JP2005158192A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法、ならびに磁性層パターンの形成方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法、ならびに磁性層パターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 サイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とを両立させることが可能な薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】 磁束の放出部分としての磁極部分層を形成する際に、開口33Kを画定する2つのフレーム部33R,33Lが互いに異なる幅を有するようにフォトレジストパターン33を形成し、そのフォトレジストパターン33を加熱してフレーム部33R,33Lを変形させることにより開口33Kの幅をシード層12に近づくにしたがって次第に狭めたのち、そのフォトレジストパターン33の開口33Kに前駆磁極部分層13AZを形成し、その前駆磁極部分層13AZを研磨してエアベアリング面を形成することにより、エアベアリング面に露出した露出面が左右非対象の逆台形状となるように磁極部分層を形成する。この露出面の形状的特徴的に基づき、サイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とが両立される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、磁性層パターンの形成方法、ならびにその磁性層パターンの形成方法を使用して少なくとも記録用の誘導型磁気変換素子を備えた薄膜磁気ヘッドを製造するための薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
近年、磁気記録媒体(例えばハードディスク)の面記録密度の向上に伴い、磁気記録装置(例えばハードディスクドライブ)に搭載される薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。この薄膜磁気ヘッドの記録方式としては、例えば、信号磁界の向きをハードディスクの面内方向(長手方向)にする長手記録方式や、信号磁界の向きをハードディスクの面と直交する方向にする垂直記録方式が知られている。現在のところは長手記録方式が広く利用されているが、ハードディスクの面記録密度の向上に伴う市場動向を考慮すれば、今後は長手記録方式に代わり垂直記録方式が有望視されるものと想定される。なぜなら、垂直記録方式では、高い線記録密度を確保可能な上、記録済みのハードディスクが熱揺らぎの影響を受けにくいという利点が得られるからである。
垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドは、磁束を発生させる薄膜コイルと、この薄膜コイルにおいて発生した磁束をハードディスクに向けて放出することにより記録処理を実行する磁極層とを備えている。この磁極層は、エアベアリング面に露出した露出面を有しており、この露出面は、例えば矩形状を有している。この薄膜磁気ヘッドでは、薄膜コイルに電流が流れると、その薄膜コイルにおいて記録用の磁束が発生する。そして、磁極層からハードディスクに向けて磁束が放出されると、その磁束に基づいて発生した記録用の磁界(垂直磁界)によりハードディスクが磁化されるため、そのハードディスクに情報が磁気的に記録される。
垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドの記録性能を向上させるためには、例えば、一般に「サイドイレーズ」と呼ばれる不具合の影響を可能な限り抑制する必要がある。このサイドイレーズとは、ハードディスク上の記録対象となるトラック(以下、単に「記録対象トラック」という。)に記録処理を施す際に、その記録対象トラックに隣接したトラック(以下、単に「隣接トラック」という。)にまで意図せずに記録処理が施される結果、その隣接トラックに既に記録されていた情報が上書きされて消去される現象である。
このサイドイレーズは、主に、薄膜磁気ヘッドのスキューに起因して発生する。このスキューとは、ハードディスクドライブの記録動作時にサスペンション(スライダを支持するステンレス製の板バネ)をトラック方向に移動させた際に、ハードディスクの回転方向、すなわちハードディスク上のトラックの延在方向に対して薄膜磁気ヘッドが僅かに傾いてしまう現象である。薄膜磁気ヘッドがスキューすると、磁極層のうちの記録対象トラックに対応した本来の記録箇所(トレーリングエッジ)以外の箇所に集中した磁束に基づいて余分な垂直磁界が発生するため、この余分な垂直磁界に起因して隣接トラックが上書きされてしまうのである。したがって、サイドイレーズに起因する悪影響を抑制するためには、例えば、スキューに起因するサイドイレーズの発生を抑制し得るように磁極層を設計する必要がある。
そこで、従来より、上記したスキューに起因するサイドイレーズの発生を抑制することが可能な薄膜磁気ヘッドの構成や製造方法に関して、既にいくつかの技術が提案されている。
具体的には、例えば、露出面が矩形状に代えて左右対象の逆台形状を有する磁極層が知られており、この種の形状的特徴を有する磁極層を形成するための手法も併せて知られている。この形成手法では、加熱に伴うフォトレジストの変形作用を利用して、下方に向かって次第に幅が狭まるように開口が設けられたフォトレジストパターンを形成したのち、このフォトレジストパターンを使用して磁極層を形成している(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開2002−197611号公報 特開2002−197613号公報 特開2002−197615号公報
図37〜図40は、上記した左右対称の逆台形状の露出面を有する従来の磁極層の形成工程を具体的に説明するためのものであり、いずれも完成後の薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面に平行な断面構成を示している。
磁極層を形成する際には、まず、図37に示したように、支持用の基体101上にシード層102を形成したのち、このシード層102の表面にフォトレジストを塗布することによりフォトレジスト膜103を形成する。続いて、磁極層の平面形状に対応した開口104Kを有するマスク104を使用し、フォトリソグラフィ処理でフォトレジスト膜103をパターニング(露光・現像)することにより、図38に示したように、厚さ方向(図中のZ軸方向)においてほぼ一定幅を有する開口105Kを含むようにフォトレジストパターン105を形成する。続いて、フォトレジストパターン105を加熱することにより、図39に示したように、開口105Kの幅が基体101に近づくにしたがって次第に狭まるようにフォトレジストパターン105を変形させる。続いて、シード層102を使用し、フォトレジストパターン105の開口105Kに選択的にめっき膜を成長させることにより、その開口105Kに前駆磁極層106Zをパターン形成する。続いて、フォトレジストパターン105を除去したのち、前駆磁極層106Zをマスクとしてシード層102を選択的にエッチングすることにより、図40に示したように、そのシード層102の不要部分(前駆磁極層106Zにより覆われていない部分)を除去する。最後に、エアベアリング面となる側から前駆磁極層106Zを研磨してエアベアリング面を形成することにより、そのエアベアリング面に露出した露出面を有する磁極層が完成する。この磁極層の露出面は、図40に示した前駆磁極層106Zの断面形状に対応した形状を有し、すなわち左右対象の逆台形状となる。
しかしながら、上記した左右対象の逆台形状の露出面を有する磁極層では、例えば、ハードディスクドライブの構造に基づいて決定されるスキュー角(=磁極層の傾き角度)によっては、スキューに起因するサイドイレーズの発生を抑制させるために磁極層の露出面の形状を設計した場合に、その露出面の面積が小さくなりすぎると、サイドイレーズに起因する悪影響を抑制する観点において利点が得られる一方で、露出面の面積の減少に伴い、磁極層から放出される磁束の放出量が減少することに起因して記録用の磁界強度が低下するため、薄膜磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの1つであるオーバーライト特性が劣化するおそれがある。このオーバーライト特性とは、ハードディスクに記録されていた情報に新たな情報を上書き(重ね書き)する特性をいう。したがって、薄膜磁気ヘッドの記録性能を安定に確保するためには、スキューに起因するサイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とを両立させることが可能な磁極層の形成方法を確立する必要がある。この場合には、特に、薄膜磁気ヘッドの量産性を考慮して、既存の製造プロセスを使用して容易に磁極層を形成することが可能な形成方法を確立することが重要である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、サイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とを両立させることが可能な薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、既存の製造プロセスを使用して薄膜磁気ヘッドを容易に製造することが可能な薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に適用することが可能な磁性層パターンの形成方法を提供することにある。