JP2005166596A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化剤極の劣化反応を効率的に抑制できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜10を狭持する酸化剤極触媒層11と、燃料極触媒層12と、酸化剤極触媒層11に接する酸化剤極ガス拡散層13と、燃料極触媒層12に接する燃料極ガス拡散層14と、酸化剤極ガス拡散層13との間に酸化剤ガス流路17を有する酸化剤ガスセパレータ15と、燃料極ガス拡散層14との間に燃料ガス流路18を有する燃料ガスセパレータ16と、からなる燃料電池セル1aを一つ以上備える。さらに、ガス拡散層13、14を積層方向に圧縮する圧縮器21と、圧縮器21の圧縮と除圧を制御するコントローラ26を備える。燃料ガス流路18内に水素/空気フロントが形成される場合には、ガス拡散層13、14を圧縮して多孔性を低減する。
【選択図】 図3

Description

本発明は燃料電池システムに関する。特に、電解質として固体高分子電解質膜を用いた燃料電池において、触媒劣化を抑制するための構成に関する。
燃料電池システムにおいて、酸化剤極側に空気等の酸化剤ガスが存在し、燃料極側に空気等の酸化剤ガスが存在する領域と水素等の燃料ガスとが存在する領域とが形成される場合がある。例えば、燃料極、酸化剤極共に空気が混入している状態からシステムを起動させる場合、燃料極側のガス流路への水素の供給を開始した初期には、燃料ガス流路内に水素が存在する領域と存在しない領域が形成される。燃料極に水素が存在する領域においては、通常の動作状態と同様の反応が起こり、酸化剤極側には0.8V以上の電位が立つ。一方、燃料極に水素が存在しない領域では、これに対峙する酸化剤極で、
C+2H2O→CO2+4H++4e- ・・・(1)
という反応が生じる。その結果、Pt等の触媒を担持しているカーボン担体の腐食が起こり、酸化剤極の電極触媒が大きく劣化し、その後の燃料電池の性能を低下させる要因となる。このとき燃料極側の空気が存在する領域においては、
2+4H++4e-→2H2O ・・・(2)
という反応が起こり、水が生成される。
従来の燃料電池システムにおいては、この現象による酸化剤極の劣化を防止するために、短時間(1秒以下)で、燃料極内の水素が存在する領域と存在しない領域の境界(以後、水素/空気フロントと呼称)が、燃料ガス流路中を通過するように水素を供給することが提案されている(例えば、特許文献1、参照。)。
米国特許出願公開第2002/0076582号明細書
しかしながら、短時間で水素/空気フロントを通過させるためには、燃料電池の流路の設計にもよるが、燃料ガス流路の断面積を小さくして燃料ガス流路中の流速を速める方策等が必要となる。しかしながら、燃料ガス流路の断面積を小さくしてしまうと、通常運転時の圧損が増加するという問題があった。
また、水素/空気フロントを形成させないために、窒素等の不活性ガスを用いてパージを行う技術が知られているが、この場合もシステム中に窒素ボンベ等の不活性ガス貯蔵装置が必要となる、または、燃料器等の酸素消費装置をシステム中に持たせる必要があり、システムを複雑化および大型化してしまうという問題があった。
そこで本発明は、酸化剤極の劣化反応を効率的に抑制できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜を狭持する酸化剤極触媒と、燃料極触媒と、前記酸化剤極触媒に接する酸化剤極ガス拡散層と、前記燃料極触媒に接する燃料極ガス拡散層と、前記酸化剤極ガス拡散層との間に酸化剤ガス流路を有する酸化剤ガスセパレータと、前記燃料極ガス拡散層との間に燃料ガス流路を有する燃料ガスセパレータと、からなる燃料電池セルを一つ以上備える。さらに、少なくとも前記ガス拡散層を積層方向に圧縮する圧縮手段と、前記圧縮手段による圧縮と除圧を制御する制御手段と、を備える。
圧縮手段により少なくともガス拡散層を圧縮することにより、ガス拡散層内に含有されるガスの量を低減することができる。つまり、触媒とガスとの接触を抑制することができる。その結果、燃料極ガス拡散層内に、水素が存在する領域と酸素が存在する領域が形成される際に、対極間で反応が生じるのを抑制することができ、酸化剤極の劣化反応を効率的に抑制することができる。
第1の実施形態について説明する。図1に、燃料電池100を構成する単位セルである燃料電池セル100aの一般的な構成を示す。
