ぶようになってきているが、中には、環境保全型商品へのニーズに便乗して、本来は環境保全型商品ではないにもかかわらず、包装紙などに環境保全型商品であると謳ったものがあり、市場で混乱を招いている。
このような偽造問題への対応策としては、インクジェット記録媒体の適当な箇所に、真正品であることを示すマークやエコマーク、グリーンマークをプリントする方法が考えられる。しかし、マークのプリントは模造品メーカーでも比較的簡単に真似できるため、偽造防止効果はあまり期待できない。そこで、模造品メーカーで真似することが難しく、偽造防止に有効な対応策として、インク受容層が塗設される原紙(基材)に、材質的な透過度の差を利用したいわゆる透かし模様(ウォーターマーク)を形成する方法が考えられる。
しかし、透かし模様入りの紙は、透かし模様が入っている箇所とそうでない箇所とでパルプの密度、厚みに違いがあるため、該紙を塗工タイプのインクジェット記録媒体の基材として使用した場合には、該紙上に塗設されたインク受容層の層構造が部分的に変化し、その結果、インクジェット記録後に、透かし模様が入っている箇所を中心に、ブリードと呼ばれる異色の境界部分で色が滲んだり不均一に混ざり合う現象や、コックリングと呼ばれる記録媒体の波打ち現象が起きるという問題がある。そこで、このような透かし模様に起因する弊害を回避し、偽造防止と記録品質の両立を図ったインクジェット記録媒体として、基材中にケナフパルプを30〜100重量%含有させたものが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2によれば、ケナフ紙は、針葉樹パルプや広葉樹パルプを主体とする普通紙に比べて著しく嵩高く且つインク吸収速度やインク吸収容量が著しく大であるため、透かし模様を入れても記録品質の低下を招かないとされている。
特開昭64−11877号公報 特開平11−277729号公報
特許文献2に開示されているインクジェット記録媒体は、基材にケナフという特殊な非木材原料を使用しているため、一般に普及している針葉樹や広葉樹などの木材原料を使用したインクジェット記録媒体とは異なる独特の質感を有しており、また、製造コストの面でも有利とは言えないため、汎用性に乏しく、従来のインクジェット記録媒体のように種々の用途に広範に使用できるものではない。一般に普及しているインクジェット記録媒体の使用感、汎用性などを高めることはあっても、これらを損なったり、異質なものに変えたりすることなく、偽造防止性を高める有効な方法は未だ提供されていない。
尚、一部では、紙の原料としてケナフを使用することは森林資源の枯渇防止に繋がると認識されており、ケナフを使用した紙は環境にやさしいイメージがある。しかし、現在製紙に使用されている木材原料のほとんどは、植林〜伐採〜植林のサイクルが適切に管理された植林地のものであり、木材パルプの使用が森林資源の枯渇に繋がるとは考えられていない(むしろ、植林事業などにより、木材原料供給地域の森林は増加しているという報告もある)。即ち、環境保全の観点ではケナフと針葉樹や広葉樹などの木材とでほとんど差はないと言ってよく、特許文献2のインクジェット記録媒体のように単にケナフを使用しただけでは、環境にやさしい環境保全型商品とは言えない。
従って、本発明の目的は、高画質のインクジェット画像の出力が可能であると共に、偽造防止性にも優れたインクジェット記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録媒体は、基材の片面に一層以上のインク受容層が塗設されたインクジェット記録媒体において、上記基材は、上記インク受容層の非塗設面側に、厚みを部分的に変化させてなる透かし模様が形成された紙からなることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録媒体は、基材に透かし模様が入っているので高い偽造防止性を有しつつも、該透かし模様が該基材のインク受容層非塗設面側に形成されているので、透かし模様部におけるブリードなどの画質低下現象が効果的に防止されており、幅広い印刷用途で高画質の記録画像を出力することができる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体について詳細に説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、基材と、該基材の片面に塗設されたインク受容層とを有する。
上記基材としては、上記インク受容層の非塗設面側に、厚みを部分的に変化させてなる透かし模様が形成された紙(以下、「透かし模様紙」ともいう)を用いる。この透かし模様紙は、通常の紙と同様に、針葉樹や広葉樹等を主原料とするパルプを含んで構成される。
上記透かし模様紙(基材)を構成するパルプ原料としては、針葉樹や広葉樹などの木材原料が好ましい。また、パルプ化の方法は特に限定されず、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、砕木パルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプ、リファイナーグランドパルプ等の公知のパルプ化法を用いることができる。オフィス古紙、古新聞、古雑誌などを原料とした再生パルプも本発明で好ましく用いられる。本発明においては、これら各種パルプの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。必要に応じ、ガラス繊維等の無機繊維、あるいはポリエステル繊維やアラミド繊維等の合成繊維を適宜併用することも可能である。
