JP2005155962A - 加熱調理器 - Google Patents

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肇 宮田
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Abstract

【課題】調理中に使用者が被調理物を出し入れする開閉扉を開けても高温の加熱蒸気が直接使用者に向けて噴き出すことが無い加熱調理器を提供する。
【解決手段】被調理物2を載置する被調理物載置具3と被調理物載置具3を収納し、加熱気体流吸い込み口4と加熱気体流吹き出し口5を有する調理室1と、前記加熱気体流吸い込み口4及び加熱気体流吹き出し口5に連通された循環風路7と、循環風路7内の空気を加熱気体流吸い込み口4から加熱気体流吹き出し口5に循環させる送風手段8と循環風路7内に蒸気を供給する蒸気発生手段9と、循環風路7内の空気および蒸気を加熱する加熱手段10と調理室1の開口部12を開閉する開閉扉11を備え、開閉扉11の上縁横方向には遮断安全手段として調理室1内に被調理物2を加熱する加熱気体流の流れる方向に直交して遮蔽板13を配設する加熱調理器とする。
【選択図】図2

Description

本発明は一般家庭等の台所で使用するロースターなどの加熱調理器に関するものである。
従来、この種の加熱調理器の事例としては、以下に示すような構成がある(例えば特許文献1参照)。
図10において、筐体82の内部には被調理物83を載置具上に載せて収納し、加熱気体流吸い込み口84と加熱気体流吹き出し口85を有する調理室81が設けられており、前記加熱気体流吸い込み口84および前記加熱気体流吹き出し口85は循環風路86で連通されている。前記循環風路86内には、前記加熱気体流吸い込み口84から加熱気体流吹き出し口85に空気を循環させる送風機87と、前記循環風路86内に蒸気を供給するボイラ等の蒸気発生手段88と、加熱手段89を設けた構成となっている。
上記構成において、前記蒸気発生手段88から前記循環風路86内に供給された飽和蒸気は、前記送風器87によって加熱手段89に送られ、180℃以上の逆転点以上の過熱蒸気となって、前記加熱気体流吹き出し口85から調理室81内に供給される。なお、調理室81内に供給された過熱蒸気は調理室81内にあった空気を筐体82の外部に排出し調理室81内の空気は過熱蒸気で置換される。従って、調理室81内温度を熱伝達を行うのに有利な高温に設定したにもかかわらず、過熱蒸気による脱酸素状態と被調理物83の表面における凝縮水のため被調理物83の焦げを防止し、調理時間の短縮を図ることができるものである。
加熱調理において、被調理物が調理されるためには熱を多く受ける必要があり、被調理物に与える温度は被調理物の種類にもよるが特に魚等を焼くという点に関しては一気に温度上昇する方が理想的である。焼き魚等においては初期状態で一気に表面に熱を加え表皮を変性させ中身のおいしさを逃がさないことが重要であるため、この初期の調理室の昇温速度は重要な調理ファクターとなる。また調理においては調理室内各部に温度むらがあると調理むら特に焼き魚においては焼けむらが発生し、見た目も良くないばかりでなく、焼きが足りない部分は生臭くなる。
図10において循環風路86で高温状態に蒸気を加熱することで、調理室81内の温度を上げることなく循環風路86内の加熱空気を送風機87を作動させることにより、循環風路86より調理室81に送り込む。それにより調理室81内の温度を一気に上昇させることができるとともに、加熱蒸気は調理室81内にほぼ瞬時に充満するため、調理室81内の温度むらが発生しにくい。
そして高温蒸気は、水が気体となっているため約540カロリーの気化熱を持っている。これが被調理物に当たりもとの水に戻るときに凝縮熱として同じ540カロリーを被調理物83に与えるので、調理を促進することに繋がるのである。調理時間も凝縮熱を多く与えることが出来るためより短く出来るものである。同時に、初期の段階で凝縮により乾燥が防げるためジューシーな仕上がりとなる。加熱調理した被調理物は調理室81に設けた開閉扉(図示せず)を開いて筐体82外に取り出して調理を終了するものであるが調理途中で取り出して調理具合を吟味したり、被調理物83の位置を変えたり、被調理物83の表裏をひっくり返して再加熱すると言う手間のかかる手段によらなければ加熱調理がうまくできなかった。
特開平8ー49854号公報
