JP2005158624A - リチウム二次電池用正極材及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高出力化、特に低温環境下での高出力化を図りつつ、寿命性能を改善可能なリチウム二次電池用正極材を提供する。
【解決手段】 リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトを含む原料を混合・焼成することにより、層状結晶構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の1次粒子が集合した2次粒子の正極材を調製した。2次粒子の平均粒子径を5〜20μmとし、2次粒子の空孔容積比を10〜40%とした。この正極材を用いた正極と、負極材として平均粒子径5〜20μmの非晶質炭素粉末を用いた負極とを非水電解液に浸潤させてリチウムイオン二次電池を作製した。正極材の2次粒子内に浸透する非水電解液の量が適正化され分布がほぼ均一化される。
【選択図】 なし
【解決手段】 リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトを含む原料を混合・焼成することにより、層状結晶構造を有するリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の1次粒子が集合した2次粒子の正極材を調製した。2次粒子の平均粒子径を5〜20μmとし、2次粒子の空孔容積比を10〜40%とした。この正極材を用いた正極と、負極材として平均粒子径5〜20μmの非晶質炭素粉末を用いた負極とを非水電解液に浸潤させてリチウムイオン二次電池を作製した。正極材の2次粒子内に浸透する非水電解液の量が適正化され分布がほぼ均一化される。
【選択図】 なし
Description
本発明はリチウム二次電池用正極材及びリチウム二次電池に係り、特に、層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池用正極材及び該正極材を用いたリチウム二次電池に関する。
従来、再充電可能な二次電池の分野では、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の水溶液系電池が主流であった。しかしながら、地球温暖化や燃料枯渇の問題から電気自動車(EV)や駆動の一部を電気モータで補助するハイブリッド自動車(HEV)が着目され、これらの電源に用いられる電池にはより高容量で高出力な性能が求められるようになってきた。このような要求に合致する電源として、高電圧を有するリチウム二次電池が注目されている。
リチウム二次電池の正極材には、一般に、リチウム遷移金属複合酸化物が用いられており、中でも容量やサイクル特性等のバランスからコバルト酸リチウムが用いられている。ところが、コバルトは資源量が少なくコスト高となることから、EVやHEV用電池の正極材としてはマンガン酸リチウムに代表されるマンガンを含むリチウム遷移金属複合酸化物が有望視され開発が進められている。このリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造がスピネル結晶構造の場合は、リチウムイオンの拡散経路が三次元的であるのに対し、層状結晶構造の場合は二次元的である。このため、層状結晶構造のリチウム遷移金属複合酸化物は、常温環境下ではリチウムイオンの拡散性が高く出力特性に優れるものの、低温環境下では結晶が収縮してリチウムイオンの拡散性が低下するため、出力の低下を招く。
一方、負極材には、一般に、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系材料やフラン樹脂等を焼成した非晶質炭素材料の炭素材が用いられている。非晶質炭素材料は理論容量値が黒鉛系材料より高いため、容量、サイクル特性に優れると共に、充放電時の電圧特性に傾きを有しているため、電圧測定により電池の状態を容易かつ正確に推定可能なリチウム二次電池を得ることができるが、不可逆容量が黒鉛系材料より大きいため、電池での高容量化が難しく、また、電子伝導性が黒鉛系材料に比べて劣る。これに対して、黒鉛系材料は不可逆容量が小さく電圧特性も平坦であるため、高容量、高出力のリチウム二次電池を得ることができるが、充放電に伴う結晶の体積変化が大きいため、早期に寿命に至り、また、大電流密度での充電受け入れ性が非晶質炭素に比べて劣る。
上述したEVやHEV用電池では、充放電における電流密度が大きく、長寿命、高出力特性が要求されるため、一般に、複数の単電池を接続して用いられる。単電池の特性のバラツキが寿命特性や安全性を左右することから、通常、制御システムを併用して単電池の電圧等を監視・制御することでバラツキの抑制が図られている。ところが、上述したように黒鉛系材料では電圧特性が平坦であるため、電圧から電池の状態を正確に監視することが難しく、これを解決するには高精度な制御システムが必要となる。従って、EVやHEV用電池の負極材としては、非晶質炭素を主とすることが望ましく、正極材に層状結晶構造のリチウム遷移金属複合酸化物を用いて、高出力化の改善を進めることが有望である。
