JP2005156933A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非走査面上を走査するために光源から出力された光ビームの一部を分離し、該分離した光量が所定光量となるように光源の光量制御を行なう場合に、光源から出力される光ビームの偏光方向が不安定であっても非走査面上の光量変動を抑えることができる光走査装置を提供する。
【解決手段】ハーフミラー20によって分離されMPD30に入射されるモニタビームの光路上に、光ビームの入射角に対する反射特性に偏光依存性を有するウィンドウガラス32(無コートの透明平行平板)を、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とが略一致するように、光軸に対して傾け角度θだけ傾けて挿入する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源から出力された光ビームを偏向手段によって偏向することにより被走査面上を走査させる光走査装置に係り、特に、入射された光ビームの光量を検出する検出手段と、前記光源から出力された光ビームの一部を分離する光分離手段を備え、前記光分離手段によって分離した光ビームの一部を前記検出手段に入射させる光学系と、前記検出手段による検出光量が予め定められた所定光量となるように、前記光源の出力光量を制御する光量制御手段と、を備えた光走査装置に関する。
従来より、光走査装置によって感光体を走査露光して画像を形成するレーザプリンタや複写機等の画像形成装置が普及している。光走査装置の光源には、従来より端面発光レーザが用いられてきたが、近年は、画像形成装置の高速化・高解像度化のために、複数の発光点が2次元配列された面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting diode Laser)からなる光源が用いられるようになってきている。
従来より光源として用いてきた端面発光レーザは、前方に出力されるメインビームの他に、後方に出力されるバックビームを有するため、このバックビーム光量をモニタしてその出力光量制御を行うことができた。
これに対して、VCSELは、端面発光レーザと異なり、バックビームが出力されない。このため、図11に示すように、VCSEL12を光源として用いる場合は、VCSEL12からの出力ビームの光路上にハーフミラー20を設け、このハーフミラー20によりVCSEL12の出力ビームを感光体に照射されるメインビームと、光量モニタ用のビーム(モニタビーム)とに分離する。そして、分離されたモニタビーム(図11では、ハーフミラー20の反射光)の光量をMPD30で検出し、該検出結果に基づいて、VCSEL駆動回路16においてVCSEL12の光量制御を行う。
ここで、ハーフミラーのような光学素子は、その反射率(透過率)に偏光依存性が有り、入射される光ビームの偏光方向により反射率(透過率)が変化することが一般に知られている。また、VCSELは構造が基本的に等方性のため、出力ビームの偏向方向は不安定である。
例えば、ハーフミラーの反射率がS偏光>P偏光であるとすると、VCSELからハーフミラーに入射される光ビームがS偏光である場合は、P偏光である場合よりも光量センサに入射する光量が多くなる。光量制御回路では、光量センサでの検知光量が一定になるようにVCSELの出力光量を調整するので、VCSELの出力ビームがS偏光からP偏光に変化した場合の挙動を説明すると以下の如くなる。
すなわち、VCSELの出力ビームがS偏光からP偏光に変化すると、ハーフミラーによってモニタビームとして分離される光量が低下し、代わりにメインビームとして分離される光量が増加するので感光体上でのメインビーム光量が増える。光量制御回路では、モニタビーム光量が低下したので、VCSElの光量が低下したと誤判定して、出力光量を増大させる。VCSELの出力光量が増えると、メインビーム光量がさらに増え、感光体に照射される光ビームの光量が増大する。
このように、VCSELの出力ビームがS偏光からP偏光に変化すると、ハーフミラーの偏光依存性によって感光体上のメインビーム光量が増加すると共に、光量制御回路の制御によってもさらにメインビーム光量が増加されることになる。また、ビームの偏光方向がP偏光からS偏光に変化した場合は、逆に、ハーフミラーの偏光依存性によって感光体上のメインビーム光量が減少すると共に、光量制御回路の制御によってもさらにメインビーム光量が減少されることになる。すなわち、VCSELの偏光不安定性による光量変動が光量制御によって増幅されてしまうという問題があった。
以下、具体的な例を用いてこの問題を詳述する。
図12に、一般的な光走査装置を示す。なお、図12では、コリメータレンズやシリンダレンズといった偏光依存性が無い光学素子は省略している。
図12に示す光走査装置10では、VCSEL12の出力ビームは、コリメータレンズ(図示省略)を介してハーフミラー20に入射され、ハーフミラー20によってモニタビームとメインビームとに分離される。ハーフミラー20の反射光であるモニタビームは、光量モニタ用の光量センサ(MPD)30に入射される。一方、ハーフミラー20の透過光であるメインビームは、シリンダレンズ(図示省略)を介してポリゴンミラー14に反射され、Fθレンズ22を透過した後、3枚の反射ミラー24A〜Cで反射されることによって、感光体50方向へと案内される。感光体50方向へと案内されたメインビームは、カバーガラス26を透過することによって光走査装置10外へ出て、感光体50へ照射される。
すなわち、光走査装置10では、ハーフミラー20以外にも、ポリゴンミラー14、反射ミラー24A〜C、及ぶカバーガラス26といった反射率や透過率に偏光依存性を有する光学素子を介した光ビームを感光体50に照射することになる。
ここで、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が、副走査方向(光走査装置による光ビームの走査方向と直交する方向)に平行であった場合と、主走査方向(光走査装置による光ビームの走査方向)に平行であった場合の、上記ハーフミラー20、ポリゴンミラー14、反射ミラー24A〜C、及ぶカバーガラス26の各光学素子における偏光を次の表1に示す。
Figure 2005156933