上記透かし模様紙には、通常、紙を抄造する際に用いられる各種助剤を配合させることができる。例えば、紙の柔軟性、表面の平滑性、不透明性、印刷適性等を改善するための填料として、クレー、タルク、軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機填料を用いることができる。また、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤を使用することができ、この場合には定着剤として硫酸バンドを併用することができる。アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸等の中性サイズ剤を使用する場合は、カチオン澱粉等のカチオン系定着助剤を併用することができる。さらに、必要に応じ、紙力増強剤として、ポリアクリルアミド系ポリマーや澱粉等を用いることができる。
上記透かし模様紙は、通常の木材パルプからなる透かし模様入りの紙を抄造する場合と同様の方法を用いて抄造することができる。例えば、パルプ等の上記各種成分を含有させた紙料スラリーを、長網抄紙機や円網抄紙機などの公知の抄紙機を使って紙料ウェブ(紙匹)とした後、抄紙機の平滑なワイヤー上にある湿潤状態の該紙料ウェブを、所定のパターンを有するロール(パターンロール)でプレスしたり、湿潤状態の該紙料ウェブを乾燥する際に、パターンロールと平滑なロールとの間でプレスしたりするなどして、該紙料ウェブの片面に透かし模様を形成することにより抄造できる。このようにして抄造された透かし模様紙は、パターンロールでプレスされた面が、部分的に形成された透かし模様を構成する凹凸部により、面全体として平滑性が低くなっているのに対し、平滑なロール又はワイヤーでプレスされた面は、透かし模様が無く、平滑性の高い面となっている。インク受容層は、この平滑性の高い面上に塗設される。
上記パターンロールとしては、例えば、透かし模様に対応した凹凸部を取り付けた抄紙網や、透かし模様に合わせて網の目を樹脂等で塞いだ抄紙網を、円網抄紙機の円網シリンダーや長網抄紙機のダンディーロールの上網として用いたものが挙げられる。このようなパターンロールによれば、紙料ウェブに作用させたときに凹凸部に対応する部分の紙層が薄くなり、最終的に、白透かしと呼ばれる、模様部分が透けて見える透かし模様を形成することができる。抄紙網の網材としては、銅、ステンレス綱などの金属や、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂や、竹簾などを用いることができ、特に限定されない。
また、透かし模様の形成時に上記パターンロールと対になって使用される平滑なロールとしては、金属ロール、セラミックロール、合成樹脂ロールなどを用いることができる。
尚、本発明において、透かし模様の形成方法は上記方法に限定されず、他の公知の方法によって行うこともできる。また、透かし模様としては厚みを部分的に変化させてなるものであればよく、白透かしに限定されず、模様部分が周囲に比べて黒ずんで見えるいわゆる黒透かしでもよく、白透かしと黒透かしを複合的に使用した白黒透かしでもよい。
上記透かし模様紙(基材)は、ロジン系、石油樹脂系、酸化澱粉などの各種表面サイズ剤により、表面サイズ処理が施されたものであってもよい。また、透かし模様紙の抄造後、必要に応じて、マシンカレンダーやスーパーカレンダー等の公知の装置を用いて、平滑性を高める処理を行うこともできる。
上記透かし模様紙(基材)の坪量、厚みは特に制限されず、視認性の高い明瞭な透かし模様の形成とインクジェット記録媒体の必要特性とのバランスが取れるように、適宜調整すればよい。
本発明においては、上述の如き構成の基材(透かし模様紙)の片面〔該透かし模様紙の抄造工程において、平滑なロール又はワイヤーでプレスされた面(透かし模様が形成されていない面)〕に、以下に説明するようなインク受容層が塗設される。
本発明に適用可能なインク受容層としては、顔料及びバインダーを必須成分として含有する、いわゆる多孔(空隙)タイプのインク受容層がある。
多孔タイプのインク受容層に使用可能な顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層中には、これらのうちの1種を単独で含有させてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、多孔性無機顔料が好ましく、特に、合成非晶質シリカ、アルミナ化合物(アルミナ水和物、酸化アルミニウム超微粒子)が好ましい。
顔料の含有量は、インク受容層の全固形分に対して40〜90重量%の範囲にあることが好ましい。顔料の含有量が40重量%未満ではインク吸収性が不十分で、高画質が要求されるフルカラー用途などでは画質的に十分に対応できないおそれがある。逆に、90重量%超ではインク受容層の塗膜強度が不足し、粉落ちなどの不都合が発生するおそれがある。