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁束を発生させる薄膜コイルと、媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在すると共に薄膜コイルにおいて発生した磁束を記録媒体に向けて放出する磁極部分を有する磁極層とを備えた薄膜磁気ヘッドを製造する方法であり、磁極層のうちの磁極部分を形成する工程が、下地層上に幅方向に対向配置されて開口を画定する第1および第2のフレーム部を有すると共にこれらの第1および第2のフレーム部が互いに異なる幅を有するようにフォトレジストパターンを形成する第1の工程と、フォトレジストパターンを加熱して下地層に近づくにしたがって次第に幅が広がるように第1および第2のフレーム部を変形させることにより、開口の幅を下地層に近づくにしたがって次第に狭まるようにする第2の工程と、フォトレジストパターンを使用して少なくとも開口に磁極部分を形成するための前駆磁極部分をパターン形成する第3の工程と、フォトレジストパターンを除去する第4の工程と、記録媒体対向面となる側から前駆磁極部分を研磨して記録媒体対向面を形成することにより、下地層上に記録媒体対向面に露出した露出面を有するように磁極部分をパターン形成する第5の工程とを含み、上記した露出面が、媒体進行方向側に位置して第1および第2の底角を規定する一方の端縁を互いに平行な一組の対辺のうちの長い方の対辺とし、かつ媒体進行方向側と反対側に位置する他方の端縁を一組の対辺のうちの短い方の対辺とすると共に、第1および第2の底角が互いに異なる角度を有する台形状となるように磁極部分を形成したものである。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、本発明の磁性層パターンの形成方法を使用して磁極部分が形成されるため、既存の製造プロセスを使用して露出面が左右非対称の逆台形状となるように磁極部分が容易に形成される。
本発明に係る磁性層パターンの形成方法は、所定の延在方向に延在する磁性層パターンを形成する方法であり、下地層上に幅方向に対向配置されて開口を画定する第1および第2のフレーム部を有すると共にこれらの第1および第2のフレーム部が互いに異なる幅を有するようにフォトレジストパターンを形成する第1の工程と、フォトレジストパターンを加熱して下地層に近づくにしたがって幅が広がるように第1および第2のフレーム部を変形させることにより、開口の幅を下地層に近づくにしたがって次第に狭まるようにする第2の工程と、フォトレジストパターンを使用して開口に磁性層パターンを形成する第3の工程と、フォトレジストパターンを除去する第4の工程とを含み、延在方向の端面が、第1および第2の底角を規定する一方の端縁を互いに平行な一組の対辺のうちの長い方の対辺とし、かつ一方の端縁に対向する他方の端縁を一組の対辺のうちの短い方の対辺とすると共に、第1および第2の底角が互いに異なる角度を有する台形状となるように磁性層パターンを形成したものである。
本発明に係る磁性層パターンの形成方法では、開口を画定する第1および第2のフレーム部が互いに異なる幅を有するようにフォトレジストパターンが形成されたのち、そのフォトレジストパターンが加熱され、第1および第2のフレーム部が下地層に近づくにしたがって次第に幅が広がるように変形することにより、開口の幅が下地層に近づくにしたがって次第に狭められる。これにより、フォトレジストパターンの開口に、延在方向の端面が左右非対称の逆台形状となるように磁性層パターンが形成される。しかも、この磁性層パターンを形成する際には、既存の製造プロセスしか使用しない。
特に、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法または磁性層パターンの形成方法では、磁極部分または磁性層パターンを形成する際に、幅方向において第1のフレーム部に対応して第1の底角が位置すると共に第2のフレーム部に対応して第2の底角が位置するようにし、第1の工程において、第1のフレーム部が第2のフレーム部よりも小さい幅を有するようにフォトレジストパターンを形成することにより、第1の底角が第2の底角の角度よりも大きい角度を有するようにしてもよいし、あるいは第1のフレーム部が第2のフレーム部よりも大きい幅を有するようにフォトレジストパターンを形成することにより、第1の底角が第2の底角の角度よりも小さい角度を有するようにしてもよい。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、本発明の磁性層パターンの形成方法を使用して露出面が左右非対称の逆台形状となるように磁極部分が形成される点に基づき、サイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とを両立させることが可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。しかも、既存の製造プロセスを使用して薄膜磁気ヘッドを容易に製造することができる。
本発明に係る磁性層パターンの形成方法によれば、既存の製造プロセスを使用して延在方向の端面が左右非対称の逆台形状となるように磁性層パターンを容易に形成することが可能な点に基づき、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して製造される薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図1は薄膜磁気ヘッドの断面構成を表し、図2は図1に示した薄膜磁気ヘッドの主要部の斜視構成を拡大して表している。なお、図1中、(A)はエアベアリング面に平行な断面を示し(B)はエアベアリング面に垂直な断面を示している。図1および図2に示した上向きの矢印Dは、薄膜磁気ヘッドに対して磁気記録媒体(図示せず)が相対的に移動する方向(媒体進行方向)を表している。
以下の説明では、図1および図2に示したX軸方向の寸法を「幅」、Y軸方向の寸法を「長さ」、Z軸方向の寸法を「厚さ」とそれぞれ表記すると共に、Y軸方向のうちのエアベアリング面に近い側を「前方」、その反対側を「後方」とそれぞれ表記する。これらの表記内容は、後述する図3以降においても同様とする。
この薄膜磁気ヘッドは、例えば、媒体進行方向Dに移動するハードディスクなどの磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)に磁気的処理を施すために、ハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載されるものである。具体的には、薄膜磁気ヘッドは、例えば、磁気的処理として記録処理および再生処理の双方を実行可能な複合型ヘッドであり、図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)などのセラミック材料により構成された基板1上に、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 ;以下、単に「アルミナ」という)などの非磁性絶縁材料により構成された絶縁層2と、磁気抵抗効果(MR;Magneto-resistance)を利用して再生処理を実行する再生ヘッド部100Aと、例えばアルミナなどの非磁性絶縁材料により構成された分離層7と、垂直記録方式の記録処理を実行する記録ヘッド部100Bと、例えばアルミナなどの非磁性絶縁材料により構成されたオーバーコート層14とがこの順に積層された構成を有している。
再生ヘッド部100Aは、例えば、下部リードシールド層3と、シールドギャップ膜4と、上部リードシールド層5とがこの順に積層された構成を有している。このシールドギャップ膜4には、記録媒体に対向する記録媒体対向面(エアベアリング面)20に一端面が露出するように、再生素子としてのMR素子6が埋設されている。
下部リードシールド層3および上部リードシールド層5は、いずれもMR素子6を周囲から磁気的に分離するものであり、エアベアリング面20から後方に向かって延在している。これらの下部リードシールド層3および上部リードシールド層5は、例えば、いずれもニッケル鉄合金(NiFe(例えばNi:80重量%,Fe:20重量%);以下、単に「パーマロイ(商品名)」という。)などの磁性材料により構成されており、それらの厚みは約1.0μm〜2.0μmである。
シールドギャップ膜4は、MR素子6を周囲から電気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁材料により構成されている。
MR素子6は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giant Magneto-resistive )またはトンネル磁気抵抗効果(TMR;Tunneling Magneto-resistive )などを利用して磁気的処理(再生処理)を実行するものである。
記録ヘッド部100Bは、例えば、補助磁極層8と、薄膜コイル10を埋設したギャップ層9、ならびに連結部11と、シード層12と、ギャップ層9に設けられた開口9CKにおいて連結部11を介して補助磁極層8に磁気的に連結された主磁極層13とがこの順に積層された構成を有している。なお、図2では、主に、主磁極層13の斜視構成を表している。