また、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が、副走査方向(光走査装置による光ビームの走査方向と直交する方向)に平行であった場合と、主走査方向(光走査装置による光ビームの走査方向)に平行であった場合とで、各光学素子の透過率・反射率が次の表2の如く変化するとする。
Figure 2005156933
なお、表2における光学系全体とは、VCSELの出力ビームのうち光走査装置から出力される光ビームの割合を示すものであり、以下、この割合のことをメインビーム側の光学系全体の透過率と称す。
上記の表1、2のような場合に、VCSELの出力ビームの偏光方向が、副走査方向から主走査方向に変化すると、メインビーム側の光学系全体の透過率は、26.3%から30.2%に増加する。
一方、VCSELの出力ビームのうち光量センサに入射する光量は、ハーフミラーの透過光の残りが全て光量センサ方向へ反射されるとすると、出力ビームの偏光方向が副走査方向に平行な場合は50%、出力ビームの偏光方向が主走査方向に平行な場合は45%となる。すなわち、ハーフミラーから光量センサへと進行する光ビーム(モニタビーム)側の光学系については、透過率が11%(=(50―45)/45)低下することになり、その結果、光量センサでの検出光量が11%低下する。
このため、光量制御回路では、VCSELの出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変化すると、VCSELの光量が低下したと誤判断して、VCSELの出力光量を11%、すなわち光量センサでの検出光量の低下分だけ増加させる。
したがって、感光体に照射される光ビームの光量は、VCSELの出力ビームの偏光方向が副走査方向に平行な場合を100とすると、主走査方向に平行な場合は127.5(=100×(30.2/26.3)×1.11)となる。すなわち、VCSELの出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変化すると、感光体上のメインビーム光量が27.5%増大し、表2で示した光学系全体の偏光依存性による増加分である14.8%(=(30.2−26.3)/26.3)よりも、光量制御による影響が加わるために光量変動が大きくなることが分かる。
このようにVCSELの偏光不安定性による光量変動が光量制御によって増幅されると、感光体上のメインビーム光量を一定に制御することができず、画像形成装置では形成した画像上に濃度ムラが生じてしまう。これを防止するための技術としては、VCSELの構造に異方性を持たせて、VCSELの出力ビームの偏光を制御する技術がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、実際には、VCSELの偏光を完全に制御することはできなかった。
一方、偏光方向が不安定な光源を用いる場合に、後段の光学系で偏光の影響を受けないようにする技術も従来より提案されている。特に、特許文献2で提案されている技術は、光路上に光学素子を光軸に対して傾けて配設することで、光学系の偏光依存性を打ち消すものであり、特殊な光学素子を必要とせず低コスト化が可能な点で優れている。
特開平1−196884号公報 特開2002−6245号公報
しかしながら、特許文献2で提案されている技術は、VCSELを光源として用いる場合に必須となる出力ビームからモニタビームを分離して光量検出を行うことを考慮したものではなく、光源から感光体へ至る光ビームの光路上に偏光依存性を打ち消すための光学素子を挿入するものであるので、VCSELを光源として用いる場合に適用すると以下のような問題が発生した。
図13は、VCSELを光源として用いる場合の光学系に特許文献2で提案されている技術を適用した一例を示しており、ハーフミラー20と感光体50との間の光ビーム(メインビーム)の光路上に、光軸に対して傾けて光学素子100を配置することによって、メインビーム側の光学系の偏光依存性(上述した14.8%)が相殺される。この場合、ハーフミラー20からMPD30へと進行する光ビーム(モニタビーム)側の光学系については、光学素子100から何ら影響を受けないので、ハーフミラー20の偏光依存性が残ってしまう。
また、図14は、VCSELを光源として用いる場合の光学系に特許文献2で提案されている技術を適用した別の一例であり、光軸に対して傾けた光学素子100をVCSEL12とハーフミラー20との間に設けた点が図13と異なっている。前述したように、光走査装置にはハーフミラー以外にも偏光依存性を有する光学素子が存在し、特許文献2で提案している技術は、これら光学素子トータルの偏光依存性、すなわちメインビーム側の光学系全体の偏光依存性を相殺するように光学素子100を配置するものである。したがって、メインビーム側の光学系全体の偏光依存性を相殺することができても、ハーフミラー20単体では偏光依存性が残ってしまう。
すなわち、ハーフミラー20の前後何れであってもVCSEL12から感光体50へ至る光ビームの光路上に光学素子100を傾けて配置したのでは、VCSELの出力ビームの偏光方向が変化した場合に、ハーフミラーの偏光依存性によってモニタビーム光量が増加又は減少するため、光量駆動回路によって誤った光量制御がなされてしまい、感光体に照射される光ビームの光量(メインビーム光量)を一定に制御することができないという問題があった。特に、表2の例では、VCSELの出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変化すると、光量制御によってVCSELの出力光量が必要以上に高くされるため、VCSELの寿命に与える影響が大きい。
