JP2005161139A - 発泡性溶液の蒸発方法 - Google Patents

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真一郎 棚橋
Koichi Fukuda
公一 福田
Mitsugi Morishita
貢 森下
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Abstract

【課題】熱的発泡と機械的発泡を共に充分に抑制することができ、しかも蒸発缶における単位容積当たりの発泡性溶液の処理効率が高い発泡性溶液の蒸発方法を提供すること。
【解決手段】缶内上部に発泡性溶液導入口と蒸気取出口を持つ蒸発缶を用いる発泡性溶液の蒸発方法であって、該発泡性溶液導入口から過熱状態にある発泡性溶液を缶内に導入し、気液混合相として缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射し、該壁面を流下させ、缶内液貯留部に至るまでに操作圧力における沸点未満に冷却することを特徴とする発泡性溶液の蒸発方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性溶液の蒸発方法に関する。詳しくは、発泡性化合物又は発泡性組成物を含む発泡性溶液の溶媒の蒸発に好適に使用される蒸発方法に関する。
溶液からの溶媒除去や濃縮において、しばしば蒸留・蒸発操作が行われる。しかし、発泡性溶液についての操作は、溶液の沸騰による発泡により安定的に行うことが困難なことが多い。発泡を抑制する方法として消泡剤を使用することもあるが、濃縮物が製品となる場合には消泡剤の除去が必要となり好ましい方法とはいえない。
消泡剤を用いずに発泡を抑制し蒸発操作を行う方法としては、過熱した発泡性溶液を蒸発缶内上部に取り付けた液導入口より液貯留部に向かって缶内に導入し、発生した蒸気を缶内上部に配置した蒸気取出口から排出する方法がある。しかし、この場合、液導入口より導入された蒸気を含む液が液貯留部の液面に当たるため、含有される蒸気による熱的発泡と、液同士の衝撃による機械的発泡が起きる。これに対し、特許文献1には、管端から噴射された液滴中の残過熱量の大部分を缶内底部の液相部に至るまでの気相部中で蒸発潜熱として放出させることで蒸発を完了させ、熱的発泡を抑制する方法が開示されている。
特開平05−049801号公報
しかしながら、上記の方法では、液導入流量が少ない場合、あるいは過熱量が少なく蒸気発生量が少ない場合には、液導入口から導入された液の広がりが小さく、比較的大きな液滴で液貯留部の液面に落下することになり、機械的発泡が避けられない。逆に、液導入流量を大きくした場合には、導入された液は強い勢いで液貯留部の液面に落下することになり、機械的発泡は大きくなる。
また、管端から噴射された液滴中の残過熱量の大部分を缶内底部の液相部に至るまでの気相中で蒸発潜熱として放出させて蒸発を完了させるため、気相部の空間容積を処理液に対し大きくとる必要があり、蒸発缶の大型化という問題を有していた。
本発明は、熱的発泡と機械的発泡を共に充分に抑制することができ、しかも蒸発缶における単位容積当たりの発泡性溶液の処理効率が高い発泡性溶液の蒸発方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕 缶内上部に発泡性溶液導入口と蒸気取出口を持つ蒸発缶を用いる発泡性溶液の蒸発方法であって、該発泡性溶液導入口から過熱状態にある発泡性溶液を缶内に導入し、気液混合相として缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射し、該壁面を流下させ、缶内液貯留部に至るまでに操作圧力における沸点未満に冷却することを特徴とする発泡性溶液の蒸発方法、に関する。
本発明の発泡性溶液の蒸発方法によれば、機械的発泡及び熱的発泡の両者を充分に抑制することができる。また、発泡性溶液の残過熱量は、前記の通り、発泡性溶液を冷却可能な壁面を流下させることにより顕熱として除去することから、大きな噴射空間を必要とせず、従って、発泡性溶液を大量に仕込むことができ、蒸発缶における単位容積当たりの発泡性溶液の高い処理効率が得られる。