前記従来の構成では、加熱された高温の蒸気により、被調理物を加熱するため、高温蒸気を調理室に充満しつつ循環させているが、調理中の高温蒸気発生状態において、開閉扉を開けた際、高温の蒸気が調理室の開口部より噴き出す。前述したように高温蒸気は同温度との空気と比較してもそれ自身が持っている熱量が大きいため、使用者の顔や手等人体の一部が直接高温蒸気に触れた場合、熱い不快感を感ずるのみならず火傷をする等の危険性があり、十分な安全対策を施す必要があるという課題を有していた。
前記従来の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、加熱蒸気により調理性能を向上した加熱調理器において加熱調理をした被調理物を加熱調理器より取り出す際にも調理室内の加熱蒸気が加熱調理器外に噴出しないように安全に使用することができる加熱調理器を提供することにある。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、調理室に設けた開口部の開閉扉の部分に蒸気が噴出するのを低減するための遮蔽安全手段を設けたものである。
これによって、調理中の調理室内に蒸気が充満状態で開閉扉が開けられても、開閉扉と調理室の開口部の隙間から直接使用者の方向に蒸気が噴き出すことを低減することとした。
本発明の加熱調理器は調理室内に高温蒸気が充満している状態すなわち被調理物の加熱調理中または加熱調理後調理室内の温度が低下しない状態において使用者が調理室を開口する開閉扉を開けても蒸気が直接使用者に向けて噴き出すことが低減され、安全に加熱調理器を使用することができる。
第1の発明は被調理物を加熱する調理室及び、調理室に過熱された高温の加熱気体流を供給する加熱手段と蒸気発生手段と加熱手段により加熱された高温蒸気を調理室に循環させる送風手段と調理室の開口部を開閉する開閉扉及び開閉扉の内面に遮蔽安全手段を有することにより、調理中に開閉扉が開けられても調理室の開口部において前記開閉扉との間に形成される隙間から蒸気が直接外部へ噴出するのを低減することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の遮蔽安全手段を開閉扉の調理室内側であって被調理物の全面にわたって当たる加熱気体流に直交する方向に突出した遮蔽板とすることで、調理中に開閉扉が開けられても調理室の開口部において前記開閉扉との間に形成される隙間から蒸気が直接外部へ噴出するのを低減することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の遮蔽安全手段として調理室側に横方向遮蔽部分と縦方向遮蔽部分とにより構成された囲い状遮蔽壁を突出したことで、調理中に開閉扉が開けられても調理室の開口部において前記開閉扉との間に形成される隙間から蒸気が直接外部へ噴出するのを低減することができる。
第4の発明は、多数の孔を設けた誘導体により加熱気体流吹き出し口から吹き出された加熱気体流が調理室の横方向に拡がり、ついで前記多数の孔によって被調理物に向かって垂直方向に直進するため、調理室の側壁に設けた開口部より加熱調理器外に漏出することが少なく遮蔽安全手段の作用とあいまって安全に加熱調理器を使用できる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において開閉扉の扉開閉検知手段と、扉開閉検知手段の信号に応じて蒸気発生手段を停止させる制御手段を有することにより、遮蔽安全手段の作用とあいまって蒸気の発生源を止めることにより調理室内への蒸気の供給が無くなるため、蒸気の噴き出しが抑制されると共にたとえ開閉扉を全開しても蒸気の漏れ出しが無くなり安全に加熱調理器を使うことができる。
第6の発明は、特に、第1〜5の発明において扉開閉検知手段の信号に応じて加熱気体流の循環手段として送風手段を停止させる制御手段を有することにより、遮蔽安全手段の作用とあいまって加熱気体流の循環を止めることにより調理室内への新たな蒸気の供給が無くなるため、開閉扉を開いても加熱調理器外の蒸気の噴き出しが抑制され更に安全に加熱調理器を使うことができる。
第7の発明は、特に、第5または第6の発明において調理室と連通する加熱気体流吹き出し口に開閉可能な開閉機構を有することにより、開閉扉が開けられるのに応じて調理室内への加熱気体流の供給を止めることで、遮蔽安全手段の作用とあいまってより蒸気の加熱調理器外への噴き出しが抑制されるのでより安全に加熱調理器を使うことができる。
第8の発明は、特に、第5〜7のいずれか1つの発明において、循環風路に排気口を有し、排気口に開閉可能な排気口開閉機構を有することで、蒸気発生調理中は排気口を閉じ蒸気を循環させていたものを開閉扉が開けられると同時に排気口を開け、排気口側に蒸気を逃がすことで、遮蔽安全手段の作用とあいまって蒸気の噴出が抑制されるのでより安全に加熱調理器を使うことができる。