なお、図14の場合、光学素子100をハーフミラー20の偏光依存性を完全に相殺するように傾けて配置することで、出力ビームの偏光が変化してもMPD30に入射するモニタビーム光量が変化しないようにすることも考えられるが、この場合、その他の光学素子に偏光依存性が有ってはならないことになり、矛盾が生じる。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、非走査面上を走査するために光源から出力された光ビームの一部を分離し、該分離した光量が所定光量となるように光源の光量制御を行なう場合に、光源から出力される光ビームの偏光方向が不安定であっても非走査面上の光量変動を抑えることができる光走査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の光走査装置は、光源から出力された光ビームを偏向手段によって偏向することにより被走査面上を走査させる光走査装置であって、入射された光ビームの光量を検出する検出手段と、前記光源から出力された光ビームの一部を分離する光分離手段を備え、前記光分離手段によって分離した光ビームの一部を前記検出手段に入射させる光学系と、前記検出手段による検出光量が予め定められた所定光量となるように、前記光源の出力光量を制御する光量制御手段と、を有し、前記光学系が、前記光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合に、前記非走査面上の光量の変動率と、前記検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させる特性を有する、ことを特徴としている。
請求項1に記載の光走査装置によれば、光源から出力された光ビームは、その一部が光分離手段によって分離されて、該光分離手段を含む光学系によって検出手段に入射される。検出手段では、この入射された光ビームの光量を検出し、当該検出光量が予め定められた所定光量となるように、光量制御手段によって光源の出力光量制御がなされる。
このとき、光源から出力された光ビームの偏光方向が変化すると、検出手段に光ビームを入射させる光学系が、光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合に、非走査面上の光量の変動率と検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させる特性を有するので、検出手段での検出光量が非走査面上の光量の変動率と略等しい変動率で変動することになる。検出手段の検出光量が変動すると、光量制御手段によって検出光量を元に戻す(前記所定値にする)ようにその変動率分に応じて光源の出力光量が増減されるので、この結果、非走査面上の光量も元に戻される。
すなわち、光源から出力された光ビームの偏光方向が変化し、該変化に伴って非走査面上の光量が変動しても、光量制御手段において検出手段での検出光量が所定光量となるように光源の出力光量を制御することで、非走査面上の光量が変動前の状態に自動的に戻されるので、光源から出力される光ビームの偏光方向が不安定であっても、非走査面上の光量変動を抑えることができる。
なお、検出手段に光ビームを入射させる光学系が、光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合に、非走査面上の光量の変動率と検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させる特性を有するようにするためには、請求項2に記載されているように、前記光学系が、光ビームの入射角に対する反射特性に偏光依存性を有し、前記特性にするべく光軸に対して傾けて配置された光学素子を備えるようにすればよい。
上記の光学素子としては、例えば、請求項3に記載されているように、無コーティング(以下、無コート)の透明平行平板を用いることができる。この場合、請求項4に記載されているように、前記透明平行平板が、前記光分離手段によって分離された前記光ビームの一部が非平行光状態で入射される位置に配置されるようにすれば、光ビームの干渉の影響を受けることなく安定した出力光量制御を行うことができる。また、請求項5に記載されているように、前記透明平行平板の光軸に対する傾け角度を調整可能にすれば、光走査装置に個体差があってもそれぞれの装置で最適な傾き角度に調整することができる。
また、上記の光学素子は、請求項6に記載されているように、前記光分離手段によって分離された前記光ビームの一部を前記検出手段の光入射面に集光させるレンズであってもよい。
また、請求項7に記載されているように、前記光分離手段に前記特性を備えさせることで、検出手段に光ビームを入射させる光学系において、光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合に、非走査面上の光量の変動率と検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させることができるようにしてもよい。この場合、上記のような光学素子が不要となり、部品点数の増加を防止することができる。
また、請求項8に記載の光走査装置は、光源から出力された光ビームを偏向手段によって偏向することにより被走査面上を走査させる光走査装置であって、入射された光ビームの光量を検出する検出手段と、前記光源から出力された光ビームの一部を分離する光分離手段を備え、前記光分離手段によって分離した光ビームの一部を前記検出手段に入射させる光学系と、前記検出手段による検出光量が予め定められた所定光量となるように、前記光源の出力光量を制御する光量制御手段と、を備え、前記検出手段の光入射面に、前記光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合の前記非走査面上の光量の変動率と、前記検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させる特性を有するコーティングを施した、ことを特徴としている。
請求項8に記載の光走査装置によれば、光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合に、非走査面上の光量の変動率と検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させる特性を有するコーティングを検出手段の光入射面に施したので、光源から出力された光ビームの偏光方向が変化し、該変化に伴って非走査面上の光量が変動すると、検出手段での検出光量が非走査面上の光量の変動率と略等しい変動率で変動することになり、請求項1に記載の発明と同様に、光源から出力される光ビームの偏光方向が不安定であっても、非走査面上の光量変動を抑えることができる。
なお、光源としては、請求項9に記載されているように、面発光レーザアレイを用いることができる。
