JP2005163176A - ピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 重量%でC:0.12〜0.17%、Mn:2.0%以下、P:0.045%以下、S:0.01%以下、Si:1.0%以下、Cr:12.5〜14.5%以下、N:0.06〜0.01%、O:0.01%以下、残部Feおよびその他やむを得ず添加される不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼。
【選択図】 図10

Description

本発明は、1種洋食器、ナイフ、はさみおよび繊維産業における紡績用ホルダー等に用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法に関し、より詳細には、13%Cr含有ステンレス鋼に炭素および窒素を適正量添加して生産量の減少なしに炭化物の中心偏析によるラミネーションの発生を防止しつつ、ピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼及びその製造方法に関する。
一般に、マルテンサイト系ステンレス鋼は、硬化性ステンレス鋼として工具や刃のある道具用材質として用いられる。このようなマルテンサイト系ステンレス鋼は、所定成分を含有する溶鋼を鋳造して生産された連鋳スラブを再加熱後、熱間圧延して熱延コイルを生産するステップと、熱延コイルを相焼鈍するステップと、酸洗処理後冷間圧延および熱処理するステップと、焼き入れ熱処理するステップからなる工程によって製造される。
このとき、熱間圧延の状態で熱延コイルの組織は混在されているマルテンサイト状とフェライト状を有する。前記相焼鈍するステップにて熱延コイルの組織はフェライトと炭化物に変態されて軟質化する。また、前記焼き入れ熱処理工程によっても高強度マルテンサイト系ステンレス鋼に変態する。
一方、前記マルテンサイト系ステンレス鋼は、場合によって軟性確保のため焼き入れ後焼き戻し熱処理工程を経ることもある。
代表的なマルテンサイト系ステンレス鋼には、420J1鋼と420J2鋼があり、このうち420J1鋼は13%Cr〜0.21%Cを基本組成とし、420J2鋼は13%Cr〜0.32%Cを基本組成とする。
これらの鋼は相対的に高い炭素含量を持つので、連鋳スラブの製造工程において粗大な炭化物中心偏析を形成する。420J1鋼の連鋳スラブの断面組織を示す図1を参照すれば、 連鋳スラブ内に中心偏析が形成されたことがわかる。
連鋳スラブに形成された中心偏析は図3に示したように再加熱工程、または焼鈍熱処理工程でよく除去されず、熱延焼鈍板の中心部にバンド形態の炭化物として残留することになり、このため熱延板には図2に示されたようにストリップの切断過程にて炭化物中心偏析によるラミネーション欠陥を伴う。
一方、中心偏析を最少化するために連鋳工程で鋳造速度を低減したが、連鋳生産性が顕著に低下するという問題がある。
更に、鋳造の際に形成された中心部の粗大な炭化物、および熱間圧延後コイルの冷却の際に形成された炭化物を固溶するための熱間圧延後の焼鈍、すなわち、相焼鈍の焼鈍温度および維持時間を制御する技術が公知であるが、このような公知技術の適用の際に熱延コイル生産性が低下するという問題があった。
また、中心偏析を最少化するために炭素を窒素に代替する技術が公知である。しかしながら、この技術の適用の際に連鋳スラブにピンホールの欠陥が生じ、このため、表面欠陥を伴う製品が生産されるという問題があった。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、生産性の低下なしにピンホールの生成を最少化しつつ中心偏析の最少化ができ、かつ耐蝕性と焼き入れ強度を改善したマルテンサイト系ステンレス鋼を提供することにその目的がある。
前記目的を達成するための本発明によれば、ピンホールの欠陥のない高耐蝕性マルテンサイト系ステンレス鋼は、重量%でC:0.12〜0.17%、Mn:2.0%以下、P:0.045%以下、S:0.01%以下、Si:1.0%以下、Cr:12.5〜14.5%、N:0.06〜0.01%、C+N:0.210〜0.265%、O:0.01%以下、残部Feおよびその他やむを得ず添加される不純物からなることを特徴とする。
本発明によれば、窒素と炭素成分の含量を厳格に制御することによって耐蝕性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼において、生産性の低下なしに炭化物中心偏析によるラミネーションの生成を防止し、かつ窒素気孔によるピンホールの生成を防止してステンレス鋼製品の品質を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明によるピンホールの欠陥のない高耐蝕性マルテンサイト系ステンレス鋼の好適実施例について、更に詳細に説明する。