リチウム二次電池の高出力化を図るためには、正負極材の平均粒子径を小さくしたり、正負極の厚さを薄くしたりして電極反応面積を増やしつつ、正負極合剤層内の電子伝導性及びリチウムイオン拡散性を向上させる必要がある。反応面積を増やすために正極材の平均粒子径を小さくすると、取り扱いに不都合が生じるため、2次粒子化することが一般的である。例えば、正極材に平均粒子径0.01〜5.0μmの1次粒子が凝集してなる平均粒子径0.1〜15μmの2次粒子を用いた電池が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、電子伝導性を向上させるためには、導電材を添加したり、正負極合剤密度を大きくしたりして電子伝導のネットワークを確保する等種々の低抵抗化が必要となり、リチウムイオン拡散性を向上させるためには、非水電解液が浸透する空間を確保することが必要となる。
しかしながら、特許文献1の技術では、正極材を2次粒子とすることにより反応面積は大きくなるが、2次粒子内に非水電解液の浸透する空間が十分に確保されないため、反応が部分的に集中して正極材の劣化を招き寿命性能が低下する。また、低温環境下では、非水電解液中でのリチウムイオンの移動が鈍くなるため、出力が低下する、という問題がある。更に、上述したように低温環境下で結晶が収縮する層状結晶構造を有する正極材では、体積変化により2次粒子が崩壊して電子伝導のネットワークが崩れるため、出力が低下する。従って、正極材の2次粒子を崩壊させることなく2次粒子内に非水電解液を十分に浸透させることが可能となれば、リチウム二次電池の出力や寿命性能の低下を抑制することが期待できる。
本発明は上記事案に鑑み、高出力化、特に低温環境下での高出力化を図りつつ、寿命性能を改善可能なリチウム二次電池用正極材及び該正極材を用いたリチウム二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池用正極材において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の1次粒子が集合して形成された2次粒子の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、かつ、前記2次粒子の容積に対する前記2次粒子の空孔容積の割合が10%〜40%の範囲であることを特徴とする。
第1の態様では、リチウム遷移金属複合酸化物の1次粒子が集合して形成された2次粒子の平均粒子径が5μmに満たないと、結晶の成長が不十分なため、反応抵抗が増大してリチウム二次電池の出力が低下し、反対に、平均粒子径が20μmを超えると、反応面積が減少するため、出力低下を招く。また、2次粒子の容積に対する2次粒子内の空孔容積の割合が10%に満たないと、2次粒子内への非水電解液の浸透が不十分となるため、電極反応にバラツキが生じて部分的に反応が集中することから、正極材が劣化して電池の寿命性能が低下する。特に、低温環境下では正極材の層状結晶が収縮するため、リチウムイオン拡散性が低下し電極反応のバラツキが顕著となる。反対に、2次粒子内の空孔容積の割合が40%を超えると、2次粒子内に非水電解液が十分浸透し電極反応が均一に行われるものの、リチウムイオンの挿入・脱挿入による正極材の体積変化に2次粒子の形状が追従できないため、充放電により2次粒子が徐々に崩壊し出力が低下する。
第1の態様によれば、正極材の2次粒子の平均粒子径を5μm以上20μm以下とし、かつ、2次粒子の容積に対する2次粒子内の空孔容積の割合を10%〜40%の範囲としたので、正極材の反応面積が適正化されるため、リチウム二次電池の出力低下を抑制することができると共に、2次粒子内に浸透する非水電解液の量が適正化されるため、2次粒子が崩壊することなく低温環境下における電極反応のバラツキが抑制されることから、リチウム二次電池の出力及び寿命性能の低下を抑制することができる。第1の態様において、リチウム遷移金属複合酸化物をリチウムマンガンニッケルコバルト複合酸化物としてもよい。
また、本発明の第2の態様は、層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池用正極材において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の1次粒子が集合して形成された2次粒子の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、かつ、前記2次粒子の容積に対する前記2次粒子の空孔容積の割合が20%〜30%の範囲であることを特徴とする。第2の態様では、2次粒子の容積に対する2次粒子の空孔容積の割合を20%〜30%の範囲としたので、2次粒子内に浸透する非水電解液の量が第1の態様と比較してより適正化されるため、リチウム二次電池の出力及び寿命性能の低下を更に抑制することができる。第2の態様において、リチウム遷移金属複合酸化物をリチウムマンガンニッケルコバルト複合酸化物としてもよい。
