JP2005162897A - コーティング液および記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基材に塗工することにより、平滑性、インク吸収性が良好で、かつ、耐水性が良好な記録媒体を得ることができるコーティング液およびそれを用いた記録媒体を提供すること。
【解決手段】 セルロース水分散体中にキトサン塩と、2価以上のアニオン性物質を含有するコーティング液及びかかるコーティング液を基材に塗工し、乾燥することによって得られる記録媒体を得ることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 セルロース水分散体中にキトサン塩と、2価以上のアニオン性物質を含有するコーティング液及びかかるコーティング液を基材に塗工し、乾燥することによって得られる記録媒体を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録方法による記録等に好適な記録媒体を得るためのコーティング液およびこれを用いた記録媒体に関する。
インクジェット記録方法は騒音が小さく、高速印字やカラー印字が行える記録方法として注目されている。このインクジェット記録方法に使用される記録媒体としては、通常の紙・プラスチック・ガラス・金属等の基材上にインク吸収性を有する(水性インクによる着色が可能な)樹脂層(以下「インク受容層」と表わす。)をコーティングした記録媒体が使用されている。
このうちプラスチック・ガラス・金属等の基材上にコーティングされるインク受容層としては、一般に、ゼラチン・カゼイン・デンプン等の天然高分子やポリビニルアルコール・ポリビニルピロリドン・ヒドロキシプロピルセルロース等の合成樹脂が用いられている。
しかし上記の高分子材料はいずれも水溶性であるため耐水性が不十分であり、水に接したり高湿度雰囲気下に放置された場合には、インク受容層が溶解したり膨潤したりする。その結果、インク受容層が基材から剥がれたりインクがにじんだりして印字が不鮮明になるという問題が生じる。
この問題を解決する目的で、水酸基を持つ水溶性インク受容層をメラミン樹脂などで架橋する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、耐水性を付与するほどに架橋した膜は、インク吸収性が著しく低下するため、これらの方法で形成されたインク受容層は耐水性とインク吸収性を十分に両立できるものではない。
また、主に有機質(特に樹脂)で構成される多孔質膜を、ヒドロキシル機を有する親水性高分子とその架橋剤とで処理して、インク受像シートを形成する方法も報告されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、該発明においては、予め多孔質膜を形成した後、ヒドロキシル基を有する親水性高分子とその架橋剤とで処理する必要があるため、基材を自由に選択することは難しい。
特開平8−197838号公報
特開平10−76747号公報
特開2000−15922号公報
本発明は、基材に塗工することにより、平滑性、インク吸収性が良好で、かつ、耐水性が良好な記録媒体を得ることができるコーティング液、およびその記録媒体を提供することを目的とする。
本発明においては、セルロース水分散体中にキトサン塩と、2価以上のアニオン性物質を含有せしめてコーティング液を得る。本発明のコーティング液を基材に塗工することにより、平滑性、インク吸収性が良好で、かつ、耐水性が良好な記録媒体を得ることができる。
本発明によれば、インク吸収性、耐水性、平滑性および耐ブロッキング性に優れる記録媒体及びかかる記録媒体を製造する際に用いられるコーティング液を提供することができる。
本発明においては、セルロースにより形成される空隙が着弾したインクを速やかに吸収する。
本発明に使用するセルロースは、特に微粒子状セルロースか、もしくは微細繊維状セルロースであるとき、より効果を発揮する。さらには、微細繊維状セルロースがバクテリアセルロースであるとき、最も大きな効果を発揮することを見出した。
微粒子状セルロースは、例えば植物由来セルロースを乾燥して得られる結晶セルロースをさらに粉砕して得られる。微粒子状セルロースとしては、平均粒径が10μm以下、さらには1μm以下が好ましい。
微細繊維状セルロースは、例えば植物由来セルロースを超高圧ホモジナイザーにより処理することで、セルロースを長手方向に引き裂くことにより得られる。微細繊維状セルロースとしては、繊維径が100nm以下のものが好ましい。
バクテリアセルロースとは、酢酸菌が生成するセルロースであり、一般的には厚さ1〜20nm、幅10nm〜1μmのリボン状のミクロフィブリルからなっている。微生物培養により得られるものはゲル状であり、その含水率は95%(w/v)以上である。
本発明において、セルロース水分散体にキトサン塩を含有せしめることにより、塗工後の乾燥過程でセルロースが濃縮された場合のセルロースの凝集が抑制され、平滑な塗工面を得ることができる。