本発明によるマルテンサイト系ステンレス鋼は、重量%でC:0.12〜0.17%、Mn:2.0%以下、P:0.045%以下、S:0.01%以下、Si:1.0%以下、Cr:12.5〜14.5%、N:0.06〜0.01%、C+N:0.210〜0.265%、O:0.01%以下、残部Feおよびその他やむを得ず添加される不純物からなり、前述の成分範囲の限定理由は次のとおりである。
鋼のうち、クロム(Cr)の含量は耐蝕性の向上および窒素固溶度増加のために12.5〜14.5%とする。クロムの含量が12.5%未満であれば、耐蝕性向上の効果および窒素固溶の効果が微々である。また、クロムの含量が14.5%を超えればフェライト状の析出可能性があり、かつクロム添加効果に比べて費用が相対的に多く求められる。そのため、クロムの添加範囲は12.5〜14.5%に限定する。
炭素(C)は、ステンレス鋼の強度の向上に極めて効果的な元素であるが、多量添加の際、連鋳工程においてスラブ中心部に粗大なクロム炭化物の中心偏析を形成してラミネーション欠陥および耐蝕性低下の主な原因となる。
さらに、炭素があまり少なく添加される場合には、望みの強度が得られない。そのため、炭素の適切な添加範囲は0.12〜0.17%に限定する。
窒素(N)は、ステンレス鋼の強度の向上および耐蝕性増加のために多目に添加することが好ましいが、多量添加の際、窒素による気孔が形成され、スラブにピンホールの欠陥を発生させる。反対に、窒素があまり少なく添加されれば強度向上および耐蝕性増加の効果が微々である。そのため、窒素の適切な添加範囲は0.06〜0.10%に限定する。
一方、上述したように窒素と炭素各々の添加範囲を設定することがステンレス鋼の機械的性質を向上するために重要であるが、スラブにピンホールの欠陥が発生するのを防止するためには窒素と炭素の合算範囲を限定することが重要である。これは炭素と窒素がステンレス鋼の強度を決めるのに相互補完的関係を持っていることによる。
そして、炭素と窒素の合算範囲が0.210%未満であれば強度が悪くなり、0.265%を超過すればピンホール発生の可能性が存在することになる。したがって、ステンレス鋼の強度が低下するのを防止し、またピンホールの欠陥が発生するのを防止するために炭素と窒素の合算範囲を0.210〜0.265%に限定する。
マンガン(Mn)は、窒素の固溶度を向上するために添加される元素である。しかし、マンガンが多量に添加されると、ストリップの表面品質を低下させ、かつ油化物の形成によってステンレス鋼の耐蝕性を低下させる。したがって、マンガンの添加範囲は2.0%以下に限定する。
硫黄(S)のスラブ内に油化物を形成してステンレス鋼の耐蝕性を低下させる。したがって、油化物の生成を防止することができるように、硫黄の添加範囲は厳しく管理して0.01%以下に限定する。
シリコン(Si)は、ステンレス鋼の機械的性質に大きな影響を及ぼさないが、多量に添加されれば、熱間加工性を低下させる。したがって、ステンレス溶鋼の清浄度向上のための脱酸操業を考慮し、シリコンの添加範囲は1.0%以下に限定する。
燐(P)は、精錬工程の経済性のためにステンレス鋼通常の製造範囲である0.045%以下にする。
酸素(O)は、ステンレス鋼の耐蝕性および表面品質を低下させるので、これを防止するために0.01%以下に限定する。
下記表1に示された成分から組成された鋼を真空誘導溶解炉で溶解し、鋳塊形態に製造した後、通常の条件で熱間圧延して試片を製作した。
Figure 2005163176
上記表1において、比較鋼の420J1は炭素と窒素の含量が本発明の組成範囲からはずれた場合であり、特に、炭素を過量含有しているため、図1ないし図3の写真に表されたようにスラブ内に炭化物による中心偏析が生成され、加工の際に炭化物の中心偏析によるラミネーション欠陥が示されており、かつ熱延焼鈍板の中心部にはバンド形態の炭化物が残留していることが分かる。
しかし、窒素は本発明の組成範囲に比べて相対的に少ない量を含有しているため、ピンホールの欠陥が見られなかった。
比較鋼の420N7鋼では、本発明の組成範囲より相対的に少ない量の炭素を含有しているため、炭化物による中心偏析が見られなかったが、窒素の含量を本発明の組成範囲より相対的に多く含有しているため、図4と図5の写真に表されたように連鋳スラブの側面表層部に大型ピンホールの欠陥が残留していることが分かる。
図5は420N7鋼スラブの上面表層部を5mm研削した状態での平断面形状を表わす写真であり、非常に多くのピンホールが表層直下に存在していることが分かる。
上述したようにスラブに存在するピンホールの欠陥は図6に示されたように熱延板表面に大型表面欠陥として表出される。大型表面欠陥は熱延板の表面研磨によっても除去が容易ではないので、マルテンサイト系ステンレス鋼の品質を低下させる。
