JP2005162743A - 精製(メタ)アクリル酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸から精製(メタ)アクリル酸を製造するに当たり、マレイン酸類に加えてアルデヒド類をも十分に除去することが出来、かつ、長期間の連続運転も出来る方法を提供する。
【解決手段】 不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸を蒸留して精製(メタ)アクリル酸を製造する方法において、蒸留に先立ち、
(A)アクリル酸の融点以上で50℃以下の条件下、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類とを反応させる工程、
(B)60〜90℃の条件下、上記工程の反応液を加熱処理して得られた反応物を当該反応液に可溶な物質に変換する工程、および、
(C)アクリル酸の融点以上50℃以下の温度の条件下、上記工程の加熱処理液にヒドラジン類を添加してアルデヒド類とヒドラジン類とを反応させて当該反応液に可溶な物質を生成する工程を順次に行うことから成る精製(メタ)アクリル酸の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸を蒸留して精製(メタ)アクリル酸を製造する方法において、蒸留に先立ち、
(A)アクリル酸の融点以上で50℃以下の条件下、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類とを反応させる工程、
(B)60〜90℃の条件下、上記工程の反応液を加熱処理して得られた反応物を当該反応液に可溶な物質に変換する工程、および、
(C)アクリル酸の融点以上50℃以下の温度の条件下、上記工程の加熱処理液にヒドラジン類を添加してアルデヒド類とヒドラジン類とを反応させて当該反応液に可溶な物質を生成する工程を順次に行うことから成る精製(メタ)アクリル酸の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、精製(メタ)アクリル酸の製造方法に関し、詳しくは、気相接触酸化により得られ、不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸を蒸留して高純度の(メタ)アクリル酸を製造する方法に関する。なお、本明細書における(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸との総称である。
気相接触酸化による(メタ)アクリル酸の製造方法においては、マレイン酸、無水マレイン酸などのマレイン酸類、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類などが副生する。また、この他に、酢酸などのカルボン酸類、水なども副生する。この様な不純物を含有する(メタ)アクリル酸を重合体の原料として使用すると、重合反応時に反応の遅延、重合度の低下、重合物の着色などの問題が生じる。従って、特に、紙おむつ等の高吸水性樹脂、食品添加剤などの原料として、高純度の(メタ)アクリル酸が要求されている。
上記の様な粗(メタ)アクリル酸から蒸留法により精製(メタ)アクリル酸を製造する方法として、蒸留に先立ち、(A)アクリル酸の融点以上で50℃以下の条件下、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類との反応物を生成する工程と、(B)60℃以上80℃未満の条件下、上記工程の反応液を加熱処理する工程とから成る方法が知られており、(A)工程は、マレイン酸類およびアルデヒド類を高沸点物質に変換するための工程であり、(B)工程は、マレイン酸類とヒドラジン類との反応物を可溶性物質に変換する工程である。なお、(A)工程で生成するアルデヒド類とヒドラジン類との反応物は可溶性である。
しかしながら、実際には、不純物としてのアルデヒド類が十分に除去されておらず、その原因は、本発明者らの知見によれば、(B)工程において、アルデヒド類とヒドラジン類との反応物が分解してアルデヒド類が再生成していることによるものである。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸から精製(メタ)アクリル酸を製造するに当たり、マレイン酸類に加えてアルデヒド類をも十分に除去することが出来ると共に、スラッジの生成が抑制され、かつ、長期間の連続運転も出来る上記の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸を蒸留して精製(メタ)アクリル酸を製造する方法において、蒸留に先立ち、