プロトン伝導性を有する高分子電解質膜110を、一対の触媒層である酸化剤極触媒層111と燃料極触媒層112により狭持する。例えば、触媒層111、112を、カーボン等にPt等の触媒を担持したカーボン担体から構成する。触媒層111、112を、触媒層111、112に反応ガスを供給する酸化剤極ガス拡散層113、燃料極ガス拡散層114によって、さらに狭持する。ガス拡散層113、114をそれぞれ多孔質体により構成する。
さらにその外側から、酸化剤ガスセパレータ115、燃料ガスセパレータ116で狭持することにより燃料電池セル100aを構成する。ガス拡散層113、114とセパレータ115、116との間には、それぞれ酸化剤ガス流路117、燃料ガス流路118を設ける。
通常運転時には、酸化剤ガス流路117に酸化剤ガスとして、例えば空気を供給し、燃料ガス流路118に燃料ガスとして、例えば水素ガスを供給する。酸化剤ガス流路117、燃料ガス流路118を通る空気または水素ガスは、ガス拡散層113、114を介して触媒層111、112の触媒に接触し、以下のような反応を生じる。
燃料極側 :H2 → 2H+ + 2e- ・・・(3)
酸化剤極側:2H+ + 1/2O2 +2e- → H2O ・・・(4)
(3)式に示すように、燃料極触媒層112では、燃料ガス中の水素がプロトンと電子に分離される。プロトンは、高分子電解質膜110内部を拡散して酸化剤極触媒層110側に到達し、電子は図示しない外部回路を通って出力として取り出される。一方、酸化剤極触媒層111では、高分子電解質膜110内を拡散してきたプロトン、図示しない外部回路を介して移動してきた電子、および、空気中の酸素により形成される三相界面上で(4)式に示すような反応が生じる。
このような燃料電池100を移動体、例えば自動車用のエネルギ源として活用した場合には、起動/停止が頻繁に繰り返されることになる。燃料電池100停止中には、燃料電池100への水素および空気の供給が停止された状態で放置される、または、不活性ガス等により充満された状態で放置される。放置が長時間継続された場合には、外部より大気が浸入して燃料ガス流路114内に空気が存在する状態となる可能性がある。
このように放置時に燃料ガス流路114内に空気が混入した場合、このような状態からシステムを起動すると、燃料電池100内では図2に示すような反応を生じる。
酸化剤ガス流路117内には空気が充満する。燃料ガス流路118には水素が存在する領域Aと空気が存在する領域Cが形成され、水素と空気の界面である水素/空気フロントBが形成される。燃料ガス流路117に水素が存在する領域Aにおいては、通常の動作と同様の反応が起こり、酸化剤極側には0.8V以上の電位が立つ。一方、水素/空気フロントBを境にして、燃料ガス流路118に空気が存在する領域Cにおいては、酸化剤極触媒層111側で前述した(1)式のような反応が、燃料触媒層112側で(2)式のような反応が生じる。つまり、酸化剤極触媒層111側で、Pt等の触媒を担持しているカーボン担体の腐食が起こる。これにより、酸化剤極触媒層111が大きく劣化し、燃料電池セル100aの性能を劣化させる原因となる。
同様に、燃料電池100の停止時に、燃料ガス流路118内を空気等の酸素含有ガスによりパージすると、燃料極触媒層112内に水素/空気フロントBが形成され、カーボン担体の腐食反応が生じる可能性がある。
そこで本実施形態では、図3に示すように燃料電池1を構成することで、カーボン腐食を抑制して燃料電池1の劣化を抑制する。なお、ここでは燃料電池1として、一つの燃料電池セル1aを有する場合について説明する。
燃料電池セル1aを、酸化剤極触媒層11と燃料極触媒層12で狭持された電解質膜10を、酸化剤極ガス拡散層13と燃料極ガス拡散層14で狭持し、さらに、酸化剤ガスセパレータ15と燃料ガスセパレータ16で狭持することにより構成する。
電解質膜10としては、プロトン伝導性を有するものを用い、例えばパーフルオロスルホン酸の膜を用いる。また、酸化剤極触媒層11、燃料極触媒層12には、カーボン等導電性のある担体にPt等の触媒を担持したものを用いる。ガス拡散層13、14としては、多孔性の部材、例えばカーボン繊維から構成されたものを用いる。特にガス拡散層13、14としては、弾性が高い部材を用いるのが好ましい。例えば、布状のカーボンクロスを用いる。
