JP6387705B2 - 印面形成装置、印面形成方法及びプログラム - Google Patents

印面形成装置、印面形成方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、印面形成装置、印面形成方法及びプログラムに関する。
熱収縮性を有する多孔質の印面材をサーマルヘッドで加熱し、スタンプを作る機器が存在する。例えば特許文献1は、多孔質スポンジ等の熱可塑性の多孔質材料から形成される印面材にスタンプの印判(印面)を形成するための製版用データを作成するスタンプ製版用データ作成装置を開示している。特許文献1では、外部から送信された製版用画像データを用いてスタンプを作製するスタンプ作製装置とその製版用画像データの作成方法について述べられている。
特開2009−21842号公報
作製したスタンプの印面材にインクを含浸させる際、印面材の内部でインクが滲むことがある。特に、印面材の異なる位置に異なる色のインクを含浸させることにより2色以上のインクを用いたカラーのスタンプを作製する際には、インクが滲むことで、異なる色のインクが混ざってしまい、きれいに捺印できなくなることがある。
異なる色のインクが混ざることを防止するために、印面上における異なる色の領域を互いに間隔を空けて配置する方法もある。しかしながら、間隔を空けていても、時間の経過に伴って滲みが拡がることで、インクが混ざってしまうことがある。そのため、印面材の内部でのインクの滲みを防ぐことが求められていた。
本発明は、以上のような課題を解決するためのものであり、印面材の内部でのインクの滲みを防ぐことが可能な印面形成装置、印面形成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る印面形成装置の一様態は、
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき前記印面材の表面における第1の加熱領域を示す表面用製版データと、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき前記印面材の裏面における第2の加熱領域を示す裏面用製版データと、を取得するデータ取得部と、
複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成する印面形成部と、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する制御部と、
を備える、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る印面形成装置の他の様態は、
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって当該印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する第2の加熱領域と、を示すデータを取得するデータ取得部と、
複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成する印面形成部と、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する制御部と、
を備える、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る印面形成方法の一様態は、
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき前記印面材の表面における第1の加熱領域を示す表面用製版データと、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき前記印面材の裏面における第2の加熱領域を示す裏面用製版データと、を取得し、
複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成し、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る印面形成方法の他の様態は、
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって当該印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する第2の加熱領域と、を示すデータを取得し、
複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成し、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムの一様態は、コンピュータに、
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき前記印面材の表面における第1の加熱領域を示す表面用製版データと、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき前記印面材の裏面における第2の加熱領域を示す裏面用製版データと、を取得させ、
複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成させ、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御させる、
ことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムの別の様態は、コンピュータに、
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって当該印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する第2の加熱領域と、を示すデータを取得させ、
複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成させ、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御させる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、印面材の内部でのインクの滲みを防ぐことが可能な印面形成装置、印面形成方法及びプログラムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る印面形成装置を示す斜視図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る印面形成装置の機械構成を示す平面図である。(b)は、その断面図である。 本発明の実施形態に係る印面形成装置の機能構成を示すブロック図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る印面材ホルダの平面図である。(b)は、そのA−A’線断面図である。 (a)は、印面形成が完了して印面材ホルダから取り出された印面材がスタンプの台座に取り付けられた状態を示す外観斜視図である。(b)は、その側面図である。 (a)は、従来の方法で印面を形成した印面材の断面図である。(b)は、本発明における製版パターン1で印面を形成した印面材の断面図である。(c)は、本発明における製版パターン2で印面を形成した印面材の断面図である。 スタンプの作製手順を示すフローチャートである。 (a)は、印面用の画像データの例を示す図である。(b)は、表面用製版データの例を示す図である。(c)は、裏面用製版データの第1の例を示す図である。(d)は、裏面用製版データの第2の例を示す図である。 (a)は、スタンプの台座に取り付けられた印面材に裏面からインクを含浸する様子を示す図である。(b)は、スタンプを印面材の裏面から見た様子を示す図である。(c)は、キャップ装着時のスタンプを示す図である。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る印面材ホルダの平面図である。(b)は、そのA−A’線断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態における方法で印面を形成した印面材の断面図である。(b)は、本発明の他の実施形態における表面用製版データの例を示す図である。
《概念の定義》
本発明において用いる概念を定義する。