本発明の蒸発方法における処理対象である発泡性溶液としては、特に限定はなく、発泡性化合物又は発泡性組成物を含む溶液であればよい。発泡性化合物としては、例えば、糖類、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、親水性ポリマー等が挙げられる。発泡性組成物としては、前記発泡性化合物の混合物が挙げられる。
発泡性溶液に用いられる溶媒の例としては、水、親水性溶媒等が挙げられる。親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ならびに、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。
本発明の蒸発方法は、缶内上部に発泡性溶液導入口(以下、液導入口という場合がある)と蒸気取出口を持つ蒸発缶を用いて実施される。蒸発缶は、蒸発缶からの発泡性溶液の抜き出し容易性の観点から、缶底部に液取出口を持つものが好適である。また、缶内液貯留部の液相を均一に保つ観点から、撹拌機を備えたものが好適である。本発明の蒸発缶としては公知の蒸発缶を用いることができる。
本発明の蒸発方法においては、まず、過熱状態にある発泡性溶液を蒸発缶内上部の液導入口より導入する。発泡性溶液の導入は、水等のその他の溶媒と共に行ってもよい。なお、「過熱状態にある」とは、発泡性溶液が、その沸点以上の温度にあることをいう。発泡性溶液の過熱は熱交換器等で行うが、過熱量は、蒸発させるべき蒸気の潜熱量に応じて制御することができる。発泡性溶液は、通常、液導入口が先端に設けられた管(発泡性溶液導入管)を介して蒸発缶内に導入される。発泡性溶液は、該管内を流通する間に圧力損失の低下と共に一部が蒸発し、気液混合相流を形成する。
液導入口より導入される気液混合相流の状態は特に限定されないが、ミストによる発泡性化合物のロスを抑制する観点より、流下膜流、気泡流、間欠流(プラグ流、スラグ流、、チャーン流)、又は環状流が好ましく、機械的発泡を抑制する観点より、間欠流、環状流、又は噴霧流が好ましい。また、両者の観点より、間欠流又は環状流がより好ましい。気液混合相流の状態は、化学工学便覧第5版(化学工学協会編)、272〜275頁の記載、並びに273頁の図5・20及び図5・21を参照して求めることができる。
液導入口から導入される気液混合相流は、蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射することが必要である。しかしながら、発泡性溶液を気相部の冷却可能な壁面のみに限定して当てることは必ずしも必要ではなく、本発明の所望の効果が得られれば、液貯留部に一部到達するものがあっても差し支えない。
発泡性溶液を蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射させるため、液導入口の管端には、発泡性溶液を蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段が設けられる。なお、「液導入口の管端」は、発泡性溶液導入管の管端に相当する。
該手段としては、例えば、缶内の気相部にのびる液導入口の管端を曲げることなく、該管端の先に該管端と接するか、又は接することなく邪魔板を設けて、発泡性溶液を気相部の壁面に向けて噴射できるようにした手段(態様1)、該液導入口の管端を曲げて、発泡性溶液を気相部の壁面に向けて噴射できるようにした手段(態様2)、及び態様1と態様2とを組み合わせた手段(態様3)が挙げられる。運転条件に合わせて噴射方向と噴射角度を調整することで最適な条件に容易に変更できるという観点から、態様1が好ましい。なお、液導入口の管端の形状としては、特に限定はなく、例えば、液導入口の管端部分の長さ方向に対し垂直に切断された形状であっても、該方向に対し一定の角度をもって切断された形状であってもよい。
態様1としては、例えば、図1〜図3で示されるような手段が挙げられる。