補助磁極層8は、主磁極層12から放出された磁束を記録媒体を経由して環流させるものである。この補助磁極層8は、例えば、パーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されており、その厚さは約1.0μm〜2.0μmである。
ギャップ層9は、補助磁極層8上に配設され、開口9AKが設けられたギャップ層部分9Aと、このギャップ層部分9A上に配設され、薄膜コイル10の各巻線間よびその周辺領域を覆うギャップ層部分9Bと、ギャップ層部分9A,9Bを覆うように配設され、開口9CKが設けられたギャップ層部分9Cとを含んで構成されている。ギャップ層部分9Aは、例えばアルミナやシリコン酸化物(SiO2 )などの非磁性絶縁材料により構成されており、その厚さは約0.1μm〜1.0μmである。ギャップ層部分9Bは、例えば、加熱されることにより流動性を示すフォトレジスト(感光性樹脂)やスピンオングラス(SOG)などの非磁性絶縁材料により構成されている。ギャップ層部分9Cは、例えばアルミナやシリコン酸化物などの非磁性絶縁材料により構成されており、その厚さはギャップ層部分9Bの厚さよりも大きくなっている。
薄膜コイル10は、記録用の磁束を発生させるものである。この薄膜コイル10は、例えば、銅(Cu)などの導電性材料により構成されており、連結部11を中心としてスパイラル状に巻回する巻線構造をなしている。なお、図1および図2では、薄膜コイル10を構成する複数の巻線のうちの一部のみを示している。
連結部11は、補助磁極層8と主磁極層13との間を磁気的に連結させるためのものであり、例えばパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されている。
シード層12は、主磁極層13のうちの後述する磁極部分層13Aを形成するために使用されるものであり、例えば、その磁極部分層13Aと同様の磁性材料により構成されている。なお、シード層12を使用した磁極部分層13Aの形成工程に関しては後述する。
主磁極層13は、薄膜コイル10において発生した磁束を収容し、その磁束を記録媒体に向けて放出するものである。この主磁極層13は、エアベアリング面20から後方に向かって延在しており、例えば、ギャップ層部分9Cのうちの前方部分上に配設された磁極部分層13Aと、この磁極部分層13Aの後方部分を周囲から覆うように配設されたヨーク部分層13Bとを含んで構成されている。
磁極部分層13Aは、磁束の放出部分として機能するものである。この磁極部分層13Aは、例えば、ヨーク部分層13Bよりも飽和磁束密度が大きい磁性材料により構成されており、その厚さは約0.1μm〜1.0μmである。この磁極部分層13Aの構成材料としては、例えば、鉄および窒素を含む材料や、鉄、ジルコニアおよび酸素を含む材料や、鉄およびニッケルを含む材料などが挙げられ、より具体的にはパーマロイ(Ni:45%,Fe:55%)、窒化鉄(FeN)、鉄コバルト合金(FeCo)、鉄を含む合金(FeM)、ならびに鉄およびコバルトを含む合金(FeCoM)のうちの少なくとも1種が挙げられる。上記した構造式(FeM,FeCoM)中のMは、例えば、ニッケル、窒素、炭素(C)、ホウ素(B)、珪素、アルミニウム、チタン(Ti)、ジルコニア、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、銅のうちの少なくとも1種である。
この磁極部分層13Aは、例えば、エアベアリング面20側から順に、実質的な磁束の放出部分として機能し、記録媒体の記録トラック幅を規定する先端部13A1(磁極部分)と、この先端部13A1の後方に磁気的に連結された後端部13A2とを含んで構成されている。この先端部13A1の一端面(露出面)20Mは、エアベアリング面20に露出している。なお、露出面20Mの構成を含む磁極部分層13Aの詳細な構成については後述する(図3参照)。
ヨーク部分層13Bは、磁束の収容部分として機能するものである。このヨーク部分層13Bは、例えば、耐食性に優れ、かつ磁極部分層13Aよりも高抵抗な磁性材料により構成されており、その厚さは約1.0μm〜2.0μmである。なお、例えば、ヨーク部分層13Bの構成材料として、磁極部分層13Aの構成材料と同様の組成系のものを用いる場合には、その磁極部分層13Aよりもヨーク部分層13Bにおいて飽和磁束密度を小さくするために、鉄の含有割合を少なめにするのが好ましい。このヨーク部分層13Bは、エアベアリング面20に露出しておらず、例えば、エアベアリング面20から約1.5μm以上後退している。
次に、図1〜図3を参照して、磁極部分層13Aの詳細な構成について説明する。図3は、磁極部分層13Aの露出面20Mの平面構成を拡大して表している。
図3に示したように、磁極部分層13Aを構成する先端部13A1の露出面20Mは、トレーリング側に位置し、記録媒体の記録トラック幅を規定する幅W1を有する上端縁E1(一方の端縁)と、この上端縁E1に対向してリーディング側に位置し、上端縁E1の幅W1よりも小さい幅W2(W2<W1)を有する下端縁E2(他方の端縁)と、幅方向(X軸方向)に位置する2つの側端縁E3,E4とにより構成された四角形状を有している。すなわち、露出面20Mは、2つの底角θR(第1の底角),θL(第2の底角)を規定する上端縁E1を互いに平行な一組の対辺のうちの長い方の対辺とし、かつ下端縁E2を互いに平行な一組の対辺のうちの短い方の対辺とすると共に、上記した2つの底角θR,θLが互いに異なる角度を有する台形状(左右非対称の逆台形状)を有している(θR≠θL)。上記した上端縁E1は、情報の記録時に磁束が集中することにより実質的に記録処理が実行される箇所であり、いわゆる「トレーリングエッジ」である。確認までに、底角θRは、上端縁E1と側端縁E3とに基づいて決定される角度であり、底角θLは、上端縁E1と側端縁E4とに基づいて決定される角度である。図3では、例えば、底角θRが底角θLよりも大きい場合(θR>θL)を示しており、具体的にはθR=約86°、θL=約76°である。これらの底角θR,θLは、例えば、薄膜磁気ヘッドのスキューに起因するサイドイレーズの発生状況等に応じて適宜設定可能である。なお、上記した「トレーリング側」とは、図1〜図3に示した媒体進行方向Dに向かって移動する記録媒体の移動状態を1つの流れと見た場合に、その流れの流出する側(媒体進行方向D側)をいい、ここでは厚さ方向(Z軸方向)における上側をいう。これに対して、流れの流入する側(媒体進行方向D側と反対側)は「リーディング側」と呼ばれ、ここでは厚さ方向における下側をいう。
なお、後端部13A2の幅は、例えば、後方において先端部13A1の上端幅W1よりも大きな一定幅(例えば2.0μm)を有しており、前方において先端部13A1に向かって狭まっている。
次に、図1〜図3を参照して、薄膜磁気ヘッドの動作について説明する。
この薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録時において、図示しない外部回路を通じて記録ヘッド部100Bの薄膜コイル10に電流が流れると、その薄膜コイル10において磁束が発生する。このとき発生した磁束は、主に主磁極層13に収容されてヨーク部分層13Bから磁極部分層13Aへ流入し、先端部13A1の露出面20Mから記録媒体へ向けて放出されたのち、その記録媒体を経由して補助磁極層8へ環流される。この際、先端部13A1から放出された磁束に基づいて記録媒体の表面と直交する方向に記録磁界(垂直磁界)が発生し、この記録磁界により記録媒体が垂直方向に磁化されるため、その記録媒体に情報が磁気的に記録される。
一方、情報の再生時においては、再生ヘッド部100AのMR素子6にセンス電流が流れると、記録媒体からの再生用の信号磁界に応じてMR素子6の抵抗値が変化する。そして、この抵抗変化がセンス電流の変化として検出されるため、記録媒体に記録されている情報が磁気的に読み出される。
次に、図1〜図24を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法として、図1〜図3に示した薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。図4〜図24は薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明するためのものであり、図4〜図13は断面構成を示し、図14〜図24は平面構成を示している。このうち、図14〜図23は、それぞれ図4〜図13に示したA−A線に沿った断面を示している。なお、本発明の「磁性層パターンの形成方法」は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造工程において磁極部分層13Aのうちの先端部13A1を形成するために適用されるものであるため、その「磁性層パターンの形成方法」に関しては以下で併せて説明する。
以下では、まず、図1を参照して薄膜磁気ヘッド全体の製造工程の概略について説明したのち、図1〜図24を参照して薄膜磁気ヘッドの主要部(磁極部分層13A)の形成工程について詳細に説明する。なお、薄膜磁気ヘッドの一連の構成要素の材質、寸法および構造的特徴に関して既に詳述した事項については、その説明を随時書略するものとする。