また、本発明の第3の態様は、層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極材及び導電材を含む正極と、リチウムイオンを脱挿入可能な負極材及び導電材を含む負極とを非水電解液に浸潤させたリチウム二次電池において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の1次粒子が集合して形成された2次粒子の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、かつ、前記2次粒子の容積に対する前記2次粒子の空孔容積の割合が10%〜40%の範囲であることを特徴とする。第3の態様では、第1の態様の正極材を含む正極としたので、第1の態様と同様の作用を奏し、低温環境下における出力及び寿命性能に優れたリチウム二次電池を得ることができる。第3の態様において、空孔容積の割合を20%〜30%の範囲としてもよい。また、リチウム遷移金属複合酸化物をリチウムマンガンニッケルコバルト複合酸化物としてもよい。
本発明によれば、正極材の2次粒子の平均粒子径を5μm以上20μm以下とし、かつ、2次粒子の容積に対する2次粒子内の空孔容積の割合を10%〜40%の範囲としたので、正極材の反応面積が適正化されるため、リチウム二次電池の出力低下を抑制することができると共に、2次粒子内に浸透する非水電解液の量が適正化されるため、2次粒子が崩壊することなく低温環境下における電極反応のバラツキが抑制されることから、リチウム二次電池の出力及び寿命性能の低下を抑制することができる、という効果を得ることができる。
以下、本発明を円筒型リチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について説明する。
(正極材の作製)
正極材には、一般式が、LiXNiYMnZCo(1−Y−Z)O2で示される層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いた。ここで、一般式中のXは0<X<1.2で表され、Y及びZはY+Z<1を満たす数である。マンガン(Mn)の割合が大きくなると単一相のリチウム遷移金属複合酸化物が合成しにくくなるため、Y+Zは0.4以下とすることが望ましい。また、コバルト(Co)の割合が大きくなると高コストとなり容量も著しく低下するため、(1−Y−Z)<Y及び(1−Y−Z)<Zとすることが望ましい。なお、一般式中の酸素の価数は2に限定されるものではなく、多少欠損が生じても良い。
正極材には、一般式が、LiXNiYMnZCo(1−Y−Z)O2で示される層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いた。ここで、一般式中のXは0<X<1.2で表され、Y及びZはY+Z<1を満たす数である。マンガン(Mn)の割合が大きくなると単一相のリチウム遷移金属複合酸化物が合成しにくくなるため、Y+Zは0.4以下とすることが望ましい。また、コバルト(Co)の割合が大きくなると高コストとなり容量も著しく低下するため、(1−Y−Z)<Y及び(1−Y−Z)<Zとすることが望ましい。なお、一般式中の酸素の価数は2に限定されるものではなく、多少欠損が生じても良い。
このようなリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトを含む原料を混合・焼成することによって得ることができる。原料としては、リチウム源には、例えば、炭酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウムなどが挙げられる。ニッケル源には、例えば、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、水酸化ニッケル、酸化ニッケル、過酸化ニッケルなどが挙げられる。マンガン源には、例えば、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、四酸化三マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガンなどが挙げられる。コバルト源には、例えば、酸化コバルト、三酸化二コバルト、四酸化三コバルト、水酸化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルトなどが挙げられる。
これらのリチウム源、ニッケル源、マンガン源、コバルト源を上述した一般式の組成となるように乾式で混合・粉砕して焼成原料とする。又は、湿式で混合して造粒・乾燥してもよく、湿式で混合後共沈させて粉砕・乾燥し焼成原料としてもよい。湿式混合するときは、分散媒として水又は有機溶媒を用いることができるが、水を用いることが好ましい。また、混合機および分散機としてはビーズミル、ボールミル、ジェットミルなどの装置が代表的である。乾燥方法には、特に限定されるものではないが、噴霧乾燥方法が多く採用されている。噴霧乾燥方法では適正な乾燥温度と噴霧量とで容易に乾燥することができ、噴霧速度、乾燥温度、噴霧ノズル形状及び噴霧ガス供給量などの調整により焼成原料の粒子径や充填密度を制御することができる。噴霧ガスには空気や不活性ガスが用いることができるが、通常、空気が使用され特に支障も無い。乾燥温度が低いと乾燥が不十分となり同時に乾燥炉内に結露が発生するため、乾燥温度は60°C以上とすることが好ましい。