図1は、缶内の気相部にのびた液導入口の管端部分を蒸発缶の上方から眺めた図であり、一方、図2は、蒸発缶の側方から眺めた図である。図1は、円筒状の蒸発缶の壁面に向かう半径方向に対する邪魔板の水平方向の角度θ1を説明するものである。θ1としては、缶内壁面に対し発泡性溶液を直角に噴射する場合の角度(θ1=0°)から缶内壁面に沿って噴射する場合の角度(θ1=90°)の間の角度、すなわち、0〜90°から適宜採用される。機械的発泡の抑制の観点より、θ1は45〜90°がより好ましい。図2は、液導入口の管端部分の長さ方向に対する切断角度θ2と、蒸発缶の上下方向に対する邪魔板の角度θ3を説明するものである。θ2は1〜90°の範囲で適宜選択することができるが、90°よりも小さい角度を採用することが発生蒸気の効率的な揮発という観点より好ましい。θ3としては、噴射された発泡性溶液を壁面に当てることができる角度が選択され、蒸発缶の寸法あるいは構造により90〜179°の範囲の角度が適宜採用される。図3は、邪魔板の一例を示す平面図であるが、邪魔板の形状としては、特に限定はなく、任意の形状をとることができる。なお、邪魔板を液導入口の管端に接するように設ける場合には、邪魔板を管端に任意の方法で接合すればよい。また、接しないように設ける場合には、蒸発缶内部の壁面に任意の方法で接合して固定すればよい。また、邪魔板の先端は壁面に接していても、接していなくてもよい。接していない場合の先端と壁面との距離も特に限定されるものではない。
態様2としては、例えば、図4〜6に示されるような手段が挙げられる。
図4及び図5は、缶内の気相部にのびた液導入口の管端部を蒸発缶の上方から眺めた図であり、一方、図6は、蒸発缶の側方から眺めた図である。図4及び図5は、円筒状の蒸発缶の冷却可能な壁面に向かう半径方向に対する該壁面に向かう管端の水平方向の角度θ1’を説明するものである。θ1’としては、0〜90°の間の角度が適宜採用される。図4では、θ1’=0°の場合、すなわち、液導入口の管端が蒸発缶の壁面に向かう半径方向に対し0°の角度をもって曲げられた様子が記載されている。また、図5にはθ1’=90°の場合が記載されており、この場合、発泡性溶液を噴射する手段は、液導入口の管端を壁面に沿わせるように曲げて構成される。
図6は、発泡性溶液導入口の管端部分の長さ方向に対する切断角度θ2’と、蒸発缶の上下方向に対する管端方向の角度θ3’を説明するものである。θ2’としては、1〜179°の範囲で適宜選択することができる。また、図6には、蒸発缶の上下方向に対する液導入口の角度θ3’が90°の場合の様子が記載されている。かかる角度としては、特に限定されるものではなく、噴射された発泡性溶液が冷却可能な壁面にあたるような角度に調節すればよい。液導入口の管端は壁面に接していても、接していなくてもよい。接していない場合の管端と壁面との距離も特に限定されるものではない。
態様3としては、例えば、態様1及び2として具体的に説明した上記手段の組み合わせを挙げることができる。
なお、発泡性溶液を蒸発缶内に供給するための配管は、1本であっても複数本であってもよい。
過熱された発泡性溶液中の溶媒は、液導入口から蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射される際に沸騰蒸発する。しかしながら、沸騰蒸発が完了せず、該溶液の温度が沸点以上の場合には熱的発泡が起こりうる。そこで、本発明においては、蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射された発泡性溶液を蒸発缶内壁面で冷却し、液貯留部に到達するまでに該溶液の温度が蒸発操作圧力における沸点未満になるように熱量を除去することで、壁面を流下した発泡性溶液が沸騰することにより起きる液貯留部での熱的発泡を効果的に抑制することができる。また、発泡性溶液は、缶内壁に沿って流下する。このため、液貯留部到達時の気体の巻き込みが抑制され、機械的発泡が抑制されるという効果が共に奏される。