この薄膜磁気ヘッドは、主に、めっき処理やスパッタリングなどの成膜技術、フォトリソグラフィ処理などのパターニング技術、ならびにドライエッチングやウェットエッチングなどのエッチング技術等を含む既存の薄膜プロセスを使用して、各構成要素を順次形成して積層させることにより製造される。すなわち、図1に示したように、まず、基板1上に絶縁層2を形成したのち、この絶縁層2上に、下部リードシールド層3と、MR素子6を埋設したシールドギャップ膜4と、上部リードシールド層5とをこの順に形成して積層させることにより、再生ヘッド部100Aを形成する。続いて、再生ヘッド部100A上に分離層7を形成したのち、この分離層7上に、補助磁極層8と、薄膜コイル10を埋設したギャップ層9(ギャップ層部分9A,9B,9C)、ならびにギャップ層9の開口9CKに埋め込まれた連結部11と、シード層12と、主磁極層13(磁極部分層13A,ヨーク部分層13B)とをこの順に形成することにより、記録ヘッド部100Bを形成する。最後に、記録ヘッド部100B上にオーバーコート層14を形成することにより、薄膜磁気ヘッドが完成する。なお、上記した薄膜磁気ヘッドの一連の構成要素は、正確には、一連の構成要素が積層された積層構造体が機械加工や研磨加工を使用して研磨されてエアベアリング面20が形成されることにより、最終的に形成される。
磁極部分層13Aを形成する際には、まず、図4および図14に示したように、ギャップ層部分9Cを含むギャップ層9を形成したのち、このギャップ層9上に、例えばスパッタリングを使用して、シード層12(下地層)を約50nmの厚さとなるように形成する。このシード層12を形成する際には、例えば、後工程において形成される前駆磁極部分層13AZ(図7および図17参照)と同様の磁性材料を使用する。なお、シード層12の形成手法としては、例えば、上記したスパッタリングに代えて、CVD(Chemical Vapor Deposition )などの他の成膜手法を使用することも可能である。
続いて、シード層12の表面にフォトレジストを塗布し、そのフォトレジストを必要に応じて加熱することにより、図4およびず14に示したように、フォトレジスト膜31を約0.5μmの厚さとなるように形成する。このフォトレジスト膜31を形成する際には、例えば、その形成厚さT1が後工程において形成される前駆磁極部分層13AZの形成厚さT2(図7参照)よりも大きくなるように調整する(T1>T2)。
続いて、図4および図14に示したように、所定のパターン形状を有するマスク32を使用し、フォトリソグラフィ処理でマスク32のパターン形状に対応するようにフォトレジスト膜31をパターニングする。このマスク32としては、例えば、幅方向(X軸方向)に対向配置されて開口32Kを画定する2つのフレーム部32R,32Lを有すると共にこれらのフレーム部32R,32Lが互いに異なる幅を有するパターン形状のものを使用し、より具体的には、開口32Kが厚さ方向(Z軸方向)においてほぼ一定幅を有すると共に後工程において形成される前駆磁極部分層13AZの平面形状に対応し、フレーム部32Rの幅WRがフレーム部32Lの幅WLよりも小さいものを使用する(WR<WL)。
続いて、フォトリソグラフィ処理後のフォトレジスト膜31を必要に応じて加熱したのち、そのフォトレジスト膜31を現像し、すなわちフォトレジスト膜31のうちの不要部分(非パターニング部分)を選択的に除去することにより、図5および図15に示したように、シード層12上に、磁極部分層13Aを形成するためのフォトレジストパターン33を厚さT1となるように形成する。このフォトレジストパターン33は、マスク32の平面形状に対応する平面形状を有するように形成され、すなわち幅方向に対向配置されて開口33Kを確定する2つのフレーム部33R(第1のフレーム部),33L(第2のフレーム部)を有すると共にそのフレーム部33Rの幅WRがフレーム部33Lの幅WLよりも小さなパターン形状を有するように形成される。これらのフレーム部33R,33Lの具体的な寸法としては、例えば、フレーム部33Rの幅WR=1.8μm、フレーム部33Lの幅WL=7.5μmとする。このフォトレジストパターン33の構造(フレーム部33Rの幅WR,フレーム部33Lの幅WL)は、後工程において形成される磁極部分層13Aの露出面20Mのうちの底角θR,θL(図3参照)を規定することとなる。すわち、最終的に磁極部分層13Aが形成された場合には、幅方向においてフレーム部33Rに対応して底角θRが位置すると共に、フレーム部33Lに対応して底角θLが位置することとなり、フレーム部33Rの幅WRに基づいて底角θRが規定されると共に、フレーム部33Lの幅WLに基づいて底角θLが規定される。具体的には、例えば、上記したように、フレーム部33Rの幅WRがフレーム部33Lの幅WLよりも小さくなるようにフォトレジストパターン33のパターン形状を設定した場合には、最終的に形成される磁極部分層13Aの露出面20Mでは、底角θRが底角θLよりも大きくなる(θR>θL)。
続いて、フォトレジストパターン33を加熱して表層近傍部分を部分的に流動させることにより、図6および図16に示したように、シード層12に近づくにしたがって次第に幅が広がるようにフレーム部33R,33Lを変形させ、すなわちフレーム部33R,33Lのそれぞれの両側面33RM,33LMをシード層12の表面に対して傾斜させる。この加熱処理により、厚さ方向においてほぼ一定幅を有していた開口33Kの幅(図5および図15参照)が、フレーム部33R,33Lの幅の変化に応じて厚さ方向において変化し、すなわちシード層12に近づくにしたがって次第に狭まることとなる。この際、幅WR,WL間の差異に基づいてフレーム部33R、33Lの流動性に差異が生じ、すなわち相対的に小さい幅WRを有するフレーム部33Rが流動しにくいのに対して相対的に大きい幅WLを有するフレーム部33Lが流動しやすいため、加熱処理後におけるフレーム部33Rの側面33RMの傾斜角ωRとフレーム部33Lの側面33LMの傾斜角ωLとの間に差異が生じ、すなわち傾斜角ωRが傾斜角ωLよりも大きくなる(ωR>ωL)。フォトレジストパターン33を加熱する際には、例えば、窒素(N2 )雰囲気中において加熱処理を行うようにし、加熱温度=約130℃、加熱時間=約10分間とする。ただし、この加熱温度や加熱時間は必ずしも上記した温度や時間に限定されるものではなく、自由に設定可能である。具体的には、加熱温度は、例えば、塗布処理から現像処理に至る一連の過程におけるフォトレジストパターン33(またはフォトレジスト膜31)の温度よりも高いのが好ましく、特に、そのフォトレジストパターン33(またはフォトレジスト膜31)を構成するフォトレジストのガラス転移温度以上であるのがより好ましい。また、加熱時間は、例えば、加熱温度まで昇温させた際に温度を安定化することが可能な時間以上であるのが好ましい。なお、フォトレジストパターン33が加熱された際には、正確には、フォトレジストの表面張力に起因してフレーム部33R,33Lの表面近傍が湾曲して曲面状となるが、図6および後述する図7以降では、図示内容を簡略化するために、フレーム部33R,33Lの表面近傍を平面状に示している。
続いて、図7および図17に示したように、フォトレジストパターン33の開口33Kと共にそのフォトレジストパターン33の周辺領域を覆うように、磁極部分層13Aを形成するための前駆磁極部分層13AZ(前駆磁極部分)をパターン形成する。この前駆磁極部分層13AZを形成する際には、例えば、シード層12を使用してめっき膜を成長させることにより、その前駆磁極部分層13AZを形成する。この前駆磁極部分層13AZは、フォトレジストパターン33の開口33Kに形成された部分(磁性層パターンとしての中央部分13AZC)と、そのフォトレジストパターン33の周辺領域に形成された部分(周辺部分13AZS)とを含むように形成される。この前駆磁極部分層13AZを形成する際には、例えば、パーマロイ、コバルト鉄合金(CoFe)またはコバルト鉄ニッケル合金(CoFeNi)などの軟磁性材料を使用すると共に、その形成厚さT2がフォトレジストパターン33の形成厚さT1よりも小さくなるように調整する(T2<T1)。
続いて、例えばアセトンなどの有機溶剤を使用してフォトレジストパターン33を溶解させることにより、図8および図18に示したように、そのフォトレジストパターン33を選択的に除去する。
続いて、前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC,周辺部分13AZS)をマスクとして、例えばイオンミリングでシード層12を選択的にエッチングすることにより、図9および図19に示したように、そのシード層12のうちの前駆磁極部分層13AZにより覆われていない部分を除去してギャップ層9を露出させると共に、前駆磁極部分層13AZにより覆われている部分を残存させる。イオンミリングでシード層12をエッチングする際には、例えば、アルゴンイオン(Ar+ )雰囲気中においてエッチング処理を行うようにする。なお、シード層12をエッチングする際には、例えば、上記したイオンミリングに代表されるドライエッチングに代えて、ウェットエッチングを使用することも可能である。
続いて、図10および図20に示したように、先の工程においてフォトレジスト膜31を形成した場合と同様の手法を使用して、前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC,周辺部分13AZS)およびその周辺領域を覆うようにフォトレジスト膜34を形成したのち、所定のパターン形状を有するマスク35を使用し、フォトリソグラフィ処理でマスク35のパターン形状に対応するようにフォトレジスト膜34をパターニングする。このマスク35としては、例えば、前駆磁極部分層13AZのうちの中央部分13AZCに対応する平面形状を有するものを使用し、より具体的には、中央部分12AZCの輪郭よりも大きな輪郭を有するものを使用する。
続いて、フォトリソグラフィ処理後のフォトレジスト膜34を現像することにより、図11および図21に示したように、前駆磁極部分層13AZのうちの中央部分13AZCのみを選択的に覆うようにフォトレジストパターン36(マスク)を形成する。