(A)アクリル酸の融点以上で50℃以下の条件下、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類とを反応させる工程、
(B)60〜90℃の条件下、上記工程の反応液を加熱処理して得られた反応物を当該反応液に可溶な物質に変換する工程、および、
(C)アクリル酸の融点以上50℃以下の温度の条件下、上記工程の加熱処理液にヒドラジン類を添加してアルデヒド類とヒドラジン類とを反応させて当該反応液に可溶な物質を生成する工程を順次に行うことを特徴とする精製(メタ)アクリル酸の製造方法に存する。
(A)アクリル酸の融点以上で50℃以下の条件下、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類とを反応させる工程、
(B)60〜90℃の条件下、上記工程の反応液を加熱処理して得られた反応物を当該反応液に可溶な物質に変換する工程、および、
(C)アクリル酸の融点以上50℃以下の温度の条件下、上記工程の加熱処理液にヒドラジン類を添加してアルデヒド類とヒドラジン類とを反応させて当該反応液に可溶な物質を生成する工程を順次に行うことを特徴とする精製(メタ)アクリル酸の製造方法に存する。
本発明によれば、気相接触酸化により得られ、不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸から不純物を効率的に除去して、不純物含有量の著しく少ない高純度の(メタ)アクリル酸を経済的に得ることが出来、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、(メタ)アクリル酸の一般的な製造方法について説明する。例えば、粗アクリル酸は次の(1)〜(5)工程を順次に経て製造される。
(1)酸化モリブデン系固体酸化触媒などの存在下でプロパン、プロピレン及び/又はアクロレインを分子状酸素含有ガスと反応させて直接アクリル酸を製造する一段酸化法、または、第一の反応帯域で、酸化モリブデン系固体酸化触媒などの存在下に、プロピレンと分子状酸素含有ガスとを反応してアクロレインを製造し、次いで、第二の反応帯域で、酸化モリブデン系固体酸化触媒などの存在下に、アクロレインと分子状酸素とを反応させてアクリル酸を製造する二段酸化法によって、アクリル酸含有ガスを形成する工程
(2)得られたアクリル酸含有ガスを吸収塔で水と向流接触させ粗アクリル酸水溶液を形成する工程
(3)得られた粗アクリル酸水溶液を、例えば、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等の有機溶剤で抽出処理した後に、蒸留処理して塔底留分としてアクリル酸含有液を得る、または、トルエン、酢酸ブチル、オクタン等の共沸剤を添加して、例えば、塔底温度80〜100℃、圧力6.67〜20kPaの条件下で共沸脱水して塔底留分としてアクリル酸含有液を得る工程
(4)得られたアクリル酸含有液から蒸留法により酢酸などの軽沸成分を除去した後の塔底液を更に蒸留処理して塔頂留分として粗アクリル酸および塔底液としてアクリル酸二量体を含む高沸物を得る工程
(5)更に、塔底液として得られたアクリル酸二量体を蒸留処理して、塔頂留分として粗アクリル酸を得る工程
メタクリル酸の製造工程の説明は省略するが、メタクリル酸は、例えばイソブチレン等を原料として、上記のアクリル酸の製造と同様に気相接触酸化による反応ガスと水とを接触させてメタクリル酸含有液を得、次いで、メタクリル酸回収工程により塔底留分として得られる。そして、アクリル酸およびメタクリル酸の何れの場合も、不純物として含有されるマレイン酸類およびアルデヒド類は、(メタ)アクリル酸と沸点が近似して同様の物性を有するため、前記の抽出処理や蒸留処理によっても十分に分離されず、(メタ)アクリル酸に同伴される。
本発明の製造方法は、上記の様にして得られ、不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸を蒸留して精製(メタ)アクリル酸を製造する方法において、蒸留に先立ち次の(A)〜(C)工程(蒸留前処理工程)を順次に行うことを特徴とする。
(A)アクリル酸の融点以上で50℃以下の条件下、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類とを反応させる工程