印面形成装置は、印面材に対して所望のパターンを形成して印面を形成する装置である。本発明にあっては、いわゆるサーマルプリンタを用いることができる。サーマルプリンタは、サーマルヘッドを有し、複数の発熱体及びそれらを駆動する駆動回路(ドライバ)により、個々の発熱体を選択的に加熱することができる。
印面材は、液状のインクを含浸可能な多孔質のスポンジ体からなり加熱により非多孔質化する熱可塑性の部材である。例えば、多孔質エチレン酢酸ビニル・コポリマー(EVA:Ethylene Vinyl Acetate copolymer)を用いることができる。
印面材ホルダは、印面材に対して所望のパターンを形成すべく印面形成装置に通すために用いる治具である。例えば、印面材を印面材ホルダに保持した状態のものが印面形成装置のユーザに供給される。本明細書にあっては、便宜上、印面材ホルダは、印面材と、それを保持する保持体と、を有するものとする。
保持体は、例えば、コートボールからなる厚板紙により構成される。印面形成後、印面材ホルダから印面材を取り出した後は、廃棄される部材である。
印面形成部は、サーマルヘッドにより選択的に熱を加えることにより、印面材の表面の所望の箇所を非多孔質化させて、その部分のインクの通過を禁止する処理を施す機構部分である。
印刷は、インクを用いる印刷ではなくて、画像データに応じて、サーマルヘッドの発熱体が選択的に加熱されることにより、印面材の表面を所定の大きさ、すなわちサーマルヘッドの発熱体の大きさに該当するドットごとに、非多孔質化するかしないかの処理をすることを意味する。
通電信号は、サーマルヘッドの駆動回路に与える信号であり、サーマルヘッドを発熱させる電力を印加する信号である。
非加熱ドットは、サーマルヘッドの複数の発熱体のうちの、加熱しないドットをいう。印面形成される印面の画像からみると、インクの通過を許容する部分に該当する。
加熱ドットは、サーマルヘッドの複数の発熱体のうちの、加熱するドットをいう。印面形成される印面の画像から見ると、インクの通過を禁止する部分に該当する。
印面用の画像データ(印面データ)は、スタンプの印影となるように編集されたカラー画像データのことである。
製版データは、スタンプを作製するサーマルヘッドのビットのオンオフに対応する2値画像データである。
主走査方向は、サーマルヘッドのライン(発熱体が並ぶ向き)に対して水平な方向(印刷媒体の幅方向)である。
副走査方向は、サーマルヘッドのライン(発熱体が並ぶ向き)に対して垂直な方向(印刷媒体の搬送方向)である。
プリント(印刷)は、製版用サーマルプリンタによって、印面材上に加熱処理を行い、インクが浸透しない部分とインクが浸透する部分とを製作することをいう。
搬送部は、印面材ホルダを搬送する機構部分であり、例えばプラテンローラとそれを動かすステッピングモータとにより構成することができる。
制御部とは、印面形成装置の制御部(CPU:Central Processing Unit)をいう。印面形成装置の制御部は、有線通信(USB(登録商標):Universal Serial Bus)又は無線通信(Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、WLAN(登録商標)(Wireless Local Area Network)など)により、パソコン(PC:Personal Computer)、スマートフォン、タブレットコンピュータなどと接続されて、連携して機能することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、熱収縮性を有する多孔質スポンジ(例えば、多孔質EVA)をサーマルヘッドで加熱し、スタンプ作製装置(スタンププリンタ)で平面状の印面を作製することを前提とする。印面として完成した多孔質スポンジにインクを含浸させる際、スポンジの異なる位置に異なる色のインクを含浸させることで、2色以上の色を用いたカラーのスタンプを作製することができる。
《製版用サーマルプリンタの機械構成について》
図1は、本実施形態に係る印面形成装置を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る印面形成装置の平面図及び断面図である。図2(a)は、印面形成装置の平面図であり、図2(b)は、そのX−Z面(搬送方向を含む鉛直面)における断面構造を示す概略断面図である。
本実施形態に係る印面形成装置(以下、「プリンタ」と称す)1は、いわゆるサーマルプリンタである。プリンタ1は、印刷媒体挿入口(製版挿入部)に挿入された印面材ホルダ20を排出口に向けて搬送する。そして、搬送中の印面材ホルダ20上の印面材21にサーマルヘッド4を所定の荷重で押し付け、サーマルヘッド4が有する複数の発熱体を選択的に加熱することにより、所望のパターン(文字、記号、図形など)を表す印面(印章やスタンプを押した時に、文字、記号、図形などからなる印影を形成する部分)を、印面材ホルダ20上の印面材21に形成する。
図1及び図2に示すように、互いに直交するX、Y、Z方向を設定する。X方向は、印面を形成する対象物である印面材21を含む印面材ホルダ20を搬送する方向と同じ方向であり、前後方向とも呼ぶ。Y方向は、プリンタ1の幅方向と同じ方向であり、左右方向とも呼ぶ。Z方向は、印面材ホルダ20にサーマルヘッド4を押し付ける方向と同じ方向であり、上下方向とも呼ぶ。
プリンタ1は、サーマルヘッド4と、ステッピングモータ9と、ガイド14と、プラテンローラ(搬送ローラ)12と、を備えている。サーマルヘッド4、ガイド14、プラテンローラ12の両脇には、Y方向に対向する一対の板状のサイドフレーム13が設けられている。
プラテンローラ12は、印面材ホルダ20をX方向に搬送するものであり、両サイドフレーム13、13間に渡されて設けられており、両端が各サイドフレーム13を貫通している。プラテンローラ12の両端部は、サイドフレーム13に対して回転自在になるように、サイドフレーム13に支持されている。なお、プラテンローラ12の回転軸の+Y軸の端部には、例えばローラ歯車(図示を省略)が一体的に取り付けられ、ステッピングモータ9の駆動軸に取り付けられた駆動歯車(図示を省略)の回転に伴う駆動力が、複数の電動歯車を介して伝達されることにより、プラテンローラ12が所定の回転速度で回転する。
ガイド14には、印面材ホルダ20(印面材21)をプラテンローラ12に導くための傾斜面14aが形成されている。傾斜面14aは、Y方向視(+Y方向から見た場合の断面)において、傾斜面14aの延長線EL(図中、一点鎖線にて表記する。搬送経路に相当する。)がプラテンローラ12の外周面に接するように配置されている。
傾斜面14aの凹部14bには、センサ3が設けられている。センサ3は、印面材ホルダ20と接触しないように印面材ホルダ20の軌道よりも若干−Z側に配置されている。また、Z方向視(+Z側から見た場合の平面図)において、センサ3は、印面材ホルダ20の切欠部23がセンサ3上を通過するように左側のサイドフレーム13よりも若干+Y側であってプラテンローラ12よりも若干−X側に配置されている。図2(a)に破線で示す検知走査線SLはセンサ3の光軸Lと交叉しX方向に延びる線である。センサ3は、反射型光学センサであり、+Z方向に光を出射する発光素子と、センサ対象物(ここでは、印面材ホルダ20)に当たって−Z方向に反射した光を受光する受光素子と、を有する。センサ3は、受光素子において受光した光の光量に応じた信号を出力する。この信号に基づいて、印面材ホルダ20に嵌め込まれた印面材21の種類(サイズ)と印刷(製版、以下同様)開始位置が特定される。
サーマルヘッド(印面形成部)4は、プラテンローラ12に対向するように設けられる。サーマルヘッド4は、X方向に搬送される印面材ホルダ20上の印面材21を押圧する。サーマルヘッド4における印面材21を押圧する押圧部4aは、Y方向に沿った直線帯状に設けられている。押圧部4aの長さ(Y方向の長さ)は、印面材21の幅(Y方向に沿った長さ)よりも長くなるように設けられている。これにより、印面材21の幅方向に沿って延びる直線帯状の部分が一様に、押圧部4aによって押圧されて変形する。押圧部4aには、印面の形成(製版)時に選択的に加熱される複数の発熱体(図示を省略)が、押圧部4aの延在方向(Y方向)に沿って配列されている。サーマルヘッド4には、押圧部4aに配列される複数の発熱体の各々の発熱状態を制御するための駆動回路を備えたIC(Integrated Circuit)チップ(ドライバIC)4bが設けられている。