得られた焼成原料を電気炉内に静置して焼成する。焼成装置には、電気炉以外に、ガス炉、トンネル炉、ロータリーキルンなどを使用してもよい。焼成条件は、温度を通常700°Cから1100°Cとし、8時間から48時間かけて焼成する。昇温速度は特に限定されるものではないが、焼成温度に保持する時間は少なくとも4時間以上が必要である。焼成温度が低いと焼成時間が長くなると共に結晶成長が不十分となり、リチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子の充填密度も小さくなる。一方、温度が高いと別の結晶相の生成や欠陥の多いリチウム遷移金属複合酸化物となり、リチウム源が昇華して組成ズレも生じる。また、焼成後の冷却は、別の結晶相の生成や欠陥の多い複合酸化物の生成を抑制するため、徐冷することが望ましく、例えば、300°C/h以下の冷却速度で徐冷却する。焼成温度、焼成時間を調整することにより、2次粒子内の空孔容積比の異なるリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子の平均粒子径を、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、平均粒子径5〜20μmのものを選定した。また、2次粒子の容積を粒子像解析装置にて測定し、空孔容積を水銀圧入法による細孔分布測定により求め、2次粒子の容積に対する空孔容積の割合(以下、空孔容積比という。)を算出し、空孔容積比10〜40%のものを選定した。なお、2次粒子の容積は2次粒子を真球状と想定して算出した値である。
(正極)
上述のようにして作製したリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を正極材とした。正極材100質量部に対して、導電材としての鱗片状黒鉛10質量部と、結着材のポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部とを添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドンを添加、混練してスラリを得た。このスラリを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面にロール・ツー・ロールによる転写で塗布し、乾燥させることでアルミニウム箔両面にほぼ均等かつ均質な正極合剤層を形成した。このとき、正極集電体の長手方向片側の側縁に未塗布部を残した。その後、ロールプレス機で正極合剤層をプレスして正極合剤密度2.70g/cm3とし、幅80mmに裁断して帯状の正極を得た。なお、側縁に残した未塗布部に切り欠きを形成して正極リード片とした。
上述のようにして作製したリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を正極材とした。正極材100質量部に対して、導電材としての鱗片状黒鉛10質量部と、結着材のポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部とを添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドンを添加、混練してスラリを得た。このスラリを厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面にロール・ツー・ロールによる転写で塗布し、乾燥させることでアルミニウム箔両面にほぼ均等かつ均質な正極合剤層を形成した。このとき、正極集電体の長手方向片側の側縁に未塗布部を残した。その後、ロールプレス機で正極合剤層をプレスして正極合剤密度2.70g/cm3とし、幅80mmに裁断して帯状の正極を得た。なお、側縁に残した未塗布部に切り欠きを形成して正極リード片とした。
(負極)
負極材として平均粒子径5〜20μmの非晶質炭素粉末を用いた。負極材100質量部に対して、導電剤としてのアセチレンブラック5質量部と、PVDFの10質量部とを添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドンを添加、混練したスラリを得た。このスラリを厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面にロール・ツー・ロールによる転写で塗布し、乾燥させることで銅箔両面にほぼ均等かつ均質な負極合剤層を形成した。このとき、負極集電体の長手方向片側の側縁に未塗布部を残した。その後、ロールプレス機で負極合剤層をプレスして負極合剤密度1.0g/cm3とし、幅85mmに裁断して帯状の負極を得た。なお、側縁に残した未塗布部に切り欠きを形成して負極リード片とした。
