JP2005161865A - 印判の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印判の製造方法の煩雑さをなくし、より簡単に連続気孔を有する多孔性基板を用いた印判を製造することができるとともに、捺印時には印字の陰影が均一で滲みがなく乾燥性もよい印判を製造する方法及びその装置を提供すること。
【解決手段】 連続気孔を有する多孔性基板の印面部分をサーマルヘッド10に備えた多数の点状発熱素子で押圧し、印字ドットパターンに従って発熱素子を発熱させ、その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層とし、前記発熱しなかった素子に対応する前記印面部分を網点状に溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層の形成と印字ドットパターンに基づく薄膜層の形成とを同時に行なう。
【選択図】 図5

Description

本発明は連続して押印することが可能な印判の製造方法及びその装置に関するものである。
従来、連続押印可能な印判として連続気孔を有する多孔性基板を用いた印判において、この印面部を加熱によって形成されたインクの透過を阻止する薄膜層と、前記基板内部の連続気孔と連通してインクの透過を許容する前記薄膜層から突出した印字部とを有するものが知られている。
この印判は、例えば、特許文献1に示されるように、文字、図形等の印字転写部を突部として形成するために、前記文字、図形等の部分が凹部となった感光性樹脂で形成された母型を用いて、前記母型を予め加熱しておき、この母型に連続気孔を有する多孔性基板の一面を接触させて溶融固化せしめ、これをインクの透過を阻止する薄膜層とし、残りの部分をインクの透過を許容する印字部とすることによって製造されていた。
特開平6−24114号公報
しかしながら、上記印判の製造方法では、印判の文字、図形等の部分が凹部となった感光性樹脂等で形成された母型を作成する必要があり、連続気孔を有する多孔性基板を溶融させるために、前記母型を特定の温度に加熱する必要があり製造方法が煩雑であった。また、こうして製作された印判を用いて捺印をした結果で押圧によってインクの紙面への転写量は印字部の面積が小さい部分、例えば、細い線の部分では適当な陰影をえられるが、太い線や、記号を用いたべた部分が多い所では紙面に転写されるインクの量が多すぎて滲んだり、インクの乾燥性が悪かったりした。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、印判の製造方法の煩雑さをなくし、より簡単に連続気孔を有する多孔性基板を用いて印判を製造することができるとともに、捺印時には印字の陰影が均一で滲みがなく乾燥性もよい印判を製造する方法及びその装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の印判の製造方法は、連続気孔を有する多孔性基板の印面部分に多数の点状発熱素子を押圧し、その点状発熱素子を印字ドットパターンに従って選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層とし、前記発熱しなかった素子に対応する前記印面部分をインクの透過を許容する印字部とし、前記印面部分を網点状に溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層の形成と印字ドットパターンに基づく前記薄膜層の形成とを同時に行なうことを特徴とする。
この構成の印判の製造方法では、前記網点膜層の形成と印字ドットパターンに基づく薄膜層の形成とを同時に行なうので、短時間で品質のよい印判を作成することができる。
また、請求項2に記載の印判の製造方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記多孔性基板の印面部分に対して前記点状発熱素子を押圧し、その点状発熱素子を網点状に選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめて前記網点膜層を形成することを特徴とする。
この構成の印判の製造方法では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記多孔性基板の印面部分に対して前記点状発熱素子を押圧し、その点状発熱素子を網点状に選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層を予め形成するので、この網点膜層が形成された多孔性基板に対して前記薄膜層及び印字部を形成した場合、インクの透過量を均一に抑えることができる。
