JP5675139B2 - 耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法 Download PDF

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本発明は、耐食性に特に優れた高耐食二相ステンレス鋼材において、耐食性低下の原因となるσ相の析出を抑制しうる鋼材およびその製造方法に関する。
二相ステンレス鋼は、優れた耐食性と強度を備えていることから、海水機器や化学プラント機器用材料として広く使用されている。
二相ステンレス鋼においてCrとMoは耐食性およびフェライト相を確保するために必須の元素であり、特にMoは耐食性の向上代が大きく、二相ステンレス鋼の中でもASTM S32750に代表される高耐食型では最重要の元素である。
しかしながら一方で、これらの元素は添加量が多いほどσ相と言われる金属間化合物を形成しやすくなり、耐食性低下の元凶となる。
σ相は、二相ステンレス鋼においては通常、Crに加えMoが添加されている鋼において、鋼材が800〜1000℃付近に保持される場合に、フェライト相が相変態して生成する。
鋼材製造過程においては、800〜1000℃付近は通常水冷を行い析出を抑制するが、それでも抗しきれない以下の2つのタイミングで生成することがある。一つは、鋳造時に鋳片のマクロ偏析にCr,Mo等が濃化し鋳片冷却時にσ相が生ずるものであり、もう一つは熱延時の温度低下により1000℃以下となり析出するものである。後者については、1050℃以上の再熱処理を行うことで比較的容易に消失させることが出来るが、前者はCr,Moがより濃縮された状態であるため、この偏析部を拡散によって低減することが必要であり、より高温もしくは長時間の加熱を必要とする。
σ相を無害化する対策法として、特許文献1では二相鋼の熱間加工性を向上させること、σ相析出を抑制することを企図して、鋳片に10〜50%の粗圧延を施し、熱延時に1200〜1300℃に再加熱する方法が開示されている。
特許文献2では、全面に析出するσ相を起因とした靱性低下を防止するために、含Mo二相ステンレス鋼スラブを1100〜1300℃の範囲で2時間以上加熱した後、熱間圧延し、1050℃以上1300℃未満の固溶化熱処理を施し、直ちに3K/sec以上の速度で冷却する製造法を開示している。
また、特許文献3には、高Mo高耐食オーステナイト系ステンレス鋼において、粗圧延前もしくは後のスラブに1150℃超で、図示された条件以上の長時間のソーキング処理を行いσ相を消失させ、均熱時間として合計2時間以上を取り、熱延後の熱処理温度は1100℃以上とし900℃以上から水冷する製造法を開示している。
特開昭61−243118号公報 特開2005−105346号公報 特開平1−47817号公報
森永他:鉄と鋼,71(1984),1441 江崎他:鉄と鋼,78(1992),1377
従来文献の方法ではそれぞれ以下に示すような課題があり、特に厚手材において中心部を含めた耐食性低下を抑制できないか、薄手材において逆に過剰な熱処理を行うことでコストアップを生じていると考えられる。
特許文献1では二相鋼の熱間加工性を向上させること、σ相析出を抑制することを企図して粗圧延を付加し、加工率および再加熱温度を規定しているが、時間規定が無い。何故なら粗圧延の目的があくまで再結晶を促進させることによる熱間加工性の向上であるからで、再加熱温度の規定は熱延温度の確保のためである。また、σ相の抑制は熱延時に生じるσ相についての対応である。マクロ偏析起因のσ相については、当該発明の想定板厚が3.2〜7mmと薄いことから、後述のように最終熱処理による拡散効果が大きく簡単に低減可能であるためか、考慮されていない。
特許文献2は100mm等の厚手材が想定されているが、中心部マクロ偏析起因のσ相析出による耐食性低下は考慮されておらず、表層部の耐食性は良好でも中心部はかなりの耐食性低下を生じているものと思われる。当該発明では鋳片を再加熱しそのまま圧延するいわゆる直圧工程となっているが、後述のように鍛造もしくはブレークダウンを行いその後に再加熱を行うことはマクロ偏析の幅が小さくなるため拡散を促進させることが出来る。