また、セパレータ15、16には、加工が比較的容易な炭素部材を用いる。ガス拡散層13、14とセパレータ15、16との間には、それぞれ酸化剤ガス流路17、燃料ガス流路18を設ける。酸化剤ガス流路17は、燃料電池セル1a内に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガスマニホールド27aと、酸化剤ガスを排出する酸化剤ガスマニホールド27bに連通する。また、燃料ガス流路18は、燃料電池セル1a内に燃料ガスを導入する燃料ガスマニホールド28aと、燃料ガスを排出する燃料ガスマニホールド28bに連通する。また、積層面の外縁部からのガス漏れを防止するため、固体高分子電解質膜10を中心に、触媒層11、12とガス拡散層13、14の外縁部をガスケット25によりシールする。
さらに、両極のセパレータ15、16から外部負荷回路に電力を取り出すため、酸化剤極集電板19、燃料極集電板20をそれぞれのセパレータ15、16に接続する。集電板19、20は、セパレータ15、16との接触抵抗が低いものが好ましく、例えば、金属電極を金メッキした部材で構成する。酸化剤極集電板19と燃料極集電板20を、さらに外側から一対のエンドプレート22、23によって狭持、固定するように構成する。ここでは、一対のエンドプレート22、23間は締結ロッド24において積層方向に一定の厚みをもつように固定される。
このとき、本実施形態では、ガス拡散層13、14を圧縮する圧縮器21を備える。図3に示すように、圧縮器21を燃料電池セル1aの一方の端部とエンドプレート22または23の間に設ける。ここでは、酸化剤極集電板19とエンドプレート22との間に圧縮器21を備える。圧縮器21で燃料電池セル1aを積層方向に圧縮することにより、ガス拡散層13、14が積層方向について圧縮されるように構成する。
圧縮器21としては、ここでは油圧式ジャッキを用いるが、空気圧による圧縮器やネジの締結力によって圧力をかける機械式等、燃料電池セル1aに圧力をかけるものであれば特に限定しない。また、圧縮器21としては、少なくともガス拡散層13、14全体に、略均一に圧力をかけることができるものが好ましい。例えば、ここでは、燃料電池セル1aの積層面全体に均一に圧力をかけることができるものが好ましい。
また、圧縮器21を制御するコントローラ26を備える。コントローラ26は、圧縮器21の圧縮と除圧を制御する。燃料ガス流路18内に水素が存在する領域と酸素が存在する領域が形成される際に、圧縮器21により燃料電池セル1aを圧縮し、ひいてはガス拡散層13、14を圧縮する。これにより、燃料極ガス拡散層14内に水素/空気フロントが形成されるのを抑制し、カーボン腐食反応が生じるのを抑制する。また、酸化剤極ガス拡散層13内に酸素が存在するのを抑制し、(4)式に示す反応が生じるのを抑制することができるので、カーボン腐食反応が生じるのを抑制する。
さらに、吐出側が酸化剤マニホールド27aに連通し、燃料電池1に酸化剤ガスとしての空気を供給するコンプレッサ20を備える。また、放出側が燃料ガスマニホールド28aに連通し、燃料電池1に供給する燃料ガスとしての水素ガスを貯蔵するボンベ30を備える。なお、コンプレッサ20からは、燃料ガスマニホールド28aにも空気を選択的に供給できるように構成する。または、コンプレッサ20とは別に空気の導入手段を備え、これにより、燃料ガスマニホールド28aへ選択的に空気を導入できるように構成してもよい。システム停止時に、燃料ガスマニホールド28aへ空気を導入することにより、燃料ガス流路18内の燃料ガスを、空気を用いてパージする。
次に、このような燃料電池システムにおける制御方法について説明する。図4(a)にシステム起動時のフローチャートを示す。
システムの起動指令の信号を検知したら、ステップS1において、圧縮器21による圧縮を開始する。次に、ステップS2において、ボンベ30から燃料ガス流路18へ燃料ガスの供給を開始する。燃料ガスが燃料ガス流路18に行き渡ったら、ステップS3において圧縮器21の除圧する。なお、燃料ガスが燃料ガス流路18に行き渡ったかどうかは、予め実験等により燃料ガスが燃料ガス流路18内に充満するまでの時間を求めておき、この時間が経過したか否かで判断することができる。または、燃料ガス流路18の出口側に水素センサ等を備え、これが水素ガスを検知したら、燃料ガス流路18に燃料ガスが行き渡ったと判断してもよい。ステップS3において圧縮器21の除圧を行ったら、本フローを終了して発電を開始する。
上述したように起動制御した場合の燃料電池セル1a内の状態を図5に示す。