《製版用サーマルプリンタの機能構成について》
次に、本実施形態に係るプリンタ1の機能構成、すなわち制御部(CPU)によって制御されて機能する機能構成について説明する。
プリンタ1は、図3に示すように、中央制御回路2、センサ3、サーマルヘッド4、電源回路5、モータドライバ6、USB制御回路40、Bluetoothモジュール・WLANモジュール41、表示デバイス43、表示画面制御回路47、メモリ制御回路48、及び、UI(ユーザインターフェイス)制御回路49、を備える。
また、モータドライバ6にはステッピングモータ9が接続され、USB制御回路40にはPC(パーソナルコンピュータ)44が接続される。PC44又はスマートフォン等が、USB制御回路40の代わりにBluetoothモジュール・WLANモジュール41により接続されてもよい。USB制御回路40又はBluetoothモジュール・WLANモジュール41は、PC44において編集・作成された製版データ(具体的には後述するように、所望の印面を形成するための印面材21上の第1の加熱領域と、第1の加熱領域よりも強く加熱するための第2の加熱領域と、を示すデータ)を取得するデータ取得部として機能する。
なお、PC44又はスマートフォンとの接続が必須の機種の場合は、ユーザは、PC44又はスマートフォンのGUI(Graphical User Interface)上で操作を実施するため、プリンタ1側において、表示画面制御回路47と表示デバイス43とを省略することができる。従って、表示デバイス43、表示画面制御回路47、UI制御回路49、USB制御回路40、及びBluetoothモジュール・WLANモジュール41等は、適宜省略可能である。
中央制御回路2は、CPUを含む回路であり、システム全体の制御を行う。図3では、各回路の大半が中央制御回路2とのみ接続される構成を例に挙げているが、これに限られず、バスを通じて各回路同士がデータ通信を行う構成とすることも可能である。中央制御回路2は、必要に応じてコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、例えば、搬送量検出、寸法設定、寸法判定、位置検出等の機能を実現する。
サーマルヘッド(印面形成部)4は、中央制御回路2から出力されたデータと印刷信号を受け取り、ヘッド内部のドライバICにて通電ドットの制御を行い、ヘッドに接している多孔質エチレン酢酸ビニル・コポリマー(EVA)等の印版に対して印刷(製版、以下同様)を施す。
電源回路5は、電源IC等からなり、各回路に必要な電源を作り出して供給する。
モータドライバ6は、中央制御回路2から出力された駆動信号を受け取り、駆動用の電力をステッピングモータ9に供給する。なお、中央制御回路2から受け取るのは励磁信号のみで、実際の駆動電力は電源回路5から得る。
中央制御回路2は、モータドライバ6に出力した信号のパルス数を数えることによりステッピングモータ9をどれだけ回転させたかを判別する。この回転数に基づき、印面材ホルダ20がどれだけ搬送されたかが判別される。なお、サーマルヘッド4は、1−2相励磁駆動を採用しており、ギア比は1ライン(0.125mm)あたり16ステップで構成される。すなわち、1ステップで0.0078mmの搬送を行う。
表示画面制御回路47は、表示デバイス43へのデータ転送やライトの点灯・消灯等を制御する。また、表示デバイス43は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を備える。
メモリ制御回路48は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のデバイスを備え、これらを制御する。
UI制御回路49は、キーボード、マウス、リモコン、ボタン、タッチパネル等の入力デバイスから入力された情報に基づき、メニュー画面の表示等の制御を行う。
Bluetoothモジュール・WLANモジュール41は、プリンタ1がスマートフォン等の携帯端末と無線通信するためのモジュールである。ユーザは、例えば、Bluetoothなどの近距離無線通信により、携帯端末を介して後述する各種データをプリンタ1に送信することができる。
《印面材ホルダの構成について》
次に、プリンタ1により印面を形成(製版)する印面材ホルダ20について、図4及び図5を参照しつつ説明する。
図4(a)は、印面材ホルダ20の平面図である。図4(b)は、図4(a)に示したA−A’線に沿った断面図である。図5は、印面を形成した印面材を貼り付けたスタンプの一例を示す概略図である。図5(a)は、印面材側から見たスタンプの斜視図であり、図5(b)は、印面材側を底面とした時(スタンプとして使用する際に紙などに置く時)のスタンプの側面図である。
印面材ホルダ20は、印面材21を保持し、搬送により製版用サーマルプリンタを通過させて印面形成を行うための部材である。印面材ホルダ20の働きにより、印面がずれを起こすことなく位置決めされ、タイミングが調整されて通過できる。印面材ホルダ20は、印面材21と、印面材21を保持する平面状の保持体22と、印面材21を保護するフイルム24と、を備える。
印面材21は、印面を形成するための印刷媒体である。印面材21は、液状のインクを含浸可能な多孔質のスポンジ体、例えば、多孔質エチレン酢酸ビニル・コポリマー(以下、「EVA」と記す。)で構成され、押圧により変形可能となっている。EVAは無数の気泡を有しており、この気泡の中にインクを含浸する。
印面材ホルダ20のうち、保持体22とフイルム24とは、印面材21の印面形成時に用いられる治具であり、印面形成の終了後には印面材21と分離されて廃棄(又は再利用)される。保持体22は、コートボール等の厚板紙により構成され、印面材21を中央部に固定して保持している。保持体22は、センサ3からの光を高い反射率で反射させるために、その表面が例えば、白色に形成されている。
印面形成前において、印面材21は、表面と裏面とのいずれにおいても加熱による非多孔質化はされておらず、表面と裏面とのいずれにおいても加熱により非多孔質化して、所望の画像データに従ったパターンを形成可能である。一方、印面材21の四辺は、熱裁断機によって裁断されている。これにより、内部に含浸されたインクは印面材21の四辺から滲みでてくることはない。なお、印面材21の表面と裏面とは特に区別がない。そのため、以下の説明においては、表面と裏面とを入れ替えてもよい。
保持体22は、印面材21の表面と裏面とがいずれも保持体22よりも若干突き出した状態で印面材21を保持する。これは、サーマルヘッド4が、印面材21を若干潰しながら熱処理(印刷、製版)することで、安定した製版制御を可能とするためである。
印面材21の表面及び裏面、すなわちサーマルプリンタのサーマルヘッドに接して加熱される面は、摩擦などの調整のため、被覆材としてのフイルム24で保護される。フイルム24は、PET(Polyethylene Terephthalate)またはポリイミド等を基材として作られており、耐熱性・熱伝導性・表面平滑性を有するものを用いる。耐熱性に関しては、印面材21の溶融点よりも高い温度に耐熱性を有するものを用いる。熱伝導性に関しては、印面形成時のサーマルヘッド4の熱を印面材21に伝達して、印面材21を良好に溶融させられるものが用いられている。表面平滑性に関しては、印面形成時に接触するサーマルヘッド4の押圧部4aが摩擦の少ない状態で程良く滑るものが用いられている。
フイルム24は、印面材ホルダ20の表面と裏面とに接着され、印面材21の端部に相当する位置にミシン目27が設けられている。フイルム24は、印面材21の側面、表面及び裏面を被覆しているが、印面材21には接着されていない。従って、印面材21の製版が完了した後、フイルム24をミシン目27に沿って引き剥がすことで、印面材21を容易に印面材ホルダ20から取り出すことができる。なお、表面と裏面とで別々のフイルムが印面材21を覆うように構成してもよい。
印面材ホルダ20の先端に近い一側端には、切欠部23が設けられている。この切欠部23の設けられる位置や長さをセンサ3で読み取ることで、当該印面材ホルダ20に収められた印面材21のサイズ情報、搬送のタイミングなどの情報をプリンタ1に知らせることができる。
図4に示した印面材21は長方形で、印面材ホルダ20は長方形をしている。しかし、それぞれの形状・寸法は図4に示したものに限らない。プリンタ1に挿入可能な幅以内であれば、印面材ホルダ20の形状・寸法は任意であり、その印面材ホルダ20に保持できる寸法内であれば印面材21の形状・寸法は任意である。