特許文献3は鋳片加熱温度が高いほど短時間と規定しており、またブレークダウン工程も規定されているが、特許文献2と同様にブレークダウンによる拡散促進効果は考慮していない。また当該発明では1220℃×2時間以上の熱処理を必要としているが、二相ステンレス鋼はオーステナイト相より拡散速度の速いフェライト相を有しているため、より低温短時間の処理が可能である。
本発明者らが、高耐食二相ステンレス鋼の製造を試みて明確になったのは、薄手材の場合は容易に析出を緩和しうるのに対し、例えば20〜60mmといった厚手材では偏析を低減するのに多くの加熱を要する事である。従って、薄手材で長時間の加熱を行う事は無駄である一方、厚手材では適正なレベルのエネルギー付加を行う必要がある。
本発明は、高耐食二相ステンレス鋼において、鋳造時に鋳片のマクロ偏析にCr,Mo等が濃化し鋳片冷却時に生ずる鋳片中心部のσ相起因による耐食性低下を抑制しうる鋼材を提供すること、そのため、マクロ偏析のサイズの影響を明確にし、きめ細かな条件で拡散熱処理を行うことで過剰な熱処理を抑制しつつ、σ相生成を抑制し、耐食性の優れた二相ステンレス鋼製品を提供する製造方法を提供することを目標とする。
本発明者らは、二相ステンレス鋼においてσ相析出を抑制しうる条件について鋭意検討した結果、非特許文献1や2で開示されているMd値の計算を二相ステンレス鋼へ適用することで明確化できることを見出した。
Md値とは、各元素のd軌道のエネルギー準位を相安定性の評価に用いるMd−PHACOMP法で求められる値で、具体的には、Md=0.86Fe+1.90Si+0.96Mn+1.14Cr+0.72Ni+1.55Mo+1.66W+0.62Cu−1.8Nで示される値であり、元素名は各元素のモル分率を示す。
二相ステンレス鋼にこの考え方を適用する場合に考慮しなければならないのは、フェライト相とオーステナイト相への成分分配である。二相ステンレス鋼の場合、σ相はフェライト相が相変態して生成することから、フェライト相に分配された成分濃度を基にしたMd値により規定される。フェライト相のMd値はEPMA等により各元素の濃度を分析し、その値でMdを計算する。
オーステナイト系ステンレス鋼ではこのMd値が0.92以下の場合にσ相を抑制できることが判っているが、二相ステンレス鋼の場合は実験の結果、フェライト相のMd値が0.975以下ならば抑制できることが判明した。
なお、σ相析出起因の耐食性低下が顕著に生じるのは、鋳片最終凝固位置である中心部に生じる凝固偏析起因のマクロ偏析部であるため、上記の分析は断面の板厚中心を中央とした付近について行う。具体的には、表層から厚さ方向に向かって鋼材の厚さの7/16〜9/16の深さに位置するフェライト相について分析を行う。
Md値を下げるためには、式の係数の高いCr,Mo,Si等の正偏析を低減することが必要であり、そのためには製造時の各工程での加熱、例えば、鋳片加熱、鍛造やブレークダウン後の再加熱、および熱間圧延後の熱処理によって加熱することにより偏析を拡散低減させる。その必要条件は熱処理温度、時間に加え、偏析帯のサイズが大きく影響する。即ち、圧減比(鋳片厚/熱処理時の厚み)に反比例して偏析帯の幅が小さくなり、その結果、幅の2乗に反比例した速度で拡散が進むため、結局、圧減比の2乗に比例した速度で拡散は加速される。
また、前記各工程での加熱による拡散は加算される。これらの影響を考慮して下記のようなC値を導出し、これが各処理の合計で0.69以上1.39以下を満たせば良いことを見出した。
C=2600×exp(−26941/T)×Re×t
ここで、T:熱処理温度(K)、Re:熱処理時の材料の圧減比(素材厚/熱処理時の厚み)、t:熱処理時間(秒)である。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであって、以下の手段によって解決を図るものである。
(1)質量%で、
C :0.04%以下、 Si:0.1〜1.0%、
Mn:0.1〜6.0%、 P :0.05%以下、
S :0.010%以下、 Cr:21.0〜26.0%、
Ni:4.5〜9.0%、 Mo:2.5〜5.5%、
N :0.10〜0.35%、 Cu:0.11〜1.0%、
を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、オーステナイト相面積率が40〜70%である二相ステンレス鋼材の製造方法であって、
鋳造後の各工程で施される熱処理条件を、下記(3)式により求めるC値の合計が0.69以上1.39以下を満たすように設定することにより、