上述の内容からピンホールの欠陥は、鋼中窒素固溶度に基づいて発生され、ステンレス鋼製品の品質を低下させることが分かる。すなわち、13.2Cr−0.5Mn−0.5Si−0.1C−0.12N鋼の温度変化による窒素固溶度を熱計算に基づいて理論的に図示したグラフを示す図7を参照すれば、液状状態での窒素最大固溶度は、凡そ1,600ppmであるが、凝固過程中δ状析出とともに最小固溶度は凡そ558ppmに減少する。
したがって、たとえピンホール発生の限界窒素濃度は、大気圧、鉄定圧(static pressure of iron)およびピンホールの表面張力を考慮すべきであるから最小窒素固溶度より多少高くなることもあり得るが、鋼中窒素含量が高い場合には過飽和窒素の気孔形成によってピンホール発生が可能になる。
本発明では、既存発明の問題であるピンホールの生成を最少化するために鋼中窒素成分を調停しており、かつ硬度の最適化のために炭素成分を調停した。
図8は、本発明の組成範囲を満足する420N3鋼の連鋳スラブ断面形状を表わす写真であり、図2および図4と比較したとき、炭化物によるスラブ中心偏析は顕著に減少しており、また、窒素加工によるピンホールの欠陥も見られなかった。
また、本発明の組成範囲を満足する13.7Cr−0.5Mn−0.5Si−0.13C−0.09N鋼の温度変化による窒素固溶度を熱計算に基づいて理論的に図示したグラフを示す図9を参照すれば、液状状態での窒素最大固溶度は、凡そ1,680ppmであり、凝固過程中最小固溶度は凡そ621ppmであるが、図7のグラフに比べて窒素固溶度が増加していることが分かる。これは合金成分系の適正化で高温でδ状析出区間を減少させることによる。
本発明の組成範囲からはずれた13.2Cr−0.5Mn−0.5Si−0.1C−0.12N鋼と、本発明の組成範囲を満足する13.7Cr−0.5Mn−0.5Si−0.13C−0.09N鋼の窒素気孔の生成挙動を比較して示す図10を参照すれば、本発明の組成範囲からはずれた13.2Cr−0.5Mn−0.5Si−0.1C−0.12N鋼において、窒素気孔発生温度の区間は凡そ1310°C〜1480°C、すなわち、凡そ170°Cである反面、本発明の組成範囲を満足する13.7Cr−0.5Mn−0.5Si−0.13C−0.09N鋼において、窒素気孔発生温度の区間は凡そ1360°C〜1460°C、すなわち、凡そ100°Cに顕著に減少したことが分かり、窒素気孔の発生量も50%以上減っていることが分かる。
上記の内容に基づき、13.2Cr−0.5Mn−0.5Si−0.1C−0.12N鋼(比較鋼)と、13.7Cr−0.5Mn−0.5Si−0.13C−0.09N鋼(発明鋼)の窒素固溶度および気孔生成の状態を下記表2に示した。
Figure 2005163176
そして、本発明による組成範囲を持つステンレス鋼の商用生産過程において、ピンホールが発生しない理由は、前述したように鉄定圧(static pressure of iron)および大気圧の存在のみならず、窒素濃度の減少による気孔発生駆動力の低下および窒素気孔発生区間にて連鋳冷却パターンの適正化を考慮することができる。
図11は発明鋼の420N3鋼の熱延焼鈍板中心部の微細組織を示す写真であり、比較鋼の420J1鋼(図3参照)の中心部にバンド状の粗大な炭化物偏析帯が存在する反面、発明鋼では、偏析帯が顕著に減少しており、かつ析出物の大きさも顕著に微細になったことが分かる。これは、窒素添加量の増加によって微細な窒化物の析出が粗大な炭化物の析出より優先することによる。
下記表3〜8には、焼き入れ条件による発明鋼と比較鋼の焼入れ硬度が各々示されている。
Figure 2005163176
Figure 2005163176
Figure 2005163176
Figure 2005163176
Figure 2005163176
Figure 2005163176
鋼中、炭素と窒素の総添加量が2008ppm(0.2008wt%)の比較鋼420N6鋼の場合、満足すべき硬度値が得られなかったことが分かる。しかし、発明鋼の場合、比較鋼に比べて広範囲の焼き入れ熱処理条件下においても硬度(HRc)50以上を示していることが分かる。これは、発明鋼の窒素成分を低くする代わりに炭素成分を増加したことによる。
比較鋼の420J1鋼と発明鋼の420N3鋼を1050°Cで10分焼き入れ熱処理した後、微細組織を表わす図12と、比較鋼の420J1と発明鋼の420N4鋼を加工して生産した洋食器用ナイフの微細組織を表わす図13を参照すれば、比較鋼の420J1鋼の場合に析出物が存在する反面、発明鋼の420N3鋼と420N4鋼は析出物が完全再固溶されたことが分かる。420J1鋼のように炭素成分を多く増加させれば、中心偏析帯の形成により硬度の均一でない現象を伴う。