負極材として平均粒子径5〜20μmの非晶質炭素粉末を用いた。負極材100質量部に対して、導電剤としてのアセチレンブラック5質量部と、PVDFの10質量部とを添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドンを添加、混練したスラリを得た。このスラリを厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面にロール・ツー・ロールによる転写で塗布し、乾燥させることで銅箔両面にほぼ均等かつ均質な負極合剤層を形成した。このとき、負極集電体の長手方向片側の側縁に未塗布部を残した。その後、ロールプレス機で負極合剤層をプレスして負極合剤密度1.0g/cm3とし、幅85mmに裁断して帯状の負極を得た。なお、側縁に残した未塗布部に切り欠きを形成して負極リード片とした。
(電池の作製)
正極と、負極とをこれら両極板が直接接触しないように幅90mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレータと共に捲回し捲回群を作製した。捲回の中心には、ポリプロピレン製の中空円筒状の軸芯を用いた。このとき、正極リード片と負極リード片とが、それぞれ捲回群の互いに反対側の両端面に位置するようにした。また、正極板、負極板、セパレータの長さを調整し、捲回群の直径を38±0.1mmとした。
正極と、負極とをこれら両極板が直接接触しないように幅90mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレータと共に捲回し捲回群を作製した。捲回の中心には、ポリプロピレン製の中空円筒状の軸芯を用いた。このとき、正極リード片と負極リード片とが、それぞれ捲回群の互いに反対側の両端面に位置するようにした。また、正極板、負極板、セパレータの長さを調整し、捲回群の直径を38±0.1mmとした。
正極リード片を変形させ、その全てを、捲回群の軸心のほぼ延長線上にある正極集電リングの周囲から一体に張り出した鍔部周面付近に集合、接触させた後、正極リード片と鍔部周面とを超音波溶接して正極リード片を鍔部周面に接続した。一方、負極集電リングと負極リード片との接続操作も、正極集電リングと正極リード片との接続操作と同様に実施した。その後、正極集電リングの鍔部周面全周に絶縁被覆を施した。この絶縁被覆には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いた。この粘着テープを鍔部周面から捲回群外周面に亘って一重以上巻いて絶縁被覆とし、捲回群をニッケルメッキが施されたスチール製の電池容器内に挿入した。電池容器の外径は40mm、内径は39mmである。
負極集電リングには予め電気的導通のための負極リード板を溶接しておき、電池容器内に捲回群を挿入後、電池容器の底部と負極リード板とを溶接した。一方、正極集電リングには、予め複数枚のアルミニウム製のリボンを重ね合わせて構成した正極リードの一端を溶接しておき、正極リードの他端を、電池容器を封口するための電池蓋の下面に溶接した。電池蓋は、蓋ケースと、気密を保つ弁押さえと、円筒型リチウムイオン電池の内圧上昇に応じて開裂する開裂弁とで構成されており、これらが積層されて蓋ケースの周縁をカシメることによって組立てられている。開裂弁の開裂圧は、約9×105Paに設定した。
電極群を浸潤可能な量の非水電解液を電池容器内に注液し、その後、正極リードを折りたたむようにして電池蓋で電池容器に蓋をし、EPDM樹脂製ガスケットを介してカシメて密封することにより円筒型リチウムイオン二次電池を完成させた。非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比1:1:1の混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットル溶解したものを用いた。なお、円筒型リチウムイオン電池には、電池温度の上昇に応じて電気的に作動する、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子や、電池内圧の上昇に応じて正極あるいは負極の電気的リードが切断される電流遮断機構は設けられていない。
次に、本実施形態に従って、空孔容積比の異なる正極材を用いて作製したリチウムイオン二次電池の実施例について説明する。なお、実施例の効果を確認するために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、以下に示す条件で、Li:Ni:Mn:Co=1:0.34:0.33:0.33(モル比)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を調製し、リチウムイオン二次電池を作製した。下表1に示すように、実施例1のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物では、2次粒子の平均粒子径5μm、空孔容積比20%とした。