以上説明したように本発明によれば、非走査面上を走査するために光源から出力された光ビームの一部を分離し、該分離した光量が所定光量となるように光源の光量制御を行なう場合に、光源から出力される光ビームの偏光方向が不安定であっても非走査面上の光量変動を抑えることができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
[構成]
図1に本発明の第1の実施の形態に係る光走査装置10を示す。なお、この光走査装置10は、レーザプリンタや複写器といった画像形成装置に搭載されて、円筒状の感光体50をその軸線方向(主走査方向:矢印A参照)に走査露光するために用いられる。
図1に示すように、光走査装置10は、光源としての面発光レーザアレイ(VCSEL)12と、側面に複数の反射面14Aを有する正多角形状(具体的には正六角形)に形成された偏向手段としてのポリゴンミラー14と、を備えている。
VCSEL12は、複数の発光点が二次元配列されており、複数の光ビームを同時出力することができる。光走査装置10は、このようなVCSEL12を光源として用いることで、複数の光ビームを同時走査させることが可能となる。
また、光走査装置10は、VCSEL12を駆動させるためのVCSEL駆動回路16を備えており、VCSEL12はVCSEL駆動回路16と接続されている。VCSEL12の各発光点は、VCSEL駆動回路16から駆動電流が供給されることによって発光し、該供給された駆動電流値に応じた光量のビームを出力する。
ケーシング内のVCSEL12から出力されたビームの進行方向下流側には、コリメータレンズ18、及び光分離手段としてのハーフミラー20が順に配置されている。コリメータレンズ18は、VCSEL12から出力された各ビームを発散光から略並行光に変換する。コリメータレンズ18を透過した各ビームはハーフミラー20に入射され、各ビームの一部はハーフミラー20を透過し、残りの一部はハーフミラー20によって反射される。なお、本実施形態では、ハーフミラー20の透過光がメインビームとして、ポリゴンミラー14の反射面14Aに入射されるようになっている。
ハーフミラー20とポリゴンミラー14の間には、シリンダレンズ21が配置されている。シリンダレンズ21は、主走査方向と直交する方向(以下、副走査方向)にパワーを有し、メインビームをポリゴンミラー14の反射面14A上に主走査方向に細長い線像として収束させる。
ポリゴンミラー14は、図示しないポリゴンモータによって所定速度で矢印B方向に回転されており、この回転によって反射面14Aに対するメインビームの入射角度が連続的に変化し、反射面14Aに入射したメインビームが偏向される。これにより、VCSEL12から出力された各ビームのメインビームが主走査方向(矢印A参照)に走査されることになる。
ポリゴンミラー14によって反射されたビームの進行方向には、第1のレンズ22A及び第2のレンズ22BからなるFθレンズ22、及び3枚の反射ミラー24A〜Cが配置されている。ポリゴンミラー14によって反射されたメインビームは、Fθレンズ22を透過した後、反射ミラー24A〜Cによって光走査装置10の光出力口となるカバーガラス26へと案内され、カバーガラス26を透過することによって光走査装置10外へと出力される。光走査装置10外に出力された光ビームは、感光体50に照射される。このとき、ポリゴンミラー14によって反射されたメインビームは、Fθレンズ22によって、感光体50の表面上で結像点が結ばれ、かつ感光体50上での走査速度が略等速度にされる。画像形成装置では、光走査装置10によって光ビームを感光体50上で主走査させ、且つ感光体50を矢印C方向に一定速度で回転することで副走査がなされ、感光体50上に画像(潜像)を形成することができる。
なお、図示は省略するが、Fθレンズ22よりも光の進行方向下流側で、且つ主走査方向最上流側にはミラーが配置され、このミラーによる光の反射方向には、PD等の受光素子を備えたSOS(Start of Scan)センサが配設されている。すなわち、光走査装置10では、感光体50上をメインビームが走査する毎に、感光体50上の走査開始手前のメインビームがミラーによって反射されてSOSセンサへと案内され、SOSセンサによって走査開始タイミングを検知することができるようになっている。画像形成装置に光走査装置10が搭載された際には、このSOSセンサによる走査開始タイミングの検知信号(SOS信号)に基づいて、該光走査装置10の各種動作タイミング制御がなされる。
一方、ハーフミラー20による光の反射方向には、集光レンズ28、及び光量モニタ用の光量センサ(以下、MPD)30が配設されている。ハーフミラー20によって反射されたビームは、モニタビームとして、集光レンズ28によって集光されてMPD30に入射されることになる。MPD30は、本発明の検出手段に対応するものであり、入射したモニタビームを受光し、その受光量に応じた値の電流を出力する。
すなわち、本実施の形態では、このようにハーフミラー20からMPD30に至るモニタビームの光路上に配置された光学素子(ハーフミラー20を含む)から本発明の光学系が構成されることになり、以下、この光学系のことをモニタビーム側の光学系と称す。
なお、VCSEL12の何れの発光点を点灯させたときでも、MPD30の受光面にモニタビームを入射させることができるのであれば、集光レンズ28は省略可能である。ただし、後述する光ビームの干渉の問題を解消するためには、集光レンズ28を設け、モニタビームを集光させてMPD30に入射させるようにすることが好ましい。
MPD30の出力は、不図示の電流電圧変換器を介してVCSEL駆動回路16と接続されている。MPD30から出力された受光量に応じた電流値は電流電圧変換器によって電圧変換され、該電流値に応じた値の電圧信号(以下、モニタ光量信号)となって、VCSEL駆動回路16に入力される。これにより、VCSEL12から出力されたビームのうち、ハーフミラー20によって反射されたモニタビームの光量を表すモニタ光量信号がVCSEL駆動回路16に入力されることになる。
VCSEL駆動回路16には、外部(画像形成装置のコントローラ)から点灯信号、光量指示信号、光量制御実行指示(APC)信号といった各種の制御信号が入力されるようになっている。VCSEL駆動回路16は、点灯信号に従って、VCSEL12の対応する発光点への駆動電流の供給をON/OFFし、当該発光点をビーム点灯させたり消灯させたりする。具体的に、画像形成装置に搭載時には、SOS信号を取得するためにビーム点灯させたり、光量制御のためにビーム点灯させたり、画像データに基づいてビーム点灯させるための点灯信号が入力される。