当該二相ステンレス鋼材の表層から厚さ方向に向かって鋼材の厚さの7/16〜9/16の深さに位置するフェライト相の、下記(1)式により求めるMd(α)値が0.975以下であることを特徴とする耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法
Md(α)=0.86Fe(α)+1.90Si(α)+0.96Mn(α)+1.14Cr(α)+0.72Ni(α)+1.55Mo(α)+0.62Cu(α) ・・・(1)
ここで、元素名(α)はフェライト相の各元素のモル分率を示す。
C=2600×exp(−26941/T)×Re ×t ・・・(3)
ここで、T:熱処理温度(K)、Re:熱処理時の素材の圧減比(鋳片厚/熱処理時の厚み)、t:熱処理時間(秒)
(2)前記二相ステンレス鋼材は、更に、質量%で、
W :0.1〜1.5%、 Ti:0.003〜0.01%、
Nb:0.01〜0.20%、 V :0.05〜1.00%、
Al:0.001〜0.04%、 Ca:0.0005〜0.0050%、
Mg:0.0001〜0.0050%、 B :0.0005〜0.0040%
の1種または2種以上を含有し、Wを含有する場合は、前記(1)式に替えて下記(2)式により求めるMd(α)値が0.975以下であることを特徴とする前記(1)記載の耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法
Md(α)=0.86Fe(α)+1.90Si(α)+0.96Mn(α)+1.14Cr(α)+0.72Ni(α)+1.55Mo(α)+1.66W(α)+0.62Cu(α) ・・・(2)
ここで、元素名(α)はフェライト相の各元素のモル分率を示す。
)熱間圧延における仕上げ圧延温度が900℃以上で、熱処理温度を1050℃以上とし、熱処理後は900℃以上から水冷することを特徴とする前記()記載の耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法。
本発明に係る製造方法によれば、σ相等の金属間化合物の生成、ひいては高耐食二相ステンレス鋼材の耐食性低下を抑制し、高い耐食性を確保できる。また、本発明によって製造される二相ステンレス鋼は、機器の性能発揮や耐久性に対する信頼性を大きく向上させる効果がある。本発明によってもたらされる産業上の意義は極めて多大なものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
初めに、各成分範囲を限定した理由について説明する。なお、単位は質量%である。
Cは、ステンレス鋼の耐食性を確保するために、0.04%以下の含有量に制限する。0.04%を越えて含有させるとCr炭化物の生成により耐食性が劣化する。一方、含有量を極端に減することは大幅なコストアップになるため、好ましくは下限を0.001%とする。
Siは、脱酸のため0.1%以上添加する。しかしながら、1.0%を超えて添加すると靱性が劣化する。そのため、上限を1.0%に限定する。好ましい範囲は、0.2〜0.7%未満である。
Mnは、二相ステンレス鋼中のオーステナイト相を増加させ、かつ窒素の固溶度を上げ溶接部における窒化物の析出を抑制することから0.1%以上添加する。しかしながら、6.0%を超えて添加すると耐食性が劣化する。そのため、上限を6.0%に限定する。好ましい範囲は、0.5%超〜2.0%未満である。
Pは、鋼中に不可避的に含有される元素であって、熱間加工性を劣化させるため、0.05%以下に限定する。好ましくは0.03%以下である。一方、含有量を極端に減することは大幅なコストアップになるため、好ましくは下限を0.005%とする。
Sは、Pと同様に鋼中に不可避的に含有される元素であって、熱間加工性および耐食性をも劣化させるため、0.010%以下に限定する。好ましくは、0.002%以下である。一方、含有量を極端に減することは大幅なコストアップになるため、好ましくは下限を0.0001%とする。
Crは、耐食性を確保するために基本的に必要な元素である上、比較的安価な合金であるため、本発明の対象である高耐食二相ステンレス鋼では21.0%以上含有させる。一方、σ相生成を助長させる元素であり、26.0%を超えて含有させるとスラブ中心部のσ相低減が困難となる。このためCrの含有量を21.0%以上26.0%以下とした。好ましい範囲は22.0%以上26.0%以下である。