第9の発明は、特に、第8の発明の排気口に強制排気を行うための排気ファンを備え、開閉検知手段の信号に応じて排気ファンを駆動する排気ファン駆動制御手段を有することにより、蒸気発生調理中は排気口を閉じ蒸気を循環させていたものを開閉扉が開けられると同時に排気口を開け、排気ファンの駆動により強制的に排気口より蒸気を逃がすことで、遮蔽安全手段の作用とあいまって調理室からの蒸気の噴き出しが抑制されるのでより安全に加熱調理器を使うことができる。
第10の発明は、特に、第9の発明において、排気ファンと送風手段の駆動を切替て一つの駆動手段で行うことにより、装置構成の小型化及び低コスト化を図ることができる。
第11の発明は、特に、第6〜10のいずれか1つの発明において、調理状態の動作記憶手段を有し、開閉扉が調理室の開口部を開いた時の調理状態を動作記憶手段に記憶し、開閉扉の再閉を扉開閉検知手段により検知した時、動作記憶手段の情報に応じて調理加熱を続行して補充をする制御を行うことで、一時的に開閉扉を開くことで加熱調理が一時的に停止しても、開閉扉を閉じれば加熱調理が停止していた状態を加味して引き続いて調理を継続することが容易となり、開閉扉の開閉による調理の仕上がり具合が意志に反して変つてしまうことが無くなる。
第12の発明は、特に、第5〜11のいずれか1つの発明において、扉開閉検知手段に変えて扉開閉予測検知手段を備え、扉開閉予測検知手段からの信号により扉の開閉検知とすることにより、実際に扉が調理室の開口部を開くより先に開口部において前記開閉扉との間に形成される隙間より加熱気体流が加熱調理器外に噴出するのを低減する制御がかけられるため、より安全に加熱調理器を使うことができる。
第13の発明は、特に、第12の発明の扉開閉予測検知手段を扉取っ手を握る力により変位を検出することで行い、使用者が扉を開けようとして扉取っ手を持った時点で、蒸気などの加熱気体流の噴出低減制御ができるので、より安全に加熱調理器を使うことができる。
第14の発明は、特に、第12の発明の扉開閉予測検知手段を人体検知センサにより行うことで、人体部分が加熱調理器に一定以上近づくことで、開閉扉が開けられる前に蒸気などの加熱気体流の噴出を低減する制御がかけられるため、より安全に加熱調理器を使うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものでない。
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の横断面図を示すものである。
図1と2において、調理室1には被調理物2を載置する被調理物載置具3と加熱気体流吸い込み口4と加熱気体流吹き出し口5を有している。加熱気体流吸い込み口4および加熱気体流吹き出し口5は、筐体6中に連通した循環風路7で繋がっている。循環風路7内には、熱風または高温蒸気をつくり循環させる送風手段8があり、送風手段8は、調理室1内に熱風または高温蒸気を吹き出し、そして吸い込んで循環させる。蒸気発生手段9は、循環風路7内に設置され蒸気を供給する。加熱手段10は、循環風路7内の空気および蒸気を加熱し、熱風と高温蒸気にする。開閉扉11は被調理物を出し入れする調理室1の開口部12を閉じるために設置されており、一般的には、ロースターなどでは開閉扉11と被調理物載置具3は一体化されているのが普通である。ここでの、被調理物載置具3は、フッ素樹脂コートを施した焼き網である。
送風手段8には、隅取モータで駆動するシロッコファンを、加熱手段10には、放熱のよいフィン付きのシーズヒータを用いることが出来るが、送風、加熱が出来るなら他のものでもよい。蒸気発生手段9は、ボイラーを用いている。水タンクや供給のためのポンプなども有しているが、図示はしない。
本発明の高温蒸気とは、蒸気発生手段9で作られた100℃から120℃程度の蒸気を加熱手段10で高温にしているものである。温度的には、350℃までの高温蒸気が作り出せる。焼き調理は、普通350℃程度であれば充分であるため、本発明の実施の形態での制御できる範囲として設定している。必要ならさらに高温にすることも可能である。当然、熱風だけでも循環が可能であるし、熱風と高温蒸気が交互でも問題はない。