また、請求項3に記載の印判の製造方法は、多数の点状発熱素子を有する発熱手段と、その発熱手段の点状発熱素子を連続気孔を有する多孔性基板の印面部分に押圧する押圧手段と、その押圧手段によって前記印面部分に押圧された前記発熱手段の点状発熱素子を印字ドットパターンに従って選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層に形成させ、かつ発熱しなかった素子に対応する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成させる制御手段と、前記多孔性基板と前記押圧手段とを相対的に移動する駆動手段と、前記点状発熱素子を網点状に発熱させるための網点状パターンと印字ドットパターンとを合成するパターン合成手段とを備え、前記制御手段は、前記点状発熱素子を前記パターン合成手段によって合成されたパターンに基づいて選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層及び前記印面部分を網点状に溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層を形成させ、かつ発熱しなかった素子に対する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成するように制御することを特徴とする。
この構成の印判の製造方法では、押圧手段が発熱手段の点状発熱素子を連続気孔を有する多孔性基板の印面部分に押圧し、制御手段がその押圧手段によって前記印面部分に押圧された前記発熱手段の点状発熱素子を印字ドットパターンに従って選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層に形成させ、かつ発熱しなかった素子に対応する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成させ、駆動手段が前記多孔性基板と前記押圧手段とを相対的に移動することにより、印判を製造することができる。また、制御手段は、前記点状発熱素子を前記パターン合成手段によって合成されたパターンに基づいて選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層及び前記印面部分を網点状に溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層を形成させ、かつ発熱しなかった素子に対する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成するので、一度に薄膜層と網点膜層を形成することができ、短時間で高品質の印判を製造することができる。
以上説明したことから明らかなように、本発明の請求項1に記載の印判の製造方法は、連続気孔を有する多孔性基板の印面部分に多数の点状発熱素子を押圧し、その点状発熱素子を印字ドットパターンに従って選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層とし、前記発熱しなかった素子に対応する前記印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成するため、文字や図形等の部分が凹部となった感光性樹脂等で形成された母型を作成する必要もなく、連続気孔を有する多孔性基板を溶融させるために、前記母型を特定の温度に加熱する必要もなく、より簡単に印判を製造することができる。また、前記網点膜層の形成と印字ドットパターンに基づく薄膜層の形成とを同時に行なうので、短時間で品質のよい印判を作成することができる。
また、請求項2に記載の印判の製造方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、多孔性基板の印面部分に対して前記点状発熱素子を押圧し、その点状発熱素子を網点状に選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層を予め形成するので、この網点膜層が形成された多孔性基板に対して前記薄膜層及び印字部を形成した場合、インクの透過量を均一に抑えることができる。
また、請求項3に記載の印判の製造方法によれば、多数の点状発熱素子を有する発熱手段と、その発熱手段の点状発熱素子を連続気孔を有する多孔性基板の印面部分に押圧する押圧手段と、その押圧手段によって前記印面部分に押圧された前記発熱手段の点状発熱素子を印字ドットパターンに従って選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層に形成させ、かつ発熱しなかった素子に対応する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成させる制御手段と、前記多孔性基板と前記押圧手段とを相対的に移動する駆動手段とを備えているので、文字や図形等の部分が凹部となった感光性樹脂等で形成された母型を作成する必要もなく、連続気孔を有する多孔性基板を溶融させるために、前母型を特定の温度に加熱する必要もなく、より簡単に印判を製造することができる。