また、VCSEL駆動回路16は、光量制御のためにVCSEL12の何れかの発光点の点灯を指示する点灯信号と、光量制御の実行を指示するAPC信号とが入力された光量制御時には、点灯信号に従って該当する発光点を点灯させた状態で、モニタ光量信号が光量指示信号と略一致するように、すなわちMPD30での検出光量が光量指示信号で指示されている所定光量となるように、該当する発光点へ供給する駆動電流値を調整する。これにより、当該発光点の出力光量を制御することができ、光量制御後は調整後の駆動電流値を保持し、当該発光点の以降の点灯時には、該駆動電流値の電流を供給する。すなわち、VCSEL駆動回路16が本発明の光量制御手段としての機能を備えている。
ここで、本実施の形態では、集光レンズ28とMPD30との間のモニタビームの光路上に、光学素子として、光ビームの入射角に対する反射特性に偏光依存性を有する無コートの透明平行平板(以下、ウィンドウガラス)32が配設されている。
このウィンドウガラス32は、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が副走査方向である場合に、S偏光入射となるようにモニタビームの光路上に挿入されており、図2に示すように、その光軸がモニタビーム側の光学系の光軸に対して所定角度(以下、光軸に対する傾け角度と称す)θだけ傾けられている。
この光軸に対するウィンドウガラス32の傾け角度θは、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とが略一致するように定められている。
[作用]
次に、第1の実施の形態の作用として、光量制御時の光走査装置10の動作について説明する。
第1の実施の形態に係る光走査装置10では、光量制御時は、VCSEL12の光量制御対象の発光点を点灯させる。これにより、VCSEL12から1本の光ビームが出力され、出力された光ビームはコリメータレンズ18によって平行光化された後、ハーフミラー20に入射し、ハーフミラー20によってメインビームとモニタビームとに分離される。
ハーフミラー20の透過光であるメインビームは、ポリゴンミラー14の反射面によって反射され、Fθレンズ22を透過し、反射ミラー24A〜Cによって反射された後、カバーガラス26を透過して、感光体50に照射される。ハーフミラー20の反射光であるモニタビームは、集光レンズ28、ウィンドウガラス32を透過した後、MPD30の受光面に入射する。MPD30では、受光面に入射したモニタビームの光量を検出し、その検出結果がモニタ光量信号としてVCSEL駆動回路16へ入力される。
VCSEL駆動回路16は、該モニタ光量信号が外部(画像形成装置のコントローラ)から入力された光量指示信号と一致するように、すなわち、MPD30で検出されるモニタビーム光量が光量指示信号で指示されている光量と一致するように、点灯中の発光点の出力光量を制御する。これにより、感光体50上のメインビーム光量が所定の値となるように制御することができる。
このような光量制御を、VCSEL12の全ての発光点について行うことで、VCSEL12から出力される複数の光ビーム各々の感光体50上でのメインビーム光量を所定値に揃えることができる。
ところで、上記の如く光量制御が行われる場合に、VCSELからの出力ビームの偏光方向が変化すると、ハーフミラー20、ポリゴンミラー14、反射ミラー24A〜C、カバーガラス26の透過率・反射率が変化し、感光体50に照射されるメインビーム光量が変動する。このとき、ハーフミラー20によって分離されたモニタビーム光量も変動するが、モニタビーム光路上に、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とが略一致するように、光軸に対して傾けられてウィンドウガラス32が設けられているため、MPD30に入射するモニタビーム光量は、感光体50上のメインビーム光量の変動率だけ増減されたものになる。
これにより、MPD30では、出力ビームの偏光方向の変化後に感光体50に実際に照射されているメインビーム光量に応じた光量のモニタビームを検出することができ、従来技術のように、VCSEL駆動回路16において誤判定されることがない。すなわち、出力ビームの偏光方向の変化後も、感光体50上のメインビーム光量を所定の値にするべく光量制御が継続され、感光体50上のメインビーム光量の変動を抑えることができる。
次に、光軸に対するウィンドウガラス32の傾け角度θについて具体的に説明する。以下では、光学系が表2で示したような偏光依存性を有している場合を例に説明する。
この場合、前述したように、VCSELからの出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変化すると、メインビーム側の光学系の透過率は14.8%増大する。また、モニタビーム側の光学系の透過率は、ウィンドウガラス32が無い場合では、11%低下する。このような場合は、VCSELからの出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変化した場合に27.5%(=1.148×1.11)だけ透過率が増加するように、ウィンドウガラス32を傾けて挿入すればよい。
ここで、図3に、横軸を光ビームの入射角、縦軸をウィンドウガラス32による1面の反射率として、S偏光及びP偏光それぞれの光ビーム入射時のウィンドウガラス32の反射特性を示す。なお、ウィンドウガラス32には、屈折率1.52の媒質を利用している。
図3から、入射角に対するウィンドウガラス32による1面の反射率はP偏光とS偏光とで異なり、ウィンドウガラス32は、光ビームの入射角に対する反射特性に偏光依存性が有ることが分かる。この図3において、光ビームの入射角が50.1度の場合のウィンドウガラス32による1面の反射率は、S偏光では11.79%、P偏光では0.37%になっている。この場合のウィンドウガラス32の透過率は、ウィンドウガラス32の入出力両面で反射(2面で反射)された残りが全て透過するとして、S偏光では77.8%(=(1−0.1179)2)、P偏光では99.3%(=(1−0.0037)2)となる。
