JP2005160150A - センサ内蔵型モータおよびそれを備えた車両用ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転位置を検出することが可能でコンパクトなモータ、およびそのモータを備えた車両用ステアリング装置を得る。
【解決手段】センサ内蔵モータ50が備えるロータ76の外周部108には、多数の突起100が周方向に規則的に配列している。その突起100を被検出子として検出するように、モータ50に光センサ84を設けることにより、ロータ76の回転位置(つまりはモータ50の回転位置)を検出することができる。また、ステアリング装置において、ハンドル20に操作反力を発生させる反力モータ等として上記センサ内蔵モータ50を用いることにより、反力モータの回転位置を検出することができる。そのステアリング装置は、自身の制御において、反力モータ等の回転位置を利用することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転位置を取得するセンサを有するモータ、および、そのモータが配備されたステアリング装置に関する。
回転駆動力を発生させるモータの回転位置(厳密にはモータ軸,ロータ等の回転位置)は、モータの回転量,回転速度等を制御するために利用される。そのモータの回転位置を取得するために、例えば、下記〔特許文献1〕には、モータのモータ軸(出力軸,回転軸と呼ぶこともできる)に、被検出子であるスリットを多数有する回転コード板をロータとは別途に取り付けて、その回転コード板のスリットを通過する光を検出することが記載されている。例えば、また、モータの回転位置を取得するために、モータとは別体のエンコーダをモータ軸に取り付けることも行われている。
一方、ステアリング装置は、いわゆるパワーステアリングと呼ばれるステアリング操作を補助する動力源を備えたものが一般的であり、また、いわゆるステアバイワイヤと呼ばれるものも検討されている。ステアバイワイヤ方式のステアリング装置は、ステアリングホイール等の操作部材と車輪の向きを変える機構(転舵機構)とが機械的に分離され、転舵機構に動力源を備えて、その動力源が、電気的信号として検出されたステアリング操作に基づいて制御されることにより、車輪の向きを変える方式のステアリング装置である。このステアバイワイヤ方式のものでは、ステアリング操作の操作性を良好にするために、動力源を備えてステアリングホイールに操作反力を付与する操作反力付与機構を具備させることも検討されている。そのようなステアリング装置においては、上記各動力源としてモータが配備される。その具体的として、例えば、下記〔特許文献2〕に記載されているように、操舵補助力の動力源にプリントモータを使用したパワーステアリング式のステアリング装置や、下記〔特許文献3〕記載されているように、操作反力を発生させる動力源にモータを用いたステアリング装置が存在する。
特公平6−28499号公報 特開平10−129510号公報 特開2003−127878号公報
しかしながら、上記〔特許文献1〕に記載されたモータは、回転コード板を収容するためにモータの寸法が比較的大きくなってしまい、その点において実用的ではない。また、〔特許文献2〕および〔特許文献3〕に記載されたステアリング装置のモータは、モータの回転位置を検出するためのセンサが設けられておらず、モータの制御の精度を向上させることが難しく、当該ステアリング装置はその点において実用的ではない。本発明は、そういった実情に鑑みてなされたものであり、実用的なモータ,ステアリング装置を得ることを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のセンサ内蔵型モータは、概して円盤状のロータを有するモータであって、そのロータが、自身の中心を中心とする一円周に沿って規則的に設けられた多数の被検出子を有する被検出部を備え、当該モータが、前記ロータの回転位置を検出するために利用されるセンサであって前記被検出部と向かい合う位置に固定されて前記被検出子を検出するセンサを備えることを特徴とする。また、本発明の車両用ステアリング装置は、操作部材を有する操作部と、その操作部材の操作に応じて車輪の向きを変える転舵部とを備えるステアリング装置であって、上述の、前記検出部を備えた前記ロータを有するモータであるセンサ内蔵型モータを備えることを特徴とする。
ロータに被検出子を設ければ、別体のエンコーダをモータに取り付けたり、被検出部をモータ内におけるロータと離れた場所に設けたりしなくてもよいため、比較的モータの寸法を小さくすることができる。通常、モータは何らかの装置に配設されて利用されることが多いが、本発明のセンサ内蔵型モータは、モータの寸法が比較的小さいため、配設する場所に関する制約を受けにくいという長所を有する。また、本センサ内蔵型モータを配設すれば、その周囲のスペースを活用しやすいといった優位性が発揮される。すなわち、実用的なモータが得られるのである。一方、本センサ内蔵型モータをステアリング装置に配備すれば、当該ステアリング装置の制御のためにそのモータの回転位置を容易に取得することができ、また、コンパクトなステアリング装置が実現する。すなわち、実用的なステアリング装置が得られるのである。なお、本発明のセンサ内蔵型モータおよびステアリング装置の各種態様およびそれらの作用および効果については、以下の、〔発明の態様〕の項において詳しく説明する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (4)項が請求項2に、 (5)項が請求項3に、 (6)項が請求項4に、 (8)項が請求項5に、 (9)項が請求項6に、(21)項が請求項7に、(24)項が請求項8にそれぞれ相当する。
(1)概して円盤状のロータを有するモータであって、
前記ロータが、自身の中心を中心とする一円周に沿って規則的に設けられた多数の被検出子を有する被検出部を備え、
当該モータが、前記ロータの回転位置を検出するために利用されるセンサであって前記被検出部と向かい合う位置に固定されて前記被検出子を検出するセンサを備えることを特徴とするセンサ内蔵型モータ。
ロータに被検出子を設ければ、モータの回転位置を検出するために別体のエンコーダをモータに取り付けたり、被検出部をモータ内におけるロータと離れた場所に設けたりしなくてもよい。そのため、本項に記載のセンサ内蔵型モータは、例えば、別体のエンコーダを取り付けた場合や、被検出部を有する回転板等の別体の部材をロータと離れたモータ内の空間に収容する場合に比べて、モータの寸法(特に、ロータの回転軸線方向の寸法)を小さくすることができる。通常、モータは各種機器,装置に配設されて利用されるが、本項に記載のセンサ内蔵型モータは、モータの寸法が比較的小さいため、比較的小さなスペースに配設することができ、その意味において、配設する場所に関する制約を受けにくいという長所を有する。また、本項に記載のセンサ内蔵型モータを上記各種機器,装置に配設すれば、その各種機器,装置において、当該モータを配設した箇所の周囲のスペースを活用しやすく、当該モータは利便性に優れたものとなる。すなわち、実用的なモータが得られるのである。