また、点状発熱素子を網点状に発熱させるための網点状パターンと印字ドットパターンとを合成するパターン合成手段を備え、前記制御手段は、前記点状発熱素子を前記パターン合成手段によって合成されたパターンに基づいて選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層及び前記印面部分を網点状に溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層を形成させ、かつ発熱しなかった素子に対する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成するので、一度に薄膜層と網点膜層を形成することができ、短時間で高品質の印判を製造することができる。
以下、本発明の印判の製造方法及びその装置を具体化した実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施形態について説明する。印判を作成するための多孔性基板の斜視図を図1に示す。本実施形態において使用する多孔性基板1は、微細な連続気孔を有する硬質、半硬質のポリオレフィン系の樹脂板である。また、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、その他の樹脂からなる微細な連続気孔を有する材料も使用することができ、さらに、天然ゴム、合成ゴム系の材料を使用することもできる。これらの材料は、発泡後外面を覆う表皮を除いて平板状にスライスしたものを使用してもよいし、印面側として発泡させるための型に当たっている面を使用してもよい。
この型に当たった面は発泡条件によって、前記多孔性基板の微細な連続気孔とつながって、更に微細な気孔を形成することも可能である。
次に、図1に示した多孔性基板1を実際に使用する印判のサイズに前加工した状態を示す斜視図を図2に示す。ここで、図2中の上面部の気孔6のある部分が印面部として使用される。残りの各面3、4、5は加熱された型で面押しされて気孔6が溶融固化されインク不透過性の薄膜層で覆われた状態を示している。気孔6が存在する凸部領域2が印面形成が可能な領域となる。このものを印判用部材7とする。
前記印判用部材7を保持するスタンパ35の断面図を図3に示す。図3に示すように、前記印判用部材7は、プラスチック、金属等のケース31におさめて使用できるように構成されている。また、印判用部材7の側面3は、接着剤層30によってケース31に固定されている。印判用部材7の裏面にはスポンジ等で形成されるインク保持層32が置かれており、インクはここから常時印判用部材7の連続気孔を通して凸部領域21に供給される。更に、インク保持層32の上部には格子状支持部材33が設けられており、これによって浸透式スタンプ印判20は押印時にも平面に保持されるようになっている。また、取っ手部34はケース31と係合されておりインクをインク保持層32に補給するときには取り外すことが可能となっている。
続いて、本実施形態の印判製造装置について図4〜図8に基づいて説明する。
印判製造装置61の外観を図4に示す。印判製造装置61は、前面にキー入力部106を備え、キー入力部106の上方に表示部105が設けられている。表示部105の後方には、後述するサーマルヘッド等を含む製版部(図示せず)が設けられており、開閉蓋104を開いて前記スタンパ35を前記製版部に対して着脱可能に構成されている。
前記キー入力部106には、文字や記号等を入力するための文字キー、カーソルキー及び製版実行等の各種指示を入力するためのキー等が設けられており、このキー入力部106から入力された文字や記号等が表示部105に表示される。
次に、製版部について図5〜図8に基づいて説明する。
印版製造装置61のサブフレーム60の右端壁62と左端壁63とに亙って、キャリッジ64を案内する為の左右方向に延びるガイドロッド65と、キャリッジ64を案内し且つキャリッジ64に搭載されたサーマルヘッド10の位置を切換えるカム体67を操作する為の左右方向に延びるヘッド切換えロッド66とが架着され、カム体67は、ヘッド切換えロッド66に回動不能かつ軸方向へスライド自在に装着されている。
そして、スタンパ35は、図5及び図6において、図示しない支持部材に固定されている。
前記キャリッジ64は、ガイドロッド65とヘッド切換えロッド66とに、左右方向に移動自在に支持され、キャリッジ64の前端部には、その全長に亙る所定の長さのラック68が形成されている。