したがって、モニタビームの光路上に、光軸に対する傾け角度θ=50.1度となるようにウィンドウガラス32を傾けて挿入すれば、VCSELからの出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変化して、ウィンドウガラス32の入射ビームがS偏光からP偏光に変化すると、ウィンドウガラス32の透過率が27.6%(=(99.3−77.8)/77.8)増加することになり、前述した27.5%と略等しい透過率の増加が得られる。
このように光軸に対する傾け角度θ=50.1度となるようにウィンドウガラス32を傾けて挿入することにより、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が、副走査方向に平行であった場合と、主走査方向に平行であった場合とで、モニタビーム側の各光学素子の透過率・反射率は次の表3の如く変化する。
Figure 2005156933
なお、表3における光学系全体とは、モニタビーム側の光学系全体の透過率、すなわちVCSELの出力ビームのうち光走査装置からMPD30に入射される光ビームの割合を示すものである。
表3に示したように、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が、副走査方向から主走査方向に変化すると、モニタビーム側の光学系全体の透過率は、38.9%から44.7%に増加する。したがって、MPD30に入射するモニタビーム光量は14.9%(=(44.7−38.9)/38.9)増加し、この増加率は感光体50上におけるメインビーム光量の増加率(14.8%)と略一致する。したがって、MPD30では、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が、副走査方向から主走査方向に変化した場合に、出力ビームの偏光方向の変化後に実際に感光体50に照射されているメインビーム光量に応じた光量のモニタビームを検出することができる。
図4に、32ビームを出力可能なVCSEL12の各発光点を順番に点灯させたときの感光体50上の光量の測定結果を示す。図4において、(A)はモニタビームの光路上にウィンドウガラス32が無い場合、(B)はウィンドウガラス32が有る(モニタビームの光路上にウィンドウガラス32を光軸に対する傾け角度θで挿入した)場合である。
図4から、ウィンドウガラス32が無い場合は、偏光が異常(出力ビームの偏光方向が主走査方向)なビーム光量が、他のビーム光量よりも高くなっているが、ウィンドウガラス32を挿入することで、全てのビームの光量を略等しくすることができることが分かる。
[第1の実施の形態のまとめ]
上記をまとめると、第1の実施の形態では、ハーフミラー20によって分離されMPD30に入射されるモニタビームの光路上に、光ビームの入射角に対する反射特性に偏光依存性を有するウィンドウガラス32を、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とが略一致するように、光軸に対して傾け角度θだけ傾けて挿入した。これにより、VCSEL12の発光点から出力される出力ビームの偏光方向が変化し、該変化に伴って感光体50上のメインビーム光量が変動したとしても、MPD30で検出される検出光量も略等しい変動率で変動するので、VCSEL駆動回路16において、MPD30で検出される検出光量が所定光量となるようにVCSELの出力光量制御がなされると、自動的に感光体50上のメインビーム光量を戻すように制御されることになる。よって、感光体50上の光量変動を防止でき、本光走査装置10を搭載した画像形成装置において画像を形成した場合の濃度ムラを低減することができる。また、従来技術のように、必要以上に出力光量が高くされることもないので、光源の長寿命化の効果もある。
さらに、図13、図14に示した従来技術と比べて、以下のような効果も有る。すなわち、従来技術では、メインビームを透過させる光学素子100を光軸に対して傾けたため、感光体上のメインビームの結像性能に影響を与えるため、収差を考慮した部品精度が求められ、光学素子が高価になってコストアップに繋がるという問題があった。これに対して、光軸に対して傾けたウィンドウガラス32は、モニタビーム側の光学系のであり、モニタビーム側の光学系の目的は、MPD30にモニタビームを入射させるだけであるため、結像性能に対する要求が低い。したがって、ウィンドウガラス32に要求される面精度は従来技術で用いられる光学素子100ほど高くなく、例えば透明なプラスチック板程度の安価な部品をウィンドウガラス32として用いることもでき、低コスト化が可能である。
また従来技術では、コリメータレンズ18の後段に光学素子100が配置されるので、光学素子100にはコリメータレンズ18で平行光化された光ビームが入射されることになり、干渉が発生する恐れがあった。干渉を防止するためには、光学素子100として、表面がウェッジされた特殊な光学素子を用いることが考えられるが、この場合、ウェッジに対する光ビームの入射角度によって屈折角が変わるため、光ビームの進行方向が変わってしまうと共に、特殊な光学素子を必要とするのでコストアップに繋がるという問題があった。
本実施の形態においても、図5(A)に示すようにモニタビームの光路上で集光レンズ28よりも前段にウィンドウガラス32を設けると、ウィンドウガラス32に平行光が入射されるため、干渉が発生して、MPD30に入射するモニタビーム光量がこの干渉の影響を受ける。この結果、図5(B)に示す如く感光体50上のメインビーム光量は、ビーム間でのばらつきは図4(A)で示したウィンドウガラスが無い場合よりも低減されてはいるが、図4(B)で示したウィンドウガラス32を集光レンズ28の後段に設けた場合と比べて、全体的にばらつきが大きくなってしまう。
したがって、集光レンズ28の前後何れにウィンドウガラス32を挿入してもよいが、干渉の影響を受けることなく感光体50上のメインビーム光量をより均一にするためには、ウィンドウガラス32を集光レンズ28よりも後段に挿入し、ウィンドウガラス32には、モニタビームが平行光ではなく集光された状態で入射させるようにするとよい。言い換えると、従来技術のように特殊な光学素子を用いずとも、単に集光レンズ29の後段にウィンドウガラス32を挿入するだけで、光ビームの干渉の問題を解消することができる。