印面材21は、プリンタ1における印面の形成が完了した後、保持体22から取り出される。取り出された印面材21は、例えば図5(a)及び図5(b)に示すように、球状の持ち手(グリップ)51と方形の台座(スタンプベース)52とから構成されるスタンプ50の台座52の下面(図5(b)における台座52の下方側の面)に両面粘着シート53等により貼り付けられる。そして、キャップ(不図示)によりカバーして保護される。
《印面製版の原理について》
ここで、印面材21を構成する多孔質EVAの表面をサーマルヘッドで加熱することで、スタンプ50の印面を製版する原理を簡単に説明する。まず、多孔質EVA(以下、多孔質EVAを、単にEVAと書く)は無数の気泡を有しているため、インク等の液体をスポンジの様に内部に含浸させることが出来る。
また、EVAは熱可塑性の物性を有するので、例えば70度〜120度の熱で加熱すると、熱を加えた箇所は軟化し、一度軟化した箇所は冷えると硬化する。そして、硬化した箇所は気泡部分が埋まり非多孔質化され、その部分はインク等の液体を通さなくなる。
そこで、この特性を利用して、サーマルヘッドでEVAの表面の任意の箇所を約1ミリ秒から5ミリ秒程度加熱すると、EVAの表面の任意の箇所を非多孔質化させ、その部分のインクの通過を禁止することが出来る。
つまり、作製するスタンプ50の印影において、「インクを透過させる部分は加熱せず、透過させない部分は加熱する」ということで、印影に応じたインク透過部分を形成することができる。
このサーマルヘッドによる加熱処理の動作を、従来のサーマルプリンタの印刷処理の動作に置き換えると、印影を表す印刷データの白と黒が反転している。また、印面に対する印影であるので、印刷データは、ユーザが作製した印影データの鏡面データである。
この原理を用いて、EVAの表面を所望の印影に従って白黒反転させて選択的に加熱することにより、加熱部分のインク通過を禁止して、印面を製版した後、内部に含浸させたインクを非加熱部分で形成された印影に応じて押し出すことができる。
具体的には、ユーザが作成・編集した印影データに対し、「白黒反転」と「鏡像反転」の処理をし、さらに余分なインクが染みだすことを防ぐべく加熱マージン用の黒ベタデータを周囲に付加したデータが、最終的にサーマルヘッドに入力する印刷データとなる。
この印刷データを用いてサーマルヘッドでEVA表面を加熱することにより、ユーザ独自の印影を有する製版を印面材に簡単に行うことが出来る。
印面材に製版して出来上がった印面版を印面材ホルダ20から取り出すには、保持体22をミシン目27に沿って折り曲げて、印面材21を引き出すだけでよい。その後、台座52に印面形成後の印面材を貼り付けて、印面を一定時間インクに浸す、又はインクの粘性が高いものであれば、印面に塗布して所定時間放置する。それにより、インクが印面版の内部に含浸する。ユーザは、印面表面の余剰のインク汚れをふき取った後(又は試押しを何度かした後)、持ち手51を指で持って、押印対象物に押し付けると、印面から含浸インクが押し出されて印影が押印される。インクを含浸させた印面材21に前述のキャップをして密着状態を保持することにより、数日間から数週間程度、インクの含浸状態を保つことが可能である。
《インクの滲み防止の必要性について》
図6(a)に、従来の方法で印面を形成した印面材21に、異なる2色(図6ではグレーの濃淡で異なる2色を示している。)のインクを含浸させた様子を示す。印面材21の黒い部分は加熱処理によってEVAが非多孔質化した領域(インクが浸透しない領域)を示し、その他の部分は加熱処理をしなかった領域(インクが浸透する領域)を示す。
図6(a)に示すように、従来の方法で印面を形成した場合、加熱処理によって非多孔質化する部分は印面材21の表層部のみであって、印面材21の内部はインクが浸透する状態となっている。そのため、異なる2色のインクを含浸させる領域が互いに離れていたとしても、時間の経過と共に印面材21の内部をインクが浸透していき、異なる2色のインクが混ざってしまうことがあった。これは、スタンプ50を捺印した際の印影の色を劣化させる原因となっていた。
そこで本発明では、図6(b)及び図6(c)に示すように、異なる2色のインクを含浸させるべき2つの領域の境界に相当する部分を、印面材21の裏面から、通常の製版における加熱よりも強く加熱して、印面材21の内部までEVAを非多孔質化させる。これにより、異なる2色のインクが印面材21の内部で混ざることを防止する。
《2つの製版パターン》
このようなインクの滲みを防止した印面を形成するために、本実施形態に係るプリンタ1は、以下の2つの製版パターンに従って製版処理を実行する。
(製版パターン1) 印面材21の表面と裏面とのいずれの面からもインクを含浸できるようにするパターンである。図6(b)に、製版パターン1に従って製版した印面材21の断面図を示す。この場合、プリンタ1は、印面形成用の画像データに従ったパターンを印面材21の表面と裏面とのいずれの面にも形成すると共に、異なる2色の領域の境界部分を印面材21の内部までEVAを非多孔質化するまで強く加熱する。この製版パターン1で製版した場合、印面材21の裏面からもインクを含浸させることができるが、インクを含浸させた後、印面材21の表面だけでなく裏面からもインクが染み出す
(製版パターン2) 印面材21の裏面からはインクを含浸できないようにするパターンである。図6(c)に、製版パターン2に従って製版した印面材21の断面図を示す。この場合、プリンタ1は、印面形成用の画像データに従ったパターンを印面材21の表面のみに形成する。印面材21の裏面には、インクが染み出さないように全体に渡って通常の加熱処理を実行すると共に、異なる2色の領域の境界部分を印面材21の内部までEVAを非多孔質化するまで強く加熱する。この製版パターン2で製版した場合、印面材21の表面からしかインクを含浸させることができないが、裏面からはインクが染み出すことはない。
《印面形成動作について》
次に、本実施形態に係るプリンタ1において、所望の印面を形成する印面形成動作について説明する。なお、以下に示す各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で制御部2(さらに詳しく言えば、ROM)に格納されており、このプログラムコードに従った動作が逐次実行される。
プリンタ1の印面形成動作においては、まず、制御部2は、入力操作部(不図示)が押圧され、入力操作部からプリンタ1を起動する信号が入力されると、プリンタ1のイニシャル動作を実行する。プリンタ1のイニシャル動作においては、制御部2は、モータドライバ6に駆動信号を送り、ステッピングモータ9を所定時間回転させる。これにより、プラテンローラ12が所定時間回転し、プリンタ1内に印面材ホルダ20が残っていた場合でも、その印面材ホルダ20がプリンタ1外に排出される。
イニシャル動作の終了後、制御部2は、プリンタ1の操作者により印面材ホルダ20がプリンタ1に挿入された状態において、入力操作部から印面形成を開始する開始信号(例えば、上記イニシャル動作後において、入力操作部から出力される、入力操作部を押圧操作したことを示す信号)が入力されると、ステッピングモータ9を回転させて、プラテンローラ12を回転させる。これにより、印面材ホルダ20は、ガイド14(傾斜面14a)に沿って+X方向に搬送される。
そして、印面材ホルダ20が+X方向にさらに搬送されると、サーマルヘッド4の押圧部4aが保持体22の上面を経由して、印面材21に達する。印面材ホルダ20の印面材21は、サーマルヘッド4の下に引き込まれ、予め設定された押圧力で押圧されながら搬送され、サーマルヘッド4の押圧部4aにY方向に配列された発熱体からの熱を受けて印面形成が行われる。
具体的には、制御部2は、入力された画像データに基づいて、印面材ホルダ20の搬送(ステッピングモータ9の回転)と、サーマルヘッド4の複数の発熱体のいずれを発熱されるかと、を連携させながら制御し、印面材21の画像データに応じた位置を選択的に加熱して、インクの透過部分と非透過部分とを画像データに応じて形成することで、印面を形成する。
そして、印面材21に印面を形成しつつ、印面材ホルダ20が+X方向にさらに搬送されると、サーマルヘッド4が印面材21の−X方向の端部(終端部)に達し、印面材21と保持体22との間の境界部分を通過する。このとき、印面材ホルダ20の保持体22の搬送方向(+X方向)の端部側は、少なくとも排出口に達し、その近傍の裏面側(サーマルヘッド4が押し付けられる印面の形成側とは反対側の面、図面下面側)に、排出口の内面に設けられた複数のリブ(不図示)が接触して、印面材ホルダ20を支持する。