続いて、フォトレジストパターン36をマスクとして使用し、例えばウェットエッチングで前駆磁極部分層13AZを選択的にエッチングすることにより、図12および図22に示したように、その前駆磁極部分層13AZのうち、先の工程(図7参照)においてフォトレジストパターン33の周辺領域に形成された部分、すなわちフォトレジストパターン36により覆われていない周辺部分13AZSを除去すると共に、フォトレジストパターン33の開口33Kに形成された部分、すなわちフォトレジストパターン36に覆われている中央部分13AZCのみを残存させる。この際、前駆磁極部分層13AZと共にシード層12を選択的にエッチングすることにより、そのシード層12のうちの周辺部分13AZSにより覆われている部分を併せて除去する。ウェットエッチングを使用して前駆磁極部分層13AZおよびシード層12をエッチングする際には、例えば、エッチャントとして第2塩化鉄(FeCl2 )50%水溶液を使用する。
続いて、先の工程においてフォトレジストパターン33を除去した場合と同様の手法を使用してフォトレジストパターン36を除去することにより、図13および図23に示したように、前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)を露出させる。この前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)の形状に基づいて、最終的に磁極部分層13Aの露出面20Mの形状(幅W1,W2、底角θR,θL)が決定される。
最後に、ヨーク部分層13Bやオーバーコート層14などの他の構成要素を形成して積層させたのち、図24に示したように、例えばCMP(Chemical Mechancal Polishing)法を使用して、エアベアリング面20となる側から前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)を含む積層構造体の積層端面を研磨することにより、エアベアリング面20を形成する。この研磨処理により、エアベアリング面20に露出し、すなわちエアベアリング面20の一部を構成するように図3に示した露出面20Mが形成されるため、図1〜図3に示したように、左右非対称の逆台形状の露出面20Mを有すると共にエアベアリング面20から順に先端部13A1および後端部13A2を含む磁極部分層13Aが完成する。この露出面20Mでは、例えば、上記したように、フォトレジストパターン33のうちのフレーム部33Rの幅WR=1.8μm、フレーム部33Lの幅WL=7.5μmとした場合(WR<WL;図5および図15参照)には、フレーム部33Rの側面33RMの傾斜角ωRがフレーム部33Lの側面33LMの傾斜角ωLよりも大きくなることに基づき(ωR>ωL;図6参照)、この傾斜角ωR,ωL間の差異を反映して底角θRが底角θLよりも大きくなる(例えば、底角θR=86°,底角θL=76°)。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、開口33Kを画定する2つのフレーム部33R,33Lが互いに異なる幅WR,WL(WR≠WL)を有するようにフォトレジストパターン33を形成し、そのフォトレジストパターン33を加熱してフレーム部33R,33Lを変形させることにより開口33Kの幅をシード層12に近づくにしたがって次第に狭めたのち、そのフォトレジストパターン33の開口33Kに前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)を形成し、その前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)を研磨してエアベアリング面20を形成することにより露出面20Mを有する磁極部分層13Aを形成するようにしている。この場合には、上記したように、フォトレジストパターン33の加熱に伴うフレーム部33R,33Lの変形作用を利用して、その加熱後のフォトレジストパターン33においてフレーム部33R,33Lの傾斜角ωR,ωLが互いに異なることとなるため、そのフォトレジストパターン33の開口33Kにに形成された前駆磁極部分層13AZに基づいて磁極部分層13Aを形成すれば、その磁極部分層13Aの露出面20Mでは傾斜角ωR,ωL間の差異を反映して底角θR,θLが互いに異なることとなり、すなわち露出面20Mが左右非対称の逆台形状となるように磁極部分層13Aが形成される。したがって、本実施の形態では、左右非対称の逆台形状を有する露出面20Mの特徴的な形状に基づき、サイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とを両立させることが可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
ここで、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して製造される薄膜磁気ヘッドにおいてサイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とが両立される理由は、以下の通りである。
図25および図26は、いずれも図3に示した磁極部分層13A(先端部13A1)の露出面20Mの平面構成に対応する平面構成を表しており、図25は第1の比較例としての磁極部分層113A(先端部113A1)の露出面120Mを示し、図26は第2の比較例としての磁極部分層213A(先端部213A1)の露出面220Mを示している。また、図27〜図29はサイドイレーズの発生状況を説明するためのものであり、それぞれ第1の比較例(露出面120M)、第2の比較例(露出面220M)ならびに本実施の形態(露出面20M)について示している。なお、図27〜図29では、図示内容を簡略化するために、情報の記録時に記録対象となる記録媒体上のトラック(記録対象トラック)TRを直線状に示している。図25に示した第1の比較例の露出面120Mは、左右非対象の逆台形状を有する本実施の形態の露出面20Mとは異なって矩形状を有している点を除き(θR=θL=90°)、その露出面20Mと同様の構成を有している。一方、図26に示した第2の比較例の露出面220Mは、本実施の形態の露出面20Mとは異なって左右対象の逆台形状を有している点を除き(θR=θL)、その露出面20Mと同様の構成を有している。
図27〜図29に示したように、情報の記録時において薄膜磁気ヘッドがスキューし、すなわち磁極部分層13A,113A,213Aが記録対象トラックTRの延在方向に対して角度(スキュー角)αだけ傾いたとすると、これらの3つの磁極部分層13A,113A,213A間においてサイドイレーズの発生状況に差異が生じる。すなわち、第1の比較例の場合には、図27に示したように、磁極部分層113Aが傾くと、矩形状を有する露出面120Mの形状的要因に起因して側端縁E4が記録対象トラックTRからこの記録対象トラックTRに隣接するトラック(隣接トラック;図示せず)にはみ出す結果、本来の記録箇所である上端縁E1(トレーリングエッジ)だけでなく側端縁E4においても意図せずに記録媒体に記録処理が施されるため、サイドイレーズが発生してしまう。これにより、隣接トラックに既に記録されていた情報が上書きされて消去されやすくなる。これに対して、第2の比較例の場合には、図28に示したように、上記した第1の比較例の場合とは異なり、左右対象の逆台形状を有する露出面220Mの形状的特徴に基づき、磁極部分層213Aがスキュー角αだけ傾いたとしても側端縁E4が記録対象トラックTRから隣接トラックにはみ出さず、すなわち本来の記録箇所である上端縁E1のみにおいて記録媒体に記録処理が施されるため、サイドイレーズの発生が抑制される。また、本実施の形態においても、図29に示したように、左右非対称の逆台形状を有する露出面20Mの形状的特徴に基づき、磁極部分層13Aがスキュー角αだけ傾いたとしても側端縁E4が記録対象トラックTRから隣接トラックにはみ出さないため、第2の比較例の場合と同様にサイドイレーズの発生が抑制される。したがって、第2の比較例および本実施の形態では、第1の比較例とは異なり、サイドイレーズの発生抑制の観点において利点を有する。
しかしながら、第2の比較例と本実施の形態とでは、サイドイレーズの発生抑制の観点において共通した利点を有する一方で、オーバーライト特性確保の観点において差異がある。すなわち、一般に、磁極部分層の構成と記録用の磁界強度との間の関係としては、磁束の放出部分である先端部の露出面は磁束の放出口として機能するため、磁束の放出量は露出面の面積に依存し、その露出面の面積が大きいほど記録用の磁界強度が大きくなる。この観点において第2の比較例と本実施の形態とを比較すると、図28および図29から明らかなように、露出面20Mの面積は露出面220Mの面積よりも大きいため、記録用の磁界強度は第2の比較例よりも本実施の形態において大きくなる。すなわち、第2の比較例では、サイドイレーズの発生を抑制し得る一方で、記録用の磁界強度の不足に起因してオーバーライト(意図的な上書き処理)を実行し得なくなる可能性があるのに対して、本実施の形態では、サイドイレーズの発生を抑制し得る上、記録用の磁界強度を確保してオーバーライトを安定に実行し得る。したがって、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して製造される薄膜磁気ヘッドでは、左右非対称の逆台形状を有する露出面20Mの形状的特徴に基づき、サイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とを両立させることが可能となるのである。