ここで、光学素子の偏光依存性は、コーティング膜厚のばらつきによっても変化することが一般に知られており、光走査装置10毎に光学系の偏光依存性が異なる。このような光走査装置10毎の個体差に対応するためには、図6に示すように、ウィンドウガラス32を回転可能に設け、傾け角度θを調整可能にするとよい。図7(A)〜(C)には、ウィンドウガラス32の傾け角度θが不足、最適、過多の各々の場合の光量のばらつきを示しており、光走査装置10の組み立て時等に、このような光量ばらつきを測定しながらウィンドウガラス32を回転させて傾け角度θを調整すれば、傾け角度θを当該光走査装置10に最適な角度(光量のばらつきが最小となる角度)に設定することができる。
また、上記では、モニタビーム光路上にウィンドウガラス32を光軸に対して傾けて挿入したが、本発明はこれに限定されるものではなく、モニタビームの光路上に、光ビームの入射角に対する反射特性が偏光依存性を有する光学素子を光軸に対して傾けて配置することが本質である。
例えば、図8に示すように、ウィンドウガラス32を挿入する代わりに、集光レンズ28を光軸に対して傾けて配置してもよい。すなわち、集光レンズ28のレンズ面が、ウィンドウガラス32のように入射角に対する反射特性に偏光依存性が有れば(図3参照)、同様に集光レンズ28を光軸に対して傾ければ、ウィンドウガラス32の挿入と同等の効果を得ることができる。この場合、ウィンドウガラス32を省略して部品点数を少なくすることができるので、より低コスト化が可能である。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9に第2の実施の形態に係る光走査装置10を示す。なお、図9では、第1の実施の形態と同一の部材については同一の符号を付与して示しており、以下では詳細な説明は省略する。
図9に示すように、第2の実施の形態に係る光走査装置10は、第1の実施の形態で説明した光走査装置10からウィンドウガラス32を除去した構成となっており、ハーフミラー20の反射率が、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とを略一致させる偏光依存性となるように調整されている点が第1の実施の形態と異なる。
詳しくは、出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変わったときの、ハーフミラー20を含んだメインビーム側の光学系の透過率の増加率(すなわち感光体50上でのメインビーム光量の増加率)と、ハーフミラー20の反射率の増加率とが略等しくなるようにすればよい。
具体的に、ハーフミラー20を除いたメインビーム側の光学系(具体的には、ポリゴンミラー14、反射ミラー24A〜C、カバーガラス26で構成される光学系であり、以下、「その他の光学系」と称す)の透過率が、VCSELの出力ビームの偏光方向が副走査方向の場合は50%、主走査方向の場合は60%となる場合を例に説明する。この場合、出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変わると、その他の光学系の透過率が1.2倍になるので、出力ビームの偏光方向が副走査方向のときのハーフミラー20の反射率(すなわちS偏光に対する反射率)をa、出力ビームの偏光方向が主走査方向のときのハーフミラー20の反射率(すなわちP偏光に対する反射率)をbとすると、次の式(1)が成り立つように、ハーフミラー20の反射率偏光依存性が定められる。
1−a:1.2(1−b)=a:b …式(1)
この式(1)より、
b/a=1.2/(1+0.2a)
と求められる。すなわち、出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変わった場合に、ハーフミラー20の反射率が1.2/(1+0.2a)倍になればよい。
例えば、出力ビームの偏光方向が副走査方向の場合のハーフミラー20の反射率が50%、透過率が50%であるときは、出力ビームの偏光方向が主走査方向の場合は、ハーフミラー20の反射率が1.09(=1.2/(1+0.2×0.5))倍、すなわち9%増加して54.5%となり、透過率が45.5%となればよい。したがって、S偏光に対しては反射率が50%、透過率が50%、P偏光に対しては反射率が54.5%、透過率が45.5%となるように、ハーフミラー20に入射面20Aにコーティングを施す等して、ハーフミラー20の反射率偏光依存性を調整すればよい。
この場合、ハーフミラー20を含めたメインビーム側の光学系の透過率は、VCSELの出力ビームの偏光方向が副走査方向の場合は25%(=0.50×0.50)、主走査方向の場合は27.3%(=0.455×0.60)となる。
MPD30には、VCSELの出力ビームの偏光方向が主走査方向の場合は、出力ビームの偏光方向が副走査方向の場合の1.09(=54.5/50)倍、すなわち9%多い光量が入射するので、VCSEL駆動回路16によって入射光量の増加分を下げるように光量制御がなされるので、感光体50上のメインビーム光量は、VCSELの出力ビームの偏光方向が副走査方向の場合を25とすると、主走査方向の場合も25(=27.3×50/54.4)となる。すなわち、VCSELの出力ビームの偏光方向が変化しても、感光体50上のメインビーム光量を所定の値となるように制御することができる。
このように、第2の実施の形態では、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とを略一致させるように、ハーフミラー20の反射偏光依存性を調整した。これにより、第1の実施の形態と同様に、VCSEL12の発光点から出力される出力ビームの偏光方向が変化し、該変化に伴って感光体50上のメインビーム光量が変動したとしても、VCSEL駆動回路16において、感光体50上のメインビーム光量を戻すように制御することができ、感光体50上の光量変動を抑えることができる。
また、VCSEL12を光源に用いる場合に必須とされる光分離手段であるハーフミラー20に、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とを略一致させる特性を持たせたので、前述したウィンドウガラス32のような光学素子の追加を必要とせず、部品点数の増加を防止することもできる。