本項に記載のモータにおいて、「ロータ」は円盤状とされる。ロータの回転軸線方向の寸法(以後、「厚さ」という。)および回転軸線と直交する方向の寸法(以後、「直径」という。)は、任意に設定することができるが、扁平な形状であることが望ましく、具体的には例えば、ロータの直径は、厚さの5倍以上、さらには10倍以上,15倍以上とすることが望ましい。ロータが扁平であれば、モータ自体を薄くすることが可能である。また、被検出子をロータに設けることに鑑みれば、本項に記載のモータは、被検出子を平坦な面に設けることができ、また、被検出子を比較的大きな面積の部分に設けることができるため、その被検出子を設けるための加工,作業等が容易である等の利点を有することになる。回転軸線方向から見たロータの外形形状は、必ずしも真円形であることを要しない。概ね円形をなしていればよく、例えば、外周部に凹凸を有する形状,厳密には多角形とされた形状等、種々の形状のロータを採用可能である。なお、以後の説明において、ロータの回転軸線と交差する平盤な2つの面を「盤面」と称し、ロータの外周側および内周側の面をそれぞれ「外周面」,「内周面」、それらを総称して「周面」と称することにする。
多数の「被検出子」は、ロータの中心を中心とする一円周に沿って規則的に設けられていればよく、ロータの盤面,周面のいずれに設けてもよい。盤面に設ける場合、周縁部,中心部,あるいはそれらの中間の部分のいずれに設けらていてもよい。「規則的に設ける」態様には、例えば、多数の被検出子を一円周上に等間隔に並べるような態様等が含まれる。なお、「被検出部」は、多数の被検出子が設けられた一円周に沿ったロータの一部分を意味する概念である。本項に記載のモータは、ロータが被検出部を1つ有する態様のものであってもよく、また、複数の被検出部を有する態様のものであってもよい。例えば、被検出子をいわゆるアブソリュートエンコーダの被検出子として利用する場合等には、複数の被検出部が同心円的に配設されたものとみなすことができるのである。また、複数の被検出部を有する態様の場合、それらの被検出部ごとに異なる規則で被検出子を設けることも可能である。
被検出部は、それが検出されるという機能に鑑み、被検出子が設けられた部分と設けられていない部分とが、互いに光学的性質,電磁気的性質等の物理的性質が異なるように構成することができる。具体的には、例えば、光学的性質では光の透過の程度や反射の程度等が、電磁気的性質では発生する磁界の強度や導電性等が互いに異なるように構成することが可能である。また、被検出子の形状は、特に制限されず、上記機能を考慮しつつ、円形,楕円形,多角形,スリット等の種々の形状とすることができる。また、被検出子を設ける具体的な方法も特に限定されず、例えば、被検出子が薄い反射膜等であれば、ロータ表面に接着等により設けることができ、貫通穴であれば、ロータに穴を穿設することにより設けることができる。被検出子を検出する「センサ」も、特にその種類が限定されるものではなく、検出に利用される上記物理的性質に応じて、例えば、フォトトランジスタ等を有する光学センサ、コイル,磁気電気変換素子(ホール素子)等を有する磁気センサ等、様々な種類のものを用いることができる。
モータは、ロータ,ステータ,モータ軸等がハウジングに収容されて構成されるものが一般的である。本項に記載のモータも、その構成に従えばよい。その場合、モータ軸がハウジング回転可能に保持され、そのモータ軸にロータが固定された態様のものとされてもよく、また、ロータ自体がハウジングに回転可能に保持され、そのロータにモータ軸が固定された態様のものとされてもよい。
本項に記載のモータは、例えば、磁気モータ,圧電アクチュエータ式モータ等の電気式モータとすることができる。磁気モータとする場合には、例えば、ステータが固定的な磁界を発生させるものとされ、ロータがコイルを有するものとされ、そのロータの回転に応じてコイルに流れる電流を変化させるブラシを備える態様のものとすることができる。また、逆に、例えば、ロータが永久磁石を有し、ステータがコイルを有してロータの回転に応じて変化する磁界を発生するようにされた態様のものとすることができる。それら2つの態様において、コイルを有するロータあるいはステータは、コイルが巻回されるコア(鉄心等)を有するものであってもよく、有していないものであってもよい。なお、「ステータ」は、モータをコンパクトにするという観点からすれば、ロータの盤面に対向して配設された扁平な形状のものであることが望ましい。また、本項に記載のモータは、例えば、1つのロータを備える態様のものであってもよく、また、複数のロータを備える態様のものであってもよい。例えば、複数のロータが互いの盤面が平行となる状態で、1つのモータ軸に固定されたような態様のモータとすることも可能である。
(2)前記センサが、前記被検出子と、前記被検出部の前記被検出子が設けられていない部分との光学的性質の違いを検出するものである (1)項に記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載の態様は、被検出部の側からみた場合には、例えば、被検出子の光学的性質が、被検出部のうちの被検出子が設けられていない部分の光学的性質と異なる態様と考えることができる。具体的には、それら被検出子と、被検出部のうちのそれ以外の部分との組合せとして、次のような組合せを採用することができる。例えば、光を透過しない非透過物(遮光物とも言える)と光を透過する透過物(透明体等の他、貫通穴等非透過物が存在しない場合をも含む概念である)との組合せ、光を反射しやすい反射物と光を反射しにくい光吸収物との組合せ等である。また、本項に記載の態様は、上記センサとして光学的な変化を検出する光学センサを採用する態様とすること可能である。その場合の光学センサは、例えば、発光ダイオード等の光源を有する発光部とフォトトランジスタ等の光検出器を有する受光部とを備えるものとすることが可能である。その場合、上記被検出子とそれ以外の部分との組み合わせの態様に応じて、発光部と受光部とを適切な箇所に配置すればよい。例えば、透過物と非透過物との組合せにおいては、それら発光部と受光部とをロータを挟むように配置することができ、また、反射物と光吸収物の組合せにおいては、それら発光部と受光部とが、ロータの同じ盤面を向くように配置することができる。本項に記載の態様のように、光学的性質の違いを利用すれば、被検出子の検出が容易であり、容易にロータの回転位置、すなわちモータの回転位置を取得することができる。