調理シーケンスや制御手段については示さないが、オート調理もできる。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、蒸気を発生させての調理中に使用者が調理具合を吟味したり、被調理物の位置を変えたり、被調理物の表裏をひっくり返す等何らかの理由により、開閉扉11を開けた場合前述したように調理室1内には蒸気が充満しているため高温の蒸気が調理室1の開口部12において開閉扉11との間にできる隙間より、漏れ出すことになる。蒸気の漏れは、開閉扉11の下部には被調理物載置具3があるため、開閉扉11の上部や横側に漏れ出る。特に開けた瞬間は、調理室1の庫内温度が高く、開閉扉11の上部からは高温の蒸気が漏れ出すことになる。
本発明の実施の形態1では、開閉扉11を開ける際に漏れ出す蒸気による不安全を解消するため、図1に示すように開閉扉11の裏側の上面部分に調理室1内側に突出する遮蔽板13を有しており、図2に示すように開閉扉11を開けた瞬間に調理室1の開口部12と開閉扉11の隙間から高温の蒸気が人体の方に直接噴出することが無いようにするものである。14は加熱気体流吹き出し口5から吹き出された加熱気体流が誘導される誘導体で多数の孔15が設けられている。上記誘導体14は加熱気体流吹き出し口5から調理室1内に吹き出される方向に沿って調理室1の上方に横設されており、加熱気体流は誘導体14の多数の孔15から黒矢印に示すように被調理物3に向かって上方から下方に向かって垂直方向に流れ被調理物3を加熱した後加熱気体流吸い込み口4に吸い込まれる。従って調理室1の側壁の一部に設けられた開口部12の調理室1側であって前記開口部12を横方向に摺動して開閉する開閉扉11に平行に上方から下方に向かって流れることになる。そこで、図2に示すように開閉扉11を摺動して開口部12を開口した時には開閉扉11に調理室1内方向に突出して、誘導体14の下方一部に沿い、かつ上方から下方にすなわち被調理物3に向かって垂直方向に向かう加熱気体流に直交する方向に突出した遮蔽板13が存在する為に開口部12に加熱気体流は流れることなく、開口部12より加熱調理器外に加熱気体流が噴出しない。従って使用者の顔や手等人体の一部に直接加熱気体流が触れて、使用者に熱い不快感を与えたり火傷をさせたりする等の危険を低減することができる。
以上のように、誘導体14は被加熱物2の方向に加熱気体流を流す整流体の役目を果し効果的な加熱調理をするのに寄与するのみならず開閉扉11に設けた遮蔽板13とによって効果的に加熱気体流の加熱調理器外えの漏出を低減するものである。なお、遮蔽板13には孔を設けておくことにより、図1に示すように開閉扉11が調理室1の開口部12を閉塞している際には遮蔽板13の孔は誘導体14の開口部12に近い部分にある孔15に合致して加熱気体流は遮蔽板13の孔を通じて被調理物3に垂直方向に向かって加熱調理をし加熱調理の為の有効容積を減少することなく図2に示すように開閉扉11が調理室1の開口部12を開いている際には遮蔽板13の孔の位置がズレて誘導体14の一部の孔15を閉塞することになる。従って開口部12に近い位置にある誘導体14の孔からは下方に加熱気体流が垂下しないので、開口部12を通じて加熱調理器外に吐出することはより一層少ないことになる。
なお、この実施の形態1は請求項1に記載の発明の1態様であり、しかも請求項2に記載の発明の1態様でもある。
そして、図1、2に示す加熱調理器では加熱気体流吹き出し口5は加熱調理器の上方にあり、加熱気体流吸い込み口4は加熱調理器の下方に位置しているが、加熱気体流吹き出し口5を加熱調理器の下方にし、加熱気体流吸い込み口4を加熱調理器の上方に位置させてもよい。その場合には誘導体14は加熱調理器の下方であって被調理物載置具3の下方に位置させ、上方には誘導体14を位置させても、また位置させなくともよい。そして遮蔽板13は開閉扉11の下縁に横設することが必要であり、送風手段8は循環風路7の気体を加熱調理器の下方に向けて送風する機能を果すものでなくてはならない。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における加熱調理器の横断面図である。
実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、実施の形態1においては遮蔽板13であるのに対し実施の形態2では囲い状遮蔽壁16とした点にある。実施の形態2における囲い状遮蔽壁16は図3に示すように調理室1の開口部12を開閉する開閉扉11の調理室1側の上側縁に開閉扉11の横巾と同程度の寸法をもって調理室1側に向かって突出した横方向遮蔽部分17と、前記横方向遮蔽部分17の左右両側に前記開閉扉11の縦方向に前記調理室1内に向かって突出する縦方向遮蔽部分18とにより構成されている。従って開閉扉11を摺動して調理室1の開口部12を開いた状態すなわち図3に示す状態にした時に加熱気体流吹き出し口5より横方向に直進した加熱気体流が誘導体14の作用により被調理物3の方向に黒矢印に示すように流れても、囲い状遮蔽壁16の横方向遮蔽部分17により遮られて調理室1の開口部12より加熱調理器外に吐出することがない。従って熱い加熱気体流が使用者の顔や手に直接触れて熱い不快感を使用者に与えたり、火傷をさせたりすることは極めて少ない。そして横方向遮蔽部分17の左右両側に開閉扉11の縦方向に向かって設けた縦方向遮蔽部分18によって調理室1の側壁に当たって調理室1の中央部方向に向かった加熱気体流も遮られて調理室1の開口部12を通って加熱調理器外に噴出することはない。従って熱い加熱気体流が使用者の顔や手に直接触れることは著しく低減することになる。