なお、上記では、ハーフミラー20の入射面20Aをコーティングするなどして、ハーフミラー20の反射率偏光依存性を調整する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ハーフミラー20の反射率偏光依存性を調整する代わりに、図10に示すように、MPD30の受光面上に、VCSEL12の出力ビームの偏光方向が変化した場合に該偏光方向の変化によって生じる感光体50上のメインビーム光量の変動率と、MPD30に入射するモニタビームの変動率とを略一致させるようなコーティング30Aを施してもよい。この場合、出力ビームの偏光方向が副走査方向から主走査方向に変わったときの、ハーフミラー20を含んだメインビーム側の光学系の透過率の増加率と、受光面上に施されたコーティングの透過率の増加率とが略等しくなるように、コーティング30Aの透過率依存性を定めればよい。
第1の実施の形態に係る光走査装置の構成を示す斜視図である。 第1の実施の形態におけるVCSELの出力ビームからモニタビームを分離して光量検出を行うための構成を示す図である。 光ビームの入射角に対するウィンドウガラスによる1面の反射特性を示すグラフである。 モニタビームの光路上にウィンドウガラスが無い場合(A)、ウィンドウガラスが有る場合(B)の32ビーム出力可能なVCSELの各発光点を順番に点灯させたときの感光体上の光量を示すグラフである。 (A)はウィンドウガラスを集光レンズの前段に設けた場合のハーフミラー及びその周辺の構成図、(B)は(A)の構成の場合に、32ビーム出力可能なVCSELの各発光点を順番に点灯させたときの感光体上の光量を示すグラフである。 第1の実施の形態におけるVCSELの出力ビームからモニタビームを分離して光量検出を行うための構成の変形例を示す図である。 ウィンドウガラスの光軸に対する傾け角度が不足している場合(A)、最適な場合(B)、過多である場合(C)の32ビーム出力可能なVCSELの各発光点を順番に点灯させたときの感光体上の光量を示すグラフである。 第1の実施の形態におけるVCSELの出力ビームからモニタビームを分離して光量検出を行うための構成の別の変形例を示す図である。 第2の実施の形態に係る光走査装置の構成を示す斜視図である。 第2の実施の形態におけるVCSELの出力ビームからモニタビームを分離して光量検出を行うための構成の変形例を示す図である。 VCSELの出力ビームからモニタビームを分離して光量検出を行うための一般的な構成を示す図である。 一般的な光走査装置の構成を示す図である。 VCSELを光源に用いる場合に、光学系の偏光依存性を打ち消すために光学素子を項軸に対して傾けて配置した例を示す図である(従来技術)。 VCSELを光源に用いる場合に、光学系の偏光依存性を打ち消すために光学素子を項軸に対して傾けて配置した別の例を示す図である(従来技術)。
符号の説明
10 光走査装置
12 VCSEL
14 ポリゴンミラー
16 VCSEL駆動回路
18 コリメータレンズ
20 ハーフミラー
22 Fθレンズ
24A〜C 反射ミラー
26 カバーガラス
28 集光レンズ
30 MPD
32 ウィンドウガラス
50 感光体

Claims (9)

  1. 光源から出力された光ビームを偏向手段によって偏向することにより被走査面上を走査させる光走査装置であって、
    入射された光ビームの光量を検出する検出手段と、
    前記光源から出力された光ビームの一部を分離する光分離手段を備え、前記光分離手段によって分離した光ビームの一部を前記検出手段に入射させる光学系と、
    前記検出手段による検出光量が予め定められた所定光量となるように、前記光源の出力光量を制御する光量制御手段と、を有し、
    前記光学系が、前記光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合に、前記非走査面上の光量の変動率と、前記検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させる特性を有する、
    ことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光学系が、光ビームの入射角に対する反射特性に偏光依存性を有し、前記特性にするべく光軸に対して傾けて配置された光学素子を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記光学素子が、無コーティングの透明平行平板である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記透明平行平板が、前記光分離手段によって分離された前記光ビームの一部が非平行光状態で入射される位置に配置される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記透明平行平板の光軸に対する傾け角度が調整可能である、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記光学素子が、前記光分離手段によって分離された前記光ビームの一部を前記検出手段の光入射面に集光させるレンズである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  7. 前記光分離手段に前記特性を備えさせた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  8. 光源から出力された光ビームを偏向手段によって偏向することにより被走査面上を走査させる光走査装置であって、
    入射された光ビームの光量を検出する検出手段と、
    前記光源から出力された光ビームの一部を分離する光分離手段を備え、前記光分離手段によって分離した光ビームの一部を前記検出手段に入射させる光学系と、
    前記検出手段による検出光量が予め定められた所定光量となるように、前記光源の出力光量を制御する光量制御手段と、を備え、
    前記検出手段の光入射面に、前記光源から出力された光ビームの偏光方向が変化した場合の前記非走査面上の光量の変動率と、前記検出手段に入射する光量の変動率とを略一致させる特性を有するコーティングを施した、
    ことを特徴とする光走査装置。
  9. 前記光源が、面発光レーザアレイである、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の光走査装置。
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