(B)60〜90℃の条件下、上記工程の反応液を加熱処理して得られた反応物を当該反応液に可溶な物質に変換する工程
(C)アクリル酸の融点以上50℃以下の温度の条件下、上記工程の加熱処理液にヒドラジン類を添加してアルデヒド類とヒドラジン類とを反応させて当該反応液に可溶な物質を生成する工程
蒸留前処理工程の原料とされる粗(メタ)アクリル酸中のマレイン酸類の濃度は、通常2,000〜10,000ppm、好ましくは2,000〜5,000ppmである。粗(メタ)アクリル酸中のマレイン酸類濃度を2,000ppm未満とするためにはそれに必要な精製工程の負荷が大きく、一方、粗(メタ)アクリル酸中のマレイン酸類濃度が10,000ppmを超える場合は、ヒドラジン類の消費量が余りに多くなり経済的ではない。従って、本発明においては、上記(3)工程で得られた(メタ)アクリル酸含有液を原料として使用してもよいが、上記の様な観点から、通常は上記の(4)及び(5)工程で得られた粗(メタ)アクリル酸が使用される。
(A)工程においては、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類との反応物を生成する。ヒドラジン類としては、ヒドラジン、ヒドラジン水化物、その混合物などが挙げられる。マレイン酸類としては、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸などが挙げられる。また、使用する反応装置としては、必要な温度および反応時間を確保できる装置であれば、特に制限されることはなく、例えば、攪拌機付き反応槽、管型反応槽などが好適である。
マレイン酸類とヒドラジン類との反応温度は、アクリル酸の融点以上で50℃以下、好ましくは15〜40℃で、反応時間は、通常10分以上、好ましくは30分〜3時間である。反応温度がアクリル酸の融点未満の場合はマレイン酸類とヒドラジン類との反応が遅くなり、また、反応温度が50℃を超える場合はヒドラジン類が分解する傾向がある。
ヒドラジン類の添加量は、粗(メタ)アクリル酸中のマレイン酸類およびアルデヒド類の総量に対して、通常0.1〜5倍モル、好ましくは0.5〜3倍モルである。ヒドラジン類の添加量が0.1倍モル未満の場合は、マレイン酸類に対するヒドラジン類との反応が不十分となり、添加量が5倍モルを超える場合は経済的ではない。
(A)工程においては、ヒドラジン類は、主としてマレイン酸類と反応するが、未反応のマレイン酸類が僅かに残存することもある。なお、ヒドラジン類とマレイン酸類との反応物は、マレイン酸モノヒドラジドと推定される。
(B)工程においては、(A)工程の反応液を加熱処理する。この操作により、上記の反応物を反応液に可溶な物質に変換する。加熱装置としては、装置内の温度を上記範囲に設定可能な装置であれば、特に制限されることはなく、例えば、熱交換器が好適である。
加熱処理温度は、60〜90℃、好ましくは62〜80℃で、加熱処理時間は、通常 10分以上、好ましくは30分〜3時間である。温度が60℃未満の場合は、マレイン酸類とヒドラジン類との反応物の可溶性物質への変換が十分行われず、反応物が析出して、スラッジ発生の原因となる。また、温度が90℃を超える場合は、アクリル酸の重合が起る欠点がある。
(C)工程においては、(B)工程の加熱処理液にヒドラジン類を添加してアルデヒド類とヒドラジン類との反応物を生成する。なお、ヒドラジン類とアルデヒド類との反応物は、ヒドラゾン化合物と推定される。ヒドラジン類としては、(A)工程と同様のものが使用できる。アルデヒド類としては、フルフラール、ベンズアルデヒド等が挙げられ、ヒドラゾン化合物としては、フルフラールヒドラゾン、ベンズアルデヒドヒドラゾン等が挙げられる。また、反応装置としても、(A)工程と同様の装置が使用できる。
アルデヒド類とヒドラジン類との反応温度は、アクリル酸の融点以上で50℃以下、好ましくは15〜35℃で、反応時間は、通常10分以上、好ましくは30分〜3時間である。反応温度がアクリル酸の融点未満の場合はアルデヒド類とヒドラジン類との反応が遅くなり、また、反応温度が50℃を超える場合はヒドラジン類が分解する傾向がある。
なお、(B)工程で得られた加熱処理液の温度をアクリル酸の融点以上で50℃以下にするための冷却装置としては、装置内の温度を前記範囲に設定可能な装置であれば、特に制限されることはなく、例えば、冷凍器が好適である。