特に、本実施の形態では、上記したように、サイドイレーズの発生抑制とオーバーライト特性の確保とを両立させることが可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる点に加えて、露出面20Mが左右非対象の逆台形状となるように磁極部分層13Aを形成するために、成膜技術、パターニング技術およびエッチング技術などの既存の薄膜プロセスしか使用しないため、既存の製造プロセスを使用して薄膜磁気ヘッドを容易に製造することができる。
また、本実施の形態では、フォトレジストパターン33のうちのフレーム部33R,33Lの幅WR,WLを設定することにより、上記したように、その幅WR,WLに基づいてフレーム部33R,33Lの傾斜角ωR,ωLが設定され、最終的に傾斜角ωR,ωLに基づいて磁極部分層13Aの露出面20Mのうちの底角θR,θLが設定される。したがって、フォトレジストパターン33を形成する際にフレーム部33R,33Lの幅WR,WLを調整することにより底角θR,θLを制御することが可能なため、露出面20Mの形状を自由に制御することができる。
また、本実施の形態では、図7に示したように、フォトレジストパターン33の開口33Kに前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)を形成する際に、その形成厚さT2がフォトレジストパターン33の形成厚さT1よりも小さくなるようにしたので(T2<T1)、以下の理由により、その前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)に基づいて磁極部分層13Aを高精度に形成することができる。図30および図31は、前駆磁極部分層13AZの形成厚さT2に基づく利点および問題点を説明するためのものであり、いずれも図7に対応する断面構成を示している。すなわち、フォトレジストパターン33を加熱してフレーム部33R,33Lを変形させた場合には、上記したように、図7では図示内容を簡略化するためにフレーム部33R,33Lの側面33RM,33LMを平面状に示しているが、実際には、図30および図31に示したように、フォトレジストの表面張力に起因して側面33RM,33LMが湾曲して曲面状となることが知られている。特に、側面33RM,33LMの曲率はフレーム部33R,33Lの下方部よりも上方部において大きくなり、すなわち側面33RM,33LMはフレーム部33R,33Lの下方部においてほぼ平面状となる一方で、上方部において曲面状となる。この場合には、図30に示したように、前駆磁極部分層13AZを形成する際に、その形成厚さT2をフォトレジストパターン33の形成厚さT1に等しくすると(T2=T1)、最終的に形成される磁極部分層13Aの露出面20M(図3参照)では、フレーム部33R,33Lの側面33RM,33LMうちの曲面状を有する上方部分の影響を受けて傾斜角ωR,ωLと底角θR,θLとの間にずれが生じるため、それらの底角θR,θLを高精度に制御することが困難となる。これに対して、図31に示したように、前駆磁極部分層13AZの形成厚さT2をフォトレジストパターン33の形成厚さT1よりも小さくすると(T2<T1)、フレーム部33R,33の側面33RM,33LMうちの平面状を有している下方部分を利用して前駆磁極部分層13AZが形成されるため、最終的に形成される磁極部分層13Aの露出面20Mでは、前駆磁極部分層13AZの形成厚さT2をフォトレジストパターン33の形成厚さT1に等しくした場合(図30参照)とは異なり、底角θR,θLが傾斜角ωR,ωLに基づいて規定され、これにより底角θR,θLを高精度に制御することが可能となる。したがって、本実施の形態では、前駆磁極部分層13AZに基づいて磁極部分層13Aを高精度に形成することができるのである。
また、本実施の形態に係る磁性層パターンの形成方法では、上記したように、開口33Kを画定する2つのフレーム部33R,33Lが互いに異なる幅を有するようにフォトレジストパターン33を形成し、引き続きフォトレジストパターン33を加熱してフレーム部33R,33Lを変形させることにより開口33Kの幅を下方に向かって次第に狭めたのち、そのフォトレジストパターン33の開口33Kを使用して磁性層パターンとしての磁極部分層13Aを形成するようにしたので、既存の製造プロセスを使用して、磁性層パターンとしての磁極部分層13Aを露出面20Mが左右非対称の逆台形状となるように形成することが可能である。したがって、上記したように、この磁性層パターンの形成方法を本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に適用することができる。
なお、本実施の形態では、図5に示したように、フォトレジストパターン33を形成する際に、フレーム部33Rの幅WRがフレーム部33Lの幅WLよりも小さくなるようにすることにより(WR<WL)、図3に示したように、磁極部分層13Aの露出面20Mにおいて底角θRが底角θLよりも大きくなるようにしたが(θR>θL)、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図32に示したように、フレーム部33Rの幅WRがフレーム部33Lの幅WLよりも大きくなるようにすることにより(WR>WL)、図33に示したように、露出面20Mにおいて低角θRが底角θLよりも小さくなるようにしてもよい(θR<θL)。この場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。特に、底角θR,θLの値ならびにそれらの大小関係は、例えば、スキュー角α、薄膜磁気ヘッドのスキュー方向またはサイドイレーズの発生状況等に応じて自由に設定可能である。
また、本実施の形態では、フォトレジストパターン33を形成する際に、そのフォトレジストパターン33の形成材料として化学増幅型のフォトレジストを使用し、フォトレジストパターン33を加熱する際に、そのフォトレジストパターン33を加熱しながらそのフォトレジストパターン33に紫外線を照射することによりフレーム部33R,33Lを変形させるようにしてもよい。この「化学増幅型のフォトレジスト」とは、主にフォトリソグラフィ処理を使用した露光・現像過程において、露光されることにより光化学反応を利用して触媒作用を有する物質(酸あるいは塩基)が生成されると共に、露光後に加熱されることにより高分子中の官能基あるいは官能物質が上記した触媒作用を有する物質と反応するようなレジストである。この場合には、例えば、フォトレジストパターン33に対する加熱処理および紫外線照射処理を真空中において行うようにし、加熱温度=約100℃、加熱時間=約10分間、紫外線の波長=約200nm〜500nm(例えば、約365nm)、紫外線の照射強度=約1W/cm2 〜15W/cm2 (例えば、約10W)とする。ただし、この加熱温度や加熱時間は必ずしも上記した温度や時間に限定されるものではなく、自由に設定可能である。具体的には、加熱温度は、例えば、塗布処理から現像処理に至る一連の過程におけるフォトレジストパターン33(またはフォトレジスト膜31)の温度よりも高いのが好ましく、特に、そのフォトレジストパターン33(またはフォトレジスト膜31)を構成するフォトレジストのガラス転移温度以上であるのがより好ましい。また、加熱時間は、例えば、加熱温度まで昇温させた際に温度を安定化することが可能な時間以上であるのが好ましい。この場合に関して一例を挙げれば、フォトレジストパターン33を形成する際にフレーム部33Rの幅WR=3.0μm、フレーム部33Lの幅WL=10.0μmとすれば、上記実施の形態において説明した場合と同様に、露出面20Mにおいて底角θR=86°、底角θL=76°となる。この場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。特に、化学増幅型のフォトレジストを使用してフォトレジストパターン33を形成した場合には、その化学増幅型のフォトレジストの優れたパターニング精度特性を利用して、フォトレジストパターン33を高精度に形成することができる。
また、本実施の形態では、図13に示した前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)をそのまま使用して磁極部分層13Aを形成し、すなわち前駆磁極部分層13AZの形成寸法(幅W1,W2)に基づいて磁極部分層13Aの形成寸法(幅W1,幅W2)を決定するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。
具体的には、第1に、例えば、図34に示したように、前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)を形成したのち、例えばイオンミリングを使用して中央部分13AZCを両幅方向から均等にエッチングし、その中央部分13AZCの幅を狭めることにより、エッチング後の中央部分13AZCの形成寸法(幅W1,W2)に基づいて磁極部分層13Aの形成寸法(幅W1,W2)を決定するようにしてもよい。イオンミリングを使用して中央部分13AZCをエッチングする際には、例えば、アルゴンイオン雰囲気中においてエッチング処理を行うようにする。この場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。この場合には、特に、中央部分13AZCのエッチング量に基づいて露出面20Mの形状を制御することが可能なため、記録媒体の記録トラック幅を規定する露出面20Mの上端縁E1(トレーリングエッジ)の幅W1(図3参照)を所望の幅となるように制御することができる。