そして、印面材ホルダ20が+X方向にさらに搬送されて、印面材ホルダ20への印面の形成が完了すると、印面材ホルダ20がプリンタ1から排出される。その後、制御部2は、ステッピングモータ9を停止することによりプラテンローラ12を停止させて、一連の印面形成動作を終了する。ここで、制御部2においてステッピングモータ9を停止するタイミングは、例えば、印面材ホルダ20の後端がセンサ3を通過してから所定時間経過後に設定される。
《スタンプの作製手順について》
ここから、本実施形態に係るプリンタ1を用いて作製するスタンプ50の作製手順について、図7のフローチャートを参照して説明する。
図7のフローチャートにおいて、ステップS1〜S3,S6の処理は、PC44側のアプリケーションプログラムやデバイスドライバで実行し、ステップS4〜S5,S7〜S8の処理は、プリンタ1側のファームウェアで実行するものとして説明する。ここで、デバイスドライバは、PC44にプリンタ1を接続するために、PC44の基本ソフトウェア(OS:Operating System)との仲立ちをするために組み込まれるプログラムである。また、プリンタ1のファームウェアは、プリンタ1の中央制御回路2を構成するCPUが実行するプログラムである。なお、PC44の代わりにスマートフォン等の情報端末装置を用いてもよい。
PC44側において、ユーザは、PC44で動作するアプリケーション上で、スタンプ50の印面とするための所望の画像データを取り込んで、表面用製版データを編集する(ステップS1)。例えば、ユーザは、PC44を操作して、撮影した写真のデータや、イラストデータ、入力したテキストデータを組み合わせて、画像を編集する。その結果、例えば図8(a)に示す印面用の画像データ60を作成する。
そして、ユーザは、カラースタンプに用いようとするインクの色を決めて、どの色をどの部分に用いるかを設定する。例えば、ユーザがエリアを選択して、当該エリアに用いる色を決定するという手順を踏んで、この画像編集がなされる。なお、図8(a)に示す画像データ60は便宜上グレースケールで示しているが、画像データ60内の各領域には、赤、青、緑等の複数の色が設定されているものとする。
なお、画像データ60には、カラースタンプ用のインクの色に対応する決められた数色(例えば、赤、黒、青、白)しか用いることができない。インクの色に対応しない色が用いられている画像等を用いて印面用の画像データを作成する際には、予め使用されている色がインクの色に対応する色だけになっているように編集しておく。
このように編集された印面用の画像データ60から、図8(b)に示す表面用製版データ61が抽出される。表面用製版データ61は、印面材21の表面における領域である第1の加熱領域64を示すデータであって、印面用の画像データ60を加熱ドット(加熱領域)と非加熱ドット(非加熱領域)とに2値化して左右反転させた画像データを含む。表面用製版データ61の中で、白い領域は、いずれかの色のインクを含浸すべき領域(スタンプ50を捺印した際に有色となる領域)であり、非加熱領域に相当する。一方、黒い領域は、インクを含浸させない領域(スタンプ50を捺印した際に白色となる領域)であり、第1の加熱領域64に相当する。プリンタ1で製版の際には、表面用製版データ61の中で黒い領域(第1の加熱領域64)に対応する印面材21の表面をサーマルヘッド4によって加熱してEVAを非多孔質化させ、表面用製版データ61に従ったパターンの印面を印面材21上に形成する。
続いて、ユーザは、画像データ60内における異なる色の境界部分を指定して裏面用製版データを編集する(ステップS2)。この裏面用製版データの編集処理は、上述した(製版パターン1)の場合と(製版パターン2)の場合とのどちらの製版パターンで印面材21の裏面を製版するかに応じて、すなわち印面形成後の印面材21に裏面からもインクを含浸できるようにするか否かに応じて、異なる。
図8(c)に、製版パターン1に従って製版する場合の裏面用製版データを示す。裏面用製版データ62は、印面材21の裏面における領域である第2の加熱領域65を示すデータである。この第2の加熱領域65は、図8(c)においてグレーで示した領域であって、印面形成時に印面材21の内部までEVAを非多孔質化させるため、第1の加熱領域64よりも強く加熱すべき領域に相当する。
第2の加熱領域65に加えて、印面材21の裏面からもインクを含浸できるようにするため、裏面用製版データ62は、印面材21の裏面における領域であって、第1の加熱領域64を反転した第3の加熱領域66を示すデータを含む。図8(c)に示す裏面用製版データ62の中で、白い領域は、いずれかの色のインクを含浸すべき領域(スタンプ50を捺印した際に有色となる領域)であり、非加熱領域に相当する。一方、黒い領域は、インクを含浸させない領域(スタンプ50を捺印した際に白色となる領域)であり、第3の加熱領域66に相当する。
第2の加熱領域65は、PC44で動作するアプリケーション上において、ユーザが印面用の画像データ60の中に直接描いて指定することができる。あるいは、ユーザが画像データ60内の各領域の色を決定したことに応答して自動的に指定されるようにしてもよい。いずれにしても、異なる色のインクが印面材21の内部で混ざってしまうことを防止するためには、第2の加熱領域65は、印面材21の表面における第1の加熱領域64内において互いに異なる色のインクを含浸すべき領域の境界に位置する領域を、裏面用に反転した領域であることが好適である。また、第2の加熱領域65は、異なる色のインクを含浸すべき互いに隣接する領域(スタンプ50を捺印した際に有色となる領域)の境界を、裏面用に反転した領域を含んでもよい。
一方で、図8(d)に、製版パターン2に従って製版する場合の裏面用製版データを示す。裏面用製版データ63は、製版パターン1と同様、第1の加熱領域64よりも強く加熱すべき第2の加熱領域65を示す。一方で、印面材21の裏面からはインクを含浸させないため、裏面用製版データ63は、印面用の画像データ60を2値化した画像データ、すなわち第3の加熱領域66を示すデータを含まない。すなわち、印面形成時、プリンタ1は、印面材21の裏面全体に渡って加熱して、インクが染み出さないようにEVAを非多孔質化させると共に、特に第2の加熱領域65を他の領域に比べて単位面積当たりの加熱量を大きくして、図6(b)に示したように、印面材21の内部までEVAを非多孔質化させる。なお、製版パターン2の場合の第2の加熱領域65の指定の方法は、製版パターン1の場合と同様である。
このような表面用製版データ61と裏面用製版データ62(又は裏面用製版データ63)とが作成されると、まず表面用製版データ61が、PC44からUSB制御回路40又はBluetoothモジュール・WLANモジュール41を介してプリンタ1に送信される(ステップS3)。
プリンタ1側において、データ取得部として機能するUSB制御回路40又はBluetoothモジュール・WLANモジュール41が、PC44から送信された、第1の加熱領域64を示す表面用製版データ61を取得する。表面用製版データ61を取得すると、制御部2は、印面材21の表面を上にして、すなわち表面を複数の発熱体4aが設けられた側に向けて、印面材ホルダ20を挿入するようにユーザへ指示する(ステップS4)。例えば、制御部2は、表示画面制御回路47を制御して、印面材21の表面を上にして印面材ホルダ20を挿入する旨の指示を、表示デバイス43に表示する。
このような指示に従って印面材ホルダ20がプリンタ1に挿入されると、サーマルヘッド(印面形成部)4は、表面用製版データ61に基づいて、印面材21の表面の製版処理を実行する(ステップS5)。すなわち、サーマルヘッド(印面形成部)4は、表面を上(複数の発熱体4aが設けられた側)に向けて搬送された印面材21の表面における第1の加熱領域64を、複数の発熱体4aが加熱することにより、印面材21の表面に表面用製版データ61に従ったパターンの印面を形成する。
印面材21の表面の製版処理が終了すると、次に裏面用製版データ62(又は裏面用製版データ63)が、PC44からUSB制御回路40等を介してプリンタ1に送信される(ステップS6)。以下、ステップS7〜S8の処理について、製版パターン1に従って製版する場合と、製版パターン2に従って製版する場合と、に分けて説明する。