ヒドラジン類の添加量は、(B)工程出口液の粗アクリル酸中のマレイン酸類およびアルデヒド類の総量に対して、通常0.1〜5倍モル、好ましくは0.5〜3倍モルである。ヒドラジン類の添加量が0.1倍モル未満の場合は、マレイン酸類およびアルデヒド類に対するヒドラジン類との反応が不十分となり、添加量が5倍モルを超える場合は経済的ではない。
次に、上述の(A)〜(C)工程を順次行って得られた粗(メタ)アクリル酸を公知の方法で蒸留して高純度の精製(メタ)アクリル酸を製造する。なお、本発明における「高純度」とは、精製(メタ)アクリル酸中のマレイン酸類、フルフラール及びベンズアルデヒドの含有量がそれぞれ30ppm、3ppm、10ppm未満であることを意味する。蒸留塔の操作条件は、蒸留原料の組成、回収率、留出(メタ)アクリル酸の純度などにより異なる。しかしながら、(メタ)アクリル酸は易重合性化合物であるため、蒸留温度および圧力は、それぞれ極力低温で低圧に設定することが好ましい。具体的には、塔底温度は、通常60〜100℃、塔頂圧力は、通常1.33〜26.7kPaである。
蒸留に際し、公知の重合防止剤を添加してもよい。重合防止剤としては、第3ブチルニトロオキシド、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジル−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4,4’,4’’−トリス1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイト等のN−オキシル化合物;ハイドロキノン、メトキノン、ピロガロール、カテコール、レゾルシン等のフェノール化合物;フェノチアジン、ビス−(α―メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等のフェノチアジン化合物;塩化第2銅、酢酸銅、炭酸銅、アクリル酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅などの銅化合物などが挙げられる。これらの重合防止剤は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。重合防止剤の添加量は、粗アクリル酸に対して1〜1000ppmが好適である。
蒸留方法は、例えば、単蒸留、精密蒸留などの公知の方法を採用することが出来る。蒸留は、バッチ式、連続式の何れでもよいが、工業的には、連続式が好ましい。また、蒸留装置についても、公知の装置を使用することが出来る。
蒸留塔にはトレイ又は充填物が使用される。充填物としては、スルザー・ブラザース(株)製のスルザーパック、住友重機械工業(株)製の住友スルザーパッキング、住友重機械工業(株)製のメラパック、グリッチ(株)製のジェムパック、モンツ(株)製のモンツパック、東京特殊金網(株)製のグッドロールパッキング、日本ガイシ(株)製のハニカムパック、ナガオカ(株)製のインパルスパッキング等の規則充填物、ノートン(株)製のインタロックスサドル、日鉄化工機(株)製のテラレット、BASF(株)製のポールリング、マストランスファー(株)製のカスケード・ミニ・リング、日揮(株)製のフレキシリング等の不規則充填物が挙げられる。これら充填物は、2種類以上を組合せて使用してもよい。また、従来使用されているトレイと組合せて使用してもよい。好適な組合せとしては、規則充填物とトレイとの組合せ、不規則充填物とトレイとの組合せ等が挙げられる。
一方、トレイとしては、ダウンカマーのある泡鐘トレイ、多孔版トレイ、バルブトレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラクストレイ、ダウンカマーの無いデユアルフロートレイ等が使用できる。
以下、本発明を、実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における各組成の分析は、ガスクロマトグラフィーにて行った。しかしながら、マレイン酸は、ガスクロマトグラフィー分析工程の中で無水マレイン酸となるため、マレイン酸と無水マレイン酸の合計の含有量をマレイン酸類の含有量とする。なお、以下において、ppmは重量ppmを意味する。
実施例1:
原料として、気相接触酸化法の前述の(4)工程で得られ、主な不純物としてマレイン酸類3470ppm、フルフラール267ppm及びベンズアルデヒド322ppmを含有する粗アクリル酸を使用した。