また、第2に、例えば、図35に示したように、前駆磁極部分層13AZ(中央部分13AZC)を形成したのち、例えばスパッタリングやCVDを使用して、中央部分13AZCおよびその周辺領域を覆うように絶縁層37を形成したのち、図36に示したように、例えばCMP法を使用して、絶縁層37と共に中央部分13AZCを研磨して平坦化することにより、その中央部分13AZCの周囲に絶縁層37を埋設させるようにしてもよい。この場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。この場合には、特に、中央部分13AZCの研磨量に基づいて露出面20Mの形状を制御することが可能なため、イオンミリングを使用して中央部分13AZCの幅を狭めた場合(図34参照)と同様に、上端縁E1(トレーリングエッジ)の幅W1を所望の幅となるように制御することができる。
次に、本発明に関する実施例について説明する。
上記実施の形態において説明したフォトレジストパターン33のフレーム部33Rの幅WRと、そのフォトレジストパターン33を使用して形成される磁極部分層13Aの露出面20Mの底角θRとの間の関係を調べたところ、表1に示した結果が得られた。表1は、フレーム部33Rの幅WRと露出面20Mの底角θRとの間の関係を表している。表1中、「UV無」はフォトレジストパターン33を変形させるために加熱処理のみを行い、紫外線照射処理を行わなかった場合について示し、「UV有」はフォトレジストパターン33を変形させるために加熱処理および紫外線照射処理の双方を行った場合について示している。
幅WRと底角θRとの関係を調べる際には、以下の手順により、試験的に前駆磁極層部分13AZ(中央部分13AZC)を形成した。すなわち、まず、下地としてのアルティック基板(直径=6インチ,厚さ=2mm)上にシード層12(パーマロイ)を50nmの厚さとなるように形成したのち、そのシード層12上にフォトレジスト(Clariant社製AZ5105P )を塗布することにより、フォトレジスト膜31を0.5μmの厚さとなるように形成した。続いて、フォトレジスト膜31に加熱処理(加熱温度=90℃、加熱時間=90秒間)を施したのち、開口32Kを画定するフレーム部32R,32Lを有するマスク32(開口32Kの最狭幅=0.18μm)を使用し、フォトリソグラフィ処理でフォトレジスト膜31をパターニングすることにより、開口33Kを画定するフレーム部33R,33Lを有するフォトレジストパターン33を形成した。このフォトレジストパターン33を形成する際には、露光装置としてNikon 社製のNSR-TFHEX14Cを使用し、露光条件を光学系開口数NAl(NA;Numerical Aperture)=0.6、照明系開口数NAi=0.24、レンズ系開口数σ=0.4、露光量=15mJ/cm2 とすると共に、現像処理前にフォトレジスト膜31に加熱処理(加熱温度=120℃、加熱時間=120秒間)を施したのち、現像液としてTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロキシド)2.38%水溶液を使用して現像処理(現像時間=60秒間)を行った。続いて、フォトレジストパターン33を加熱することにより、フレーム部33R,33Lを変形させた。このフォトレジストパターン33を加熱する際には、紫外線照射を行わない場合には、加熱条件を加熱温度=130℃、加熱時間=10分間とし、一方、紫外線照射を行う場合には、紫外線(波長=365nm、強度=800W)を照射しながら加熱条件を加熱温度=100℃、加熱時間=10秒間とした。最後に、ニッケル(Ni)ワット浴に鉄(Fe)イオンを添加しためっき浴(ニッケル鉄浴)を使用し、フォトレジストパターン33の開口33Kにめっき膜(パーマロイ)を成長させることにより、前駆磁極部分層13AZを0.3μmの厚さとなるように形成した。この前駆磁極部分層13AZを使用して底角θRを調べる際には、集束イオンビームエッチング(FIB:Focused Ion Beam Etching)を使用して前駆磁極部分層13AZを切断したのち、その前駆磁極部分層13AZの断面構造を観察することにより底角θRを測定した。
Figure 2005158192
表1に示した結果から判るように、紫外線照射の有無に関わらず、底角θRは幅WRが大きくなるにしたがって次第に小さくなった。特に、幅WRを1.0μm〜50.0μmの範囲内で変化させたところ、底角θRは紫外線照射無の場合(「UV無」)に89°〜65°の範囲内で変化し、紫外線照射有の場合(「UV有」)に90°〜68°の範囲内で変化した。このことから、フォトレジストパターン33のうちのフレーム部33Rの幅WRを調整することにより、最終的に形成される磁極部分層13Aの露出面20Mの底角θRを所望の値となるように制御可能であることが確認された。特に、上記したフレーム部33Rの幅WRと底角θLとの間の関係はフレーム部33Lの幅WLと底角θLとの間にも同様に成立するため、これらの関係を利用すれば、フォトレジストパターン33のうちのフレーム部33R,33Lの幅WR,WLを調整することにより底角θR,θLを調整可能であり、すなわち露出面20Mが左右非対象の逆台形状となるように磁極部分層13AMを形成可能であることが確認された。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、上記実施の形態では、本発明を複合型薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや、記録・再生兼用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。もちろん、本発明を、書き込み用の素子および読み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘッドについても適用可能である。
また、上記実施の形態では、本発明を垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本発明を長手記録方式の薄膜磁気ヘッドに適用することも可能である。
本発明に係る磁性層パターンの形成方法ならびに薄膜磁気ヘッドの製造方法は、例えば、ハードディスクに磁気的に情報を記録するためのハードディスクドライブなどに搭載される薄膜磁気ヘッドの製造工程に適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して製造される薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの主要部の斜視構成を表す斜視図である。 磁極部分層の露出面の平面構成を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造工程における一工程を説明するための断面図である。 図4に続く工程を説明するための断面図である。 図5に続く工程を説明するための断面図である。 図6に続く工程を説明するための断面図である。 図7に続く工程を説明するための断面図である。 図8に続く工程を説明するための断面図である。 図9に続く工程を説明するための断面図である。 図10に続く工程を説明するための断面図である。 図11に続く工程を説明するための断面図である。 図12に続く工程を説明するための断面図である。 図4に対応する平面図である。 図5に対応する平面図である。 図6に対応する平面図である。 図7に対応する平面図である。 図8に対応する平面図である。 図9に対応する平面図である。 図10に対応する平面図である。 図11に対応する平面図である。 図12に対応する平面図である。 図13に対応する平面図である。 図23に続く工程を説明するための平面図である。 第1の比較例の磁極部分層の露出面の平面構成を表す平面図である。 第2の比較例の磁極部分層の露出面の平面構成を表す平面図である。 第1の比較例の磁極部分層に関するサイドイレーズの発生状況を説明するための平面図である。 第2の比較例の磁極部分層に関するサイドイレーズの発生状況を説明するための平面図である。 本実施の形態の磁極部分層に関するサイドイレーズの発生状況を説明するための平面図である。 前駆磁極部分層の形成厚さに関する問題点を説明するための断面図である。 前駆磁極部分層の形成厚さに関する利点を説明するための断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する変形例を説明するための断面図である。 図32に示したフォトレジストパターンを使用して形成される磁極部分層の露出面の平面構成を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する他の変形例を説明するための断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関するさらに他の変形例を説明するための断面図である。 図35に続く工程を説明するための断面図である。 従来の磁極層の形成工程における一工程を説明するための断面図である。 図37に続く工程を説明するための断面図である。 図38に続く工程を説明するための断面図である。 図39に続く工程を説明するための断面図である。
符号の説明