Niは、二相ステンレス鋼中のオーステナイト相を増加させ靱性および各種酸に対する耐食性を改善するのに有効な元素であり、本発明のCr,Moに対応して二相となるように4.5%以上添加させるが、過剰に添加するとフェライト相が過剰に少なくなり、熱間加工割れ、応力腐食割れ等の課題を生じるため9.0%以下とする。好ましい範囲は、5.0〜8.0%である。
Moは、ステンレス鋼の耐食性を大きく高める非常に有効な元素であるため、本発明の対象である高耐食二相ステンレス鋼では2.5%以上含有させる。一方、σ相生成を助長させる元素であり、5.5%を超えて含有させるとスラブ中心部のσ相低減が困難となる。このためMoの含有量を2.5%以上5.5%以下とした。好ましい範囲は、3.0〜4.0%未満である。
Cuは、Niと同様二相ステンレス鋼中のオーステナイト相を増加させ靱性および各種酸に対する耐食性を改善するのに有効な元素であるが、熱間加工性を阻害するので上限を1.0%とする。一方、含有量を極端に減することは大幅なコストアップになるため、好ましくは下限を0.01%とする。
Nは、オーステナイト相に固溶して強度、耐食性を高めると共に母材および熱影響部のオーステナイト相を増加させる有効な元素である。このために0.10%以上含有させる。一方、0.35%を越えて含有させると溶接熱影響部にCr窒化物が析出して耐食性の低下を引き起こすため含有量の上限を0.35%とした。好ましい含有量は0.15〜0.30%である。
なお、当該二相鋼において良好な特性を得るためにはオーステナイト相面積率を40〜70%の範囲にすることが必要である。40%未満では靱性不良が、70%超では熱間加工性、応力腐食割れの問題が出てくる。また、何れの場合も耐食性が不良となる。当該オーステナイト量を確保するためには、本発明の規定範囲内でオーステナイト相増加元素とフェライト相増加元素の含有割合を調整することによって行う事が出来る。
Md値の規定は、本発明の重要点である。Md値は本来、0.86Fe+1.90Si+0.96Mn+1.14Cr+0.72Ni+1.55Mo+1.66W+0.62Cu−1.8N(元素名は各元素のモル分率)で示され、オーステナイト系の場合、この値を0.92以下とすることによってσ相の抑制が為されることがわかっている。
一方、二相ステンレス鋼の場合は、σ相の生成がフェライト相の相変態によってもたらされること、フェライト相とオーステナイト相に成分分配が起きることについて考慮が必要であった。発明者らは鋭意検討の結果、以下のとおり規定することでσ相起因の耐食性低下を抑制できる条件とし得ることを見出した。
まず、フェライト相の成分についてはEPMAによって分析した。この分析結果を元にフェライト相のMd値を求め、σ相析出を生じる範囲を求めた。なお、Nは本来Md値を大きく下げる影響力の大きい元素であるが、フェライト相にはほとんど分配されず、通常のEPMAの測定限界を下回るレベルの濃度に留まることから、Md値の式からは外して計算した。その結果、上記で規定した成分組成を含有して残部がFeおよび不可避不純物からなる、かつ、オーステナイト相面積率が40〜70%である二相ステンレス鋼の場合には、下記(1)式により求めるフェライト相のMd(α)値が0.975以下の場合に、σ相の析出を抑制できることを見出した。
Md(α)=0.86Fe(α)+1.90Si(α)+0.96Mn(α)+1.14Cr(α)+0.72Ni(α)+1.55Mo(α)+0.62Cu(α) ・・・(1)
ここで、元素名(α)はフェライト相の各元素のモル分率を示す。
成分の分析位置については、表層から厚さ方向に向かって鋼材の厚さの7/16〜9/16の深さに位置するフェライト相について分析を行う。鋳片の顕著な偏析は、最終凝固位置である中心部、具体的には鋳片の等軸晶域に生じる。したがって、等軸晶域に対応する、断面の板厚中心を中央とした板厚の8分の1即ち表層からの距離が板厚の16分の7から16分の9に対応する範囲で測定することとした。
なお、本願組成の二相ステンレス鋼において、Md(α)値が0.975を超えるのは板厚中心部の元素偏析によりMd(α)値の係数が高いSi,Cr,Mo等が濃化することによってであり、狙いのMd(α)値を得るためには、本願組成の成分およびオーステナイト相率を満たした上で、元素偏析を加熱処理によって緩和する事によって達成しうる。