原料として、気相接触酸化法の前述の(4)工程で得られ、主な不純物としてマレイン酸類3470ppm、フルフラール267ppm及びベンズアルデヒド322ppmを含有する粗アクリル酸を使用した。
(A)工程として、マレイン酸類およびアルデヒド類の総モル数に対して等倍モル相当のヒドラジン水化物(2100ppm)を添加し、全液量としての流量が5000kg/hrで、温度が20℃で、滞留時間が2時間で管型反応器内を流通させた。
続いて、(B)工程として、熱交換器を使用して得られた液を65℃に加熱した。加熱終了後に、得られた液を目視したところ、(A)工程で生成したマレイン酸類とヒドラジン類との固体状反応物の存在は確認できなかった。そして、当該液の組成分析を行った結果、マレイン酸類994ppm、フルフラール5.6ppm及びベンズアルデヒド45.4ppmであった。
次いで、(C)工程として、冷却器で得られた液を20℃まで冷却した後に、マレイン酸類およびアルデヒド類の総モル数に対して等倍モル相当のヒドラジン水化物(540ppm)を添加し、温度20℃、滞留時間2時間で管型反応器内を流通させた。得られた液の組成分析を行った結果、無水マレイン酸298ppm、フルフラール1.0ppm未満およびベンズアルデヒド1.0ppm未満であった。
次いで、得られた液を蒸留塔に供給し、次の条件下で連続蒸留を行った。即ち、塔底温度74℃で供給液の99重量%を連続的に留出させ、留出液の一部を還流液として塔頂より還流比1.0の割合で塔内に導入した。なお、蒸留に際しては、蒸留塔に導入される供給液の液量に対し10ppmに相当するメトキノン(重合禁止剤)を該還流液に溶解して塔内に導入した。
蒸留塔の塔頂からの留出液として得られた精製アクリル酸中のマレイン酸類、フルフラール及びベンズアルデヒドは、何れも1ppm未満であり、この条件で10ヶ月間安定に連続蒸留が行われた。
比較例1:
(C)工程を実施しないこと以外は、実施例1と同様の条件にて操作を行った。ガスクロマトグラフィーで蒸留塔供給前の液の組成分析を行った。結果は、無水マレイン酸が1006ppm、フルフラール6.0ppmおよびベンズアルデヒド50.0ppmであった。また、連続蒸留を行った後の、蒸留塔の塔頂からの留出液として得られた精製アクリル酸中の無水マレイン酸は188ppm、フルフラールは5.6ppmおよびベンズアルデヒドは15ppmであった。得られたアクリル酸は、本発明の高純度アクリル酸に属するものではない。
(C)工程を実施しないこと以外は、実施例1と同様の条件にて操作を行った。ガスクロマトグラフィーで蒸留塔供給前の液の組成分析を行った。結果は、無水マレイン酸が1006ppm、フルフラール6.0ppmおよびベンズアルデヒド50.0ppmであった。また、連続蒸留を行った後の、蒸留塔の塔頂からの留出液として得られた精製アクリル酸中の無水マレイン酸は188ppm、フルフラールは5.6ppmおよびベンズアルデヒドは15ppmであった。得られたアクリル酸は、本発明の高純度アクリル酸に属するものではない。
Claims (4)
- 不純物としてマレイン酸類およびアルデヒド類を含有する粗(メタ)アクリル酸を蒸留して精製(メタ)アクリル酸を製造する方法において、蒸留に先立ち次の(A)〜(C)工程を順次に行うことを特徴とする精製(メタ)アクリル酸の製造方法。
(A)アクリル酸の融点以上で50℃以下の条件下、粗(メタ)アクリル酸にヒドラジン類を添加してマレイン酸類とヒドラジン類との反応物を生成する工程
(B)60〜90℃の条件下、上記工程の反応液を加熱処理して上記の反応物を可溶性物質に変換する工程
(C)アクリル酸の融点以上50℃以下の温度の条件下、上記工程の加熱処理液にヒドラジン類を添加してアルデヒド類とヒドラジン類との可溶性反応物を生成する工程 - (A)において、反応温度が15〜40℃で、反応時間が30分〜3時間で、且つ、ヒドラジン類の添加量が粗(メタ)アクリル酸中のマレイン酸類およびアルデヒド類の総量に対して0.1〜5倍モルある請求項1に記載の精製(メタ)アクリル酸の製造方法。
- (B)において、加熱処理温度が62〜80℃で、加熱処理時間が30分〜3時間である請求項1に記載の精製(メタ)アクリル酸の製造方法。
- (C)において、反応温度が15〜35℃で、反応時間が30分〜3時間で、且つ、ヒドラジン類の添加量が(B)工程出口液の粗アクリル酸中のマレイン酸類およびアルデヒド類の総量に対して0.1〜5倍モルである請求項1に記載の精製(メタ)アクリル酸の製造方法。
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