前記キャリッジ64には、カム当接板69と、ヘッド放熱板70とが、前後方向向きの支軸71により上下揺動自在に装着され、ヘッド放熱板70には、サーマルヘッド10が固定され、ヘッド放熱板70は、それに固定されたピン72に外装されたバネ12によって、カム当接板69に対して上方へ弾性付勢されている。
前記カム体67は、楕円形状に形成されて、カム当接板69の下面に当接され、ヘッド切換えロッド66を回動させてカム体67を横向き姿勢にすると、サーマルヘッド10はヘッド放熱板70とともに下方へリリースされ、また、カム体67を立向き姿勢にすると、サーマルヘッド10は、カム当接板69とバネ12を介して、上方へ揺動して溶融位置に切換えられる。
前記ヘッド切換えロッド66の右端部には、サブフレーム60の右端壁62の外側において、ギヤ73が設けられ、ギヤ73の回転角度に応じてカム体67が横向き姿勢あるいは立て向き姿勢に切換えられるように構成してある。
前記サブフレーム60の前壁74には、キャリッジ64を駆動するキャリッジ送りモータ75と、ラック68に噛合した駆動ギヤ76と、キャリッジ送りモータ75の出力軸の出力ギヤ77の回転を駆動ギヤ76に伝達する減速ギヤ機構81とが付設されている。それ故、キャリッジ送りモータ75の回転駆動力が駆動ギヤ76に減速して伝達されるため、キャリッジ送りモータ75により、キャリッジ64を左右方向へ移動駆動することができる。
前記サーマルヘッド10は、サーマルプリンタのサーマルヘッドと同様のもので、このサーマルヘッド10には、例えば96個の点状発熱素子11が1列に設けられている。
次に、前記印判製造装置61を駆動制御する制御ユニット78を含む制御系について図9を参照して説明する。
制御ユニット78は、CPU、印字ドットパターン等のデータが記憶されているROM、キー入力部106から入力されるデータ等を記憶するRAM、及び入出力インタフェース等から構成され、ヘッド駆動回路79とモータ駆動回路80とに接続されている。さらに、ヘッド駆動回路79はサーマルヘッド10に、モータ駆動回路80はキャリッジ送りモータ75にそれぞれ接続されている。また、制御ユニット78は、キー入力部106及び表示部105が接続されている。尚、サーマルヘッド10は本発明の発熱手段を、バネ12は押圧手段を、制御ユニット78は制御手段及びパターン合成手段を、キャリッジ送りモータ75は駆動手段をそれぞれ構成するものである。
次に、以上のように構成される印判製造装置61を用いて浸透式スタンプ印判20に文字列の印字部とならない部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層を形成する処理について説明する。尚、予め、キー入力部106により作成しようとする印面の文字や記号等のデータが入力され、RAM内に記憶されているものとする。
製版の指示がなされると、まず、ヘッド切り替えロッド66を回転し、装着されているカム体67を立て向き姿勢とする。すると、サーマルヘッド10がカム当接板69とバネ12を介して上方へ揺動し、図5に示すスタンプ体35に装着されている浸透式スタンプ印判20右端を押圧する溶融位置に配置される。
次に、キャリッジ送りモータ75が駆動され、サーマルヘッド10が浸透式スタンプ印判20を一定の圧力で押圧した状態を保ちつつ、キャリッジ64が浸透式スタンプ印判20の右端から移動しはじめ、図5の実線で示す位置からさらに二点鎖線で示す位置まで移動する。同時に、サーマルヘッド10に設けられた点状発熱素子11が印字ドットパターンに基づいて印字部分以外に相当する領域において発熱して印面部分を溶融固化し、インクの透過を阻止する薄膜層を形成するとともに、残った部分がインクの透過を許容する印字部として形成される。
上記操作によって形成された浸透式スタンプ印判20の斜視図を図10に示す。溶融固化しインクの透過を阻止する薄膜層22と溶融固化されないで残ったインクの透過を許容する印字部21とが形成されている。
以上の構成を有する印判製造装置61を使用した場合、従来のような印面に合わせた型をいちいち作成する必要がなく印判に合わせた印字ドットパターンのデータを編集し、そのデータに合わせてサーマルヘッド10の移動および発熱体11の発熱を逐次制御すればよく、印判用部材7が予め用意されていれば必要な印判を必要なときに、その場で作成することができるので、印判の製造方法が煩雑でなく、より簡単に連続気孔を有する多孔性基板を用いた印判の製造をすることができる。
尚、前記印判用部材7は、予め印面部に網点膜層を設けておくと、均一にインクの透過を抑制することができるので、捺印する際にインクの紙面への転写量を適当に制御し、滲みがなく乾燥性のよい印判を製造することができる。