(3)前記被検出部が、前記ロータの周縁部に設けられた (1)項または (2)項に記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載のモータは、比較的大きな一円周上に被検出部が設けられており、被検出部の周の長さが比較的長いため、被検出子の数を多くして回転位置の検出における分解能を高くすることができる。また、被検出部がロータの外周の近くに位置するため、センサを取り付けやすいという利点を有する。
(4)前記ロータが、概して円板状の基材と、その基材に設けられてその基材と略平行なループを多数形成するシート状コイルとを備え、
当該モータが、前記シート状コイルと向かい合うように配設されたステータと、前記ロータの回転に応じて前記シート状コイルに流れる電流を変化させるブラシとを備えた (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載のモータは、いわゆるプリントモータと呼ばれるモータである。「基材」は、ロータが扁平であることに鑑みれば、その直径が厚さの10倍以上であることが望ましく、さらに15倍以上,20倍以上であることがより望ましい。基材の外形形状は、ロータと同様に概ね円形にすることができる。また、基材は、コイルが付設されることを考慮すれば、絶縁性を有するものであることが望ましい。「シート状コイル」は、例えば、エッチング技術,ブランキング(打ち抜き)技術,巻き線技術等によって形成することができる。シート状コイルを構成する複数の導電線を基材に略平行(ロータの盤面に略平行な状態である)に付設することにより、基材と略平行なループを形成できる。基材に略平行なループを形成することによって、シート状コイルには、ロータの盤面と交差する磁力線を発生させることができる。「ループ」は、曲線によって構成される形状、直線が屈曲して連続することによって構成される形状等、種々の形状のものとすることができる。ループは、必ずしも閉じた形状をなしている必要はなく、例えば、概して「C」の字形,「U」の字形,「コ」の字形等の形状をなしていてもよい。
ブランキング技術によってシート状コイルを形成する場合は、例えば、銅板等の金属板から、屈曲あるいは湾曲して延びる所定の形状(例えば、「く」の字形状、「C」字形状等)のものを打ち抜くことにより、導電片を多数作製し、その多数の導電片を、基材の両面に放射状に配置する。詳しくは、一方の面から見た場合に、その面の導電片と裏面の導電片とが互いに反対方向に屈曲あるいは湾曲する状態に配置する。そして、それぞれの面に配置された導電片の一端部どうしを接合すれば、基板に略平行なループ状のシート状コイルを形成することができるのである。
「ロータ」は、1枚の基材によって構成されていてもよく、また、複数枚の基材によって構成されていてもよい。例えば、シート状コイルが設けられた基材を複数枚重ねて、1つのロータとすることができるのである。「ステータ」は1以上の磁石を有するものとすることができる。その磁石は、一般的には永久磁石とされるが、電磁石であってもよい。また、ステータは、例えば、磁石がロータの盤面の一方に向かい合うように設けられて構成されたものとすることもでき、また、磁石がロータの盤面の双方の各々に向かい合うようにしてロータを挟む状態で設けられて構成されたものとすることもできる。ステータに永久磁石を用いる場合、例えば、複数の磁石を着磁方向を違えて周方向に並べて配置してもよく、周方向において着磁方向が規則的な間隔で反転するリング形状の1つの磁石を配置してもよい。「ブラシ」は、例えば、ハウジングに保持され、シート状コイルの一部と接触してシート状コイルに電流を供給する態様のものとすることができる。その態様においては、自身と接触するシート状コイルの導電線がロータの回転にともなって切り換わることにより、例えば、シート状コイルに流れる電流の向きが変化する、あるいはシート状コイルが有する複数の導電線のうちの電流が供給される導電線が切り換わるように、ブラシを機能させることができる。
(5)前記被検出子が、前記基材を貫通して設けられた貫通穴である (4)項に記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載の態様によれば、容易に被検出子を設けることができる。貫通穴の形状は特に制限はなく、円形,楕円形,多角形,スリット等の任意の形状とすることができる。
(6)前記ロータが、前記基材の外径よりも径の大きい環状の部分である外環部を形成する状態で前記基材に付設された外環部形成部材を備え、
その外環部形成部材の前記外環部となる部分に前記被検出子が設けられたことによって、その外環部に前記被検出部を備える (4)項に記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載の態様は、平たく言えば、基材とは別の部材に被検出子を設けた態様である。本項の態様によれば、被検出子を設けるための加工が容易になる。なお、本項の態様とは別の態様であるが、基材の直径より小さな直径の一円周に沿って多数の被検出子を規則的に設けた部材を基材に付設することによって、被検出部をロータに設けることも可能である。
(7)前記外環部形成部材が、前記被検出子として貫通穴が設けられたものである (6)項に記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載の態様によれば、容易に被検出子を設けることができる。貫通穴の形状は特に制限はなく、円形,楕円形,多角形,スリット等の任意の形状とすることができる。
(8)前記シート状コイルが、前記基材の表面に周方向において規則的に配列した複数の導電線を有し、
前記センサが、前記基材の中心を中心とする一円周上における前記導電線の部分を前記被検出子として検出するようにされた (4)項に記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載の態様は、導電線自体が被検出子とされていることから、別途、被検出子を設ける必要がなく、ロータを簡便に製造できるというメリットを有する。本項に記載の態様では、例えば、基材の盤面上においては、導電線が規則的に配列した一円周上に存在する導電線の部分と、それの傍らの基材の部分とで被検出部が構成されることになる。ロータの構成に応じて、ロータの中心付近の導電線の部分を被検出子とすることも、周縁部の導電線の部分を被検出子とすることも可能である。導電線を被検出子として検出する場合、例えば、導電線と基材との光の反射率を異ならせることにより、反射光を感知する形式の光センサを用いて、その検出を容易に行うことができる。
(9)前記シート状コイルが、前記複数の導電線の各々が前記基材から外周に延び出した複数の導電線延出部を有し、