次に、本発明の請求項2記載の限定理由について説明する。なお、これ以降に説明する元素は、上記説明した請求項1記載の鋼に対して必要に応じて添加される任意成分(選択的成分)である。
Wは、Moと同様にステンレス鋼の耐食性を付加的に向上させる元素であり、本発明鋼において耐食性を高める目的のためには0.1〜1.5%を含有させる。なお、Wを含有させる場合には、下記(2)式により求めるフェライト相のMd(α)値が0.975以下の場合に、σ相の析出を抑制することができる。
Md(α)=0.86Fe(α)+1.90Si(α)+0.96Mn(α)+1.14Cr(α)+0.72Ni(α)+1.55Mo(α)+1.66W(α)+0.62Cu(α) ・・・(2)
ここで、元素名(α)はフェライト相の各元素のモル分率を示す。
Tiは、極微量で窒化物を形成しCr窒化物の析出を抑制する効果があり、必要に応じて添加される。上記効果を発揮するには0.003%以上の添加が必要である。一方0.01%を越えて二相ステンレス鋼に含有させると、粗大なTiNが生成して鋼の靭性を阻害するようになる。このためその含有量を0.003〜0.01%と定めた。
Nbは、同様にCr窒化物の析出を抑制し耐食性を高める作用も有する。また、Nbが形成する窒化物、炭化物は熱間加工および熱処理の過程で生成し、結晶粒成長を抑制し、鋼材を強化する作用を有する。このために0.01%以上含有させる。一方、過剰な添加は熱間圧延前の加熱時に未固溶析出物として析出するようになって靭性を阻害するようになるためその含有量の上限を0.20%と定めた。
Vも同様の耐食性向上効果を有し、このために0.05%以上含有させる。一方、過剰な添加は熱間圧延前の加熱時に未固溶析出物として析出するようになって靭性を阻害するようになるためその含有量の上限を1.00%と定めた。
Alは、鋼の脱酸のための重要な元素であり、鋼中の酸素を低減するために0.001%以上の含有が必要である。一方でAlはNとの親和力が比較的大きな元素であり、過剰に添加するとAlNを生じて母材の靭性を阻害する。その程度はN含有量にも依存するが、Alが0.04%を越えると靭性低下が著しくなるためその含有量の上限を0.04%と定めた。
Ca,Mg,Bは、いずれも鋼の熱間加工性を改善する元素であり、その目的で1種または2種以上添加される。Ca,Mg,Bいずれも過剰な添加は逆に熱間加工性および靭性を低下するためその含有量の上下限を次のように定めた。Caについては0.0005〜0.0050%、Mgについては0.0001〜0.0050%、Bについては0.0005〜0.0040%である。
次に、本発明の請求項1,2記載の限定理由について説明する。
まず、Md値の低いフェライト相を得るために、より具体的には、上記の(1)式または(2)式により求めるフェライト相のMd(α)値を0.975以下にしてσ相の析出を抑制するために、製造時の各工程によって熱を加えることにより、Md値算出式の係数が大きいCr,Mo等を拡散により均一化させる。その条件について、熱処理温度、時間に加え、偏析帯のサイズ、ひいては圧減比の効果を考慮しかつ、それぞれの処理を加算できるような指標を導出すべく下記のような検討を行った。
なお、本願でいう各加熱工程とは、鋳造後、鋼材が製造されるまでに施される全ての熱処理工程の事を指す。これは、本願製造方法の特徴は、加熱条件を適正に制御することでCrやMoの偏析を十分に緩和させる点にあり、該加熱とは鋳造後から鋼材となるまでの間に施される全ての加熱を対象とするためである。そのため、後述する本願実施例においては、ブレークダウン工程、圧延工程、熱処理工程の3段階の加熱処理を施しているが、これに限られるものではない。後述するC値に応じてこれらの工程を削除、又は加熱処理を含む別工程を付加、又は置換させることも可能であり、例えば、ブレークダウン工程に替えて鍛造工程とすることなどが考え得る。
各成分の深さ方向の濃度分布をsin関数と仮定することによりC+f(t)sin(πx/L)と置き拡散方程式を解くと、f(t)はAexp(−(π/L)Dt)となる。Lは偏析のサイズに対応し、圧下によって幅が狭くなることから圧減比Reに反比例する。Dは拡散定数であり、一般に温度T(K)の関数としてD=Dexp(−Q/RT)と表せる(R:気体定数 Q:活性化エネルギー)。Dに主要元素の中で最も拡散速度が遅いMoの値を導入し、かつf(t)の式を変形することにより、拡散の低減度合いを示す指標として、下記C値を得ることが出来た。