本発明で使用するキトサンとは、カニ、エビ、オキアミ等に含まれるキチン(N−アセチル−D−グルコサミンがβ(1→4)結合したホモ多糖)を、脱アセチル化して得られた化合物である。かかるキトサンの分子内には多数の反応性に富むアミノ基が存在し、このアミノ基は、塩酸、酢酸等の各種の酸と塩を形成し、水に溶解してカチオン性を示す。
本発明の記録媒体において、キトサン塩の一部は、アニオン性の染料とイオン的相互作用により会合を起こして染料を固定化することにより、染料に耐水性を付与する。
本発明の記録媒体において、キトサン塩の一部は、2価以上のアニオン性物質により架橋され、ゲル化する。これにより、インク受容層に耐水性が付与される。
該2価以上のアニオン性物質は、特に、リン酸、クエン酸、硼酸、琥珀酸、マレイン酸、アジピン酸および蓚酸イオンからなる群から選ばれるのが好ましく、中でもリン酸イオンが安定なコーティング液を得る上で最も適している。
本発明におけるコーティング液において、キトサン塩の配合量が不十分であると、乾燥過程におけるセルロースの凝集が著しく、得られる塗工面はざらつく。また、それを過多に用いると、セルロースにより形成される空隙量が減少し、十分なインク吸収速度が得られない。キトサン塩がキトサンの酢酸塩である場合、その含有量は、セルロース100質量部に対して1〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
本発明におけるコーティング液において、イオン性物質の添加量は、イオン性物質がリン酸カリウムの場合、キトサンの酢酸塩100質量部に対し、0.1から10質量部であることが好ましい。
本発明のコーティング液には、本発明の効果を著しく損ねない範囲で、必要に応じて、セルロース、キトサン塩、イオン性物質以外の成分を添加することができる。その他の成分としては、アルミナ粉末、シリカ粉末、天然無機粉末、水溶性樹脂、界面活性剤、樹脂エマルジョン、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等の添加剤が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、文中、%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
バイオセルロースは静置培養で生産したもの(厚さ5nm、幅130nm(平均値))を使用した。これに固形分濃度が0.5%となるように水を加え、ホモジナイザーを用いて約20,000rpmで約30分間超高速回転させてスラリー状に粉砕した。
リン酸二水素カリウム6.8gを全量フラスコ500mlに入れ、適量の水で溶かし、水を標線まで加えて0.1mol/l KH2PO4水溶液を得た。また、水酸化ナトリウム4.0gを全量フラスコ500mlに入れ、適量の水で溶かし、水を標線まで加えて0.2mol/l NaOH水溶液を得た。0.1mol/l KH2PO4水溶液50mlと、0.2mol/l NaOH水溶液14.82mlとの混合液に水を加えて100mlとした。
上記バイオセルロース100gとキトサンK−50(花住クリエート製、濃度1.5%)3.3gを混合した後、市販のミキサーにて3,000rpmで15分間撹拌した。次に、上記リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液を5ml混合してさらに5分間撹拌した。
このコーティング液を、坪量150g/m2の原紙に、乾燥後の質量が1g/m2となるよう塗工し、110℃にて10分間乾燥した。
バイオセルロースをセオラスクリーム(微粒子状セルロース、旭化成製)とした以外は、実施例1と同様にした。
バイオセルロースをセリッシュ100L(微細繊維状セルロース、ダイセル化学工業製)とした以外は、実施例1と同様にした。
硼酸3.09g及び塩化カリウム3.73gを全量フラスコ500mlに入れ、適量の水で溶かし、水を標線まで加えて0.1mol/l H3BO3・KClを得た。また、水酸化ナトリウム4.0gを全量フラスコ500mlに入れ、適量の水で溶かし、水を標線まで加えて0.2mol/l NaOH水溶液を得た。0.1mol/l H3BO3・KCl水溶液50mlと実施例1で用いた0.2mol/l NaOH水溶液10.65mlとの混合液に水を加えて100mlとした。
実施例1で用いたバイオセルロース100gとキトサンK−50(花住クリエート製、濃度 1.5%)3.3gを混合した後、市販のミキサーにて3,000rpmで15分間撹拌した。次に、上記硼酸−塩化カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液を5ml混合してさらに5分間撹拌した。
このコーティング液を、坪量150g/m2の原紙に、乾燥後の重量が1g/m2となるよう塗工し、110℃にて10分間乾燥した。
(比較例1)
実施例1において、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液の変わりに水を5ml添加した。
実施例1において、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム混合溶液の変わりに水を5ml添加した。