この実施の形態2は請求項1記載に係る発明並びに請求項3記載に係る発明の1態様である。
なお、囲い状遮蔽壁16は横方向遮蔽部分17と縦方向遮蔽部分18とにより構成されていて実施の形態1における遮蔽板13よりも遮蔽効果が大きいので調理室1の開口部12を加熱気体流が通って加熱調理器外に吐出されることは少ない。
図3に示す実施の形態2では誘導体14を備えた状態を記載したが、請求項3記載に係る発明では誘導体14を遮蔽安全手段の必須の構成要素にしているものではない。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3の加熱調理器の横断面図である。
実施の形態3において基本的な構成は、実施の形態1、2と同様であり、同様部分については説明を省略し、実施に形態1、2に示していない部分を中心に説明する。
実施の形態1、2との相違点は、開閉扉の開閉状態を検知する扉開閉検知手段を有するという点である。
図4に示すように、開閉扉11と調理室1の接合部分に扉開閉検知手段として接触式の開閉検知スイッチ19が設けられてあり、開閉扉11が開口部12を閉じられた状態と開いている状態を検知する。
以下その動作、作用について説明する。
高温蒸気の発生の動作、構成については実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
高温蒸気による調理中に、開閉扉11が開かれた時、開閉検知スイッチ19により制御手段(図示せず)が開閉扉11が開かれたことを認識し、蒸気発生手段9の電源供給をただちに中止する。これにより調理室1内にある蒸気については開閉扉11の開かれた隙間から外部に漏れだすが、その漏れに関しては実施の形態1で説明した遮蔽板13により遮断される。かつ本発明の実施の形態3では蒸気発生が瞬時に停止されるため、さらに継続して蒸気が調理室1内に送り込まれることがないので、開閉扉11が全開されても蒸気が大量に外部に漏れだすことはない。
以上のように、実施の形態3においては開閉検知手段を設け、開閉検知手段の信号に応じて蒸気発生手段9を停止させる制御を行うことで、遮蔽板13の作用とあいまって蒸気の発生源を止めることにより調理室1からの蒸気の噴き出しが抑制されるのでより安全に加熱調理器を使うことができる。
また、開閉扉11が開かれたことを開閉扉11の開閉検知手段である開閉検知スイッチ19により検知した際、制御手段(図示せず)により送風手段8への電源供給を停止する制御を行うことで、循環風がなくなるため、調理室1への蒸気供給が減り開閉扉11が開かれた際の調理室1内から外部への蒸気の排気圧が減り、開閉扉11が全開されても蒸気が外部に漏れだすことが少なくなる。
また、図5に示すように調理室1の加熱気体流吹き出し口5に開閉動作を行う吹き出し口開閉機構20を有することで、開閉扉11が開閉検知手段である開閉検知スイッチ19により開かれたことを検知した際、制御手段(図示せず)により、吹き出し口開閉機構20を動作させることにより、調理室1への蒸気進入を瞬時に止めることができるので、これにより調理室1内にある蒸気については開閉扉の開かれた隙間から外部に漏れだすが、その漏れに関しては実施の形態1で説明したように遮蔽板13により遮断され、かつ蒸気発生が瞬時に停止されるためさらに継続して蒸気が調理室1内に送り込まれることがないので開閉扉11が全開されても蒸気が大量に外部に漏れだすことはなくより安全である。そして開閉扉11が調理室1の開口部12を閉塞したことを開閉検知スイッチ19が検知した時には前記吹き出し口開閉機構20によって加熱気体流吹き出し口5を開口すればよい。
なお、開閉扉11の開閉検知手段としては、本発明の実施の形態で説明した接触式のスイッチでなくても、開閉扉11が開いているかどうか検知できれば使用可能である。