製版パターン1に従って製版する場合、プリンタ1側において、データ取得部として機能するUSB制御回路40又はBluetoothモジュール・WLANモジュール41が、PC44から送信された、第2の加熱領域65と第3の加熱領域66とを示す裏面用製版データ62を取得する。裏面用製版データ62を取得すると、制御部2は、印面材21の裏面を上にして、すなわち裏面を複数の発熱体4aが設けられた側に向けて、印面材ホルダ20を挿入するようにユーザへ指示する(ステップS7)。例えば、制御部2は、表示画面制御回路47を制御して、印面材21の裏面を上にして印面材ホルダ20を挿入する旨の指示を、表示デバイス43に表示する。
このような指示に従って印面材ホルダ20がプリンタ1に挿入されると、制御部2は、裏面用製版データ62に基づいて、印面材21の裏面の製版処理を実行する(ステップS8)。すなわち、制御部2は、裏面を上(複数の発熱体4aが設けられた側)に向けて搬送された印面材21の裏面における第2の加熱領域65と第3の加熱領域66とを加熱するように、複数の発熱体4aを制御する。
具体的に説明すると、制御部2は、第2の加熱領域65を、第1の加熱領域64に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、複数の発熱体4aを制御する。これにより、印面材21の第2の加熱領域65を、図6(b)に示したように内部まで非多孔質化させる。このとき更に、制御部2は、第3の加熱領域66を、第1の加熱領域64と同じ単位面積当たりの加熱量で加熱するように、すなわち第2の加熱領域65に比べて単位面積当たりの加熱量を少なくして加熱するように、複数の発熱体4aを制御する。これにより、印面用の画像データ60に従ったパターンであって、印面材21の表面に印面として形成したパターンを左右反転させたパターンが、印面材21の裏面にも形成される。
例えば、制御部2は、印面材ホルダ20の搬送速度を調整して、複数の発熱体4aによる第2の加熱領域65の加熱時間を多くする等により、第2の加熱領域65の単位面積当たりの加熱量を第1の加熱領域64及び第3の加熱領域66よりも多くする。あるいは、サーマルヘッド4への通電信号を制御して、第1の加熱領域64及び第3の加熱領域66の加熱温度よりも高い温度で第2の加熱領域65を加熱するようにしてもよい。
製版パターン2に従って製版する場合、プリンタ1側において、データ取得部として機能するUSB制御回路40又はBluetoothモジュール・WLANモジュール41が、PC44から送信された、第2の加熱領域65を示す裏面用製版データ63を取得する。裏面用製版データ63を取得すると、制御部2は、印面材21の裏面を上にして、すなわち表面を複数の発熱体4aが設けられた側に向けて、印面材ホルダ20を挿入するようにユーザへ指示する(ステップS7)。例えば、制御部2は、表示画面制御回路47を制御して、印面材21の裏面を上にして印面材ホルダ20を挿入する旨の指示を、表示デバイス43に表示する。
このような指示に従って印面材ホルダ20がプリンタ1に挿入されると、制御部2は、裏面用製版データ63に基づいて、印面材21の裏面の製版処理を実行する(ステップS8)。すなわち、制御部2は、裏面を上(複数の発熱体4aが設けられた側)に向けて搬送された印面材21の裏面全体を第1の加熱領域64と同じ単位面積当たりの加熱量で加熱すると共に、裏面用製版データ63によって示される第2の加熱領域65を、第1の加熱領域64に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、複数の発熱体4aを制御する。これにより、印面材21の裏面全体に渡ってインクが染み出さなくなると共に、印面材21の第2の加熱領域65を、図6(b)に示したように内部まで非多孔質化させる。以上により、製版処理が終了する。
《印面材の裏面からインクを含浸させる方法について》
製版パターン1に従って製版した場合、印面材21の裏面からもインクを含浸させる必要がある。裏面からのインクの含浸を可能にするため、スタンプ50は、図9(a)〜(c)に示すように、台座(スタンプベース)52の中に空洞が設けられた構造を備える。
台座52の空洞には、メッシュ状に穴が開いたプラスチック状の素材であるメッシュ材54が設けられている。製版処理後、ユーザは、印面材ホルダ20から取り外した印面材21を、メッシュ材54に接着する。そして、図9(a)に示すように、ユーザは、印面材21の裏面から各色のインクを垂らして含浸させる。メッシュ材54は、例えば図9(b)に示すようにメッシュ状に穴が開いているため、その中を通して印面材21の裏面にインクを垂らすことができる構成になっている。インクを含浸させた後は、図9(c)に示すように、インクが染み出してくるのを防ぐために、メッシュ材54の上にキャップ56が装着され、さらに台座52の空洞部分を覆うようにキャップ57が装着される。
一方で、製版パターン2に従って製版した場合、印面材21の裏面からはインクを含浸させないため、図9(a)〜(c)に示した構造のスタンプを用いなくてもよい。すなわち、従来通りのスタンプベース、グリップの構造をそのまま用いて、印面材21の表面からインクを垂らしてスタンプ用スポンジにインクを含浸させればよい。
《発明の要点》
以上説明したように、本実施形態に係る印面形成装置1は、従来の表面からの加熱処理に加えて、裏面からも加熱処理を行って、2色以上の色を用いたカラーのスタンプ用の印面を印面材21に形成する。その際、印面材21の表面には、従来と同様に印面用の画像データ60に従って印面を形成する一方で、印面材21の裏面には、異なる色のインクを含浸すべき領域の境界に相当する境界領域65を他の領域よりも強く加熱することにより、印面材21を内部まで非多孔質化させる。
《発明の効果》
強く加熱することにより印面材21の内部までEVAを非多孔質化させるため、印面材21の内部で異なる色のインクが混ざってしまうことを防止することができる。そのため、2色以上のインクを用いた多色スタンプで捺印した際の色の劣化を防止することができ、品質の高い多色スタンプの作製につながる。
また、従来のように印面材21の裏面全体を予め加熱処理を施してインクが浸透しないように処理せず、印面材21の裏面から強く加熱する際に印面用の画像データ60に従ったパターンを裏面からも形成することが可能である。そのため、印面材21の裏面からもインクを含浸できるように製版することができる。
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、印面材ホルダ20は、印面材21が印面材ホルダ20の表裏どちらの面にも突き出た構造をしていた。しかし、本発明に係る印面形成装置が印面を形成するための印面材ホルダは、例えば図10(a)及び図10(b)に示す印面材ホルダ20aのように、印面材21aが印面材ホルダ20aの片面だけに突き出た構造であってもよい。印面材ホルダ20aが備える保持体22aは、コートボール等の上部厚紙板と下部厚紙板とを貼り合わせて構成され、印面材21は、保持体22aの上部厚紙板の中央部に嵌め込まれて固定される。このような印面材ホルダ20aを用いる場合、表面の製版後、裏面の製版の際には、印面材21aを印面材ホルダ20aから取り外して、裏返してからもう一度印面材ホルダ20aに取り付ける、という手順をとる。この場合、印面材21aを裏返す一方で印面材ホルダ20aは裏返さないため、印面材21aと印面材ホルダ20aとを別々にした状態で、それぞれをフイルム24aで覆う必要がある。
また、上記実施形態に係る印面形成装置1は、異なる色のインクを含浸すべき領域の境界部分を強く加熱して印面材21の内部までEVAを非多孔質化する処理を、印面材21の裏面に対して実行した。しかし、本発明に係る印面形成装置は、この境界部分を強く加熱する処理を、印面材21の表面に対して実行してもよい。すなわち、図11(a)に示すように、所望の画像データに基づく印面形成処理と、境界部分を強く加熱して印面材21の内部までEVAを非多孔質化する処理とを、いずれも印面材21の表面に対して実行し、裏面にはいずれの製版処理を実行しなくてもよい。この場合には、印面材21の裏面には製版処理を実行する必要がないため、印面材21の表面を製版し終えた後に、裏返して裏面を製版する必要はない。一方で、インクが裏面から染み出さないように、印面材21として裏面全体が予め熱処理されているものを使用することが好ましい。