壁面の冷却方法は、特に限定されるものではない。例えば、壁面の放冷によるものでもよく、あるいは外部ジャケットに適当な冷媒を使用して除熱する方法によるものでもよい。冷却方法として、外部コイルを用いてもよい。あるいは冷却部として缶内部にプレート様の熱交換器あるいは内部コイルなどを組み込んでもよい。蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面の温度は、缶内の冷却可能な気相部の壁面に噴射された発泡性溶液の温度が蒸発操作圧力における沸点未満になるように熱量を除去することができる温度であれば、特に限定はないが、再加熱に要するエネルギー低減の観点より、沸点の10℃以下ないし沸点未満が好ましく、沸点の5℃以下ないし沸点未満がより好ましい。
本発明の蒸発方法の実施に好適に使用されうる、缶内上部に発泡性溶液導入口と蒸気取出口を持つ蒸発缶を含んでなる装置の非限定的な例を図7に示す。図7における矢頭は液相の流れの向きを示す。
該装置は、蒸発缶1、循環ポンプ2、加熱器3、温度調節器4、加熱蒸気量調節弁5、流量調節器6、流量調節弁7、凝縮器8、蒸発凝縮液受器9、撹拌機10、温度計11、発泡性溶液導入口12、蒸気取出口13及び液取出口14を備えてなる。
蒸発缶1は、図中、最下部の位置に液取出口14を有しており、液取出口14は配管と接続されている。該配管は、その途中に循環ポンプ2を有しており、流量調節器6を介して加熱器3に接続されている。加熱器3は、途中に温度調節器4及び流量調節弁7が設けられた配管を介して蒸発缶1に接続されている。該配管(発泡性溶液導入管)の先端には発泡性溶液導入口12が設けられており、液導入口12の管端には、発泡性溶液を缶内気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段が設けられている。流量調節弁7は流量調節器6と連動している。
加熱器3は、途中に加熱蒸気量調節弁5が設けられた配管を介して加熱用蒸気流入口と接続されている。また、加熱器3には、加熱用蒸気凝縮液取出口が設けられている。加熱蒸気量調節弁5は温度調節器4と連動している。
蒸発缶1の内部中央に撹拌機10が設けられており、図では、撹拌機10下部の攪拌羽は液貯留部の液相中に浸かっている。また、液貯留部の液相の温度測定用の温度計11が蒸発缶1の下部に設けられている。
蒸発缶1の上部には水導入口が設けられている。蒸発缶1の上部には蒸気取出口13が設けられ、蒸気取出口13は配管を介して凝縮器8に接続されている。また、凝縮器8には蒸発凝縮液受器9が取り付けられている。凝縮器8と蒸発凝縮液受器9には真空排気口が設けられている。
なお、前記装置は、公知の任意の装置・部品を用いて構成することができる。
本発明の蒸発方法における処理対象である発泡性溶液は、発泡性溶液導入口12から蒸発缶1内に供給することができる。攪拌機10の作用により、缶内の液相が均一に保たれる。
蒸発缶1内に供給された発泡性溶液は、液取出口14から出て循環ポンプ2により加熱器3に供給され、そこで過熱される。加熱器3における発泡性溶液の流量と加熱器3出口における過熱温度は、蒸発缶1内に供給された発泡性溶液が、気液混合相として缶内の気相部の冷却可能な壁面に噴射されることができ、かつ冷却された壁面を流下する際に、蒸発操作圧力の下での沸点未満の温度まで充分に冷却されうるように制御される。
発泡性溶液は、液導入口12の管端に設けられた噴射手段を介して蒸発缶1の気相部の冷却可能な壁面に噴射される。蒸発した溶媒は蒸気取出口13から除去される。
発泡性溶液の溶媒中に、気化により放出できず、残存した過熱量は、発泡性溶液が蒸発缶1内の気相部の冷却可能な壁面を流下する間に蒸発操作圧力の下での発泡性溶液の沸点未満になるように冷却され除かれる。このため、発泡性溶液が蒸発工程中に受ける熱履歴を低減することができ、発泡性溶液内の物質の劣化の抑制が可能になるという効果が併せて奏される。図7の蒸発缶1の周囲には、冷却手段として外部コイルが例示されている。
図7では蒸発缶1内に内部コイルも例示されているが、これは、液貯留部の発泡性溶液を蒸発操作圧力の下での沸点未満に冷却して沸騰による発泡を抑制する際に用いることができ有効である。また、本態様においては、発泡性溶液をあらかじめ予熱する場合、あるいは冷却する場合に有効に使用される。
かくして、溶媒が蒸発し濃縮された発泡性溶液は、液貯留部に溜まり、液取出口14から回収される。