また、各時間履歴における調理の進行状態を記憶する記憶回路(図は省略)を有することで、開閉扉11が急に開かれて、制御回路の働きにより、調理が一時停止状態になっても、その時点での調理の進行状況が記憶されているため、開閉扉11を閉じれば再度元の状態から調理を再開できるので、開閉扉11を開けることにより、調理状態がリセットされることを無くすことができる。以上説明したように実施の形態3は請求項4、5ならびに6に記載した発明に係る実施の態様である。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における加熱調理器の横断面図を示すものである。
実施の形態4において基本的な構成は実施の形態1と同様であるためその部分の説明は省略する。実施の形態4で実施の形態1と構成上の異なっている点は、循環風路7上の排気を外部に排出するために循環風路7内に排気口21を設けてあり、その排気口21には更に開閉動作を行う排気口開閉機構22を備えている。
その動作、作用について以下に説明する。
調理中は、蒸気発生手段9により発生した蒸気を加熱装置により高温状態に加熱し、送風手段8により加熱気体流吹き出し口5より調理室1に送り込み被調理物2を加熱する。被調理物2の加熱を終えた蒸気は加熱気体流吸い込み口4より取り込まれ、加熱手段10により加熱されて調理室1に送り込まれ再加熱され循環する。蒸気を効率よく使用するため、高温蒸気使用中排気口21は排気口開閉機構22により閉じられている。
調理中に開閉扉11が開かれた際、開閉扉11の開閉検知スイッチ19により開閉扉11が開いた信号が排気口21に設けられた排気口開閉機構22の制御回路(図示せず)に送られ排気口開閉機構22が駆動され排気口21が開放される。調理室1や循環風路7内に充満している蒸気は排気口21より排出されるため、開閉扉11が開かれた時、調理室1の開口部12と開閉扉11との隙間より漏れ出す蒸気は減る。
以上のように本実施の形態においては循環風路7に排気口21を設けその排気口21に排気口開閉機構22を備え開閉検知スイッチ19からの信号により排気口開閉機構22の開閉を制御することにより、実施の形態1で説明した遮蔽板13の効果をより高めることが可能となる。
なお、排気口21は調理室1に設けても同様の効果が得られる。
また図7に示すように排気口21に強制排気用の排気ファン23を設け、開閉扉11が開かれた際、排気口21を排気口開閉機構22を駆動して開くと同時に排気ファン23を駆動することにより、強制的に蒸気が排気口21より外部に排出されるので、調理室1前部の開口部12より漏れ出る蒸気をより減少することができる。
なお、図8に示すように一つのモーター24の回転駆動をそれぞれ正転及び逆転時に機能するワンウェイクラッチ25を介して循環風路7の送風手段8と排気口21の排気ファン23に伝達し、正転時はモーター24が送風手段8を駆動し、逆転時は排気口21の排気ファン23を駆動することで、調理中はモーター24の正転により蒸気の循環が行われるが、開閉扉11が開かれた際には開閉検知スイッチ19からの信号により排気口21を開けると共にモーター24を逆転させる。モーター24の逆転により送風手段8は停止し、蒸気の循環は停止すると共に排気ファン23が駆動され排気口21より蒸気が強制的に排出され、調理室1前部の開口部12より漏れ出る蒸気をより減少することができる。
(実施の形態5)
図9は、実施の形態5における加熱調理器の横断面図を示すものである。
実施の形態5において基本的な構成は実施の形態1と同様であるため説明は省略する。実施の形態5で実施の形態1と構成上の異なっている点は、開閉扉11の開閉検知手段として、開閉扉11の開閉そのもので検知するのではなく、扉の開閉にあたり付随する動作を検知し、実際に開閉扉11が開く前に開閉扉11の開くことを予測検知する開閉検知予測手段を持ち、蒸気漏れ防止の制御を行う点であり、図9において扉取っ手26に設けられた圧電素子を用いた感圧センサ27で人の手が開閉扉11を開ける際の引こうとする力を検知する。
以下その動作、作用について説明する。
高温蒸気による調理中に人が開閉扉11を開けようとした時、開閉検知予測手段であるセンサの働きにより、実施の形態の3、4で説明した開閉検知手段による開閉扉11が開かれたという指示に代わって蒸気漏れ防止制御を行う。実際開閉扉11が開いたことを検知するのではなく、開閉扉11を開けようとする初期動作を検知することで、開閉扉11が開けられる前に蒸気漏れ防止制御を行うよりも、開閉扉11が開けられた時点での調理室内での蒸気量がより減少することになる。
以上のように、本実施の形態においては開閉扉11の開閉検知手段として、開閉扉11の開閉にあたり付随する動作を検知し、実際に開閉扉11が開く前に開閉扉11の開くことを予測検知する開閉検知予測手段を持ち、蒸気漏れ防止の制御を行うことで、開閉扉11が開けられた時点での調理室1内での蒸気量がより減少し、更に安全性を高めることができる。