このコーティング液を、坪量150g/m2の原紙に乾燥後の重量が1g/m2となるよう塗工し、110℃にて10分間乾燥した。
(比較例2)
実施例1において、キトサンK−50を添加しなかった。
実施例1において、キトサンK−50を添加しなかった。
実施例1〜4及び比較例1、2の記録用紙について、インクジェットプリンター(PIXUS BJ−F900、キヤノン製)を使用して、フルカラー印刷をした。印刷後のサンプルについて、記録画像の評価を行った。
(1)インク吸収性
イエローのベタ(5cm四方)の中心にブラックの線を印字した場合の色のにじみを、下記の基準により判定した。
イエローのベタ(5cm四方)の中心にブラックの線を印字した場合の色のにじみを、下記の基準により判定した。
○:色の境界が鮮明である。
△:色のにじみが薄くある。
×:色のにじみが著しく、不良。
△:色のにじみが薄くある。
×:色のにじみが著しく、不良。
(2)耐水性
シアンのベタ印字直後の紙を45°の傾斜面に固定し、印字部に750μlの水を1秒で流したときのインクの流出を下記の基準により判定した。
シアンのベタ印字直後の紙を45°の傾斜面に固定し、印字部に750μlの水を1秒で流したときのインクの流出を下記の基準により判定した。
○:インクの流出なし。
△:インクの流出が薄くある。
×:インクの流出が著しい。
△:インクの流出が薄くある。
×:インクの流出が著しい。
(3)平滑性
各記録媒体の平滑性を段差計TENCOR P−10を用いて測定した。
各記録媒体の平滑性を段差計TENCOR P−10を用いて測定した。
(4)耐ブロッキング性
各記録媒体を2枚重ね、1kg/m2の荷重を掛けた状態で1週間放置した。これを剥離し、その剥離状況を下記の基準により判定した。
各記録媒体を2枚重ね、1kg/m2の荷重を掛けた状態で1週間放置した。これを剥離し、その剥離状況を下記の基準により判定した。
○:全く付着しない。
△:軽く付着しており、剥離にごく軽い力を要する。
×:付着しており、良好に剥離することが不可能である。
△:軽く付着しており、剥離にごく軽い力を要する。
×:付着しており、良好に剥離することが不可能である。
実施例1〜4及び比較例1〜3の物性測定結果を表1に示す。
Claims (6)
- セルロース水分散体中にキトサン塩と、2価以上のアニオン性物質を含有することを特徴とするコーティング液。
- 該セルロースが、微粒子状セルロースである請求項1に記載のコーティング液。
- 該セルロースが、微細繊維状セルロースである請求項1に記載のコーティング液。
- 該セルロースが、バクテリアセルロースである請求項1に記載のコーティング液。
- 該2価以上のアニオン性物質が、リン酸、クエン酸、硼酸、琥珀酸、マレイン酸、アジピン酸および蓚酸イオンからなる群から選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング液。
- 基材の少なくとも片面に、請求項1〜6に記載のコーティング液を用いて塗工し、これを乾燥させることにより得られることを特徴とする記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003404647A JP2005162897A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | コーティング液および記録媒体 |
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JP2003404647A JP2005162897A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | コーティング液および記録媒体 |
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JP7248260B1 (ja) | 2021-12-08 | 2023-03-29 | ダイキン工業株式会社 | 表面キトサン化キチンナノファイバーを含む処理剤 |
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2003
- 2003-12-03 JP JP2003404647A patent/JP2005162897A/ja not_active Withdrawn
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WO2023106003A1 (ja) * | 2021-12-08 | 2023-06-15 | ダイキン工業株式会社 | 表面キトサン化キチンナノファイバーを含む処理剤 |
JP2023085208A (ja) * | 2021-12-08 | 2023-06-20 | ダイキン工業株式会社 | 表面キトサン化キチンナノファイバーを含む処理剤 |
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