本発明の蒸発方法の実施においては、蒸発操作中に水あるいは他の溶媒を追加導入することも可能である。例えば、水以外の溶媒を含む発泡性溶液から該溶媒を蒸発させる際に、例えば、蒸発缶1の上部に設けられた水導入口より水を蒸発缶1内に導入することで、発泡性溶液中の水以外の溶媒を水へ置換することが可能である。同様にして一の溶媒から他の溶媒への置換も可能である。
また、本発明の一態様として、本発明の蒸発方法により発泡性溶液の溶媒を蒸発させる工程を含む発泡性化合物又は発泡性組成物の製造方法を提供する。本発明の蒸発方法は発泡性溶液の溶媒の蒸発に極めて有効であるため、発泡性化合物又は発泡性組成物の製造の際に、該化合物又は組成物を含む発泡性溶液の溶媒を本発明の蒸発方法により蒸発させることで、非常に効率的に該溶液の濃縮を行うことができる。発泡性化合物又は発泡性組成物としては、前記例示したものが挙げられる。該化合物又は組成物の製造方法の一般的条件については、公知の条件に従えばよい。
製造例
イオン交換水とイソプロパノールの存在下、N-カルボキシエチルグリシンナトリウムとラウリン酸クロライドおよびミリスチン酸クロライドに水酸化ナトリウムを加え反応させることで、N-ラウロイル-N-カルボキシエチルグリシンナトリウムおよびN-ミリストイル-N-カルボキシエチルグリシンナトリウムを含む粗反応液(発泡性溶液)を得た。
本発泡性溶液は、N-ラウロイル-N-カルボキシエチルグリシンナトリウムおよびN-ミリストイル-N-カルボキシエチルグリシンナトリウム26.9重量%、水51.9重量%、イソプロパノール10.0重量%、ラウリン酸およびミリスチン酸0.8重量%、食塩7.5重量%、その他成分2.9重量%を含有するものであった。
実施例1
発泡性溶液の蒸発を、図7に示される装置と同様の構成を有する装置を用いて行った。発泡性溶液を蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射するための手段としては、前記態様1の手段を用いた。該手段の構造を図1及び図2に示す。また、邪魔板の平面図を図3に示す。
発泡性溶液導入管の内径は105mmであり、管端は長さ方向に対し45°の角度(θ2)で切断されている。蒸発缶の壁面に向かう半径方向に対する邪魔板の水平方向の角度(θ1)は60°、蒸発缶の上下方向に対する邪魔板の角度(θ3)は132°であった。邪魔板の形状は図1〜3で示す通りであった。
製造例で得られた発泡性溶液2784kgと水1012kgとを発泡性溶液導入口より蒸発缶内に供給し、それらを缶内にて混合した後に、蒸発缶内圧力を17kPaとした。該混合液中のイソプロパノール濃度は7.3重量%であった。
混合液の一部を蒸発缶底部の液取出口より抜き出し、7.8m/hの流量でポンプにより加熱器に送液した。該混合液を、加熱器により加熱器出口温度が75〜80℃となるように加熱し、発泡性溶液導入管から缶内に導入し、邪魔板に当てることで缶内壁面に向けて噴射した。外部コイルには25℃の冷却水を通水した。なお、気液混合相流の状態は、環状流であった。
蒸発缶の冷却可能な壁面に向けて噴射された気液混合相中の気体成分を蒸発缶内上部の蒸気取出口から蒸発缶外に取り出し、それにより、水とともにイソプロパノールを蒸発留去した。また、水とイソプロパノールとの混合物が約746kg留出した時点から110〜180Lの水を1時間毎に水導入口から蒸発缶に追加添加し、水とイソプロパノールとの混合物の留出総量が1630kg、追加添加水総量が510Lになった時点で蒸発操作を終了した。蒸発操作時間は11時間であった。
加熱開始1時間後以降の蒸発缶内温度(缶内の気相部の壁面も同様)は蒸発操作圧力の下での混合液の沸点未満の52〜57℃で推移し、発泡は実質的に認められなかった。得られた濃縮物中のイソプロパノール量は43mg/kg以下であった。
実施例2
発泡性溶液の蒸発を、図7に示される装置と同様の構成を有する装置を用いて行った。発泡性溶液を蒸発缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射するための手段としては、前記態様2の手段を用いた。該手段の構造を図4及び図6に示す。