なお本実施の形態では、感圧センサを用いているが検知手段としては人が扉取っ手26に触ったことを検知できるものであれば使用可能であり、例えば静電容量式のセンサや、または機械的な接触式のスイッチでも良い。
また、開閉扉11に触れることを検知するのでなくても、人体が開閉扉11の近くにあることを検知することでも開閉検知予測手段として使用可能であり、光や赤外線を用いたセンサも使用できる。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、調理室庫内の開口部の開閉扉の部分に蒸気噴き出し防止手段を設けることにより、調理中に開閉扉が開けられても蒸気の噴出が妨げられる構成とした。さらには開閉扉の開閉検知手段を有し開閉扉が開いた時に蒸気の漏れ防止制御を行うことで、開閉扉の開時には調理室の蒸気量を減少させ、これによって、調理中になんらかの理由で使用者が開閉扉を開けても蒸気が直接人体に向けて噴き出すことが無く、安全に加熱調理器を使用することができる。従って本発明は加熱気体流による加熱調理器のみならず高温気体を扱うタンクや配管等の施設や器具にも利用することができる。
(a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の横断面図(b)同加熱調理器に使用する誘導体の平面図 同加熱調理器の開閉扉開放時の横断面図 本発明の実施の形態2における加熱調理器の横断面図 本発明の実施の形態3における加熱調理器の横断面図 本発明の実施の形態3における同加熱調理器の開閉扉閉塞時の横断面図 本発明の実施の形態4における加熱調理器の横断面図 同加熱調理器の他の態様における横断面図 同加熱調理器の更に他の態様における横断面図 本発明の実施の形態5における加熱調理器の横断面図 従来例の加熱調理器の横断面図
符号の説明
1 調理室
2 被調理物
3 被調理物載置具
4 加熱気体流吸い込み口
5 加熱気体流吹き出し口
6 筐体
7 循環風路
8 送風手段
9 蒸気発生手段
10 加熱手段
11 開閉扉
12 開口部
13 遮蔽板
14 誘導体
15 孔
16 囲い状遮蔽壁
17 横方向遮蔽部分
18 縦方向遮蔽部分
19 開閉検知スイッチ
20 吹き出し口開閉機構
21 排気口
22 排気口開閉機構
23 排気ファン
24 モーター
25 ワンウェイクラッチ
26 扉取っ手
27 感圧センサ

Claims (14)

  1. 被調理物を載置する被調理物載置具を収納し、内壁には加熱気体流吹き出し口と加熱気体流吸い込み口とを有する調理室並びに前記加熱気体流吹き出し口と前記加熱気体流吸い込み口に連通する循環風路とを備えていて、前記循環風路内には前記循環風路内の気体を前記加熱気体流吹き出し口より被調理物を経由して前記加熱気体流吸い込み口に循環させる送風手段と前記循環風路内に蒸気を供給する蒸気発生手段と前記循環風路内の空気および蒸気を加熱する加熱手段を設け、前記調理室には被調理物を出し入れする開口部に開閉扉を設け、前記開閉扉には前記開口部を開いた時に前記調理室内の加熱気体流が前記開口部において前記開閉扉との間に形成される隙間より加熱調理器外に噴出するのを低減する遮蔽安全手段を配設した加熱調理器。
  2. 加熱気体流吹き出し口から調理室内に向かって吹き出される加熱気体流は調理室内に横設される被調理物載置具の少なくとも上面または下面の全面にわたって直進する構成とし、前記調理室の側壁の一部に設けた被調理物を出し入れする開口部を開閉する開閉扉には、加熱気体流が前記被調理物載置具に向かって直進する流路に直交する方向に突出して前記開口部に加熱気体流が進入することを阻止する遮蔽板を遮蔽安全手段として具備した請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 加熱気体流吹き出し口から調理室内に向かって吹き出される加熱気体流は調理室内に横設される被調理物載置具の少なくとも上面または下面の全面にわたって直進する構成とし、前記調理室の側壁の一部に設けた被調理物を出し入れする開口部を開閉する開閉扉には、加熱気体流が前記被調理物載置具に向かって直進する流路に直交する方向に突出して前記開口部に加熱気体流が進入することを阻止する横方向遮蔽部分と、前記横方向遮蔽部分の左右両側であって前記開閉扉に縦設した縦方向遮蔽部分とにより構成した囲い状遮蔽壁を遮蔽安全手段として具備した請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 加熱気体流吹き出し口から吹き出される加熱気体流に沿う位置に横設され、かつ多数の孔を設けた誘導体を具備し、前記誘導体により加熱気体流吹き出し口から吹き出される加熱気体流を前記誘導体によって調理室の横方向に拡大し、かつ前記多数の孔から被調理物載置具の方向に向かって垂直方向に直進して被調理物載置具に載置された被調理物を加熱調理するように構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  5. 