実施例1では、以下に示す条件で、Li:Ni:Mn:Co=1:0.34:0.33:0.33(モル比)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を調製し、リチウムイオン二次電池を作製した。下表1に示すように、実施例1のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物では、2次粒子の平均粒子径5μm、空孔容積比20%とした。
ニッケル源、マンガン源、コバルト源を湿式で混合後共沈させて乾燥・粉砕し、そこにリチウム源を乾式で混合する2段階方式で作製した。原料には、平均粒子径1μmの硫酸ニッケル(6水和物)89.4g、平均粒子径1μmの硫酸コバルト(7水和物)92.8g、平均粒子径1μmの硫酸マンガン(6水和物)79.6gを用い、1リットルのイオン交換水に溶解・分散させ、400メッシュのフィルタに通過させた。ここに0.5N水酸化リチウム水溶液を徐々に加えて、ニッケルコバルトマンガン混合の水酸化物を共沈させた。アコーディオン形のフィルタプレス装置に入れて共沈物をろ過し、120°Cで1時間攪拌しながら乾燥させ、次いでジェットミルにて平均粒子径が種々異なるように粉砕した。ジェットミル内の粉砕したニッケルコバルトマンガン混合の水酸化物に炭酸リチウム74gを加えて混合し、焼成原料とした。得られた焼成原料をジルコニア製の容器に入れ、電気炉内に静置して焼成した。焼成温度は、昇温速度5°C/分で1000°Cとし、1000°Cにて8時間保持して焼成した。その後5°C/分の速度で徐冷した。得られたリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物は、粉末X線回折測定により、菱面体晶の層状構造を有し、組成はLiNi0.34Mn0.33Co0.33O2であることを確認した。
(実施例2〜実施例3)
表1に示すように、実施例2〜実施例3では、平均粒子径を変える以外は実施例1と同様にした。実施例2では平均粒子径10μmとし、実施例3では平均粒子径20μmとした。
表1に示すように、実施例2〜実施例3では、平均粒子径を変える以外は実施例1と同様にした。実施例2では平均粒子径10μmとし、実施例3では平均粒子径20μmとした。
(実施例4)
表1に示すように、実施例4では、平均粒子径を10μm、空孔容積比を10%とする以外は実施例1と同様にした。
表1に示すように、実施例4では、平均粒子径を10μm、空孔容積比を10%とする以外は実施例1と同様にした。
(実施例5〜実施例6)
表1に示すように、実施例5〜実施例6では、空孔容積比を変える以外は実施例4と同様にした。実施例5では空孔容積比30%とし、実施例6では空孔容積比40%とした。
表1に示すように、実施例5〜実施例6では、空孔容積比を変える以外は実施例4と同様にした。実施例5では空孔容積比30%とし、実施例6では空孔容積比40%とした。
(比較例1〜比較例2)
表1に示すように、比較例1〜比較例2では、平均粒子径を変える以外は実施例1と同様にした。比較例1では平均粒子径2μmとし、比較例2では平均粒子径25μmとした。
表1に示すように、比較例1〜比較例2では、平均粒子径を変える以外は実施例1と同様にした。比較例1では平均粒子径2μmとし、比較例2では平均粒子径25μmとした。
(比較例3〜比較例4)
表1に示すように、比較例3〜比較例4では、空孔容積比を変える以外は実施例4と同様にした。比較例3では空孔容積比8%とし、比較例4では空孔容積比45%とした。
表1に示すように、比較例3〜比較例4では、空孔容積比を変える以外は実施例4と同様にした。比較例3では空孔容積比8%とし、比較例4では空孔容積比45%とした。
(試験)
次に、以上のように作製した実施例及び比較例の各電池について以下の試験を実施した。
次に、以上のように作製した実施例及び比較例の各電池について以下の試験を実施した。
各電池を25°C(室温)の雰囲気下にて3時間率(0.33C)で定電流定電圧充電(設定電圧4.1V)を5時間行った後、1時間率(1C)で放電終止電圧2.7Vに至るまで放電し、再度同条件で充電した。次に、日本蓄電池工業会規格SBA8503に準じ、放電電流1、3、6Aの各電流値で放電し、5秒目の電圧を測定、この電流−電圧特性より初期の出力を求めた。更に、初期の出力を測定した電池を−25°C(低温)の恒温槽内に24時間静置して電池全体が−25°Cになるように冷却し、上述した室温での初期出力の測定と同条件で、低温での出力特性を測定した。
充放電サイクルによる出力劣化を確認するため、室温雰囲気下に24時間静置した後、室温雰囲気下にて3時間率(0.33C)で定電流定電圧充電(設定電圧4.1V)を5時間行った後、1時間率(1C)で放電終止電圧2.7Vに至るまでの充放電を繰り返し、100サイクル経過後、初期出力の測定と同様に電池の出力を測定した。初期出力に対する100サイクル後の出力の割合を百分率で求め、100サイクル後の維持率とした。下表2に、室温雰囲気下、低温雰囲気下における出力、100サイクル後の維持率の試験結果を示す。