燃料電池システム停止時には、図5(a)に示すような状態となる。つまり、燃料ガス流路18および燃料極ガス拡散層14内に空気が充満している状態となる。ステップS1において圧縮器21で圧縮を行うことにより、燃料極ガス拡散層14は圧縮された状態となり、燃料ガスが供給される以前に燃料極ガス拡散層14の多孔性が低減される。このような状態で、ステップS2において燃料ガス流路18に燃料ガスを導入すると、図5(b)に示すように、燃料極ガス拡散層14中に存在する空気と燃料ガスの量が抑制され、燃料極ガス拡散層14内で水素/空気フロントが形成されるのを抑制することができる。その結果、燃料極触媒層12に接触する酸素および水素を抑制することができ、(1)式に示すカーボンの腐食反応を抑制することができる。さらに、燃料ガス流路18内に燃料ガスを満たした後、ステップS4において圧縮器21の除圧を行うことにより、図5(c)に示すように、燃料ガスが燃料極ガス拡散層14中に同一に、且つ、均一に広がる。この結果、除圧時にも水素/空気フロントが生じるのを抑制することができる。
また、図示しないが、圧縮器21により燃料電池セル1aを圧縮することにより酸化剤極ガス拡散層13も圧縮される。これにより酸化剤極ガス拡散層13の多孔性が低減されるので、酸化剤極触媒層11に接触する酸素量を低減することができ、(4)式に示す反応を抑制することにより、酸化剤極のカーボン腐食反応が生じるのを抑制することができる。
次に、システム停止時の制御方法について、図4(b)のフローチャートを用いて説明する。
システム停止指令の信号を検知したら、ステップS11において、圧縮器21による圧縮を開始する。これにより、ガス拡散層13、14内への反応ガスの拡散が阻害され、発電反応がほぼ終了する。次に、ステップS12において、燃料ガスの供給を停止する。ステップS13において、燃料ガス流路18内の燃料ガスを、パージガス、例えば空気を用いてパージする。パージが終了したら、ステップS14に進み、圧縮器21の除圧を行う。なお、パージが終了したか否かは、予め実験等によりパージに必要な時間を求めておき、この時間が経過したか否かにより判断することができる。または、燃料ガス流路18の出口側に水素検知器等を備え、この水素検知器により水素が検知されなくなったら、パージが完了したと判断してもよい。
停止時に、上述したような制御を行った場合の燃料電池セル1a内の状態を図6に示す。
燃料電池システム運転時には、図6(a)に示すように、燃料ガス流路18内には燃料ガスが充満した状態となる。ステップS11において圧縮器21で圧縮を開始することにより、ガス拡散層14が圧縮されて多孔性が低減される。この状態で、燃料ガスの供給を停止して空気パージを開始すると、図6(b)に示すように燃料極ガス拡散層14中に存在する空気と水素のそれぞれの量が低減される。その結果、燃料極ガス拡散層14内に水素/空気フロントが形成されるのを抑制することができ、(1)式に示すようなカーボンの腐食反応を抑制することができる。次に、燃料ガス流路18内の燃料ガスがパージされてから、ステップS14において圧縮器21の除圧を行うことにより、図6(c)に示すように、空気が燃料極ガス拡散層14内に同一に、且つ、均一に広がる。この結果、システム停止時に、カーボンの腐食反応を低減することができる。
また、起動時と同様に、酸化剤極ガス拡散層13も圧縮されることで、酸化剤極触媒層11に接触する酸素量を低減することができ、(4)式に示す反応を抑制することができるので、酸化剤極のカーボン腐食反応が生じるのを抑制することができる。
このように、本実施形態では、燃料ガス流路18内に水素/空気フロントが形成される場合に、ガス拡散層13、14を圧縮して触媒層11、12に接触する反応ガス量を低減することで、カーボンの腐食反応を抑制する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
固体高分子電解質膜10を狭持する酸化剤極触媒層11と、燃料極触媒層12と、酸化剤極触媒層11に接する酸化剤極ガス拡散層13と、燃料極触媒層12に接する燃料極ガス拡散層14と、酸化剤極ガス拡散層13との間に酸化剤ガス流路17を有する酸化剤ガスセパレータ15と、燃料極ガス拡散層14との間に燃料ガス流路18を有する燃料ガスセパレータ16と、からなる燃料電池セル1aを一つ以上備える。さらに、少なくともガス拡散層13、14を積層方向に圧縮する圧縮器21と、圧縮器21による圧縮と除圧を制御するコントローラ26を備える。燃料ガス流路18内に水素の存在する領域と酸素が存在する領域とが形成される際に、圧縮器21により燃料極ガス拡散層14を圧縮することで、燃料極ガス拡散層14の多孔性が低減され、燃料極ガス拡散層14への水素および酸素の拡散を抑制することができる。また、燃料ガス流路18内に水素の存在する領域と酸素が存在する領域とが形成される際に、圧縮器21により酸化剤ガス拡散層13を圧縮することで、酸化剤極ガス拡散層13の多孔性が低減され、酸化剤極ガス拡散層13内に含まれる酸素量を低減することができる。その結果、触媒層11、12と水素または酸素との接触を抑制し、カーボンの腐食反応を低減することができる。