境界部分を強く加熱する処理を印面材21の表面に対して実行する場合の製版処理を具体的に説明する。データ取得部として機能するUSB制御回路40又はBluetoothモジュール・WLANモジュール41が、PC44から送信された、いずれも印面材21の表面における領域である第1の加熱領域68と第2の加熱領域69とを示す表面用製版データ67を取得する。表面用製版データ67は、例えば図11(b)に示すように、印面用の画像データ60を2値化して左右反転させた画像データを含む。表面用製版データ67において、白い領域が非加熱領域に相当し、黒い領域が第1の加熱領域68に相当し、グレーの領域が第2の加熱領域69に相当する。異なる色のインクが印面材21の内部で混ざってしまうことを防止するために、第2の加熱領域69は、第1の加熱領域68内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する領域として設定される。また、第2の加熱領域69は、異なる色のインクを含浸すべき互いに隣接する領域(スタンプ50を捺印した際に有色となる領域)の境界を含んでもよい。
このような表面用製版データ67に基づいて、サーマルヘッド(印面形成部)4は、表面を上(複数の発熱体4aが設けられた側)に向けて搬送された印面材21の表面における第1の加熱領域68を、複数の発熱体4aが加熱することにより、印面材21の表面に印面を形成する。このとき更に、制御部2は、表面を上(複数の発熱体4aが設けられた側)に向けて搬送された印面材21の表面における第2の加熱領域68を、第1の加熱領域68に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、複数の発熱体4aを制御する。このような製版の結果、図11(a)に示すように、異なる色のインクを含浸すべき領域の境界部分において、表面からの強い加熱処理により、印面材21の内部までEVAが非多孔質化される。
また、上記実施形態に係る印面形成装置1は、印面材21の表面の製版処理を実行した後に、印面材21を裏返して裏面の製版処理を実行した。しかし、本発明に係る印面形成装置は、表面と裏面との順番を代えて、印面材21の裏面の製版処理を実行した後に、印面材21の表面の製版処理を実行してもよい。
また、上記実施形態に係る印面形成装置1は、2色以上のインクを用いた多色スタンプの印面を形成する際に、異なる色のインクを含浸すべき領域の境界部分を強く加熱して印面材21の内部までEVAを非多孔質化することで、異なる2色のインクが混ざって印影の品質を劣化させることを防止した。しかし、1色のインクしか用いないスタンプの印面を形成する場合でも、インクを含浸すべき領域の境界部分を強く加熱することにより、印面材21内部におけるインクの滲みを防止する効果を得ることができる。
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた印面形成装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の情報処理装置等を、本発明に係る印面形成装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した印面形成装置2による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の情報処理装置等を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る印面形成装置として機能させることができる。また、本発明に係る印面形成方法は、印面形成装置を用いて実施できる。
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とに含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき第2の加熱領域と、を示すデータを取得するデータ取得部と、
複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成する印面形成部と、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する制御部と、
を備える、
ことを特徴とする印面形成装置。
(付記2)
前記第1の加熱領域は、前記印面材の表面における領域であり、
前記第2の加熱領域は、前記印面材の裏面における領域であり、
前記データ取得部は、前記第1の加熱領域を示す表面用製版データと、前記第2の加熱領域を示す裏面用製版データと、を取得し、
前記印面形成部は、前記表面用製版データに基づいて、前記表面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記表面における前記第1の加熱領域を、前記複数の発熱体が加熱することにより、前記印面材の前記表面に前記印面を形成し、
前記制御部は、前記裏面用製版データに基づいて、前記裏面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記裏面における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の印面形成装置。
(付記3)
前記裏面用製版データは、前記印面材の前記裏面における領域であって、前記第1の加熱領域を反転した第3の加熱領域をさらに示し、
前記制御部は、前記裏面用製版データに基づいて、前記裏面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記裏面における前記第3の加熱領域を、前記第2の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を少なくして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
ことを特徴とする付記2に記載の印面形成装置。
(付記4)
前記印面は、前記印面が形成された前記印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって、
前記第2の加熱領域は、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する領域を反転した領域である、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の印面形成装置。
(付記5)
前記第1の加熱領域と前記第2の加熱領域とは、いずれも前記印面材の表面における領域であり、
前記データ取得部は、前記第1の加熱領域と前記第2の加熱領域とを示す表面用製版データを取得し、
前記印面形成部は、前記表面用製版データに基づいて、前記表面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記表面における前記第1の加熱領域を、前記複数の発熱体が加熱することにより、前記印面材の前記表面に前記印面を形成し、
前記制御部は、前記表面用製版データに基づいて、前記表面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記表面における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の印面形成装置。
(付記6)
前記印面は、前記印面が形成された前記印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって、
前記第2の加熱領域は、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する領域である、
ことを特徴とする付記5に記載の印面形成装置。
(付記7)
表面と裏面とのいずれにおいても加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材と、
平板状の保持体であって、前記表面と前記裏面とがいずれも当該保持体よりも突き出した状態で前記印面材を保持する保持体と、
を備える、
ことを特徴とする印面材ホルダ。
(付記8)
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき第2の加熱領域と、を示すデータを取得し、
複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成し、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