前記センサが、前記複数の導電線延出部の各々を前記被検出子として検出するようにされた (8)項に記載のセンサ内蔵型モータ。
本項に記載の態様では、ロータの外周部を挟むように発光部と受光部とを配置した光センサを用い、導電線延出部による光の遮断によって、被検出子としての導電線延出部を容易に検出することができる。例えば、シート状コイルが前記ブランキング技術によって形成されたロータを有するプリントモータ等では、ロータは、導電線が基材の外周端から延び出して、それが突起が形成するような構造となっている。具体的に言えば、基材の一方の面に設けられた導電線と他方の面に設けられた導電線とが、基板の外周において互いに接合されているのである。その接合箇所を被検出子とするような場合が、本項に記載の態様の一例となる。
(21)操作部材を有する操作部と、その操作部材の操作に応じて車輪の向きを変える転舵部とを備えるステアリング装置であって、
(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータを備えることを特徴とする車両用ステアリング装置。
上記センサ内蔵型モータをステアリング装置に配備させれば、そのモータの回転位置を容易に取得でき、制御性に優れたステアリング装置が実現する。また、上記センサ内蔵型モータは比較的コンパクトであるため、コンパクトなステアリング装置が実現する。すなわち、実用的なステアリング装置が得られる。配備されるセンサ内蔵モータが扁平な形状のモータであれば、ステアリング装置への配設向き、配設位置等を適切にすることにより、ステアリング装置をさらにコンパクトにすることができる。
(22)当該ステアリング装置が、前記操作部材に加えられた操作力と、その操作力を補助する補助力とによって前記車輪の向きを変えるものであり、
前記転舵部が、前記補助力を発生させる転舵補助モータを備え、その転舵補助モータが前記(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータとされた(21)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載のステアリング装置は、いわゆるパワーステアリング式のステアリング装置である。転舵補助モータをセンサ内蔵モータとすれば、転舵補助モータの回転位置を取得することができ、転舵補助モータを正確に制御することにより、車輪の向き変えを良好に行うことができる。
(23)当該ステアリング装置が、前記操作部材に加えられた操作力によらずに車輪の向きを変えるものであり、
前記転舵部が、前記車輪の向きを変える力である転舵力を発生させる転舵モータを備え、その転舵モータが前記(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータとされた(21)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載のステアリング装置は、例えば、いわゆるステアバイワイヤ式のステアリング装置である。転舵モータをセンサ内蔵モータとすれば、転舵モータの回転位置を検出して転舵モータを正確に制御することにより、車輪の向き変えを良好に行うことができる。
(24)当該ステアリング装置が、前記操作部材に加えられた操作力によらずに車輪の向きを変えるものであり、
前記転舵部が、前記車輪の向きを変える力である転舵力を発生させる動力源を備えるとともに、前記操作部が、反力発生源としての反力モータを有して前記操作部材に操作反力を付与する反力付与装置を備え、
前記反力モータが前記(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータとされた(21)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載のステアリング装置は、例えば、いわゆるステアバイワイヤ式のステアリング装置であり、反力付与装置に上記センサ内蔵型モータを配備したステアリング装置である。反力モータをセンサ内蔵モータとすれば、反力モータの回転位置を検出して反力モータを正確に制御することにより、操作部材に適切な反力を付与することができる。また、反力モータの回転位置検出信号に基づいて、操作部材になされた操作の情報である操作情報、具体的には例えば、操作方向、操作角度,操作距離等の操作量、操作速度等を取得することができる。その取得された操作情報に基づいて、上記転舵部が備える動力源(モータ,油圧アクチュエータ等)を制御して転舵輪の向きを変えることができる。
(25)前記操作部が、前記操作部材と連結されて軸線回りに回転する操作軸を有し、
前記反力モータと前記操作軸とが同軸的に設けられた(24)項に記載の車両用ステアリング装置。
これまでに検討されているステアバイワイヤの操作部は、操作軸と反力モータのモータ軸とが交差するような構造のものとされていた。そのため、操作部に、例えば、操作軸と交差する方向にモータが突出し、インストゥルメントパネルの意匠に影響を与えていた。本項に記載の態様によれば、反力モータと操作軸とが同軸的あることに加え、その反力モータが比較的コンパクトな上記センサ内蔵モータであるため、充分に操作部のコンパクト化が図れ、また、インストゥルメントパネルの意匠の自由度を向上させることができる。特に、反力モータの形状が扁平とされた場合は、操作軸の軸線方向における操作部の長さを比較的短くできることになる。
(26)当該ステアリング装置が、自身を制御する制御装置を備え、
その制御装置が、当該ステアリング装置に備えられた前記(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータによって取得された回転位置検出信号を利用して自身を制御するものである(21)項ないし(25)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
上述のように上記センサ内蔵モータを、転舵補助モータ,転舵モータ,反力モータ等に用いれば、モータの回転位置検出信号を利用して、ステアリング装置を容易に制御することができる。そのモータの回転位置に基づいてそのモータ自身のフィードバック制御を行うことや、また、ステアバイワイヤ式のステアリング装置であれば、反力モータの回転位置信号に基づいて、操作部材の操作状態を認識し、その認識された操作状態に基づいて、車輪の向き、舵角等を決定するといった転舵制御を行うことも可能である。
以下、本発明の一実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、決して下記の実施例に限定されるものではなく、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
1. ステアリング装置の概要.