特に、圧縮器21により燃料極ガス拡散層14を圧縮可能に構成する。これにより、導入されるガスが燃料ガス拡散層14内に拡散し難いので、燃料極ガス拡散層14内での水素/空気フロントの形成を抑制することができる。
システム起動時に、燃料ガス流路18への燃料ガス供給前に、圧縮器21によりガス拡散層13、14を圧縮し、燃料ガス供給後、圧縮器21の圧縮負荷を取り除く。ガス拡散層13、14を圧縮した状態においては、ガス拡散層13、14の多孔性が失われる。そのため、燃料極ガス拡散層14中に存在する酸素量が少なくなると同時に、燃料極ガス拡散層14を圧縮した状態で燃料ガスを供給すると、燃料ガスの燃料極ガス拡散層14への拡散も抑制される。このため、水素/空気フロントにおけるカーボン腐食を起こす原因となる、燃料極触媒層12に接する空気および水素のそれぞれの量を減らすことが可能となり、水素/空気フロントの発生を抑制することができる。また、酸化剤極ガス拡散層13内に含有される酸素量が低減され、(4)式に示す反応を抑制することができるので、カーボンの腐食を生じ難くすることができる。さらに,燃料ガス供給後に圧縮を取り除くことで、燃料ガス拡散層14内が負圧となり、燃料ガスを燃料ガス拡散層14平面内に同時かつ均一に分配することができるため、酸化剤極側のカーボン腐食を抑制しつつ、起動することができる。
また、システム停止時には、圧縮器21によりガス拡散層13、14を圧縮してから、燃料ガス流路18への燃料ガスの供給を停止する。このように、ガス拡散層13、14を圧縮して多孔性が低減された状態で燃料ガスの供給を停止するので、ガス拡散層13、14中に含まれる燃料ガス量を低減することができる。つまり、触媒層11、12に接触する空気および燃料ガス量を低減することができ、発電反応を速やかに停止することができる。
また、システム停止時に、圧縮器21によりガス拡散層13、14を圧縮してから、燃料ガス流路18への燃料ガスの供給を停止し、その後、燃料ガス流路18を酸化剤ガスでパージしてから、圧縮器21の圧縮負荷を取り除く。このように、圧縮器21で燃料極ガス拡散層14が圧縮された状態でパージガスとして酸素を含有するガスを供給するので、燃料極ガス拡散層14内への酸素含有ガスの拡散を抑制することができ、水素/空気フロントが生じるのを抑制することができる。そのため、パージガスとして空気等の酸素含有ガスを用いることができ、パージガスの貯蔵手段や生成手段を備えなくても良いので、システムをコンパクト化することができる。
さらに、ガス拡散層13、14を、カーボン繊維からなる布状材質で構成する。これにより、ガス拡散層13、14の弾性を向上することができ、圧縮・変形する際に破損が生じるのを抑制しつつ、除圧された際には多孔性を有する燃料極ガス拡散層13、14を構成することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。ここでは燃料電池1として、複数の燃料電池セル1aを積層することにより構成したスタック2を有する場合について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
スタック2の構成を、図7に示す。図7(a)に燃料ガスセパレータ16の表面図を、図7(b)には燃料電池セル1aを積層した際のスタック2の一部を示す。
図7(a)に示すように、燃料ガスセパレータ16に蛇行形状の燃料ガス流路18を構成する。また、燃料ガス流路18に燃料ガスを供給する燃料ガスマニホールド28aと、燃料ガス流路18から燃料ガスを回収する燃料ガスマニホールド28bを備える。燃料ガスマニホールド28a、28bを、スタック2を積層方向に貫通し、積層方向についての変形が可能な弾性体により構成する。
図7(b)に示すように、燃料ガスマニホールド28a内に導入された燃料ガスは、積層方向に流通する際に、それぞれの燃料電池セル1aに構成された燃料ガス流路18に分配される。燃料ガスは燃料ガス流路18を流通する際に、燃料極ガス拡散層14内部に拡散して発電反応に用いられる。燃料ガス流路18を流通後、発電に用いられなかった燃料ガスは、燃料ガスマニホールド28bに回収され、スタック2の外部に排出される。