調理室の開口部を開閉する開閉扉の開閉を検知する扉開閉検知手段を具備し、前記開閉扉が前記開口部を開いたことを前記扉開閉検知手段が検知した時に発生する信号により循環風路内に蒸気を供給する蒸気発生手段の蒸気発生を停止させる制御手段を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  6. 調理室の開口部を開閉する開閉扉の開閉を検知する扉開閉検知手段を具備し、前記開閉扉が前記開口部を開いたことを前記扉開閉検知手段が検知した時に発生する信号により循環風路内の気体を調理室の加熱気体流吹き出し口より被調理物を経由して加熱気体流吸い込み口に循環させる送風手段の駆動を停止させる制御手段を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  7. 調理室の開口部を開閉する開閉扉の開閉を検知する扉開閉検知手段が前記開閉扉が調理室の開口部を開いたことを検知した時に加熱気体流吹き出し口を閉塞し前記扉開閉検知手段が前記開閉扉が調理室の開口部を閉塞したことを検知した時に前記加熱気体流吹き出し口を開放する吹き出し口開閉機構を具備した請求項5または6のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  8. 循環風路および/または調理室に加熱調理器内の加熱気体を加熱調理器外に排出する排気口と、前記排気口を開閉することができる排気口開閉機構とを具備し、調理室の開口部を開閉する開閉扉の開閉を検知する扉開閉検知手段が前記開閉扉が前記調理室の開口部を開いたことを検知した時に前記排気口を前記排気口開閉機構により開放し、前記扉開閉検知手段が前記開閉扉が調理室の開口部を閉塞したことを検知した時に前記排気口を前記排気口開閉機構により閉塞するように構成した請求項5〜7のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  9. 循環風路および/または調理室に設けた排気口を通じて加熱調理器内の加熱気体を加熱調理器外に強制排気する排気ファンを具備し、前記排気口を前記排気口開閉機構が開放した時に前記排気ファンを駆動し、前記排気口を前記排気口開閉機構が閉塞した時に前記排気ファンの駆動を停止する排気ファン駆動制御手段を備えている請求項8に記載の加熱調理器。
  10. 循環風路内の気体を加熱気体流吹き出し口より被調理物を経由して加熱気体流吸い込み口に循環させる送風手段の駆動と加熱調理器内の加熱気体を加熱調理器外に排気口を通じて強制排気する排気ファンの駆動とを切替えによって兼用することができる送風排気兼用駆動手段を具備した請求項9に記載の加熱調理器。
  11. 調理過程の状態を記憶する動作記憶手段を具備し、扉開閉検知手段が加熱調理進行中に開閉扉が調理室の開口部を開いたことを検知した時には開閉扉が開口部を開いた際の調理状態を前記動作記憶手段に記憶し、扉開閉検知手段が開口部を再び閉塞したことを検知して調理を再開した時には、前記動作記憶手段が記憶している情報に応じて未進行の加熱調理を補充続行することができるようにした請求項6〜10のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  12. 開閉扉の扉開閉予測検知手段を備え、調理室の開口部の開閉を扉開閉検知手段から信号にかえて、前記扉開閉予測検知手段からの信号により検知することとした請求項5〜11のいずれか1項に記載の加熱調理器。
  13. 扉開閉予測検知手段が調理室の開口部を開くと予測するのは開閉扉に設けた扉取っ手を握る力により所定値以上に扉取っ手が変位したことを検知した場合とした請求項12に記載の加熱調理器。
  14. 人体検知センサを備え、扉開閉予測検知手段が調理室の開口部を開くと予測するのは前記人体検知センサが人体を検知した時に発生する信号によることとした請求項12に記載の加熱調理器。
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