図1に、実施例の車両用ステアリング装置の全体構成を模式的に示す。本ステアリング装置は、操作部10と転舵部12とが機械的に分離された構造をなす操作部・転舵部分離型ステアリング装置であり、操作部10,転舵部12の他に、操作部10の操作に応じた車輪の転舵を行うための制御を行う制御部14を含んで構成されている。
2. 操作部.
操作部10は、操作部材としてのハンドル(ステアリングホイール)20と、そのハンドル20を回転可能に保持する操作部材保持装置24(以下、保持装置24と略す場合がある)とを含んで構成されている。その保持装置24の断面図を図2に示す。
保持装置24は、保持装置ハウジング28に、軸受30を介して、操作軸34が、軸方向に移動不能、かつ、回転可能に保持された構造とされている。その操作軸34の先端に、ハンドル20が固定されており、運転者のハンドル操作により操作軸34が軸回りに回転させられる。保持装置24は、アブソリュートエンコーダ40を備えており、そのエンコーダ40は、操作軸34と同軸的に保持装置ハウジング28の支持部材に固定されている。エンコーダ40の回転軸46は、操作軸34に軸端面に設けられた軸穴と嵌合させられており、操作軸34と一体的に回転するようにされている。エンコーダ40は、操作軸34の絶対的な回転位置を検出し、その検出値を絶対回転位置信号として出力する。この絶対回転位置信号は、制御部14において、ハンドル20の回転角度位置を取得するために利用される。
保持装置24は、また、ハンドル20に反力を付与する反力モータとしてのセンサ内蔵モータ50(以後、モータ50と略す場合がある)と、そのモータ50の回転を減速して操作軸34に伝達する減速機構とを備えている。本実施例において、それらモータ50と減速機構とを含んで反力付与装置が構成されている。モータ50は、保持装置ハウジング28内のハンドル20が設けられる側とは反対側に固定されている。モータ50はモータ軸52を有し、そのモータ軸52の先端部にはモータ軸側ギヤ54が形成されている。モータ軸側ギヤ54は大径中間ギヤ60と噛み合っており、モータ軸52の回転に伴いその大径中間ギヤ60が回転させられる。大径中間ギヤ60には小径中間ギヤ62が固定されており、それらのギヤ60,62は、保持装置ハウジング28に固定された支持軸64に鍔付ブッシュ65を介して回転可能に支持され、一体的に回転させられる。一方、操作軸34のハンドル20が取り付けられる側と反対側の端部の外周には、トレランスリング66を介して、操作軸側ギヤ68が、軸方向に移動不能に支持されている。トレランスリング66は、摩擦力によって、操作軸34と操作軸側ギヤ68との相対回転を防止するものであるが、操作軸34と操作軸側ギヤ68との間に設定値を越える回転力が加わった際には、滑りを生じさせて、それらの相対回転を許容する構造とされいる。小径中間ギヤ62は操作軸側ギヤ68と噛み合っている。モータ軸52の回転は、上記構成の減速機構によって減速されて操作軸34に伝達される。逆にいえば、操作軸34に加わる回転力も、その減速機構を介してモータ軸52に伝達されるのである。
3. モータ.
モータ50は、いわゆるプリントモータであり、モータハウジング70と、そのモータハウジング70に軸受72を介して回転可能に支持されたモータ軸52と、そのモータ軸52に固定されたロータ76と、そのロータ76のロータの盤面78と向かい合う位置においてモータハウジング70に固定されたドーナッツ形状の磁石80と、ロータ76の回転位置を取得するための光学センサたる光センサ84とを含んで構成されている。
ロータ76は、鍔付円筒部材86とリング部材88とによってモータ軸52に相対回転不能に固定され、モータ軸52と一体的に回転させられる。ロータ76は、図3に示すように、円板状の基材90とシート状コイル92とを含んで構成されている。基材90の表側(図に表れている側)と裏側(図に表れていない反対側)との表面である盤面91に、シート状コイル92が配設されているのである。詳しく言えば、基材90の両側の盤面91には、金属板である銅板のブランキング(打ち抜き)によって製造された概ね「く」の字形状多数の導電片94(導電線として機能する)が、周方向において等間隔に放射状に配置され、それらの導電片94によってシート状コイル92が構成されているのである。さらに詳しく言えば、表側の導電片94と裏側の導電片94とは、それらの「く」の字形状の向きが同じ側から見た場合において互いに反対になるように配置されており、それらの端部が、基材90の内周部において規定の組合せで接合され、また、基材の外周において互いに対をなすようにして接合されている。このような構造により、シート状コイルはループとして形成されているのである。なお、外周における接合は、導電片94の基材90の外周から外側に延び出す端部96(導電線延出部)どうしがレーザ溶接されることによって行われ、その接合された部分が、ロータの外周部において突起100を形成している。
光センサ84は、発光ダイオードにより光を放射する発光部104とフォトトランジスタにより発光部が放射した光を受光する受光部106とを含んで構成されている(図2参照)。それら発光部104および受光部106は、モータ軸52の軸線方向においてロータ76の外周部108を挟んで向かい合う状態で、それぞれモータハウジング70に固定されている。ロータ76の回転に伴い、光センサ84の発光部104および受光部106の間を、上記ロータの外周部108に形成された複数の突起100が順次通過する。そのため、突起100が、受光部106が受光する発光部104の光を、遮光物として遮断することにより、その突起100が、光センサ84により検出されるのである。つまり、突起100は、被検出子として機能し、突起100が配設された一円周に沿う部分ロータ76の外周部108が被検出部とされているのである。