なお、ここでは酸化剤ガスセパレータ17については図示しないが、燃料ガスセパレータ18と略同じ形状に構成する。また、酸化剤ガスとしての空気を、それぞれの燃料電池セル1aに形成した酸化剤ガス流路17に分配・回収する酸化剤ガスマニホールド27a、27bについても、積層方向に変形可能な弾性体により構成する。さらに、ここには図示しないが、スタック2の温度調整を行う、または加湿を行うために冷却水や純水を分配・回収するマニホールドを備えた場合には、このマニホールドも積層方向に変形可能な弾性体により構成する。
また、ここでは一つの流路により燃料ガス流路18を構成しているがこの限りではない。燃料ガスセパレータ16の表面に複数の並列した流路を構成し、さらに、各流路に燃料ガスを分配・回収するマニホールドを設けることにより燃料ガス流路18を構成してもよい。さらに、燃料ガス流路18は蛇行形状に限らず、ストレート形状、インターディジテット形状等、任意の形状とすることができる。
このようなスタック2を用いた燃料電池1の構成を図8に示す。ここでは、スタック2として燃料電池セル1aを100セル積層したものを用いる。
第1の実施形態と同様に、スタック2の端部から外部負荷回路に電力を取り出すため、酸化剤極集電板19、燃料極集電板20をスタック2の端部に接続する。さらに、集電板19、20の外側から絶縁板34で狭持し、さらにその外側からスタック2を積層方向に貫通する内部締結ロッド33により、スタック2が一定の厚み以下に維持されるように締結される。
このようなスタック2を、一対のエンドプレート22、23間に収容し、エンドプレート22、23を締結ロッド24によって積層方向に一定の厚みを持つように固定する。さらに、スタック2とエンドプレート22との間に、スタック2を積層方向に圧縮する圧縮器21を備える。圧縮器21としては、第1の実施形態と同様に油圧式ジャッキを用いるがこの限りではない。さらに、圧縮器21を制御するコントローラ26を備える。コントローラ26は、圧縮器21の加圧と除圧を制御する。
また、第1の実施形態と同様に、酸化剤マニホールド27aに酸化剤ガスとしての空気を供給するコンプレッサ20と、燃料ガスマニホールド28aに供給する燃料ガスとしての水素ガスを貯蔵するボンベ30も備えるが、図8では省略する。
このような燃料電池システムにおいて、第1の実施形態と同様に、起動時には図4(a)に示すフロー、停止時には図4(b)に示すフローに従って圧縮器21を制御する。つまり、起動時には、圧縮器21により圧縮した状態で燃料ガスを供給し、燃料ガス流路18に燃料ガスが行き渡ったら除圧する。これにより、各燃料電池セル1aの燃料極ガス拡散層14が圧縮されて多孔性が低減された状態で燃料ガスの導入が行われるので、燃料極ガス拡散層14内に水素/空気フロントが形成されるのを抑制することができる。また、酸化剤極ガス拡散層13内に存在する酸素量を抑制して、酸化剤極触媒層11と酸素との接触を抑制することができる。
一方、停止時には、圧縮器21により圧縮した状態で燃料ガスの供給を停止し、空気によるパージを行う。これにより、各燃料電池セル1aの燃料極ガス拡散層14が圧縮されて多孔性が低減された状態で空気が導入されるので、燃料極ガス拡散層14内に水素/空気フロントが生じるのを抑制することができる。また、酸化剤極ガス拡散層13内に存在する酸素量を抑制して、酸化剤極触媒層11と酸素との接触を抑制することができる。
このように、燃料ガス流路18内に水素/空気フロントが形成される場合に、ガス拡散層13、14を圧縮して触媒層11、12に接触する反応ガス量を低減することで、カーボンの腐食反応を抑制する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
燃料電池1を、複数の燃料電池セル1aを積層することにより形成したスタック2により構成し、さらに、スタック2を積層方向に貫通し、燃料ガスまたは酸化剤ガスの供給・回収を行うガスマニホールド27、28を備える。ここでは、ガスマニホールド27、28を弾性体により構成する。これにより、圧縮器21により圧力を加えた際に、スタック2に変形が生じた場合にも、ガスマニホールド27、28の破損を防ぎ、反応ガス漏れが生じるのを防ぐことができる。または、燃料ガスマニホールド28、酸化剤ガスマニホールド27を、各燃料電池セル1a内において積層方向の変化が可能となるように構成してもよい。つまり、圧縮器21の加圧により積層方向の変形が生じた際に、積層方向に連通する燃料ガスマニホールド28や酸化剤ガスマニホールド27において破損が生じるのを防ぐことができるように構成する。
なお、ここでは酸化剤ガスとして空気を用いているがこの限りではない。その他の酸素含有ガスを用いることもでき、この場合にはパージガスとしてこの酸化剤ガスや空気を用いることができる。