1…基板、2,37…絶縁層、3…下部リードシールド層、4…シールドギャップ膜、5…上部リードシールド層、6…MR素子、7…分離層、8…補助磁極層、9…ギャップ層、9AK,9CK,32K,33K…開口、9A〜9C…ギャップ層部分、10…薄膜コイル、11…連結部、12…シード層、13…主磁極層、13A…磁極部分層、13A1…先端部、13A2…後端部、13AZ…前駆磁極部分層、13AZC…中央部分、13AZS…周辺部分、13B…ヨーク部分層、14…オーバーコート層、20…エアベアリング面、20M…露出面、31,34…フォトレジスト膜、32,35…マスク、32R,32L,33R,33L…フレーム部、33,36…フォトレジストパターン、33RM,33LM…側面、100A…再生ヘッド部、100B…記録ヘッド部、D…媒体進行方向、E1…上端縁、E2…下端縁、E3,E4…側端縁、TR…記録対象トラック、α…スキュー角、θR,θL…底角、ωR,ωL…傾斜角。

Claims (12)

  1. 磁束を発生させる薄膜コイルと、媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在すると共に前記薄膜コイルにおいて発生した磁束を前記記録媒体に向けて放出する磁極部分を有する磁極層と、を備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記磁極層のうちの前記磁極部分を形成する工程が、
    下地層上に、幅方向に対向配置されて開口を画定する第1および第2のフレーム部を有すると共にこれらの第1および第2のフレーム部が互いに異なる幅を有するように、フォトレジストパターンを形成する第1の工程と、
    前記フォトレジストパターンを加熱して、前記下地層に近づくにしたがって次第に幅が広がるように前記第1および第2のフレーム部を変形させることにより、前記開口の幅を前記下地層に近づくにしたがって次第に狭まるようにする第2の工程と、
    前記フォトレジストパターンを使用して、少なくとも前記開口に前記磁極部分を形成するための前駆磁極部分をパターン形成する第3の工程と、
    前記フォトレジストパターンを除去する第4の工程と、
    前記記録媒体対向面となる側から前記前駆磁極部分を研磨して前記記録媒体対向面を形成することにより、前記下地層上に、前記記録媒体対向面に露出した露出面を有するように前記磁極部分をパターン形成する第5の工程と、を含み、
    前記露出面が、前記媒体進行方向側に位置して第1および第2の底角を規定する一方の端縁を互いに平行な一組の対辺のうちの長い方の対辺とし、かつ前記媒体進行方向側と反対側に位置する他方の端縁を前記一組の対辺のうちの短い方の対辺とすると共に、前記第1および第2の底角が互いに異なる角度を有する台形状となるように、前記磁極部分を形成する
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記幅方向において、前記第1のフレーム部に対応して前記第1の底角が位置すると共に、前記第2のフレーム部に対応して前記第2の底角が位置するようにし、
    前記第1の工程において、前記第1のフレーム部が前記第2のフレーム部よりも小さい幅を有するように前記フォトレジストパターンを形成することにより、
    前記第1の底角が前記第2の底角の角度よりも大きい角度を有するように前記磁極部分を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記幅方向において、前記第1のフレーム部に対応して前記第1の底角が位置すると共に、前記第2のフレーム部に対応して前記第2の底角が位置するようにし、
    前記第1の工程において、前記第1のフレーム部が前記第2のフレーム部よりも大きい幅を有するように前記フォトレジストパターンを形成することにより、
    前記第1の底角が前記第2の底角の角度よりも小さい角度を有するように前記磁極部分を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記第3の工程において、前記開口と共に前記フォトレジストパターンの周辺領域に前記前駆磁極部分を形成し、
    さらに、前記第4の工程と前記第5の工程との間に、
    前記前駆磁極部分のうちの前記開口に形成された部分を覆うようにマスクを形成する第6の工程と、
    前記マスクを使用して前記前駆磁極部分を選択的にエッチングすることにより、その前駆磁極部分のうちの前記周辺領域に形成された部分を除去すると共に前記開口に形成された部分を残存させる第7の工程と、
    前記マスクを除去することにより、残存した前記前駆磁極部分を露出させる第8の工程と
    を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記第1の工程において、前記下地層としてのシード層上に前記フォトレジストパターンを形成し、
    前記第3の工程において、前記シード層を使用してめっき膜を成長させることにより前記前駆磁極部分を形成し、
    さらに、前記第4の工程と前記第6の工程との間に、前記前駆磁極部分をマスクとして前記シード層を選択的にエッチングすることにより、そのシード層のうちの前記前駆磁極部分により覆われていない部分を除去すると共に前記前駆磁極部分により覆われている部分を残存させる第9の工程を含み、
    前記第7の工程において、前記前駆磁極部分のうちの前記周辺領域に形成された部分と共に、前記シード層のうち、前記前駆磁極部分のうちの前記周辺領域に形成された部分により覆われている部分を併せて除去する
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記第1の工程において、化学増幅型のフォトレジストを使用して前記フォトレジストパターンを形成し、
    前記第2の工程において、前記フォトレジストパターンを加熱しながらそのフォトレジストパターンに紫外線を照射することにより、前記第1および第2のフレーム部を変形させる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. さらに、前記第8の工程と前記第5の工程との間に、前記前駆磁極部分を両幅方向からエッチングすることにより、その前駆磁極部分の幅を狭める第10の工程を含む
    ことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  8. さらに、前記第8の工程と前記第5の工程との間に、
    前記前駆磁極部分およびその周辺領域を覆うように絶縁層を形成する第11の工程と、
    前記絶縁層と共に前記前駆磁極部分を研磨して平坦化することにより、前記前駆磁極部分の周囲に前記絶縁層を埋設する第12の工程と
    を含むことを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  9. 前記記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁束を放出するように、前記磁極部分を形成する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 所定の延在方向に延在する磁性層パターンの形成方法であって、
    下地層上に、幅方向に対向配置されて開口を画定する第1および第2のフレーム部を有すると共にこれらの第1および第2のフレーム部が互いに異なる幅を有するように、フォトレジストパターンを形成する第1の工程と、
    前記フォトレジストパターンを加熱して、前記下地層に近づくにしたがって幅が広がるように前記第1および第2のフレーム部を変形させることにより、前記開口の幅を前記下地層に近づくにしたがって次第に狭まるようにする第2の工程と、
    前記フォトレジストパターンを使用して、前記開口に磁性層パターンを形成する第3の工程と、
    前記フォトレジストパターンを除去する第4の工程と、を含み、
    前記延在方向の端面が、第1および第2の底角を規定する一方の端縁を互いに平行な一組の対辺のうちの長い方の対辺とし、かつ前記一方の端縁に対向する他方の端縁を前記一組の対辺のうちの短い方の対辺とすると共に、前記第1および第2の底角が互いに異なる角度を有する台形状となるように、前記磁性層パターンを形成する
    ことを特徴とする磁性層パターンの形成方法。
  11. 前記幅方向において、前記第1のフレーム部に対応して前記第1の底角が位置すると共に、前記第2のフレーム部に対応して前記第2の底角が位置するようにし、
    前記第1の工程において、前記第1のフレーム部が前記第2のフレーム部よりも小さい幅を有するように前記フォトレジストパターンを形成することにより、
    前記第1の底角が前記第2の底角の角度よりも大きい角度を有するように前記磁性層パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項10記載の磁性層パターンの形成方法。
  12. 前記幅方向において、前記第1のフレーム部に対応して前記第1の底角が位置すると共に、前記第2のフレーム部に対応して前記第2の底角が位置するようにし、
    前記第1の工程において、前記第1のフレーム部が前記第2のフレーム部よりも大きい幅を有するように前記フォトレジストパターンを形成することにより、
    前記第1の底角が前記第2の底角の角度よりも小さい角度を有するように前記磁性層パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項10記載の磁性層パターンの形成方法。


























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