発泡性溶液導入管の内径は12.7mmであり、管端は長さ方向に対し90°の角度(θ2’)で切断されている。蒸発缶の壁面に向かう半径方向に対する該壁面に向かう管端の水平方向の角度(θ1’)は0°、蒸発缶の上下方向に対する管端方向の角度(θ3’)は90°であった。管端と缶壁との距離は10mmであった。
製造例で得られた発泡性溶液6378gと水2318gとを発泡性溶液導入口より蒸発缶内に供給し、それらを缶内にて混合した後に、蒸発缶内圧力を13〜15kPaとした。混合液を蒸発缶底部の液取出口より抜き出し、1.2L/minの流量でポンプにより加熱器に送液した。該混合液を、加熱器により加熱器出口温度が80℃となるように加熱し再び蒸発缶の気相部へ戻され缶内壁面に噴射した。外部コイルには20〜25℃の冷却水を通水した。なお、気液混合相流の状態は、環状流であった。
蒸発缶の壁面に向けて噴射された気液混合相中の気体成分を蒸発缶内上部の蒸気取出口から蒸発缶外に取り出し、それにより、水とともにイソプロパノールを蒸発留去させた。また、水とイソプロパノールとの混合物が2491g留出した時点から水を20g/minの流量で連続的に追加添加し、水とイソプロパノールとの混合物の留出総量が3861g、追加添加水総量が1300gになった時点で蒸発操作を終了した。蒸発缶内温度(缶内の気相部の壁面も同様)は40℃であり、発泡は実質的に認められず、蒸発操作時間は4.3時間であった。得られた濃縮物中のイソプロパノール量は40mg/kg以下であった。
本発明により、簡便かつ効率的な発泡性溶液の蒸発方法が提供される。かかる蒸発方法は、発泡性化合物又は発泡性組成物の工業的規模での製造に非常に有効である。
図1は、発泡性溶液を蒸発缶の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段(態様1)の一例を示す概略説明図である。本図は、蒸発缶の上方から眺めた図である。 図2は、発泡性溶液を蒸発缶の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段(態様1)の一例を示す概略説明図である。本図は、蒸発缶の側方から眺めた図である。 図3は、発泡性溶液を蒸発缶の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段(態様1)に使用される邪魔板の一例を示す平面図である。 図4は、発泡性溶液を蒸発缶の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段(態様2)の一例を示す概略説明図である。本図は、蒸発缶の上方から眺めた図である。 図5は、発泡性溶液を蒸発缶の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段(態様2)の一例を示す概略説明図である。本図は、蒸発缶の上方から眺めた図である。 図6は、発泡性溶液を蒸発缶の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射する手段(態様2)の一例を示す概略説明図である。本図は、蒸発缶の側方から眺めた図である。 図7は、本発明の蒸発方法による発泡性溶液の蒸発操作に使用されうる装置の一例を示す概略説明図である。
符号の説明
1 蒸発缶
2 循環ポンプ
3 加熱器
4 温度調節器
5 加熱蒸気量調節弁
6 流量調節器
7 流量調節弁
8 凝縮器
9 蒸発凝縮液受器
10 攪拌機
11 温度計
12 発泡性溶液導入口
13 蒸気取出口
14 液取出口

Claims (2)

  1. 缶内上部に発泡性溶液導入口と蒸気取出口を持つ蒸発缶を用いる発泡性溶液の蒸発方法であって、該発泡性溶液導入口から過熱状態にある発泡性溶液を缶内に導入し、気液混合相として缶内の気相部の冷却可能な壁面に向けて噴射し、該壁面を流下させ、缶内液貯留部に至るまでに操作圧力における沸点未満に冷却することを特徴とする発泡性溶液の蒸発方法。
  2. 請求項1に記載の蒸発方法により発泡性溶液の溶媒を蒸発させる工程を含む、発泡性化合物又は発泡性組成物の製造方法。
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