また、圧縮器21を、燃料電池1内部に備えたがこの限りではなく、燃料電池1外部から加圧を加えるように構成してもよい。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることはいうまでもない。
本発明は、固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池システムに適用することができる。
一般的な燃料電池セルの構成を示す図である。 燃料電池セル内でカーボン腐食反応が発生する状態を示す図である。 第1の実施形態に用いる燃料電池の構成を示す図である。 第1の実施形態における起動時・停止制御のフローチャートである。 第1の実施形態における起動時の燃料電池セル内の状態を示す図である。 第1の実施形態における停止時の燃料電池セル内の状態を示す図である。 第2の実施形態に用いる燃料電池スタックの概略を示す図である。 第2の実施形態に用いる燃料電池の構成を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池
1a 燃料電池セル
2 スタック
10 電解質膜
11 酸化剤極触媒層
12 燃料極触媒層
13 酸化剤極ガス拡散層
14 燃料極ガス拡散層
15 酸化剤ガスセパレータ
16 燃料ガスセパレータ
17 酸化剤ガス流路
18 燃料ガス流路
21 圧縮器
26 コントローラ
27 酸化剤ガスマニホールド
28 燃料ガスマニホールド

Claims (7)

  1. 電解質膜を狭持する酸化剤極触媒と、燃料極触媒と、
    前記酸化剤極触媒に接する酸化剤極ガス拡散層と、
    前記燃料極触媒に接する燃料極ガス拡散層と、
    前記酸化剤極ガス拡散層との間に酸化剤ガス流路を有する酸化剤ガスセパレータと、
    前記燃料極ガス拡散層との間に燃料ガス流路を有する燃料ガスセパレータと、からなる燃料電池セルを一つ以上備え、
    さらに、少なくとも前記ガス拡散層を積層方向に圧縮する圧縮手段と、
    前記圧縮手段による圧縮と除圧を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. システム起動時に、前記燃料ガス流路への燃料ガス供給前に、前記圧縮手段により少なくとも前記ガス拡散層を圧縮し、燃料ガス供給後、前記圧縮手段の圧縮負荷を取り除く請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. システム停止時に、前記圧縮手段により少なくとも前記ガス拡散層を圧縮してから、前記燃料ガス流路への燃料ガスの供給を停止する請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. システム停止時に、前記圧縮手段により少なくとも前記ガス拡散層を圧縮してから、前記燃料ガス流路への燃料ガスの供給を停止し、その後、前記燃料ガス流路を酸化剤ガスでパージしてから、前記圧縮手段の圧縮負荷を取り除く請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記圧縮手段により圧縮される少なくとも前記ガス拡散層を、カーボン繊維からなる布状材質で構成する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池を、複数の前記燃料電池セルを積層することにより形成したスタックにより構成し、
    さらに、前記スタックを積層方向に貫通し、燃料ガスまたは酸化剤ガスの供給・回収を行うガスマニホールドを備える請求項1から5のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記ガスマニホールドを弾性体により構成する請求項6に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007115492A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Toyota Motor Corp 燃料電池システム及びその制御方法
JP2007179831A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007250189A (ja) * 2006-02-20 2007-09-27 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池スタック

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