光センサ84は、被検出子としての突起100を検出して、ロータ76の回転位置、すなわち反力モータであるモータ50の相対的な回転位置の信号である相対回転位置信号を出力する。具体的には、光センサ84が被検出子としての突起100を検出している状態としていない状態とをそれぞれON信号・OFF信号として出力する。その信号は、制御部14に出力され、制御部14においてモータ50の回転角度を取得される。なお、図において明確には示されていないが、モータ50には2つの光センサ84が設けられており、それら2つの光センサ84は、被検出子を検出する際の位相が互いに4分の1周期ずれるように配設されている。制御部14においては、その位相のずれに基づいて、モータ50の回転方向も取得される。
磁石80は、ステータを構成するものであり、モータハウジング70に固定されている。磁石80は、扁平かつ図4に示すようなドーナッツ形状をなしており、周方向において規則的な間隔で磁極が反転している。すなわち、着磁方向が、モータ軸52の軸線と平行な方向とされるが、場所によって向きが反対になっているのである。一方、ロータ76において、シート状コイル92に電流が流れることにより磁気が発生する。モータ50はブラシ110を有しており、そのブラシ110は、モータハウジング70によりモータ軸52の軸線と平行な方向に移動可能に保持され、かつ、ロータ76に近づく向きに付勢されてシート状コイル92の一部の導電片94とロータ76の内周部において接触させられている。ブラシ110に給電されると、シート状コイル92の一部に電流が流れ、その電流により生じる磁気と、磁石80により生じる磁界との間に働く引力あるいは斥力によって、ロータ76を回転させる力が生じる。また、ロータ76の回転に伴い、シート状コイル92のブラシ110と接触する部分が切り換わり、ロータ76の回転が維持されることになる。
4. 転舵部.
転舵部12は、転舵のためのアクチュエータとして機能して転舵ロッド130を車幅方向に移動させるロッド駆動装置132を備え、転舵ロッド130の両端のそれぞれがタイロッド134,ナックルアーム136を介して左右の転舵車輪138のそれぞれに接続されて構成されている。
ロッド駆動装置132は、図5に示すように、駆動装置ハウジング140に固定された駆動源である転舵モータとしてのセンサ内蔵モータ150(以下、「モータ150」と略す場合がある。また、「転舵モータ150」と称する場合がある。)を備えている。モータ150は、前述のモータ50が備えるロータ76および磁石80と同様なものを3組備えている。それら3つのロータ76は、鍔付円筒部材86とリング部材88とによって円筒状のモータ軸152に相対回転不能に固定されている。そのモータ軸152は、モータ150が備えるモータハウジング156に軸受158を介して相対移動不能かつ軸方向に回転可能に保持されている。一方、3つの磁石80は、モータハウジング156に固定されている。なお、モータ150が備えるブラシ110は1組であるが、3つのロータ76の各々のシート状コイル92は、内周部においてリード線によって接続されており、それらシート状コイル92の各々に同時に電気が供給される。
モータ150は、光学センサの一種である反射光センサ160を備えている。ブラシ110と接触しているロータ76の片側のロータ盤面78の周縁部が被検出部とされており、反射光センサ160は、その被検出部に向かい合うようにモータハウジング156に設けられている。図では明確にはしていないが、反射光センサ160は、発光ダイオードとフォトトランジスタとを有し、発光ダイオードから放射された光がロータ76によって反射された反射光を検出する方式のものである。そのため、基材90の色は暗色系等の反射率の低い色とされ、導電片94は光沢を有して基材90よりも反射率が高いものとされている。その反射率の高い導電片94が、被検出子とされ、反射光センサ160に検出されるのである。反射光センサ160は、導電片94の検出に基づいて、モータ150の相対的な回転位置の信号である相対回転位置信号を出力する。なお、相対回転位置信号については前述のモータ50における場合と同様である、また、モータ150にも2つの反射光センサ160が設けられており、それらの機能は、モータ50におけるの場合と同様である。相対回転位置信号が制御部14に出力され、制御部14において、前述のモータ50における場合と同様にモータ150の回転方向および回転角度が取得され、その取得された回転方向等がモータ150の制御に利用される。
転舵ロッド130は、自身の両端部において、軸方向に移動可能にかつ回転不能に駆動装置ハウジング140に支持されている。また、転舵ロッド130は、自身の外周にボールねじが設けられたねじ部170を有しており、そのねじ部170には、ベアリングボールを介してボールナット174が螺合させられている。ボールナット174は、軸受175を介して、軸線回りに回転可能かつ軸方向に移動不能に駆動装置ハウジング140に支持されている。そのボールナット174には、ナット側ギヤ176が同軸的に固定されており、そのボールナット174とナット側ギヤ176とは一体的に回転する。一方、モータ軸152の先端にはモータ軸側ギヤ180が設けられており、そのモータ軸側ギヤ180は大径中間ギヤ184と噛み合わされている。その大径中間ギヤ184は、小径中間ギヤ188と一体的に回転するようにされており、それらのギヤ184,188は、鍔付ブッシュ196を介して、駆動装置ハウジング140に固定された支持軸192により、軸方向に移動不能かつ回転可能に支持されている。小径中間ギヤ188はナット側ギヤ176と噛み合っており、モータ軸152の回転が、ギヤ184,188,176等を含む減速機構により減速されてボールナット174に伝達される。ボールナット174が回転させられることで、転舵ロッド130が軸方向に移動させられる。