上記図1に示した多孔性基板1において、印面として使用する面全体に網点膜層41を形成したものに対し、さらに、上記図2に示す印判用部材7と同様の処理を施した印判用部材40を図11に示す。また、印判用部材40の一部を拡大したものを図12に示す。図12中の白い部分が気孔6が溶融固化されインク不透過性の薄膜層4で覆われた状態を示しており、同じくインク不透過性の網点46を示している。黒い四角で塗りつぶされた部分は溶融固化されていないインク透過性の網点45を示している。
次に、前記網点膜層41の作成方法について説明する。感光性樹脂で網点状に凹部を形成した網点型、または金属の表面をエッチングにより網点状に凹部を形成した網点型を作成する。その網点型を予め加熱しておき、多孔性基板1の印面として使用する面を押圧させる。これにより多孔性基板1の印面として使用する面全体に、溶融固化されたインク不透過性の網点46と溶融固化されていないインク透過性の網点45が形成される。
ここで、各網点のサイズを前記点状発熱素子11の基板押圧面のサイズより小さく設定すると、網点膜層を有しない印判用部材7を使用した場合と比較して前記印判製造装置61により形成された印字部の品質が低下することがない。例えば、点状発熱素子が縦126μm・横180μmの長方形である場合、網点は一辺が約50μmから約70μm程度以下の正方形とすればよい。この印判に、上記図2に示すように実際に使用する印判のサイズに前加工を施せば、図11に示すような印判用部材40ができ上がる。
この印判用部材40を使用して、前記印判製造装置61により製造した浸透式スタンプ印判50の斜視図を図13に示す。浸透式スタンプ印判50の印字部51は、網点膜層41が形成されているので、インクの転写量を適度に抑えた印字領域となり、滲みのない印字結果を得ることができる。
続いて、第2の実施形態について説明する。
使用する多孔性基板は、第1の実施形態において使用したものと同じであり、また、印判製造装置についても基本的な構成は共通であるため、その説明を省略する。
ここで、上記第1の実施形態においては、加熱した網点型を用いて多孔性基板1に網点膜層41を形成したが、第2の実施形態においては、網点型を使用せずに、印判製造装置61のサーマルヘッド10により網点膜層41を形成する。
図9中の制御ユニット78内のROMには、ヘッド駆動回路79を介してサーマルヘッド10を駆動するための各種プログラムや制御データが格納されており、印面部を網点状に溶融固化させる、即ち網点膜層41を形成するための制御データも格納されている。この制御データは、サーマルヘッド10の点状発熱素子11のラインの奇数位置にある素子と偶数位置にある素子、更にサーマルヘッド10の移動方向における奇数ラインの位置と偶数ラインの位置のそれぞれに対応して例えば奇数ラインの位置においてはサーマルヘッド10の奇数位置にある素子を印字データとは無関係に溶融するデータとし、次に偶数ラインの位置においてはサーマルヘッド10の偶数位置にある素子を印字データとは無関係に溶融するデータである。この制御データに基づいてサーマルヘッド10が駆動され、網点膜層41が形成される。
そして、印判製造装置61に印判用部材7を備えたスタンパ35を装着し、キー入力部106により網点処理を指示すると、前記制御データに基づいてサーマルヘッド10が駆動され、印面に網点膜層41が形成される。この網点膜層41の形成が完了すると、サーマルヘッド10は、図5において実線で示される位置に戻される。続いて、製版が指示されると、第1の実施形態の場合と同様に、印字ドットパターンに基づいてサーマルヘッド10を選択的に発熱させ、印面部分の印字部分以外に相当する領域を溶融固化させ、インクの透過を阻止する薄膜層を形成する。溶融固化されない印字部分では、先に形成した網点膜層41が維持されており、インクの透過を許容する印字部として形成される。このようにして形成された浸透式スタンプ印判110の印面部の様子を図14に示す。図14中の白い部分が気孔6が溶融固化されてインク不透過性の領域であり、黒い部分が溶融固化されていないインク透過性の捺印に有効となる領域である。印字部112は、網点膜層41によってインクの転写量を適度に抑えた印字領域となり、滲みのない印字結果を得ることができる。
この第2実施形態においては、網点膜層41をサーマルヘッド10により予め形成しておき、その後に印字部112及び薄膜層113を形成するように構成したが、網点膜層41と印字部112及び薄膜層113とを一回の処理で形成するようにサーマルヘッド10を制御することも可能である。
この場合、網点膜層41を形成するための上記制御データと印字部112及び薄膜層113を形成するための印字ドットパターンに基づくデータとを制御ユニット78において合成し、合成データを作成する必要がある。この合成データは、文字や図形等の形状に表された印字部以外の領域を溶融固化させるために、印字部以外の領域に対応するサーマルヘッド10の点状発熱素子11を発熱させるようにし、また、印字部においても、溶融固化した部分としていない部分とが網点状になるように点状発熱素子11を発熱させるようにするためのデータである。