表2に示すように、2次粒子の平均粒子径を5μm以上20μm以下、かつ、空孔容積比を10〜40%としたLi−Mn−Ni−Co複合酸化物を正極材に用いた実施例1〜実施例6の電池では、低温環境下での出力が330W以上確保され、また、充放電サイクルを100回繰り返した後でも初期出力の85%以上の出力が維持されている。中でも、空孔容積比を20〜30%とした実施例2、実施例5の電池では、低温環境下の出力が380W以上となり、100サイクル後の維持率も92%以上となることが判明した。
これに対し、平均粒子径5μm未満の正極材を用いた比較例1の電池では、出力が室温環境下、低温環境下いずれも低下しており、また、平均粒子径20μmを超える正極材を用いた比較例2の電池でも、室温環境下、低温環境下の出力が低下した。これは、平均粒子径が5μmに満たないと、結晶が未成長のため、内部抵抗が増大して出力が低下し、反対に、20μmを超えると、反応面積が小さくなるため、正極材質量当たりの電流密度が増大して出力が低下したと考えられる。
また、空孔容積比が10%未満の正極材を用いた比較例3の電池では、低温での出力低下が著しく、また、充電し続けて過充電状態にすると電池が破裂する結果となり、安全性が著しく損なわれていることが判明した。これは、2次粒子中に浸透する非水電解液の量が少ないため、非水電解液の分布が不均一となり、非水電解液の存在する部分に電極反応が集中して、出力が低下したと考えられる。また、充電し続けると電極反応の集中部分が早期から過充電状態に至るため、安全性が低下したものと考えられる。逆に、空孔容積比が40%を超える正極材を用いた比較例4の電池では、初期出力が低く、サイクル後の維持率の低下も大きくなった。これは、正極材を含む合剤スラリを作製する際、2次粒子の空孔にバインダや分散溶媒が選択的に入り込んでスラリ固形分濃度が低下し、その結果スラリの沈降や分散溶媒の遊離が生じてバインダ分布の不均一化による合剤剥離が発生したため、維持率が低下したと考えられる。また、空孔内に入り込んだバインダがリチウムイオンの移動を阻害するため、出力が低下したものと考えられる。更に、充放電サイクルに伴う正極材の体積変化により、2次粒子構造が徐々に崩壊して電子伝導性の低下や電極反応の不均一化が起こるため、出力及び維持率が低下したものと考えられる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池では、正極材に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子の平均粒子径が5〜20μmとされる。このため、正極材の反応面積が最適化されるので、出力の低下を抑制することができる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池では、リチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子の空孔容積比が10〜40%とされる。このため、2次粒子内に浸透する非水電解液の量が適正化されて非水電解液が2次粒子内に均一に分布するので、リチウムイオンの拡散性が確保されることから、出力の低下を抑制することができる。また、2次粒子内の空孔が均一に分布することから、充放電に伴う正極材の膨張・収縮や低温環境下における層状結晶の収縮が発生しても、2次粒子構造の崩壊が抑制されるので、出力及び寿命性能の低下を抑制することができる。更に、非水電解液が均一に分布することから、電極反応が均一に進行するので、充電し続けても部分的に過充電状態となることなく安全性を確保することができる。また、空孔容積比を20〜30%とすることにより、2次粒子内の非水電解液の量がより適正化されるので、出力、寿命性能の低下を更に抑制することができる。
なお、本実施形態では、正極材にLiNi0.34Mn0.33Co0.33O2、正極導電材に鱗片状黒鉛、バインダにPVDF、負極導電材にアセチレンブラック、非水電解液にエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートの混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウムを溶解したものを例示したが、以下に詳述するように、これらは上述した特許請求の範囲に記載した以外に制限されるものではなく、通常用いられているいずれのものも使用可能である。
本実施形態で用いた正極材は、Li−Mn−Ni−Co複合酸化物でNi/Mn/Coの比が1:1:1であるが、層状結晶構造を有する限りこの比率に限定されるものではない。また、Li/(Ni+Mn+Co)比も本実施形態では1.0を用いたが、この値に限定されるものではなく、Li過剰としても良い。更に、その他CoやNiの複合酸化物や、Mn、Co、Niの一部を例えば、Li、Co、Ni、Mn、Fe、Cu、A1、Cr、Mg、Zn、V、Ga、B、Fの少なくとも1種類以上の元素で置換又はドープしたリチウム遷移金属複合酸化物等を用いてもよい。