ロッド駆動装置132によって転舵ロッド130が軸方向(左右方向)に移動させられることによって、転舵輪の向きが変えられ、転舵ロッド130の移動位置に応じた転舵角(転舵位置を意味する)に、転舵車輪138が転舵される。ロッド駆動装置132には、転舵位置センサ200が設けられており、転舵ロッド130の移動位置は、転舵位置を示すものとして転舵位置センサ132によって取得される。また、ロッド駆動装置132には、転舵モータ150の負荷を取得すべく、転舵モータ150に流れる電流を検出する電流計204が設けられており、さらに、タイロッド134には、軸方向に作用する軸力を検出するための軸力センサ208が設けられている。電流計204によって検出される負荷電流および軸力センサ208によって測定されるタイロッド軸力は、転舵部12の負荷状態を示すパラメータとして利用される。
5. 制御部
本ステアリング装置は、コンピュータ250を主体とする制御部14によって制御される。コンピュータ250は、CPU252,ROM254,RAM256,入出力インターフェース(I/O)258,それらをつなぐバス260等を含んで構成されている。入出力インターフェース258には、それぞれの駆動回路(ドライバ)262を介して、反力モータであるモータ50,ロッド駆動装置132等が接続されている。入出力インターフェース258には、また、モータ50の光センサ84,モータ150の反射光センサ160,転舵位置センサ200,電流計204,軸力センサ208,車両の走行速度を取得すべく車輪の回転速度を検出するための車輪速センサ270等が接続されている。
制御部14による制御は、以下のように行われる。運転者が操舵のためにハンドル20を操作すれば、アブソリュートエンコーダ40によって出力される絶対回転位置信号が変化する。その絶対回転位置信号に基づいて、制御部14は、ハンドル20になされた操作の方向,角度,速度等の情報である操作情報を取得する。制御部14は、その操作情報とROM104に記憶されているモデルとに基づいて転舵ロッド130の移動量,移動速度等を決定し、その転舵ロッド130の移動量,移動速度等を達成するために必要な電力を演算により求めて駆動回路262を介してモータ150に供給することにより制御を行う。制御部14は、センサ160によりロータ76の相対回転位置信号に基づいて、ロータ76の実際の回転方向,回転角度および回転速度等のロータ回転情報を取得する。そのロータ回転情報と計算上の回転方向,回転角度および回転速度等とが比較され、それらの偏差に基づいてモータ150に供給する電力が調整され、フィードバック制御が行われる。
制御部14は、上記のフィードバック制御を、転舵位置センサ200によって検出される転舵ロッド130の実際の移動量,移動速度等に基づいて行うことも可能である。しかし、転舵部12の機構上、転舵ロッド130をわずかに移動させるためにロータ76が何回転もしており、ロータ76の回転角度,回転速度等を検出する方が制御の精度が高くなるのである。また、転舵ロッド130の実際の移動位置の検出は、外乱によって誤差を生じる場合があり、ロータ76の回転角度,回転速度等を検出する方が制御の安定性が高くなる場合がある。そのため、本実施例において、転舵位置センサ200は、転舵車輪138の向き(転舵車輪138の舵角であり、転舵ロッド130の移動位置である)と、ハンドル20の操作位置(アブソリュートエンコーダ40の絶対回転位置)との間に微少なずれが生じていないかをチェックするために用いられる。そのチェックについて簡単に説明すると、そのチェックは、車両のエンジン始動直後,あるいは車両が安定的に直進走行している時点等において行われ、ずれがある場合はモータ150が駆動されて、転舵ロッド130の移動位置が、エンコーダ40の絶対回転位置から演算により求められる計算上の移動位置になるように修正される。
一方、転舵時において路面から転舵車輪138が受ける抗力は、上記軸力センサ208によって検出されるタイロッド134の受ける軸力と、上記電流計204によって検出されるモータ150の負荷電流とに基づいて、ROM104に記憶されているモデルに従って決定される。この決定された抗力に定められた係数が乗じられてハンドル20に付与される操作反力が決定され、その操作反力を発生するために必要な電力が駆動回路262を介して反力モータであるモータ50に供給される。このように、モータ50が制御されて、路面から受ける抗力に応じた操作反力がハンドル20に付与される。
モータ50の光センサ84は、操作部材の操作情報を取得するために用いられる。具体的には、光センサ84の相対回転位置信号により、いずれか一方のON・OFF回数がカウントされ、設定時間当たりのON・OFF回数からロータ76の回転角度が取得される。なお、正の方向への回転(例えば時計回り)時にはON・OFF回数が加算され、負の方向への回転(例えば時計回りの反対)時にはON・OFF回数が減算される。ロータ76の回転角度は、ハンドル20になされた操作の角度と比例関係にあるため、ロータ76の回転角度から操作角度が取得される。すなわち、ロータ76の回転方向および回転角度から、操作情報が取得されるのである。アブソリュートエンコーダ40からも操作情報が取得されるが、それら2つの操作情報の関係は、先の転舵部におけるそれと同様であるためここでの説明は省略する。なお、2つの操作情報は、冗長的に扱われており、例えば、断線等の故障により、エンコーダ40が動作しなくなった場合等には、光センサ84の相対回転位置信号にのみ基づいて転舵部12が制御される。すなわち、本実施例において、それら操作軸34,アブソリュートエンコーダ40,モータ50等を含んで操作情報検出装置が構成されている。
6. その他の態様.