C=2600×exp(−26941/T)×Re×t ・・・(3)
ここで、T:熱処理温度(K)、Re:熱処理時の素材の圧減比、t:熱処理時間(秒)
この指標は加算性があることから、各処理の合計を算出し、偏析を十分抑制できるレベルを導出することが可能である。実験の結果、0.69以上を満たせば良いことを見出した。なお、C値が1.39を超えると、偏析低減効果が頭打ちとなり、過剰なコストアップの要因となるので、上限を1.39とする。好ましくは1.25以下とする。
次に、本発明の請求項記載の限定理由について説明する。
熱延時もしくは熱延後の水冷前に1000℃以下となり析出するσ相を抑制し、また析出した場合には消失させるために熱延、熱処理温度を以下のように規定する。仕上げ圧延温度は1000℃以上とすれば析出を防止できるが、通常の圧延では困難なため、その後の熱処理で消失可能なレベルの析出にとどめるべく900℃以上とした。このσ相は熱処理温度を1050℃以上とすることで消失可能である。更に、熱処理後の再析出を抑制するために900℃以上から水冷する。
以下に実施例について記載する。表1に供試鋼の化学組成を示す。なお、この表1に記載されている成分以外はFeおよび不可避的不純物元素である。また、空欄は当該元素を意図的に添加していないため測定していないことを示す。
これらの成分鋼を実験室の50kg真空誘導炉にて溶製し、厚さが約200mmもしくは140mmの扁平鋼塊に鋳造した。鋼塊の本体部分より熱間圧延用素材を切出し、鋳片加熱の後ブレークダウンを行い水冷し、これを再加熱後熱間圧延を行い、水冷により熱延板とした。これを熱処理した後水冷し、熱間圧延焼鈍鋼板とした。板厚は60、20、12mmの3通りとした。
各々の条件を表2に示す。表2に示す条件で鋳片加熱、ブレークダウン、再加熱、熱延熱処理を行い、60mmか20mmまたは12mm厚の熱間圧延焼鈍鋼板を得た。
上記により得られた厚鋼板について以下の通り特性評価を行った。Md値を算出するために、圧延方向と平行な断面を埋込み鏡面研磨したサンプルについて、表層から板厚方向に16分の7から16分の9に対応する部位について、ランダムに10点、フェライト相の元素濃度を分析した。分析法は、まず、マップ分析を行いCr,Moが濃化しているフェライト相を判定した後その中の約5μmφの面積について点分析を行った。
また、オーステナイト相面積率については、圧延方向と平行な断面を埋込み鏡面研磨し、KOH水溶液中で電解エッチングを行った後、光学顕微鏡観察により画像解析を行うことによって、着色されるフェライト面積率を測定し、残りの部分をオーステナイト面積率とした。更に耐食性を評価すべく、表層から各サンプルより8枚ずつ採取した試験片の表面を#600研磨し、ASTM G48のE法に規定されたCPT(臨界孔食発生温度)測定を行った。
評価結果を表3に示す。各条件材のフェライト相の分析結果は、Md値の最大値と最小値に対応するものをそれぞれ示した。通常CPTはCr+3.3(Mo+0.5W)+16Nで計算されるPREN(Pitting Resistance Equivalent Number)に対応するため、想定されるCPT値を表3に併せて示した。
Md値が0.975を超えたサンプルは、想定CPTより10℃以上低くなっているのに対し、0.975以下のサンプルは想定CPTをクリアしている。KOH水溶液中で電解エッチングを行い、光学顕微鏡観察を行ったところ、Md(α)が0.975を超えたサンプルでは板厚中心部に黒色のσ相が多数観察された。
Md値0.975以下をクリアしたサンプルは、表2に示すとおり、C値が0.69を超えた条件で製造を行ったものに対応する。
そのうちNo.1は製品板厚12mmであるが、この場合、最終熱処理工程でC値を十分満たしており、ブレークダウン等の工程がなくても、鋳片析出60分と熱処理時間15分という短時間でクリアできる。
また、製品板厚20mmの場合は同様の条件では達成できず(No.2)、ブレークダウンを付加するか(No.3)、鋳片厚を厚くし、圧減比を大きくする(No.4)ことで解決出来た。