そして、発明鋼420N1鋼と比較鋼の420J1鋼を加工して生産した洋食器用ナイフ製品を常温で3.5%NaCl水溶液に所定時間浸漬した後、前記製品の表面の耐蝕性を評価した結果、図14に示されたように発明鋼によって製作された製品の表面はきれいな反面、比較鋼によって製作された製品の表面には錆びが生じたことが分かる。これは、比較鋼に存在する析出物が製品の硬度および耐蝕性に悪影響を及ぼしたことと判断される。
上述の内容に基づいて前記表1に示されている成分を有する発明鋼と比較鋼の特性を下記表9に示した。
Figure 2005163176
上記表9から見て、本発明の組成範囲に比べて窒素成分を相対的に多く含有した比較鋼420N7鋼の場合、ピンホールが発生しており、これは窒素気孔によるものと判断される。
また、比較鋼420N7は本発明の組成範囲に比べて相対的に少ない量の炭素成分を含有しているので、炭化物の中心偏析が生成されないため、ラミネーションが発生しなかったと判断される。
比較鋼420J1は、本発明の組成範囲に比べて炭素を相対的に多く含有しており、窒素を相対的に少なく含有しているため、窒素気孔によるピンホールが発生されない反面、炭化物の中心偏析によるラミネーションが発生したことが分かる。
そして、比較鋼420N6において、炭素と窒素成分は本発明の組成範囲を満足する反面、炭素と窒素の合算値が本発明の組成範囲から外れているので、硬度が不足していることが分かる。
しかしながら、本発明の組成範囲を満足する発明鋼はピンホールが発生せず、炭化物の中心偏析によるラミネーションが発見されておらず、硬度と耐蝕性の機械的性質が優れていることが分かった。
以上、本発明について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
420J1鋼の連鋳スラブ内に形成された中心偏析の組織写真である。 420J1鋼の加工の際、炭化物中心偏析によるラミネーション欠陥が表れている写真である。 420J1鋼の熱延焼鈍板の中心部の微細組織写真である。 420N7鋼の連鋳スラブの断面組織写真である。 420N7鋼の鋳片表層下5mm平断面に存在するピンホールの欠陥が表れている写真である。 ピンホールの欠陥による熱延板表面欠陥が表れている写真である。 比較鋼の13.2Cr−0.5Mn−0.5Si−0.1C−0.12N鋼の温度による窒素固溶度を表わしたグラフである。 420N3鋼連鋳スラブの断面組織写真である。 発明鋼の13.7Cr−0.5Mn−0.5Si−0.13C−0.09N鋼の温度による窒素固溶度を表わしたグラフである。 13.2Cr−0.5Mn−0.5Si−0.1C−0.12N鋼と、13.7Cr−0.5Mn−0.5Si−0.13C−0.09N鋼の窒素気孔の生成挙動を表わしたグラフである。 420N3鋼の熱延焼鈍板の中心部の微細組織写真である。 420J1鋼と420N3鋼の焼き入れ熱処理組織を比較して表わした写真である。 420J1鋼と420N4鋼で製作された洋食器ナイフの微細組織を比較して表わした写真である。 420J1鋼と420N1鋼で製作された製品の耐蝕性評価結果を比較して表わした写真である。

Claims (4)

  1. 重量%で、C:0.12〜0.17%、Mn:2.0%以下、P:0.045%以下、S:0.01%以下、Si:1.0%以下、Cr:12.5〜14.5%、N:0.06〜0.01%、O:0.01%以下、残部Feおよびその他やむを得ず添加される不純物からなることを特徴とするピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼。
  2. C+N:0.210〜0.265%であることを特徴とする請求項1記載のピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 重量%で、C:0.12〜0.17%、Mn:2.0%以下、P:0.045%以下、S:0.01%以下、Si:1.0%以下、Cr:12.5〜14.5%、N:0.06〜0.01%、O:0.01%以下、残部Feおよびその他やむを得ず添加される不純物からなる溶鋼を連鋳工程によってスラブに製作するステップと、
    前記スラブを熱間圧延して熱延鋼板を製造するステップと、
    前記熱延鋼板を焼鈍し、冷間圧延して冷延鋼板を製造するステップと、
    前記冷延鋼板を焼き入れ熱処理して鋼板を製造するステップとからなる、前記鋼板は50HRc以上の焼き入れ硬度を持つことを特徴とするピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
  4. C+N:0.210〜0.265%であることを特徴とする請求項3記載のピンホールの欠陥のないマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
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