上記実施例において、ロータ76は基材90とシート状コイル92とを含んで構成されていたが、そのロータ76に代えて、図6に示すような外環部形成部材としての補助円板300が付設されたロータ302を採用することができる。この図において、補助円板300は、シート状コイルが設けられた基材90の手前側の盤面に接着されている。補助円板300は基材90の外周からリング状にはみ出しており、そのはみ出した部分がロータ76における外環部310となる。外環部310には、多数のスリット312(角穴と呼ぶこともできる)が周方向に等間隔に並ぶように配設されている。
上記ロータ302を備えたモータ320は、図7に示すように、モータ50と同様な構成となっている。なお、補助円板300は、基材90のブラシ110と接触する側と反対側の盤面91に付設されている。モータ320における光センサ330は、発光部332と受光部334とを含んで構成されており、それらは、外環部310をモータ軸52の軸方向における両側から挟むように配設されている。外環部310に設けられたスリット312が、発光部332が放射する光を透過して受光部334により受光されることにより、スリット312が検出される。すなわち、モータ320においては、スリット312が被検出子とされ、外環部310が被検出部とされているのである。
上記実施例におけるロータ76に代えて、図8に示すようなロータを採用することができる。図のものは、上記実施例におけるロータ76に複数の貫通穴400を設けたものである。複数の貫通穴400は、ロータ410の中心を中心とする一円周に沿って等間隔に設けられている。ロータ410を備えたモータ420は、図9に示すように、前述のモータ50,320と同様に構成される。貫通穴400をモータ軸52の軸方向において、両側から挟むように光センサ430の発光部432と受光部434とが配設されている。なお、モータ420に採用されている磁石は、前述のモータ50,320において採用されていたリング状の磁石80と異なり、扇状の扁平な磁石440が複数、互いに間隔を隔てて配設されることによって構成されたものである。受光部434は、磁石440の間隙に配設される。
本発明の実施形態である車両用ステアリング装置の全体構成を示す模式図である。 上記ステアリング装置の操作部材保持装置の断面図である。 上記操作部材保持装置に設けられたモータが備えるロータを示す図である。 上記モータが備える磁石を示す図である。 上記ステアリング装置に設けられたロッド駆動装置の断面図である。 上記とは別のモータが備える外環部を有するロータを示す図である。 上記外環部を有するロータを備えるモータを示す断面図である。 上記とはさらに別のモータが備える貫通穴を有するロータを示す図である。 上記貫通穴を有するロータを備えるモータを示す断面図である。
符号の説明
10:操作部 12:転舵部 14:ステアリング制御装置 20:ハンドル(ステアリングホイール) 24:操作部材保持装置 28:操作部ハウジング 30:軸受 34:操作軸 40:アブソリュートエンコーダ 50:モータ 52:モータ軸 54:モータ軸側ギヤ 60:大径中間ギヤ 62:小径中間ギヤ 64:支持軸 65:ブッシュ 66:トレランスリング 68:操作軸側ギヤ 70:モータハウジング 72:軸受 76:ロータ 78:ロータ盤面 80:磁石 84:光遮断センサ 86:鍔付円筒部材 88:リング部材 90:基材 91:基材盤面 92:シート状コイル 94:導電片 96:端部 100:突起 104:発光部 106:受光部 108:外周部 110:ブラシ 130:転舵ロッド 132:ロッド駆動装置 134:タイロッド 136:ナックルアーム 138:転舵車輪 140:駆動装置ハウジング 150:モータ 152:モータ軸 156:モータハウジング 158:軸受 160:反射光センサ 170:ねじ部 174:ボールナット 175:軸受 176:ナット側ギヤ 180:モータ軸側ギヤ 184:大径中間ギヤ 188:小径中間ギヤ 192:支持軸 196:ブッシュ 200:転舵位置センサ 204:電流計 208:軸力センサ 250:コンピュータ 252:CPU 254:ROM 256:RAM 258:入出力インターフェース(I/O) 300:外環部形成部材 302:ロータ 306:内周部 310:外環部 320:ロータ 330:光センサ 332:発光部 334:受光部 400:貫通穴 410:ロータ 420:モータ 430:光センサ 432:発光部 434:受光部 440:磁石

Claims (8)

  1. 概して円盤状のロータを有するモータであって、
    前記ロータが、自身の中心を中心とする一円周に沿って規則的に設けられた多数の被検出子を有する被検出部を備え、
    当該モータが、前記ロータの回転位置を検出するために利用されるセンサであって前記被検出部と向かい合う位置に固定されて前記被検出子を検出するセンサを備えることを特徴とするセンサ内蔵型モータ。
  2. 前記ロータが、概して円板状の基材と、その基材に設けられてその基材と略平行なループを多数形成するシート状コイルとを備え、
    当該モータが、前記シート状コイルと向かい合うように配設されたステータと、前記ロータの回転に応じて前記シート状コイルに流れる電流を変化させるブラシとを備えた請求項1に記載のセンサ内蔵型モータ。
  3. 前記被検出子が、前記基材を貫通して設けられた貫通穴である請求項2に記載のセンサ内蔵型モータ。
  4. 前記ロータが、前記基材の外径よりも径の大きい環状の部分である外環部を形成する状態で前記基材に付設された外環部形成部材を備え、
    その外環部形成部材の前記外環部となる部分に前記被検出子が設けられたことによりその外環部に前記被検出部を備える請求項2に記載のセンサ内蔵型モータ。
  5. 前記シート状コイルが、前記基材の表面に周方向において規則的に配列した複数の導電線を有し、
    前記センサが、前記基材の中心を中心とする一円周上における前記導電線の部分を前記被検出子として検出するようにされた請求項2に記載のセンサ内蔵型モータ。
  6. 前記シート状コイルが、前記複数の導電線の各々が前記基材から外周に延び出した複数の導電線延出部を有し、
    前記センサが、前記複数の導電線延出部の各々を前記被検出子として検出するようにされた請求項5に記載のセンサ内蔵型モータ。
  7. 操作部材を有する操作部と、その操作部材の操作に応じて車輪の向きを変える転舵部とを備えるステアリング装置であって、
    請求項1ないし6のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータを備えることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  8. 当該ステアリング装置が、前記操作部材に加えられた操作力によらずに車輪の向きを変えるものであり、
    前記転舵部が、前記車輪の向きを変える力である転舵力を発生させる動力源を備えるとともに、前記操作部が、反力発生源としての反力モータを有して前記操作部材に操作反力を付与する反力付与装置を備え、
    前記反力モータが請求項1ないし6のいずれかに記載のセンサ内蔵型モータとされた請求項7に記載の車両用ステアリング装置。
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