一方、製品板厚60mmの場合はブレークダウンを付加したNo.7の工程でNGであり、No.8〜11に示したように、加熱時間を長くする(No.8)、ブレークダウン厚を薄くする(No.9)、加熱温度を高くする(No.10)、最終熱処理温度を高くする(No.11)等の工夫が必要である。当該条件は素材を変更したNo.15〜21でも同様である。
一方、CrもしくはMoが過剰なNo.I,Jを製造した場合、C値条件をクリアしてもMd値が0.975以下にならず、耐食性が低下する(No.22,23)。オーステナイト量の少なすぎるNo.KはMd値を達成していても耐食性が不良で、また靭性も不良であった。一方、オーステナイト量の多すぎるNo.Lは熱間加工性が不良で圧延中に耳割れを生じた(No.24,25)。
また、圧延の仕上げ温度が900℃未満の場合は熱延時にσ相起因の熱間加工割れを生じ、熱処理温度が1050℃未満もしくは熱処理後の水冷開始温度が900℃未満の場合は製品で低靱性割れを生じる(No.12〜14)。
以上の実施例からわかるように本発明により耐食性良好な二相ステンレス鋼が得られることが明確となった。
Figure 0005675139
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Claims (3)

  1. 質量%で、
    C :0.04%以下、
    Si:0.1〜1.0%、
    Mn:0.1〜6.0%、
    P :0.05%以下、
    S :0.010%以下、
    Cr:21.0〜26.0%、
    Ni:4.5〜9.0%、
    Mo:2.5〜5.5%、
    N :0.10〜0.35%、
    Cu:0.11〜1.0%、
    を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、オーステナイト相面積率が40〜70%である二相ステンレス鋼材の製造方法であって、
    鋳造後の各工程で施される熱処理条件を、下記(3)式により求めるC値の合計が0.69以上1.39以下を満たすように設定することにより、
    当該二相ステンレス鋼材の表層から厚さ方向に向かって鋼材の厚さの7/16〜9/16の深さに位置するフェライト相の、下記(1)式により求めるMd(α)値が0.975以下であることを特徴とする耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法
    Md(α)=0.86Fe(α)+1.90Si(α)+0.96Mn(α)+1.14Cr(α)+0.72Ni(α)+1.55Mo(α)+0.62Cu(α) ・・・(1)
    ここで、元素名(α)はフェライト相の各元素のモル分率を示す。
    C=2600×exp(−26941/T)×Re ×t ・・・(3)
    ここで、T:熱処理温度(K)、Re:熱処理時の素材の圧減比(鋳片厚/熱処理時の厚み)、t:熱処理時間(秒)
  2. 前記二相ステンレス鋼材は、更に、質量%で、
    W :0.1〜1.5%、
    Ti:0.003〜0.01%、
    Nb:0.01〜0.20%、
    V :0.05〜1.00%、
    Al:0.001〜0.04%、
    Ca:0.0005〜0.0050%、
    Mg:0.0001〜0.0050%、
    B :0.0005〜0.0040%
    の1種または2種以上を含有し、Wを含有する場合は、前記(1)式に替えて下記(2)式により求めるMd(α)値が0.975以下であることを特徴とする請求項記載の耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法
    Md(α)=0.86Fe(α)+1.90Si(α)+0.96Mn(α)+1.14Cr(α)+0.72Ni(α)+1.55Mo(α)+1.66W(α)+0.62Cu(α) ・・・(2)
    ここで、元素名(α)はフェライト相の各元素のモル分率を示す。
  3. 熱間圧延における仕上げ圧延温度が900℃以上で、熱処理温度を1050℃以上とし、熱処理後は900℃以上から水冷することを特徴とする請求項記載の耐食性に優れた二相ステンレス鋼材の製造方法。
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