そして、サーマルヘッド10の点状発熱素子11を合成データに基づいて発熱させることにより、印字部以外の領域、及び印字部における網点部分に相当する領域との両方を一回の処理で溶融固化できる。
以上の処理により、印字部分においては、網点状の発熱パターンによって、インクの転写量を適度に押さえた印字領域を形成し、印字部分以外に相当する領域においては全発熱素子が発熱して印面部分を溶融固化し、インクの透過を阻止する薄膜層が形成される。この方法によれば、短時間で印字品質のよい印面を作成することができる。
尚、このような網点膜層の形成は、太い線や、記号を用いたべた部分が多い場合に特に有効である。従って、網点膜層を形成する必要があるか否かをユーザー自身が判断し、必要に応じてキー入力部106により網点処理を指示して網点膜層を形成すればよく、作成しようとする印面に応じた製版方法を選択することが可能になる。
本発明は以上詳述した実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態において、印判用部材7,40を固定としサーマルヘッド10を移動させる構成としたが、サーマルヘッド10を固定とし印判用部材7,40を移動させる構成としてもよい。
多孔性基板を使用する印判のサイズに前加工した状態を示す斜視図である。 印判を作成するための多孔性基板を示す斜視図である。 浸透式スタンプ印判をスタンプとして保持するスタンパの断面図である。 印版製造装置の外観図である。 スタンプ体と製版部の縦断正面図である。 スタンプ体と製版部の縦断側面図である。 印判製造装置の製版部の斜視図である。 製版部の分解斜視図である。 印判製造装置の制御系のブロック図である。 浸透式スタンプ印判の斜視図である。 網点膜層を形成した印判用部材を示す斜視図である。 網点膜層の拡大図である。 網点膜層が形成された浸透式スタンプ印判の斜視図である。 網点膜層が形成された浸透式スタンプ印判の正面図である。
符号の説明
1 多孔性基板
10 サーマルヘッド
11 点状発熱素子
12 バネ
20,50,110 浸透式スタンプ印判
21,51,112 印字部
22,113 薄膜層
50 浸透式スタンプ印判
61 印判製造装置
75 キャリッジ送りモータ
78 制御ユニット

Claims (3)

  1. 連続気孔を有する多孔性基板の印面部分に多数の点状発熱素子を押圧し、
    その点状発熱素子を印字ドットパターンに従って選択的に発熱させ、
    その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層とし、
    前記発熱しなかった素子に対応する前記印面部分をインクの透過を許容する印字部とし、
    前記印面部分を網点状に溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層の形成と印字ドットパターンに基づく前記薄膜層の形成とを同時に行なうことを特徴とする印判の製造方法。
  2. 前記多孔性基板の印面部分に対して前記点状発熱素子を押圧し、
    その点状発熱素子を網点状に選択的に発熱させ、
    その発熱した素子に対応する前記印面部分を溶融固化せしめて前記網点膜層を形成することを特徴とする請求項1に記載の印判の製造方法。
  3. 多数の点状発熱素子を有する発熱手段と、
    その発熱手段の点状発熱素子を連続気孔を有する多孔性基板の印面部分に押圧する押圧手段と、
    その押圧手段によって前記印面部分に押圧された前記発熱手段の点状発熱素子を印字ドットパターンに従って選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層に形成させ、かつ発熱しなかった素子に対応する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成させる制御手段と、
    前記多孔性基板と前記押圧手段とを相対的に移動する駆動手段と、
    前記点状発熱素子を網点状に発熱させるための網点状パターンと印字ドットパターンとを合成するパターン合成手段とを備え、
    前記制御手段は、前記点状発熱素子を前記パターン合成手段によって合成されたパターンに基づいて選択的に発熱させ、その発熱した素子に対応する印面部分を溶融固化せしめてインクの透過を阻止する薄膜層及び前記印面部分を網点状に溶融固化せしめてインクの透過量を均一に抑える網点膜層を形成させ、かつ発熱しなかった素子に対する印面部分をインクの透過を許容する印字部として形成するように制御することを特徴とする印判製造方法。
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