また、上記顔料の結着剤としてインク受容層に含有されるバインダーとしては、インクと親和性を有する水溶性あるいは非水溶性の高分子化合物を含有させることができる。水溶性高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げられる。好ましくは、ポリビニルアルコールである。
上記非水溶性高分子化合物としては、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類やこれらのアルコール類と水との混合溶媒に溶解する非水溶性接着剤が、酸化アルミニウムの分散が安定化されるので特に好ましい。このような非水溶性接着剤としては、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂を挙げることができ、特にアセタール化度が5モル%以上20モル%以下の範囲のアセタール樹脂は、水を多少含有させることができ、顔料の分散を容易にすることができるため、特に好ましい。
これらの高分子化合物(バインダー)は、単独乃至複数を併用してもよく、その含有量は、顔料に対して2〜50重量%程度が好ましい。高分子化合物の含有量が対顔料で2重量%未満ではインク受容層の塗膜強度不足を招くおそれがあり、逆に50重量%超ではインク吸収性が低下するおそれがある。
本発明に係るインク受容層には、上述した顔料及びバインダー(高分子化合物)の他に、必要に応じ、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等を適宜含有させることができる。
またインク受容層には、記録画像の発色性及び耐水性などをより一層高める目的で、カチオン性物質(インク定着剤)を含有させることができる。カチオン性物質としては、例えば、1級〜3級アミン化合物、1級〜3級アミン塩、4級アンモニウム塩等の低分子化合物や、1級〜3級アミノ基、1級〜3級アミン塩基若しくは4級アンモニウム塩基を有するオリゴマー又はこれらの基を有するポリマー等が挙げられ、具体的には、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー、エピハロヒドリン−2級アミンコポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化硫黄コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミドコポリマー、ジアリルメチルアンモニウム塩ポリマー、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化硫黄コポリマー、ジメチルメチルアミン塩酸塩コポリマー、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩化合物、(メタ)アクリルアミドアルキルアンモニウム塩ポリマー、4級アンモニウム塩基を含むアイオネン等のカチオン性有機物が挙げられる。また、Al3+、Ca2+、Mg2+等の多価金属イオンや、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤等も上記カチオン性物質として用いることができる。好ましくは、4級アンモニウム塩基を有するポリマーである。
カチオン性物質(インク定着剤)の含有量は、インク受容層の全固形分に対して0.5〜15重量%の範囲にあることが好ましい。カチオン性物質の含有量が0.5重量%未満では、記録画像の発色性や耐水性の向上効果に乏しく、15重量%超では、インク吸収性の低下や、ブロンジングと呼ばれる、インク色材の析出による高光沢化現象が発生し、却って画像品位が低下するおそれがある。
本発明に係るインク受容層は、公知の塗工法を用いて常法通り形成することができる。具体的には、上述した各種成分を含有するインク受容層用塗工液を、上記透かし模様紙(基材)の透かし模様が入っていない面に塗工し、乾燥することにより形成することができる。塗工液の塗工は、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの各種塗工装置を用いて、オンマシンあるいはオフマシンで常法通り行うことができる。
本発明に係るインク受容層の塗工量は、固形分換算で好ましくは10〜40g/m2、さらに好ましくは20〜30g/m2である。厚みとしては、好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは20〜30μmである。塗工量が10g/m2未満ではインク吸収性などの向上効果に乏しい。一方、塗工量を40g/m2超としても大きな効果は望めず、却って、カールや粉落ちなどの不都合が発生するおそれがある。尚、インク受容層は、単一の層からなる単層構造でもよく、同質又は異質の層を2層以上積層してなる多層構造でもよい。