また、本例以外で用いることのできるバインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体及びこれらの混合体などが挙げられる。
更に、本例以外で用いることのできる正極導電材にも黒鉛系炭素材であれば特に制限はない。例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料等でよく、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。また、本例以外で用いることができる負極導電材にも特に制限されるものではなく、例えば、ケッチェンブラック等の無定形炭素を用いるようにしてもよい。
また更に、非水電解液としては、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した非水電解液を用いることができる。また、用いられるリチウム塩や有機溶媒も特に制限されるものではない。例えば、電解質としては本例の他に、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li等やこれらの混合物を用いることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこれら2種類以上の混合溶媒を用いることができ、混合配合比についても限定されるものではない。
更にまた、本実施形態では、円筒型リチウムイオン電池について例示したが、本発明は電池の形状については限定されず、角形、その他の多角形の電池にも適用可能である。また、本発明の適用可能な構造としては、上述した電池容器に電池蓋がカシメによって封口されている構造の電池以外であっても構わない。このような構造の一例として正負外部端子が電池蓋を貫通し、電池容器内で軸芯を介して正負外部端子が押し合っている状態の電池を挙げることができる。更に本発明は、正極及び負極を捲回式の構造とせず、積層式の構造としたリチウム二次電池にも適用可能である。
本発明に係るリチウム二次電池用正極材によれば、リチウム二次電池の高出力化、特に低温環境下での高出力化を図りつつ、寿命性能を改善可能なため、製造、販売等に寄与し、産業上利用可能である。
Claims (6)
- 層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池用正極材において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の1次粒子が集合して形成された2次粒子の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、かつ、前記2次粒子の容積に対する前記2次粒子の空孔容積の割合が10%〜40%の範囲であることを特徴とする正極材。
- 層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム二次電池用正極材において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の1次粒子が集合して形成された2次粒子の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、かつ、前記2次粒子の容積に対する前記2次粒子の空孔容積の割合が20%〜30%の範囲であることを特徴とする正極材。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物がリチウムマンガンニッケルコバルト複合酸化物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の正極材。
- 層状結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極材及び導電材を含む正極と、リチウムイオンを挿入・脱挿入可能な負極材及び導電材を含む負極とを非水電解液に浸潤させたリチウム二次電池において、前記リチウム遷移金属複合酸化物の1次粒子が集合して形成された2次粒子の平均粒子径が5μm以上20μm以下であり、かつ、前記2次粒子の容積に対する前記2次粒子の空孔容積の割合が10%〜40%の範囲であることを特徴とするリチウム二次電池。
- 前記空孔容積の割合が20%〜30%の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のリチウム二次電池。
- 前記リチウム遷移金属複合酸化物がリチウムマンガンニッケルコバルト複合酸化物であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のリチウム二次電池。
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