ことを特徴とする印面形成方法。
(付記9)
コンピュータに、
加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき第2の加熱領域と、を示すデータを取得させ、
複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成させ、
前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御させる、
ことを特徴とするプログラム。
1…印面形成用サーマルプリンタ(プリンタ、印面形成装置)、2…中央制御回路(制御部)、3…センサ、4…サーマルヘッド(印面形成部)、4a…押圧部(発熱体)、4b…ドライバIC(駆動回路)、5…電源回路、6…モータドライバ、9…ステッピングモータ、12…プラテンローラ、13…サイドフレーム、14…ガイド、14a…傾斜面、14b…凹部、20,20a…印面材ホルダ、21,21a…印面材、22,22a…保持体、23…切欠部、24,24a…フイルム、27…ミシン目、40…USB制御回路、41…Bluetoothモジュール・WLANモジュール、43…表示デバイス、44…PC(パーソナルコンピュータ)、47…表示画面制御回路、48…メモリ制御回路、49…UI(ユーザインターフェイス)制御回路、50…スタンプ、51…持ち手(グリップ)、52…台座(スタンプベース)、53…両面粘着シート、54…メッシュ材、56,57…キャップ、60…画像データ、61,67…表面用製版データ、62,63…裏面用製版データ、64,68…第1の加熱領域、65,69…第2の加熱領域、66…第3の加熱領域

Claims (9)

  1. 加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき前記印面材の表面における第1の加熱領域を示す表面用製版データと、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき前記印面材の裏面における第2の加熱領域を示す裏面用製版データと、を取得するデータ取得部と、
    複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成する印面形成部と、
    前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する制御部と、
    を備える、
    ことを特徴とする印面形成装置。
  2. 記印面形成部は、前記表面用製版データに基づいて、前記表面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記表面における前記第1の加熱領域を、前記複数の発熱体が加熱することにより、前記印面材の前記表面に前記印面を形成し、
    前記制御部は、前記裏面用製版データに基づいて、前記裏面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記裏面における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印面形成装置。
  3. 前記裏面用製版データは、前記印面材の前記裏面における領域であって、前記第1の加熱領域を反転した第3の加熱領域をさらに示し、
    前記制御部は、前記裏面用製版データに基づいて、前記裏面を前記複数の発熱体が設けられた側に向けて搬送された前記印面材の前記裏面における前記第3の加熱領域を、前記第2の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を少なくして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の印面形成装置。
  4. 前記印面は、前記印面が形成された前記印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって、
    前記第2の加熱領域は、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する領域を反転した領域である、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の印面形成装置。
  5. 加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって当該印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する第2の加熱領域と、を示すデータを取得するデータ取得部と、
    複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成する印面形成部と、
    前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する制御部と、
    を備える、
    ことを特徴とする印面形成装置。
  6. 加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき前記印面材の表面における第1の加熱領域を示す表面用製版データと、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき前記印面材の裏面における第2の加熱領域を示す裏面用製版データと、を取得し、
    複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成し、
    前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
    ことを特徴とする印面形成方法。
  7. 加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって当該印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する第2の加熱領域と、を示すデータを取得し、
    複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成し、
    前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御する、
    ことを特徴とする印面形成方法。
  8. コンピュータに、
    加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき前記印面材の表面における第1の加熱領域を示す表面用製版データと、当該印面材上において当該第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量が多くなるように当該第1の加熱領域よりも強く加熱すべき前記印面材の裏面における第2の加熱領域を示す裏面用製版データと、を取得させ、
    複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成させ、
    前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて前記単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御させる、
    ことを特徴とするプログラム。
  9. コンピュータに、
    加熱により非多孔質化可能な多孔質の印面材に複数色のインクを含浸させて作製されるカラースタンプ用の印面であって当該印面を形成するための当該印面材上の加熱すべき第1の加熱領域と、前記第1の加熱領域内において互いに異なる色のインクを含浸すべき複数の領域の境界に位置する第2の加熱領域と、を示すデータを取得させ、
    複数の発熱体が設けられ、当該複数の発熱体が前記印面材上における前記第1の加熱領域を加熱することにより、前記印面材に前記印面を形成させ、
    前記印面材上における前記第2の加熱領域を、前記第1の加熱領域に比べて単位面積当たりの加熱量を多くして加熱するように、前記複数の発熱体を制御させる、
    ことを特徴とするプログラム。
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