上述した多孔(空隙)タイプのインク受容層は、光沢感が微妙に調整された艶消し調(マット調)、半光沢調(ラスター調)、光沢感に優れる高光沢調など、任意の面質感に調整することができる。光沢を高める方法としては、塗設されたインク受容層をカレンダー処理により平滑化する方法が挙げられる。その際のカレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。特に、熱を加えながら平滑化処理する熱カレンダー処理は好ましく用いられる。また、塗設されたインク受容層の表面を金属若しくはフィルム等の鏡面に写し取るいわゆるキャスト法によっても、インク受容層の光沢を高めることができる。
また、多孔(空隙)タイプ以外のインク受容層として、水溶性樹脂を含有する、いわゆる膨潤タイプのインク受容層を上記透かし模様紙(基材)上に塗設することもできる。この場合、水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、セルロース変性樹脂、ゼラチンなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は1種を単独で、あるいは2種以上を併用することができる。この膨潤型のインク受容層には、水溶性樹脂以外の成分として、上述した多孔(空隙)タイプのインク受容層に使用可能な各種薬剤を含有させてもよい。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
〈基材(透かし模様入り原紙)の抄造〉
ISO白色度65%の脱墨パルプと、FSC(Forest Stewardship Council)による森林認証を受けたISO白色度90%の広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)の4:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%の紙料スラリーとした。この紙料スラリーから、長網抄紙機を使って、透かし模様として複数のエコマークが所定ピッチで片面の全面に透き入れられた、透かし模様入り原紙(坪量180g/m2)を抄造した。尚、透かし模様の形成は、抄紙機の平滑なワイヤー上で、紙料スラリーから形成された紙料ウェブ(紙匹)に対して、エコマークに対応した凹凸部を取り付けたエポキシ樹脂製の抄紙網を上網として使用したダンディロールを押し当てることにより行った。
〈インク受容層用塗工液の調製〉
シリカゲル(P−78D、水澤化学工業製)100重量部、バインダー(PVA117、クラレ製)15重量部及びインク定着剤(スミレーズレジン1001、住友化学製)5重量部をそれぞれ水に添加し、固形分濃度20%のインク受容層用塗工液を調製した。
〔実施例〕
上記透かし模様入り原紙の透かし模様の入っていない面(抄紙機の平滑なワイヤーでプレスされた面)の全面に、上記インク受容層用塗工液を、バーコーターを用いて、乾燥後の塗工量が12g/m2となるように塗工、乾燥してインク受容層を塗設した。このようにして作製した塗工タイプのインクジェット記録媒体を実施例のサンプルとした。尚、この実施例のインクジェット記録媒体は、ISO白色度70%で、且つ再生パルプ(脱墨パルプ)を70重量%以上含んでおり、「エコマーク:情報用紙ver2.0 プリンター用紙基準」を満たしたものである。
〔比較例〕
上記実施例とは逆に、透かし模様入り原紙の透かし模様の入っている面(凹凸部が取り付けられたダンディロールでプレスされた面)の全面に、上記インク受容層用塗工液を塗工してインク受容層を塗設した以外は実施例と同様にして塗工タイプのインクジェット記録媒体を作製し、これを比較例のサンプルとした。
〔試験例〕
上記各サンプル(インクジェット記録媒体)について、印刷画像の画質を下記の方法により評価した。その結果、実施例の評価結果はA、比較例の評価結果はCであった。
(画質の評価方法)
セイコーエプソン製の顔料インクジェットプリンタPX−V700に上記各サンプルをセットし、各サンプルの被記録面(インク受容層表面)に、高精細カラーデジタル標準画像[(ISO/JIS-SCID)、画像名称「ポートレート」(サンプル番号1、画像の評価認識番号N1)]をMCマット紙用印字モード(推奨きれいモード)で印刷した。この印刷画像を目視で観察し、ブリード(異色の境界部分で色が滲んだり不均一に混ざり合う現象)が全く見られないものをA(画質良好)、透かし模様形成部でブリードがわずかに見られるものをB(実用上問題なし)、透かし模様形成部でブリードが目立つものをC(実用不可)とした。

Claims (3)

  1. 基材の片面に一層以上のインク受容層が塗設されたインクジェット記録媒体において、
    上記基材は、上記インク受容層の非塗設面側に、厚みを部分的に変化させてなる透かし模様が形成された紙からなることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 上記透かし模様は、上記紙の抄造工程において、紙料ウェブを、所定のパターンを有するロールと平滑なロール又はワイヤーとの間でプレスすることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 上記インク受容層は、顔料をバインダーで結着させてなる多孔質のインク受容層であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体。

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